JP2009220431A - インク廃液吸収体及びその含浸液 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックフォームにインク廃液吸収性能向上のための含浸液を含浸処理してなるインク廃液吸収体であって、顔料系又は染料系のインク廃液の吸収性能に優れると共に、含浸処理時の作業性、生産性に優れたインク廃液吸収体を提供する。
【解決手段】プラスチックフォームを界面活性剤と消泡剤を含む含浸液で含浸処理してなるインク廃液吸収体。含浸液処理時の界面活性剤に起因する泡立ちが、消泡剤を併用することにより防止され、良好な作業性のもとに円滑に含浸処理することができ、生産性が向上する。基材フォームとしては、非ハロゲン系難燃性軟質ポリウレタンフォームが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチックフォームにインク吸収性能向上のための含浸液を含浸処理してなるインク廃液吸収体であって、顔料系又は染料系のインク廃液の吸収性能に優れると共に、含浸処理時の作業性、生産性に優れたインク廃液吸収体と、このインク廃液吸収体のための含浸液に関するものである。
近年、パソコンの普及に伴ないプリンターも多くの機種が提供されている。そして、最近ではこれらのプリンターはワイヤドット方式やインクリボン方式から、レーザー方式やインクジェット方式に移行しつつある。特に、インクジェット方式はレーザー方式に比べて安価であり、広く採用されている。かかるインクジェット方式のプリンターには、従来染料系インクが広く用いられていたが、近年のカラープリンター化に伴い、顔料系インクが用いられるようになってきた。
インクジェット方式のプリンターでは、プリンターヘッドのクリーニング等により、余分なインクはプリンター内に溜め込まれるが、これが流れ出してプリンターヘッド周辺を汚染させることがある。このため、プリンター内には、余分なインクを吸収するためのインク吸収材がプリンターヘッドに対応して敷き詰められている。
このインク吸収材は、旧来はパルプや繊維質の不織布で構成されていたが、羽毛立ちにより繊維がプリンター内に飛散する問題があるために、近年では軟質ポリウレタンフォームシートが広く用いられている。しかして、インクが染料系インクから顔料系インクに変わりつつあるために、この軟質ポリウレタンフォームシートについてもインクの吸収性に改良が重ねられている。即ち、顔料系インクには、微細なカーボンブラック等の顔料粒子が分散状態で含まれていることから、吸収のための要求性能が染料系インクとは異なり、例えばカーボンブラック等の顔料粒子による目詰まりのために、従来のインク吸収材では十分な吸収性能が得られない場合があった。
一方で、プリンターの小型化及び軽量化に対する要求から、プリンターヘッドに直接対応する位置にインク吸収材を敷き詰めるスペースを確保し得ない場合もある。この場合には、プリンターヘッドとは若干離れた位置にインク吸収材を設け、このインク吸収材とプリンターヘッドとの間にインクの通り道となる吸収性のよい材料(導通材)を橋架けする構造が採用される。
このようなことから、これらインク吸収材や導通材としてのインク廃液吸収体に対して、より一層のインク吸収性能の向上が望まれている。
従来、インク廃液吸収体のインク吸収性能を向上させるために、基材であるフォームを、界面活性剤及びバインダーを含む含浸液で含浸処理したのもが提案されている。このように、界面活性剤を含浸させたインク廃液吸収体であれば、泡立ちのある廃インクであっても、界面活性剤の界面活性作用で容易にインク廃液吸収体に吸収されるようになり、インクの吸収性能が向上する。
なお、プリンターに限らず、すべてのAO機器には、難燃性に優れることが常に要求されており、インク廃液吸収体にあっても難燃性の改善が望まれる。また、昨今の環境問題の観点からも、ハロゲンフリーの材料が望まれる。
従来、ポリウレタンフォームにリン/ハロゲン系難燃剤を配合して難燃性を付与したものが提供されているが、リン/ハロゲン系難燃剤を添加したポリウレタンフォームでは、次のような問題がある。
(a) リン/ハロゲン系難燃剤由来の可塑化効果により、フォームの硬度低下、引張強度低下、圧縮永久歪の増大などが生じてフォーム物性が著しく低下する。
(b) フォームを高温下で使用する際、経時で難燃剤が揮発損失する傾向があり、このため難燃効果の致命的な低下が生じたり、更には揮散難燃剤が周辺機器や部材に付着して汚染が進行し易い。
(c) 鉄、アルミニウム等の金属類と直接接触させて使用すると、金属類との接触部位に錆が発生して腐食が生じる。
特開2006-334792号公報
しかしながら、界面活性剤を含む含浸液で含浸処理した従来のインク廃液吸収体では、次のような問題点があった。
(1) 含浸処理時に界面活性剤に起因する泡立ちが発生し、含浸作業性が悪く、このため生産性が悪い。
(2) 十分なインク吸収性能を発揮させるためには多量の界面活性剤を必要とする。例えば、特許文献1では所望のインク吸収性能を発揮させるために、15000g/mもの界面活性剤含浸量とする必要がある。このため、高価な界面活性剤使用量が多いことによりコスト高となる。
本発明は上記従来の問題点を解決し、プラスチックフォームにインク廃液吸収性能向上のための含浸液を含浸処理してなるインク廃液吸収体であって、顔料系又は染料系のインク廃液の吸収性能に優れると共に、含浸処理時の作業性、生産性に優れたインク廃液吸収体と、このインク廃液吸収体のための含浸液を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のインク廃液吸収体は、プラスチックフォームを、界面活性剤と消泡剤を含む含浸液で含浸処理してなることを特徴とする。
請求項2のインク廃液吸収体は、請求項1において、更にバインダーを含浸させてなることを特徴とする。
請求項3のインク廃液吸収体は、請求項1又は2において、前記界面活性剤がアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤のうちの2種以上の混合物であることを特徴とする。
請求項4のインク廃液吸収体は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記消泡剤がシリコーン系消泡剤であることを特徴とする。
請求項5のインク廃液吸収体は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記プラスチックフォームが非ハロゲン系難燃剤を含む難燃性軟質ポリウレタンフォームであることを特徴とする。
請求項6のインク廃液吸収体は、インクジェット式記録装置のプリンターヘッドに対応するインク導通材、インク吸収材、又はインク導通材に接触させるインク吸収体であることを特徴とする。
本発明(請求項7)のインク廃液吸収体用含浸液は、インク廃液吸収体用プラスチックフォームに含浸させるための含浸液であって、界面活性剤と消泡剤とを含むことを特徴とする。
本発明では、界面活性剤と消泡剤とを含む含浸液を用いることにより、含浸処理時の作業性が改善される。即ち、界面活性剤を含み消泡剤を含まない含浸液では、含浸液処理時の泡立ちで、フォームへの含浸性が阻害されるが、消泡剤を併用することにより、この泡立ちが抑制され、良好な作業性のもとに円滑に含浸処理することができ、生産性が向上する。
この界面活性剤による泡立ちと消泡剤併用による消泡のメカニズムは、以下の通りである。
「泡」は気体を薄い液膜で包んだものであるが、界面活性剤は気体側に疎水基、液膜側に親水基を向けて配列している。つまり、界面活性剤を用いた場合、界面活性剤の親水基で囲まれた部分(泡の境界部)を芯液(水)が満たしていることになる。
通常、泡の集合体では泡同士の境界(3点中心)に毛管現象で芯液が吸い寄せられ、液膜はだんだん薄くなっていき泡を維持できなくなって最終的にはじけてしまう。しかし、例えば、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤といったイオン性界面活性剤を用いた場合、液膜が薄くなっていくと、分子同士の静電反発のために、それ以上膜が薄くなることに抵抗を示すようになる。このため泡が維持されるようになり気泡現象が起きる。
一方、シリコーンや脂肪酸エステルなどの消泡剤を加えると、これは液膜に浸透するが、消泡剤は非イオン性で互いの静電反発がないため、液膜が薄くなるのを止めきれずに消泡する。
また、本発明では、界面活性剤と共に併用した消泡剤の界面活性作用により、含浸時に界面活性剤が十分にフォームに馴染み、均一に良好な含浸状態で含浸されるようになることにより、界面活性剤によるインク吸収性能の向上効果が十分に発揮され、目的とするインク吸収性能を得るための界面活性剤使用量の削減を図ることができる。例えば、特許文献1では、界面活性剤の含浸量として15000g/mを必要としていたのに対し、本発明では消泡剤と界面活性剤との合計で5000g/m程度にまで低減することができる。
本発明において、含浸液にバインダーを配合するなどして、フォームに更にバインダーを含浸させることが好ましく、バインダーの併用により、使用時のフォームからの界面活性剤の流出を防止して、インク廃液吸収体の寿命を延長することができる(請求項2)。
本発明において、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤のうちの2種以上の混合物が好適に用いられる(請求項3)。
また、消泡剤としてはシリコーン系消泡剤が好適に用いられる(請求項4)。
また、本発明において、基材としてのプラスチックフォーム(以下「基材フォーム」と称す場合がある。)としては、難燃性に優れ、また、従来、一般的に用いられているハロゲン系難燃剤による前述のような問題もないことから、非ハロゲン系難燃剤を含む難燃性軟質ポリウレタンフォームを用いることが好ましい(請求項5)。
本発明のインク廃液吸収体の用途には特に制限はないが、本発明のインク廃液吸収体は、特にインクジェット式記録装置のプリンターヘッドに対応するインク導通材、インク吸収材、又はインク導通材に接触させるインク吸収体として好適である(請求項6)。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[含浸液]
本発明において、基材フォームに含浸させる含浸液は、界面活性剤と消泡剤とを含み、更に好ましくはバインダーを含むものである。通常、この含浸液は、水溶液ないし水分散液として調製される。
なお、本発明において、「界面活性剤」とは、前述の如く、気泡の液膜が薄くなっていったときに、分子同士の静電反発のために、泡膜の薄化に抵抗を示す化合物であり、「消泡剤」とは、この泡膜の薄化に抵抗を示さない化合物である。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、例えば、コハク酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、エチレンオキシド等の陰イオン界面活性剤(アニオン系界面活性剤);アルキルアミン塩、第四アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤(カチオン系界面活性剤);ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルアリルエーテル、アルキルエーテル、アルキルエステル、アルキルアミン、フェニルエーテル、アルキルアルカノールアミド等の非イオン界面活性剤(ノニオン系界面活性剤);アミノ酸、アルキルベタイン、アミンオキサイド、アルキルイミダゾリニウム等の両性界面活性剤;ポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤;等が用いられる。また、本発明においては高分子型界面活性剤、反応型界面活性剤も好適に使用可能である。
これらの界面活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
安定な含浸液を調製するために、界面活性剤は水溶性のものが好ましい。
これらの中では、特にコハク酸ナトリウム変性物、スルホン酸塩、第四級アンモニウム塩などのアニオン系界面活性剤と、アルキルアリルエーテルなどのノニオン系界面活性剤の混合物が好ましい。この場合、コハク酸ナトリウム変性物としては、下記一般式(1)で示されるコハク酸のジアルキルエステルスルホン酸ソーダが好適に用いられる。
Figure 2009220431
(但し、R,Rはそれぞれ独立に、アルキル基又はアラルキル基であり、炭素数1〜18のものが挙げられる。)
具体的に上記ジアルキルエステルとしては、ジ−n−アミル、ジ−n−ヘキシル、ジ−n−ヘプチル、ジ−n−オクチル、ジ−n−ノニル、モノエチルモノドデシル、モノブチルモノドデシル、モノ−2−エチルヘキシル−モノ−1−メチルベンジル、モノ−2−エチルヘキシル−モノ−1−メチル−4−エチルヘキシル、ジ−1−メチルブチル、ジ−2−メチルブチル、ジ−イソアミル、ジ−1,3−ジメチルブチル、ジ−1−メチルアミル、ジ−ジメチルアミル、ジ−1−イソプロピルイソブチル、ジ−1−プロピルブチル、ジ−1−メチルヘキシル、ジ−2−エチルヘキシル、ジ−1−メチルヘプチル、ジ−1−ブチルアミル、ジ−1−イソブチル−3−メチルブチル、ジ−1−メチル−4−エチルヘキシル、ジ−1−メチル−4−エチルオクチル等が挙げられる。
界面活性剤としては市販品を用いることができ、例えば、エネックス社製アニオン・ノニオン系混合界面活性剤「SEレベラ450」、ライオン社製カチオン系界面活性剤「リパール870P」、ライオン社製ノニオン系界面活性剤「レオコールTD−150」等と用いることができる。
<消泡剤>
消泡剤としては、例えば、アルコール類、エーテル類、ポリオール類、脂肪酸エステル類、金属石鹸類、燐酸エステル類、シリコーン類、及びノニオン性界面活性剤類等を挙げることができるが、本発明では、これらのうち、特にシリコーン系消泡剤が自己乳化型シリコーン系消泡剤であることにより好ましい。
シリコーン系消泡剤としては、例えば、オイル型、コンパウンド型、自己乳化型、又はエマルジョン型シリコーン系消泡剤等を挙げることができ、特にオイル型としては、一般的なジメチルポリシロキサン構造のシリコーンオイルの他にメチル基の一部を変性させた変性シリコーンオイルを挙げることができ、例えば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、異種官能基変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸含有、又はフッ素変性等の変性シリコーンオイルを挙げることができる。市販品としては、オイル型としてSH200(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KF−96、KS−604、KI−6702(信越シリコーン株式会社製)、コンパウンド型としてSNデフォーマー5016(サンノプコ株式会社製)、SH5500,SC5540(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、自己乳化型としてBY28−503(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KS−502、KS−508、KS−530、KS−538(信越シリコーン株式会社製)、エマルジョン型としてSM5511、SM5512、SM5515(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KM72、KM73、KM98(信越シリコーン株式会社製)等を挙げることができ、また変性シリコーンオイル型としては、アミノ変性としてSF5417、エポキシ変性としてSF8411、SF8413、カルボキシル変性としてBY16−880、フッ素変性としてFS1265(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、ポリエーテル変性としてKF−6017(信越シリコーン株式会社製)、アルキル変性シリコーンとポリエーテル変性を含有したFORM
BAN MS−575(Ultra Additives Inc. 製)、カルビノール変性としてKF−6001、KF−6003(信越シリコーン株式会社製)等を挙げることができる。
これらの消泡剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
<バインダー>
バインダーとしては、例えば油性、油分散性、水溶性、水分散性、両親媒性のバインダーのいずれも使用可能である。中でも、水等の溶剤に溶解、または分散可能で、溶剤を除去することにより被膜を形成するものが好適である。この点で、樹脂やエラストマー等の有機高分子材料が好適である。これらは熱可塑性、熱硬化性のいずれであってもよいが、特に、水溶性のものが好ましい。
このような樹脂としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、各種アルキル樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等)、アリル樹脂、スチレン樹脂、ナイロン樹脂、ABS樹脂、カーボネート樹脂、アセタール樹脂、ビニル樹脂、フタレート樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、フラン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェニレンサルファイド樹脂、セルロース系樹脂、レーヨン、ケイ素系樹脂、フッ素系樹脂、これらの2種以上の共重合体、等を挙げることができる。また、エラストマーとしては、ブチル、EPDM、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等のゴム(ラテックス)が挙げられる。特に好ましいのは、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレンゴムである。
これらのバインダーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。併用に際しては、各成分の溶解液又は分散液を予め調製した後に混合しても良い。
バインダーとしては市販品を用いることができ、例えば、エネックス社製アクリル樹脂系エマルジョン「BS−050310−1」、エネックス社製アクリル樹脂「SEバインダー−9300」、三井武田ケミカル社製ウレタン樹脂「タケラックWS−5000」、東洋インキ社製「TOCRYL W−461」などを用いることができる。
<その他の添加剤>
本発明の含浸液は、上記界面活性剤、消泡剤、バインダー及び媒体としての水の他、必要に応じて水溶性溶剤や、保湿剤、pH調整剤、防腐・防カビ剤、荷電制御剤等の各種の添加剤の1種又は2種以上を含有することができる。
<含浸液の調製>
本発明の含浸液は、水に、界面活性剤及び消泡剤と、更に、必要に応じて添加されるバインダー及び各種の添加剤を混合することにより調製される。
<含浸液の成分組成>
本発明の含浸液中の界面活性剤の含有量は、1〜50重量%、特に3〜20重量%であることが好ましい。含浸液中の界面活性剤の含有量が少ないと、含浸効率が悪く、多いと手で握る等の強い圧力を加えると界面活性剤が染み出す場合がある(ベトツキ)。
また、本発明の含浸液中の消泡剤の含有量は、0.01〜10重量%、特に0.01〜6重量%であることが好ましい。含浸液中の消泡剤の含有量が少ないと、消泡剤を用いたことによる本発明の効果を十分に得ることができず、多いとコスト高をまねく。
また、界面活性剤に消泡剤を併用することによる消泡効果を十分に得るために、含浸液中の消泡剤の含有量は、フォームへの界面活性剤含浸量に対して後述の好適な消泡剤含浸割合となるように、含浸液中の界面活性剤含有量に対する消泡剤含有量を調整することが好ましい。
なお、バインダーは、後述の如く、界面活性剤及び消泡剤とは別の水溶液として用いても良い。バインダーを界面活性剤及び消泡剤と別の水溶液として用いる場合、バインダー水溶液のバインダー含有量は1〜50重量%程度であることが好ましい。バインダーを界面活性剤及び消泡剤を含む水溶液中に含有させる場合は、バインダーの含有量は1〜50重量%程度、特に3〜20重量%であることが好ましい。
また、バインダーは、界面活性剤の溶出防止効果を確実に得る上で、界面活性剤/バインダーの含浸量比が後述の好適範囲となるような使用量とすることが好ましい。
<含浸方法>
界面活性剤及び消泡剤を含む本発明の含浸液を用いて基材フォームの含浸処理を行う方法としては、特に制限はないが、例えば、界面活性剤と消泡剤とバインダーとを含む本発明の含浸液に基材フォームを浸漬して、基材フォームに含浸液を含浸させる方法が挙げられる。含浸液の含浸後には、必要に応じて過剰の液分を絞り取った後、乾燥する。この乾燥は100〜180℃程度の温度に加熱して行っても良い。
なお、本発明において、「含浸処理」とは、基材フォームに含浸液を含ませることができる方法であれば良く、上述のような浸漬による方法に限らず、スプレー等で基材フォームに含浸液を塗布する方法であっても良い。また、バインダーについては、界面活性剤及び消泡剤を含む含浸液とは別に、界面活性剤及び消泡剤を含む含浸液を基材フォームに含浸させる前又は後に、或いは同時に、バインダー水溶液を含浸させる方法で基材フォームに含浸させても良い。
このようにして含浸液を基材フォームに含浸させて、各成分を付着させた後は、必要に応じて圧縮成形しても良く、これにより、毛細管現象によるインク吸収性能を向上させることができる。
<基材フォームへの各成分の付着量>
本発明のインク廃液吸収体において、基材フォームへの界面活性剤含浸量は、インク廃液吸収体に要求される性能によっても異なるが、好ましくは1000〜10000g/m、更に好ましくは3000〜6000g/mである。即ち、本発明では、前述の如く、消泡剤を併用することにより、少ない界面活性剤含浸量で十分なインク吸収性能を得ることができるが、上記範囲よりも界面活性剤含浸量が少ないと十分なインク吸収性能を得ることができない。界面活性剤含浸量が上記範囲よりも多くてもインク吸収性能に大差はなく、徒に界面活性剤量が多くなることにより、コスト高となり好ましくない。また、界面活性剤の染み出しによるベトツキで作業性に不利がある。
また、基材フォームへの消泡剤の含浸量は1〜5000g/m、特に5〜2000g/mで、消泡剤は、界面活性剤の0.1〜80重量%、特に2〜10重量%の割合で含浸されていることが好ましい。
消泡剤の含浸量が上記範囲よりも少ないと消泡剤を併用することによる本発明の効果を十分に得ることができず、多いとコスト高により好ましくない。
また、基材フォームへのバインダーの含浸量は、界面活性剤とバインダーとの基材フォームへの含浸量比として、(界面活性剤の含浸量)/(バインダーの含浸量)(重量比)が1/10〜10/1、特に1/7〜7/1、特に1/3〜3/1、更に1/2〜2/1となるようにすることが好ましい。バインダーの含浸量が少なすぎると、バインダーが界面活性剤を固定化する機能が十分に得られない場合があり、一方、界面活性剤の含浸量が少なすぎると、インクの吸収、透過性能が十分に得られない場合がある。
[基材フォーム]
本発明のインク廃液吸収体の基材フォームとしてのプラスチックフォームとしては特に制限はないが、インク吸収性能に優れることから軟質ポリウレタンフォームが好ましく、特に難燃剤の配合で難燃性を付与した難燃性軟質ポリウレタンフォームが好ましく、とりわけ、難燃剤として非ハロゲン系難燃剤を用いた難燃性軟質ポリウレタンフォームが好ましい。
以下に、本発明に好適な非ハロゲン系難燃性軟質ポリウレタンフォームの一例を挙げるが、本発明で用いる基材フォームは以下のものに何ら限定されるものではない。
この非ハロゲン系難燃性軟質ポリウレタンフォームに用いられる非ハロゲン系難燃剤としては特に制限はないが、ノンハロゲンタイプの有機リン系難燃剤が好ましく、特に、水酸基を含有しない非オリゴマー状有機リン系難燃剤と、リン含量が10重量%以上で、少なくとも3つのリン酸エステル単位を有するオリゴマー状有機リン系難燃剤とを併用することが好ましい。
水酸基を含有しない非オリゴマー状有機リン系難燃剤としては、下記一般式(2)で表されるリン酸エステルが好ましい。
Figure 2009220431
(上記一般式[2]中、R”は炭素数1〜5個のアルキル基、又はアリール基を表し、一分子中に複数存在するR”は同一であっても異なるものであっても良いが、好ましくはR”は同一である。)
このような非オリゴマー状有機リン系難燃剤としては、トリフェニルホスフェート(「TPP」);プロピル化又はブチル化されたTPP(それぞれ「PTPP」及び「BTPP」);トリエチルホスフェート(「TEP」);トリブチルホスフェート(「TBP」)等が挙げられる。また、非オリゴマー状有機リン系難燃剤は非オリゴマー状であれば、必ずしもモノマーである必要はなく、ダイマー、トリマー、テトラマー又はそれらの混合物であっても良い。好ましくは、ダイマー、トリマー又はそれらの混合物であり、ダイマーが最も好ましい。そのようなダイマーの例としては、レゾルシノールジホスフェート(「RDP」)が挙げられる。
また、非オリゴマー状有機リン系難燃剤は、上記一般式(2)における−OR”基の1つが−R”基で置き換えられた、非オリゴマー状のものであっても良く、このような非オリゴマー状有機リン系難燃剤としては、ジメチルメチルホスホネートが挙げられる。
一方、オリゴマー状有機リン系難燃剤は、リン含量が10重量%以上で、少なくとも3つのリン酸エステル単位を有するものであるが、ここで、「オリゴマー状」とは「モノマー」「ダイマー」を除き、少量のトリマー、テトラマーを含んでいても良いオリゴマーを意味する。このオリゴマー状有機リン系難燃剤は、例えば、5酸化リンを、選択されたトリアルキルホスフェート(例えばトリエチルホスフェート)と反応させて、P−O−P結合を含むポリホスフェートエステルを形成し、これをエポキシド(例えばエチレンオキシド)と反応させて、所望の生成物を形成することによって製造することができる。
本発明において好ましいオリゴマー状有機リン系難燃剤は、下記一般式(3)で表される。
Figure 2009220431
(上記一般式(3)中、nは数平均に基づいて2〜20の範囲であり、Rはアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、R’はアルキレン基を表す。なお、一分子中に複数存在するRは同一であっても異なるものであっても良いが、好ましくはRは同一である。)
上記一般式(3)において、nはより好ましくは2〜10の範囲である。また、Rは炭素数1〜24のアルキル基、特に炭素数2〜10のアルキル基、とりわけ炭素数2〜4のアルキル基、又は炭素数1〜24で1〜10個のヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基、特に炭素数2〜10で1〜4個のヒドロキシ基を含むヒドロキシアルキル基、とりわけ炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、また、R’は炭素数1〜24、特に炭素数2〜10、とりわけ炭素数2〜4のアルキレン基であることが好ましい。
特に好ましいオリゴマー状有機リン系難燃剤は、上記一般式(3)において、Rがエチル基で、R’がエチレン基であり、約30mg−KOH/g以下のヒドロキシ官能基を有し、約2.5mg−KOH/g以下の酸価を有し、かつ約15〜25重量%の範囲のリン含量を有するものである。以下において、このようなオリゴマー状有機リン系難燃剤を「PEEOP」(又は「ポリ(エチルエチレンオキシ)ホスフェート」)と称す場合がある。
なお、オリゴマー状有機リン系難燃剤としては、上記一般式(3)において、右側の末端の−OR基の一つ、或いはカッコ内の繰り返し単位の−OR基が−R基で置換されたものを含んでいても良い。
軟質ポリウレタンフォームの製造に用いる難燃剤中の非オリゴマー状有機リン系難燃剤の割合は25〜95重量%で、オリゴマー状有機リン系難燃剤の割合は75〜5重量%であることが好ましい。
本発明に好適な非ハロゲン系難燃性軟質ポリウレタンフォームは、難燃剤としてこのような非オリゴマー状有機リン系難燃剤とオリゴマー状有機リン系難燃剤とを併用すること以外は、ポリオール成分、イソシアネート成分、発泡剤、触媒等のポリウレタンフォーム原料を反応させて常法に従って製造することができ、その製造方法には特に制限はなく、ワンショット法、プレポリマー法等、各種の方法を採用することができる。
ポリオール成分としては、例えば官能基数が2以上の活性水素含有化合物にエチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイドとエチレンオキサイドを付加したポリ(オキシエチレン−オキシアルキレン)ポリエーテルポリオールが例示される。ここで、アルキレンオキサイド成分としては、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等が例示される。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することも可能である。
上記ポリオールを製造する際に使用する活性水素含有化合物としては、例えばポリアルコール類、ポリアミン類等であり、ポリアルコール類を例示すれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖等がある。
また、ポリオールとしては、親水性を有する有機酸金属塩及び/又はその重合体含有ポリオールをポリオールの一部として用いることもでき、有機酸のカリウム、マグネシウム、スズ、銅、リチウム、又は銀の塩等が有効であり、好ましくはカリウム塩、ナトリウム塩である。かかるポリオールは、通常の軟質ポリウレタンフォームの製造に使用されるポリオールとブレンドして使用することができる。
また、ポリイソシアネート成分としては、トルエンジイソシアネート(TDI)又はピュア、クルードタイプを問わずジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)或いは変性MDI、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、これらのイソシアネート類のプレポリマータイプ、カルボジイミド変性タイプ等が主に用いられる。更に、クルードMDIとTDIとの混合物等を使用することもできる。
ポリウレタンフォーム原料のイソシアネートインデックスは通常80〜120程度である。
また、触媒としては、主としてスタナスオクトエート等の金属触媒を用いるが、これにアミン系触媒を併用してもよい。触媒の配合量は、ポリオール成分100重量部に対して0.1〜5.0重量部とするのが好ましく、特にスズ系触媒0〜1重量部とアミン系触媒0.1〜4.0重量部とを用いるのが好ましい。
また、発泡剤としては、通常水が用いられ、その配合量はポリオール成分100重量部に対して0.5〜6.0重量部とするのが好ましい。
なお、ポリウレタンフォーム原料には、上記の各種成分の他、整泡剤や、必要に応じて各種の添加剤等を配合することができる。その他の添加剤等としては、着色剤、紫外線吸収剤等、通常、ポリウレタンフォームの製造に使用されるものが挙げられる。これら添加剤等の配合量は、得られる軟質ポリウレタンフォームのインク吸収性能、その他の特性を損なわない程度とすればよい。
このようにして製造される軟質ポリウレタンフォームは、圧縮しないでそのまま(非圧縮フォーム)又は圧縮して(圧縮フォーム)使用し得る。また、軟質ポリウレタンフォームとしては、セル膜のないもの(膜なしフォーム)を用いてもよい。このセル膜のない軟質ポリウレタンフォームは、通常の処方でセル膜を有する軟質ポリウレタンフォームを得た後、セル膜を除去する方法や、セル膜を生じない処方で軟質ポリウレタンフォームを製造する方法によって得ることができる。
本発明で用いる基材フォームは、含浸液の含浸性、インク廃液吸収体としての要求特性を満たす上で、以下のような物性を満たすことが好ましい。なお、以下のフォーム物性の測定方法は、後述の実施例の項に記載される通りである。
<通気性>
基材フォームの通気性は、10cc/cm/sec以上であることが好ましく、特に150〜500cc/cm/secであることが好ましい。基材フォームの通気性が低いと含浸液の含浸性、生産性に劣るものとなることから高い方が好ましいが、過度に通気性の高いものは、インク廃液吸収体としての硬度等の要求特性を満足し得ず、好ましくない。
<密度>
基材フォームの密度は、10〜100kg/mであることが好ましく、特に20〜50kg/mであることが好ましい。密度が過度に高いとコスト高となるが、過度に密度の低いものは、インク廃液吸収体としての硬度等の要求特性を満足し得ず、好ましくない。
本発明のインク廃液吸収体では、最適な重合体含有ポリオールを選択使用することにより、密度を比較的低くした上で、十分な硬度を得ることができる利点がある。
<硬度>
基材フォームの硬度は、プリンターへの組み付け性に関係し、10〜30kgfが好ましく、特に15〜20kgfであることが好ましい。硬度が高過ぎても低過ぎても、プリンターへの組み付け性に劣るものとなる。
<セル数>
セル数(1インチ当たりのセルの数)は20〜100個/1インチであることが好ましい。セル数がこの範囲より少ないとインクをフォーム内で保持することに困難をきたし、多いと含浸液に基材フォームを含浸させる場合、含浸しにくくなり、含浸液の付着量が一定になりにくい。また、含浸速度も遅く、コスト高をまねく。
[インク廃液吸収体の特性]
上述の基材フォームに前述の含浸液を含浸処理してなる本発明のインク廃液吸収体は、そのインク吸収性能やプリンターへの組み付け性、耐久性、コスト等から、次のような物性を有することが好ましい。なお、以下の物性についても、その測定方法は、後述の実施例の項に示す通りである。
<密度>
20〜110kg/m、特に25〜55kg/mであることが好ましい。
<硬度>
10〜30kgf、特に15〜20kgfであることが好ましい。
<通気性>
10cc/cm/sec以上であることが好ましく、特に150〜500cc/cm/secであることが好ましい。
本発明のインク廃液吸収体は、密度やセル数、含浸液の含浸量等が異なる軟質ポリウレタンフォームシートを複数枚積層して用いても良い。
また、インク廃液吸収体のインク吸収側の表面をスリット加工することにより、更にインク吸収性能を高めることができる。この場合、スリットは2〜50mm、特に5〜10mm間隔に互いに平行状態で、又はます目状に設けることができる。
[用途]
このような本発明のインク廃液吸収体は、特にインクジェット式記録装置のプリンターヘッドに対応するインク導通材又はインク吸収材、このインク導通材に接触させるインク吸収体等に適用されるが、何らこれらに限定されるものではない。
以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例で用いた界面活性剤、消泡剤及びバインダーの仕様は以下の通りである。
<界面活性剤>
エネックス社製「SEレベラ450」:アニオン・ノニオン系混合界面活性剤(樹脂濃度85重量%、アニオン:ノニオン=3:7(成分比))
<消泡剤>
信越化学工業社製「KS−502」:下記式で表される自己乳化型シリコーン消泡剤
Figure 2009220431
<バインダー>
エネックス社製「BS−050301−1」:アクリル樹脂系エマルジョン接着剤(樹脂濃度50重量%、アニオン性乳化剤1重量%未満含有)
また、サンプルの性能等の評価方法は次の通りである。
<密度>
JIS−K6400に従って測定した。
<含浸液の付着量>
得られた各インク廃液吸収体の重量から軟質ポリウレタンフォームの重量を差し引いて、含浸された界面活性剤、バインダー、及び消泡剤の総量を算出した。界面活性剤、バインダー、及び消泡剤の各々の含浸量については、含浸量比が、使用した各含浸液における各成分の配合比に等しいとして算出した。
<インク吸収性能>
水平においた各インク廃液吸収体のテスト片(100mm×100mm×10mm厚さ)の上面中央部に対して、テスト片上面から高さ5cmの位置にシリンジの針の先端をセットし、1ccのインクを滴下し、インクがテスト片表面から吸収されるまでの時間(秒)を測定し、以下の基準で評価した。
◎:0.5秒以下
○:0.5秒を超え、1.0秒以下
△:1.0秒を超え、2.0秒以下
×:2.0秒を超え、5.0秒以上
<実機汚れ評価>
各インク廃液吸収体を市販のインクジェットプリンターに搭載し、標準インクカートリッジをカラー列に装着した。15℃及び10%相対湿度の環境下で、L版フォトペーパー500枚の縁無印刷を実施後、官製ハガキ30枚の縁無印刷を実施した。この官製ハガキの印刷裏面のインク汚れ、及びインクミスト汚れを目視にて観察し、汚れマスターサンプルにて、各サンプルの点数つけを行い、下記基準で評価した。
◎:10〜9点
○:8〜7点
△:6〜4点
×:3点以下
<生産スピード>
基材フォームへの含浸液の含浸処理によるインク廃液吸収体製造時の従来の生産ラインスピードを基準として、従来より速ければ○、従来同等及び従来以下であれば×とした。
なお、従来の生産スピードは1.0m/minであり、目標は2.0m/min以上である。実施例ではいずれも2.0m/min以上となった。従来における生産スピード悪化の原因は、泡立ちによるラインスピード低下である。
<作業性>
基材フォームへの含浸液の含浸処理によるインク廃液吸収体製造時の従来の作業性を基準として、従来より良好であれば○、従来同等及び従来以下であれば×とした。
なお、従来は泡立ちによって含浸処理が困難になり、放置するなどして作業性が悪かった。実施例ではいずれも消泡剤適用により、泡立ちは起こらなかった。
[製造例1:軟質ポリウレタンフォームAの製造]
下記配合のポリウレタンフォーム原料を用い、ワンショット法で非ハロゲン系難燃性軟質ポリウレタンフォームAを得た。得られたフォームの密度(JIS−K6400)は26kg/mであり、セル数は35個(1インチ当り)であった。また、通気性は160cc/cm/secであった。
<ポリウレタンフォーム原料配合(重量部)>
ポリオール(ポラノール3943A、ダウ・ケミカル日本社製):100
イソシアネート(コスモネートT−80、三井武田ケミカル社製):50
水:4
アミン系触媒(DABCO−33LV、エアープロダクツジャパン社製):0.2
スズ系触媒(ニッカオクチックススズ28%、日本化学産業社製):0.2
シリコーン系整泡剤(F−242T、信越化学工業社製):1
ノンハロゲン難燃剤(ファイロールPNX−S、アクゾノーベル社製):15
イソシアネートインデックス:100〜110(103)
[製造例2:軟質ポリウレタンフォームBの製造]
下記配合のポリウレタンフォーム原料を用い、ワンショット法でハロゲン系難燃性軟質ポリウレタンフォームBを得た。得られたフォームの密度(JIS−K6400)は20kg/mであり、セル数は30個(1インチ当り)であった。また、通気性は110cc/cm/secであった。
<ポリウレタンフォーム原料配合(重量部)>
ポリオール(サンニックスGS−3000、三洋化成工業社製):100
イソシアネート(コスモネートT−80、三井武田ケミカル社製):60
水:5
アミン系触媒(カオーライザーNo.25、花王社製):0.1
スズ系触媒(ニッカオクチックススズ28%、日本化学産業社製):0.2
シリコーン系整泡剤(F−242T、信越化学工業社製):2
メチレンクロライド(トクヤマ社製):6
難燃剤a(ポリ塩化ビニル、東ソー社製):15
難燃剤b(三酸化アンチモン、日本シイベルヘグナー社製):7
難燃剤c(酸化亜鉛、三井金属鉱業社製):3
イソシアネートインデックス:100〜110(105)
[実施例1〜4、比較例1,2]
表1に示す配合の含浸液を調製し、この含浸液中に表1に示す軟質ポリウレタンフォームを浸漬した後引き上げ、160℃で5分乾燥してインク廃液吸収体を得た。
得られたインク廃液吸収体の評価結果を表1に示す。
Figure 2009220431
表1より、本発明のインク廃液吸収体は、製造時の作業性に優れ、また、インク吸収性能に優れることが分かる。
また、特に非ハロゲン系難燃剤を用いた軟質ポリウレタンフォームを基材フォームとした場合には、リン/ハロゲン系難燃剤を添加した場合の前述の(a)〜(c)の問題が解決され、また、環境負荷の面でも好ましい。

Claims (7)

  1. プラスチックフォームを、界面活性剤と消泡剤を含む含浸液で含浸処理してなることを特徴とするインク廃液吸収体。
  2. 請求項1において、更にバインダーを含浸させてなることを特徴とするインク廃液吸収体。
  3. 請求項1又は2において、前記界面活性剤がアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤のうちの2種以上の混合物であることを特徴とするインク廃液吸収体。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記消泡剤がシリコーン系消泡剤であることを特徴とするインク廃液吸収体。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記プラスチックフォームが非ハロゲン系難燃剤を含む難燃性軟質ポリウレタンフォームであることを特徴とするインク廃液吸収体。
  6. インクジェット式記録装置のプリンターヘッドに対応するインク導通材、インク吸収材、又はインク導通材に接触させるインク吸収体であることを特徴とするインク廃液吸収体。
  7. インク廃液吸収体用プラスチックフォームに含浸させるための含浸液であって、界面活性剤と消泡剤とを含むことを特徴とするインク廃液吸収体用含浸液。
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