JP2001105622A - インク保持体 - Google Patents

インク保持体

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JP2001105622A
JP2001105622A JP2000217292A JP2000217292A JP2001105622A JP 2001105622 A JP2001105622 A JP 2001105622A JP 2000217292 A JP2000217292 A JP 2000217292A JP 2000217292 A JP2000217292 A JP 2000217292A JP 2001105622 A JP2001105622 A JP 2001105622A
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Sadahiro Katsumata
禎宏 勝又
Hideya Kinoshita
英也 木下
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 プリンターヘッドに対応するインク導通
材と、このインク導通材に接触させるインク吸収材とよ
りなるインク保持体であって、インク導通材とインク吸
収材はそれぞれ軟質ポリウレタンフォームからなり、前
記導通材はポリオール、イソシアネート、触媒、発泡剤
を含む発泡原料を用いて製造した軟質ポリウレタンフォ
ームに界面活性剤を含有させてなり、更に前記インク吸
収材は軟質ポリウレタンフォームを熱プレスによって2
〜20倍に熱圧縮させると共に、界面活性剤を含有させ
たものであることを特徴とするインク保持体。 【効果】 本発明のインク保持体は、インクの乾燥後も
吸収性能は落ちないこと、オーバーフローしても導入部
よりインクを再吸収し、完全にインクを吸収できること
などから従来にない優れたインク保持体を提供できたも
のである。そして更に、本発明のインク保持体は必要に
応じ、垂直方向ヘスリット、ピンを打つことで垂直方向
へのインク吸収速度を調整することが可能となるという
優れた特徴を持つものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク保持体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンの普及に伴ないプリンタ
ーも多くの機種が提供されている。そして、これらのプ
リンターは近年になりワイヤドット方式やインクリボン
方式からレーザー方式やインクジェット方式に移行して
おり、特にインクジェット方式はレーザー方式に比べて
安価であり、広く採用されている。かかるインクジェッ
ト方式のプリンターには、従来染料インクが広く用いら
れていたが、近年のカラープリンター化に伴い、顔料イ
ンクが用いられるようになってきた。
【0003】この場合、インクジェット方式のプリンタ
ーでは、プリンターヘッドのクリーニング等により、余
分なインクはプリンター内にためこまれるが、これが流
れ出してプリンターヘッド近くを汚してしまうことがあ
る。このため、余分なインクを吸収するインク吸収材が
プリンターヘッドに対応して敷き詰められている。
【0004】このプリンターインク吸収材は、当初はパ
ルプや繊維質の不織布であったが、羽毛立ちにより繊維
がプリンター内に飛散するため、近年ではウレタンフォ
ームが広く用いられている。また、インクが染料インク
から顔料インクに変わりつつあるため、このウレタンフ
ォームもインクの保持性に改良が重ねられている。特に
顔料インクは微細なカーボンなどの粒子をもって顔料が
分散状態で使用されることから、染料インクに比べて吸
収性が異なることは否めない。特にインク吸収材に対し
ては、このカーボンなどの粒子が目詰まりを起こし、従
来のインク吸収材では十分な吸収性能が発揮されないケ
ースが多い。
【0005】そして、プリンターの小型化及び軽量化か
ら、プリンターヘッドに直接対応する位置にこのインク
吸収材を敷き詰めることが難しいことも多くなってお
り、このため、プリンターヘッドとはやや別の位置に本
来のインク吸収材を敷き詰め、プリンターヘッドとの間
をインクの通り道となる吸収性のよい材料をインク導通
材(以下、単に導通材と称す)とする方法が採られてい
ることもあるが、この導通材及びインク吸収材(以下、
単に吸収材と称す)の組み合わせによる顔料インクにも
適するインク保持体の提供は未だない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、顔料インクにも好適に用いられる
ウレタンフォーム製のインク保持体を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明の要旨は、プリンターヘッドに対応する導通材と、
この導通材に接触させる吸収材とよりなるインク保持体
であって、導通材と吸収材はそれぞれ軟質ポリウレタン
フォームからなり、前記導通材はポリオール、イソシア
ネート、触媒、発泡剤を含む発泡原料を用いて製造した
軟質ポリウレタンフォームに界面活性剤を含有させてな
り、更に前記吸収材は軟質ポリウレタンフォームを熱プ
レスによって2〜20倍に熱圧縮させると共に、界面活
性剤を含有させたものであることを特徴とするものであ
る。
【0008】本発明によれば、上述した構成を採用する
ことで、インク、特に顔料インクを速やかに吸収、保持
する特徴を有する。即ち、プリンターヘッドと対応する
導通材にあっては、軟質ポリウレタンフォームを熱プレ
スして毛現象による吸収性を向上させた吸収材が考えら
れるが、これを顔料インクの吸収にそのまま用いると、
場合によっては顔料成分中のカーボンなどの粒子による
目詰まりを生じたり、吸収性能が劣ることが考えられ
る。
【0009】このため、顔料インクを速やかに吸収、保
持する性能が要求され、しかも前記したような導通材と
して用いられるものにあっては、本体である吸収材より
も毛細管効果が小さく、乾燥時(不使用時)にインクの
目詰まりや吸収不良を発生させない性能を備えていなく
てはならない。このため、本発明は顔料インクの吸収性
を改良するために界面活性剤を導通材を構成する軟質ポ
リウレタンフォーム内に好ましくは含浸処理して顔料イ
ンクの吸収性を改良したものである。
【0010】一方、インク吸収材は、上記のように熱圧
縮し、界面活性剤を含有させたものを用いることで、良
好なインク吸収、保持性を確保したものである。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のインク保持体は、プリンターヘッドに対応する
インク導通材と、このインク導通材に接触させるインク
吸収材とからなるもので、プリンターヘッドから流れ出
たインクがインク導通材に吸収されると共に、このイン
ク導通材に吸収されたインクが該導通材を通ってインク
吸収材に吸収、保持されるようにしたものである。
【0012】本発明においては、上記インク導通材及び
インク保持体はいずれも軟質ポリウレタンフォームから
形成される。
【0013】この場合、好ましいポリオールは、官能基
数が2以上の活性水素含有化合物にエチレンオキサイド
以外のアルキレンオキサイドとエチレンオキサイドを付
加したポリ(オキシエチレン−オキシアルキレン)ポリ
エーテルポリオールである。ここで、アルキレンオキサ
イド成分としては、プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイド、スチレンオキサイド等が例示される。上記ポ
リオールを製造する際に使用する活性水素含有化合物
は、例えばポリアルコール類、ポリアミン類等であり、
ポリアルコール類を例示すれば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリ
スリトール、ソルビトール、蔗糖等がある。
【0014】なお、本発明で用いられるポリオールとし
て、親水性を有する有機酸金属塩及び/又はその重合体
含有ポリオールをポリオールの一部として用いることも
でき、有機酸のカリウム、マグネシウム、スズ、銅、リ
チウム、銀等が有効であり、好ましくはカリウム、ナト
リウムである。かかるポリオールは、通常の軟質ポリウ
レタンフォームの製造に使用されるポリオールとブレン
ドして使用される。
【0015】ポリオールと反応させるために用いる有機
イソシアネートは特に限定はなく、例えばトルエンジイ
ソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイ
ソシアネート等がある。これらの中で、トルエンジイソ
シアネートの2,4−/2,6−異性体比が80/20
或いは65/35のものが経済性の点から好ましく、ポ
リオールやその他の活性水素を有する化合物の全量に対
する有機イソシアネートの使用量、即ちイソシアネート
指数は80〜130の範囲であるが、100〜110の
範囲が好ましい。
【0016】また、触媒としては、例えば有機スズ化合
物触媒、アミン系触媒等がある。有機スズ化合物触媒と
しては、スタナスオクトエート、スタナスオレエート、
ジブチルジスズラウレート、ジブチルスズジ−2−エチ
ルヘキソエート、ジブチルスズジアセテート等がある。
一方、アミン系触媒としては、トリエチルアミン、トリ
エチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、ジメチル
エタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、1,8−
ジアザビシクロ(5・4・0)ウンデセン−7及びその
フェノール塩、トリエチレンジアミンの蟻酸塩等があ
る。これらの触媒は単独或いは2種以上を混合して使用
する。触媒の使用量は特に限定されず広範囲に変えるこ
とができるが、通常ポリオール100重量部に対して
0.005〜2重量部の範囲である。なお、特に溶出等
が問題となる場合には反応性を有するアミン系触媒の使
用が好ましい。
【0017】更に、整泡剤についても、通常、軟質ポリ
ウレタンフォーム発泡に使用されるシリコーン系等の整
泡剤が使用されるが、溶出等が問題となる用途には、や
はり反応性を有する整泡剤の使用が好ましい。その使用
量は、ポリオール100重量部に対して0.1〜3.0
重量部の範囲で使用することができるが、0.5〜2.
0重量部が特に好ましい。
【0018】発泡剤としては、水或いはメチレンクロラ
イド、低沸点を有する揮発性液体が用いられる。
【0019】なお、上述した配合成分以外に、発泡体に
要求される性能に応じて、充填剤、帯電防止剤、着色
剤、及び難燃剤等を本発明の目的を逸脱しない限り添加
することができる。
【0020】また、用途により、高硬度のものが望まれ
る場合には、架橋材等を配合できることは勿論である。
【0021】上記発泡原料を用いて軟質ポリウレタンフ
ォームを製造する方法は常法が採用される。
【0022】本発明において、インク導通材に用いる軟
質ポリウレタンフォームは、密度が0.005〜0.1
50g/cm3、特に0.01〜0.05g/cm3であ
るものが好ましく、またセル数が40〜150個/25
mm、特に60〜150個/25mmであるものが好ま
しい。
【0023】このインク導通材は、上記軟質ポリウレタ
ンフォームに界面活性剤を含浸付着したものであるが、
この場合軟質ポリウレタンフォームは、圧縮せずにその
まま用いたもの(非圧縮フォーム、圧縮率1倍)が用い
られる。
【0024】上記軟質ポリウレタンフォームに付着させ
る界面活性剤としては、エチレンオキシド、高級脂肪酸
アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩等の陰イオン活性
剤、高級アミンハロゲン酸塩、第四アンモニウム塩等の
陽イオン活性剤、ポリエチレングリコールアルキルエー
テル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン活性剤、
アミノ酸等の両性界面活性剤のいずれもが用いられる。
これらの中では、特にコハク酸ナトリウム変性物が効果
の点で好適に用いられる。この場合、コハク酸ナトリウ
ム変性物としては、下記式で示されるコハク酸のジアル
キルエステルスルホン酸ソーダが好適に用いられる。
【0025】
【化1】 (但し、Rはアルキル基又はアラルキル基であり、炭素
数1〜18のものが挙げられる。)
【0026】具体的にエステルとしては、ジ−n−アミ
ル、ジ−n−ヘキシル、ジ−n−ヘプチル、ジ−n−オ
クチル、ジ−n−ノニル、モノエチルモノドデシル、モ
ノブチルモノドデシル、モノ−2−エチルヘキシル−モ
ノ−1−メチルベンジル、モノ−2−エチルヘキシル−
モノ−1−メチル−4−エチルヘキシル、ジ−1−メチ
ルブチル、ジ−2−メチルブチル、ジ−イソアミル、ジ
−1,3−ジメチルブチル、ジ−1−メチルアミル、ジ
−ジメチルアミル、ジ−1−イソプロピルイソブチル、
ジ−1−プロピルブチル、ジ−1−メチルヘキシル、ジ
−2−エチルヘキシル、ジ−1−メチルヘプチル、ジ−
1−ブチルアミル、ジ−1−イソブチル−3−メチルブ
チル、ジ−1−メチル−4−エチルヘキシル、ジ−1−
メチル−4−エチルオクチル等が挙げられる。
【0027】かかる界面活性剤はできれば水溶性のもの
がよく、これはフォームを含浸した後に乾燥するだけで
よいからである。なお、界面活性剤の含浸量は、要求さ
れる性能によっても異なるが、例えばコハク酸ナトリウ
ム変性物の場合にあっては、1〜500,000g/m
3、好ましくは1〜100,000g/m3、更に好まし
くは1,000〜20,000g/m3程度である。
【0028】界面活性剤の付着方法としては、界面活性
剤を分散乃至溶解した水中に非圧縮フォーム又は圧縮フ
ォームを浸漬し、これを取り出し、水を絞った後に乾燥
する方法が好適に採用される。
【0029】一方、吸収材としての軟質ポリウレタンフ
ォームは、これを圧縮して使用するものであるが、この
場合、このフォームの密度は0.005〜0.150g
/cm3、特に0.01〜0.05g/cm3であること
が好ましく、またそのセル数が20〜150個/25m
m、特に40〜150個/25mm、更に好ましくは4
0〜100個/25mmであることが好ましい。このよ
うにセル数を特定することで、毛細管現象を向上させる
ことができる。
【0030】この吸収材は、上記軟質ポリウレタンフォ
ームを熱プレスすることによって熱圧縮変形させたもの
であり、その圧縮率は2〜20倍、特に5〜10倍、更
に好ましくは8〜10倍であることが好ましい。なお、
圧縮率が高くなると毛細管現象は向上するが、高密度と
なるためインク保持量が低下することから、実際の使用
に当たってはウレタンフォームの密度と圧縮率を適宜選
択することとなる。即ち、接触するインク導通材よりも
毛細管現象を高めてインクの吸い上げ速度・高さの良好
な素材とするもので、このために前記したようにウレタ
ンフォームのセル数の特定や圧縮倍率、更には通気性等
を適宜選択することとなる。勿論、インクの吸収容量を
確保し、乾燥時、インクの目詰まりや吸収不良を発生さ
せないように選択することとなる。なお、熱プレスの条
件としては、150〜240℃、特に150〜230℃
で2〜20分程度で処理する好ましい。導通材に接触す
る吸収材は、圧縮率の同一な材料であってもよいが、互
いに通気度の異なる複数層をインク吸収側からインク吸
収能を増すと共に、インク吸収側から遠ざかるにつれて
インク保持能を増すように、即ちインク吸収側を通気度
の大きいものとし、順次通気度が小さくなるように積層
したものを用いることが好ましい。例えば、インク吸収
側から順次圧縮倍率が高くなるように積層したり、セル
数が順次細かくなるように積層することができる。勿
論、単一層のものであってもよいことは当然である。
【0031】なお、このように複数層構成にする手段と
しては、互いに圧縮倍率及び/又はセル数が異なるもの
を2〜6層、特に3〜5層程度積層する方法が採用され
る。また、フォームを熱圧縮するに際し、フォームの片
面のみに熱板を当てて圧縮させるようにしてもよい。
【0032】また、インク吸収体のインク吸収側の表面
をスリット加工することにより、更にインク吸収性能を
高めることができる。この場合、スリットは2〜50m
m、特に5〜10mm間隔に互いに平行状態で、又はま
す目状に設けることができる。
【0033】上記吸収材も、上記導通材と同様に界面活
性剤を付着させるが、界面活性剤の種類は上記と同様で
あり、コハク酸ナトリウム変性物が好適であることも上
記と同様である。また、界面活性剤の付着量、含浸・付
着方法も上記と同様である。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記例で部は質量部を示す。
【0035】(フォームの製造)ここで用いた軟質ポリ
ウレタンフォームの製造配合及び従来より吸収材として
用いられている吸収材ポリウレタンフォームの製造配合
は、ポリオール(V3030・株式会社ダウ製)・10
0部、TDI80(日本ポリウレタン社製)・50部、
水・4部、アミン系触媒(DABCO−33LV・三井
エアプロダクツ製)・0.3部、スズ触媒(スタナスオ
クトエート・日東化成社製)・0.3部、シリコーン整
泡剤(L−520・日本ユニカ社製)・1部であり、ワ
ンショット法で軟質ポリウレタンフォームを得た。得ら
れたフォームは、密度(JIS−K6400)が0.0
20g/cm3であり、セル数は50個/25mmであ
った。
【0036】上記軟質ポリウレタンフォーム(10mm
×100mm×100mm)をジ−(ノルマルオクチ
ル)スルホコハク酸ナトリウムを溶解した水に浸漬し、
これを引き上げ、水を絞った後、加熱乾燥して、インク
導通材(実施例)A1を得た。この場合、ジ−(ノルマ
ルオクチル)スルホコハク酸ナトリウムの付着量は3,
000g/m3であった。
【0037】また、上記軟質ポリウレタンフォーム(1
00mm×100mm×100mm)を熱プレスするこ
とにより、圧縮倍率10倍の圧縮フォームを得、これを
上記と同様にしてジ−(ノルマルオクチル)スルホコハ
ク酸ナトリウムを3,000g/m3付着させて、イン
ク吸収材(実施例)A2を得た。
【0038】一方、比較例のフォームとしては、非含浸
フォーム(B1)及び熱プレスにより圧縮倍率10倍と
して毛細管効果により吸収性を向上させたフォーム(B
2)を用い、以下の試験を行った。
【0039】(導通材の試験) (1)フォーム上に顔料インクを0.1cc滴下し、こ
の吸い込み速度(秒)を測定した。測定の結果、本発明
の導通材A1は1秒以内に吸収したが、B1フォームは
60秒以上かかった。 (2)フォーム上に顔料インクを0.1cc滴下し、こ
れを10回繰り返した後の吸い込み速度(秒)を測定し
た。本発明の導通材A1は1秒以内に吸収したが、B1
フォームは60秒以上の時間を要した。
【0040】(吸収状態) (3)吸収状態を調べたところ、本発明の導通材A1に
あってはインクの滴下位置より円柱状にフォームの底に
至るまで垂直に吸収しており、顔料インクの目詰まりは
見られない。これは、本発明の吸収材A2も同様であっ
た。一方、B2フォームは表面に目詰まりが見られ、滴
下した顔料インクが広がって留まり底まで達していな
い。B1フォームは全く吸収せず表面にインクの層が形
成され、吸収材としての機能はない。このことはB1フ
ォーム、B2フォーム共にインクの素早い吸収性に劣
り、かつ他の吸収材への導通材としては好ましくない結
果となった。
【0041】(インク保持体としての吸収試験(1))
評価方法としては、トレー内に顔料インクを入れ、吸収
材(10mm×10mm×200mm)を立ててインク
を10mm深さ浸漬し、所定時間におけるインクの到達
高さを測定した。
【0042】ここで用いた本発明の吸収材は、上記ウレ
タンフォーム(A1)の10倍の熱圧縮材A2である。
本発明のA2フォームは1時間後の高さが60mm、2
4時間後の高さが120mmであったが、B2フォーム
の1時間後の高さは40mm、24時間後の高さは70
mmであった。また、広く採用されているフェルト材に
あっては、それぞれ55mm、60mmの高さであっ
た。
【0043】上記のことから、上部に熱圧縮倍率の高い
吸収材を置くことで、吸収速度を上げることが可能とな
り、更に、ウレタンフォームの熱圧縮により吸収量と吸
収速度を決めることが可能となって、吸収材の自由な設
計ができることとなったものであり、例えばフェルトや
パルプ等にはできない技術である。
【0044】(インク保持体としての吸収試験(2))
インク吸収材を実際の状態と類似の状態として吸収試験
を行った。即ち、導通材に対して吸収材を半分ずらして
積層し、導通材上に顔料インクを滴下吸収させた。顔料
インクの滴下法は、初期に3cc×5回(吸収容積60
%に相当)を滴下して吸収させ、次いでこれを十分に乾
燥させた後に再び3cc×3回を吸収させた。試験結果
を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】実施例1は導入部にA1フォーム、吸収材
をA2ォームとした。導入部に吸収されたインクは速や
かに吸収材へ移動し、導入部にインクが残らないことが
わかり、熱圧縮フォーム側ヘインクが速やかに拡散し、
目詰まりの少ないインク吸収体が提供できた。一方、フ
ェルト材からなる同形状のインク吸収体(比較例)は本
実施例とは効果が劣ることがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明のインク保持体は、インクの乾燥
後も吸収性能は落ちないこと、オーバーフローしても導
入部よりインクを再吸収し、完全にインクを吸収できる
ことなどから従来にない優れたインク保持体を提供でき
たものである。そして更に、本発明のインク保持体は必
要に応じ、垂直方向ヘスリット、ピンを打つことで垂直
方向へのインク吸収速度を調整することが可能となると
いう優れた特徴を持つものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリンターヘッドに対応するインク導通
    材と、このインク導通材に接触させるインク吸収材とよ
    りなるインク保持体であって、インク導通材とインク吸
    収材はそれぞれ軟質ポリウレタンフォームからなり、前
    記導通材はポリオール、イソシアネート、触媒、発泡剤
    を含む発泡原料を用いて製造した軟質ポリウレタンフォ
    ームに界面活性剤を含有させてなり、更に前記インク吸
    収材は軟質ポリウレタンフォームを熱プレスによって2
    〜20倍に熱圧縮させると共に、界面活性剤を含有させ
    たものであることを特徴とするインク保持体。
  2. 【請求項2】 インク吸収材を構成する軟質ポリウレタ
    ンフォームのセル数が、20個/25mm以上である請
    求項1記載のインク保持体。
  3. 【請求項3】 軟質ポリウレタンフォームのセル数が、
    40〜150個/25mm以上である請求項2記載のイ
    ンク保持体。
  4. 【請求項4】 前記インク導通材は、ポリオール、イソ
    シアネート、触媒、発泡剤を含む発泡原料を用いて軟質
    ポリウレタンフォームを得、次いで界面活性剤を分散し
    た水中に当該軟質ポリウレタンフォームを浸漬し、水を
    絞った後に乾燥して軟質ポリウレタンフォームの表面に
    前記界面活性剤を付着させた請求項1乃至3のいずれか
    1項記載のインク保持体。
  5. 【請求項5】 前記界面活性剤が、コハク酸ナトリウム
    変性物である請求項1乃至4のいずれか1項記載のイン
    ク保持体。
  6. 【請求項6】 コハク酸ナトリウム変性物の付着量が、
    1〜500,000g/m3である請求項5記載のイン
    ク保持体。
  7. 【請求項7】 コハク酸ナトリウム変性物の付着量が、
    1,000〜20,000g/m3である請求項6記載
    のインク保持体。
  8. 【請求項8】 前記インク吸収材は、複数層構成を有
    し、インク導通材より遠ざかるにつれてインク吸収能を
    増した請求項1乃至7のいずれか1項記載のインク保持
    体。
  9. 【請求項9】 前記インク吸収材の複数の層は、インク
    導通材より遠ざかるにつれて熱圧縮率を高めたものであ
    る請求項8記載のインク保持体。
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