JP6307352B2 - 光半導体封止用樹脂組成物および光半導体装置 - Google Patents

光半導体封止用樹脂組成物および光半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、光半導体封止用樹脂組成物、および光半導体装置に関する。
さらに詳しくは、熱処理後の光線透過率が高い値で維持されると共に、例えば、アウター成形用封止材料との密着性に優れる硬化物となり得る、特にインナー成形用の光半導体封止用樹脂組成物および光半導体装置に関する。
近年の電子部品の高機能化に伴い、従来では用いられなかった過酷な温度条件下や高頻度サイクル環境下でも耐えうる光半導体装置が求められている。さらにその範囲は、従来からのピン挿入型タイプの光半導体素子だけでなく薄型表面実装タイプにおいてまで、多岐にわたっている。光半導体封止用樹脂においても然りであり、その用途は従来のディスクリート(discrete)半導体の分野だけでなく、BGA(Ball Grid Array)用途まで、その使用範囲を拡大している。
光半導体装置においては、光反射率が高く、且つ、光の透過を抑えられる封止樹脂のみで成形するシングルモールド型やレリードフレーム2枚を向かい合わせる対向型タイプをベースとし、光透過性の高い封止樹脂(インナー材)で封止したのち、光の遮断に効果のある封止樹脂(アウター材)で成形するダブルモールド型などがあり、光透過率の劣化が少なく、信頼性に優れた製品が開発されている。
このような高機能化された光半導体装置を製造するために、従来用いられていた
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いた封止用エポキシ樹脂組成物に代わる、低不純物化した高純度なエポキシを用いることや、熱に強い構造を有するエポキシ樹脂の使用した高機能化された封止用エポキシ樹脂組成物を用いることが検討されている。
また、アウター材に二酸化チタンと金属酸化物を含有したダブルモールド用エポキシ樹脂組成物(特許文献1)、硬化剤にイソシアヌル酸骨格を有する化合物、無機充填剤に水酸化マグネシウムを含む光反射用樹脂組成物(特許文猷2)、イソシアヌル酸誘導体エポキシ樹脂とシリコーンエポキシ樹脂と酸無水物を含む光半導体用樹脂組成物(特許文献3)などが提案されているが、いずれの文献にもインナー材として満足する特性を有するものは紹介されていない。
また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートおよびガラス粉末を含む光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物が提案されている(特許文献4)。
さらに、エポキシ樹脂としてトリグリシジルイソシアヌレート、硬化剤として酸無水物を用い、2種類以上の無機充填剤と白色顔料を併用してその合計量を樹脂組成物全体に対して85重量%〜95重量%の範囲とした熱硬化性光反射用樹脂組成物 (特許文献5)、同10体積%〜85体積%の範囲とした熱硬化性光反射用樹脂組成物(特許文献6)が提案されている。
しかしながら、これらの樹脂組成物は、その硬化物について、特に湿熱履歴を受けた場合の光線透過率の劣化についての改善はなされていない。
特開2008−50546号公報 特開2008−50573号公報 特開2010−138380号公報 特開2010-53338号公報 特開2012−227541号公報 特開2013−237865号公報
本発明は、光半導体分野でも必須となりつつある高機能化を果たすべく検討されたものである。熱処理後においても高い光線透過率を維持でき、PCT処理後の吸水率が低く、アウター材との密着性に優れる硬化物となり得、流動性に優れ、充填性に優れる光半導体封止用樹脂組成物および光半導体装置を提供することを目的としている。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂、トリグリジシルイソシアヌレート、硬化剤、および無機充填剤を必須成分として含有し、同無機充填剤が水酸化マグネシウムとシリカを特定比率で含有する光半導体封止用樹脂組成物が上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は以下、
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)トリグリジシルイソシアヌレート、(C)硬化剤および(D)無機充填剤を必須成分とする光半導体封止用樹脂組成物であって、前記(D)無機充填剤が樹脂組成物全量の75〜95質量%含まれるとともに、無機充填剤全量のうちシリカが80〜98質量%、水酸化マグネシウムが2〜20質量%含まれることを特徴とする光半導体封止用樹脂組成物、
(2)前記成分(B)中のグリジシル基1モルに対して前記成分(A)中のエポキシ基が2〜4モルとなる割合で前記成分(A)と前記成分(B)を含む上記(1)に記載の光半導体封止用樹脂組成物、
(3)前記(A)エポキシ樹脂がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である前記(1)または(2)に記載の光半導体封止用樹脂組成物、
(4)前記(C)硬化剤がノボラック樹脂である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光半導体封止用樹脂組成物および
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の光半導体封止用樹脂組成物で封止されてなる光半導体装置を提供する。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、熱処理後においても高い光線透過率を維持でき、PCT処理後の吸水率が低く、たとえば、ダブルモールド型光半導体装置におけるアウター材料との密着性に優れる硬化物となり得、流動性に優れ、充填性に優れる光半導体封止用樹脂組成物とすることができる。
まず、本発明の光半導体封止用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」と記載することがある)について説明する。
本発明の封止用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)トリグリジシルイソシアヌレート、(C)フェノール樹脂、(D)無機充填剤を必須成分として含有する封止用樹脂組成物であって、(D)無機充填剤が樹脂組成物全量の75〜95質量%含まれるとともに、(D)無機充填剤全量のうちシリカが80〜98質量%、水酸化マグネシウムが2〜20質量%含まれることを特徴とする。
本発明の封止用樹脂組成物では、上記成分を含むために、硬化物の耐熱性を向上(PCT処理後の吸水率の低さおよび光線透過率の維持)させるだけでなく、成形時に良好な流れ性(スパイラルフローおよびフロー粘度)を有するものとすることができる。
次に各成分について詳しく説明する。
(A)成分のエポキシ樹脂としては、後述する(B)成分以外の化合物であって、1分子当たり2個以上のエポキシ基を有する樹脂であり、半導体素子等の封止用材料として一般に用いられるものであれば特に制限されるものではない。
このような(A)成分のエポキシ樹脂としては、例えばビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビフェノールFまたはビフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレソールノボラック(OCN)型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有する多官能のエポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンのエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらの中でも、クレソールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の効果は、特に充填性、流動性、耐リフロー性の向上の観点からo−クレソールノボラック型エポキシ樹脂〔例えば、住友化学株式会社製の品番「ESCN−90」(エポキシ当量195、軟化点65℃)または「ESCN−195」(エポキシ当量205、軟化点80℃)〕が好ましい。
封止用樹脂組成物全量に対する(A)成分のエポキシ樹脂の含有量は3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%である。
(B)成分のトリグリジシルイソシアヌレートは封止用樹脂組成物の硬化物の熱処理後の光線透過率の劣化防止効果がある。本発明の封止用樹脂組成物における(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分のトリグリジシルイソシアヌレートの含有割合は、(B)トリグリジシルイソシアヌレート中のグリジシル1モルに対して、(A)成分のエポキシ樹脂中のエポキシ基を2モル〜4モルとすることが好ましく、それにより初期の光線透過率が高く、且つ耐熱性(加熱後の光線透過率)に優れる封止用樹脂組成物を得ることができる。より好ましくは、2.2モル〜3.5モルである。
(C)成分の硬化剤としては、1分子当たり2個以上の官能基を有し、上記(A)成分のエポキシ樹脂を硬化させることができるものであって、半導体素子の封止用硬化剤として一般に用いられるものであれば特に制限されるものではない。このような硬化剤としては例えば、ノボラック樹脂、酸無水物などがあり、ノボラック樹脂が好ましい。
ノボラック樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレソールノボラック樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、シクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、流動注、難燃性の観点から、フェノ一ルノボラック樹脂(例えば、明和化成株式会社製の品番「FH−1」等)やアラルキル型フェノール樹脂(例えば、三井化学株式会社製の品番「XLC−3L」等)が好ましい。さらに、フェノ一ルノボラック樹脂が好ましい。
酸無水物としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば特に制限されることなく使用されるが、透明性の観点から着色の少ないものを使用することが好ましい。酸無水物の具体例としては、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸。無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水コハク酸、無水ドデセニルコハク酸等が挙げられる。これらの酸無水物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらのなかでも、透明性、耐熱性等の観点から、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびテトラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物から選ばれる1種以上を使用することが好ましい。
(C)成分の硬化剤の含有量としては、(A)成分中のエポキシ基および(B)成分中のグリジシル基の合計1当量に対して、(C)成分中の官能基(フェノール性水酸基または酸無水物基)の割合が、好ましくは0.5〜1.5当量、より好ましくは0.7〜1.2当量となるように調整することが好ましい。官能基の割合を0.5当量以上とすることにより、光半導体封止用樹脂組成物の硬化速度が適度なレベルになるとともに、得られる硬化物のガラス転移温度が低くなるのを防止する。一方、1.5当量以下とすることにより、耐湿性が低下するのを防止する。
(D)成分の無機充填剤としては、ボールミル等で粉砕した溶融シリカ、火炎溶融することで得られる球状シリカ、ソルゲル法などで製造される球状シリカ、結晶シリ力のようなシリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、水酸化マグネシウム、マグネシア、マグネシウムシリケート等が挙げられる。
なお、本発明においては、(D)成分としてシリカおよび水酸化マグネシウムを使用するが、シリカと水酸化マグネシウム以外に前記のような他の無機充填剤を添加しても良い。シリカと水酸化マグネシウム以外の無機充填剤の添加量は無機充填剤全量中、好ましくは18質量%以下である。
無機充填剤の形状は特に限定されるものではなく、例えばフレーク状、樹枝状、球状等が挙げられ、これらは単独または混合して用いることができる。これらの中でも、球状のものが、低粘度化、高充填化の観点から好ましい。
(D)成分の無機充填剤は、粒径が過度に大きいと狭部等への充填が困難になるだけでなく、分散性も低下して成形品が不均一になることから、最大粒径が150μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましい。また、(D)成分の無機充填剤は、所望の粘度特性、流動特性とする観点から、平均粒径が1〜40μmであることが好ましい。より好ましくは5〜20μmである。また、その1次粒径についても5〜50μmのものを使用することが、高い流動性を得るのに優れている。
(D)成分の無機充填剤の含有量は、封止用樹脂組成物全量中、75〜95質量%であり、好ましくは80〜92質量%である。無機充填剤の含有量が75質量%未満であると、硬化物の熱処理後の光線透過率が低下し、膨張係数を十分に低減させることができず、また吸水率も低減させることができない上、半田リフローの際のクラックの発生を抑制することができない。そのため、光半導体装置における信頼性(密着性)が低下する。
一方、95質量%を超えると溶融粘度(フロー粘度)が高くなり過ぎて、成形性が悪くなる。
(D)無機充填剤全量のうち、シリカを80〜98質量%、好ましくは80〜90質量%、水酸化マグネシウムを2〜20質量%、好ましくは2〜8質量%とすることで、成形時の流動性に優れる封止用樹脂組成物を得ることが可能となる。
また、水酸化マグネシウムを含有させることで、シリカを単独で含有させた封止用樹脂組成物と比べて得られる硬化物の熱処理前後の光線透過率を高くすることができ、アウター材料との密着性に優れた硬化物となり得る。
以上説明した(A)〜(D)成分の合計含有量は、封止用樹脂組成物全量に対して80〜100質量%、好ましくは90〜100質量%、より好ましくは95〜100質量%である。
すなわち、本発明の封止用樹脂組成物においては、硬化物の光線透過性等を損なわない範囲で(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の樹脂成分として、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂、ウレア樹脂等の他の樹脂を含有してもよい。これら他の樹脂の含有量は、封止用樹脂組成物中の樹脂成分に対して20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
本発明の封止用樹脂組成物においては、上記した(A)成分〜(D)成分に加えて、必要に応じて、硬化促進剤、カップリング剤、ワックス、離型剤を始めとする各種添加成分を含有させることができる。
本発明で用いられる硬化促進剤としては、エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進させる作用を有するものであれば特に制限されることなく使用されるが、透明性の観点から着色性の低いものを使用することが好ましい。
硬化促進剤の具体例としては、1、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルペンジルジメテルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級、アミン化合物、2−ヘプタデシルイミダソール、2−メチルイミダソール、2−エチルイミダソール、2−フェニルイミダソール、2−フェニルー4−メチルイミダソール、4−メチルイミダソール、4−エチルイミダソール、2−フェニルー4−ヒドロキシメチルイミダソール、2−エチルー4−メチルイミダソール、1−シアノエチルー2−メチルイミダソール、2−フェニルー4−メチルー5−ヒドロキシメチルイミダソール、2−フェニルー4、5−ジヒドロキシメチルイミダソール等のイミダソール化合物、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1、2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等の有機ホスフィン化合物等が挙げられる。これらは1種を隼独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。このうちトリフェニルホスフィンのような有機ホスフィン化合物を使用することが好ましい。
硬化促進剤の含有量は、(B)成分の硬化剤100質量部に対して、好ましくは
0.10〜0.50質量部であり、より好ましくは0.15〜0.30質量部である。
カップリング剤は、封止用樹脂組成物の硬化物と配線板等との接着強度を向上させる等の目的で添加される。カップリング剤としては、例えば1級アミノ基、2級アミノ基、または3級アミノ基を有するシラン化合物、具体的にはエポキシシラン、メルカプトシラン、アルキルシラン、フェニルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン化合物、チタン系化合物、アルミニウキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等が挙げられる。
上記カップリング剤の中でも、充填性の観点からは、例えばエポキシシラン系カップリング剤、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アニリノプロピルエテルジエトキシシラン等の2級アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましく、エポキシシラン系カップリング剤がより好ましい。
本発明の封止用樹脂組成物におけるカップリング剤の含有量は、封止用樹脂組成物中、好ましくは0.03〜5質量%であり、より好ましくは0.10〜0.25質量%であることが好ましい。カップリング剤の含有量が0.03質量%以上であればフレーム等との接着強度が十分なものとなり、一方5質量%以下であれば揮発分が少なく、ボイド等の充填性に関する成形不良の発生を抑制できると共に、パッケージの成形性も良好となる。
次に、本発明の封止用樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明の封止用樹脂組成物の製造方法は、(A)エポキシ樹脂、(B)トリグリジシルイソシアヌレート(C)硬化剤、および(D)シリカと水酸化マグネシウムを含む無機充填剤を混練して得られる混練物をシート状に成形してシート状の樹脂組成物を得るか、または前記混練物を冷却した後、粉砕して粉状、頼粒状、またはシート状の樹脂組成物を得る工程を有することを特微とする。
上記のように、(A)成分〜(D)成分の必須成分、および必要に応じて加えられる硬化促進剤、カップリング剤やその他の各種添加剤を配合し、高速混合機等を用いて均−に混合した後、二本ロールや連続混練装置等を用いて十分に混練する。このときの混練温度は、混練作業を容易なものとしつつ特性低下を抑制する観点から、例えば50〜110℃とすることが好ましい。
そして、得られた混練物をシート状に成形して20〜50℃程度に冷却した後、所定の大きさに切断等することにより、シート状の樹脂組成物を得ることができる。また、混練物をシート状に成形して10〜30℃程度に冷却した後、粉砕することにより粉状または穎粒状の樹脂組成物を得ることができる
このようにして得られる本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、耐熱性を必要としない光半導体装置にも使用することができるが、当該樹脂組成物により得られる成形品(硬化物)を、さらに一般的なエポキシ樹脂等でダブルモールドすることにより、例えば、光半導体素子から発せされるLED光を反射させて高い効率で光の透過を促すことができる。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物を適用できる光半導体素子としては、LED、光通信向けデバイス、車載用デバイス等民生向けも含めて幅広い使用範囲が挙げられる。
これらの光半導体素子を本発明の光半導体封止用樹脂組成物で封止することにより、信頼性の高い光半導体装置を製造することができる。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物は、下記のような物性を有していることが好ましい。なお、これらの物性の値は実施例に記載の測定方法に基づくものである。
EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー(175℃/120秒):100〜
140cm
島津製高化式フローテスタCFT−500Dを用いたフロー粘度(175℃):5.0〜15.0Pa・s
また、樹脂組成物の硬化物は、下記のような物性を有していることが好ましい。これらの物性の値も実施例に記載の測定方法に基づくものである。
PCT処理後の吸水率(2.5気圧×24時間):0.5〜1.0%
波長800nmの光の光線透過率(熱処理前):19%以上
波長800nmの光の光線透過率(熱処理後):15%以上
熱処理条件は200℃のオーブンで96時間加熱である。
次に、本発明を実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例および比較例によって制限されるものではない。
表1に示すような配合割合(数値は質量部)で各成分を配合し、常温でブレンダーを用いて混合(ドライブレンド)した後、連続混練装置(単軸混練機や2軸混練機)を用いて80〜90℃で5分間加熱混練し、得られた混練物を10〜20℃まで冷却後、ハンマーミルを用いて粉砕して粉状の光半導体封止用樹脂組成物を製造した。
なお、実施例および比較例の光半導体封止用樹脂組成物の製造に用いた各成分の詳細は以下に示す通りである。
(1)エポキシ樹脂〔成分(A)〕
OCN型エポキシ樹脂:
住友化学工業株式会杜製のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品品番「ESCN−190」、エポキシ当量195、軟化点65℃)
Bis−A型エポキシ樹脂:
DIC株式会杜製のBis−A型エポキシ樹脂(商品品番「EPICLON−1055」、エポキシ当量475、軟化点70℃)
(2)トリグリシジルイソシアヌレート〔成分(B)〕;
日産化学工業製のトリグリシジルイソシアヌレート(商品品番「TEPIC-G」エポキシ当量100、軟化点100℃)
(3)硬化剤〔成分(C)〕
フェノールノボラック樹脂:
明和化成株式会社製のフェノールノボラック樹脂(商品品番「FH−1」、軟化点80℃、水酸基当量106)
酸無水物:
新日本理化株式会社製の1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、(商品名「リカシッドTH」)
(4)無機充填剤〔成分(D)〕
シリカ:
電気化学工業株式会社製の溶融球状シリカ(商品品番「FB−105」、平均粒径10μm、最大粒径75μm)
水酸化マグネシウム:
神島化学工業株式会社製の水酸化マグネシウム(商品名「マグシーズEP」、平均粒径2.9μm、最大粒径10μm)
(5)硬化促進剤
北興化学工業株式会社製のトリフェニルホスフィン(商品品番「TPTP」)
(6)カップリング剤
日本ユニカー株式会社製のエポキシシラン系カップリング剤(商品品番「Y−9669」)
(7)ワックス
日興リカ株式会社製のカルナバワックス(商品名「カルナバ1号」)
(8)その他
信越化学工業株式会社製のシリコーンオイル(商品品番「KF−101」)
その後、実施例1、3、4、参考例2および比較例1〜5で製造された封止用樹脂組成物および同硬化物について、スパイラルフロー、フロー粘度、PCT処理後の吸水率(耐熱性)、光線透過率(耐熱性)および密着性(信頼性)の評価を行った。結果を表1に示す。なお、評価方法、評価基準は以下に示す通りである。
(スパイラルフロー)
EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー金型を用い、封止用樹脂組成物を175℃、成形圧力9.8MPaでトランスファー成形したときのスパイラルフロー長さを測定した。
(フロー粘度)
島津製高化式フローテスタCFT−500Dを用い、175℃での封止用樹脂組成物のフロー粘度を測定した。
(PCT処理後の吸水率)
得られた樹脂を用いて成形したものを、JIS−K−6911に準じて25気圧/24時間、PCT(Pressure Cooker Test)処理を実施し、各試料のPCT処理後の質量変化を測定した。
○:吸水率1.0%未満
×:吸水率1.0%以上
(光線透過率)
得られた封止用樹脂組成物を用いて厚さ1mmの成形品(硬化物)を作製し、紫外可視近赤外分光光度計V−670〔日本分光(株)製〕を用いてその成形品の熱処理前の初期光線透過率(波長800nm)を測定した。成形(硬化)条件は、金型温度175℃で2分間硬化である。
○:光線透過率19%以上
×:光線透過率19%未満
次に、上記成形品を200℃のオーブンで96時間熱処理し、熱処理後の成形品の光線透過率を測定し、初期値からの劣化率〔(初期光線透過率−熱処理後光線透過率)×100/初期光線透過率〕を求めた。
○:劣化率20%未満
×:劣化率20%以上
(密着性)
アウター材との密着性を確認するために、それぞれの実施例、参考例および比較例で製造された封止用樹脂組成物をインナー材とし、その周りを同一アウター材(o-クレゾールノボラック樹脂骨格を有するエポキシ硬化樹脂)を用いて成形しダブルモールド成形品を得た。すなわち、2連のDIP(DIP−14pin)フレームにインナー材を成形し、次にアウター材を成形した後、(PCT)試験とHigh Temperature Storage(HTS)試験を実施した。
○:PCT−500時間、HTS−1500時間
△:PCT−500時間、HTS−1500時間未満
×:PCT−500時間未満、HTS−1500時間未満

表1から明らかなように、実施例1、3〜5、7の封止用樹脂組成物においては、光半導体封止用樹脂として重要な光線透過率を熱処理後でも高い値に維持していると共に、PCT処理後の低い吸水率も達成している。さらに、アウター材との密着性も良好であり、ダブルモールド材におけるインナー材としての効果も、十分に確認できる。これに対して、比較例1〜7の封止用樹脂組成物においては、全体的に熱処理後の光線透過率の劣化度合が高く、アウター材との密着性にも劣る傾向があることが確認される。
本発明の光半導体封止用樹脂組成物はLED等の光半導体素子を封止するのに適しているので、光半導体装置の分野で好適に用いられる。

Claims (3)

  1. (A)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、(B)トリグリシジルイソシアヌレート、(C)フェノールノボラック樹脂硬化剤および(D)無機充填剤を必須成分とする光半導体封止用樹脂組成物であって、前記(D)無機充填剤が樹脂組成物全量の75〜95質量%含まれるとともに、無機充填剤全量のうちシリカが80〜98質量%、水酸化マグネシウムが2〜20質量%含まれることを特徴とする光半導体封止用樹脂組成物。
  2. 前記成分(B)中のグリシジル基1モルに対して前記成分(A)中のエポキシ基が2〜4モルとなる割合で前記成分(A)と前記成分(B)を含む請求項1に記載の光半導体封止用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の光半導体封止用樹脂組成物をインナー材として封止してなるダブルモールド型光半導体装置。
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