JP2004018786A - 封止用樹脂組成物および電子部品封止装置 - Google Patents

封止用樹脂組成物および電子部品封止装置 Download PDF

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伊藤 昌彦
Yoshihisa Kitamura
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Abstract

【課題】ポリエチレングリコールの使用により、成形性、特にフレーム両面で充填量が異なる異形状パッケージの作製おいて優れた成形性、連続生産性を有し、かつ熱伝導率が1.2W/m・K以上である封止用樹脂組成物およびそれを用いた電子部品封止装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)ポリエチレングリコールおよび(D)無機充填材を必須成分として含有する封止用樹脂組成物であって、前記(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂および(C)ポリエチレングリコールの合計量中、(C)ポリエチレングリコールを0.05〜5.0重量%の割合で含有し、前記封止用樹脂組成物全体量中、前記(D)無機充填材を65〜90重量%の割合で含有し、熱伝導率が1.2W/m・K以上であることを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワートランジスタTO−220型のようにリードフレーム両面で充填量が異なる異形状パッケージの作製において優れた成形性を有し、かつ熱伝導率に優れた封止用樹脂組成物およびそれを用いた電子部品封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクリートパッケージに含まれるパワートランジスタは、半導体チップからの放熱が大きく、熱放散性の高いパッケージ設計になっている。熱放散方法としてはパッケージ裏面に放熱板をつけることが有用であるが、信頼性をより高めるため、熱伝導率の高い封止用樹脂組成物で全てをパッケージする方法が一般的になっている。
【0003】
このような半導体チップの封止には例えばトランスファー成形が用いられている。半導体チップはパターン形成してある金属リードフレーム上に接着されており、所定部分を微細な金属線で相互に結線してある。そして、これら半導体チップと金属リードフレームとを、金型内の所定位置に配置した後、封止用樹脂組成物からなる成形材料を金型内に注入して、半導体チップや金属リードフレーム等を封止用樹脂組成物で封止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、単なる平板状ではなく、部分的に凹凸部を有する金属リードフレームが使用されるようになっている。図1は、このような凹凸部を有する金属リードフレームを使用した場合のトランスファー成形の一例を示したものである。金型1は上部金型1aおよび下部金型1bからなり、金属リードフレーム2は、その凸部2aが下部金型1b側となるように配置される。また、金属リードフレーム凹部2bには半導体チップ3が配置される。
【0005】
図1に示されるように、金属リードフレーム凹部2b側では、上部金型1a内壁との間隔があるため成形材料が充填されやすくなっているが、金属リードフレーム凸部2a側では、下部金型1b内壁との間隔が狭いため成形材料が充填されにくくなっている。この金属リードフレーム凸部2aと下部金型1b内壁との間隔は、例えば0.3〜0.5mmとなる場合がある。このような状態で成形材料を注入した場合、金属リードフレーム凸部2a側では成形材料が適切に充填されず、ウエルド巣やフクレ等の成形不良が発生することがある。
【0006】
本発明は、上記したような問題を解決するためになされたもので、異形状パッケージの作製に好適な成形性を有し、かつ熱伝導率に優れた封止用樹脂組成物およびそれを用いた電子部品封止装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、封止用樹脂組成物にポリエチレングリコールを配合することにより、熱伝導率を低下させることなく、成形性を大幅に向上させられることを見出し本発明を完成させたものである。
【0008】
すなわち、本発明の封止用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)ポリエチレングリコールおよび(D)無機充填材を必須成分として含有する封止用樹脂組成物であって、前記(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂および(C)ポリエチレングリコールの合計量中、(C)ポリエチレングリコールを0.05〜5.0重量%の割合で含有し、前記封止用樹脂組成物全体量中、前記(D)無機充填材を65〜90重量%の割合で含有し、熱伝導率が1.2W/m・K以上であることを特徴とするものである。
【0009】
前記(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂および(C)ポリエチレングリコールの合計量中、前記(C)ポリエチレングリコールを0.11〜1.0重量%の割合で含有するものであればより好ましい。前記(D)無機充填材の50重量%以上が溶融シリカ粉末および結晶シリカ粉末の混合物からなるものであることが好ましい。前記(D)無機充填材のうち50重量%以上が結晶シリカ粉末であればさらに好ましい。
【0010】
また、本発明の電子部品封止装置は、上記したような封止用樹脂組成物の硬化物によって電子部品が封止されてなることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の封止用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)ポリエチレングリコールおよび(D)無機充填材を必須成分として含有する封止用樹脂組成物であって、前記(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂および(C)ポリエチレングリコールの合計量中、(C)ポリエチレングリコールを0.05〜5.0重量%の割合で含有し、前記封止用樹脂組成物全体量中、前記(D)無機充填材を65〜90重量%の割合で含有し、熱伝導率が1.2W/m・K以上であることを特徴とする。
【0013】
本発明では(C)ポリエチレングリコールを配合することで、例えば金属リードフレーム両面における充填量が異なり、成形不良が発生しやすい異形状パッケージの作製も容易となる。
【0014】
例えば、図1に示されるように、凹凸部を有する金属リードフレーム2を金型1を用いて封止する場合、下部金型1b内壁と金属リードフレーム凸部2aとの間隔が狭くなり、従来の封止用樹脂組成物では成形材料が十分に充填されない場合があった。しかし、本発明の封止用樹脂組成物では(C)ポリエチレングリコールを添加することで、熱伝導率、作業性を低下させずに、下部金型1b内壁と金属リードフレーム凸部2aとの狭い部分にも十分に充填させることが可能となり、ウエルド巣やフクレ等の成形不良の発生を抑制することが可能となる。
【0015】
本発明に用いられる(A)エポキシ樹脂としては、その分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物である限り、分子構造、分子量等特に制限はなく、一般に電子部品の封止用として知られているものを広く用いることができる。
【0016】
例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂、あるいは次の一般式(1)、(2)で示されるようなエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0017】
【化1】
Figure 2004018786
【0018】
【化2】
Figure 2004018786
【0019】
本発明に用いられる(B)フェノール樹脂としては、前記(A)のエポキシ樹脂と反応し得るフェノール性水酸基を2個以上有するものであれば、特に限定されることなく使用することができる。
【0020】
具体的な化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、フェノール類とベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒド等との縮合物、トリフェノールメタン化合物、多官能型フェノール樹脂、脂環型フェノール樹脂、あるいは次の一般式(3)、(4)で示されるようなものが挙げられる。
【0021】
【化3】
Figure 2004018786
【0022】
【化4】
Figure 2004018786
【0023】
これらのフェノール樹脂は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。フェノール樹脂の配合割合は、前述した(A)エポキシ樹脂のエポキシ基(a)と(B)フェノール樹脂のフェノール性水酸基(b)との当量比(a)/(b)が0.1〜10となる範囲であることが望ましい。この比が0.1未満もしくは10を超えると、耐湿性、耐熱性、成形性および硬化物の電気特性が悪くなり、いずれの場合も好ましくない。
【0024】
本発明に用いられる(C)ポリエチレングリコールは界面活性効果を有するものであり、熱伝導率を低下させずに、成形性を向上させるために加えられるものである。この(C)ポリエチレングリコールは、次の一般式(5)で示されるものである。
【0025】
【化5】
Figure 2004018786
【0026】
本発明では、封止用樹脂組成物に界面活性効果を有する(C)ポリエチレングリコールを添加することで、作業性を低下させず、かつ熱伝導率を1.2W/m・K以上としつつ、金型内における充填性を向上させ、ウエルド巣やフクレ等の成形不良を抑制することが可能となる。
【0027】
(C)ポリエチレングリコールの配合量は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂および(C)ポリエチレングリコールの合計量中、0.05〜5.0重量%の範囲となるようにする。(C)ポリエチレングリコールの割合が0.05重量%未満では、金型内における充填性を向上させることができず、ウエルド巣やフクレ等の成形不良を抑制することが困難になる。また、5.0重量%を超えると、添加量が多すぎるため金型および成形品を汚す原因となるため好ましくない。(C)ポリエチレングリコールのより好ましい配合量は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂および(C)ポリエチレングリコールの合計量中、0.11〜1.0重量%である。
【0028】
(C)ポリエチレングリコールは重合条件により分子量200程度のものから分子量10000以上のものまで得られるが、本発明ではこれらのものを適宜選択して使用することが可能である。
【0029】
しかしながら、分子量が200〜600の範囲内では液状であるため、成形時に封止用樹脂組成物からしみ出して金型および成形品を汚す原因となることから、好ましくは分子量が600を超えるものを用いることがよい。より好ましくは、分子量1000以上、さらには分子量3000以上のものを用いることがよい。分子量1000以上であれば、ポリエチレングリコールがロウ状となり、成形時に封止用樹脂組成物からしみ出すことを抑制し、金型および成形品が汚れることを抑制することが可能となる。
【0030】
本発明に用いる(D)無機充填材は、硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、吸水性、弾性率等の特性を改善、向上させる目的で配合されるものであり、汎用性があり、安価で実用性があるものとして、結晶シリカ粉末、溶融シリカ粉末等を用いることが好ましい。また、これらのもの以外にもアルミナ、クレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維、ガラス繊維等も用いることができる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
【0031】
本発明では、熱伝導率の点から結晶シリカと溶融シリカ粉末との混合物を用いることが好ましく、(D)無機充填材全体に対して50重量%以上をこの結晶シリカ粉末と溶融シリカ粉末との混合物とすることが好ましい。さらに熱伝導率を向上させるには、(D)無機充填材全体に対して50重量%以上を結晶シリカ粉末とすることが好ましい。これは、溶融シリカの熱伝導率が1.3W/m・K程度であるのに対し、結晶シリカの熱伝導率が10W/m・K程度であることに基づくものである。
【0032】
(D)無機充填材は、最大粒径が100μm以下で平均粒径が1〜50μmの粉末状であることが好ましく、最大粒径が75μm以下で平均粒径が5〜25μmであるとさらに好ましい。最大粒径が100μmを越えるか、あるいは平均粒径が50μmを超えると、狭部への充填が困難になるだけでなく、分散性が低下して成形品が不均一になる。また、平均粒径が1μm未満では、粘度が上昇し、成形性が不良となる。
【0033】
無機充填材の配合割合は、封止用樹脂組成物全体量中、65〜90重量%の割合となるように配合することが望ましい。その配合割合が65重量%未満では耐熱性および信頼性が低下し、また熱伝導率を1.2W/m・K以上とすることが困難となる。また、90重量%を超えるとカサバリが大きくなり流動性が低下するため、狭部への充填が困難となり、成形性に劣り実用に適さない。
【0034】
本発明の封止用樹脂組成物は、前述した(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)ポリエチレングリコールおよび(D)無機充填材を必須成分とするが、本発明の目的に反しない限度において、また必要に応じて、例えば天然ワックス類、合成ワックス類、エステル類等の離型剤、エラストマー等の低応力化成分、カーボンブラック等の着色剤、シランカップリング剤等の無機充填材の処理剤および硬化促進剤等を適宜添加することができる。
【0035】
上記硬化促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。本発明においては、なかでもイミダゾール類の使用が好ましい。
【0036】
本発明の封止用樹脂組成物を成形材料として調整する場合の一般的な方法としては、例えば上述した(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)ポリエチレングリコールおよび(D)無機充填材ならびに必要に応じてその他の成分を配合し、ミキサー等によって充分均一に混合した後、さらに熱ロールによる溶融混合処理またはニーダ等による混合処理を行い、次いで冷却固化させ適当な大きさに粉砕する方法が挙げられる。
【0037】
こうして得られた成形材料は、半導体チップをはじめとする電子部品の封止、被覆あるいは絶縁等に適用することで優れた特性と信頼性を付与することができる。特に、構造上、金型内に一部狭部ができてしまい充填性が低くなるもの、例えばパワートランジスタTO−220型のように金属リードフレームが凹凸部を有し、両面で充填量が異なる異形状パッケージの作製に用いると、成形不良を効果的に抑制し信頼性を向上させることができる。
【0038】
本発明の電子部品封止装置は、上述の成形材料を用いて電子部品を封止することにより製造されるものである。封止の最も一般的な方法としては低圧トランスファー成形があるが、射出成形、圧縮成形、注形等による封止も可能である。成形材料(封止用樹脂組成物)を封止の際に加熱して硬化させ、最終的にこの硬化物によって封止された電子部品封止装置を得ることができる。加熱による硬化は150℃以上に加熱して硬化させることが望ましい。
【0039】
適用される電子部品としては、トランジスタ(パワートランジスタ)、サイリスタ、ダイオード、コンデンサ、集積回路、大規模集積回路等が例示されるが、これらのものに限定されるものではない。
【0040】
【実施例】
次に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0041】
[実施例1]
住友化学工業製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(製品名 ESCN−195XL、エポキシ当量195)11重量%、昭和高分子製ノボラック型フェノール樹脂(製品名 BRG、フェノール当量104)5.5重量%、式(5)に示されるポリエチレングリコール(分子量6000)0.1重量%、旭化成エポキシ社製臭素化エポキシ樹脂(製品名 AER−8028)2重量%、結晶シリカ粉末(平均粒径 25μm)80重量%、三酸化アンチモン1.5重量%ならびに、カルナバワックスおよびリン系触媒(TPP:トリフェニルホスフィン)1.0重量%を配合し、室温で混合し、さらに90〜95℃で混練、冷却した後、粉砕して成形材料を作製した。
【0042】
この成形材料について、スパイラルフロー長さ、ゲルタイム、粘度および熱伝導率の測定を行った。なお、スパイラルフロー長さは、スパイラル金型を用い、金型温度175℃、成形圧力9.8MPa、成形時間120s、仕込量20g、注入時間5±2sの条件で行った。また、ゲルタイム、粘度は175℃の条件で測定を行った。
【0043】
また、成形材料を175℃に加熱した金型内にトランスファー注入し、TO−220型パッケージを600個作製し、パッケージの裏面(リードフレームの低充填量面側)にウエルド巣、フクレが発生したパッケージの個数を測定した。結果を表1に示す。
【0044】
[実施例2]
住友化学工業製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(製品名 ESCN−195XL、エポキシ当量195)13重量%、昭和高分子製ノボラック型フェノール樹脂(製品名 BRG、フェノール当量104)6.5重量%、式(5)に示されるポリエチレングリコール(分子量6000)0.5重量%、旭化成エポキシ社製臭素化エポキシ樹脂(製品名 AER−8028)2重量%、結晶シリカ粉末(平均粒径25μm)75重量%、三酸化アンチモン1.5重量%ならびに、カルナバワックスおよびリン系触媒(TPP)1.0重量%を配合し、[実施例1]と同様に成形材料の作製および評価、さらに成形品の作製および評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】
[実施例3]
住友化学工業製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(製品名 ESCN−195XL、エポキシ当量195)11重量%、昭和高分子製ノボラック型フェノール樹脂(製品名 BRG、フェノール当量104)5.5重量%、式(5)に示されるポリエチレングリコール(分子量6000)1.0重量%、旭化成エポキシ社製臭素化エポキシ樹脂(AER−8028)2重量%、結晶シリカ粉末(平均粒径25μm)70重量%、溶融シリカ粉末(平均粒径20μm)10重量%、三酸化アンチモン1.5重量%ならびに、カルナバワックスおよびリン系触媒(TPP)2.0重量%を配合し、[実施例1]と同様に成形材料の作製および評価、さらにパッケージの作製および評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
[比較例1]
住友化学工業製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(製品名 ESCN−195XL、エポキシ当量195)11重量%、昭和高分子製ノボラック型フェノール樹脂(製品名 BRG、フェノール当量104)5.5重量%、旭化成エポキシ社製臭素化エポキシ樹脂(AER−8028)2重量%、結晶シリカ粉末(平均粒径25μm)80重量%、三酸化アンチモン1.5重量%ならびに、カルナバワックスおよびリン系触媒(TPP)2.0重量%を配合し、[実施例1]と同様に成形材料の作製および評価、さらにパッケージの作製および評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
[比較例2]
住友化字工業製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(製品名 ESCN−195XL、エポキシ当量195)11重量%、昭和高分子製ノボラック型フェノール樹脂(製品名 BRG、フェノール当量104)6.5重量%、旭化成エポキシ社製臭素化エポキシ樹脂(AER−8028)2重量%、結晶シリカ粉末(平均粒径25μm)75重量%、三酸化アンチモン1.5重量%および、カルナバワックスおよびリン系触媒(TPP)2.0重量%を配合し、[実施例1]と同様に成形材料の作製および評価、さらにパッケージの作製および評価を行った。結果を表1に示す。
【0048】
[比較例3]
住友化学工業製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(製品名 ESCN−195XL、エポキシ当量195)11重量%、昭和高分子製ノボラック型フェノール樹脂(製品名 BRG)5.5重量%、旭化成エポキシ社製臭素化エポキシ樹脂(AER−8028)2重量%、結晶シリカ粉末(平均粒径25μm)70重量%、溶融シリカ粉末(平均粒径20μm)10重量%、三酸化アンチモン1.5重量%ならびに、カルナバワックスおよびリン系触媒(TPP)2.0重量%を配合し、[実施例1]と同様に成形材料の作製および評価、さらにパッケージの作製および評価を行った。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 2004018786
【0050】
表1から明らかなように、本発明の封止用樹脂組成物においては従来の組成物と同様の作業性、熱伝導率を維持していることが認められた。また、この封止用樹脂組成物を用いて作製されたパッケージにおいては、ウエルド巣やフクレ等の成形不良が有効に抑制されており、本発明の封止用樹脂組成物は成形性が大幅に向上されたものであることが認められた。
【0051】
【発明の効果】
本発明では、封止用樹脂組成物にポリエチレングリコールを配合することにより、作業性、熱伝導率を低下させることなしに、成形性を大幅に向上させることが可能となり、成形品におけるウエルド巣やフクレ等の成形不良の発生を有効に抑制することができる。
【0052】
また、このような封止用樹脂組成物を用いて電子部品封止装置を作製することで、電子部品封止装置の信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子部品封止装置の一般的な封止方法を示した断面図
【符号の説明】
1…金型
1a…上部金型 1b…下部金型
2…金属リードフレーム
2a…凸部 2b…凹部

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂、(C)ポリエチレングリコールおよび(D)無機充填材を必須成分として含有する封止用樹脂組成物であって、
    前記(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂および(C)ポリエチレングリコールの合計量中、(C)ポリエチレングリコールを0.05〜5.0重量%の割合で含有し、前記封止用樹脂組成物全体量中、前記(D)無機充填材を65〜90重量%の割合で含有し、熱伝導率が1.2W/m・K以上であることを特徴とする封止用樹脂組成物。
  2. 前記(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂および(C)ポリエチレングリコールの合計量中、前記(C)ポリエチレングリコールを0.11〜1.0重量%の割合で含有してなることを特徴とする請求項1記載の封止用樹脂組成物。
  3. 前記(D)無機充填材の50重量%以上が溶融シリカ粉末および結晶シリカ粉末の混合物からなることを特徴とする請求項1または2記載の封止用樹脂組成物。
  4. 前記(D)無機充填材のうち50重量%以上が結晶シリカ粉末からなることを特徴とする請求項1または2記載の封止用樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の封止用樹脂組成物の硬化物によって電子部品が封止されてなることを特徴とする電子部品封止装置。
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