JP6303668B2 - ロール状回転体、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような非張架のベルトを用いる定着部材又は加圧部材では、ベルトを直接に駆動することは難しい。また、パッドとロールとの間に挟み込まれた状態で駆動されるために駆動の負荷が大きくなっている
薄板材を弾性的に変形させてロール状に複数回巻き回して形成され、無端状となった前記ベルトの内側に挿通されて、前記変形による弾性反発力で前記ベルトの内周面に圧接されているロール状基体と、を有し、 前記ロール状基体が、軸線方向の両端部で、該ロール状基体の軸線回りの回転が可能に支持されているロール状回転体を提供する。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成図である。
この画像形成装置は、4色のトナーを用いてカラー画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kと、これらと対向する中間転写ベルト11とを備えている。
中間転写ベルト11は、無端状となっており、回転駆動される対向ロール15と、中間転写ベルト11の幅方向への偏りを調整する調整ロール16と、二つの支持ロール17、18とに張架されている。そして、対向ロール15が駆動されることによって図中に示す矢印Xの方向に周面が周回移動するように駆動されるものである。
一方、記録シートの搬送経路における二次転写位置13の下流側には、トナー像を加熱及び加圧して記録シート上に圧着する定着装置7が設けられている。そして、さらに下流側にはトナー像が定着された記録シートを重ねて保持する排紙保持部14が設けられている。
上記定着装置7は、記録シートP上のトナー像Tに圧接される定着部材21とこの定着部材21に圧接される加圧部材22とを有するものである。定着部材21は、無端状に形成されて周回駆動される定着ベルト23と、無端状となった上記定着ベルト23の内側で上記加圧部材22と対向するように配置され、加圧部材22の外周面との間に定着ベルト23を挟み込む押圧部材24とを備えている。上記定着ベルト23の内側には、この定着ベルト23の内周面に接触して発熱し、該定着ベルト23を加熱する薄板状の加熱部材25が設けられている。上記加圧部材22が回転駆動されることによって定着ベルト23は周回移動し、トナー像が転写された記録シートPは、接触する加圧部材22と定着ベルト23との間に送り込まれる。そして、記録シートP上のトナー像Tは加熱部材25によって加熱された定着ベルト23に押し付けられ、加熱されるとともに加圧されてトナー像Tが記録シートP上に圧着されるものとなっている。
上記押圧パッド26は、定着ベルト23の幅方向におけるほぼ全域に連続して接触するものであり、弾性的に変形して定着ベルト23を加圧部材22に押し付けるものとなっている。この押圧パッド26には、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有する弾性材料を用いることができる。
上記支持部27は、金属板を断面形状がほぼL字状となるように曲げ加工した部材を組み合わせて棒状としたものであり、軸線方向に上記押圧パッド26を支持して、筒状となった定着ベルト23の内側に挿通される。そして、両端部で支持されて押圧パッド26が加圧部材22側に押し付けられるように押圧力が付与されるものとなっている。なお、加圧部材22側に押し付ける力の合力は、例えば150Nとすることができる。
上記ベルト31は、ステンレススチールをフィルム状に薄く形成した基層と、この基層の外側に積層されたシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらにその外側に積層されたフッ素樹脂からなる離型層とを有するものである。基層の厚さは例えば50μm、弾性体層を200μm、離型層を30μmとすることができる。そして、断面を円形としたときの内径が25mmとなる無端状に形成され、周面の幅は305mmとなっている。
図3(a)に示すように、ステンレススチールの薄板材33からなる平板を筒状に巻き回し、図3(b)に示すように外径がベルト31の内径より小さくなったロール状とする。このとき薄板材33は弾性的に変形して巻き回されており、巻き回した薄板材33が広がらないように拘束した状態で、図3(c)に示すように無端状となったベルト31の内側に挿入する。そして、ベルト31の周面の幅方向に、両端がベルト31の両側縁より突き出した状態で巻き回した薄板材33の拘束を解放する。薄板材33は弾性反発力で変形を解消するように挙動し、図3(d)に示すように外径を拡大するように広がってベルト31の内周面に押し付けられる。これにより、ベルト31の内周面には周方向に分布して外側へ向かう圧接力が作用し、周方向に張力が導入される。本実施の形態では、このときに薄板材33がロール状基体32のほぼ全周にわたって5層が重ね合わされるように薄板材33の長さが設定されており、筒状となった軸線方向の長さは325mmとなっている。
このようにベルト31と筒状に巻き回した薄板材33とを組み合わせることによって、薄板材33がロール状となったロール状基体32と、その外周面を覆うように嵌め合わされたベルト31とが一体となったロール状回転体22が形成される。
上記ロール状回転体22には、軸線方向の端部においてベルト31の側縁からロール状基体32が突き出した部分で、該ロール状基体32の外側に、環状となった端部支持部材34が嵌め合わされる。端部支持部材34は環状となった内側の周面が円筒曲面となっており、その内径は、ベルト31の内側に嵌め合わされたときのロール状基体32の外周面とほぼ同じものとなっている。したがって、端部支持部材34の内周面に対してもベルト31と同様に薄板材33から、この薄板材33が拡がろうとすることによる圧接力が作用し、この圧接力によって端部支持部材34がロール状基体32と嵌め合わされ、保持される。
例えば、図6(a)に示すように、筒状に巻き回された薄板材33の端縁付近に外側へ向けて凸部33aを設けておく。これとともに端部支持部材34の内側には、上記凸部33aが入り込む凹部34aを設けておく。上記端部支持部材の凹部34aに薄板材の凸部33aが入り込むことにより、端部支持部材34が回転駆動された時に上記凸部33aが端部支持部材34に係止され、薄板材33には周方向に巻き回された径を拡大する方向の力が付与される。そして、薄板材33が端部支持部材34の内周面に強く押し付けられ、大きな摩擦力が作用するものとなる。したがって、上記端部支持部材の凹部34aから薄板材の凸部33aに作用する力は、ロール状基体32を駆動するために必要な全ての力ではなく、薄板材の凸部33aに伝達された力と、端部支持部材34とロール状基体32との間の摩擦力とにより双方間で滑ることなく駆動されるものとなる。
また、筒状に巻き回した薄板材33を端部支持部材34に係止する構造としては、図6(b)に示すように端部支持部材34の内周面から内側に突き出すように凸部34bを設けておき、この凸部34bを薄板材33の端面に係止するものであってもよい。
また、駆動の速度については、金属の芯材の周囲に弾性体層を形成したロールを加圧部材として用いた場合に比べて加熱されたときの速度の変動が小さく、速度の制御が容易となる。つまり、金属の芯材の周囲に弾性体層を形成したロールを加圧部材として用いた場合では、加熱されて温度が上昇したときに弾性体層が膨張し、外径が大きくなって同じ角速度でロールを駆動すると周速度の変動が大きくなる。このような周速度の変動が抑制されるものである。
この定着装置40は、定着部材に本発明のロール状回転体41を用いたものであり、このロール状回転体41に加圧部材である加圧ロール42を、双方の軸線がほぼ平行となるように圧接するものである。
また、ロール状回転体41と加圧ロール42とが圧接される部分では、ロール状回転体41と加圧ロール42との双方の断面が変形し、圧接される領域の周方向の寸法を大きく設定することができる。これにより、記録シート上に保持されたトナー像を広い範囲で加熱及び加圧することができ、ほぼ同じ径の定着ロールと加圧ロールとを用いる定着装置と比較すると、記録シートの搬送速度を高速化することが可能となる。一方、同じ搬送速度では、定着部材及び加圧部材の小型化が可能となる。
また、薄板材の内側の端縁がある位置でも、ロール状基体の周方向の剛性が急変して定着するトナー像に影響することも考えられるが、内側の端縁については、図8(b)に示すように薄板材46を巻き回したときに、内側の端縁付近46aがその内側に積層された薄板材46bから徐々に離れるように予め曲げ加工しておくことができる。
この定着装置50は、定着部材として本発明のロール状回転体を用いるものであり、加圧部材として非張架状態で周回移動するベルトを備えるものが用いられている。
この定着装置50で定着部材として用いられるロール状回転体51は、図7に示す定着装置40で用いられているロール状回転体41と同じ構成を有するものであり、同様にロール状基体54の両端部が端部支持部材(図示しない)を介して回転可能に支持されている。そして、一方の端部に装着された端部支持部材から回転駆動力が付与されるものとなっている。また、ロール状基体54の内側にはハロゲンランプ55が配置され、ロール状基体54及び定着ベルト53を加熱するものとなっている。
例えば、ロール状回転体を構成するベルトや薄板材の材料、寸法等は適宜に設定することができ、薄板材の巻き回し数つまり薄板材を巻き回してロール状基体としたときの薄板材の層数も、ロール状回転体の径や薄板材の厚さ等に応じて適宜に決定することができる。
また、図11(b)に示すように定着部材71が複数のロール74,75と、これらに張架された定着ベルト73とを有するものであっても良い。ロールの数や位置等は適宜に設計することができ、一部のロールに代えて又はロールに加えて定着ベルト73に摺擦されるパッド等を用いるものであっても良い。加圧部材であるロール状回転体72と押圧される位置は、定着ベルト73がロール74又はパッドに巻き回されている位置であっても良いし、ロール等の間で張架されている位置であっても良い。定着ベルト73を加熱する手段は、図11(b)に示されるようにハロゲンランプ76を用いるものに限らず、薄板状の加熱部材を用いるものや、定着ベルトが導電性層を含むものとして電磁誘導加熱を行うもの等、定着ベルト73を加熱することができる手段を適宜に採用することができる。
また、図11(b)に示すように定着部材91と加圧部材92との双方を本発明のロール状回転体とすることもできる。このような定着装置では、定着部材と加圧部材とのいずれか一方を駆動するものとし、駆動側は、図2に示す定着装置の加圧部材22と同様にロール状基体の端部の外側に端部支持部材を嵌め合わせて支持及び駆動を行い、他方のロール状回転体は、ロール状基体の内側で回転可能に支持することができる。
11:中間転写ベルト, 12:二次転写ロール, 13:二次転写位置, 14:排紙保持部, 15:対向ロール, 16:調整ロール, 17,18:支持ロール,
21:定着部材, 22:加圧部材(ロール状回転体), 23:定着ベルト, 24:押圧部材, 25:加熱部材, 26:押圧パッド, 27:押圧部材の支持部, 28:保持部材,
31:ベルト, 32:ロール状基体, 33:薄板材, 34:端部支持部材, 35:軸受け, 36:ギア, 37:駆動ギア, 38:バネ,
40:定着装置、 41:ロール状回転体(定着部材), 42:加圧ロール, 43:定着ベルト, 44:ロール状基体, 45:加熱部材, 46:薄板材, 47:弾性ベルト,
50:定着装置、 51:ロール状回転体(定着部材), 52:加圧部材, 53:定着ベルト, 54:ロール状基体, 55:加熱部材, 56:加圧ベルト, 57:押圧部材, 57a:押圧パッド, 57b:押圧部材の支持部,
61:定着ロール, 61a:芯材, 61b:弾性体層, 61c:離型層, 62:ロール状回転体(加圧部材), 63:加熱部材,
71:定着部材, 72:ロール状回転体(加圧部材), 73:定着ベルト, 74,75:ロール, 76:ハロゲンランプ(加熱部材),
81:ロール状回転体(定着部材), 82:加圧部材, 83,84,85:ロール, 86:パッド, 87:加圧ベルト,
91:定着部材, 92:加圧部材
Claims (9)
- 無端状に形成されたベルトと、
薄板材を弾性的に変形させてロール状に複数回巻き回して形成され、無端状となった前記ベルトの内側に挿通されて、前記変形による弾性反発力で前記ベルトの内周面に圧接されているロール状基体と、を有し、
前記ロール状基体が、軸線方向の両端部で、該ロール状基体の軸線回りの回転が可能に支持されていることを特徴とするロール状回転体。 - 前記ロール状基体の端部は、環状となった端部支持部材の内側に挿入され、前記変形による弾性反発力で前記端部支持部材の内周面に圧接され、
前記端部支持部材が周方向の回転が可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のロール状回転体。 - 前記端部支持部材は、周方向に沿ってギアが形成され、該ギアに回転駆動力が付与されるものであり、
該回転駆動力は、ロール状に巻き回した前記ロール状基体の外周面に伝達され、前記弾性的な変形を開放する方向に作用するものであることを特徴とする請求項2に記載のロール状回転体。 - 無端状の周面を備え、該周面の周方向への移動が可能に支持されるとともに、少なくとも外周面が加熱される定着部材と、
無端状の周面を備え、該周面の周方向への移動が可能に支持されるとともに、外周面が前記定着部材の外周面に圧接され、前記定着部材との間にトナー像を保持した記録シートを通過させる加圧部材と、を有し、
前記加圧部材が、請求項1から請求項3までのいずれかに記載のロール状回転体であることを特徴とする定着装置。 - 無端状の周面を備え、該周面の周方向への移動が可能に支持されるとともに、少なくとも外周面が加熱される定着部材と、
無端状の周面を備え、該周面の周方向への移動が可能に支持されるとともに、外周面が前記定着部材の外周面に圧接され、前記定着部材との間にトナー像を保持した記録シートを通過させる加圧部材と、を有し、
前記定着部材が、請求項1から請求項3までのいずれかに記載のロール状回転体であることを特徴とする定着装置。 - 前記ロール状回転体は、前記定着部材又は前記加圧部材に圧接された部分で、外周面の周方向の形状が弾性的に変形して平坦又は凹状となった部分が生じるように前記定着部材又は前記加圧部材に対して押し付けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の定着装置。
- 前記ロール状基体を構成する薄板材の周方向における外側の端部は端縁に向かって徐々に厚さが縮小していることを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれかに記載の定着装置。
- 前記ロール状回転体は、前記ベルトと前記ロール状基体との間に該ロール状基体を構成する材料より弾性係数の小さい材料で形成された弾性体層を有することを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれかに記載の定着装置。
- 無端状の周面に静電潜像が形成される像保持体と、
前記静電潜像にトナーを転移して現像する現像装置と、
前記像保持体上で形成されたトナー像を記録シートに転写する転写手段と、
前記記録シート上に転写されたトナー像を定着する請求項4から請求項8までのいずれかに記載の定着装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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