JP2018163227A - 画像形成装置 - Google Patents

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華奈 吉田
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克之 北島
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Abstract

【課題】トナー画像の高い定着性が得られる画像形成装置の提供。
【解決手段】像保持体11と、帯電手段12と、静電荷像形成手段13と、トナーを収容する現像手段14と、転写手段と、定着ベルト、定着ベルトの外周表面を加圧してニップを形成する加圧回転体、及び定着ベルトを加圧回転体方向に向かって押圧する押圧部材を有し、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段60を備え、トナーは、結晶性樹脂と融解温度60℃以上80℃以下のパラフィン系ワックスを含有し、結晶性樹脂とパラフィン系ワックスの融解温度の差が10℃以下、体積平均粒径が6μm以上9μm以下、形状係数SF1が140以上、トルエン不溶分が25質量%以上45質量%以下である画像形成装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真法による画像の形成は、例えば、像保持体表面を帯電させた後、この像保持体表面に画像情報に応じて静電荷像を形成し、次いでこの静電荷像を、トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を記録媒体表面に転写及び定着することにより行われる。
ここで、特許文献1には、定着ローラと、加熱部材と、前記定着ローラ及び前記加熱部材の外周に巻回された無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記定着ローラと対向する加圧ローラとを有する定着手段を備えた画像形成装置であって、前記定着手段のプロセス速度が200〜600mm/secであり、少なくとも結着樹脂、着色剤およびワックスを含むトナー組成物を溶融混練後、粉砕、分級して製造されるトナーを使用し、前記結着樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂よりなり、前記結晶性ポリエステル樹脂の軟化点及び含有量が特定の範囲であり、トナーの体積中位粒径(D50)、並びに、3μm以下、4μm以下、5μm以下及び10μm以上のトナー粒子の含有率がそれぞれ特定の範囲である画像形成装置が開示されている。
特開2014−056126号公報
電子写真方式の画像形成装置では、像保持体の表面に形成された静電荷像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を像保持体から記録媒体の表面に転写した後、トナー画像が定着されることで記録媒体上に画像が形成される。このトナーとして、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む結着樹脂、並びに融解温度が60℃以上80℃以下のパラフィン系ワックスを含有するトナー粒子を有し、結晶性樹脂の融解温度とパラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値が10℃以下であり、トナー粒子の体積平均粒径が6μm以上9μm以下であり、トナー粒子の形状係数SF1が140以上であり、トナーのトルエン不溶分が25質量%以上45質量%以下である静電荷像現像用トナーを適用した場合に、記録媒体へのトナー画像を定着性に劣ることがあった。
これに対して本発明は、定着手段が、2つのロールが対向して接触することでニップを形成する定着部材のみを備える場合に比べ、トナー画像の高い定着性が得られる画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
定着ベルト、前記定着ベルトの外周表面を加圧してニップを形成する加圧回転体、及び前記定着ベルトを前記加圧回転体方向に向かって押圧する押圧部材、を有し、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体を前記ニップに挟み込んで前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備え、
前記静電荷像現像用トナーが、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む結着樹脂と、融解温度が60℃以上80℃以下のパラフィン系ワックスと、を含有するトナー粒子を有し、前記結晶性樹脂の融解温度と前記パラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値が10℃以下であり、前記トナー粒子の体積平均粒径が6μm以上9μm以下であり、前記トナー粒子の形状係数SF1が140以上であり、前記静電荷像現像用トナーのトルエン不溶分が25質量%以上45質量%以下である画像形成装置。
請求項2に係る発明は、
前記パラフィン系ワックスの融解温度が65℃以上78℃以下の範囲である請求項1に記載の画像形成装置。
請求項3に係る発明は、
前記パラフィン系ワックスの融解温度が65℃以上75℃以下の範囲である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
請求項4に係る発明は、
前記静電荷像現像用トナーのトルエン不溶分が28質量%以上38質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項5に係る発明は、
前記静電荷像現像用トナーのトルエン不溶分が30質量%以上35質量%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項6に係る発明は、
前記結晶性樹脂の融解温度と前記パラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値が5℃以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項7に係る発明は、
前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項8に係る発明は、
前記結晶性樹脂の含有量が、前記静電荷像現像用トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項9に係る発明は、
前記結晶性樹脂の含有量が、前記静電荷像現像用トナーの全量に対し5質量%以上15質量%以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項10に係る発明は、
前記記録媒体の搬送速度が90mm/sec以上380mm/sec以下である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
請求項1、2、7、8、9、10、又は11に係る発明によれば、定着手段が、2つのロールが対向して接触することでニップを形成する定着部材のみを備える場合に比べ、トナー画像の高い定着性が得られる画像形成装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーに含まれるパラフィン系ワックスの融解温度が75℃を超える場合に比べ、画像の低温定着性に優れた画像形成装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーのトルエン不溶分が28質量%未満又は38質量%を超える場合に比べ、画像の低温定着性に優れた画像形成装置が提供される。
請求項5に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーのトルエン不溶分が30質量%未満又は35質量%を超える場合に比べ、画像の低温定着性に優れた画像形成装置が提供される。
請求項6に係る発明によれば、静電荷像現像用トナーに含まれる結晶性樹脂の融解温度とパラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値が5℃を超える場合に比べ、画像の定着性に優れた画像形成装置が提供される。
本実施形態における定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態における定着装置の他の一例を示す概略構成図である。 本実施形態における定着ベルトの一例を示す模式断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」とも称する)を含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。
そして、定着手段は、定着ベルト、前記定着ベルトの外周表面を加圧してニップを形成する加圧回転体、及び前記定着ベルトを前記加圧回転体方向に向かって押圧する押圧部材、を有し、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体を前記ニップに挟み込んで前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する。
さらに、トナーは、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む結着樹脂と、融解温度が60℃以上80℃以下のパラフィン系ワックスと、を含有するトナー粒子を有し、前記結晶性樹脂の融解温度と前記パラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値が10℃以下であり、前記トナー粒子の体積平均粒径が6μm以上9μm以下であり、前記トナー粒子の形状係数SF1が140以上であり、前記トナーのトルエン不溶分が25質量%以上45質量%以下である。
トナーにおいて、トルエン不溶分が25質量%以上45質量%以下であるとは、トナーが架橋樹脂を適度に含有していることを示している。つまりトルエン不溶分とは、トナー中に含まれる架橋樹脂の含有量の指標である。
また、トナー粒子において、形状係数SF1が140以上であるとは、形状が不定形であることを示している。なお、形状係数SF1が140以上であるほど不定形なトナー粒子は、通常、粉砕法(例えば混練粉砕法)で製造された粉砕トナー粒子であることを示している。
また、トナー粒子において、体積平均粒径が6μm以上9μm以下であるとは、トナー粒子が比較的小径であることを示している。
以下、上記特性を有する本実施形態におけるトナーを「特定粉砕トナー」、又は単に「トナー」と称して説明することがある。
電子写真方式の画像形成装置では、像保持体の表面に形成された静電荷像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を像保持体から記録媒体の表面に転写した後、トナー画像が定着されることで記録媒体上に画像が形成される。
また、電子写真方式の画像形成装置において粉砕法で作製されたトナー粒子(粉砕トナー粒子)が用いられることがあり、かつこの粉砕トナー粒子として、低温定着性等の観点から結着樹脂に結晶性樹脂が用いられ、かつワックスに融解温度が60℃以上80℃以下のパラフィン系ワックス(以下単に「特定パラフィン系ワックス」とも称する)を用いたトナー粒子が適用されることがある。
しかし、結晶性樹脂及び特定パラフィン系ワックスを含む粉砕トナー粒子を用いた場合、記録媒体へのトナー画像の定着性に劣ることがあった。
その理由は、以下のように推察される。
粉砕トナー粒子は、一般的に結着樹脂や着色剤、ワックス等を混合しこの混合物を粉砕することで製造される。そのため、この製法に由来して不定形となり易く、また粉砕された断面がそのままトナー粒子の表面となるため、トナー粒子表面に前述の結晶性樹脂や特定パラフィン系ワックスが露出し易くなる。ただし、粉砕して作製されるため、個々の粉砕トナー粒子ごとに結晶性樹脂及び特定パラフィン系ワックスの露出の度合い(粒子表面における露出面積の割合)がバラツキ易い。結晶性樹脂及びワックスは、粉砕トナー粒子中の他の成分に比べて比較的溶融し易い成分であるが、この溶融し易い結晶性樹脂及びワックスの露出の度合いが個々に異なるため、定着のために熱がかけられたとき個々の粉砕トナー粒子ごとに溶融の仕方に差が生じ易い。つまり、トナー間の溶融にバラツキが生じ易くなり、その結果、溶融され易く強固に定着し易いトナー粒子と、溶融され難く定着の強度も高まり難いトナー粒子とがトナー画像中に併存した状態となり、トナー画像全体としては定着性が低下し易くなるものと考えられる。
これに対し、本実施形態に係る画像形成装置では、定着手段が、定着ベルトを有し、かつこの定着ベルトの外周表面を加圧してニップを形成する加圧回転体、及び定着ベルトを加圧回転体方向に向かって押圧する押圧部材を有しており、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体をこのニップに挟み込んで記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する。これにより、高い定着性が得られる。
その理由は以下のように推察される。
定着ベルトを介して加圧回転体と押圧部材とが対向している構成により、例えば2つのロールが対向して接触しニップを形成している定着部材(いわゆる2ロール方式の定着部材)等に比べ、幅の長いニップを形成し得る。これにより、ニップを通過する記録媒体に対する加熱の時間が長くなり、未定着トナー画像に対して与えられる総熱量を高められるため、トナー画像中の結晶性樹脂及びワックスの露出の度合いが相対的に低い粉砕トナー粒子をも溶融し得る。つまり、溶融され難く定着の強度も高まり難いトナー粒子をも溶融し得る程度に熱が加えられ、トナー画像全体として定着性は高められる。
また、本実施形態では、静電荷像現像用トナーが、結晶性樹脂と特定パラフィン系ワックスとの融解温度の差の絶対値が10℃以下であるトナー粒子を含むことによっても、高い定着性が得られる。
その理由は以下のように推察される。
トナー粒子中の成分は、一般的に、非晶質樹脂、結晶性樹脂、離型剤の順にSP値が小さくなる(疎水性が強くなる)。そのため、トナー粒子中で結晶性樹脂は離型剤ドメイン(離型剤の凝集体)の周辺に存在し易い。また、本実施形態では離型剤(特定パラフィン系ワックス)と結晶性樹脂との融解温度の差が前述の範囲であり、これによって定着手段にてトナー画像に熱が加えられた際に離型剤(特定パラフィン系ワックス)が融解するタイミングと結晶性樹脂が融解するタイミングとが近くなる。つまり、特定パラフィン系ワックスと、そのドメインの周辺に存在する結晶性樹脂とが近いタイミングで融解するため、結晶性樹脂と特定パラフィン系ワックスとの相溶性が向上し、トナー粒子から溶け出す特定パラフィン系ワックス影響で結晶性樹脂の拡散性も増進する。その結果、結晶性樹脂が良好に拡散することで、トナー画像の定着性も高められると考えられる。
以上により、本実施形態によればトナー画像の高い定着性が得られる。
−ニップ幅−
本実施形態における定着手段では、定着ベルトと加圧回転体との接触領域によって形成されるニップは、幅(定着ベルトの周方向(つまり駆動方向)における接触領域の長さ)が6mm以上であることが好ましく、6.5mm以上であることがより好ましく、7mm以上であることがさらに好ましい。
ニップ幅が上記の範囲であることで、ニップを通過する記録媒体に対する加熱の時間が長くなり、定着性を高めやすくなる。
一方、ニップ幅の上限値としては、剥離不良による画像欠損の抑制との観点から、10mm以下が好ましく、9.5mm以下がより好ましく、9mm以下がさらに好ましい。
−搬送速度−
記録媒体の搬送速度(いわゆるプロセススピード)は、90mm/sec以上380mm/sec以下であることが好ましく、120mm/sec以上350mm/sec以下であることがより好ましく、140mm/sec以上330mm/sec以下であることがさらに好ましい。
搬送速度が380mm/sec以下であることで、ニップを通過する記録媒体の通過速度が緩やかになり、記録媒体に対する加熱の時間が長くなることで、定着性を高めやすくなる。一方、搬送速度が90mm/sec以上であることで、画像の形成速度が高められる。
次いで、本実施形態に係る画像形成装置の構成について詳しく説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。
そして、定着手段は、定着ベルト、加圧回転体、及び押圧部材を有する。また、静電荷像現像用トナーとして、特定粉砕トナーが用いられる。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明するにあたり、まず定着手段について詳細に説明する。
[定着手段]
本実施形態における定着手段は、定着ベルト、前記定着ベルトの外周表面を加圧してニップを形成する加圧回転体、及び前記定着ベルトを前記加圧回転体方向に向かって押圧する押圧部材、を有する。そして、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体を前記ニップに挟み込んで前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する。
なお、本実施形態における定着手段では、ニップを通過する記録媒体(未定着トナー画像を有する記録媒体)に対して加熱を施すのは、定着ベルトが担ってもよく、加圧回転体が担ってもよい。つまり、(1)加圧回転体を加熱する加熱手段を有し、加熱された加圧回転体が記録媒体の未定着トナー画像を有する側の面に接触して加熱を行う態様であっても、(2)定着ベルトを加熱する加熱手段を有し、加熱された定着ベルトが記録媒体の未定着トナー画像を有する側の面に接触して加熱を行う態様であってもよい。(1)の態様の場合には定着ベルトが加圧定着ベルト、加圧回転体が加熱加圧部材として備えられ、(2)の態様の場合には定着ベルトが加熱定着ベルト、加圧回転体が加圧部材として備えられる。
また、加圧回転体としては、例えばロール状、ベルト状等の回転体が挙げられる。
また、定着手段では、押圧部材が定着ベルトの内周面に直接接触する部材であってもよく、また押圧部材が摺動部材を介して定着ベルトの内周面に接触する態様であってもよい。
−定着手段(定着装置)の構成−
以下に、定着手段(定着装置)の一例として、加熱ロールと加圧定着ベルト(定着ベルト)とを備えた態様(第1の態様)、及び加熱定着ベルト(定着ベルト)と加圧ロールとを備えた態様(第2の態様)を説明する。
なお、定着手段は、第1及び第2の態様に限られず、加熱定着ベルトと加圧定着ベルトとを備えた定着装置であってよい。
また、定着手段は、第1及び第2の態様に限られず、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。
・定着手段の第1の態様
第1の態様に係る定着手段(定着装置)について説明する。図1は、第1の態様に係る定着装置の一例を示す概略図である。
第1の態様に係る定着装置60は、図1に示すように、例えば、回転駆動する加熱ロール61(加圧回転体の一例)と、加圧定着ベルト62(定着ベルトの一例)と、加圧定着ベルト62を介して加熱ロール61を押圧する押圧パッド64(押圧部材の一例)とを備えて構成されている。また、加圧定着ベルト62の内周面と押圧パッド64との間にシート状の低摩擦部材68(摺動部材の一例)が設けられている。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧定着ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧定着ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加圧定着ベルト62に加圧されてもよい。
加熱ロール61の内部には、ハロゲンランプ66(加熱手段の一例)が配設されている。加熱手段としては、ハロゲンランプに限られず、発熱する他の発熱部材を用いてもよい。
一方、加熱ロール61の表面には、例えば、感温素子69が接触して配置されている。この感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が目的とする設定温度(例えば、150℃)が維持される。
加圧定着ベルト62は、例えば、内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。そして、挟込領域(ニップ)Nにおいて押圧パッド64により加熱ロール61に対して押圧されて配置されている。
押圧パッド64は、例えば、加圧定着ベルト62の内側において、加圧定着ベルト62を介して加熱ロール61に加圧される状態で配置され、加熱ロール61との間でニップNを形成している。
押圧パッド64は、例えば、幅の広いニップNを確保するための前挟込部材64aをニップNの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bをニップNの出口側に配置している。
また、加圧定着ベルト62の内周面と押圧パッド64との摺動抵抗(摩擦)を小さくするために、前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bの加圧定着ベルト62と接する面にシート状の低摩擦部材68が設けられている。そして、押圧パッド64と低摩擦部材68とは、金属製の保持部材65に保持されている。
なお、低摩擦部材68は、例えば、その摺動面が加圧定着ベルト62の内周面と接するように設けられており、加圧定着ベルト62との間に存在する潤滑性オイルの保持、供給に関与する。
なお、図1に示す定着装置では、この低摩擦部材68が加圧定着ベルト62の内周表面と摺動する摺動部材を構成するが、低摩擦部材68を有しない態様であってもよい。つまり、押圧部材である押圧パッド64が、加圧定着ベルト62の内周表面と直接接して摺動する部材であってもよい。
保持部材65には、例えば、ベルト走行ガイド63が取り付けられ、加圧定着ベルト62が回転する構成となっている。
加熱ロール61は、例えば、図示しない駆動モータにより矢印S方向に回転し、この回転に従動して加圧定着ベルト62は、加熱ロール61の回転方向と反対の矢印R方向へ回転する。すなわち、例えば、加熱ロール61が図1における時計方向へ回転するのに対して、加圧定着ベルト62は反時計方向へ回転する。
そして、未定着トナー像を有する用紙K(記録媒体の一例)は、例えば、定着入口ガイド56によって導かれて、挟込領域(ニップ)Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域(ニップ)Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域(ニップ)Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
第1の態様に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に倣う凹形状の前挟込部材64aにより、前挟込部材64aがない構成に比して、広いニップNが確保される。
また、第1の態様に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に対し突出させて剥離挟込部材64bを配置することにより、ニップNの出口領域において加熱ロール61の歪みが局所的に大きくなるように構成されている。
このように剥離挟込部材64bを配置すれば、例えば、定着後の用紙Kは、挟込領域(ニップ)Nを通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、用紙Kが加熱ロール61から剥離しやすい。
剥離の補助手段として、例えば、加熱ロール61のニップNの下流側に、剥離部材70が配設されている。剥離部材70は、例えば、剥離爪71が加熱ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に加熱ロール61と近接する状態で保持部材72によって保持されている。
・定着装置の第2の態様
次いで、第2の態様に係る定着手段(定着装置)について説明する。
図2は、第2の態様に係る定着装置の一例を示す概略図である。
第2の態様に係る定着装置160は、図2に示すように、回転駆動する加圧ロール161(加圧回転体の一例)と、加熱定着ベルト162(定着ベルトの一例)と、を備える。また、加熱定着ベルト162を介して加圧ロール161を押圧し、加熱定着ベルト162と加圧ロール161との間に用紙K(記録媒体の一例)が通過するニップ部を形成する押圧パッド164(押圧部材の一例)を、加熱定着ベルト162の内側に備えて構成されている。さらに、加熱定着ベルト162の内側には、ベルト走行ガイド163と、ベルト走行補助ガイド166とが、加熱定着ベルト162の形状に沿うよう円弧状に設けられ、加熱定着ベルト162がベルト走行ガイド163、ベルト走行補助ガイド166、及び押圧パッド164の外周面に沿って周回移動するよう構成されている。なお、ベルト走行ガイド163と押圧パッド164とは、加熱定着ベルト162の内側においてホルダ165に取り付けられている。また、ベルト走行ガイド163と加熱定着ベルト162との間には、加熱定着ベルト162の加熱源として発熱体169(加熱手段の一例)が設けられている。
押圧パッド164は、例えば、加熱定着ベルト162の内側において金属製等のホルダ165に支持されている。押圧パッド164は、加熱定着ベルト162を介して加圧ロール161と対向するよう配置され、加熱定着ベルト162の内周面から加熱定着ベルト162を加圧ロール161へ押圧して、加熱定着ベルト162と加圧ロール161との間に、用紙が通過するニップ部を形成している。
なお、加熱定着ベルト162と加圧ロール161とは相対的に加圧されていればよく、従って、加熱定着ベルト162が押圧パッド164によって加圧ロール161側に向けて加圧されていてもよく、加圧ロール161が加熱定着ベルト162側に向けて加圧されていてもよい。
また、図2に示す定着装置では、この押圧パッド164が加熱定着ベルト162の内周表面と摺動する摺動部材を構成するが、これに限られず、押圧部材である押圧パッド164と加熱定着ベルト162との間に低摩擦部材(摺動部材)を介した態様であってもよい。
次いで、定着装置160の動作について説明する。
なお、定着装置160では、加圧ロール161が、例えば図示しない駆動モータにより矢印S方向に回転し、この回転に従動して加熱定着ベルト162は、加圧ロール161の回転方向と反対の矢印R方向へ回転する。すなわち、例えば、加圧ロール161が図2における反時計方向へ回転するのに対して、加熱定着ベルト162は時計方向へ回転する。
そして、未定着トナー像Gが表面に形成された用紙Kが、定着入口ガイド156Aによって導かれて、加熱定着ベルト162と加圧ロール161とによって形成されるニップ部に搬送される。用紙Kがニップ部を通過する際に、用紙K上のトナー像Gはニップ部に作用する圧力及び熱が加えられ、さらに定着出口ガイド156Bによって導かれて排出されて、用紙Kの表面にトナー像Gが定着される。
ここで、定着手段(定着装置)を構成する各部材についてより詳細に説明する。
−定着ベルト−
本実施形態に用いられる定着ベルトの構成について、図を用いて詳細に説明する。
図3は、定着ベルトの一例を示す概略断面図である。
定着ベルトの態様としては、例えば、図3に示す定着ベルト110のように、基材110Aと、基材110A上に設けられた弾性層110Bと、弾性層110B上に設けられた表面層110Cと、を有する態様が挙げられる。
なお、図3には弾性層110Bを有する態様を示すが、本実施形態の定着ベルトは、弾性層110Bを備えず、基材110Aと、基材110A上に設けられた表面層110Cと、を有する態様であってもよい。
また、基材110Aと弾性層110Bとの間、弾性層110Bと表面層110Cとの間、及び基材110Aと表面層110Cとの間に、接着層を介する態様であってもよい。
ここで、本実施形態における定着ベルトの構成要素について説明する。なお、符号は省略して説明する。
(基材)
基材としては、例えば樹脂材料や、金属材料を用いたものが挙げられる。なお、定着装置におけるベルト部材として用いる場合であれば、機械的強度、柔軟性等を有する材料が好ましく、この観点からも樹脂材料、金属材料が好ましい。
基材を構成し得る樹脂材料としては、一般的に、エンジニアリングプラスチックと呼ばれる樹脂が挙げられる。
基材を構成するエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド(PI、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド)、フッ化ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、全芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等が挙げられる。これらの中でも、ポリイミド、フッ化ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等は、機械的強度、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等の点で好ましい。
なお、樹脂材料を用いた場合、ベルト部材には導電剤(カーボンブラック等)を添加分散して体積抵抗率を制御してもよい。
基材を構成し得る金属材料としては、例えば、SUS、ニッケル、銅、アルミ等の各種金属が挙げられる。
なお、樹脂材料と金属材料とを積層して基材としてもよい。
基材の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば定着ベルトとして用いる場合であれば、機械的強度を有するとともに柔軟性を確保する観点から、20μm以上200μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以上150μm以下であり、さらに好ましくは40μm以上130μm以下である。
(弾性層)
本実施形態では、定着ベルトが弾性層を有していてもよい。
弾性層は、定着ベルトへの外周側からの加圧に対して弾性を付与する観点で設けられる層であり、例えば画像形成装置において加熱定着ベルトとして用いられる場合であれば、記録媒体上のトナー像の凹凸に追従して、加熱定着ベルトの表面がトナー像に密着する役割を担う層である。
弾性層の材質としては、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が挙げられ、耐熱性、熱伝導性、絶縁性等の観点から、例えば、シリコーンゴムが好ましい。
弾性層には、補強、耐熱、及び伝熱等の観点から、さらに充填剤を配合してもよい。充填剤としては、公知のものが使用され、例えば煙霧状シリカ、結晶性シリカ、酸化鉄、アルミナ、金属珪素、炭化物(例えば、カーボンブラック、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ等)などが挙げられる。
弾性層の厚さは、例えば、50μm以上1000μm以下の範囲が好ましく、100μm以上600μm以下の範囲がより好ましい。
(表面層)
本実施形態では、定着ベルトの外周表面に表面層を有している。
表面層には、例えば耐熱性や離型性が求められる。この観点から、表面層を構成する材料には耐熱性離型材料を用いることが好ましく、具体的にはフッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。
このようなフッ素樹脂として、具体的には、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
また、表面層の材料には、フッ素樹脂以外にも、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ化ポリイミド等も挙げられる。
表面層の内周側の面には表面処理を施してもよい。表面処理としては、湿式処理であっても乾式処理であってもよく、例えば、液体アンモニア処理、エキシマレーザ処理、プラズマ処理等が挙げられる。
表面層の厚さとしては、例えば20μm以上100μm以下の範囲が好ましい。
−加熱回転体−
加熱回転体としては、例えばロール状、ベルト状等の回転体が挙げられる。
以下においては、図2に示すロール状の回転体(加圧ロール161)を例にして説明する。
加圧ロール161(加熱回転体)は、例えば、中実の金属製等のコア(円柱状芯金)161A、コア161Aの周囲に配置される耐熱性弾性体層161B、及び耐熱性弾性体層161Bの周囲に配置される表面層161Cを備える円筒状ロールである。加圧ロール161は、その形状、構造、大きさ等につき制限はなく、目的に応じて公知の加圧ロールが使用される。
コア161Aの両端部は、例えば、不図示の軸受け部材によって回転自在に支持されていると共に、コア161Aの両端部に配置されたコイルバネ等の付勢部材により加熱定着ベルト162に対して予め定められた圧力で圧接されている。
加圧ロール161のコア161Aの材質は、例えば、鉄、アルミニウム(例えば、A−5052材)、SUS、銅等の熱伝導率の高い金属または合金、セラミックス、繊維強化金属(FRM)等が挙げられる。
加圧ロール161の耐熱性弾性体層161Bの材質は、例えば、硬度(JIS−A:JIS−KA型試験機により測定される硬度)が15°以上160°以下のゴム、エラストマー、発泡状の樹脂等が挙げられ、より具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム、中空ガラスビーズを充填した液状シリコーンゴム等が挙げられる。耐熱性弾性体層の厚さは、特に制限されるものではないが、例えば、2mm以上20mm以下の範囲が好ましく、3mm以上10mm以下の範囲がより好ましい。
また、加圧ロール161の表面層161Cの材質は、樹脂等が挙げられる。表面層161Cを形成する樹脂としては、例えば、耐熱性、離型性等の点から、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ化ポリイミド等が挙げられる。
表面層161Cは導電性を有していてもよく、体積抵抗率で1×10Ωcm以下の層であってもよい。導電性を有する表面層を形成する材料としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性を有する粒子を含有する樹脂等が挙げられる。表面層の厚さは、特に制限されるものではないが、例えば、10μm以上200μm以下の範囲が好ましく、20μm以上100μm以下の範囲がより好ましい。
なお、図2では、加圧ロールとして、コア161A、耐熱性弾性体層161B、及び表面層161Cを備える円筒状ロールの態様を示したが、これに限られるものではない。例えば、耐熱性弾性体層を有さず、コア161Aと表面層161Cとからなるロール状の回転体も用い得る。また、各層の間には接着層が介在していてもよい。
また、上記に説明した加圧ロールは、図1における加熱ロール61としても用い得る。その場合、例えば加熱手段をコアの内部に備える態様が挙げられる。
−押圧部材−
押圧部材について、図2に示す押圧パッド164を例にして説明する。
押圧パッド164の材質は、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、PES樹脂(ポリエーテルサルフォン)、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂や、鉄、アルミニウム等の金属等が挙げられる。なお、前記樹脂に対してさらにカーボンブラック、グラファイト、金属粉末等の導電性を有する粒子を含有してもよい。
なお、上記に説明した押圧パッド164は、図1における押圧パッド64としても用い得る。
−摺動部材−
摺動部材について、図1に示す低摩擦部材68を例にして説明する。
低摩擦部材68は、単一層で構成されていてもよいし、複数層で構成されていてもよい。低摩擦部材の材質は、例えば、シンタード成型したPTFE樹脂シート、フッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シート、ガラス繊維にフッ素樹脂のフィルムシートを加熱融着して挟み込んだ積層シート等が挙げられる。
また、低摩擦部材には、潤滑性オイルの枯渇を抑制する潤滑性オイル透過防止層が配置されることが好ましい。潤滑性オイル透過防止層の材質としては、例えば、耐熱性があり、潤滑性オイルを透過させない耐熱性樹脂フィルムや金属フィルム等が挙げられる。
なお、低摩擦部材を設置しない場合には、押圧パッド64は、加圧定着ベルト62の内周面に接触する表面が導電性を有するよう、例えば導電性を付与し得る粒子を含有した樹脂や金属等で構成されることが好ましい。
−潤滑性オイル−
定着ベルト(加圧定着ベルト62、加熱定着ベルト162)の内側には、低摩擦部材68や押圧パッド164等の定着ベルトの内周面に接する各部材との摩擦抵抗を低下させるため、潤滑性オイルが付与されていてもよい。
潤滑性オイルとしては、例えばシリコーンオイル(例えば未変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、スルホン酸変性シリコーンオイル等)、フッ素オイル(例えばパーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイル等)、固形物質と液体とを混合させた合成潤滑油グリス(例えばシリコーングリス、フッ素グリス等)、及びこれらのオイルに有機金属塩、ヒンダードアミン等を添加したオイル、などが挙げられる。
−加熱手段−
図1に示す第1の態様では、加熱ロール61を加熱するための手段として、加熱ロール61の内部にハロゲンランプ66が設けられる。また、図2に示す第2の態様では、加熱定着ベルト162を加熱するための手段として、加熱定着ベルト162の内周面側に接触する発熱体169が設けられる。
なお、加熱手段の態様はこれに限定されず、例えば、電力を供給することでジュール発熱する抵抗発熱体を一対の支持板で挟み込んだ構成となっており、抵抗発熱体から発生する熱が支持板を介して対象物に伝達される態様であってもよい。支持板の材質は、伝熱性の観点等から、アルミニウム、ステンレス等の金属が望ましい。
[画像形成装置の構成]
次いで、本実施形態に係る画像形成装置の構成を、図面を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図4に示す画像形成装置は、上記本実施形態に係る定着装置に適用した画像形成装置である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、例えば、いわゆるタンデム方式であり、電子写真感光体からなる4つの像保持体101a〜101dの周囲に、その回転方向に沿って順次、帯電装置102a〜102d、露光装置114a〜114d、現像装置103a〜103d、一次転写装置(一次転写ロール)105a〜105d、像保持体クリーニング装置104a〜104dが配置されている。尚、転写後の像保持体101a〜101dの表面に残留している残留電位を除去するために除電器を備えていてもよい。
中間転写ベルト107が、支持ロール106a〜106d、駆動ロール111および対向ロール108により張力を付与しつつ支持され、無端ベルトユニット107bを形成している。これらの支持ロール106a〜106d、駆動ロール111および対向ロール108により、中間転写ベルト107は、各像保持体101a〜101dの表面に接触しながら各像保持体101a〜101dと一次転写ロール105a〜105dとを矢印Aの方向に移動し得る。一次転写ロール105a〜105dが中間転写ベルト107を介して像保持体101a〜101dに接触する部位が一次転写部となり、像保持体101a〜101dと一次転写ロール105a〜105dとの接触部には一次転写電圧が印加される。
二次転写装置として、中間転写ベルト107および二次転写ベルト116を介して対向ロール108と二次転写ロール109が対向配置されている。二次転写ベルト116は、二次転写ロール109と支持ロール106eとによって支持されている。紙等の記録媒体115が中間転写ベルト107の表面に接触しながら中間転写ベルト107と二次転写ロール109とで挟まれる領域を矢印Bの方向に移動し、その後、定着装置110を通過する。二次転写ロール109が中間転写ベルト107および二次転写ベルト116を介して対向ロール108に接触する部位が二次転写部となり、二次転写ロール109と対向ロール108との接触部には二次転写電圧が印加される。更に、転写後の中間転写ベルト107と接触するように、中間転写ベルトクリーニング装置112および113が配置されている。
この構成の多色の画像形成装置100では、像保持体101aが矢印Cの方向に回転するとともに、その表面が帯電装置102aによって帯電された後、レーザ光等の露光装置114aにより第1色目の静電荷像が形成される。形成された静電荷像はその色に対応するトナーを収容した現像装置103aにより、トナーを含む現像剤で現像(顕像化)されてトナー画像が形成される。なお、現像装置103a〜103dには、各色の静電荷像に対応するトナー(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)がそれぞれ収容されている。
像保持体101a上に形成されたトナー画像は、一次転写部を通過する際に、一次転写ロール105aによって中間転写ベルト107上に静電的に転写(一次転写)される。以降、第1色目のトナー画像を保持した中間転写ベルト107上に、一次転写ロール105b〜105dによって、第2色目、第3色目、第4色目のトナー画像が順次重ね合わせられるよう一次転写され、最終的に多色の多重トナー画像が得られる。
中間転写ベルト107上に形成された多重トナー画像は、二次転写部を通過する際に、記録媒体115に静電的に一括転写される。トナー画像が転写された記録媒体115は、定着装置110に搬送され、加熱および加圧、又は加熱、若しくは加圧により定着処理された後、機外に排出される。
一次転写後の像保持体101a〜101dは、像保持体クリーニング装置104a〜104dにより残留トナーが除去される。一方、二次転写後の中間転写ベルト107は、中間転写ベルトクリーニング装置112および113により残留トナーが除去され、次の画像形成プロセスに備える。
・像保持体
像保持体101a〜101dとしては、公知の電子写真感光体が広く適用される。電子写真感光体としては、感光層が無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などが用いられる。有機感光体においては、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型有機感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を果たす単層型有機感光体が好適に用いられる。また、無機感光体においては、感光層がアモルファスシリコンにより構成されているものが、好適に用いられる。
また、像保持体の形状には特に限定はなく、例えば、円筒ドラム状、シート状またはプレート状等、公知の形状が採用される。
・帯電装置
帯電装置102a〜102dとしては、特に制限はなく、例えば、導電性(ここで、帯電装置における「導電性」とは例えば体積抵抗率が10Ωcm未満を意味する。)または半導電性(ここで、帯電装置における「半導電性」とは例えば体積抵抗率が10Ωcm以上1013Ωcm以下を意味する。)のローラ、ブラシ、フィルム、またはゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器など、公知の帯電器が広く適用される。これらの中でも接触型帯電器が望ましい。
帯電装置102a〜102dは、像保持体101a〜101dに対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流を更に重畳させて印加してもよい。
・露光装置
露光装置114a〜114dとしては、特に制限はなく、例えば、像保持体101a〜101dの表面に、半導体レーザ光、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)光、または液晶シャッタ光等の光源、またはこれらの光源からポリゴンミラーを介して定められた像様に露光し得る光学系機器など、公知の露光装置が広く適用される。
・現像装置
現像装置103a〜103dとしては、目的に応じて選択され。例えば、一成分系現像剤または二成分系現像剤をブラシ、またはローラ等を用い接触または非接触で現像する公知の現像器などが挙げられる。
・中間転写ベルト
中間転写ベルト107は、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは、例えば、0.1mm程度に構成されている。
・一次転写ロール
一次転写ロール105a〜105dは単層または多層のいずれでもよい。例えば、単層構造の場合は、発泡または無発泡のシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。
・像保持体クリーニング装置
像保持体クリーニング装置104a〜104dは、一次転写工程後の像保持体101a〜101dの表面に付着する残存トナーを除去するためのものであり、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
・二次転写ロール
二次転写ロール109の層構造は、特に限定されるものではないが、例えば、三層構造の場合、コア層と中間層とその表面を被覆する塗布層により構成される。コア層は導電性粒子を分散したシリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等の発泡体で、中間層はこれらの無発泡体で構成される。塗布層の材料としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、またはパーフルオロアルコキシ樹脂などが挙げられる。二次転写ロール109の体積抵抗率は10Ωcm以下であることが望ましい。また、中間層を除いた2層構造としてもよい。
・対向ロール
対向ロール108は、二次転写ロール109の対向電極を形成する。対向ロール108の層構造は、単層または多層のいずれでもよい。例えば単層構造の場合は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、またはEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。二層構造の場合は、上記のゴム材料で構成される弾性層の外周面を高抵抗層で被覆したロールから構成される。
対向ロール108と二次転写ロール109の芯体とには、通常1kV以上6kV以下の電圧が印加される。対向ロール108の芯体への電圧印加に代えて、対向ロール108に接触させた電気良導性の電極部材と二次転写ロール109とに電圧を印加してもよい。上記電極部材としては、金属ロール、導電性ゴムロール、導電性ブラシ、金属プレート、または導電性樹脂プレート等が挙げられる。
・中間転写ベルトクリーニング装置
中間転写ベルトクリーニング装置112および113としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、またはロールクリーニング等が用いられる、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが望ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、またはシリコーンゴム等が挙げられる。
[静電荷像現像用トナー]
次いで、本実施形態に係る画像形成装置において、現像手段に収容される静電荷像現像剤中に含有される静電荷像現像用トナーについて、詳細に説明する。
本実施形態では、静電荷像現像用トナーとして、前述の特定粉砕トナーが用いられる。つまり、トナーとして、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む結着樹脂と、融解温度が60℃以上80℃以下のパラフィン系ワックスと、を含有するトナー粒子(粉砕トナー粒子)を有し、前記結晶性樹脂の融解温度と前記パラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値が10℃以下であり、前記トナー粒子の体積平均粒径が6μm以上9μm以下であり、前記トナー粒子の形状係数SF1が140以上であり、前記トナーのトルエン不溶分が25質量%以上45質量%以下であるトナーが用いられる。
以下、本実施形態におけるトナーの構成成分について説明する。
(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、少なくとも特定パラフィン系ワックスを含む離型剤と、必要に応じて、着色剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、非晶性樹脂及び結晶性樹脂が併用される。結着樹脂において非晶性樹脂に加えて結晶性樹脂が併用されることで、優れた低温定着性が得られる。
ここで、非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものを指す。
一方、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
具体的には、例えば、結晶性樹脂とは、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを意味し、非晶性樹脂とは、半値幅が10℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を意味する。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂として、少なくとも非晶性樹脂及び結晶性樹脂の2種類以上の樹脂が併用される。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
本実施形態では、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用することが好ましい。但し、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上90℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
なお、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、非晶性ポリエステル樹脂におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による方法に準じて測定される。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステル樹脂と同様に、周知の製造方法により得られる。
結晶性樹脂(好ましくは結晶性ポリステル樹脂)の含有量は、トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
結晶性樹脂の含有量が上記の範囲であることで、優れた低温定着性が得られる。
−離型剤−
・特定パラフィン系ワックス
トナー粒子は、離型剤として、少なくとも融解温度が60℃以上80℃以下であるパラフィン系ワックス(特定パラフィン系ワックス)を含む。特定パラフィン系ワックスの融解温度としては、65℃以上78℃以下が好ましく、65℃以上75℃以下がより好ましい。
パラフィン系ワックスの融解温度が80℃以下であることで優れた低温定着性が得られ、一方融解温度が60℃以上であることでトナーの保管安定性が高められる。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
パラフィン系ワックスとしては、例えば、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックスなどが挙げられる。
なお、トナー粒子は、特定パラフィン系ワックス以外の離型剤(以下単に「その他の離型剤」とも称する)を含んでもよい。
その他の離型剤としては、例えば、融解温度が60℃未満又は80℃超えのパラフィン系ワックス、パラフィン系ワックス以外の炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。その他の離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
なお、トナー粒子がその他の離型剤を含有する場合、融解温度が60℃以上80℃以下の特定パラフィン系ワックスの含有量は、離型剤の全量に対して、50質量%を超えることが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。
−結晶性樹脂の融解温度とパラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値−
本実施形態におけるトナー粒子は、結晶性樹脂及び融解温度が60℃以上80℃以下の特定パラフィン系ワックスを含み、結晶性樹脂の融解温度と特定パラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値が10℃以下である。上記差の絶対値は、8℃以下が好ましく、5℃以下がより好ましく、差の絶対値が小さいほど好ましい。
結晶性樹脂と特定パラフィン系ワックスとの融解温度の差の絶対値が10℃以下であることで、優れた定着性が得られる。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の体積平均粒径−
トナー粒子の体積平均粒径は6μm以上9μm以下であり、6.5μm以上8μm以下が好ましく、6.5μm以上7.5μm以下がより好ましい。
トナー粒子の体積平均粒径が6μm以上であることで、粉砕法によって製造する際の製造適性が得られる。一方、体積平均粒径が9μm以下であることで、高画質な画像が得易くなる。
なお、トナー粒子の体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積を小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vと定義する。
−トナー粒子の形状係数SF1−
トナー粒子の形状係数SF1は、140以上であり、143以上が好ましく、145以上がより好ましい。トナー粒子の形状係数SF1が140以上であることで、粉砕法によって製造する際の製造適性が得られる。
一方、形状係数SF1の上限値は、比較的球形に近い形状となり高画質な画像が得易くなるとの観点から、155以下が好ましく、153以下がより好ましく、151以下がさらに好ましい。
なお、形状係数SF1が140以上であるトナー粒子は、一般的に混練粉砕法などの粉砕法にて製造される。粉砕法によるトナー粒子の製造方法については、後述する。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を、画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
(外添剤)
本実施形態では、トナー画像の転写性向上、トナー粒子のクリーニング性向上等の観点から、トナー粒子の表面に外添剤が添加されていてもよい。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
−トナーのトルエン不溶分−
本実施形態におけるトナーは、トルエン不溶分の含有率が25質量%以上45質量%以下である。トルエン不溶分としては、28質量%以上38質量%以下であることが好ましく、30質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。
トルエン不溶分が25質量%以上であることで、上記範囲を下回る場合に比べて、優れた低温定着性が得易くなり、かつ画像において光沢度(グロス)の上昇が抑制され易くなる。
一方、トルエン不溶分が45質量%以下であることで、上記範囲を上回る場合に比べて、優れた低温定着性が得易くなる。
ここで、トルエン不溶分とは、トルエンに不溶なトナーの構成成分である。つまり、トルエン不溶分は、トルエンに不溶な結着樹脂の成分(特に結着樹脂の高分子量成分)を主成分(例えば全体の50質量%以上)とした不溶分である。このトルエン不溶分は、トナー中に含まれる架橋樹脂の含有量の指標と言える。
トルエン不溶分は、次の方法により測定された値とする。
秤量したガラス繊維製の円筒ろ紙に秤量したトナーを1g投入し、加熱式ソックスレー抽出装置の抽出管に装着する。そして、フラスコにトルエンを注入して、マントルヒーターを用いて110℃に加熱する。また、抽出管に装着した加熱ヒーターを用いて抽出管の周部を125℃に加熱する。抽出サイクルが4分以上5分以下の範囲で1回となるような還流速度で抽出を行う。10時間抽出した後、円筒ろ紙とトナー残渣を取り出して乾燥し、秤量する。
そして、式:トナー残渣量(質量%)=[(円筒ろ紙量+トナー残渣量)(g)−円筒ろ紙量(g)]÷トナー質量(g)×100に基づいて、トナー残渣量(質量%)を算出し、このトナー残渣量(質量%)をトルエン不溶分(質量%)とする。
なお、トナー残渣は、着色剤、外添剤等の無機物、及び結着樹脂の高分子量成分等からなる。また、トナー粒子に離型剤を含む場合、加熱による抽出を行うことから、離型剤はトルエン可溶分となっている。
トルエン不溶分は、例えば、結着樹脂において、1)末端に反応性官能基を有する高分子成分に架橋剤を添加して架橋構造、または分岐構造を形成する方法、2)末端にイオン性官能基を有する高分子成分に多価金属イオンにより架橋構造または分岐構造を形成する方法、3)イソシアネートなどの処理による樹脂鎖長の延長、分岐を形成する方法等により調整される。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態におけるトナーの製造方法について説明する。
本実施形態におけるトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
本実施形態におけるトナー粒子は、前述の通り、形状が不定形(つまり形状係数SF1が140以上)のトナー粒子である。かかるトナー粒子は、通常、混練粉砕法などの粉砕法により製造される。
混練粉砕法は、結着樹脂と、融解温度が前述の範囲である特定パラフィン系ワックスを少なくとも含む離型剤と、を溶融混練した後、粉砕、分級することでトナー粒子を製造する方法である。混練粉砕法では、例えば、結着樹脂及び離型剤を含む構成成分を溶融混練する混練工程と、溶融混練物を冷却する冷却工程と、冷却後の混練物を粉砕する粉砕工程と、粉砕物を分級する分級工程と、を経てトナー粒子が製造される。
以下、混練粉砕法の各工程の詳細について説明する。
−混練工程−
混練工程は、結着樹脂及び離型剤を含む構成成分(樹脂粒子形成材料)を溶融混練し、混練物を得る工程である。
混練工程に用いられる混練機としては、例えば、三本ロール型、一軸スクリュー型、二軸スクリュー型、バンバリーミキサー型が挙げられる。
また、溶融温度としては、混練する結着樹脂及び離型剤の種類、配合比等に応じて決定されればよい。
−冷却工程−
冷却工程は、上記混練工程において形成された混練物を冷却する工程である。
冷却工程では、混練工程終了直後の分散状態を保つために、混練工程終了の際における混練物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが好ましい。
なお、平均降温速度とは、混練工程終了の際における混練物の温度から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混練物の供給量、混練物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1mm以上3mm以下の薄さであることが好ましい。
−粉砕工程−
冷却工程により冷却された混練物を、粉砕工程で粉砕することで粒子が形成される。
粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。
−分級工程−
粉砕工程で得られた粉砕物(粒子)は、必要に応じて、6μm以上9μm以下の体積平均粒径のトナー粒子を得るため、分級工程にて分級を行ってもよい。
分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)が除去される。
以上の工程を経ることで、形状係数SF1が140以上であり、かつ体積平均粒径が6μm以上9μm以下のトナー粒子が得られる。
そして、本実施形態におけるトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に用いられる静電荷像現像剤は、前述のトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態における静電荷像現像剤は、前述のトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
≪現像剤≫
<結晶性樹脂(A)の作製>
・セバシン酸ジメチル:100質量部
・ヘキサンジオール:67.8質量部
・ジブチルすずオキサイド:0.10質量部
上記組成の各成分を三口フラスコに入れ、窒素雰囲気下で、反応中に生成された水は系外へ除去しながら、185℃で5時間反応させた後、徐々に減圧しながら220℃まで温度をあげて、6時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が33,700の結晶性樹脂(A)を用意した。
なお、この結晶性樹脂(A)の融解温度を、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求めたところ、71℃であった。
<非晶性樹脂(1)の作製>
・テレフタル酸ジメチル:61質量部
・フマル酸ジメチル:75質量部
・ドデセニルコハク酸無水物:34質量部
・トリメリット酸:16質量部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:137質量部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:191質量部
・ジブチルすずオキサイド:0.3質量部
上記組成の各成分を三口フラスコに入れ、窒素雰囲気下で、反応により生成された水は系外へ除去しながら、180℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、2時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が17,100の非晶性樹脂(1)を用意した。
<非晶性樹脂(2)の作製>
・テレフタル酸ジメチル:60質量部
・フマル酸ジメチル:74質量部
・ドデセニルコハク酸無水物:30質量部
・トリメリット酸:22質量部
成分組成を上記の物に変更した以外は、非晶性樹脂(1)の作製と同様にして非晶性樹脂(2)を作製した。非晶性樹脂(2)の重量平均分子量は17,500であった。
<非晶性樹脂(3)の作製>
・テレフタル酸ジメチル:60質量部
・フマル酸ジメチル:70質量部
・ドデセニルコハク酸無水物:29質量部
・トリメリット酸:29質量部
成分組成を上記の物に変更した以外は、非晶性樹脂(1)の作製と同様にして非晶性樹脂(3)を作製した。非晶性樹脂(3)の重量平均分子量は16,600であった。
<非晶性樹脂(4)の作製>
・テレフタル酸ジメチル:55質量部
・フマル酸ジメチル:64質量部
・ドデセニルコハク酸無水物:27質量部
・トリメリット酸:46質量部
成分組成を上記の物に変更した以外は、非晶性樹脂(1)の作製と同様にして非晶性樹脂(4)を作製した。非晶性樹脂(3)の重量平均分子量は15,100であった。
<トナー粒子(1)の作製>
非晶性樹脂(1)79質量部と、着色剤(C.I.Pigment Blue 15:1)7質量部と、離型剤(パラフィンワックス、融解温度73℃、日本精鑞株式会社製)5質量部と、結晶性樹脂(A)(融解温度71℃)8質量部とを、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)に投入し、周速15m/秒で5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をエクストルーダー型連続混練機で溶融混練した。
ここで、エクストルーダーの設定条件は、供給側温度が160℃、排出側温度が130℃、冷却ロールの供給側温度が40℃、排出側温度が25℃であった。なお冷却ベルトの温度を10℃に設定した。
得られた溶融混練物を冷却させた後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を用いて6.5μmに微粉砕し、更にエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ−LABO)を用いて分級して、トナー粒子(1)を得た。
トナー粒子(1)の体積平均粒径及びSF1を既述の方法に従って測定したところ、体積平均粒径は6.9μmであり、形状係数SF1は145であった。
<トナー(1)の作製>
トナー粒子(1)100質量部と、外添剤として市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル製)1.2質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)を使用して周速30m/s、5分の条件で混合し、トナー(1)を得た。
<トナー(2)の作製>
非晶性樹脂(1)の代わりに非晶性樹脂(2)を用いた以外はトナー粒子(1)と同様の方法でトナー粒子(2)を得た。
トナー粒子(2)の体積平均粒径は6.8μmであり、形状係数SF1は147であった。
そして、トナー粒子(2)を使用した以外は、トナー(1)と同様の方法で、トナー(2)を得た。
<トナー(3)の作製>
非晶性樹脂(1)の代わりに非晶性樹脂(3)を用いた以外はトナー粒子(1)と同様の方法でトナー粒子(3)を得た。
トナー粒子(3)の体積平均粒径は7.0μmであり、形状係数SF1は149であった。
そして、トナー粒子(3)を使用した以外は、トナー(1)と同様の方法で、トナー(3)を得た。
<トナー(4)の作製>
非晶性樹脂(1)の代わりに非晶性樹脂(4)を用いた以外はトナー粒子(1)と同様の方法でトナー粒子(4)を得た。
トナー粒子(4)の体積平均粒径は7.3μmであり、形状係数SF1は151であった。
そして、トナー粒子(4)を使用した以外は、トナー(1)と同様の方法で、トナー(4)を得た。
<比較例用のトナー(1C)の作製>
トナー粒子(1)で用いたパラフィンワックスの代わりに、パラフィンワックス(日本精鑞(株)製:HNP9、融解温度77℃)を用いた以外はトナー粒子(1)と同様の方法でトナー粒子(1C)を得た。
トナー粒子(1C)の体積平均粒径は7.0μmであり、形状係数SF1は146であった。
そして、トナー粒子(1C)を使用した以外は、トナー(1)と同様の方法で、トナー(1C)を得た。
<トルエン不溶分の測定>
各例で得られたトナーのトルエン不溶分について、既述の方法に従って測定した。結果を表1に示す。
<現像剤の作製>
各例で得られたトナー8質量部と、キャリア100質量部とを混合して、各例の二成分現像剤を作製した。
なお、キャリアは、フェライト粒子(体積平均粒径:50μm)100質量部と、トルエン14質量部と、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:スチレン/メチルメタクリレート=90/10、重量平均分子量Mw=80000)2質量部とを、まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダー(井上製作所製)に入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させ、その後105μmで篩分して得たものである。
≪加圧定着ベルト≫
<加圧定着ベルト(1)の形成>
・基材
φ30mmで厚み60μm、長さ400mmの円筒状のポリイミド製基材を用意し、表面を粗面化処理後に、ステンレス製の芯金に挿入した。
・弾性層
前記シリコーンプライマーを乾燥した後、液状シリコーンゴム(ビニル基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、を含んでなるシリコーンゴム原料、商品名:DY35−1310、東レ・ダウコーニング株式会社)のA剤とB剤を等量で混合し、更に酢酸ブチルを添加して粘度を調整し、弾性層形成用の塗布液を得た。ポリイミド製基材の表面にプライマーを塗布し、その上に弾性層形成用の塗布液をフローコーティングにより塗布した。次いで溶媒を乾燥した後に、150℃で一次加硫を行った。弾性層の厚さは200μmであった。
・表面層
次に、表面層となるPFAチューブ(内面活性化処理済)を、内径が前記基材、及び弾性層を形成した芯金の外径より、わずかに大きい内径を有する中空金属管(外金型)の内面に沿って真空吸引により貼りつくよう拡張させた。
次に、前記PFAチューブを内面に貼りつけた外金型の内側に、前記基材及び弾性層を備えた芯金を挿入した。なお、弾性層の表面にはプライマーを塗布した。その後、外金型の真空吸引を解除して前記PFAチューブを弾性層の上に被覆した。さらに前記芯金を積層体とともに取り出し、200℃で4時間加熱して二次加硫を行った。
次いで、ベルトを金型から取り出したのち、両端部を切断して、加圧定着ベルトとした。
≪画像形成装置≫
・画像形成装置(1)の準備
画像形成装置として、画像形成装置(富士ゼロックス社製、製品名DocuCentre Color 400CP)を準備した。なお、この画像形成装置は、定着手段として図1に示される構成の定着装置を備えている。
この画像形成装置の現像装置内に、下記表1に示すトナー(1)〜(4)、又は(1C)を有する現像剤を収容した。
また、画像形成装置の定着装置における加圧定着ベルトとして、前記加圧定着ベルト(1)を設置した。なお、加圧定着ベルトとその内周面側の摺動部材との界面には潤滑性オイルを付与した。
また、加圧定着ベルトに対向する加熱ロール(加圧回転体)には、アルミニウム製のコアと、コアの周囲にゴム性の弾性体層と、弾性体層の周囲にフッ素樹脂性の表面層と、を備える円筒状ロールを用いた。
なお、画像形成装置(1)の定着装置におけるニップ幅は8mmであった。
・比較用の画像形成装置(C1)の準備
上記画像形成装置(1)において、定着装置においてニップを形成する定着部材を、2つのロールが対向して接触しニップを形成している定着部材(いわゆる2ロール方式の定着部材)に変更した。
具体的には、画像形成装置(1)における加圧定着ベルト、及びその内周側に設けられている部材(摺動部材、押圧部材等)を、アルミニウム製のコアと、コアの周囲にフッ素樹脂性の表面層と、を備える加圧ロールに置き換えた。これ以外は、画像形成装置(1)と同じ構成を有する比較用の画像形成装置(C1)を準備した。
なお、画像形成装置(C1)の定着装置におけるニップ幅は5.5mmであった。
[評価]
画像形成の際の用紙搬送速度(プロセススピード)は200mm/secとし、定着温度は160℃とした。
<定着性>
A4用紙(富士ゼロックス社製 C2紙)を用いて、画像密度100%の画像(ベタ画像)を500枚出力した。
500枚目に出力された画像について、画像面を内側にして用紙を2つ折りにし、更に折り目に対して圧力10g/cmの荷重を1分間かけ、その後2つ折りを開き、折れた部分をガーゼで軽くなぞるように拭いたときの画像の抜け具合を以下の基準により目視で評価した。許容範囲はG2以上である。結果を表2に示す。
−評価基準−
G1:全く画像欠陥なし
G2:筋が軽くみられる(幅100μm以下)
G3:画像欠落がある(幅100μm超え500μm以下)
G4:画像欠陥が激しい(幅500μmを超えるもの)
<剥離性>
前記定着性の評価試験において、前記A4用紙に対し、用紙送り方向の前方側の余白部分を徐々に狭めていきながら、ベタ画像を出力した。具体的には、まず初めに用紙送り方向の前方側の余白部分の幅(用紙送り方向長さ)が5mmとなるようベタ画像を出力した。その後、余白部分を1mmずつ狭めていきながらベタ画像を順に出力した。
なお、用紙送り方向の前方側の余白部分が狭くなるほど定着ベルトへの巻き付きが発せし易くなるため、剥離性の評価は、ベタ画像を定着したときの定着ベルトへの巻きつきが確認されたときの余白部分の幅(mm)に基づき、以下の基準により評価した。許容範囲はG2以上である。結果を表2に示す。
−評価基準−
G1:余白部分の幅2mm以下
G2:余白部分の幅2mm超え3mm以下
G3:余白部分の幅3mm超え
<低温定着性評価>
上記画像形成装置を用い、以下の方法により低温定着性を評価した。
上記画像形成装置において、定着器を、定着温度が変更できるように設定したものを使用した。この画像形成装置で、定着温度の設定を100℃から200℃の範囲内において5℃間隔で変更して画像の定着を行い、得られた各定着画像面を内側にして用紙を2つ折りにし、更に折り目に対して圧力10g/cmの荷重を1分間かけ、その後2つ折りを開き、折れた部分をガーゼで軽くなぞるように拭いたときの画像の抜け具合を観察し、画像剥がれがなくなる温度を、最低定着温度と定めた。
以下の評価基準により評価した。なお、許容範囲は150℃以下である。結果を表2に示す。
(評価基準)
G1:最低定着温度が120℃より高く140℃以下である場合
G2:最低定着温度が140℃より高く150℃以下である場合
G3:最低定着温度が150℃より高く160℃以下である場合
G4:最低定着温度が160℃より高い場合
上記結果から、定着装置として、定着ベルト、定着ベルトの外周表面を加圧してニップを形成する加圧回転体、及び定着ベルトを加圧回転体方向に向かって押圧する押圧部材、を備えた定着装置を有する実施例では、定着装置として2ロール方式の定着装置を有する比較例2〜比較例3に比べ、トナー画像の定着性に優れていることがわかる。
56 定着入口ガイド
60 定着装置
61 加熱ロール
62 加圧定着ベルト
63 ベルト走行ガイド
64 押圧パッド
64a 前挟込部材
64b 剥離挟込部材
65 保持部材
66 ハロゲンランプ
68 低摩擦部材
69 感温素子
70 剥離部材
71 剥離爪
72 保持部材
100 画像形成装置
101a、101b、101c、101d 像保持体
102a、102b、102c、102d 帯電装置
103a、103b、103c、103d 現像装置
104a、104b、104c、104d 像保持体クリーニング装置
105a、105b、105c、105d 一次転写ロール
106a、106b、106c、106d 支持ロール
107 中間転写ベルト
107b 無端ベルトユニット
108 対向ロール
109 二次転写ロール
110 定着装置
110A 基材
110B 弾性層
110C 表面層
111 駆動ロール
112 中間転写ベルトクリーニング装置
114a、114b、114c、114d 露光装置
115 記録媒体
116 二次転写ベルト
156A 定着入口ガイド
156B 定着出口ガイド
160 定着装置
161 加圧ロール
161A コア
161B 耐熱性弾性体層
161C 表面層
162 加熱定着ベルト
163 ベルト走行ガイド
164 押圧パッド
165 ホルダ
166 ベルト走行補助ガイド
169 発熱体
K 用紙
N 挟込領域(ニップ)

Claims (10)

  1. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    定着ベルト、前記定着ベルトの外周表面を加圧してニップを形成する加圧回転体、及び前記定着ベルトを前記加圧回転体方向に向かって押圧する押圧部材、を有し、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体を前記ニップに挟み込んで前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備え、
    前記静電荷像現像用トナーが、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む結着樹脂と、融解温度が60℃以上80℃以下のパラフィン系ワックスと、を含有するトナー粒子を有し、前記結晶性樹脂の融解温度と前記パラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値が10℃以下であり、前記トナー粒子の体積平均粒径が6μm以上9μm以下であり、前記トナー粒子の形状係数SF1が140以上であり、前記静電荷像現像用トナーのトルエン不溶分が25質量%以上45質量%以下である画像形成装置。
  2. 前記パラフィン系ワックスの融解温度が65℃以上78℃以下の範囲である請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記パラフィン系ワックスの融解温度が65℃以上75℃以下の範囲である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記静電荷像現像用トナーのトルエン不溶分が28質量%以上38質量%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記静電荷像現像用トナーのトルエン不溶分が30質量%以上35質量%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記結晶性樹脂の融解温度と前記パラフィン系ワックスの融解温度との差の絶対値が5℃以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記結晶性樹脂の含有量が、前記静電荷像現像用トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記結晶性樹脂の含有量が、前記静電荷像現像用トナーの全量に対し5質量%以上15質量%以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記記録媒体の搬送速度が90mm/sec以上380mm/sec以下である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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