JP2018156046A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト部材が通るベルト移動経路および記録材が通る記録材移動経路が直線状に形成されている場合に比べ、記録材上の画像の定着に用いられるベルト部材と記録材との速度差を低減する。【解決手段】定着ベルト411の外周面と駆動ロール43とが接触する下流側接触部N1では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が、定着ベルト411の径方向における内部側に向かって凸となるように形成されている。下流側接触部N1よりも用紙移動方向上流側では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が、定着ベルト411の内部側とは反対側に向かって凸となるように形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
特許文献1には、定着ニップにおいて、記録用紙の出口側のピーク圧力が入口側のピーク圧力以下となるように定着ベルトを支持するパッド部材を備えた定着装置が開示されている。
特許文献2には、ニップよりもベルト状部材の移動方向下流側にてベルト状部材を内側から押圧しベルト状部材と圧接部材とを接触させる押圧部材が開示されている。
特許文献3には、ニップ部を形成する複数の加圧部材を有し、画像を保持する記録材を搬送しつつ発熱体の熱で画像を加熱する像加熱装置が開示されている。
特開2014−44257号公報 特開2008−233232号公報 特開2012−73345号公報
記録材上の画像を定着する定着装置では、ベルト部材と記録材とを接触させて画像の定着を行うことがあり、この場合に、ベルト部材と記録材との間に速度差があると、記録材上の画像が乱れるおそれがある。
本発明の目的は、ベルト部材が通るベルト移動経路および記録材が通る記録材移動経路が直線状に形成されている場合に比べ、記録材上の画像の定着に用いられるベルト部材と記録材との速度差を低減することにある。
請求項1に記載の発明は、環状に形成され、外周面を有し、ベルト移動経路を移動するベルト部材と、前記ベルト部材の前記外周面に押し当てられ、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材を加圧する下流側加圧部材と、前記ベルト部材の移動方向において前記下流側加圧部材よりも上流側に配置されるとともに、前記外周面に押し当てられ、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材を加圧する上流側加圧部材と、を備え、前記ベルト部材の前記外周面と前記下流側加圧部材とが接触する接触部分では、前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路が、当該ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分よりも記録材移動方向上流側では、当該ベルト移動経路および当該記録材移動経路が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成されている定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記接触部分では、前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路が、曲率を有し前記内部側に向かって膨らむように形成されている請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路のうちの、前記内部側とは反対側に向かって凸となる前記部分は、曲率を有し当該反対側に向かって膨らむように形成されている請求項1に記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記下流側加圧部材は、円筒状あるいは円柱状の部材により構成され、回転駆動を行い、前記ベルト部材に駆動力を与えて当該ベルト部材を循環移動させる請求項1に記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記上流側加圧部材は、自ら回転駆動を行わず、前記ベルト部材への駆動力の供給を行わない請求項4に記載の定着装置である。
請求項6に記載の発明は、前記ベルト部材の移動方向であるベルト移動方向において、当該ベルト部材と前記下流側加圧部材とが接触する下流側接触部よりも上流側には、当該ベルト部材と前記上流側加圧部材とが接触する上流側接触部が設けられ、前記ベルト部材を加熱する加熱手段をさらに備え、前記加熱手段は、前記ベルト部材のうち、前記下流側接触部よりもベルト移動方向上流側に位置し前記上流側接触部よりもベルト移動方向下流側に位置する部位を少なくとも加熱する請求項1に記載の定着装置である。
請求項7に記載の発明は、前記加熱手段は、前記上流側接触部から前記下流側接触部にかけて設けられ、前記ベルト部材のうち、当該上流側接触部から当該下流側接触部に至る部分の全域を加熱する請求項6に記載の定着装置である。
請求項8に記載の発明は、環状に形成され、外周面を有し、ベルト移動経路を移動するベルト部材と、前記ベルト部材の前記外周面に押し当てられ、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材を加圧する下流側加圧部材と、前記ベルト部材の移動方向において前記下流側加圧部材よりも上流側に配置されるとともに、前記外周面に押し当てられ、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材を加圧する上流側加圧部材と、を備え、前記ベルト部材の前記外周面と前記上流側加圧部材とが接触する接触部分では、前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路が、当該ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分よりも記録材移動方向下流側では、当該ベルト移動経路および当該記録材移動経路が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成されている定着装置である。
請求項9に記載の発明は、前記上流側加圧部材は、円筒状あるいは円柱状の部材により構成され、回転駆動を行い、前記ベルト部材に駆動力を与えて当該ベルト部材を循環移動させる請求項8に記載の定着装置である。
請求項10に記載の発明は、前記下流側加圧部材は、自ら回転駆動を行わず、前記ベルト部材への駆動力の供給を行わない請求項9に記載の定着装置である。
請求項11に記載の発明は、環状に形成され、外周面を有し、ベルト移動経路を移動するベルト部材と、前記ベルト部材の前記外周面に押し当てられるとともに、当該ベルト部材の移動方向における位置が互いに異なるように配置され、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材が当該外周面に接触しながら移動する領域である記録材接触領域を形成する複数の記録材加圧部材と、を備え、前記複数の記録材加圧部材のうちの前記外周面への押し当て荷重が最も大きい一の記録材加圧部材と当該外周面との接触部分では、前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路が、前記ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分以外の箇所であって前記記録材接触領域内には、当該内部側とは反対側に向かって凸となる当該ベルト移動経路および当該記録材移動経路が設けられている定着装置である。
請求項12に記載の発明は、前記一の記録材加圧部材が、回転駆動を行い、前記ベルト部材を循環移動させ、前記一の記録材加圧部材以外の他の記録材加圧部材は、自ら回転駆動を行わず、前記ベルト部材への駆動力の供給を行わない請求項11に記載の定着装置である。
請求項13に記載の発明は、記録材への画像形成を行う画像形成手段と、当該画像形成手段により記録材に形成された画像を当該記録材に定着する定着装置とを備え、当該定着装置が、請求項1乃至12の何れかに記載の定着装置により構成された画像形成装置である。
請求項14に記載の発明は、前記ベルト部材の内周面側に設けられ、当該ベルト部材を介し前記記録材移動経路を移動する記録材を加圧する支持部材を備え、前記ベルト部材の前記外周面と前記下流側加圧部材とが接触する接触部分では、前記支持部材が、当該ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分よりも記録材移動方向上流側では、当該支持部材が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成されている請求項1に記載の定着装置である。
請求項15に記載の発明は、前記ベルト部材の内周面側に設けられ、当該ベルト部材を介し前記記録材移動経路を移動する記録材を加圧する支持部材を備え、前記ベルト部材の前記外周面と前記上流側加圧部材とが接触する接触部分では、前記支持部材が、当該ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分よりも記録材移動方向下流側では、当該支持部材が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成されている請求項8に記載の定着装置である。
請求項16に記載の発明は、前記ベルト部材の内周面側に設けられ、当該ベルト部材を介し前記記録材移動経路を移動する記録材を加圧する支持部材を備え、前記複数の記録材加圧部材のうちの前記外周面への押し当て荷重が最も大きい一の記録材加圧部材と当該外周面との接触部分では、前記支持部材が、前記ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分以外の箇所であって前記記録材接触領域内には、当該支持部材が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成された部分が設けられている請求項11に記載の定着装置である。
請求項1の発明によれば、ベルト部材が通るベルト移動経路および記録材が通る記録材移動経路が直線状に形成されている場合に比べ、記録材上の画像の定着に用いられるベルト部材と記録材との速度差を低減できる。
請求項2の発明によれば、ベルト移動経路および記録材移動経路が曲率を有した状態で形成されていない場合に比べ、記録材を円滑に移動させることができる。
請求項3の発明によれば、ベルト移動経路および記録材移動経路が曲率を有した状態で形成されていない場合に比べ、記録材を円滑に移動させることができる。
請求項4の発明によれば、下流側加圧部材とベルト部材とが接触する箇所にて、ベルト部材の移動速度を記録材の移動速度よりも大きくすることができる。
請求項5の発明によれば、上流側加圧部材も回転駆動を行う場合に比べ、ベルト部材と記録材との速度差を低減できる。
請求項6の発明によれば、下流側接触部よりもベルト移動方向上流側にて且つ上流側接触部よりもベルト移動方向下流側にて、ベルト部材の加熱を行わない場合に比べ、上流側接触部から下流側接触部へ記録材が移動していく過程で生じるベルト部材の温度低下を抑制できる。
請求項7の発明によれば、ベルト部材のうちの、上流側接触部と下流側接触部との間に位置する一部分の加熱を行う場合に比べ、上流側接触部から下流側接触部へ記録材が移動していく過程で生じるベルト部材の温度低下を抑制できる。
請求項8の発明によれば、ベルト部材が通るベルト移動経路および記録材が通る記録材移動経路が直線状に形成されている場合に比べ、記録材上の画像の定着に用いられるベルト部材と記録材との速度差を低減できる。
請求項9の発明によれば、上流側加圧部材とベルト部材とが接触する箇所にて、ベルト部材の移動速度を記録材の移動速度よりも大きくすることができる。
請求項10の発明によれば、下流側加圧部材も回転駆動を行う場合に比べ、ベルト部材と記録材との速度差を低減できる。
請求項11の発明によれば、ベルト部材が通るベルト移動経路および記録材が通る記録材移動経路が直線状に形成されている場合に比べ、記録材上の画像の定着に用いられるベルト部材と記録材との速度差を低減できる。
請求項12の発明によれば、一の記録材加圧部材以外の他の記録材加圧部材も回転駆動を行う場合に比べ、ベルト部材と記録材との速度差を低減できる。
請求項13の発明によれば、ベルト部材が通るベルト移動経路および記録材が通る記録材移動経路が直線状に形成されている場合に比べ、記録材上の画像の定着に用いられるベルト部材と記録材との速度差を低減できる。
請求項14に記載の発明によれば、支持部材が直線状に形成されている場合と比べ、より用紙移動経路およびベルト移動経路を所望の形状に湾曲させることが容易となる。
請求項15に記載の発明によれば、支持部材が直線状に形成されている場合と比べ、より用紙移動経路およびベルト移動経路を所望の形状に湾曲させることが容易となる。
請求項16に記載の発明によれば、支持部材が直線状に形成されている場合と比べ、より用紙移動経路およびベルト移動経路を所望の形状に湾曲させることが容易となる。
画像形成装置の全体構成図である。 定着装置の構成する説明する図である。 用紙接触領域を拡大して示した図である。 用紙接触領域の比較例を示した図である。 実施形態および比較例における実験の結果を示した図である。 定着装置の他の構成例を示した図である。 定着装置の他の構成例を示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、画像形成装置1の全体構成図である。
画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタである。この画像形成装置1は、画像形成手段の一例としての画像形成部10を備える。画像形成部10は、各色の画像データに基づき、記録材の一例である用紙Pへの画像形成を行う。
また、画像形成装置1には、制御部30、画像処理部35が設けられている。制御部30は、画像形成装置1に設けられた各機能部を制御する。画像処理部35は、パーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等からの画像データに対して画像処理を施す。
画像形成部10には、一定の間隔を置いて並列的に配置された4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(以下、総称して単に「画像形成ユニット11」とも称する)が設けられている。
各画像形成ユニット11は、現像器15(後述)に収納されるトナーを除いて、同様に構成されている。各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像(画像)を形成する。
画像形成ユニット11の各々には、感光体ドラム12、感光体ドラム12の帯電を行う帯電器200、感光体ドラム12への露光を行うLEDプリントヘッド(LPH)300が設けられている。感光体ドラム12は、帯電器200による帯電が行われる。さらに、感光体ドラム12はLPH300により露光され、感光体ドラム12には静電潜像が形成される。
さらに、各画像形成ユニット11には、感光体ドラム12の表面を清掃するクリーナ(不図示)、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像する現像器15が設けられている。
さらに、画像形成部10には、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール21が設けられている。
また、画像形成部10には、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール22、二次転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着装置40が設けられている。
定着装置40には、加熱源を備えた加熱ベルトモジュール41、駆動ロール43、および、加圧ベルトモジュール46が設けられている。
加熱ベルトモジュール41は、用紙移動経路R1の図中左側に配置されている。加熱ベルトモジュール41は、ベルト部材の一例としての定着ベルト411を備える。定着ベルト411は、無端状に形成され、図中反時計周り方向に循環移動する。また、加熱ベルトモジュール41では、定着ベルト411の内側に加熱源(後述)が設けられている。
下流側加圧部材、記録材加圧部材の一例としての駆動ロール43は、円筒状あるいは円柱状の部材により構成されている。また、駆動ロール43は、用紙移動経路R1の図中右側に配置されている。駆動ロール43は、定着ベルト411の外周面411Aに押し当てられ、定着ベルト411と駆動ロール43との間を移動する用紙Pを加圧する。言い換えると、駆動ロール43は、定着ベルト411の外周面411Aと駆動ロール43との間を通る用紙移動経路R1上を移動する用紙Pを加圧する。
また、駆動ロール43は、モータ(図1では不図示)により図中時計回り方向に回転する。駆動ロール43が、時計回り方向に回転すると、定着ベルト411が、駆動ロール43から駆動力を受けて反時計回り方向に回転する。
付言すると、本実施形態では、駆動ロール43は、円筒状あるいは円柱状の部材により構成され、回転駆動を行う。そして、駆動ロール43は、定着ベルト411に駆動力を与えて、定着ベルト411を循環移動させる。
上流側加圧部材、記録材加圧部材の一例としての加圧ベルトモジュール46は、用紙移動経路R1の図中右側に配置されている。加圧ベルトモジュール46は、駆動ロール43よりも、定着ベルト411の移動方向における上流側に配置されている。
加圧ベルトモジュール46は、定着ベルト411の外周面411Aに押し当てられ、定着ベルト411と加圧ベルトモジュール46との間を移動する用紙Pを加圧する。言い換えると、加圧ベルトモジュール46は、定着ベルト411の外周面411Aと加圧ベルトモジュール46との間を通る用紙移動経路R1上を移動する用紙Pを加圧する。
加圧ベルトモジュール46には、循環移動可能に設けられた無端状の加圧用ベルト461が設けられている。この加圧用ベルト461は、定着ベルト411からの駆動力を受けて、図中時計回り方向に回転する。
言い換えると、本実施形態では、加圧ベルトモジュール46は、自ら回転駆動を行わず、定着ベルト411からの駆動力を受ける。付言すると、本実施形態では、加圧ベルトモジュール46から定着ベルト411へは、駆動力が供給されない構成となっている。
なお、本実施形態では、駆動ロール43および加圧ベルトモジュール46の両者が、定着ベルト411に押し当てられているが、駆動ロール43から定着ベルト411への駆動力の供給をより確実に行うため、定着ベルト411への駆動ロール43の押し当て荷重の方が、定着ベルト411への加圧ベルトモジュール46の押し当て荷重よりも大きくなっている。
画像形成装置1における一連の処理を説明する。
画像形成装置1では、画像処理部35が、PC3や画像読取装置4からの画像データに対して画像処理を施し、画像処理が施された画像データが、各画像形成ユニット11に供給される。そして、例えば、黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器200により帯電され、画像処理部35から送信された画像データに基づいて発光するLPH300により露光される。
これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色の画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は、現像器15により現像され、感光体ドラム12上には、黒(K)色のトナー像が形成される。
同様に、画像形成ユニット11Y,11M,11Cでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、矢印B方向に移動する中間転写ベルト20上に、一次転写ロール21により順次静電吸引されて、中間転写ベルト20上には、各色トナーが重畳されたトナー像が形成される。
中間転写ベルト20上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト20の移動に伴って二次転写ロール22が位置する箇所(二次転写部T)に搬送される。そして、このトナー像が二次転写部Tに搬送されるタイミングに合わせて、用紙収容部1Bから二次転写部Tへ用紙Pが供給される。
二次転写部Tでは、二次転写ロール22により形成される転写電界により、中間転写ベルト20上のトナー像が、搬送されてきた用紙Pに一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト20から剥離され、定着装置40まで搬送される。
定着装置40では、用紙Pを、加熱ベルトモジュール41と加圧ベルトモジュール46とで挟み、また、加熱ベルトモジュール41と駆動ロール43とで挟む。
これにより、用紙Pの加圧および加熱が行われて、用紙P上のトナー像が、この用紙Pに定着される。そして、定着が終了した後の用紙Pは、排出ロール500によって、用紙積載部1Eへ搬送される。
図2は、定着装置40の構成する説明する図である。
定着装置40には、加熱ベルトモジュール41、駆動ロール43、および、加圧ベルトモジュール46が設けられている。
加熱ベルトモジュール41には、用紙Pへのトナー像の定着に用いられる定着ベルト411が設けられている。定着ベルト411は、環状に形成され、外周面411Aを有する。また、定着ベルト411は、図中反時計回り方向に回転する。
定着ベルト411の内側には、定着ベルト411の移動方向、および、定着ベルト411の幅方向(図中、紙面に対して直交する方向)に沿って延びる板状の加熱源412が設けられている。言い換えると、定着ベルト411の内側には、定着ベルト411の移動方向および幅方向に沿って延びる面状発熱体が設けられている。
本実施形態では、この加熱源412が加熱手段として機能し、この加熱源412により定着ベルト411が加熱される。より具体的には、加熱源412は、定着ベルト411の内周面411Bに接触配置され、本実施形態では、定着ベルト411の内周面411B側から定着ベルト411が加熱される。
さらに、加熱ベルトモジュール41には、温度検出手段の一例としての温度センサSが設けられている。温度センサSは、加熱源412の対向位置に配置され、加熱源412の温度を検出する。
さらに、加熱ベルトモジュール41には、加熱源412に接触配置され、加熱源412からの熱を受ける熱受け部材413が設けられている。言い換えると、加熱ベルトモジュール41には、加熱源412からの熱を受け、この熱を蓄積する熱容量体が設けられている。
さらに、加熱ベルトモジュール41では、定着ベルト411の内側に、支持部材414が設けられている。この支持部材414は、加熱源412、熱受け部材413、温度センサSなど、定着ベルト411の内側に配置された部材の支持を行う。
また、支持部材414は、耐熱性を有する樹脂材料により構成され、断熱機能も有する。
駆動ロール43は、モータMからの駆動力を受けて、図中時計回り方向に回転する。また、駆動ロール43は、下流側接触部N1にて、定着ベルト411の外周面411Aに接触する。
本実施形態では、駆動ロール43が図中時計回り方向に回転すると、定着ベルト411が、駆動ロール43から駆動力を受けて図中反時計周り方向に回転する。
加圧ベルトモジュール46は、定着ベルト411に接触配置されている。具体的には、本実施形態では、下流側接触部N1よりも上流側に位置する上流側接触部N2にて、加熱ベルトモジュール41の定着ベルト411と加圧ベルトモジュール46とが接触している。
加圧ベルトモジュール46には、用紙Pの加圧を行う加圧用ベルト461が設けられている。加圧用ベルト461は、定着ベルト411から駆動力を受けて図中時計回り方向に回転する。
また、加圧ベルトモジュール46には、加圧用ベルト461の内側に、押圧部材462が設けられている。押圧部材462は、定着ベルト411および加圧用ベルト461を介し、支持部材414(加熱ベルトモジュール41の支持部材414)に押し当てられている。
本実施形態では、用紙Pが、上流側接触部N2から下流側接触部N1へ向かう過程で、用紙Pの加圧および加熱が行われる。これにより、用紙P上のトナー像が、この用紙Pに定着される。
本実施形態では、上流側接触部N2から下流側接触部N1にかけて、用紙Pの加熱が行われるため、例えば、互いに圧接する一対のロール状部材のみを用いて用紙Pの加熱を行う場合に比べ(1箇所で用紙Pの加熱を行う場合に比べ)、用紙Pが加熱される領域が長くなる。この場合、用紙Pにより多くの熱を与えられるようになり、定着温度を低下させられるようになる。定着温度を低下させられる場合、より少ないエネルギーで定着処理を行える。
ここで、本実施形態では、加熱源412は、上流側接触部N2から下流側接触部N1にかけて設けられている。これにより、本実施形態では、定着ベルト411のうち、上流側接触部N2から下流側接触部N1に至る部分の全域が加熱される。
言い換えると、本実施形態では、上流側接触部N2および下流側接触部N1の各々にて、定着ベルト411の加熱が行われる。さらに、定着ベルト411のうち、上流側接触部N2と下流側接触部N1との間に位置する部分の加熱も行われる。
付言すると、本実施形態では、定着ベルト411のうち、上流側接触部N2および下流側接触部N1の各々に位置する部分の加熱が行われるとともに、上流側接触部N2よりもベルト移動方向下流側に位置し且つ下流側接触部N1よりもベルト移動方向上流側に位置する部分の加熱も行われる。
これにより、本実施形態では、上流側接触部N2から下流側接触部N1へ定着ベルト411が向かっている最中における、定着ベルト411の温度低下が抑制される。
本実施形態では、上流側接触部N2から下流側接触部N1へ定着ベルト411が向かっている際、この定着ベルト411に用紙Pが接触しており、定着ベルト411の熱が用紙Pにより奪われ、加熱源412が設けられていないと、定着ベルト411の温度が低下する。
これに対し、本実施形態のように、上流側接触部N2から下流側接触部N1にかけて加熱源412が設けられていると、定着ベルト411に熱が供給され、定着ベルト411の温度低下が抑制される。
なお、本実施形態では、上流側接触部N2から下流側接触部N1に至る領域(上流側接触部N2および下流側接触部N1の両者を含み、上流側接触部N2から下流側接触部N1に至る領域)の全域に、加熱源412が設けられた構成を説明したが、加熱源412の設置態様はこれに限られず、上流側接触部N2から下流側接触部N1に至る領域の一部に、加熱源412を設ける構成としてもよい。
図2を参照して、定着装置40についてさらに説明する。
本実施形態では、駆動ロール43および加圧ベルトモジュール46は、定着ベルト411の移動方向おける位置が互いに異なるように配置され、さらに、定着ベルト411の外周面411Aに押し当てられている。
これにより、本実施形態では、用紙Pが定着ベルト411の外周面411Aに接触しながら移動する領域である用紙接触領域ERが形成される。
用紙接触領域ERでは、用紙移動経路R1を移動する用紙Pは、定着ベルト411の外周面411Aに接触しながら下流側へ移動していく。そして、この移動の過程で、定着ベルト411から用紙Pへ熱が供給される。
具体的には、本実施形態では、上流側から搬送されてきた用紙Pが定着装置40に達すると、この用紙Pは、まず、加圧ベルトモジュール46によって、定着ベルト411に押し当てられ、定着ベルト411の外周面411Aに接触する。
その後、この用紙Pは、外周面411Aに接触しながら下流側へ移動して、下流側接触部N1へ達する。そして、用紙Pが下流側接触部N1を通過すると、定着ベルト411から用紙Pが離れる。
本実施形態では、上流側接触部N2から下流側接触部N1へ用紙Pが移動していく過程で(用紙接触領域ERを用紙Pが通過していく過程で)、用紙Pの加圧および加熱が行われ、用紙P上のトナー像が、この用紙Pに定着される。
図3は、用紙接触領域ERを拡大して示した図である。
本実施形態の用紙接触領域ERでは、用紙移動経路R1は、図中符号3Aで示す破線に沿うように形成される。
さらに、本実施形態では、用紙接触領域ERを定着ベルト411が通過していくが、この際、定着ベルト411は、図中符号3Bで示すベルト移動経路(以下、「ベルト移動経路R2」と称する)に沿って移動する。
ここで、本実施形態では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、直線状に形成されておらず湾曲している。
具体的には、本実施形態では、定着ベルト411の内側に配置された加熱源412が湾曲した状態で配置されており、本実施形態では、この加熱源412に対して定着ベルト411が倣うことで、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が湾曲している。
用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2の湾曲方向について説明する。
定着ベルト411と駆動ロール43とが接触する下流側接触部N1では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、定着ベルト411の径方向における内部側(以下、「ベルト内部側」と称することがある)に向かって凸となるように形成されている。
また、下流側接触部N1よりもベルト移動方向上流側では(図中符号3Eで示す部分では)、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、定着ベルト411の径方向における外部側(定着ベルト411の内部側とは反対側)(以下、「ベルト外部側」と称することがある)に向かって凸となるように形成されている。
さらに説明すると、本実施形態では、下流側接触部N1では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、曲率を有し、ベルト内部側に向かって膨らむように形成されている。
また、下流側接触部N1よりも上流側では、言い換えると、用紙接触領域ER内のうちの下流側接触部N1以外の箇所では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、曲率を有し、ベルト外部側に向かって膨らむように形成されている。
さらに説明すると、本実施形態では、定着ベルト411への押し当て荷重が最も大きい駆動ロール43と定着ベルト411とが接触する下流側接触部N1では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が、ベルト内部側に向かって凸となるように形成されている。
その一方で、用紙接触領域ER内のうちの下流側接触部N1以外の箇所では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、ベルト外部側に向かって凸となるように形成されている。
ここで、本実施形態では、駆動ロール43、加圧ベルトモジュール46のように、用紙Pを加圧する加圧部材が複数設けられている。
そして、本実施形態では、複数のこの加圧部材のうち、定着ベルト411への押し当て荷重が最も大きい加圧部材(駆動ロール43)と定着ベルト411との接触部(下流側接触部N1)では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が、ベルト内部側に向かって凸となっている。
その一方で、下流側接触部N1以外の箇所であって用紙接触領域ER内には、ベルト外部側に向かって凸となる、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が設けられている。
さらに、本実施形態では、定着ベルト411への押し当て荷重が最も大きい駆動ロール43が回転駆動を行うことで、定着ベルト411が循環移動を行う。
また、駆動ロール43以外の加圧部材である加圧ベルトモジュール46は、自ら回転駆動を行わず、定着ベルト411への駆動力の供給を行わない。逆に、加圧ベルトモジュール46は、定着ベルト411から駆動力を受け、定着ベルト411に従動して駆動する。
図4は、用紙接触領域ERの比較例を示した図である。
この比較例では、本実施形態とは異なり、用紙接触領域ERにて、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が直線状に形成されている。
この比較例では、定着ベルト411が下流側接触部N1へ達すると、定着ベルト411の内側に位置する支持部材480と駆動ロール43とにより、定着ベルト411が押圧され(厚み方向に圧縮され)、定着ベルト411は、定着ベルト411の移動方向に沿って伸びる(図中、上下方向に沿って伸びる)。
この場合、下流側接触部N1では、定着ベルト411の移動速度が増加し、その一方で、下流側接触部N1以外では、定着ベルト411の移動速度が相対的に小さくなる。
また、用紙Pについては、下流側接触部N1にて、移動速度が増加する定着ベルト411とともに移動するようになるため、下流側接触部N1では、定着ベルト411の移動速度と用紙Pの移動速度とが同じとなる。
その一方で、下流側接触部N1よりも上流側では、定着ベルト411の移動速度が上記のように相対的に小さくなるため、下流側接触部N1よりも上流側では、用紙Pの移動速度よりも定着ベルト411の移動速度の方が小さくなる。
この場合、下流側接触部N1よりも上流側では、用紙P上のトナー像が、この用紙Pに対して相対移動する定着ベルト411により擦られ、用紙P上のトナー像が乱れるおそれがある。
これに対し、図3にて示した本実施形態の構成では、用紙Pと定着ベルト411との間で生じうる速度差を低減でき、用紙P上のトナー像が乱れにくくなる。
具体的に説明すると、本実施形態では、図3に示すように、下流側接触部N1では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、ベルト内部側に向かって凸となるように形成される。
この場合、駆動ロール43の径方向において、定着ベルト411の方が、用紙Pよりも外側を通るようになり、図3の矢印3X、矢印3Yで示すように、定着ベルト411の周速の方が、用紙Pの周速よりも大きくなる。
この場合、図4にて示した比較例に比べ、下流側接触部N1よりも上流側における、定着ベルト411の移動速度が大きくなり、下流側接触部N1よりも上流側における、用紙Pと定着ベルト411との速度差が小さくなる。
さらに、本実施形態では、上記のとおり、下流側接触部N1よりも上流側では(図3にて符号3Eで示した部分では)、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、ベルト外部側に向かって凸となるように形成されている。
この場合、定着ベルト411よりも相対的に速く移動しようとする用紙Pの方が、定着ベルト411よりも外側の経路を通るようになり(移動により多くの時間を必要とする、距離が長い方の経路を通るようになり)、用紙Pと定着ベルト411との速度差がさらに小さくなる。
付言すると、上記のように、下流側接触部N1にて、ベルト内部側に向かって凸となるように用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2を形成しても、依然として、用紙Pと定着ベルト411との間に速度差が生じてしまうことがある。
この場合、下流側接触部N1よりも上流側にて、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2を、ベルト外部側に向かって凸となるように形成することで、用紙Pと定着ベルト411との間で生じるこの速度差が小さくなる。
図5は、図3にて示した実施形態および図4にて示した比較例における実験の結果を示した図である。
なお、この実験では、用紙P上にパッチ画像を形成するともに、本実施形態の定着装置40、比較例の定着装置40の各々にこの用紙Pを供給し、定着処理後のパッチ画像を観察した。
また、図5では、縦軸が、パッチ画像のずれ量(ずれの程度)を示し、横軸が、定着ベルト411への加圧ベルトモジュール46の押し当て荷重を示す。また、図5では、四角いドットが、比較例の結果を示し、丸いドットが、本実施形態の結果を示している。
図5に示すように、本実施形態および比較例を比較すると、本実施形態におけるパッチ画像のずれ量は小さいものとなった。これに対し、比較例におけるパッチ画像のずれ量は、本実施形態のずれ量よりも大きくなった。
図6は、定着装置40の他の構成例を示した図である。
この構成例では、用紙Pの移動方向において、駆動ロール43が上流側に設置され、加圧ベルトモジュール46が下流側に設置されている。この構成例では、駆動ロール43が上流側加圧部材となり、加圧ベルトモジュール46が下流側加圧部材となる。
この構成例では、下流側接触部N1は、加圧ベルトモジュール46が定着ベルト411に押し当てられることにより形成され、上流側接触部N2は、駆動ロール43が定着ベルト411に押し当てられることにより形成される。
なお、上記と同様、駆動ロール43は、円筒状あるいは円柱状の部材により構成されている。また、加圧ベルトモジュール46は、加圧用ベルト461および押圧部材462を備える。
また、上記と同様、定着ベルト411への駆動ロール43の押し当て荷重の方が、定着ベルト411への加圧ベルトモジュール46の押し当て荷重よりも大きくなっている。
さらに、この構成例では、上流側に位置する駆動ロール43が、モータMから駆動力を受けて回転駆動を行う。そして、駆動ロール43から定着ベルト411に駆動力が与えられて、定着ベルト411が循環移動する。
また、上記と同様、加圧ベルトモジュール46は、自ら回転駆動を行わず、定着ベルト411への駆動力の供給を行わない。言い換えると、加圧ベルトモジュール46は、自ら回転駆動を行わず、定着ベルト411から駆動力を受けて駆動を行う。
この構成例では、上流側接触部N2では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が、ベルト内部側に向かって凸となるように形成されている。
また、上流側接触部N2よりも下流側では(用紙接触領域ER内のうちの、上流側接触部N2以外の箇所では)、ベルト外部側に向かって凸となるように、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が形成されている。
さらに説明すると、上流側接触部N2では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、曲率を有しベルト内部側に向かって膨らむように形成されている。
また、上流側接触部N2よりも下流側では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2は、曲率を有しベルト外部側に向かって膨らむように形成されている。
さらに、この構成例でも、定着ベルト411への駆動ロール43の押し当て荷重の方が、定着ベルト411への加圧ベルトモジュール46の押し当て荷重よりも大きくなっている。
言い換えると、この構成例でも、駆動ロール43、加圧ベルトモジュール46のように、用紙Pを加圧する加圧部材が複数設けられているが、この複数の加圧部材のうちの、駆動ロール43が、定着ベルト411への押し当て荷重が最も大きい加圧部材となっている。
さらに、この構成例でも、定着ベルト411への押し当て荷重が最も大きいこの駆動ロール43と定着ベルト411との接触部分(上流側接触部N2)では、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が、ベルト内部側に向かって凸となっている。
また、上流側接触部N2以外の箇所であって用紙接触領域ER内には、ベルト外部側に向かって凸となる、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2が設けられている。
ここで、この構成例でも、定着ベルト411の移動速度と用紙Pの移動速度との差が小さくなり、用紙P上のトナー像の乱れが生じにくくなる。
具体的には、この構成例でも、定着ベルト411が上流側接触部N2へ達すると、この上流側接触部N2にて、定着ベルト411の周速の方が、用紙Pの周速よりも大きくなる。
これにより、上流側接触部N2の下流側における、定着ベルト411の速度低下の度合いが小さくなり、上流側接触部N2の下流側における両者の速度差(定着ベルト411と用紙Pとの速度差)が小さくなる。
さらに、この構成例でも、上流側接触部N2よりも下流側では、定着ベルト411よりも速く移動しようとする用紙Pの方が、定着ベルト411よりも外側の経路を通るようになる。言い換えると、用紙Pの方が、定着ベルト411に比べ、移動により多くの時間を必要とする、距離が長い方の経路を通るようになる。
そして、この場合、用紙Pと定着ベルト411との速度差がさらに小さいものとなる。
ここで、本実施形態では、上記のとおり(図3、図6にて示したとおり)、駆動ロール43を駆動させ、その一方で、加圧ベルトモジュール46については、定着ベルト411に従動させる構成とした。
言い換えると、本実施形態では、定着ベルト411に押し当てられる複数の加圧部材のうちの一の加圧部材を回転駆動させ、他の加圧部材については、定着ベルト411に従動させる構成とした。
これにより、駆動ロール43および加圧ベルトモジュール46の両方を駆動させる場合に比べ、定着ベルト411との用紙Pとの速度差の低減をさらに図れる。
ここで、駆動ロール43および加圧ベルトモジュール46の両者を駆動させる場合、駆動ロール43の回転速度(周速)と加圧ベルトモジュール46の回転速度(周速)との違いに起因して、定着ベルト411との用紙Pとの速度差が生じるおそれがある。
具体的には、寸法公差などに起因して、駆動ロール43の回転速度と、加圧ベルトモジュール46の回転速度とを一致させることが難しい場合も想定され、この場合、駆動ロール43の回転速度と加圧ベルトモジュール46の回転速度との違いに起因して、定着ベルト411との用紙Pとの間に、速度差が生じるおそれがある。
より具体的には、例えば、駆動ロール43および加圧ベルトモジュール46のうち、上流側に位置する一方の加圧部材の周速の方が、下流側に位置する他方の加圧部材の周速よりも大きいと、上流側接触部N2と下流側接触部N1との間で、定着ベルト411が減速する。その一方で、上流側接触部N2から下流側接触部N1へ向かう用紙Pは、減速したこの定着ベルト411よりも大きい移動速度で、下流側接触部N1へ向かう。この場合、定着ベルト411と用紙Pとの間に速度差が発生する。
これに対し、上記のように、複数の加圧部材のうちの一の加圧部材のみを回転駆動させる場合は、上流側接触部N2と下流側接触部N1との間における、定着ベルト411の上記減速などが起きにくくなり、定着ベルト411と用紙Pとの間に速度差が生じにくくなる。
図7は、定着装置40の他の構成例を示した図である。
上記では、加熱源412を、定着ベルト411の内周面411Bに接触させて設けたが、加熱源412は、定着ベルト411の内周面411Bに接触させずに設けてもよい。
図7に示す構成例では、支持部材414を挟み、上流側接触部N2、下流側接触部N1とは反対側に、加熱源412が設けられている。
ここで、支持部材414は、上流側接触部N2に対応する部分がベルト外部側に向かって凸となるように形成されており、下流側接触部N1に対応する部分がベルト内部側に向かって凸となるように形成されている。支持部材414がこのように形成されていることで、用紙移動経路R1およびベルト移動経路R2を所望の形状に湾曲させることが容易となる。なお、図2、図6にて示した実施形態では、加熱源412が、支持部材の役割を果たすようになる。
この構成例では、定着ベルト411の内周面411Bのうち、上流側接触部N2、下流側接触部N1が位置する側とは反対側に位置する部分を主に加熱する。
なお、加熱源412の設置位置は、定着ベルト411の内周面411B側に限らず、定着ベルト411の外側としてもよく、この場合、定着ベルト411の外側から定着ベルト411の加熱が行われる。
また、加熱源412は、定着ベルト411の内周面411B側および外周面411A側の両側に設置し、定着ベルト411の内側および外側から、定着ベルト411を加熱してもよい。
また、定着装置40のうちの加熱を行う部分は、定着ベルト411に限らず、駆動ロール43や加圧ベルトモジュール46を加熱してもよい。
1…画像形成装置、10…画像形成部、40…定着装置、43…駆動ロール、46…加圧ベルトモジュール、411A…外周面、412…加熱源、ER…用紙接触領域、N1…下流側接触部、N2…上流側接触部、P…用紙、R1…用紙移動経路、R2…ベルト移動経路

Claims (16)

  1. 環状に形成され、外周面を有し、ベルト移動経路を移動するベルト部材と、
    前記ベルト部材の前記外周面に押し当てられ、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材を加圧する下流側加圧部材と、
    前記ベルト部材の移動方向において前記下流側加圧部材よりも上流側に配置されるとともに、前記外周面に押し当てられ、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材を加圧する上流側加圧部材と、
    を備え、
    前記ベルト部材の前記外周面と前記下流側加圧部材とが接触する接触部分では、前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路が、当該ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分よりも記録材移動方向上流側では、当該ベルト移動経路および当該記録材移動経路が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成されている定着装置。
  2. 前記接触部分では、前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路が、曲率を有し前記内部側に向かって膨らむように形成されている請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路のうちの、前記内部側とは反対側に向かって凸となる前記部分は、曲率を有し当該反対側に向かって膨らむように形成されている請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記下流側加圧部材は、円筒状あるいは円柱状の部材により構成され、回転駆動を行い、前記ベルト部材に駆動力を与えて当該ベルト部材を循環移動させる請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記上流側加圧部材は、自ら回転駆動を行わず、前記ベルト部材への駆動力の供給を行わない請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記ベルト部材の移動方向であるベルト移動方向において、当該ベルト部材と前記下流側加圧部材とが接触する下流側接触部よりも上流側には、当該ベルト部材と前記上流側加圧部材とが接触する上流側接触部が設けられ、
    前記ベルト部材を加熱する加熱手段をさらに備え、
    前記加熱手段は、前記ベルト部材のうち、前記下流側接触部よりもベルト移動方向上流側に位置し前記上流側接触部よりもベルト移動方向下流側に位置する部位を少なくとも加熱する請求項1に記載の定着装置。
  7. 前記加熱手段は、前記上流側接触部から前記下流側接触部にかけて設けられ、前記ベルト部材のうち、当該上流側接触部から当該下流側接触部に至る部分の全域を加熱する請求項6に記載の定着装置。
  8. 環状に形成され、外周面を有し、ベルト移動経路を移動するベルト部材と、
    前記ベルト部材の前記外周面に押し当てられ、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材を加圧する下流側加圧部材と、
    前記ベルト部材の移動方向において前記下流側加圧部材よりも上流側に配置されるとともに、前記外周面に押し当てられ、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材を加圧する上流側加圧部材と、
    を備え、
    前記ベルト部材の前記外周面と前記上流側加圧部材とが接触する接触部分では、前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路が、当該ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分よりも記録材移動方向下流側では、当該ベルト移動経路および当該記録材移動経路が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成されている定着装置。
  9. 前記上流側加圧部材は、円筒状あるいは円柱状の部材により構成され、回転駆動を行い、前記ベルト部材に駆動力を与えて当該ベルト部材を循環移動させる請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記下流側加圧部材は、自ら回転駆動を行わず、前記ベルト部材への駆動力の供給を行わない請求項9に記載の定着装置。
  11. 環状に形成され、外周面を有し、ベルト移動経路を移動するベルト部材と、
    前記ベルト部材の前記外周面に押し当てられるとともに、当該ベルト部材の移動方向における位置が互いに異なるように配置され、当該外周面との間を通る記録材移動経路を移動する記録材が当該外周面に接触しながら移動する領域である記録材接触領域を形成する複数の記録材加圧部材と、
    を備え、
    前記複数の記録材加圧部材のうちの前記外周面への押し当て荷重が最も大きい一の記録材加圧部材と当該外周面との接触部分では、前記ベルト移動経路および前記記録材移動経路が、前記ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分以外の箇所であって前記記録材接触領域内には、当該内部側とは反対側に向かって凸となる当該ベルト移動経路および当該記録材移動経路が設けられている定着装置。
  12. 前記一の記録材加圧部材が、回転駆動を行い、前記ベルト部材を循環移動させ、
    前記一の記録材加圧部材以外の他の記録材加圧部材は、自ら回転駆動を行わず、前記ベルト部材への駆動力の供給を行わない請求項11に記載の定着装置。
  13. 記録材への画像形成を行う画像形成手段と、当該画像形成手段により記録材に形成された画像を当該記録材に定着する定着装置とを備え、当該定着装置が、請求項1乃至12の何れかに記載の定着装置により構成された画像形成装置。
  14. 前記ベルト部材の内周面側に設けられ、当該ベルト部材を介し前記記録材移動経路を移動する記録材を加圧する支持部材を備え、
    前記ベルト部材の前記外周面と前記下流側加圧部材とが接触する接触部分では、前記支持部材が、当該ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分よりも記録材移動方向上流側では、当該支持部材が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成されている請求項1に記載の定着装置。
  15. 前記ベルト部材の内周面側に設けられ、当該ベルト部材を介し前記記録材移動経路を移動する記録材を加圧する支持部材を備え、
    前記ベルト部材の前記外周面と前記上流側加圧部材とが接触する接触部分では、前記支持部材が、当該ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分よりも記録材移動方向下流側では、当該支持部材が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成されている請求項8に記載の定着装置。
  16. 前記ベルト部材の内周面側に設けられ、当該ベルト部材を介し前記記録材移動経路を移動する記録材を加圧する支持部材を備え、
    前記複数の記録材加圧部材のうちの前記外周面への押し当て荷重が最も大きい一の記録材加圧部材と当該外周面との接触部分では、前記支持部材が、前記ベルト部材の径方向における内部側に向かって凸となるように形成され、当該接触部分以外の箇所であって前記記録材接触領域内には、当該支持部材が、当該内部側とは反対側に向かって凸となるように形成された部分が設けられている請求項11に記載の定着装置。
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