JP2002182504A - 熱定着装置 - Google Patents

熱定着装置

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JP2002182504A
JP2002182504A JP2000380348A JP2000380348A JP2002182504A JP 2002182504 A JP2002182504 A JP 2002182504A JP 2000380348 A JP2000380348 A JP 2000380348A JP 2000380348 A JP2000380348 A JP 2000380348A JP 2002182504 A JP2002182504 A JP 2002182504A
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JP
Japan
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heating roller
heater
sheet
heat
fixing
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Application number
JP2000380348A
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English (en)
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Hiroshi Kobashigawa
啓 小橋川
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の熱定着装置の課題とするところは、
定着待機時期の予備加熱工程における消費電力を低下さ
せ、加熱ローラ以外の部品やトナーの温度上昇を抑制す
ることにある。 【解決手段】 内部に設けたヒータにより加熱される円
筒体をなす加熱ローラ21と、この加熱ローラに押圧接
触する加圧ローラ22とを回転し、この両ローラ間に未
定着トナー像を有する記録紙を通して未定着トナー像を
溶融して定着する装置において、加熱ローラに備えたヒ
ータは、加熱ローラの内部にその内周面から離間して軸
方向に沿って配置され電圧を印加して発熱する棒状ヒー
タ(第1のヒータ)31と、加熱ローラの内部にその内
周面に接触して配置され弾性を有するシートおよびこの
シートに重ね合せられ電圧の印加により発熱する発熱体
を有するシート状ヒータ(第2のヒータ)32を備えた
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式を採用
した画像形成装置に設けられる熱定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱定着装置は、内部に設けたヒータによ
り加熱される円筒体をなす加熱ローラと、この加熱ロー
ラに押圧接触する加圧ローラとを回転し、この両ローラ
間に未定着トナー像を有する記録紙を通して前記未定着
トナー像を加熱加圧することにより溶融して定着するも
のである。
【0003】従来、加熱ローラを加熱するヒータとして
は、電圧を印加することにより発熱する棒状ヒータ、具
体的にはフィラメントを配置したハロゲン棒状ランプ
(石英管)が用いられ、この棒状ヒータが円筒体をなす
加熱ローラの内部においてその内周面から離間した状態
で軸方向に沿って配置されて、この棒状ヒータの発熱に
より加熱ローラを加熱して定着に必要な設定温度まで上
昇させる方式が採用されている。棒状ヒータと加熱ロー
ラとの間には熱を伝達させる特別な部材が介在しておら
ず、棒状ヒータが発する熱で加熱ローラ内部の空気を介
して温度上昇させている。
【0004】ところで、熱定着装置では、画像形成装置
が印字動作を行わない間(待機時期)には、次の定着動
作(印字動作)に備えて定着開始(印字開始)までの時
間を短縮させるためヒータが加熱ローラを予備加熱して
ある一定高さの待機温度に保持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱定着装置で
は、加熱ローラを加熱するために加熱ローラの内部空間
に配置した棒状ヒータが発する熱を加熱ローラに伝えて
いる。しかし、この方式では棒状ヒータが棒状ヒータと
加熱ローラとの間にある空気も加熱するために加熱ロー
ラを加熱する効率が低い。このため、棒状ヒータが加熱
ローラを加熱する工程では、加熱ローラを所定の温度に
維持するのに棒状ヒータが消費する電力が大きい。そし
て、熱定着装置では定着動作を行う時間に比較して待機
している時間が長く、予備加熱に消費する電力は熱定着
装置の消費電力、さらには画像形成装置全体の消費電力
の大部分を占めている。
【0006】従って、従来の熱定着装置では、加熱ロー
ラの予備加熱に消費する電力が多い。このため、従来か
ら予備加熱、さらには予備加熱から定着に必要な設定温
度まで上昇させる際に消費する電力を減少することが要
望され、例えば加熱ローラを薄肉にする、定着温度を低
くするなどの検討が行われているが、いまだ効果的な対
策が実現されていない。
【0007】また、従来の熱定着装置は、棒状ヒータの
輻射熱を利用して加熱ローラを加熱する方式であるため
に、棒状ヒータにより加熱された空気が加熱ローラだけ
でなく、それ以外の画像形成装置内部に設けられている
構成部品やトナーを加熱して温度上昇させている。そし
て、定着動作時期に比較して長い時間を占める定着待機
時期においても同様に加熱ローラを予備加熱するために
棒状ヒータが発する熱により加熱された空気によって加
熱ローラ以外の構成部品が加熱されて、その結果画像形
成装置内部の温度が上昇して、感光体ドラムやトナーに
ヒートダメージを与えている。
【0008】例えば、感光体ドラムは画像形成装置内部
の温度上昇により表面電位や残留電位が変化して画像の
画質に悪影響を与えている。
【0009】また、画像形成装置内部の温度上昇により
装置本体内部で使用するトナーが固着する現象の発生も
有りうる。近年、定着温度の低下、あるいは単位時間当
たり印字枚数が多い高速機の普及により、トナーはなる
べく低温で定着することが求められるようになってい
る。このためトナーに使用されている樹脂のガラス転移
温度が低下している場合があり、55℃以下のガラス転
移温度を持つトナーも存在するが、一方加熱ローラの予
備加熱により装置内部温度が60℃近くにもなる装置も
存在し、最悪の場合装置内部でのトナーの固着が懸念さ
れる。
【0010】本発明は、定着待機時期の予備加熱工程に
おける消費電力を低下させ、加熱ローラ以外の部品やト
ナーの温度上昇を抑制した熱定着装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の熱定着
装置は、内部に設けたヒータにより加熱される円筒体を
なす加熱ローラと、この加熱ローラに押圧接触する加圧
ローラとを回転し、この両ローラ間に未定着トナー像を
有する記録紙を通して前記未定着トナー像を溶融して定
着する熱定着装置において、前記加熱ローラに備えたヒ
ータは、前記加熱ローラの内部にその内周面から離間し
て軸方向に沿って配置され電圧を印加して発熱する第1
のヒータと、前記加熱ローラの内部にこの加熱ローラの
内周面に接触して配置されたシートおよびこのシートに
重ね合せられ電圧の印加により発熱する発熱体を有する
第2のヒータを備えたものであることを特徴とする。
【0012】この発明によれば、第1のヒータが定着動
作時期において加熱ローラを定着温度に加熱するために
使用し、第2のヒータは定着待機時期の予備加熱におい
てシートが加熱ローラに接触した状態で発熱体が発熱す
ることにより、空気が加熱される機械を減少させること
で、効率良く加熱ローラを予備加熱することができる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1に記載の熱定
着装置において、前記第2のヒータの発熱体は単位時間
当たりに発する熱量が前記第1のヒータが前記未定着ト
ナー像を定着させるために単位時間当たりに発する熱量
に比較して100%以下であることを特徴とする。
【0014】請求項3の発明は、請求項1に記載の熱定
着装置において、前記第2のシート状ヒータのシートは
加熱ローラ軸方向における寸法が前記記録紙の加熱ロー
ラ軸方向における寸法の60〜100%の大きさである
ことを特徴とする。
【0015】請求項4の発明は、請求項1に記載の熱定
着装置において、前記第2のヒータのシートは、加熱ロ
ーラ軸方向に対して直交する方向における寸法が、前記
加熱ローラの内周面の周方向長さの120〜200%の
大きさであることを特徴とする。
【0016】請求項5の発明は、請求項1に記載の熱定
着装置において、前記第2のヒータのシートは加熱ロー
ラ軸方向に対して直交する方向における一端が前記第1
のヒータに取付けられて前記加熱ローラの回転方向とは
逆方向に向けて巻回されていることを特徴とする。
【0017】請求項6の発明は、請求項1に記載の熱定
着装置において、前記第2のヒータのシートは導電性を
有して前記加熱ローラの内周面に接触することを特徴と
する。
【0018】請求項2ないし6の発明の構成によれば、
請求項1の発明を効果的に生かすための具体的な手段を
提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
1ないし図4を参照して説明する。
【0020】図1は本発明の熱定着装置を装備した電子
写真方式の画像形成装置の構成を模式的に示す正面図で
ある。
【0021】図1において1は画像形成装置本体、2は
感光体ドラムで、この感光体ドラムは図示しない回転駆
動装置により図矢印方向へ回転される。3は感光体ドラ
ム2の外周面を帯電する帯電装置、4は感光体ドラム2
の外周面を露光して静電潜像を形成する露光装置、5は
現像ローラ5aにより感光体ドラム2の外周面にトナー
を供給して静電潜像を現像してトナー像を形成する現像
装置、6は感光体ドラム2の外周面のトナー像を記録紙
Pに転写する転写装置、7は転写後に感光体ドラム2の
外周面に残留するトナーを取り除くクリーニング装置、
8は転写を終えた記録紙Pに転写されている未定着のト
ナー像を定着する熱定着方式を採用した熱定着装置、9
は画像形成装置本体1の一方の端部に装填され、カット
紙からなる多数の記録紙を積層して収容した給紙カセッ
ト、10は給紙カセット9から記録紙を繰り出す繰り出
しローラ、11は繰り出された記録紙Pを感光体ドラム
2と転写装置6との間へ搬送する搬送ローラ、12は転
写装置6を通過した記録紙Pを搬送する搬送ローラ、1
3は記録紙搬送路を形成する搬送ガイド、14は定着を
終えた記録紙Pを画像形成装置本体1の上面部に設けた
排紙トレイ15へ排出する排出ローラである。
【0022】本発明の熱定着装置8について図2および
図3について説明する。図2および図3は夫々熱定着装
置8の構成を模式的に示すもので、図2(a)は定着待
機時期すなわち予備加熱工程の状態を示す軸方向から見
た図、図2(b)は同じく軸方向に対して直角な方向か
ら見た図、図3は熱定着動作時期の状態を示す軸方向か
ら見た図している。
【0023】図2および図3において21は水平に配置
された金属円筒体からなる加熱ローラで、この加熱ロー
ラ21の外周面すなわち外周面は離型性が良い材料によ
り形成されている。22はこの加熱ローラ21の下側に
おいて水平な状態で加熱ローラ21に対して平行に対向
配置された加圧ローラ、23はこれら加熱ローラ21と
加圧ローラ22を収容するケースである。加熱ローラ2
1は両端部はケース23に設けられた図示しない軸受に
回転自在に支持され、図示しない回転駆動機構から回転
を受けるようになっている。加圧ローラ22を取付けた
ローラ軸22aの両端部は、ケース23に上下方向に沿
い移動可能に設けられた図示しない軸受に回転自在に支
持され、この軸受は図示しない弾性部材により上向きの
力が加えられている。このため、加圧ローラ22は弾性
部材により加熱ローラ21に押圧接触されている。
【0024】なお、図中24は加熱ローラ21の外周面
を清掃するクリーニングパッド、25および26は加熱
ローラ21および加圧ローラ22に対して記録紙搬送方
向上流側および下流側に配置されたガイドである。
【0025】次に円筒体をなす加熱ローラ21の内部に
はこれを加熱するために第1のヒータの一例である棒状
ヒータ31と第2のヒータの一例であるシート状ヒータ
32が設けられており、これら各ヒータ31,32は通
電して電圧を印加することにより発熱するものである。
【0026】棒状ヒータ31は熱定着装置が定着準備時
期(スタンバイ状態)および定着動作時期にある時に発
熱して加熱ローラ21を加熱して記録紙Pの未定着トナ
ー像を溶解して定着させることを主目的として設けるも
のである。この棒状ヒータ31は、例えば石英管31a
の内部にフィラメント31bを配置したハロゲン棒状ラ
ンプからなるもので、フィラメント31bに通電して電
圧を印加すると発熱する。この棒状ヒータ31は加熱ロ
ーラ21の中心軸線上に芯金のような形態で配置して加
熱ローラ21の内周面に接触しない状態で設けて空気を
介して輻射熱により加熱ローラ21を加熱するもので、
加熱ローラ21を記録紙Pに転写された未定着トナー像
を溶解して定着させることが可能な定着温度まで加熱す
る。このため、棒状ヒータ31は前述したように必要な
発熱を行う仕様のフィラメント31bと、このフィラメ
ント31bを収容する直径を有する石英管31aを有し
ており、石英管31aは加熱ローラ21の長さより大き
い長さを有している。
【0027】そして、この棒状ヒータ31は前述したよ
うに加熱ローラ21の中心軸線上に加熱ローラ21の内
周面に接触しない状態で配置され、石英管の両端部がケ
ース23に設けた図示しない軸受により回転自在に支持
されている。また、石英管31aの端部は画像形成装置
本体1に設けた図示しない回転駆動機構により回転され
るようになっている。フィラメント31bはヒータ発熱
動作を制御して熱定着装置の定着動作を制御する制御回
路(図示せず)に接続されている。
【0028】シート状ヒータ32は、熱定着装置8が定
着待機時期において加熱ローラ21に直接接触して加熱
ローラ21が所定の待機温度以下まで低下した時に発熱
して加熱ローラ21を加熱して所定の待機温度に維持す
るものである。このシート状ヒータ32は、加熱ローラ
21の内部に配置されて加熱ローラ21の内周面に接触
するシート32aと、このシート32aに重ね合せて設け
られ通電して電圧を印加することにより発熱する発熱体
32bとを有するものである。シート32aは熱伝導性
および導電性に優れた材料、例えばアモルファス合金シ
ートのような材質からなるもので、シート状またはリボ
ン状をなしている。また、シート32aは棒状ヒータ3
1に巻回され、且つ広がることが必要になるために軽量
で柔軟性を有するもので、好ましくは弾性を有してい
る。発熱体32bは発熱性の材料からなるものを使用し
て絶縁被覆してシート32aの表面に重ねて設ける。例
えばシート32aの表面に導電性金属材料を所定パター
ンで印刷して形成する、あるいはニッケル―クロム線な
どの外周面をマイカなどの絶縁材料で被覆してシート3
2aの表面に這わせて貼り付ける。また、発熱体32b
はシート32aの軽量、柔軟性および弾性に応えられる
ように軽量で柔軟性を有している。
【0029】発熱体32bを形成する材料は、単位時間
当たりに発する熱量が棒状ヒータ31が未定着トナー像
を定着させるために単位時間当たりに発する熱量に比較
して100%以下、すなわち棒状ヒータ31と同じか、
それより小さいものである。これは加熱ローラ21の内
周面に接触していることで熱効率が高い上、定着待機時
にしか発熱しないために、加熱ローラ21のように定着
動作中に記録紙により熱を奪われことがないので待機温
度を維持し易いためである。また、棒状ヒータ31で待
機温度を維持する際に必要な通電をオン、オフする制御
の回数も減少させることができるので、オン、オフ切換
え時に起きる電圧変動による一時的に発生する大きな電
力消費の回数が減少する。
【0030】シート状ヒータ32は、シート32aがそ
の長さ方向が加熱ローラ21の軸方向に対して直交する
方向に沿い、幅方向が加熱ローラ21の軸方向に沿うよ
うに加熱ローラ21の内部に配置され、シート32aに
おける加熱ローラ軸方向に対して直交する方向における
一端が棒状ヒータ31にその軸方向に沿って配置されて
取付けられている。
【0031】そして、シート32aは棒状ヒータ31を
巻芯として定着動作時期における加熱ローラ21の回転
方向とは逆方向に向けて巻回されている。すなわち、定
着待機時期はシート状ヒータ32のシート32aは自重
および弾性により巻回状態が周囲に向けて広がって加熱
ローラ21の内周面に接触している(図2ではシート3
2aと加熱ローラ21とをわかりやすく示すためにシー
ト32aを加熱ローラ21に接触しない状態で示してい
る)。説明を加えれば、シート32aは自重および弾性
により棒状ヒータ31を中心として巻回が外周側へ向け
て広がっており、その外周側の巻回部分が加熱ローラ2
1の内周面に周方向に沿って接触して広がりを規制され
ている。発熱体32bはシート32aの巻回部分におい
て加熱ローラ2の内周面に面する面に配設される。定着
動作時期には棒状ヒータ31を定着動作時期における加
熱ローラ21の回転方向と逆の回転方向で回転してシー
トシート32aを巻き取り加熱ローラ21の内周面から
引き上げる。
【0032】これは定着待機時期はシート32aを広げ
て加熱ローラ21の内周面に接触させて加熱ローラ21
に対して直接予備過熱を行い、定着動作時期にはシート
32aを加熱ローラ21の内周面から外すように巻き取
るためである。すなわち、シート32aを定着動作時期
における加熱ローラ21の回転方向とは逆方向に向けて
巻回することで、定着動作時期にシート32aの巻き取
りを促進できるからであり、これによりシート32aと
加熱ローラ21との接触面を減少させて両方の摩耗を抑
えることができる。
【0033】なお、シート32aを軽量なもので形成す
れば、棒状ヒータ31を巻芯として定着動作時期におけ
る加熱ローラ21の回転方向とは逆方向に向けて巻回さ
れているので、定着動作時期に棒状ヒータ31を回転し
なくとも回転する加熱ローラ21の風圧を受けて加熱ロ
ーラ21の内周面から離間するように巻回方向に変位さ
せることができる。
【0034】さらに、シート状ヒータ32は加熱ローラ
21に生じる静電気を接地電位に逃がすために、広がっ
ている時は勿論、棒状ヒータ31により巻き取っている
場合でもシート32aの一部、例えばシート状ヒータ3
2において棒状ヒータ31に取付けた基端縁部とは反対
側の先端縁部が加熱ローラ21に接触しているものとす
る。発熱体32bが接続される電源回路は接地電位Gに
接続されている。またはシート32aにおける加熱ロー
ラ21に接触する一部に加熱ローラ21に接触する接触
電極を設け、シート32は発熱体32bの電源回路とは
別に設置電位Gに接続されている。
【0035】このように定着動作時期と定着待機時期に
シート32aが回転して加熱ローラ21に対する接触面
積を調整するのは、定着動作時期は加熱ローラ21とシ
ート32aの摩耗を抑えるためであり、定着待機時期に
は可能な限りシート32aを加熱ローラ21の内周面に
接触させてシート32aによる加熱ローラ21の温度を
維持し易くするためであり、且つ加熱ローラ21以外す
なわち画像形成装置本体1内部の空気を無用に暖めて装
置内部温度を上昇させないためである。
【0036】また、定着動作時にもシート32aの一部
を加熱ローラ21の内壁に接触させるのは加熱ローラに
発生し易い静電を接地電極Gに逃がすためである。
【0037】シート32aにおける加熱ローラ軸方向に
沿う幅寸法Lは、記録紙Pの加熱ローラ軸方向に沿う幅
寸法の60〜100%の大きさである。これは定着動作
磁気における加熱ローラ21の温度分布は、記録紙Pが
通過する個所である長さ方向中央部が温度が低めで、そ
れ以外の個所は温度が高い場合が多いので、記録紙Pの
幅寸法以上にシートを配置する必要がなく、加熱ローラ
21の材質、肉厚、記録紙の種類に応じて適宜幅を設定
すれば良い。
【0038】シート32aにおける加熱ローラ軸方向に
対して直交する方向における長さ寸法は棒状ヒータ31
の周囲を巻回できる大きさであれば良いが、加熱ローラ
21の内周面に接触する必要があるから、加熱ローラ2
1の内周面の周方向長さと同等、あるいはそれ以上に設
定すれば良い。一般的にはシート32aにおける長さ寸
法は加熱ローラ21の内周面の周方向長さの120〜2
00%の大きさに設定されている。
【0039】シート32aを棒状ヒータ31に巻き取る
ためには前述した回転駆動機構により棒状ヒータ31を
巻き取り方向に回転する。回転駆動機構にクラッチ機構
を付属させて定着動作中に自動的にシート32aを巻き
取ることができるようにすることも可能である。
【0040】このように構成された熱定着装置の基本的
な動作について説明する。定着待機時期について図2を
参照して説明する。画像形成装置が印字動作を行わない
定着待機時期、すなわち定着動作終了時または画像形成
装置の電源投入直後は、次の定着動作(印字動作)に備
えて定着開始(印字開始)までの時間を短縮させるため
ヒータが加熱ローラ21を予備加熱してある一定高さの
待機温度に保持する。このため、主としてシート状ヒー
タ32を用いて加熱ローラ21を待機温度まで加熱する
(予備加熱)。この定着待機時期では、シート状ヒータ
32のシート32aは自重および弾性により棒状ヒータ
31を中心として巻回が外周側へ向けて広がっており、
その一番外周側の巻回部分が加熱ローラ21の内周面に
周方向に沿って接触して広がりを規制されている。シー
ト状ヒータ32の発熱体32bに通電して発熱させる
と、発熱体32bによりシート32aが加熱されて温度
が上昇し、その熱はシート32aと加熱ローラ21の内
周面との接触部を介して加熱ローラ21へ直接伝導す
る。これにより加熱ローラ21は温度が上昇する。シー
ト32aは加熱ローラ21の内周面に周方向ほぼ全体に
亘って接触しているために効果的に加熱ローラ21全体
を加熱できる。
【0041】このようにシート状ヒータ32が加熱ロー
ラ21を直接熱伝導で加熱するために、輻射熱により加
熱する場合に比較して低い消費電力により効果的に待機
温度まで加熱できる。
【0042】なお、電源投入直後は加熱ローラ温度が待
機温度より大分低いことが多いので、待機温度までの温
度上昇時間を短縮するために、同時に棒状ヒータ31に
通電して発熱させても良い。この場合、棒状ヒータ31
はシート32aを加熱するので、シート32aが発する
熱の他にシート32aを介した輻射熱により加熱ローラ
21を加熱する。
【0043】加熱ローラ21が熱せられて温度が待機温
度まで上昇した時点で、シート状ヒータ32の発熱体3
2bへの通電を遮断して電圧の印加を一旦停止する。そ
のままの待機状態であれば、発熱体32bへ再び通電し
オンオフ制御を適宜繰り返して待機温度を維持する。印
字動作へと継続的に移行する場合は発熱体32bへの電
圧印加を停止した後、続いて棒状ヒータ31のフィラメ
ント31bへ通電して電圧を印加する。フィラメント3
1bが発熱して加熱ローラ21内部の空気を介して輻射
によって加熱ローラ21を加熱する。棒状ヒータ31は
加熱ローラ21を定着に必要な定着温度に温度上昇する
まで加熱する。この棒状ヒータ31が加熱ローラ21を
定着温度まで加熱する時期はウオーミングアップ時期で
ある。
【0044】加熱ローラ21が定着温度に達すると定着
(印字)準備状態となり、棒状ヒータ31はいつでも定
着(印字)を開始できるように所定時間内では定着温度
を維持するように加熱ローラ21を加熱する。設定時間
内に定着(印字)がされない場合には再び待機状態とな
り、シート状ヒータ32が加熱ローラ21を加熱して待
機温度に維持する。
【0045】定着動作時期について図3を参照して説明
する。画像形成装置が印字動作を行う定着動作時期は、
棒状ヒータ31が加熱ローラ21を加熱して定着温度を
維持する。シート状ヒータ32への通電は遮断してい
る。加熱ローラ21および加圧ローラ22が回転して記
録紙Pを搬送して未定着トナー像の定着を行う。定着動
作時期では、棒状ヒータ31はシート状ヒータ32を巻
取る向きに回転して、加熱ローラ21の内部に広がって
いるシート状ヒータ32のシート32aを巻き取る。こ
れによりシート32aの大部分が棒状ヒータ31を中心
として縮小して加熱ローラ21の内周面から離れて加熱
ローラ21との接触面積が大幅に減少する。このように
シート状ヒータ32を巻き取るのは、加熱ローラ21の
回転中にシート状ヒータ32のシート32aと加熱ロー
ラ21の内周面とが接触により静電荷が帯電し易くなる
ことを防止して夫々が摩耗することを防止するためであ
る。
【0046】ただし、前述したようにシート状ヒータ3
2のシート32aの一部、例えば棒状ヒータ31に取付
けた基端縁部とは反対側の先端縁が加熱ローラ21の内
周面に接触して残る。すなわち、シート32aの先端縁
に形成された接触電極が加熱ローラ21の内周面に接触
する。このため、記録紙Pが加熱ローラ21と加圧ロー
ラ22との間を通過する際に発生した電荷は加熱ローラ
21からシート状ヒータ32のシート32aを通して接
地電位Gへ流れて逃げる。これにより定着動作時期に回
転する加熱ローラ21に静電荷が帯電することがなく、
静電荷による静電オフセットを防止して高い品位の画像
を得ることができる。
【0047】定着動作を終了した後は再び定着待機状態
に戻る。すなわち、棒状ヒータ31の回転が停止する
と、シート状ヒータ32のシート32aは自重および弾
性により棒状ヒータ31を中心として巻回が外周側へ向
けて広がっており、その一番外周側の巻回部分が加熱ロ
ーラ21の内周面に周方向に沿って接触する。加熱ロー
ラ21の温度が定着温度から待機温度近くまで低下する
と、シート状ヒータ32の発熱体32bに通電して加熱
ローラ21を加熱する。
【0048】なお、加熱ローラ21の外周面には常時温
度測定用のサーミスタ34が接触しており、このサーミ
スタ34が実際の加熱ローラ21の温度を測定して各ヒ
ータ31,32のオン、オフ制御を行う制御回路(図示
せず)へ送るようになっている。制御回路はこのサーミ
スタ34からの信号を受けて各ヒータ31,32をオン
・オフ制御を行う。
【0049】このように第1のヒータである棒状ヒータ
31は定着工程において加熱ローラ21を定着温度に加
熱するために使用される。第2のヒータであるシート状
ヒータ32は予熱工程においてシート32aが加熱ロー
ラ21に接触した状態で発熱体32bが発熱することに
より空気を加熱することなく効率良く加熱ローラ21を
予備加熱する。これにより定着待機時期の予備加熱工程
における消費電力を低下させ、加熱ローラ21以外の部
品やトナーの温度上昇を抑制することができる。
【0050】次に本発明の実施例について説明する。第
1の実施例について説明する。前述した実施の形態の熱
定着装置と従来型の熱定着装置の夫夫における定着待機
時とウオームアップ時期の消費電力と所要時間の差異
と、画像形成装置本体内部の装置内部温度について検討
した。なお、使用するトナー、加熱ローラおよび加圧ロ
ーラの材質、各部寸法および設定温度は同じ条件とし
た。図4はこの比較の結果を示す線図である。図4の上
段は時間の経過と熱定着装置の消費電力の推移との関係
を示しており、下段は時間の経過と加熱ローラの温度の
推移との関係を示している。
【0051】従来型の熱定着装置では、スタンバイ状態
や定着待機状態への移行時にも適正温度を維持するため
に、印字中でなくとも棒状ヒータに通電して温度を一定
にするためにかなりの電力を消費しなければならなかっ
た(図中a個所)。本発明の熱定着装置では、主として
定着(印字)の際に使用する棒状ヒータ31と待機時に
使用するシート状ヒータ32を備えて使用目的に応じて
切換えるために、印字終了から定着待機状態へ移行する
際、印字終了と同時に棒状ヒータ31への電力供給をカ
ットすることが可能で(図中b個所)、消費電力の少な
いシート状ヒータ32を用いて温度を維持するので、棒
状ヒータ31によるある意味で無駄な電力消費を防ぐこ
とができる。勿論、シート状ヒータ32による発熱で電
力は消費されているが、加熱ローラ21の内周面を覆う
シート状ヒータ32は加熱ローラ21の輻射熱により既
に暖められており、シート状ヒータ32を再び暖めるた
めの電力は不要であるために、スタンバイ状態または定
着待機状態への移行時に消費される電力は少なくてす
む。
【0052】定着待機時期の消費電力は加熱ローラ内部
の空気を加熱せずにシート状ヒータ32が加熱ローラ2
1と直接接触して加熱するので、従来型に比較して少な
くて済み、待機時間が長いほど効果が大きくなる。消費
電力は待機時間が5分以内であると、75%程度である
が、それ以上になると徐々に従来型との差が拡大して最
終的に従来型の60%程度で推移するようになる。
【0053】図4では従来型の定着装置における電力が
上下動しているが(図中d個所)、これは棒状ヒータの
オン・オフ制御により瞬間的に大きな電力が消費される
ためで、このようにヒータに供給す電力を常にオン・オ
フ切換えをすることが電力消費に不利であることは想像
にかたくない。一方、シート状ヒータ32での待機温度
での消費電力は棒状ヒータ31のようにオン・オフ切換
えも少なくほぼ一定に推移しており(図中e個所)、こ
の点でも消費電力の削減に寄与している。
【0054】次にデータ受信から定着(印字)開始まで
の消費電力について説明する。ウオームアップ時は加熱
ローラ21を棒状ヒータ31のみで加熱して温度上昇さ
せる場合は従来型と本発明型に消費電力に差がないが、
棒状ヒータ31とシート状ヒータ32の両方へ電力を供
給することも可能であり、この場合は単位時間当たりの
消費電力は従来型より大きくなるが(図中f個所)、代
りにウオームアップ時間の短縮が図れる(図中gの個
所)。ある一定以上の温度に達した時点でシート状ヒー
タ32への電力供給を停止して棒状ヒータ31の加熱に
すれば(図中h個所)、それ以降は従来型と同じような
電力消費の推移となる。ウオームアップ時間が従来型と
比較して短縮された結果、結局ウオームアップにかかる
電力の総消費量は従来型の70〜80%あった。
【0055】定着(印字)終了後は加熱ローラ21を一
定時間、定着温度を維持するためにスタンバイ状態にな
るが、本発明の熱定着装置ではこの状態において棒状ヒ
ータ31への電力供給は中断される。加熱ローラ21は
シート状ヒータ32により適正温度に維持され、さらに
は続いて待機状態へ移行した後もシート状ヒータ32へ
による予備加熱が実施される。
【0056】ここで、従来型の熱定着装置の使用時に定
着(印字)を開始してから短い間であるが電力消費が増
大する点(図中iの個所)について説明する。近年、ウ
オーミングアップ時間の短縮のために本来加熱ローラの
温度が定着温度まで上昇して安定してから定着開始すべ
きものを、定着温度へ達する以前、あるいは定着温度に
達していても加熱ローラにおける温度分布が均一でな
い、すなわち温度が安定する以前に定着動作を開始さ
せ、記録紙が熱定着装置に到達するまでの時間内で安定
するのを見込んで定着(印字)開始する手段が採られて
いる場合がある。この実施例で対象にした従来型および
本発明の熱定着装置はこの方法を採用している。この方
法では、記録紙の種類によっては、加熱ローラ21の熱
を奪いやすい記録紙が通過した後に、加熱ローラ21に
おける温度分布が更に不均一になった場合、それを解消
すべくさらに棒状ヒータ31に電力を供給しなければな
らないことがある。この短い時間の電力変化が図中iの
個所のように示されるが、これはややもすると元々加熱
ローラ21の表面温度が高かった個所は定着温度以上の
値が示されることがある。いわゆるオーバーシューティ
ング現象の発生であり、本実施例の熱定着装置はどちら
も潜在的に本現象が発生し易くなる要因を備えている。
しかし、本発明の熱定着装置ではシート状ヒータ32に
より待機時からすでに加熱ローラ21の内周面を均一に
加熱し、しかもウオームアップ時にもシート状ヒータ3
2を使用したことにより、ウオームアップ時間の短縮が
確認できる一方、温度分布の均一化を図ってオーバーシ
ューティング現象の発生を防止できた。オーバーシュー
ティング現象の発生を防止することにより加熱ローラ2
1が無用に加熱されて温度上昇することを防止し、画像
形成装置本体内部の温度上昇を抑制して消費電力を低下
できる。
【0057】続いて、画像形成装置本体の内部温度を測
定して比較した。測定温度は1000枚連続または間欠
印字した後、1時間の間放置中に装置本体内部における
各所の温度を測定することで比較した。この結果、最も
装置本体内部温度が高かった個所で比較すると、約66
℃であった温度が本発明の熱定着装置を使用することで
約50℃程度の温度にまで低下していた。
【0058】このように本発明の熱定着装置の使用によ
り、待機時期とウオームアップ時期の夫々における消費
電力の低減と、ウオームアップ時間の短縮を確認でき
た。
【0059】第2の実施例について説明する。本発明の
熱定着装置における棒状ヒータとシート状ヒータの発熱
量の最適な比について検討した。定着動作時に主として
発熱する加熱ローラの熱量を100とし、シート状ヒー
タの熱量を10から200までを設定した。加熱ローラ
における肉厚は1.0mm、内径は40mmである。
【0060】表1は各発熱量のシート状ヒータを用いた
際の消費電力量とウオーミングアップ時間との関係につ
いて示している。
【0061】
【表1】
【0062】この結果、シート状ヒータ32の発熱量が
棒状ヒータ31のそれを超えてしまうと、ウオーミング
アップ時間の短縮は達成されるが、ウオーミングアップ
時の消費電力量は従来型に比較して大差ないか、逆の多
い結果となった。反対にあまり発熱量が少ないと、ウオ
ーミングアップ時間が延びる傾向がある。定着動作時に
主として発熱する棒状ヒータ31の熱量を100とし
て、シート状ヒータ32の発熱量が70から110程度
がウオーミングアップ時の消費電力量の減少とウオーミ
ングアップ時間の短縮を図ることができる。
【0063】しかし、加熱ローラ21の外径や肉厚によ
っては、シート状ヒータ32による予備加熱効果は異な
る。例えば大径の加熱ローラ21では棒状ヒータ31と
加熱ローラ21の内周面との間の距離が大きくなるの
で、従来型の棒状ヒータ31のみで加熱ローラ21を加
熱するより本発明において加熱ローラ21に接触するシ
ート状ヒータ32を併せて用いて加熱したほうが効果的
であり、本評価より少ない発熱量のシート状ヒータ32
を用い多場合でも充分消費電力量の削減とウオーミング
アップ時間の短縮を両立することができる。その場合、
棒状ヒータ31より少ない発熱量のシート状ヒータ32
を用いて最適な条件を求めれば良い。定着動作時に主と
して発熱する加熱ローラの熱量を100として、シート
状ヒータ32の発熱量は一般的には100以下、なかで
も70から100程度が最適条件である。
【0064】このようにシート状ヒータの発熱体におけ
る単位時間当たりに発する熱量が、第1のヒータが未定
着トナー像を定着させるために単位時間当たりに発する
熱量の100%以下であるために、電源投入後に加熱ロ
ーラを定着温度させる、あるいは加熱ローラを定着待機
状態から定着温度まで温度上昇させるウオーミングアッ
プ時期における消費電力を減少させることができるとと
もに、ウオーミングアップ時間を短縮させることができ
る。
【0065】第3の実施の形態について説明する。本発
明による熱定着装置に設けるシート状ヒータ32におけ
るシート32aの幅寸法(加熱ローラ軸方向に沿う方向
の寸法)の最適値について検討した。印字可能な記録紙
の幅に対してどの程度の割合でシート状ヒータ32のシ
ート32aの幅が存在すれば良いかを、例えば最大印字
幅をレター紙の220mmとして20%の44mmから1
10%の264mmまで設定した場合、充分な予熱効果を
得られ、且つ実際の印字に問題が発生しないか、否かを
熱定着装置通過後の記録紙における印字の定着強度で求
めた。シート32aは基本的に加熱ローラ軸方向中央に
配置し、シート状ヒータ32の定着温度は175℃と
し、待機温度は130〜140℃とした。
【0066】この検討結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】この結果は、シート32aの幅はあまり狭
くないほうが良く、印字幅分だけ確保した方が予備加熱
効果を生かせることが判明した。シート幅が狭いと予備
加熱効果が不充分になりがちで、加熱ローラ21におけ
る温度分布にむらがあり、棒状ヒータ31による温度上
昇後のスタンバイ状態の時にもむらは存在して、幅中央
部の定着強度は確保できても細部では温度むらの存在に
より定着強度が確保できない。結局シート幅の中央部と
端部との間に生じた温度差がそのまま維持されているか
らである。
【0069】一方、定着温度210℃、待機温度160
〜170℃に設定した場合の結果を表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】ここで、シート状ヒータ32におけるシー
ト32aの幅が印字幅以上あると定着強度は問題ないが
定着待機時期の加熱ローラ21の端部の温度が230℃
まで上昇する事態が発生した。これは記録紙が熱定着装
置を通過する際に加熱ローラ21の熱が奪われた後に棒
状ヒータ31による加熱が行われるが、加熱ローラ21
の端面は記録紙により熱が奪われることがないので中央
部と比較して端部は加熱ローラ温度が高くなりがちであ
り、さらに印字終了後は中央部から端部への熱移動によ
り温度上昇する傾向があるためである。このような温度
むらは、シート状ヒータ32が加熱ローラ21の内周面
を覆っている構成であるため、端部までシート状ヒータ
32が存在していると定着動作時期あるいはスタンバイ
時の熱が保存されて定着待機時期も温度むらが解消され
にくく、さらにはシート状ヒータ32による予備加熱が
加わって上記現象が助長されてしまうからである。この
現象が発生した場合の弊害は、再びスタンバイ状態から
印字開始する際に、記録紙端部に高温オフセット現象が
発生してしまうことである。定着温度が低め、例えば1
75℃である場合は著しい温度上昇はなく、高温オフセ
ット現象は見られなかったが、定着温度が高め、例えば
210℃である場合、あるいは加熱ローラ21の肉厚が
薄いと本現象が顕著になる。この場合、記録紙幅分以上
にシート幅を確保しないのが良く、記録紙幅より狭い方
がより良く本発明の効果を発揮できる。結局、シート状
ヒータ32のシート32aの幅寸法は定着温度や、加熱
ローラ21の肉厚、外径、プロセススピードによっても
最適値は異なる。
【0072】総合すると、シート状ヒータ32における
シート32aの幅寸法は記録紙の幅寸法の60〜100
%程度が本発明効果を発揮できる範囲である。このよう
にシート状ヒータ32のシート32aの幅寸法を設定す
ることにより、予備加熱時期や定着動作時期において加
熱ローラ21を均一な温度分布で加熱することができ、
記録紙におけるトナーの定着強度が一定になり、記録紙
の幅寸法の違いによる定着強度の変化を抑制できる。
【0073】第4の実施例について説明する。
【0074】本発明による熱定着装置に設けるシート状
ヒータ32におけるシート32aの長さ寸法(加熱ロー
ラ軸方向に対して直角な方向の寸法)の最適値について
検討した。加熱ローラ21の内周長さに対して50〜5
00%の長さのシート32aを有するシート状ヒータ3
2をそれそれ用意し、充分な予備加熱効果が得られ、且
つ実際の印字に問題が生じないか、否かを、加熱ローラ
21における表面温度測定とウオームアップ時間の測
定、そして熱定着装置通過後の記録紙の画質を評価する
ことで求めた。
【0075】長さが加熱ローラ21の内周長さの120
%未満のシート32aを用いた場合は加熱ローラ21の
内周面全周を覆うことができず、加熱ローラ21の表面
温度にむらが発生した。また、長さが加熱ローラ内周長
さの200%以上のシート32aを用いた場合は、棒状
ヒータ31の熱が加熱ローラ21まで充分届かず、定着
温度まで達するまでのウオームアップ時間が延びる傾向
にあることが判明した。画質については特に問題がなか
った。従って、シート状ヒータ32におけるシート32
aの長さ寸法は加熱ローラ21の内周長さに対して12
0〜200%の大きさが適当である。このようにシート
状ヒータ32のシート32aの長さ寸法を設定すること
により、予備加熱時期や定着動作時期において加熱ロー
ラ21を均一な温度分布で加熱することができ、記録紙
におけるトナーの定着強度が一定になり、記録紙の幅寸
法の違いによる定着強度の変化を抑制できる。
【0076】第5の実施例について説明する。
【0077】前述した第2〜第4の実施例で求めた最適
な熱量を有し、且つ最適な幅および長さ有するシートを
備えたシート状ヒータ32を用いた場合において、棒状
ヒータ31に対するシート状ヒータ32のシート32a
の巻回方向(螺旋方向)を加熱ローラ21の回転方向と
同じにした場合と逆にした場合について夫々、画質およ
び熱定着装置の動作への影響について検討した。
【0078】シート状ヒータ32のシート32aの巻回
方向を加熱ローラの回転方向と同じにした場合、印字中
の回転によりシート32aの巻き取りが充分にされず、
シート32aが加熱ローラの内周面に貼り付く結果とな
った。これでは長期の使用時にはシート32aと加熱ロ
ーラ21の内周面の摩耗が予測される。逆方向にした場
合には、シート32aの巻付きが円滑に行われ、一方で
印字終了後の停止時にはシート32aが自然と広がり加
熱ローラ21の内周面に近づいて問題がないことが判明
した。
【0079】第6の実施例について説明する。第1の実
施例において従来型の熱定着装置と本発明の熱定着装置
におけるオフセット量の検討を行った。オフセット量は
加熱ローラ21を清掃するパッド24の汚れをマクベス
濃度計で表される黒濃度で定量化して比較した。本実施
例ではあえて静電オフセットし易いトナーを使用し、印
字率5%のチャートを1000枚印字した後のパッドの
汚れの差が顕著に判るようにした。
【0080】この結果を表4に示す。
【0081】
【表4】
【0082】この結果によれば従来型の熱定着装置は1
000枚後におけるパッドの汚れが、マクベス濃度で
1.0ないし1,3程度であるのに対して、本発明の熱
定着装置ではシート32aにより加熱ローラ21に発生
する電荷が有効に除去されるため静電オフセットが緩和
され、パッド24が清掃するトナー量が減少したので
0.3ないし0.5程度であり、汚れが大幅に減少して
いる。使用前の汚れていないパッドのマクベス濃度は
0.15ないし0.18程度であるので、汚れ量は従来
型と比較して4分の1から3分の1程度まで減少してい
る。
【0083】なお、本発明は前述した実施の形態に限定
されず、種々変形して実施することができる。
【0084】
【発明の効果】請求項1の発明の熱定着装置によれば、
第1のヒータは定着動作時期において加熱ローラを定着
温度に加熱するために使用し、第2のヒータは定着待機
時期においてシートが加熱ローラに接触した状態で発熱
体が発熱することにより空気を加熱することなく効率良
く加熱ローラを予備加熱することができるので、定着待
機時期の予備加熱工程における消費電力を低下させ、加
熱ローラ以外の部品やトナーの温度上昇を抑制すること
ができる。
【0085】請求項2の発明によれば、第2のヒータの
発熱体における単位時間当たりに発する熱量が第1のヒ
ータが未定着トナー像を定着させるために単位時間当た
りに発する熱量の100%以下であるために、電源投入
後に加熱ローラを定着温度させる。あるいは加熱ローラ
を定着待機状態から定着温度まで温度上昇させるウオー
ミングアップ時期における消費電力を減少させることが
できるとともに、ウオーミングアップ時間を短縮させる
ことができる。
【0086】請求項3の発明は、第2のヒータのシート
における加熱ローラ軸方向における寸法(幅寸法)の大
きさを特定し、請求項4の発明は、第2のヒータのシー
トにおける加熱ローラ軸方向に対して直交する方向にお
ける寸法を特定している。従って、請求項3および請求
項4の発明によれば、予備加熱時期や定着動作時期にお
いて加熱ローラを均一な温度分布で加熱することがで
き、記録紙におけるトナーの定着強度が一定になり、記
録紙の幅寸法の違いによる定着強度の変化を抑制でき
る。
【0087】請求項5の発明によれば、第2のヒータの
シートを第1のヒータに取付けて加熱ローラの回転方向
とは逆方向に向けて巻回しているので、第2のヒータの
シートを効果的に加熱ローラの内周面に接触させること
できるとともに、加熱ローラが回転する時にシートを加
熱ローラの内周面から離間し易いとともに第1のヒータ
を回転してシートを巻き付けると一層効果的に加熱ロー
ラの内周面から離間させることができる。
【0088】請求項6の発明によれば、第2のヒータの
シートが導電性を有して加熱ローラの内周面に接触する
ことにより、加熱ローラに存在する静電荷を第2のヒー
タにより逃がすことができ、加熱ローラにおける静電オ
フセット現象を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における熱定着装置を備
えた画像形成装置の構成を模式的に示す正面図。
【図2】同実施の形態における熱定着装置の構成を模式
的に示す図。
【図3】同実施の形態における熱定着装置の構成を模式
的に示す図。
【図4】同実施の形態の熱定着装置における消費電力お
よび加熱ローラの温度の推移を示す線図。
【符号の説明】
8…熱定着装置 21…加熱ローラ 22…加圧ローラ 31…棒状ヒータ(第1のヒータ) 31a…ランプ 31b…フィラメント 32…シート状ヒータ(第2のヒータ) 32a…シート 32b…発熱体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に設けたヒータにより加熱される円
    筒体をなす加熱ローラと、この加熱ローラに押圧接触す
    る加圧ローラとを回転し、この両ローラ間に未定着トナ
    ー像を有する記録紙を通して前記未定着トナー像を溶融
    して定着する熱定着装置において、 前記加熱ローラに備えたヒータは、前記加熱ローラの内
    部にその内周面から離間して軸方向に沿って配置され電
    圧を印加して発熱する第1のヒータと、前記加熱ローラ
    の内部にこの加熱ローラの内周面に接触して配置された
    シートおよびこのシートに重ね合せられ電圧の印加によ
    り発熱する発熱体を有する第2のヒータを備えたもので
    あることを特徴とする熱定着装置。
  2. 【請求項2】 前記第2のヒータの発熱体は単位時間当
    たりに発する熱量が前記第1のヒータが前記未定着トナ
    ー像を定着させるために単位時間当たりに発する熱量の
    100%以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    熱定着装置。
  3. 【請求項3】 前記第2のシート状ヒータのシートは加
    熱ローラ軸方向における寸法が前記記録紙の加熱ローラ
    軸方向における寸法の60〜100%の大きさであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱定着装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のヒータのシートは加熱ローラ
    軸方向に対して直交する方向における寸法が前記加熱ロ
    ーラの内周面の周方向長さの120〜200%の大きさ
    であることを特徴とする請求項1に記載の熱定着装置。
  5. 【請求項5】 前記第2のヒータのシートは加熱ローラ
    軸方向に対して直交する方向における一端が前記第1の
    ヒータに取付けられて前記加熱ローラの回転方向とは逆
    方向に向けて巻回されていることを特徴とする請求項1
    に記載の熱定着装置。
  6. 【請求項6】 前記第2のヒータのシートは導電性を有
    して前記加熱ローラの内周面に接触するものであること
    を特徴とする請求項1に記載の熱定着装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006084961A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2015176112A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 富士ゼロックス株式会社 ロール状回転体、定着装置及び画像形成装置

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