JPH09316548A - 通電加熱装置 - Google Patents

通電加熱装置

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Publication number
JPH09316548A
JPH09316548A JP13331096A JP13331096A JPH09316548A JP H09316548 A JPH09316548 A JP H09316548A JP 13331096 A JP13331096 A JP 13331096A JP 13331096 A JP13331096 A JP 13331096A JP H09316548 A JPH09316548 A JP H09316548A
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JP
Japan
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roll
heated
elastic
energizing
pressing
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Withdrawn
Application number
JP13331096A
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English (en)
Inventor
Shoji Yamagata
祥司 山形
Takaaki Osawa
孝明 大澤
Tetsuya Ohara
哲矢 大原
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパークレスの通電加熱を行なうために、被
加熱材の表面に現れた微小の凹凸に追従し、弾性復元性
および耐熱性にすぐれた弾性ロールを有し、該弾性ロー
ルが安定して保持された通電加熱装置を提供すること。 【解決手段】 被加熱材に通電し、該被加熱材を通電加
熱するための通電加熱装置において、前記被加熱材の高
温領域で該被加熱材と接触する通電ロールおよび/また
は押さえロールが、金属板が巻回され、かつ金属板と金
属板との間に間隙が形成されるように金属製スペーサー
が設けられた弾性体を有するシェルと軸とが一体化され
た弾性ロールであり、前記弾性ロールが2本のバックア
ップロールで支持されてなる通電加熱装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通電加熱装置に関
する。さらに詳しくは、たとえば帯状鋼板などの被加熱
材に焼入れ、焼なましなどの熱処理を施す際に用いられ
る通電加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、帯状鋼板などの被加熱材に焼入
れ、焼なましなどの熱処理を施すための通電加熱装置と
して、連続送給される被加熱材をその送給路に沿って所
定間隔を隔てて配置された通電ロールに接触させ、これ
ら両通電ロール間に電圧を印加して被加熱材を通電加熱
するための通電加熱装置が知られている。
【0003】前記通電加熱装置において、加熱出側の通
電ロールは、通電加熱によって高温になった被加熱材に
よって加熱されるが、このとき、通電ロールの軸方向の
長さは、被加熱材の幅よりも長いので、通電ロールの中
央近傍の接触部分が直接かつ集中的に加熱され、該通電
ロールの両末端近傍の非接触部分は、それほど加熱され
ない。したがって、通電ロールには、その製造時の直径
寸法が完全であっても、稼働中に軸方向に温度偏差が生
じ、直径偏差(以下、サーマルクラウンという)が発生
する。
【0004】このように、通電ロールにサーマルクラウ
ンが発生したばあいには、通電ロールと被加熱材との
間、とくに両者の間隙が大きくなる被加熱材のエッジ部
分で接触不良が生じ、両者間でスパークが発生し、通電
ロールの表面および被加熱材の表面にスパーク疵が入
り、とくに通電ロールのスパーク疵は、以降継続的に被
加熱材に転写疵を生じさせてしまうという問題がある。
そして、その結果、通電ロールの寿命の低下や被加熱材
の品質の低下などをひき起こす原因となっていた。
【0005】そこで、前記通電ロールと被加熱材との間
でスパークが発生するのを防止するために、金属シェル
内部に弾性ゴム層、弾性金属層または非金属の弾性材料
が用いられた押さえロールが用いられた通電加熱装置が
提案されている(特開平5−36467号公報)。
【0006】前記押さえロールを用いたばあいには、前
記押さえロールが圧下手段によって圧下されると、前記
押さえロールに用いられた弾性を有する層が径方向に弾
性変形して偏平となるので、押さえロールと被加熱材と
が、また被加熱材と通電ロールとが、被加熱材の全幅に
わたって接触されるようになり、確かに、スパークの発
生がある程度抑制されるようになる。
【0007】しかしながら、金属シェル内部に弾性ゴム
層が用いられた押さえロールを用いたばあいには、前記
被加熱材の高温領域で該被加熱材と接触する押さえロー
ルを、たとえば700〜900℃程度の高温に前記被加
熱材を加熱したとき、弾性ゴム層がゴムの耐熱温度以上
の温度に加熱されないように冷却するため、被加熱材が
押さえロールによって過冷却され、形状不良となるばあ
いがある。
【0008】また、金属シェル内部に弾性金属層が用い
られた押さえロールを用いたばあいには、該押さえロー
ルに用いられている弾性金属層は、ステンレス線材から
なる不織布または織布を巻付けたもの、ステンレス薄板
の多層巻きなどであるので剛性が大きいため、被加熱材
と通電ロールとの間でスパークが発生することがある。
そこで、かかるスパークの発生を抑制するために、押さ
えロールから被加熱材への線圧下力を増大させると過圧
下となり、被加熱材に形状不良が発生することがある。
【0009】また、金属シェル内部に非金属の弾性材料
が用いられた押さえロールは、長時間使用している間に
弾性を失い、復元力が低下するので、被加熱材と通電ロ
ールとの間でスパークが発生するようになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、スパークレスの通電加
熱を行なうために、被加熱材の表面に現れた微小の凹凸
に追従し、弾性復元性および耐熱性にすぐれた弾性ロー
ルが通電ロールおよび/または押さえロールに用いら
れ、かつ該弾性ロールが安定して保持された通電加熱装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、被加熱材に
通電し、該被加熱材を通電加熱するための通電加熱装置
において、前記被加熱材の高温領域で該被加熱材と接触
する通電ロールが、金属板が巻回され、かつ金属板と金
属板との間に間隙が形成されるように金属製スペーサー
が設けられた弾性体を有するシェルと軸とが一体化され
た弾性ロールであり、前記弾性ロールが2本のバックア
ップロールで支持されてなる通電加熱装置(以下、第1
発明という)、被加熱材に通電し、該被加熱材を通電
加熱するための通電加熱装置において、前記被加熱材の
高温領域で該被加熱材と接触する押さえロールが、金属
板が巻回され、かつ金属板と金属板との間に間隙が形成
されるように金属製スペーサーが設けられた弾性体を有
するシェルと軸とが一体化された弾性ロールであり、前
記弾性ロールが2本のバックアップロールで支持されて
なる通電加熱装置(以下、第2発明という)、ならびに
前記第2発明において、被加熱材の高温領域で該被加
熱材と接触する通電ロールが、金属板が巻回され、かつ
金属板と金属板との間に間隙が形成されるように金属製
スペーサーが設けられた弾性体を有するシェルと軸とが
一体化された弾性ロールであり、前記弾性ロールが2本
のバックアップロールで支持された通電加熱装置(以
下、第3発明という)に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、第1発明の通電
加熱装置は、前記したように、被加熱材に通電し、該被
加熱材を通電加熱するための通電加熱装置であり、前記
被加熱材の高温領域で該被加熱材と接触する通電ロール
が、金属板が巻回され、かつ金属板と金属板との間に間
隙が形成されるように金属製スペーサーが設けられた弾
性体を有するシェルと軸とが一体化された弾性ロールで
あり、前記弾性ロールが2本のバックアップロールで支
持されたものである。
【0013】第1発明においては、被加熱材の高温領域
で該被加熱材と接触する通電ロールが、金属板が巻回さ
れ、かつ金属板と金属板との間に間隙が形成されるよう
に金属製スペーサーが設けられた弾性体を有するシェル
と軸とが一体化された弾性ロールが用いられている点
に、1つの大きな特徴がある。
【0014】第1発明においては、通電ロールとして、
金属板が巻回され、かつ金属板と金属板との間に間隙が
形成されるように金属製スペーサーが設けられた弾性体
を有するシェルと軸とが一体化された弾性ロールが用い
られているので、被加熱材の表面に現れた微小の凹凸に
該弾性ロールが追従し、該弾性ロールが被加熱材の全幅
にわたって該被加熱材と接触するので、弾性ロールと被
加熱材との接触不良によるスパークの発生が効果的に防
止される。また、前記弾性ロールは、弾性復元性にすぐ
れたものであるので、長時間使用したばあいであって
も、該弾性ロール自体にはもとの形状に復元しないよう
な変形が生じない。さらに、前記弾性ロールに用いられ
ている弾性体は、金属で構成されているため、耐熱性に
もすぐれたものである。
【0015】第1発明に用いられる弾性ロールが弾性復
元性にすぐれている理由は、定かではないが、おそらく
前記弾性ロールの弾性体には、金属板が用いられてお
り、該金属板が本質的に弾性復元性にすぐれたものであ
ることに加えて、金属板と金属板との間には金属製スペ
ーサーが設けられているが、該金属製スペーサーが設け
られていない部分では、金属板と金属板との間に間隙が
あるので、いわゆるバネと同じように、弾性復元性がさ
らに付与されることにもとづくものと考えられる。この
ように、前記弾性ロールには、バネと同様に弾性を呈す
る弾性体が用いられているので、被加熱材の表面に現れ
た微小の凹凸に該弾性ロールが追従するものと考えられ
る。
【0016】また、従来のように通電ロールの軸を介し
て被加熱材に圧下を加えたばあいには、該被加熱材のエ
ッジ部分で通電ロールの圧下がもっとも大きく、通電ロ
ールの中央部分での圧下が小さくなり、通電ロールのロ
ール幅方向の圧下が不均一となり、スパークや被加熱材
の形状不良(絞り)が発生する。これに対して、第1発
明においては、通電ロールに用いられる弾性ロールが2
本のバックアップロールで支持されているので、該バッ
クアップロールによる圧下は、通電ロールのロール幅方
向に均一に加えられるため、その通電ロールのロール幅
方向に均一に加えられた圧下は、そのまま均一な状態で
被加熱材に加えられる。したがって、スパークレスの通
電加熱が可能となり、被加熱材の形状が良好となる。
【0017】以下に、第1発明の通電加熱装置を図面に
もとづいて説明する。
【0018】図1は、第1発明の通電加熱装置の一実施
態様を示す概略説明図である。
【0019】図1において、被加熱材1の下面には、通
電ロール2、3が配置されている。通電ロール2、3の
上部には、被加熱材1をはさんで通電ロール2、3と対
向する押さえロール4、5がそれぞれ配置されている。
また、バックアップロール6a、6bは、通電ロール3
と接触して配置されている。
【0020】被加熱材1は、通電ロール2上から通電ロ
ール3上へ矢印A方向に通板され、通板時には、電源7
からの通電により、自らジュール熱を発して発熱する。
したがって、通電ロール2は、低温側の通電ロール、通
電ロール3は、高温側の通電ロールとなり、通電加熱に
よるサーマルクラウンは、低温側の通電ロール2および
押さえロール4ではあまり発生しないが、高温側の通電
ロール3および押さえロール5で大きく発生するように
なる。
【0021】第1発明においては、通電ロール3がバッ
クアップロール6a、6bで支持されているので、バッ
クアップロール6a、6bによる圧下は、通電ロール3
に均一に加えられ、その通電ロール3のロール幅方向に
均一に加えられた圧下は、そのまま均一な状態で被加熱
材1に加えられる。したがって、スパークレスの通電加
熱が可能となり、被加熱材1の形状が良好となる。
【0022】通電ロール3としては、金属板が巻回さ
れ、かつ金属板と金属板との間に間隙が形成されるよう
にスペーサーが設けられた弾性体を有するシェルと軸と
が一体化された弾性ロールが用いられる。
【0023】前記弾性ロールとしては、たとえば図2〜
3に示されるような弾性ロールなどがあげられる。
【0024】図2は、第1発明の通電加熱装置に用いら
れる弾性ロールの一実施態様を示し、その軸に対して直
交方向における概略断面図である。
【0025】図2において、弾性ロール8は、金属板9
が巻回され、金属板9と金属板9との間に間隙が形成さ
れるように金属製スペーサーとして波形金属板10が設
けられた弾性体11を有するシェル12と軸13とが一
体化されたものである。
【0026】シェル12の材質としては、たとえばSN
CM439−H鋼などがあげられる。
【0027】シェル12の外径は、とくに限定がない
が、たとえば被加熱材1を700〜900℃程度の温度
に通電加熱するばあいには、150〜600mm程度と
することが好ましい。また、シェル12の厚さは、被加
熱材1の表面に現れた微小の凹凸に追従して変形するよ
うにするために、10mm以下、なかんづく7mm以下
とすることが好ましく、またあまりにも厚さが小さいば
あいには、シェル12が塑性変形を繰り返し、疲労破壊
するか、または弾性復元性が低いため、スパークが発生
しやすくなる傾向があるので、4mm以上、なかんづく
5mm以上であることが好ましい。
【0028】金属板9の材質としては、たとえばYUS
405Si鋼(13Cr−2Si相当)などがあげられ
る。
【0029】金属板9の板厚は、弾性ロール8に充分な
弾性復元性が付与されるようにするためには、0.2m
m以下、なかんづく0.1mm以下とすることが好まし
く、またあまりにも厚さが小さいばあいには、機械的強
度が低く、破損しやすくなる傾向があるので、0.03
mm以上、なかんづく0.05mm以上であることが好
ましい。
【0030】金属板9を巻回させて形成された間隙は、
とくに限定がなく、通常、直径方向で1〜2mm程度で
あればよい。
【0031】波形金属板10は、金属板9と金属板9と
の間に間隙が形成されるようにするためのスペーサーの
役割を担うものである。
【0032】波形金属板10の材質としては、たとえば
YUS405Si鋼(13Cr−2Si相当)などがあ
げられる。
【0033】波形金属板10の板厚は、弾性ロール8に
充分な弾性復元性が付与されるようにするためには、
0.2m以下、なかんづく0.1mm以下とすることが
好ましく、またあまりにも厚さが小さいばあいには、機
械的強度が低く、破損しやすくなる傾向があるので、
0.03mm以上、なかんづく0.05mm以上である
ことが好ましい。
【0034】波形金属板10の波形には、とくに限定が
なく、その例としては、たとえば図2に示されるような
三角形をはじめ、四角形、台形、半円形などがあげられ
るが、本発明はかかる例示によって限定されるものでは
ない。
【0035】なお、金属製スペーサーとして、図2に示
されるような波形金属板10を用いたばあいには、該波
形金属板10自身が弾性およびもとの形状に回復する復
元性を呈するので、弾性ロール8の弾性復元性が良好と
なるという利点がある。
【0036】弾性ロール8の中心部分には、軸13が設
けられている。
【0037】軸13の材質としては、たとえばS45C
鋼、S35C鋼などがあげられる。
【0038】軸13の直径は、とくに限定がないが、通
常80〜150mm程度であることが好ましい。
【0039】なお、図2に示されるように、弾性ロール
8の中心部分に設けられた軸13には、該軸13を冷却
させるための冷却水路14が設けられていてもよい。
【0040】弾性ロール8は、直接被加熱材1と接触す
るため、該被加熱材1によって加熱され、その熱は、金
属板9および波形金属板10に伝播し、弾性ロール8の
内部が高温となることがある。このようなばあいには、
金属板9および波形金属板10は酸化されやすくなり、
それによって材質に劣化をきたすことがある。したがっ
て、そのようなばあいには、金属板9と金属板9との間
隙には、たとえばチッ素ガス、アルゴンガスなどの不活
性ガスを導入することが好ましい。
【0041】図3は、第1発明の通電加熱装置に用いら
れる弾性ロールの他の一実施態様を示し、その軸に対し
て直交方向における概略断面図である。
【0042】図3において、弾性ロール8は、金属板9
が同心円状に巻回され、金属板9と金属板9との間に間
隙が形成されるように金属製スペーサーとして波形金属
板10が設けられた弾性体11を有するシェル12と軸
13とが一体化されたものである。
【0043】図3に示された弾性ロール8は、金属板9
および波形金属板10が同心円状に巻回されているのに
対し、図2に示された弾性ロール8は、金属板9および
波形金属板10が螺旋状に巻回されている点で、その構
成を異にしているが、その他の構成は、図2に示された
弾性ロール8と同様であればよい。
【0044】バックアップロール6a、6bの材質とし
ては、たとえばS45C鋼、S35C鋼、STPG38
鋼などがあげられる。
【0045】バックアップロール6a、6bの直径は、
とくに限定がないが、通常150〜600mm程度であ
ることが好ましい。
【0046】バックアップロール6a、6bは、通電ロ
ール3と接触させて用いられるが、バックアップロール
6aの軸と通電ロール3の軸の延長線と被加熱材1との
間の鋭角およびバックアップロール6bの軸と通電ロー
ル3の軸の延長線と被加熱材1との間の鋭角は、通電ロ
ール3が被加熱材1とバックアップロール6a、6bと
の間で安定して支持されるようにするために、それぞれ
50〜70°程度であることが好ましい。
【0047】バックアップロール6a、6bから通電ロ
ール3への圧下(ロール線圧)は、通電ロール3を被加
熱材1の表面に現れた微小の凹凸に追従するようにおよ
びスパークレスの通電加熱が可能となるようにするため
に、0.6kg/mm以上、なかんづく1kg/mm以
上とすることが好ましく、また良好な被加熱材1の形状
を確保するためには、4kg/mm以下、なかんづく3
kg/mm以下とすることが好ましい。
【0048】押さえロール5としては、従来用いられて
いる押さえロールを用いることができる。かかる押さえ
ロール5としては、たとえば均温ロール、カーボンロー
ルなどがあり、直径150〜600mm程度、ロール長
600〜2000mm程度を有するロールなどがあげら
れる。
【0049】押さえロール5による被加熱材1の圧下
は、とくに限定がないが、通常1〜5kg/mm程度で
あることが好ましい。
【0050】なお、低温側の通電ロール2および押さえ
ロール4には、とくに限定がなく、それぞれ従来の通電
ロールおよび押さえロールを用いることができる。
【0051】第1発明の通電加熱装置を用いて被加熱材
1を通電加熱する際には、バックアップロール6a、6
bを駆動させて、該バックアップロール6a、6bのト
ルクを通電ロール3に伝達させることができる。このよ
うに、バックアップロール6a、6bを駆動させて、該
バックアップロール6a、6bのトルクを通電ロール3
に伝達させたばあいには、通電ロール3には、トルク伝
達のための鏡板が必要とされなくなり、その結果、被加
熱材1の表面の微小の凹凸に追従した通電ロール3の変
形が阻害されなくなり、より通電ロール3が変形しやす
くなるという利点がある。
【0052】前記のように構成された第1発明の通電加
熱装置においては、通電ロール3には前記弾性ロールが
用いられており、前記弾性ロールが被加熱材1の表面に
現れた微小の凹凸に追従するので、前記弾性ロールが被
加熱材1の全幅にわたって接触されるようになり、通電
ロール3と被加熱材1との間でのスパークの発生が抑制
されるようになる。
【0053】また、前記弾性ロールは、金属板および金
属製スペーサーで構成されているので、耐熱性にすぐ
れ、また弾性復元性にすぐれているので、長期間にわた
って弾性を低下させずに使用することができる。
【0054】第2発明の通電加熱装置は、前記したよう
に、被加熱材に通電し、該被加熱材を通電加熱するため
の通電加熱装置であり、前記被加熱材の高温領域で該被
加熱材と接触する押さえロールが、金属板が巻回され、
かつ金属板と金属板との間に間隙が形成されるように金
属製スペーサーが設けられた弾性体を有するシェルと軸
とが一体化された弾性ロールであり、前記弾性ロールが
2本のバックアップロールで支持されたものである。
【0055】第2発明においては、被加熱材の高温領域
で該被加熱材と接触する押さえロールとして、金属板が
巻回され、かつ金属板と金属板との間に間隙が形成され
るように金属製スペーサーが設けられた弾性体を有する
シェルと軸とが一体化された弾性ロールが用いられてい
る点に、1つの大きな特徴がある。
【0056】第2発明においては、押さえロールとし
て、金属板が巻回され、かつ金属板と金属板との間に間
隙が形成されるように金属製スペーサーが設けられた弾
性体を有するシェルと軸とが一体化された弾性ロールが
用いられているので、被加熱材の表面に現れた微小の凹
凸に該弾性ロールが追従し、該弾性ロールが被加熱材の
全幅にわたって該被加熱材と接触し、さらに該被加熱材
が通電ロールの表面形状に追従するように押圧されるの
で、通電ロールと被加熱材との接触不良によるスパーク
の発生が効果的に防止される。また、第1発明と同様
に、弾性ロールは、弾性復元性にすぐれたものであるの
で、長時間使用したばあいであっても、該弾性ロール自
体にはもとの形状に復元しないような変形が生じない。
さらに、前記弾性ロールに用いられている弾性体は、金
属で構成されているため、耐熱性にもすぐれたものであ
る。
【0057】第2発明の通電加熱装置の押さえロールに
用いられる弾性ロールとしては、第1発明の通電加熱装
置の通電ロールに用いられる弾性ロールなどが用いられ
る。
【0058】したがって、第2発明の通電加熱装置の押
さえロールに用いられる弾性ロールは、第1発明と同様
に、金属板が本質的に有する弾性復元性に加えて、いわ
ゆるバネと同じような弾性復元性を有する。したがっ
て、前記弾性ロールは、被加熱材の表面に現れた微小の
凹凸に追従するようになるものと考えられる。
【0059】また、第2発明においては、押さえロール
として用いられている弾性ロールは、2本のバックアッ
プロールで支持されているので、該バックアップロール
による圧下は、押さえロールのロール幅方向に均一に加
えられるため、その押さえロールのロール幅方向に均一
に加えられた圧下は、そのまま均一な状態で被加熱材に
加えられる。したがって、スパークレスの通電加熱が可
能となり、被加熱材の形状が良好となる。
【0060】以下に、第2発明の通電加熱装置を図面に
もとづいて説明する。
【0061】図4は、第2発明の通電加熱装置の一実施
態様を示す概略説明図である。
【0062】図4において、被加熱材1の下面には、通
電ロール2、3が配置されている。通電ロール2、3の
上部には、被加熱材1をはさんで通電ロール2、3と対
向する押さえロール4、5がそれぞれ配置されている。
また、バックアップロール6c、6dは、押さえロール
5と接触して配置されている。
【0063】被加熱材1は、通電ロール2上から通電ロ
ール3上へ矢印A方向に通板され、通板時には、電源7
からの通電により、自らジュール熱を発して発熱する。
したがって、通電ロール2は、低温側の通電ロール、通
電ロール3は、高温側の通電ロールとなり、通電加熱に
よるサーマルクラウンは、低温側の通電ロール2および
押さえロール4ではあまり発生しないが、高温側の通電
ロール3および押さえロール5で大きく発生するように
なる。
【0064】第2発明においては、押さえロール5がバ
ックアップロール6c、6dで支持されているので、バ
ックアップロール6c、6dによる圧下は、押さえロー
ル5に均一に加えられ、その押さえロール5のロール幅
方向に均一に加えられた圧下は、そのまま均一な状態で
被加熱材1に加えられる。したがって、スパークレスの
通電加熱が可能となり、被加熱材1の形状が良好とな
る。
【0065】押さえロール5としては、金属板が巻回さ
れ、かつ金属板と金属板との間に間隙が形成されるよう
にスペーサーが設けられた弾性体を有するシェルと軸と
が一体化された弾性ロールが用いられる。
【0066】前記弾性ロールとしては、第1発明の通電
加熱装置に用いられる弾性ロールと同様に、たとえば図
2〜3に示されるような弾性ロールなどがあげられる。
【0067】前記バックアップロール6c、6dとして
は、第1発明の通電加熱装置に用いられるバックアップ
ロールと同様であればよい。
【0068】バックアップロール6c、6dは、押さえ
ロール5と接触させて用いられるが、バックアップロー
ル6cの軸と押さえロール5の軸の延長線と被加熱材1
との間の鋭角およびバックアップロール6dの軸と押さ
えロール5の軸の延長線と被加熱材1との間の鋭角は、
押さえロール5が被加熱材1とバックアップロール6
c、6dとの間で安定して支持されるようにするため
に、それぞれ50〜70°程度であることが好ましい。
【0069】バックアップロール6c、6dから押さえ
ロール5への圧下(ロール線圧)は、押さえロール5と
被加熱材1の表面に現れた微小の凹凸に追従するように
およびスパークレスの通電加熱が可能となるようにする
ために、0.6kg/mm以上、なかんづく1kg/m
m以上とすることが好ましく、また良好な被加熱材1の
形状を確保するためには、4kg/mm以下、なかんづ
く3kg/mm以下とすることが好ましい。
【0070】通電ロール3としては、従来用いられてい
る通電ロールを用いることができる。かかる通電ロール
3としては、たとえば均温ロールなどがあり、直径15
0〜600mm程度、ロール長600〜2000mm程
度を有するロールなどがあげられる。
【0071】通電ロール3による被加熱材1の圧下は、
とくに限定がないが、通常1〜5kg/mm程度である
ことが好ましい。
【0072】なお、低温側の通電ロール2および押さえ
ロール4には、とくに限定がなく、それぞれ従来の通電
ロールおよび押さえロールを用いることができる。
【0073】第2発明の通電加熱装置を用いて被加熱材
1を通電加熱する際には、バックアップロール6c、6
dを駆動させて、該バックアップロール6c、6dのト
ルクを押さえロール5に伝達させることができる。この
ように、バックアップロール6c、6dを駆動させて、
該バックアップロール6c、6dのトルクを押さえロー
ル5に伝達させたばあいには、押さえロール5には、ト
ルク伝達のための鏡板が必要とされなくなり、その結
果、被加熱材1の表面の微小の凹凸に追従した押さえロ
ール5の変形が阻害されなくなり、より押さえロール5
が変形しやすくなるという利点がある。
【0074】前記のように構成された第2発明の通電加
熱装置においては、押さえロール5には前記弾性ロール
が用いられており、前記弾性ロールが被加熱材1の表面
に現れた微小の凹凸に追従するので、前記弾性ロールが
被加熱材1の全幅にわたって接触され、該被加熱材1が
通電ロール3の表面形状に追従するように押圧されるよ
うになり、通電ロール3と被加熱材1との間でのスパー
クの発生が抑制されるようになる。
【0075】また、前記弾性ロールは、金属板および金
属製スペーサーで構成されているので、耐熱性にすぐ
れ、また弾性復元性にすぐれているので、長期間にわた
って弾性を低下させずに使用することができる。
【0076】第3発明の通電加熱装置は、第2発明の通
電加熱装置において、被加熱材の高温領域で該被加熱材
と接触する通電ロールが、金属板が巻回され、かつ金属
板と金属板との間に間隙が形成されるように金属製スペ
ーサーが設けられた弾性体を有するシェルと軸とが一体
化された弾性ロールであり、前記弾性ロールが2本のバ
ックアップロールで支持されたものである。
【0077】第3発明には、第2発明の通電加熱装置に
おいて、被加熱材の高温領域で該被加熱材と接触する通
電ロールが、金属板が巻回され、かつ金属板と金属板と
の間に間隙が形成されるように金属製スペーサーが設け
られた弾性体を有するシェルと軸とが一体化された弾性
ロールが用いられている点に、大きな特徴がある。
【0078】第3発明においては、通電ロールに前記弾
性ロールが用いられているので、第1発明と同様に、被
加熱材の表面に現れた微小の凹凸に該弾性ロール(通電
ロール)が追従し、該弾性ロールが被加熱材の全幅にわ
たって該被加熱材と接触するため、弾性ロールと被加熱
材との接触不良によるスパークの発生が効果的に防止さ
れる。また、前記弾性ロールは、弾性復元性にすぐれた
ものであるので、長時間使用したばあいであっても、該
弾性ロール自体にはもとの形状に復元しないような変形
が生じない。さらに、前記弾性ロールに用いられている
弾性体は、金属で構成されているため、耐熱性にもすぐ
れている。
【0079】また、前記通電ロールに用いられる弾性ロ
ールが2本のバックアップロールで支持されているの
で、該バックアップロールによる圧下は、通電ロールの
ロール幅方向に均一に加えられるため、その通電ロール
のロール幅方向に均一に加えられた圧下は、そのまま均
一な状態で被加熱材に加えられる。したがって、スパー
クレスの通電加熱が可能となり、被加熱材の形状が良好
となる。
【0080】以下に、第3発明の通電加熱装置を図面に
もとづいて説明する。
【0081】図5は、第3発明の通電加熱装置の一実施
態様を示す概略説明図である。
【0082】図5において、被加熱材1の下面には、通
電ロール2、3が配置されている。通電ロール2、3の
上部には、被加熱材1をはさんで通電ロール2、3と対
向する押さえロール4、5がそれぞれ配置されている。
また、バックアップロール6a、6bは通電ロール3
と、バックアップロール6c、6dは押さえロール5
と、それぞれ接触して配置されている。
【0083】被加熱材1は、通電ロール2上から通電ロ
ール3上へ矢印A方向に通板され、通板時には、電源7
からの通電により、自らジュール熱を発して発熱する。
したがって、通電ロール2は、低温側の通電ロール、通
電ロール3は、高温側の通電ロールとなり、通電加熱に
よるサーマルクラウンは、低温側の通電ロール2および
押さえロール4ではあまり発生しないが、高温側の通電
ロール3および押さえロール5で大きく発生するように
なる。
【0084】第3発明においては、通電ロール3がバッ
クアップロール6a、6bで支持されているので、バッ
クアップロール6a、6bによる圧下は、通電ロール3
に均一に加えられ、その通電ロール3のロール幅方向に
均一に加えられた圧下は、そのまま均一な状態で被加熱
材1に加えられる。したがって、スパークレスの通電加
熱が可能となり、被加熱材1の形状が良好となる。
【0085】また、押さえロール5がバックアップロー
ル6c、6dで支持されているので、バックアップロー
ル6c、6dによる圧下は、押さえロール5に均一に加
えられ、その押さえロール5のロール幅方向に均一に加
えられた圧下は、そのまま均一な状態で被加熱材1に加
えられる。したがって、スパークレスの通電加熱が可能
となり、被加熱材1の形状が良好となる。
【0086】通電ロール3および押さえロール5として
は、それぞれ、金属板が巻回され、かつ金属板と金属板
との間に間隙が形成されるように金属製スペーサーが設
けられた弾性体を有するシェルと軸とが一体化された弾
性ロールが用いられる。
【0087】前記弾性ロールとしては、第1〜2発明の
通電加熱装置に用いられる弾性ロールと同様に、たとえ
ば図2〜3に示されるような弾性ロールなどがあげられ
る。
【0088】前記バックアップロール6a〜6dとして
は、第1〜2発明の通電加熱装置に用いられるバックア
ップロールと同様であればよい。
【0089】バックアップロール6a、6bは、通電ロ
ール3と接触させて用いられるが、バックアップロール
6aの軸と通電ロール3の軸の延長線と被加熱材1との
間の鋭角およびバックアップロール6bの軸と通電ロー
ル3の軸の延長線と被加熱材1との間の鋭角は、通電ロ
ール3が被加熱材1とバックアップロール6a、6bと
の間で安定して支持されるようにするために、それぞれ
50〜70°程度であることが好ましい。
【0090】また、バックアップロール6c、6dは、
押さえロール5と接触させて用いられるが、バックアッ
プロール6cの軸と押さえロール5の軸の延長線と被加
熱材1との間の鋭角およびバックアップロール6dの軸
と押さえロール5の軸の延長線と被加熱材1との間の鋭
角は、押さえロール5が被加熱材1とバックアップロー
ル6c、6dとの間で安定して支持されるようにするた
めに、それぞれ50〜70°程度であることが好まし
い。
【0091】バックアップロール6a、6bから通電ロ
ール3への圧下(ロール線圧)は、第1発明と同様に、
下限値が0.6kg/mm以上、なかんづく1kg/m
m以上であることが好ましく、また上限値が4kg/m
m以下、なかんづく3kg/mm以下であることが好ま
しい。
【0092】また、バックアップロール6c、6dから
押さえロール5への圧下(ロール線圧)は、第2発明と
同様に、下限値が0.6kg/mm以上、なかんづく1
kg/mm以上であることが好ましく、また上限値が4
kg/mm以下、なかんづく3kg/mm以下であるこ
とが好ましい。
【0093】なお、低温側の通電ロール2および押さえ
ロール4には、とくに限定がなく、それぞれ従来の通電
ロールおよび押さえロールを用いることができる。
【0094】第3発明の通電加熱装置を用いて被加熱材
1を通電加熱する際には、バックアップロール6a、6
bを駆動させて、該バックアップロール6a、6bのト
ルクを通電ロール3に伝達させてもよく、またバックア
ップロール6c、6dを駆動させて、該バックアップロ
ール6c、6dのトルクを押さえロール5に伝達させて
もよい。このように、バックアップロール6a〜6dを
駆動させて、該バックアップロール6a〜6dのトルク
を通電ロール3や押さえロール5に伝達させたばあいに
は、通電ロール3や押さえロール5には、トルク伝達の
ための鏡板が必要とされなくなり、その結果、被加熱材
1の表面の微小の凹凸に追従した通電ロール3や押さえ
ロール5の変形が阻害されなくなり、より通電ロール3
や押さえロール5が変形しやすくなるという利点があ
る。
【0095】前記のように構成された第3発明の通電加
熱装置においては、通電ロール3および押さえロール5
にはそれぞれ弾性ロールが用いられており、前記弾性ロ
ールが被加熱材1の表面に現れた微小の凹凸に追従する
ので、前記弾性ロールが被加熱材1の全幅にわたって接
触されるようになり、通電ロール3と被加熱材1との間
でのスパークの発生が抑制されるようになる。
【0096】また、前記弾性ロールは、金属板および金
属製スペーサーで構成されているので、耐熱性にすぐ
れ、また弾性復元性にすぐれているので、長時間にわた
って弾性を低下させずに使用することができる。
【0097】第3発明の通電加熱装置は、通電ロール3
および押さえロール5のいずれにも、弾性ロールが用い
られているので、被加熱材1の表面に現れた微小の凹凸
により追従しやすくなり、これら弾性ロールが被加熱材
1の全幅にわたって該被加熱材1とより接触するように
なるため、第1〜3発明のなかでもとくに好ましい装置
である。
【0098】
【実施例】つぎに本発明の通電加熱装置を実施例にもと
づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例
のみに限定されるものではない。
【0099】実施例1 弾性ロールとして、図2に示されるような弾性ロールを
用いた。
【0100】図2において、金属板9としてYUS40
5Si鋼板(厚さ0.05mm)が巻回され、これらの
鋼板間に幅約2mmの間隙が形成されるように金属製ス
ペーサーとして波形金属板10(YUS405Si鋼
板、厚さ0.05mm、三角波形状、三角波形のピッチ
約2mm、波高約2mm)が設けられた弾性体11を有
するSNCM439−H鋼製シェル(外径270mm、
内径250mm、ロール幅1400mm)とS35C鋼
製軸13(外径80mm、中心部に直径20mmの冷却
水路14)とが一体化されたものを用いた。
【0101】前記弾性ロールの軸方向におけるバネ定数
を求めたところ、14kg/mm2であった。
【0102】通電加熱装置として、図1に示されるよう
な通電加熱装置を用いた。
【0103】図1に示される通電加熱装置において、高
温側の通電ロール3として前記弾性ロールを用いた。ま
た、バックアップロール6a、6bとしてそれぞれST
KM14C−S鋼製ロール(直径250mm、ロール幅
1400mm、中心部に直径16mmの冷却水路)を用
い、バックアップロール6a、6bの軸と通電ロール3
の軸の延長線と被加熱材1との間の鋭角をそれぞれ60
°に設定し、バックアップロール6a、6bから通電ロ
ール3への圧下(ロール線圧)を0.1kg/mmに調
整した。また、低温側の通電ロール2としてSTPT4
80鋼製通電ロール(直径300mm、ロール幅140
0mm)を用い、低温側の押さえロール4としてゴムロ
ール(直径300mm、ロール幅1450mm)を、高
温側の押さえロール5としてSNCM439鋼製均温ロ
ール(直径400mm、ロール幅1450mm)を用い
た。
【0104】つぎに、通電ロール3に用いられた弾性ロ
ールの冷却水路14に冷却水を導入し、軸13の幅方向
中央部分の表面温度が稼働時に30℃以下となるように
調整し、またバックアップロール6a、6b内の冷却水
路に冷却水を導入し、稼働時にバックアップロール6
a、6bの表面温度が40℃以下となるように調整し、
該バックアップロール6a、6bを駆動させながら、板
厚0.2mm、板幅1000mmの帯状鋼板が通電ロー
ル3と押さえロール5との間を通過するときに850℃
に通電加熱されるように、電源7の電流および通板速度
を調整した。なお、通電ロール3から帯状鋼板へのロー
ル線圧は2kg/mm、通電ロール2と通電ロール3と
の間の帯状鋼板の張力は3.5kg/mm2となるよう
に設定した。
【0105】稼働を開始して30分間、通電ロール3を
観察したが、該通電ロール3は、帯状鋼板の表面に現れ
た微小の凹凸に追従し、稼働中にスパークの発生が認め
られなかった。
【0106】また、帯状鋼板の通板時に、バックアップ
ロール6a、6bを駆動させていたので、通電ロール3
にトルク伝達の鏡板が必要とされず、その結果、通電ロ
ール3の変形が阻害されることなく、該通電ロール3が
帯状鋼板の表面の微小の凹凸に追従してより変形しやす
くなり、該通電ロール3の弾性復元性が阻害されずに該
通電ロール3を稼働させることができた。
【0107】実施例2 弾性ロールとして、実施例1で用いられたものと同じ弾
性ロールを用いた。
【0108】通電加熱装置として、図4に示されるよう
な通電加熱装置を用いた。
【0109】図4に示される通電加熱装置において、高
温側の押さえロール5として前記弾性ロールを用いた。
また、バックアップロール6c、6dとしてそれぞれS
TKM14C−S鋼製ロール(直径250mm、ロール
幅1400mm、中心部に直径16mmの冷却水路)を
用い、バックアップロール6c、6dの軸と押さえロー
ル5の軸の延長線と被加熱材1と間の鋭角をそれぞれ6
0°に設定し、バックアップロール6c、6dから押さ
えロール5への圧下(ロール線圧)を0.1kg/mm
に調整した。また、低温側の通電ロール2としてSTP
T480鋼製通電ロール(直径300mm、ロール幅1
400mm)を、高温側の通電ロール3としてSNCM
439鋼製均温ロール(直径400mm、ロール幅14
50mm)を用い、低温側の押さえロール4としてゴム
ロール(直径300mm、ロール幅1400mm)を用
いた。
【0110】つぎに、押さえロール5に用いられた弾性
ロールの冷却水路14に冷却水を導入し、軸13の幅方
向中央部分の表面温度が稼働時に30℃以下となるよう
に調整し、またバックアップロール6c、6d内の冷却
水路に冷却水を導入し、稼働時にバックアップロール6
c、6dの表面温度が40℃以下となるように調整し、
該バックアップロール6c、6dを駆動させながら、板
厚0.2mm、板幅1000mmの帯状鋼板が通電ロー
ル3と押さえロール5との間を通過するときに850℃
に通電加熱されるように、電源7の電流および通板速度
を調整した。なお、押さえロール5から帯状鋼板へのロ
ール線圧は2kg/mm、通電ロール2と通電ロール3
との間の帯状鋼板の張力は3.5kg/mm2となるよ
うに設定した。
【0111】稼働を開始して30分間、押さえロール5
を観察したが、該押さえロール5は、帯状鋼板の表面に
現れた微小の凹凸に追従し、かつ通電ロール3の表面形
状に帯状鋼板が追従するように押圧されていたので、稼
働中にスパークの発生が認められなかった。
【0112】また、帯状鋼板の通板時に、バックアップ
ロール6c、6dを駆動させていたので、押さえロール
5にトルク伝達の鏡板が必要とされず、その結果、押さ
えロール5の変形が阻害されることなく、該押さえロー
ル5が帯状鋼板の表面の微小の凹凸に追従してより変形
しやすくなり、該押さえロール5の弾性復元性が阻害さ
れずに該押さえロール5を稼働させることができた。
【0113】実施例3 通電加熱装置として、図5に示されるような通電加熱装
置を用いた。
【0114】通電ロール2、3、バックアップロール6
a、6b、押さえロール4および電源7を実施例1と同
様に配設した。
【0115】また、押さえロール5およびバックアップ
ロール6c、6dを実施例2と同様に配設した。
【0116】つぎに、通電ロール3および押さえロール
5に用いられた弾性ロールの冷却水路14に冷却水を導
入し、軸13の幅方向中央部分の表面温度が稼働時に3
0℃以下となるように調整し、またバックアップロール
6a、6b、6c、6d内の冷却水路に冷却水を導入
し、稼働時にバックアップロール6a、6b、6c、6
dの表面温度が40℃以下となるように調整し、該バッ
クアップロール6a、6b、6c、6dを駆動させなが
ら、板厚0.2mm、板幅1000mmの帯状鋼板が通
電ロール3と押さえロール5との間を通過するときに8
50℃に通電加熱されるように、電源7の電流および通
板速度を調整した。なお、通電ロール3から帯状鋼板へ
のロール線圧は2kg/mm、押さえロール5から帯状
鋼板へのロール線圧は2kg/mm、通電ロール2と通
電ロール3との間の帯状鋼板の張力は3.5kg/mm
2となるように設定した。
【0117】稼働を開始して30分間、通電ロール3お
よび押さえロール5を観察したが、該通電ロール3およ
び該押さえロール5は、いずれも帯状鋼板の表面に現れ
た微小の凹凸に追従していたので、稼働中にスパークの
発生が認められなかった。
【0118】また、帯状鋼板の通板時に、バックアップ
ロール6a、6b、6c、6dを駆動させていたので、
通電ロール3および押さえロール5にトルク伝達の鏡板
が必要とされず、その結果、通電ロール3および押さえ
ロール5の変形が阻害されることなく、該通電ロール3
および押さえロール5が帯状鋼板の表面の微小の凹凸に
追従してより変形しやすくなり、通電ロール3および押
さえロール5の弾性復元性が阻害されずに該通電ロール
3および押さえロール5を稼働させることができた。
【0119】比較例1 実施例1において、バックアップロール6a、6bを用
いずに、通電ロール3として、ステンレス鋼製薄板(厚
さ0.1mm)が巻回された弾性金属層を有するYUS
180鋼製シェル(外径270mm、内径250mm、
ロール幅1400mm)とS35C鋼製軸(外径80m
m、中心部に直径20mmの冷却水路)とが一体化され
たものを用いたほかは、実施例1と同様にして帯状鋼板
の通板を行なった。なお、前記通電ロール3の軸方向に
おけるバネ定数は、100kg/mm2であった。
【0120】稼働を開始して30分間、通電ロール3を
観察したところ、帯状鋼板と通電ロール3との間でスパ
ークが発生した。
【0121】比較例2 実施例1において、バックアップロール6a、6bを用
いずに、通電ロール3として、ステンレス線材(直径
0.02mm)からなる不織布(坪量200g/m2
が巻回された弾性金属層を有するSNCM439−H鋼
製シェル(外径270mm、内径250mm、ロール幅
1400mm)とS35C鋼製軸(外径80mm、中心
部に直径20mmの冷却水路)とが一体化されたものを
用いたほかは、実施例1と同様にして帯状鋼板の通板を
行なった。なお、前記通電ロール3の軸方向におけるバ
ネ定数は、10kg/mm2であった。
【0122】稼働を開始して30分間、通電ロール3を
観察したところ、該通電ロール3は、弾性復元性が小さ
いことから、繰り返し荷重によって疲労破壊および塑性
変形が生じ、帯状鋼板を幅方向に均一に圧下することが
できなくなり、帯状鋼板と通電ロールとの間でスパーク
が発生した。
【0123】
【発明の効果】本発明の通電加熱装置は、高温側の通電
ロールおよび/または押さえロールに、弾性復元性およ
び耐熱性にすぐれた弾性ロールが用いられており、該弾
性ロールは、被加熱材の表面に現れた微小の凹凸に追従
するので、被加熱材と通電ロールとの間でスパークが発
生するの防止することができるという効果を奏する。
【0124】また、本発明の通電加熱装置は、弾性ロー
ルがバックアップロールで安定して保持されているの
で、該弾性ロールの弾性復元性が安定して保持されると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通電加熱装置の一実施態様を示す概略
説明図である。
【図2】本発明の通電加熱装置に用いられる弾性ロール
の軸に対して直交方向における概略断面図である。
【図3】本発明の通電加熱装置に用いられる弾性ロール
の軸に対して直交方向における概略断面図である。
【図4】本発明の通電加熱装置の一実施態様を示す概略
説明図である。
【図5】本発明の通電加熱装置の一実施態様を示す概略
説明図である。
【符号の説明】
1 被加熱材 2 通電ロール 3 通電ロール 4 押さえロール 5 押さえロール 6a バックアップロール 6b バックアップロール 6c バックアップロール 6d バックアップロール 8 弾性ロール 9 金属板 11 弾性体 12 シェル 13 軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱材に通電し、該被加熱材を通電加
    熱するための通電加熱装置において、前記被加熱材の高
    温領域で該被加熱材と接触する通電ロールが、金属板が
    巻回され、かつ金属板と金属板との間に間隙が形成され
    るように金属製スペーサーが設けられた弾性体を有する
    シェルと軸とが一体化された弾性ロールであり、前記弾
    性ロールが2本のバックアップロールで支持されてなる
    通電加熱装置。
  2. 【請求項2】 被加熱材に通電し、該被加熱材を通電加
    熱するための通電加熱装置において、前記被加熱材の高
    温領域で該被加熱材と接触する押さえロールが、金属板
    が巻回され、かつ金属板と金属板との間に間隙が形成さ
    れるように金属製スペーサーが設けられた弾性体を有す
    るシェルと軸とが一体化された弾性ロールであり、前記
    弾性ロールが2本のバックアップロールで支持されてな
    る通電加熱装置。
  3. 【請求項3】 被加熱材の高温領域で該被加熱材と接触
    する通電ロールが、金属板が巻回され、かつ金属板と金
    属板との間に間隙が形成されるように金属製スペーサー
    が設けられた弾性体を有するシェルと軸とが一体化され
    た弾性ロールであり、前記弾性ロールが2本のバックア
    ップロールで支持されてなる請求項2記載の通電加熱装
    置。
  4. 【請求項4】 弾性ロールが、金属板として金属製平板
    が巻回され、かつ金属製平板と金属製平板との間に金属
    製スペーサーとして波形金属板が設けられた弾性体を有
    するシェルと軸とが一体化された弾性ロールである請求
    項1、2または3記載の通電加熱装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015176112A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 富士ゼロックス株式会社 ロール状回転体、定着装置及び画像形成装置

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