JPH08176684A - 薄鋼板の通電加熱方法 - Google Patents
薄鋼板の通電加熱方法Info
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- JPH08176684A JPH08176684A JP32614894A JP32614894A JPH08176684A JP H08176684 A JPH08176684 A JP H08176684A JP 32614894 A JP32614894 A JP 32614894A JP 32614894 A JP32614894 A JP 32614894A JP H08176684 A JPH08176684 A JP H08176684A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 薄鋼板を通電ロールと押さえロールとで挟持
して、該通電ロールを介して薄鋼板に電流を通し、ジュ
ール熱により薄鋼板を連続熱処理する方法において、溶
接点近傍の形状不良の発生を抑え、未焼鈍部分を最小限
にする。 【構成】 溶接点近傍の蛇行量及び溶接点の位置をあら
かじめ検出し、形状不良が発生する条件で溶接点が通電
ロール間を通過する間のみ電源を切り、ロールを開放す
る。
して、該通電ロールを介して薄鋼板に電流を通し、ジュ
ール熱により薄鋼板を連続熱処理する方法において、溶
接点近傍の形状不良の発生を抑え、未焼鈍部分を最小限
にする。 【構成】 溶接点近傍の蛇行量及び溶接点の位置をあら
かじめ検出し、形状不良が発生する条件で溶接点が通電
ロール間を通過する間のみ電源を切り、ロールを開放す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄鋼板を連続熱処理す
るため、薄鋼板に直接通電して所定の温度に加熱する薄
鋼板の通電加熱方法に関する。
るため、薄鋼板に直接通電して所定の温度に加熱する薄
鋼板の通電加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷延薄鋼板等の金属帯を連続熱処理する
ための加熱方法としては、ガス焚きの輻射管加熱や電気
ヒーターによる間接加熱が一般的である。しかし、これ
らの加熱方法は、加熱速度が遅いこと、通板サイズ変更
時に生産性が低下すること等の問題がある。
ための加熱方法としては、ガス焚きの輻射管加熱や電気
ヒーターによる間接加熱が一般的である。しかし、これ
らの加熱方法は、加熱速度が遅いこと、通板サイズ変更
時に生産性が低下すること等の問題がある。
【0003】この問題を解決するために通電加熱を採用
することが提唱されており、たとえば特公昭60−26
818号公報に記載されているように、金属帯に通電ロ
ールを介して直接通電し、金属帯自体のジュール熱によ
り加熱する方法がある。また、特開平1−142032
号公報、特開平1−187789号公報に記載されてい
るように、環状トランスを貫通する金属帯通路の前後に
通電ロールを設け、両通電ロールを導電性部材で接続し
て金属帯、通電ロールおよび導電性部材により閉回路を
構成し、環状トランスに外部電源から交流電流を通電す
ることにより上記閉回路を二次コイルとして誘導電流を
発生させ、この誘導電流によるジュール熱で金属帯を加
熱する方法がある。
することが提唱されており、たとえば特公昭60−26
818号公報に記載されているように、金属帯に通電ロ
ールを介して直接通電し、金属帯自体のジュール熱によ
り加熱する方法がある。また、特開平1−142032
号公報、特開平1−187789号公報に記載されてい
るように、環状トランスを貫通する金属帯通路の前後に
通電ロールを設け、両通電ロールを導電性部材で接続し
て金属帯、通電ロールおよび導電性部材により閉回路を
構成し、環状トランスに外部電源から交流電流を通電す
ることにより上記閉回路を二次コイルとして誘導電流を
発生させ、この誘導電流によるジュール熱で金属帯を加
熱する方法がある。
【0004】これら金属帯に直接電流を通し、ジュール
熱で加熱する方法は、直火型無酸化加熱、輻射管加熱、
間接電気加熱等と比較して、単位時間当たりの加熱能力
が高く、設備をコンパクトにすることができ、また、熱
応答性が非常に良いことから加熱制御が容易である等の
点で優れている。
熱で加熱する方法は、直火型無酸化加熱、輻射管加熱、
間接電気加熱等と比較して、単位時間当たりの加熱能力
が高く、設備をコンパクトにすることができ、また、熱
応答性が非常に良いことから加熱制御が容易である等の
点で優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記通電加熱方法はい
ずれも通電ロールを介して薄鋼板等の金属帯に通電す
る。そして、通電ロールは金属帯の加熱開始側の端と終
了側の端とで金属帯に接触して通電する必要があるが、
スパーク発生を防止するために金属帯と通電ロールとの
均一な接触を保持しなければならない。そのためには、
特開平1−142032号公報に記載されているように
金属帯を昇降自在な押さえロールで挟持し、圧下を加え
ることが有効である。しかし、この方法では金属帯がロ
ールによって拘束されるために、金属帯が蛇行する場合
には通電ロールスタンド間で金属帯がねじれ形状不良を
発生するという問題が生じる。ところで、通常金属帯を
熱処理する場合は金属帯間をフラッシュバット溶接やレ
ーザー溶接で接合した後、連続して通板処理する方法が
用いられる。金属帯内の蛇行のようにあまり急激に蛇行
しない場合には特願平5−103287号に記載の方法
では対応できない。
ずれも通電ロールを介して薄鋼板等の金属帯に通電す
る。そして、通電ロールは金属帯の加熱開始側の端と終
了側の端とで金属帯に接触して通電する必要があるが、
スパーク発生を防止するために金属帯と通電ロールとの
均一な接触を保持しなければならない。そのためには、
特開平1−142032号公報に記載されているように
金属帯を昇降自在な押さえロールで挟持し、圧下を加え
ることが有効である。しかし、この方法では金属帯がロ
ールによって拘束されるために、金属帯が蛇行する場合
には通電ロールスタンド間で金属帯がねじれ形状不良を
発生するという問題が生じる。ところで、通常金属帯を
熱処理する場合は金属帯間をフラッシュバット溶接やレ
ーザー溶接で接合した後、連続して通板処理する方法が
用いられる。金属帯内の蛇行のようにあまり急激に蛇行
しない場合には特願平5−103287号に記載の方法
では対応できない。
【0006】従って、薄鋼板を通電ロールと押さえロー
ルとで挟持して通電加熱し連続熱処理する方法におい
て、溶接点の通電加熱に伴って発生する課題を解決でき
る公知技術はない。そこで、本発明は薄鋼板の連続通電
加熱方法における溶接点を含む薄鋼板の通電加熱方法を
提供する。
ルとで挟持して通電加熱し連続熱処理する方法におい
て、溶接点の通電加熱に伴って発生する課題を解決でき
る公知技術はない。そこで、本発明は薄鋼板の連続通電
加熱方法における溶接点を含む薄鋼板の通電加熱方法を
提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、通電ロールと
これと対向して設けた昇降自在な押さえロールとからな
るロール対を、薄鋼板の通板方向に少なくとも2対設
け、該ロール対の通電ロールと押さえロールとで薄鋼板
を挟持して、該通電ロールを介して薄鋼板に電流を流
し、ジュール熱により薄鋼板を加熱する薄鋼板の通電加
熱方法において、薄鋼板の溶接点の位置を低温側通電ロ
ールの前面にて予め検出し、溶接点が低温側通電ロール
に接触する前に、前記通電ロールへの通電を断つと共
に、前記押さえロールを開放し、溶接点の位置が高温側
通電ロールを通過したのち、前記押さえロールを押し込
み、薄鋼板を挟持して、前記通電ロールに通電すること
を特徴とする薄鋼板の通電加熱方法である。
これと対向して設けた昇降自在な押さえロールとからな
るロール対を、薄鋼板の通板方向に少なくとも2対設
け、該ロール対の通電ロールと押さえロールとで薄鋼板
を挟持して、該通電ロールを介して薄鋼板に電流を流
し、ジュール熱により薄鋼板を加熱する薄鋼板の通電加
熱方法において、薄鋼板の溶接点の位置を低温側通電ロ
ールの前面にて予め検出し、溶接点が低温側通電ロール
に接触する前に、前記通電ロールへの通電を断つと共
に、前記押さえロールを開放し、溶接点の位置が高温側
通電ロールを通過したのち、前記押さえロールを押し込
み、薄鋼板を挟持して、前記通電ロールに通電すること
を特徴とする薄鋼板の通電加熱方法である。
【0008】また、薄鋼板の溶接点の位置及び溶接点近
傍の蛇行量を低温側通電ロールの前面にて予め検出し、
溶接点近傍の蛇行量が薄鋼板長さ1m当たり1mm以上の
場合、溶接点が低温側通電ロールに接触する前に、前記
通電ロールへの通電を断つと共に、前記押さえロールを
開放し、溶接点の位置が高温側通電ロールを通過したの
ち、前記押さえロールを押し込み、薄鋼板を挟持して、
前記通電ロールに通電することを特徴とする薄鋼板の通
電加熱方法である。
傍の蛇行量を低温側通電ロールの前面にて予め検出し、
溶接点近傍の蛇行量が薄鋼板長さ1m当たり1mm以上の
場合、溶接点が低温側通電ロールに接触する前に、前記
通電ロールへの通電を断つと共に、前記押さえロールを
開放し、溶接点の位置が高温側通電ロールを通過したの
ち、前記押さえロールを押し込み、薄鋼板を挟持して、
前記通電ロールに通電することを特徴とする薄鋼板の通
電加熱方法である。
【0009】また、溶接点の位置が高温側通電ロールを
通過したことは、高温側通電ロール後面での溶接点の位
置検出装置によって検出することが可能であるし、ある
いは低温側前面での溶接点の検出位置に基づき、薄鋼板
の通板速度と、高温側通電ロールまでの距離とによって
検知することも可能である。
通過したことは、高温側通電ロール後面での溶接点の位
置検出装置によって検出することが可能であるし、ある
いは低温側前面での溶接点の検出位置に基づき、薄鋼板
の通板速度と、高温側通電ロールまでの距離とによって
検知することも可能である。
【0010】ここで低温側通電ロールとは鋼板進行方向
の前方の側の通電ロール、高温側通電ロールとは後方側
の通電ロールを意味する。
の前方の側の通電ロール、高温側通電ロールとは後方側
の通電ロールを意味する。
【0011】
【作用】本発明では、薄鋼板を通電ロールと昇降装置を
備えた押さえロールとで挟持し、圧下を加えて連続通電
加熱する方法において、溶接点の位置及び溶接点近傍の
蛇行量を低温側通電ロールの前面にてあらかじめ検出
し、溶接点が通電ロール間を通過中は電流を切り、押さ
えロールを開放させるものである。
備えた押さえロールとで挟持し、圧下を加えて連続通電
加熱する方法において、溶接点の位置及び溶接点近傍の
蛇行量を低温側通電ロールの前面にてあらかじめ検出
し、溶接点が通電ロール間を通過中は電流を切り、押さ
えロールを開放させるものである。
【0012】鋼板を連続熱処理するために複数の鋼板を
相互に接合して連続した帯板とするが、その際、図5に
示すように前材と後材センターラインのずれや、鋼板先
端或いは後端の曲がりにより溶接点近傍の蛇行を完全に
避けることはできない。鋼板をロールで挟持し拘束した
状態で蛇行した鋼板を通板させようとすると、鋼板を挟
持する力が抵抗となり、特に容器用薄鋼板の連続焼鈍の
ように板厚0.4mm以下の薄鋼板を通電加熱する場合に
は鋼板自体の強度が弱いこともあって容易に絞りと呼ば
れる形状不良が発生する。このような形状不良が発生す
ると鋼板品質不良となるばかりでなく、形状不良が著し
い場合には鋼板の破断や通電ロールまたは押さえロール
に疵をつけることになる。
相互に接合して連続した帯板とするが、その際、図5に
示すように前材と後材センターラインのずれや、鋼板先
端或いは後端の曲がりにより溶接点近傍の蛇行を完全に
避けることはできない。鋼板をロールで挟持し拘束した
状態で蛇行した鋼板を通板させようとすると、鋼板を挟
持する力が抵抗となり、特に容器用薄鋼板の連続焼鈍の
ように板厚0.4mm以下の薄鋼板を通電加熱する場合に
は鋼板自体の強度が弱いこともあって容易に絞りと呼ば
れる形状不良が発生する。このような形状不良が発生す
ると鋼板品質不良となるばかりでなく、形状不良が著し
い場合には鋼板の破断や通電ロールまたは押さえロール
に疵をつけることになる。
【0013】鋼板の連続熱処理においては、溶接点近傍
も他の部分と同様に同一速度で通板しながら焼鈍できる
ことが望ましい。しかしながら、前記のような溶接点で
の蛇行が不可避であることから、前記のような理由で鋼
板を挟持、拘束したまま通板することは不可能である。
従って、溶接点の位置を予め検出し、溶接点が通電ロー
ルを通過する時は押さえロールを昇降装置で引き上げ開
放し、同時にスパークの発生を防止するために電流を切
るものである。溶接点の溶接点通過は、通常、加熱ライ
ンを制御する中央演算装置に予め溶接点の位置を記録し
ておき、鋼板の進行にしたがってその位置をトラッキン
グすることによって検知することが可能であるが、好ま
しくは通電ロール直前、直後で実際に溶接点の通過を実
際に検出し確認することが必要である。特に低温側通電
ロール直前の溶接点の位置を検出することは薄鋼板の形
状不良や通電ロールへのダメージを回避するために重要
である。高温側通電ロールの溶接点通過の検知方法は、
溶接点の位置検出装置で直接検知しても、また、低温側
通電ロール前面の溶接点検出位置に基づき、薄鋼板の通
板速度と高温側通電ロールまでの距離とによって高温側
通電ロールを溶接点が通過する時刻を予測し検知しても
よい。具体的な溶接点通過の検出方法は鋼板溶接点近傍
にあけられた孔があればこれを利用し、なければ予めあ
けておき、孔を光電管等で検出することにより確認でき
る。
も他の部分と同様に同一速度で通板しながら焼鈍できる
ことが望ましい。しかしながら、前記のような溶接点で
の蛇行が不可避であることから、前記のような理由で鋼
板を挟持、拘束したまま通板することは不可能である。
従って、溶接点の位置を予め検出し、溶接点が通電ロー
ルを通過する時は押さえロールを昇降装置で引き上げ開
放し、同時にスパークの発生を防止するために電流を切
るものである。溶接点の溶接点通過は、通常、加熱ライ
ンを制御する中央演算装置に予め溶接点の位置を記録し
ておき、鋼板の進行にしたがってその位置をトラッキン
グすることによって検知することが可能であるが、好ま
しくは通電ロール直前、直後で実際に溶接点の通過を実
際に検出し確認することが必要である。特に低温側通電
ロール直前の溶接点の位置を検出することは薄鋼板の形
状不良や通電ロールへのダメージを回避するために重要
である。高温側通電ロールの溶接点通過の検知方法は、
溶接点の位置検出装置で直接検知しても、また、低温側
通電ロール前面の溶接点検出位置に基づき、薄鋼板の通
板速度と高温側通電ロールまでの距離とによって高温側
通電ロールを溶接点が通過する時刻を予測し検知しても
よい。具体的な溶接点通過の検出方法は鋼板溶接点近傍
にあけられた孔があればこれを利用し、なければ予めあ
けておき、孔を光電管等で検出することにより確認でき
る。
【0014】ところで、押さえロールを開放して通電を
断った場合、溶接点を中心に通電ロール間距離の2倍以
上が未焼鈍材となり切り捨てとなる。この切り捨て量を
できるだけ少なくするためには、ロール開放の操作を形
状不良発生の可能性のある場合のみ、しかもできるだけ
短時間とすることが有効である。
断った場合、溶接点を中心に通電ロール間距離の2倍以
上が未焼鈍材となり切り捨てとなる。この切り捨て量を
できるだけ少なくするためには、ロール開放の操作を形
状不良発生の可能性のある場合のみ、しかもできるだけ
短時間とすることが有効である。
【0015】発明者らは形状不良の発生を防止できる許
容蛇行量を調査したところ、図4に示すように薄鋼板長
さ1m当たりの蛇行量が1mm以上で金属帯の形状不良が
発生し始めることが判明した。通常、このような急激な
蛇行は溶接点近傍に限られることから、溶接点近傍の蛇
行量が前記の値以上のときは、溶接点が通電加熱装置を
通過する間のみ通電加熱装置の通電を断ち、押さえロー
ルを開放すればよい。溶接点近傍の蛇行量が鋼板長さ1
m当たり1mmにも達しないような小さい場合には、通常
通りの通電加熱を継続すればよい。
容蛇行量を調査したところ、図4に示すように薄鋼板長
さ1m当たりの蛇行量が1mm以上で金属帯の形状不良が
発生し始めることが判明した。通常、このような急激な
蛇行は溶接点近傍に限られることから、溶接点近傍の蛇
行量が前記の値以上のときは、溶接点が通電加熱装置を
通過する間のみ通電加熱装置の通電を断ち、押さえロー
ルを開放すればよい。溶接点近傍の蛇行量が鋼板長さ1
m当たり1mmにも達しないような小さい場合には、通常
通りの通電加熱を継続すればよい。
【0016】蛇行量は、例えばブライドルロール上を通
過する溶接点前後の鋼板をカメラで連続して撮影し、図
5に示すように単位時間内の鋼板端部の変位量(δ(m
m))をその時間内の鋼板通過長さ(L(m))で除し
た値を画像処理することにより求めることができる。こ
の値が1.0以上のときは通電を断ち、押さえロールを
開放することにより通電を制御できる。
過する溶接点前後の鋼板をカメラで連続して撮影し、図
5に示すように単位時間内の鋼板端部の変位量(δ(m
m))をその時間内の鋼板通過長さ(L(m))で除し
た値を画像処理することにより求めることができる。こ
の値が1.0以上のときは通電を断ち、押さえロールを
開放することにより通電を制御できる。
【0017】蛇行量検出装置は通電加熱装置前面の充分
に離れた位置に、また、溶接点通過の検出装置は低温側
通電ロールの前面および高温側通電ロールの後面に設置
することが望ましい。
に離れた位置に、また、溶接点通過の検出装置は低温側
通電ロールの前面および高温側通電ロールの後面に設置
することが望ましい。
【0018】本発明は薄鋼板の溶接点近傍の蛇行の検知
のみでなく、連続した薄鋼板全体に亘って蛇行を検知
し、薄鋼板の蛇行に伴う形状不良の発生を防止すること
にも容易に適用可能である。即ち、蛇行の発生した位置
と蛇行量を前記の蛇行検出装置で検知し、蛇行量が薄鋼
板長さ1m当たり1mm以上の場合、蛇行検出装置から低
温側通電ロールまでの距離とその時の通板速度とから蛇
行した薄鋼板が低温側通電ロールへ到達する時刻を予測
して、低温側通電ロールに接触する前に、前記通電ロー
ルへの通電を断つと共に、押さえロールを開放し、蛇行
の位置が高温側通電ロールを通過したのち、再び押さえ
ロールを押し込み前記通電ロールへ通電する方法も可能
である。
のみでなく、連続した薄鋼板全体に亘って蛇行を検知
し、薄鋼板の蛇行に伴う形状不良の発生を防止すること
にも容易に適用可能である。即ち、蛇行の発生した位置
と蛇行量を前記の蛇行検出装置で検知し、蛇行量が薄鋼
板長さ1m当たり1mm以上の場合、蛇行検出装置から低
温側通電ロールまでの距離とその時の通板速度とから蛇
行した薄鋼板が低温側通電ロールへ到達する時刻を予測
して、低温側通電ロールに接触する前に、前記通電ロー
ルへの通電を断つと共に、押さえロールを開放し、蛇行
の位置が高温側通電ロールを通過したのち、再び押さえ
ロールを押し込み前記通電ロールへ通電する方法も可能
である。
【0019】以下、本発明の作用を図面を用いて説明す
る。図1は薄鋼板連続熱処理ラインの一例を示す。薄鋼
板1は前コイルと溶接装置11で溶接され、ブライドル
ロール15で張力設定された後に通電加熱装置16、冷
却装置17にて熱処理される。通電加熱装置16の前面
の蛇行量測定装置10にて溶接点近傍の蛇行量を測定
し、鋼板長さ1m当たりの蛇行量が1mm以上の時には、
通電加熱装置直前の溶接点検出装置8を溶接点が通過し
たのを確認後、通電加熱の電流を切り、ロールを開放し
て溶接点を通電加熱装置内を通過せしめ、通電加熱装置
直後の溶接点検出装置9を溶接点が通過したのを確認
後、通電加熱を再開するのである。
る。図1は薄鋼板連続熱処理ラインの一例を示す。薄鋼
板1は前コイルと溶接装置11で溶接され、ブライドル
ロール15で張力設定された後に通電加熱装置16、冷
却装置17にて熱処理される。通電加熱装置16の前面
の蛇行量測定装置10にて溶接点近傍の蛇行量を測定
し、鋼板長さ1m当たりの蛇行量が1mm以上の時には、
通電加熱装置直前の溶接点検出装置8を溶接点が通過し
たのを確認後、通電加熱の電流を切り、ロールを開放し
て溶接点を通電加熱装置内を通過せしめ、通電加熱装置
直後の溶接点検出装置9を溶接点が通過したのを確認
後、通電加熱を再開するのである。
【0020】図2は通電加熱装置部分を拡大したもので
ある。通電加熱装置は通電ロール2,4と押さえロール
3で薄鋼板1を挟持し、環状トランス7に外部電源6よ
り交流電流を通し、通電ロール2,4間の薄鋼板1に誘
導電流を発生させジュール熱で加熱する装置であって、
通電装置の直前直後に光電管式の溶接点検出装置8,9
が備えられている。溶接点近傍の蛇行量が前記のように
充分に大きい場合には、溶接点が検出装置8を通過した
のを確認した後に電源を切り、図3に示すような押さえ
ロール昇降用油圧シリンダ12で押さえロール3を引き
上げて薄鋼板1をロールで挟持することなく通電加熱装
置内を通板させ、通電加熱装置後面の溶接点検出装置9
で溶接点の通かを確認した後に通電加熱を再開する。ま
た、通電加熱装置後面の溶接点検出装置9を用いずに、
通電加熱装置前面の溶接点検出装置8の検出位置に基づ
き、薄鋼板1の通板速度と、高温側通電ロール4までの
距離によって溶接点の通電加熱装置16の通過を検知す
る事も可能である。溶接点近傍の蛇行量が小さい場合に
は前記操作は不要である。
ある。通電加熱装置は通電ロール2,4と押さえロール
3で薄鋼板1を挟持し、環状トランス7に外部電源6よ
り交流電流を通し、通電ロール2,4間の薄鋼板1に誘
導電流を発生させジュール熱で加熱する装置であって、
通電装置の直前直後に光電管式の溶接点検出装置8,9
が備えられている。溶接点近傍の蛇行量が前記のように
充分に大きい場合には、溶接点が検出装置8を通過した
のを確認した後に電源を切り、図3に示すような押さえ
ロール昇降用油圧シリンダ12で押さえロール3を引き
上げて薄鋼板1をロールで挟持することなく通電加熱装
置内を通板させ、通電加熱装置後面の溶接点検出装置9
で溶接点の通かを確認した後に通電加熱を再開する。ま
た、通電加熱装置後面の溶接点検出装置9を用いずに、
通電加熱装置前面の溶接点検出装置8の検出位置に基づ
き、薄鋼板1の通板速度と、高温側通電ロール4までの
距離によって溶接点の通電加熱装置16の通過を検知す
る事も可能である。溶接点近傍の蛇行量が小さい場合に
は前記操作は不要である。
【0021】
【実施例】図2に示す通電加熱装置を用い、溶接点前後
の鋼板のセンターラインのずれが異なる3水準の溶接点
を300mおきに織り込んだ0.05%C含有0.20
t×850wアルミキルド鋼板を750℃に加熱した。
通電加熱装置の前面で溶接点近傍の蛇行量を測定したと
ころ、鋼板長さ1m当たりそれぞれ3.0,1.2,
0.5mmであった。これらの溶接点を通電加熱した結
果、1番蛇行の大きかった溶接点では低温側通電ロール
付近で激しい絞りが発生したため、即座に電流を切り、
押さえロールを開放した。1.2mmの蛇行が測定された
溶接点では、高温側ロール付近で鋼板にたるみが発生し
通電加熱はできたものの非常に不安定であった。また、
最も蛇行の小さかった溶接点は安定して通電加熱ができ
た。
の鋼板のセンターラインのずれが異なる3水準の溶接点
を300mおきに織り込んだ0.05%C含有0.20
t×850wアルミキルド鋼板を750℃に加熱した。
通電加熱装置の前面で溶接点近傍の蛇行量を測定したと
ころ、鋼板長さ1m当たりそれぞれ3.0,1.2,
0.5mmであった。これらの溶接点を通電加熱した結
果、1番蛇行の大きかった溶接点では低温側通電ロール
付近で激しい絞りが発生したため、即座に電流を切り、
押さえロールを開放した。1.2mmの蛇行が測定された
溶接点では、高温側ロール付近で鋼板にたるみが発生し
通電加熱はできたものの非常に不安定であった。また、
最も蛇行の小さかった溶接点は安定して通電加熱ができ
た。
【0022】
【発明の効果】薄鋼板の通電加熱方法において、本発明
により、薄鋼板の溶接点が通電ロールを通過することに
伴う鋼板の破断やロールへのダメージを回避することが
でき、安定した連続熱処理が可能となる。
により、薄鋼板の溶接点が通電ロールを通過することに
伴う鋼板の破断やロールへのダメージを回避することが
でき、安定した連続熱処理が可能となる。
【図1】本発明を実施するための通電加熱装置を含む薄
鋼板の連続熱処理ラインの一例を示す図である。
鋼板の連続熱処理ラインの一例を示す図である。
【図2】本発明を実施するための環状トランスを使った
通電加熱装置を示す図である。
通電加熱装置を示す図である。
【図3】通電加熱装置における押さえロール昇降装置を
示す正面図である。
示す正面図である。
【図4】鋼板の蛇行量と鋼板の形状との関係を示す図で
ある。
ある。
【図5】鋼板の溶接点の形態と蛇行量を示す図である。
1 薄鋼板 2 低温側通電ロール 3 押さえロール 4 高温側通電ロール 5 導電材 6 電源 7 環状トランス 8 前面の位置検出装置 9 後面の位置検出装置 10 蛇行検出装置 11 溶接装置 12 押さえロール昇降用油圧シリンダ 13 押さえロール用チョック 14 通電ロール用チョック 15 ブライドルロール 16 通電加熱装置 17 冷却装置 18 リール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永瀬 隆夫 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内
Claims (4)
- 【請求項1】 通電ロールとこれと対向して設けた昇降
自在な押さえロールとからなるロール対を、薄鋼板の通
板方向に少なくとも2対設け、該ロール対の通電ロール
と押さえロールとで薄鋼板を挟持して、該通電ロールを
介して薄鋼板に電流を流し、ジュール熱により薄鋼板を
加熱する薄鋼板の通電加熱方法において、薄鋼板の溶接
点の位置を低温側通電ロールの前面にて予め検出し、溶
接点が低温側通電ロールに接触する前に、前記通電ロー
ルへの通電を断つと共に、前記押さえロールを開放し、
溶接点の位置が高温側通電ロールを通過したのち、前記
押さえロールを押し込み、薄鋼板を挟持して、前記通電
ロールに通電することを特徴とする薄鋼板の通電加熱方
法。 - 【請求項2】 通電ロールとこれと対向して設けた昇降
自在な押さえロールとからなるロール対を、薄鋼板の通
板方向に少なくとも2対設け、該ロール対の通電ロール
と押さえロールとで薄鋼板を挟持して、該通電ロールを
介して薄鋼板に電流を流し、ジュール熱により薄鋼板を
加熱する薄鋼板の通電加熱方法において、薄鋼板の溶接
点の位置及び溶接点近傍の蛇行量を低温側通電ロールの
前面にて予め検出し、溶接点近傍の蛇行量が薄鋼板長さ
1m当たり1mm以上の場合、溶接点が低温側通電ロール
に接触する前に、前記通電ロールへの通電を断つと共
に、前記押さえロールを開放し、溶接点の位置が高温側
通電ロールを通過したのち、前記押さえロールを押し込
み、薄鋼板を挟持して、前記通電ロールに通電すること
を特徴とする薄鋼板の通電加熱方法。 - 【請求項3】 溶接点の位置が高温側通電ロールを通過
したことを、高温側通電ロール後面での溶接点の位置検
出装置によって検知することを特徴とする、請求項1又
は2に記載の加熱方法。 - 【請求項4】 溶接点の位置が高温側通電ロールを通過
したことを、低温側通電ロール前面での溶接点の検出位
置に基づき、薄鋼板の通板速度と、高温側通電ロールま
での距離とによって検知することを特徴とする、請求項
1又は2に記載の加熱方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32614894A JPH08176684A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 薄鋼板の通電加熱方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32614894A JPH08176684A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 薄鋼板の通電加熱方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08176684A true JPH08176684A (ja) | 1996-07-09 |
Family
ID=18184592
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32614894A Withdrawn JPH08176684A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 薄鋼板の通電加熱方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08176684A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990025222A (ko) * | 1997-09-11 | 1999-04-06 | 이구택 | 전도열에 의한 강판의 연속가열 방법 및 그 장치 |
JP2006328502A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Nippon Steel Corp | 鋼帯の通電加熱方法 |
JP2006342404A (ja) * | 2005-06-10 | 2006-12-21 | Nippon Steel Corp | 鋼帯の通電加熱方法 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP32614894A patent/JPH08176684A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990025222A (ko) * | 1997-09-11 | 1999-04-06 | 이구택 | 전도열에 의한 강판의 연속가열 방법 및 그 장치 |
JP2006328502A (ja) * | 2005-05-27 | 2006-12-07 | Nippon Steel Corp | 鋼帯の通電加熱方法 |
JP4630130B2 (ja) * | 2005-05-27 | 2011-02-09 | 新日本製鐵株式会社 | 鋼帯の通電加熱方法 |
JP2006342404A (ja) * | 2005-06-10 | 2006-12-21 | Nippon Steel Corp | 鋼帯の通電加熱方法 |
JP4630134B2 (ja) * | 2005-06-10 | 2011-02-09 | 新日本製鐵株式会社 | 鋼帯の通電加熱方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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