JP6296210B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法に関する。
本願は、2015年12月28日に、日本に出願された特願2015−256743号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、亜鉛めっき鋼板の防錆処理としては、クロメート処理が広く用いられていた。しかし、6価クロムが人体に有害であることが問題視されている。特に近年では、環境保護の観点から6価クロムを規制する動きが加速しており、様々なクロメートフリーの防錆処理が開発及び実用化されている。
また、溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性を改善するため、溶融亜鉛めっき層がMgを含有する溶融亜鉛めっき鋼板も実用化されている。Mgを含有する溶融亜鉛めっき鋼板は、耐黒変性に劣る、すなわち、高温多湿の環境下に長時間曝された場合、めっき表面が黒く変色して商品価値が著しく低下しやすいことが知られている。
Mgを含有する溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性及び耐黒変性を改善する技術として、例えば特許文献1のようなクロメートフリー皮膜を溶融亜鉛めっき層上に形成することが知られている。特許文献1のクロメートフリー皮膜は、塩基性ジルコニウム化合物、バナジル(VO2+)含有化合物、リン酸化合物、コバルト化合物、有機酸などの無機化合物又は低分子量の有機化合物からなる。
最近では、クロメートフリー皮膜は、従来の一次防錆性に加えて、長期間にわたって好適な耐食性を有することが要求されている。具体的には、クロメートフリー皮膜には、めっき層が腐食し白錆が発生することによる外観の低下を抑制する性能(以下、耐白錆性と呼称する)及び鋼板から発生する赤錆に対する耐性(以下、耐赤錆性と呼称する)が求められている。
長期間にわたって好適な耐食性を有するクロメートフリー皮膜としては、有機樹脂皮膜が知られており、例えば特許文献2には、フッ素を0.5〜5at%、リンを0.5〜5at%含有する、シリカ−有機樹脂複合皮膜が開示されている。また、特許文献3には、コバルト化合物を含有する有機樹脂皮膜が開示されている。
一方、溶融亜鉛めっき鋼板の耐黒変性を改善する技術としては、Co含有処理液を用いためっき層の表面処理法が特許文献4に開示されている。
また、溶融亜鉛めっき鋼板の耐黒変性を改善する別の技術として、Co及びZn含有処理液を用いた溶融亜鉛めっき層の表面処理法が特許文献5に開示されている。
国際公開第2007/123276号 日本国特開2000−263695号公報 日本国特開2008−291350号公報 日本国特開昭59−177381号公報 日本国特開平11−200066号公報
特許文献1のクロメートフリー皮膜に含まれる上述の化合物は腐食環境下で易溶性であるため、腐食初期には高度な耐食性を発揮するが、腐食が進行した後の耐食性は不十分である。
特許文献2のシリカ−有機樹脂複合皮膜は、Mgを含有しない溶融亜鉛めっき鋼板上に設けられた場合には効果を発揮する。しかしながら、特許文献2のシリカ−有機樹脂複合皮膜は、Mgを含有する溶融亜鉛めっき鋼板上に設けられた場合には、耐黒変性が不十分である。
特許文献3の有機樹脂皮膜は、コバルト化合物と有機樹脂との両方を含む処理液をめっき鋼板上に塗布することにより形成されているため、有機樹脂皮膜中にコバルト化合物が分散している。この場合には、好適な耐赤錆性及び好適な耐黒変性を得ることが難しい。
特許文献4に開示されているCoを用いためっき層の表面処理法は、Coによる表面処理後にクロメート処理を施すことを前提としている。そのため、Coによる表面処理後にクロメートフリー皮膜を形成する場合には、十分な特性が得られない場合がある。例えば、Mgを含有する溶融亜鉛めっき層に、特許文献4のCoによる表面処理を施し、その上層に特許文献2の有機樹脂皮膜を形成した場合には、耐白錆性、耐赤錆性及び耐黒変性の全ての特性を好適にすることは難しい。
特許文献5に開示されているCo及びZnによる溶融亜鉛めっき層の表面処理法は、Co及びZnによる表面処理後にクロメート処理を施すことを前提としている。そのため、Co及びZnによる表面処理後にクロメートフリー皮膜を形成する場合には、十分な特性が得られない場合がある。例えば、Mgを含有する溶融亜鉛めっき層に、特許文献5のCo及びZnによる表面処理を施し、その上層に特許文献2の有機樹脂皮膜を形成した場合には、耐白錆性、耐赤錆性及び耐黒変性の全ての特性を好適にすることは難しい。
上述の問題は、Mgを含有する溶融亜鉛めっき層のAl濃度が1.0%程度未満の場合、溶融亜鉛めっき層のAl濃度に比してMg濃度が高い場合、及び、めっきの付着量が高い場合に、より顕在化しやすい。
上述したように、Mg含有溶融亜鉛めっき層とクロメートフリー皮膜とを備え、耐白錆性、耐赤錆性及び耐黒変性の全てに優れた溶融亜鉛めっき鋼板の開発が望まれている。
発明者らは、鋭意研究した結果、亜鉛めっき層の表層に、Co析出物を存在させ、その後に、有機樹脂皮膜を形成されることで、耐白錆性、耐赤錆性及び耐黒変性の全てに優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造できることを見出した。
本発明は、上記課題を解決して、係る目的を達成するために以下の手段を採用する。
(1)本発明の一態様に係る溶融亜鉛めっき鋼板は、鋼板と、前記鋼板の表面に設けられ、Mg:0.05〜2.00質量%、Al:0.1質量%以上1.0質量%未満、Ni:0.05〜2.00質量%を含有し、残部がZn及び不純物からなる溶融亜鉛めっき層と、前記溶融亜鉛めっき層の表面に設けられ、金属Co量に換算して0.1〜2.0mg/mのCo析出物、Mg及びZnを含有するCo−Mg−Zn層と、前記Co−Mg−Zn層の上層に設けられた有機樹脂皮膜と、を備える。
(2)上記(1)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板において、前記溶融亜鉛めっき層が、更に、Li:0.001〜0.200質量%,Na:0.001〜0.200質量%,K:0.001〜0.200質量%,Ca:0.001〜0.200質量%,Sr:0.001〜0.200質量%,Sc:0.001〜0.200質量%,Y:0.001〜0.200質量%,Ti:0.001〜0.200質量%,Zr:0.001〜0.200質量%,Cu:0.001〜0.200質量%,Sn:0.001〜0.200質量%,Si:0.001〜0.200質量%,ミッシュメタル:0.001〜0.200質量%、のうち1種以上を含有してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板において、前記有機樹脂皮膜が、りん酸およびその塩、ピロリン酸およびその塩、メタりん酸およびその塩、ポリりん酸およびその塩、フィチン酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸のうち1種以上を含有し、かつ、V化合物、Si化合物、Ti化合物及びZr化合物のうち1種以上を含有してもよい。
(4)本発明の別の一態様に係る溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、上記(1)〜(3)の何れか一態様に係る溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法であって、鋼板の表面に、Mg:0.05〜2.00質量%、Al:0.1質量%以上1.0質量%未満、Ni:0.05〜2.00質量%を含有し、残部がZn及び不純物からなる溶融亜鉛めっき層を形成する工程と、前記溶融亜鉛めっき層を有する前記鋼板に、0.1〜0.5g/LのCoイオン、0.2〜2.0g/LのZnイオン及び0.1〜2.0g/lのMgイオンを含有する酸性水溶液に接触させることによりCo−Mg−Zn層を形成する工程と、前記Co−Mg−Zn層の表面に有機樹脂皮膜形成液を塗布し、乾燥することにより有機樹脂皮膜を形成する工程と、を有する。
(5)上記(4)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記酸性水溶液に含有される前記Coイオンの濃度が、前記Znイオンの濃度未満かつ前記Mgイオンの濃度未満であってもよい。
(6)上記(4)又は(5)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記酸性水溶液のpHが1〜3であり、前記酸性水溶液の温度が40℃以下であり、前記溶融亜鉛めっき層を有する前記鋼板と前記酸性水溶液との接触時間が5秒以下であってもよい。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板は、耐白錆性、耐赤錆性及び耐黒変性の全てに優れている。
Co−Mg−Zn層とクロメートフリーの有機樹脂皮膜とを備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐黒変性との関係を示すグラフである。 Co−Mg−Zn層とクロメートフリーの有機樹脂皮膜とを備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐白錆性との関係を示すグラフである。 Co−Mg−Zn層とクロメートフリーの有機樹脂皮膜とを備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐赤錆性との関係を示すグラフである。 Co−Mg−Zn層とクロメート皮膜とを備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐黒変性との関係を示すグラフである。 Co−Mg−Zn層とクロメート皮膜とを備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐白錆性との関係を示すグラフである。 Co−Mg−Zn層とクロメート皮膜とを備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐赤錆性との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板の層構成を示す模式図である。 GDSにより本実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板を分析した際の結果を示すグラフである。 GDSにより、溶融亜鉛めっき層上にCoを含有する有機樹脂皮膜を形成した場合の溶融亜鉛めっき鋼板を分析した際の結果を示すグラフである。
以下、実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法を、図面を参照して説明する。
なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
(溶融亜鉛めっき鋼板10)
最初に、本実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板10について説明する。
図7は、本実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板10の層構成を示す模式図である。図7に示すように、溶融亜鉛めっき鋼板10は、鋼板1と、鋼板1の表面に設けられ、Mg:0.05〜2.00質量%、Al:0.1質量%以上1.0質量%未満、Ni:0.05〜2.00質量%を含有し、残部がZn及び不純物からなる溶融亜鉛めっき層3と、溶融亜鉛めっき層3の表面に設けられ、金属Co量に換算して0.1〜2.0mg/mのCo析出物4、Mg6及びZn8を含有するCo−Mg−Zn層5と、Co−Mg−Zn層5の上層に設けられた有機樹脂皮膜7と、を備える。
<鋼板1>
溶融亜鉛めっき鋼板10に用いる鋼板1は特に限定されず、通常溶融亜鉛めっき鋼板に使用される鋼板を用いることができる。この鋼板1の製造法及び材質なども特に限定されず、通常の鋼片製造工程から熱間圧延、酸洗、冷間圧延、焼鈍、及び調質圧延等の工程を経て製造されていればよい。
<溶融亜鉛めっき層3>
溶融亜鉛めっき層3は鋼板1の表面に設けられ、Mg:0.05〜2.00質量%、Al:0.1質量%以上1.0質量%未満、Ni:0.05〜2.00質量%を含有し、残部がZn及び不純物からなる。
溶融亜鉛めっき層3は、更に、Li,Na,K,Ca,Sr,Sc,Y,Ti,Zr,Cu,Sn,Si,ミッシュメタルなど1種又は2種以上の元素をそれぞれ0.200質量%以下、好ましくは0.001〜0.200質量%、より好ましくは0.001〜0.100質量%含有してもよい。上述の元素は、特に厚目付の場合の溶融亜鉛めっき層3の凝固を均一化し、外観や耐黒変性、耐食性、特に耐白錆性及び耐赤錆性の改善に寄与する。
溶融亜鉛めっき層3は、製造過程で不可避的に混入する場合を除き、Coを含有しないものとする。
Mgが0.05%未満では、耐黒変性や耐白錆性は良好である一方、耐赤錆性が低下するため好ましくない。Mgが2.00%を超えると外観が悪化しやすいことに加えて、耐黒変性や耐白錆性が低下するため好ましくない。そのため、Mgを0.05〜2.00%とする。Mg濃度のより好ましい範囲は0.30〜1.00%である。
Alが0.1%未満では、鋼板1と溶融亜鉛めっき層3との界面にZn−Fe合金層が発達することにより、耐赤錆性が低下するため好ましくない。Alが1.0%以上では、溶融亜鉛めっき層3の付着量を多くすることが困難となり、耐赤錆性が低下する場合があるため好ましくない。そのため、Alを0.1%以上1.0%未満とする。
Al濃度の上限は、好ましくは0.85%であり、0.8%、0.75%、0.5%であってもよい。Al濃度の下限は、好ましくは0.2%であり、さらに好ましくは0.25%である。
溶融亜鉛めっき層3がMgを含有する場合、溶融亜鉛めっき層3の表面近傍にMg濃化部(不図示)が発生しやすい。つまり、溶融亜鉛めっき層3を深さ方向に見たとき、表面近傍のMg濃度は内部に比べて高い。また、Mgは鋼板1中のFe及びZnよりもイオン化傾向が高いため、Fe及びZnよりも先に溶け出す傾向(犠牲防食作用)がある。溶融亜鉛めっき層3がMgを含む場合、深さ方向に関するMgの不均一な局在とMgの犠牲防食作用とにより、Mgが局所的に溶出し、耐黒変性や耐白錆性が低下すると推定される。
上述した耐黒変性や耐白錆性の低下は、溶融亜鉛めっき層3のAl濃度がMg濃度よりも低い場合に顕著である。
溶融亜鉛めっき層3中のAl濃度がMg濃度よりも高い場合には、溶融亜鉛めっき層3中にAl相とZn−Al−Mg三元共晶相との少なくとも一方が形成される。これらの組織では、Alの不動態化作用の影響でMgの犠牲防食作用が緩和されるものと推定される。
一方、溶融亜鉛めっき層3において、Al濃度がMg濃度よりも低い場合には、Alの不動態化作用に比してMgの犠牲防食作用が強くなる。そのため、Mgの犠牲防食作用と深さ方向に関するMgの不均一な局在とにより、耐黒変性や耐白錆性が低下しやすいと推定される。
また、Mgの犠牲防食作用の影響で、溶融亜鉛めっき層3の表層にCoを付着させた場合に、付着したCoが不均一に分布しやすい傾向にある。このことも、耐黒変性や耐食性を低下させる要因と推定される。
溶融亜鉛めっき層3のNi含有量が0.05%未満では、耐黒変性と耐白錆性との両立が困難となるため好ましくない。溶融亜鉛めっき層3のNi含有量が2.00%を超えると、溶融亜鉛めっき層3の外観が悪化しやすく、また、耐赤錆性が低下するため好ましくない。そのため、Niを0.05〜2.00%とする。溶融亜鉛めっき層3のNi含有量のより好ましい範囲は、0.10〜1.00%である。
溶融亜鉛めっき層3がMgに加えてNiを含むことにより、深さ方向に関するMgの不均一な分布を緩和することができると考えられる。
溶融亜鉛めっき層3に含まれる各元素の含有量は、湿式ICP−MS法によって測定することができる。
溶融亜鉛めっき層3の付着量は、耐赤錆性を好適に確保する観点から、片面あたり150g/m以上、好ましくは200g/m以上、より好ましくは300g/m以上である。このように付着量を多くすることで、例えば、SST2000時間以上で赤錆が発生しない水準の耐赤錆性を確保することができる。
溶融亜鉛めっき層3の付着量は上記の付着量に限定されず、上記の付着量より少ない場合であっても、耐赤錆性の要求水準によっては使用可能である。従来技術では特に溶融亜鉛めっき層3の付着量が多い場合において耐黒変性と耐白錆性との両立が難しかったことから、溶融亜鉛めっき層3の付着量が多い場合に本発明の効果がより顕著になる。
溶融亜鉛めっき層3の付着量の上限は特に限定されないが、現実的な製造可能性を考えると600g/m程度である。
<Co−Mg−Zn層5>
溶融亜鉛めっき鋼板10は、溶融亜鉛めっき層3の上層に、金属Co量に換算して0.1〜2.0mg/mのCo析出物4、Mg6及びZn8を含有するCo−Mg−Zn層5を備える。
Co−Mg−Zn層5は、溶融亜鉛めっき層3の表面に析出したCo析出物4とMg6とZn8とを含有する。図7に示すように、Co−Mg−Zn層5は、溶融亜鉛めっき層3の表面の一部を被覆しており、溶融亜鉛めっき層3の表面の一部はCo−Mg−Zn層5によっては被覆されていないと推測される。
溶融亜鉛めっき層3上に析出したCo析出物4は、Co−Mg−Zn層5において安定して存在している。この安定して存在しているCo析出物4によって、溶融亜鉛めっき層3と有機樹脂皮膜7との間に好適な密着性が発揮され、本発明の鋼板の優れた耐白錆性、耐赤錆性及び耐黒変性につながるものと考えられる。
Co−Mg−Zn層5に含まれるCo析出物4は、金属Co、酸化Co及び水酸化Coのいずれであってもよい。
Co−Mg−Zn層5のCo含有量が金属Coに換算して2.0mg/m超であると、耐白錆性が低下する。そのため、Co−Mg−Zn層5のCo含有量の上限は、2.0mg/mである。Co−Mg−Zn層5のCo含有量の上限は、好ましくは1.0mg/mである。
Co−Mg−Zn層5のCo含有量は、検出限界である0.1mg/m程度でも十分な耐黒変性効果を発揮するが、本実施形態ではCo含有量の下限を0.1mg/mと定める。
したがって、Co−Mg−Zn層5のCo含有量は0.1〜2.0mg/mであり、好ましくは0.1〜1.0mg/mである。
Co含有量は、湿式ICP−MS法によって測定することができる。
溶融亜鉛めっき層3と有機樹脂皮膜7との間にCo−Mg−Zn層5が形成されていることは、GDS(グロー放電発光分析装置)を用いて確認することができる。
図8は、本実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板10のGDSによる分析結果を示すグラフである。図9は、溶融亜鉛めっき層上にCoを含有する有機樹脂皮膜を形成した場合(つまり、Co−Mg−Zn層を有さない場合)における、溶融亜鉛めっき鋼板のGDSによる分析結果を示すグラフである。
図8及び9において、Cの存在位置は有機樹脂皮膜7が形成されている深さ位置を表し、Coの存在位置はCo−Mg−Zn層5が形成されている深さ位置を表し、Mg及びZnの存在位置は溶融亜鉛めっき層3が形成されている深さ位置を表す。
図8に示す結果から、溶融亜鉛めっき鋼板10では、有機樹脂皮膜7と溶融亜鉛めっき層3との間にCo−Mg−Zn層5が形成されていることが分かる。一方、図9に示す結果から、Co−Mg−Zn層5が形成されていない場合には、有機樹脂皮膜7と溶融亜鉛めっき層3との間にCoのピークは検出されず、CoのピークはCのピークと概ね一致している(つまり、Coは有機樹脂皮膜7中に分散している)ことが分かる。
Co−Mg−Zn層5中のMg含有量及びZn含有量は、Co析出物4を安定に存在させることができれば、特に限定されない。
<有機樹脂皮膜7>
溶融亜鉛めっき鋼板10は、Co−Mg−Zn層5の上層に有機樹脂皮膜7を有する。
有機樹脂皮膜7に含まれる有機樹脂の例としては、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
有機樹脂皮膜7中の有機樹脂の含有量は任意の含有量であり、特に限定されない。
これらの有機樹脂は、有機樹脂皮膜7のバリア性を高めて、特に長時間経過後の腐食生成物(白錆)の保持効果を高め、耐赤錆性を改善する作用がある。また、有機樹脂は、Co−Mg−Zn層5が形成された後の溶融亜鉛めっき層3の最表層に、安定して存在しているCo析出物4の作用によって、耐黒変性や耐食性を向上させる作用があるものと推定される。
有機樹脂皮膜7が形成されていることは、FT−IR法にて、有機樹脂特有のピークを観察することにより確認することができる。また、有機樹脂皮膜7がクロメートフリーであることは、有機樹脂皮膜7の成分分析(例えば湿式ICP−MS法等の化学分析またはGDS等の物理分析)により確認することができる。上述の分析により、Crが検出限界未満あるいはバックグランドレベル以下であれば、有機樹脂皮膜7はクロメートフリーであると評価される。
有機樹脂皮膜7は、有機樹脂を主成分とし、さらにりん酸およびその塩、ピロリン酸およびその塩、メタりん酸およびその塩、ポリりん酸およびその塩、フィチン酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸のうち1種以上を含有することが好ましい
りん酸およびその塩、ピロリン酸およびその塩、メタりん酸およびその塩、ポリりん酸およびその塩、フィチン酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸のうち1種以上(以下、りん酸およびその塩、ピロリン酸およびその塩、メタりん酸およびその塩、ポリりん酸およびその塩、フィチン酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を総称してりん酸化合物等と呼称する)は、腐食初期に発生するZnイオンやMgイオンを難溶性の塩として沈殿させることにより、耐白錆性を改善する効果を有する。また、有機樹脂皮膜7中のりん酸化合物等は、溶融亜鉛めっき層3の最表層、特にCo−Mg−Zn層5が形成された後の溶融亜鉛めっき層3の最表層と何らかの相互作用をしやすく、それによって、耐黒変性や耐食性を向上する作用があるものと推定される。
有機樹脂皮膜7におけるりん酸化合物等の含有量は任意であり、特に限定されない。
有機樹脂皮膜7は、有機樹脂及びりん酸化合物に加えて、更に、V化合物、Si化合物、Ti化合物及びZr化合物からなる群から選ばれるいずれか1種以上を含有することが好ましい。
V化合物の例としては、五酸化バナジウム、メタバナジン酸およびその塩、ポリバナジン酸およびその塩、三酸化バナジウム、二酸化バナジウム、シュウ酸バナジル、バナジウムオキシアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、酢酸バナジウム等が挙げられる。
V化合物もりん酸化合物と同様に、腐食初期に発生するZnイオンやMgイオンを難溶性の塩として沈殿させることにより、耐白錆性を改善する効果を有する。そのメカニズムは明らかではないが、V化合物による耐白錆性の改善効果は、V化合物とりん酸化合物とが共存したときに顕著である。
有機樹脂皮膜7におけるV化合物の含有量は任意であり、特に限定されない。
Si化合物の例としては、シリカ、シリケート、シランカップリング剤等が挙げられる。
シリカの例としては、コロイダルシリカ等の水系ディスパージョンが好ましく、スノーテックスC、スノーテックスO、スノーテックスN(以上、日産化学工業製)などを用いることができる。シリケートの例としては、Naシリケート、Liシリケート、Kシリケートなどが挙げられる。
シランカップリング剤の例としては、ビニルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,N’−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができ、これらの重縮合物も用いることができる。
有機樹脂皮膜7におけるSi化合物の含有量は、任意であり、特に限定されない。
Ti化合物の例としては、酢酸チタン、炭酸チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタンジエタノールアミネート、チタンアミノエチルアミノエタノレート、チタンふっ化水素酸、チタンふっ化アンモニウム等が挙げられる。
有機樹脂皮膜7におけるTi化合物の含有量は、任意であり、特に限定されない。
Zr化合物の例としては、酢酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、ノルマルプロピルジルコネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムエチルアセトアセテート、ステアリン酸ジルコニウム、ジルコニウムラクテートアンモニウム、ジルコニウムふっ化水素酸、ジルコニウムふっ化アンモニウム等が挙げられる。
有機樹脂皮膜7におけるZr化合物の含有量は、任意であり、特に限定されない。
Si化合物、Ti化合物、Zr化合物はいずれも有機樹脂皮膜7のバリア性を補強し、耐白錆性及び耐赤錆性の両方を改善する作用がある。
有機樹脂皮膜7におけるこれらの成分の含有量は、GDSによって測定することができる。
有機樹脂皮膜7は、上述の化合物の他に、摺動性等を改善する目的でワックス等を含有してもよい。また、有機樹脂皮膜7は、耐食性をさらに改善する目的で、防錆剤を含有してもよい。さらに、有機樹脂皮膜7は、外観を改善又は調整する目的で、顔料、染料、色素、界面活性剤等を含有してもよい。
有機樹脂皮膜7の厚みは、0.1μm〜10.0μm、好ましくは、0.3μm〜3.0μm、より好ましくは0.5μm〜2.0μmである。有機樹脂皮膜7の厚みが0.1μm未満の場合には、耐食性が不足することもあり好ましくない。また、有機樹脂皮膜7の厚みが10.0μm超の場合には、コストが増加するだけでなく、溶接が困難となる場合もあるため好ましくない。
有機樹脂皮膜7の厚みは、厚みを測定するサンプルを垂直埋め込み研磨し、SEM観察することにより測定することができる。
(溶融亜鉛めっき鋼板10の製造方法)
次に、溶融亜鉛めっき鋼板10の製造方法を説明する。
<溶融亜鉛めっき層3の形成>
鋼板1上に溶融亜鉛めっき層3を形成する方法は特に限定されず、酸化還元方式、全還元方式、プレめっき方式など公知の任意の溶融めっき方法が使用できる。
溶融亜鉛めっき層3が上述した化学組成になるようにめっき浴濃度を調整する。めっき浴の化学組成と溶融亜鉛めっき層3の化学組成とを比較すると、両化学組成においてMg及びNiは、ほぼ等しいが、Alは、めっき浴の化学組成よりも溶融亜鉛めっき層3の化学組成の方が僅かに大きい傾向がある。また、めっき浴に溶解可能なNi濃度は最大でも0.1%程度なので、これ以上のNiを溶融亜鉛めっき層3に含有させる場合には、Niをプレめっきした後に溶融めっきを行うのが好ましい。
溶融亜鉛めっき層3の形成後、必要に応じて調質圧延を施すこともできる。これにより、表面粗度や外観を調整することができる。
<Co−Mg−Zn層5の形成>
溶融亜鉛めっき層3を形成した後、または、調質圧延を施した後に、溶融亜鉛めっき層3の表面に対して、Coイオン含有酸性水溶液を用いたフラッシュ処理を行う。これにより、溶融亜鉛めっき層3上に、金属Co量に換算して0.1〜2.0mg/mのCo析出物4、Mg6及びZn8を含有するCo−Mg−Zn層5を形成する。
Coイオン含有酸性水溶液は、Coイオンを0.1〜0.5g/L、Znイオンを0.2〜2.0g/L、Mgイオンを0.1〜2.0g/l含有する。
溶融亜鉛めっき層3は、Alの含有量が少ないため、酸性水溶液との反応性が高いと推定される。そのため、アルカリ性の水系表面調整剤を用いた場合にはCo析出物4の付着量が安定せず、好適な耐食性及び耐黒変性を得ることが難しいと考えられる。
Coイオン含有酸性水溶液におけるCoイオンが0.1g/L未満では、Coが付着しない場合があり安定しない。また、Coイオン含有酸性水溶液のCoイオンが0.5g/Lを超えると、Co析出物4の付着量が過剰になる場合があるため好ましくない。
Znイオンが0.2g/L未満では、Co析出物4が安定しないため、Co析出物4の付着状況が不均一になりやすい。Znイオンが2.0g/Lを超えると、溶融亜鉛めっき層3の表面に汚れが発生する場合があるので好ましくない。
Mgイオンが0.1g/L未満では、Co析出物4が安定しないため、Co析出物4の付着状況が不均一になりやすい。Mgイオンが2.0g/Lを超えると、溶融亜鉛めっき層3の表面に汚れが発生する場合があるので好ましくない。
溶融亜鉛めっき層3に、Coイオン、Znイオン及びMgイオンを含有するCoイオン含有酸性水溶液を接触させると、溶融亜鉛めっき層3中で最も活性なMg濃化部が反応し、ここに、Co,Zn、Mgを含む金属、酸化物、または、水酸化物が析出すると考えられる。すなわち、Coイオン含有酸性水溶液中のZn及びMgも一部共析し、これによってCoの付着量及びCo−Mg−Zn層5の性能の安定化に貢献していると推定される。Coイオン含有酸性水溶液にCoイオンだけでなく、Znイオン及びMgイオンを添加することにより、上述のような効果を得られることは、本願発明により初めて見出された知見である。
Co及びZnは、金属、酸化物又は水酸化物の状態で析出しており、Mgは酸化物又は水酸化物の状態で析出していると考えられる。しかしながら、これらの化合物の析出量が極微量であり、かつ、Co−Mg−Zn層5の下層の溶融亜鉛めっき層3もZn及びMgを含むことから、これらの化合物を同定することはできなかった。
Coイオン含有酸性水溶液に含まれるCoイオン、Znイオン、Mgイオンは、硫酸塩、塩化物、硝酸塩等を用いることができる。Coイオン、Znイオン、Mgイオンとして、りん酸塩及び弗化物を用いるのは好ましくない。
Coイオン含有酸性水溶液が含有してもよい他のイオンとしては、Alイオン(アルミン酸イオン)が挙げられる。AlイオンはCoの析出挙動に影響を与えないので、Coイオン含有酸性水溶液がAlイオンを含有してもよい。
Coイオン含有酸性水溶液はFeイオンを含有してもよいが、Feイオンは溶融亜鉛めっき鋼板10の耐食性を低下する傾向があるので、Coイオン含有酸性水溶液のFeイオン濃度は0.1g/L以下に制限するのが好ましい。
Co−Mg−Zn層5を安定して制御するためには、Coイオン含有酸性水溶液中のCoイオンの濃度よりもZnイオンの濃度を大きくすることが好ましい。同様に、Coイオン含有酸性水溶液中のCoイオンの濃度よりも、Mgイオンの濃度を大きくすることが好ましい。
Coイオン含有酸性水溶液において、Coイオンの濃度の2倍よりもZnイオンの濃度を大きくし、かつ、Mgイオン濃度をCoイオン濃度より大きくするのがより好ましい。
Coイオン含有酸性水溶液のpHが1〜3、Coイオン含有酸性水溶液の温度が40℃以下、溶融亜鉛めっき層3とCoイオン含有酸性水溶液との接触時間が5秒以下であるのが、Co−Mg−Zn層5を安定化させる観点でより望ましい。Coイオン含有酸性水溶液を溶融亜鉛めっき層3に接触させる方法は特に限定されないが、浸漬法やスプレー法などが例示される。
<有機樹脂皮膜7の形成>
Co−Mg−Zn層5を形成した後、水洗及び乾燥を行う。その後、上述した化学組成を有する有機樹脂皮膜形成液を塗布し、乾燥することにより、有機樹脂皮膜7を形成する。塗布及び乾燥の方法は、特に限定されない。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
<実施例1>
本発明の特徴を図1〜図6を用いて説明する。連続式溶融亜鉛めっきラインにて製造した三種類のめっき組成の溶融亜鉛めっき鋼板を用いた。めっきの組成としては、以下の三種類とし、いずれもめっき付着量250g/m(片面あたり)のものを用いた。なお、%は質量%を表す。
(1)Al:0.2%、Mg:0.5%、Ni:0.1%、残部Znおよび不可避的不純物(Zn−0.2Al−0.5Mg−0.1Niと表記)
(2)Al:0.2%、Mg:0.5%、残部Znおよび不可避的不純物(Zn−0.2Al−0.5Mgと表記)
(3)Al:0.2%、残部Znおよび不可避的不純物(Zn−0.2Alと表記)
上記で製造した溶融亜鉛めっき鋼板に対して、Coイオン含有酸性水溶液による処理を行った。Coイオン含有酸性水溶液は、表1のC又はJを用いた。
Co−Mg−Zn層の上層に、クロメート皮膜又は有機樹脂皮膜を形成した。有機樹脂皮膜は、表2のa1を用い、有機樹脂皮膜の厚みは1μmとした。クロメート皮膜は、還元クロム酸、シリカ及びりん酸からなる一般的なクロメート皮膜(日本国特公平4−20992号公報の表1の発明例6に相当するCr付着量58mg/mのクロメート皮膜)を用いた。
以上の溶融亜鉛めっき鋼板を用いて、耐黒変性、耐白錆性及び耐赤錆性を調べた。
耐黒変性は、以下のように測定した。まず、溶融亜鉛めっき鋼板の評価面(有機樹脂皮膜の表面)を対向して重ね合わせ、梱包した(梱包後の溶融亜鉛めっき鋼板を耐黒変性試験片と呼称する)。その後、耐黒変性試験片を70℃85%RH環境下に1週間保持し、保持前後の明度変化(ΔL)を測定した。明度変化が3.0以下の場合を合格とした。
耐白錆性は、以下のように測定した。つまり、溶融亜鉛めっき鋼板にJISZ2371に規定されているSST(塩水噴霧試験)を72時間行い、白錆発生面積率を定量した。白錆発生面積率が5.0%以下の場合を合格とした。
耐赤錆性は、以下のように測定した。まず、溶融亜鉛めっき鋼板の最表層(有機樹脂皮膜の最表面)から溶融亜鉛めっき層に達するクロスカット疵を形成した(クロスカット疵を形成した溶融亜鉛めっき鋼板を耐赤錆性試験片と呼称する)。次に、耐赤錆性試験片に対して、JISZ2371に規定されているSST(塩水噴霧試験)を2000時間行った。赤錆が発生しなかった場合を合格とした。
上述により得られた結果を、図1〜図6に示した。
図1は、Co−Mg−Zn層とクロメートフリーの有機樹脂皮膜を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐黒変性との関係を示すグラフである。図2は、Co−Mg−Zn層とクロメートフリーの有機樹脂皮膜を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐白錆性との関係を示すグラフである。図3は、Co−Mg−Zn層とクロメートフリーの有機樹脂皮膜を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐赤錆性との関係を示すグラフである。
図4は、Co−Mg−Zn層とクロメート皮膜を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐黒変性との関係を示すグラフである。図5は、Co−Mg−Zn層とクロメート皮膜を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐白錆性との関係を示すグラフである。図6は、Co−Mg−Zn層とクロメート皮膜を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、Co付着量と耐赤錆性との関係を示すグラフである。
溶融亜鉛めっき鋼板がCo−Mg−Zn層とクロメートフリーの有機樹脂皮膜とを有する場合、図1、図2から分かるように、Co付着量の増加とともに、耐黒変性が向上する一方、耐白錆性が低下し、耐黒変性と耐白錆性とがトレードオフの関係にあることが分かる。
図1及び2に示されているように、Zn−0.2Al−0.5Mgの場合には、Co付着量を変化させても、耐黒変性と耐白錆性との両方を合格にすることができなかった。
一方、図1及び2に示されているように、Zn−0.2Al−0.5Mg−0.1Niの場合には、Co付着量を2.0mg/m以下にするとともに、有機樹脂皮膜を用いることで、耐黒変性と耐白錆性との両方を合格にすることができた。
なお、Mgを含有しないZn−0.2Alの場合には、図1及び2に示すように、耐黒変性と耐白錆性との両方が合格となるCo付着量が存在するが、図3に示すように、それらのCo付着量では耐赤錆性が不合格であった。
溶融亜鉛めっき鋼板がクロメート皮膜を有する場合には、図4及び5に示すように、Co付着量を多くすることで耐黒変性と耐白錆性との両方を合格にすることができた。しかしながら、図6に示すように、それらのCo付着量では、溶融亜鉛めっき層がMgを含有しても、耐赤錆性が不合格であった。
以上のように、溶融亜鉛めっき層としてZn−0.2Al−0.5Mg−0.1Niを用い、溶融亜鉛めっき層と有機樹脂皮膜との間に形成されるCo−Mg−Zn層のCo付着量を0.1〜2.0mg/mとし、Coの上層にクロメートフリーの有機樹脂皮膜を用いることで、耐黒変性と耐白錆性と耐赤錆性との全てを満足する特性が得られることが示された。
<実施例2>
表1〜表5において、本発明の範囲から外れる数値、項目にアンダーラインを付している。
(実施例1〜31および比較例1〜7)
付着量が片面あたり約250g/m、化学組成が、Mg:0.5%、Al:0.2%、Ni:0.1%、残部Znおよび不可避的不純物の溶融亜鉛めっき層を有する鋼板に調質圧延を施した。
その後、溶融亜鉛めっき層の表面に、40℃のCoイオン含有酸性水溶液を用いたスプレー処理を1〜3秒間行った。その後、水洗及び乾燥を行った。
表1に、Coイオン含有酸性水溶液の組成を示す。いずれも硫酸塩を溶解し、pHは硫酸で調整した。
次に、クロメートフリーの有機樹脂を塗布し、乾燥することによって有機樹脂皮膜を形成した。
有機樹脂皮膜は表2に示すものを用いた。表2に示す固形分濃度となるように配合した水性塗料をバーコーターで塗布して、熱風乾燥炉で100℃で焼き付けて皮膜を形成した。皮膜の厚みはいずれも1μmになるように調整した。
なお、一部の比較例では、有機樹脂皮膜以外の皮膜を用いた。
Co量は湿式のICP−MS法により定量し、その金属換算量で表中に表示した。
なお、比較例4〜6では、Co−Mg−Zn層を形成しなかった。
性能評価は以下のように行った。
(耐黒変性)
まず、溶融亜鉛めっき鋼板の評価面を対向して重ね合わせ、梱包した(梱包後の溶融亜鉛めっき鋼板を耐黒変性試験片と呼称する)。その後、耐黒変性試験片を70℃85%RH環境下に1週間保持し、保持前後の明度変化(ΔL*)を測定した。明度変化が3.0以下の場合を合格とした。
(耐白錆性)
耐白錆性は、以下のように測定した。つまり、溶融亜鉛めっき鋼板にJISZ2371に規定されているSST(塩水噴霧試験)を72時間行い、白錆発生面積率を定量した。白錆発生面積率が5.0%以下の場合を合格とした。
(耐赤錆性)
耐赤錆性は、以下のように測定した。まず、溶融亜鉛めっき鋼板の最表層(有機樹脂皮膜の最表面)から溶融亜鉛めっき層に達するクロスカット疵を形成した(クロスカット疵を形成した溶融亜鉛めっき鋼板を耐赤錆性試験片と呼称する)。次に、耐赤錆性試験片に対して、JISZ2371に規定されているSST(塩水噴霧試験)を2000時間行った。赤錆が発生しなかった場合を合格とした。
表3に、実施例1〜31及び比較例1〜7の条件及び評価結果を示す。
表3に示すように、実施例1〜31は良好な特性を示した。
一方、比較例1〜3は、Co付着量が本発明の範囲を超えたために、耐白錆性が不合格であった。
比較例1はCoイオン含有酸性水溶液として表1のJを用いており、Coイオンが過剰であることに加えて、Coイオン含有酸性水溶液がZnイオン及びMgイオンを含有しないため、溶融亜鉛めっき鋼板のCo付着量が過大となったと考えられる。
比較例2はCoイオン含有酸性水溶液として表1のKを用いており、Coイオンが過剰であることに加えて、Coイオン含有酸性水溶液がMgイオンを含有しないため、Co付着量が過大となったと考えられる。また、比較例2では、耐黒変性も不合格であった。
比較例3はCoイオン含有酸性水溶液として表1のLを用いており、Coイオンが過剰であったため、Co付着量が過大となったと考えられる。比較例3も、耐白錆性に加えて耐黒変性が不合格であった。
比較例4はCoを付着させなかったため、耐黒変性が不合格であった。
比較例5では、特許文献3と同様に、Co−Mg−Zn層を形成せずに、Coを含有する有機樹脂皮膜を形成したが、耐黒変性及び耐赤錆性が不合格であった。Co析出物が有機樹脂皮膜と溶融亜鉛めっき層との界面に析出せずに、有機樹脂皮膜全体に分散していたことに起因して、好適な耐黒変性が得られなかったと考えられる。
比較例6は、溶融亜鉛めっき層の上層に直接有機樹脂皮膜を形成したものであるが、好適な耐黒変性が得られなかった。
比較例7は、有機樹脂皮膜の代わりにクロメート皮膜を形成したものであるが、耐黒変性と耐赤錆性とが不合格であった。
Figure 0006296210
Figure 0006296210
Figure 0006296210
(実施例32〜45および比較例8〜11)
酸洗済みの熱延鋼板を原板とし、表4に示す組成を有する溶融亜鉛めっき層を形成した。表4に示す組成を有する溶融亜鉛めっき層を形成する際には、溶融めっきシミュレーターにて、Mg、Al、Ni濃度および微量添加成分を変化させた。なお、一部のシミュレーションでは、Niプレめっきを施したものを用いた。
溶融亜鉛めっき層の付着量は、150〜220g/mであった。その後、表1のAのCoイオン含有酸性水溶液に、溶融亜鉛めっき層を形成した鋼板を、30℃の温度下で5秒間浸漬することにより、表4に示す付着量でCoを付着させた。その後、表2のa1のクロメートフリーの有機樹脂皮膜を1μmの厚みで形成した。
評価は実施例1〜31及び比較例1〜7と同様の方法により行ったが、耐赤錆性については、SSTを1500時間行った時点での赤錆の発生の有無により耐赤錆性を評価した。
表4に示すように、実施例32〜45は良好な特性を示した。
ここで、実施例32及び35〜38では、各種条件のうち、溶融亜鉛めっき層のMg含有量のみが異なっている。これらの実施例の耐黒変性の評価結果から明らかなように、溶融亜鉛めっき層のMg含有量により耐黒変性が異なっていた。
一方、比較例8では、溶融亜鉛めっき層がMg及びNiを含有していないため、耐赤錆性が不合格であった。
比較例9では、溶融亜鉛めっき層がNiを含有していないため、耐黒変性と耐白錆性が不合格であった。
比較例10及び11では、溶融亜鉛めっき層のAl含有量が過剰であり、耐黒変性と耐赤錆性とが不合格であった。
Figure 0006296210
(実施例46〜48および比較例12)
連続式溶融亜鉛めっきラインにて、溶融亜鉛めっき、調質圧延、Coイオン含有酸性水溶液による処理を連続して行った。
溶融亜鉛めっきは、付着量が片面あたり約300g/m、めっき浴の組成は、Mg:0.5%、Al:0.3%、Ni:0.07%、残部Znおよび不可避的不純物であった。
次に、表5に示す濃度のCoイオン含有酸性水溶液によるスプレー処理を3〜5秒間行った。なお、カウンターアニオンは硫酸イオンであり、pHは硫酸で調整した。浴温は30〜35℃であった。
製造しためっき鋼板から、表裏、幅方向、長手方向、合計30点サンプリングし、湿式ICP−MS法によって、Co付着量を測定した。
表5に、Co付着量の測定結果について、最小値、最大値、平均値、標準偏差(σ)を示した。表5に示されているように、実施例46〜48では、Co付着量の部位ごとのばらつきが小さかった。特に、Coイオン含有酸性水溶液において、Coイオン濃度よりもZnイオン濃度が大きく、かつ、Coイオン濃度よりもMgイオン濃度が大きい場合に、Co付着量のばらつきが小さいことが明らかになった。
なお、実施例46〜48の上層に、表2のa1のクロメートフリーの有機樹脂皮膜を形成し各種の性能評価を行ったところ、いずれも良好な特性を示した。
一方、比較例12ではCoイオン含有酸性水溶液がZnイオン及びMgイオンを含有しないため、Co付着量が多くなり、かつ、そのばらつきも大きかった。
Figure 0006296210
上記一実施形態によれば、耐白錆性、耐赤錆性及び耐黒変性の全てに優れた溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法を提供することができる。
1 鋼板
3 溶融亜鉛めっき層
4 Co析出物
5 Co−Mg−Zn層
6 Mg
7 有機樹脂皮膜
8 Zn
10 溶融亜鉛めっき鋼板

Claims (6)

  1. 鋼板と;
    前記鋼板の表面に設けられ、Mg:0.05〜2.00質量%、Al:0.1質量%以上1.0質量%未満、Ni:0.05〜2.00質量%を含有し、残部がZn及び不純物からなる溶融亜鉛めっき層と;
    前記溶融亜鉛めっき層の表面に設けられ、金属Co量に換算して0.1〜2.0mg/mのCo析出物、Mg及びZnを含有するCo−Mg−Zn層と;
    前記Co−Mg−Zn層の上層に設けられた有機樹脂皮膜と;
    を備える
    ことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 前記溶融亜鉛めっき層が、更に、
    Li:0.001〜0.200質量%,
    Na:0.001〜0.200質量%,
    K:0.001〜0.200質量%,
    Ca:0.001〜0.200質量%,
    Sr:0.001〜0.200質量%,
    Sc:0.001〜0.200質量%,
    Y:0.001〜0.200質量%,
    Ti:0.001〜0.200質量%,
    Zr:0.001〜0.200質量%,
    Cu:0.001〜0.200質量%,
    Sn:0.001〜0.200質量%,
    Si:0.001〜0.200質量%,
    ミッシュメタル:0.001〜0.200質量%
    のうち1種以上を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 前記有機樹脂皮膜が、りん酸およびその塩、ピロリン酸およびその塩、メタりん酸およびその塩、ポリりん酸およびその塩、フィチン酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸のうち1種以上を含有し、かつ、V化合物、Si化合物、Ti化合物及びZr化合物のうち1種以上を含有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法であって、
    鋼板の表面に、Mg:0.05〜2.00質量%、Al:0.1質量%以上1.0質量%未満、Ni:0.05〜2.00質量%を含有し、残部がZn及び不純物からなる溶融亜鉛めっき層を形成する工程と;
    前記溶融亜鉛めっき層を有する前記鋼板に、0.1〜0.5g/LのCoイオン、0.2〜2.0g/LのZnイオン及び0.1〜2.0g/lのMgイオンを含有する酸性水溶液に接触させることによりCo−Mg−Zn層を形成する工程と;
    前記Co−Mg−Zn層の表面に有機樹脂皮膜形成液を塗布し、乾燥することにより有機樹脂皮膜を形成する工程と;
    を有する
    ことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  5. 前記酸性水溶液に含有される前記Coイオンの濃度が、前記Znイオンの濃度未満かつ前記Mgイオンの濃度未満である
    ことを特徴とする請求項4に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  6. 前記酸性水溶液のpHが1〜3であり、
    前記酸性水溶液の温度が40℃以下であり、
    前記溶融亜鉛めっき層を有する前記鋼板と前記酸性水溶液との接触時間が5秒以下である
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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