JP7127628B2 - 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 - Google Patents
表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7127628B2 JP7127628B2 JP2019164873A JP2019164873A JP7127628B2 JP 7127628 B2 JP7127628 B2 JP 7127628B2 JP 2019164873 A JP2019164873 A JP 2019164873A JP 2019164873 A JP2019164873 A JP 2019164873A JP 7127628 B2 JP7127628 B2 JP 7127628B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- surface treatment
- compound
- steel sheet
- mass
- treatment liquid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
(1)Crと同じ第6族(旧IUPAC式におけるIVA族)に属するMoまたはWの化合物である、モリブデン酸、タングステン酸などの不動態化作用を利用する技術。
(2)Ti、Zr、V、Mn、Ni、Coなどの遷移金属やLa、Ceなどの希土類元素の金属塩を用いる技術。
(3)タンニン酸などの多価フェノールカルボン酸やS、Nを含む化合物などのキレート剤をベースとする技術。
(4)シランカップリング剤を用いてポリシロキサン皮膜を形成する技術。
(1)P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上、
(2)N化合物として、無機N化合物およびアミンの一方または両方、
(3)Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上、
(4)無機Co化合物および無機Ni化合物の一方または両方、
(5)有機樹脂、ならびに
(6)水
を含有し、
前記P化合物の濃度が0.25質量%~5質量%であり、
前記Si化合物の濃度が0.2質量%~9.5質量%であり、
前記無機Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度が0.25質量%~5質量%であり、
表面処理液。
前記塗布の後、1.0秒以上経過した後に、20℃/秒以上の速度で昇温する、表面処理鋼板の製造方法。
前記下地鋼板の表面に配された溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と、
前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の表面に配された表面処理皮膜とを備える表面処理鋼板であって、
前記表面処理皮膜は、
(A)P、
(B)N、
(C)Si、
(D)CoおよびNiの一方または両方、並びに
(E)有機樹脂
を含有し、
前記表面処理皮膜におけるP付着量が5~100mg/m2であり、
前記表面処理皮膜におけるSi付着量が2~95mg/m2であり、
前記表面処理皮膜におけるCoおよびNiの合計付着量が5~100mg/m2であり、
前記表面処理皮膜のうち、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と接する側の面に、Zn、Al、およびMgを含み、かつP、Ni、Co、およびNの少なくとも1つが濃化した濃化層が存在し、
前記濃化層の厚さが0.01~0.20μmである、表面処理鋼板。
(F)Zn、Al、およびMgからなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、上記7に記載の表面処理鋼板。
(G)Vをさらに含有する、上記7または8に記載の表面処理鋼板。
(H)Moをさらに含有する、上記7~9のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
(I)ZrおよびTiの一方または両方をさらに含有する、上記7~10のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
まず、本発明の一実施形態における表面処理液について説明する。本発明の一実施形態における表面処理液は、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板用の表面処理液であって、下記(1)~(6)を必須成分として含有し、さらに任意に下記(7)~(10)から選択される1または2以上を含有することができる。以下、各成分について説明する。
(1)P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上
(2)N化合物として、無機N化合物およびアミンの一方または両方
(3)Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上
(4)無機Co化合物および無機Ni化合物の一方または両方
(5)有機樹脂
(6)水
(7)Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上
(8)V化合物
(9)Mo化合物として、モリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方
(10)Zr化合物およびTi化合物の一方または両方
表面処理皮膜にPを含有させることにより、耐食性、耐汗性を向上させることができる。そこで、本発明の表面処理液は、P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上を含有する。
表面処理液中における上記P化合物の濃度は、0.25質量%~5質量%とする。0.25質量%未満では、エッチング効果が不足してめっき界面との密着力が低下し、平面部耐食性が低下するだけでなく、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部の耐食性、耐汗性も低下する。好ましくは0.35質量%以上、より好ましくは0.50質量%以上である。一方、5質量%を超えると表面処理液の寿命が短くなるだけでなく、皮膜を形成した際の外観が不均一になりやすい。また表面処理皮膜からのPの溶出量が多くなり、耐黒変性が低下する。好ましくは3.5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下である。P化合物の濃度を0.25質量%~5質量%とした表面処理液を塗布、乾燥することにより、乾燥後の表面処理皮膜のP付着量を5~100mg/m2とすることができる。
本発明の表面処理液は、N化合物として、無機N化合物およびアミンの一方または両方を含有する。前記N化合物は、上述したP化合物と同様、エッチング作用によってめっき層表面を活性化する作用、およびめっき表面への吸着作用を有する。前記作用により、表面処理皮膜とめっき層表面とを強固に結合させることができる。
表面処理液中における上記N化合物の濃度はとくに限定されないが、0.1質量%~10質量%であることが好ましい。前記N化合物の濃度が0.1質量%以上であれば、表面処理皮膜とめっき層との密着性がさらに向上する。そしてその結果、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断部、および加工などで生じる損傷部における耐食性、ならびに耐汗性が一層向上する。また、前記N化合物の濃度が10質量%以下であれば、表面処理液の寿命をさらに長くすることができる。
Si化合物は、後述する有機樹脂とともに表面処理皮膜を形成する骨格となる成分である。本発明の表面処理液は、Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上を含有する。
表面処理液中における上記Si化合物の濃度は、0.2質量%~9.5質量%とする。前記Si化合物の濃度が0.2質量%以上であれば、シロキサン結合によるバリア効果を得ることができ、その結果、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断部、および加工などで生じる損傷部における耐食性、ならびに耐汗性が向上する。また、前記Si化合物の濃度が9.5質量%以下であれば、表面処理液の寿命を長くすることができる。Si化合物の濃度を0.2質量%~9.5質量%とした表面処理液を塗布、乾燥することにより、乾燥後の表面処理皮膜のSi付着量を2~95mg/m2とすることができる。
表面処理皮膜中にCoおよびNiの少なくとも一方を含有させることにより、耐黒変性を向上させることができる。これは、CoおよびNiが、腐食環境下における水溶性成分の皮膜からの溶出を遅らせる効果を有するためであると考えられる。また、CoおよびNiは、Zn、Al、およびMgよりも酸化されにくい元素である。そのため、CoおよびNiの少なくとも一方をめっき層との界面に濃化させることにより濃化層が腐食に対するバリアとなり、その結果、耐黒変性が改善すると考えられる。そこで、本発明では、表面処理液に無機Co化合物および無機Ni化合物の一方または両方を添加する。
無機Co化合物を含む表面処理液を用いることにより、Coを皮膜に含有させるとともに濃化層に取り込むことができる。前記無機Co化合物としては、コバルト塩を用いることが好ましい。前記コバルト塩としては、硫酸コバルト、炭酸コバルト、および塩化コバルトからなる群より選択される1または2以上を用いることがより好ましい。
無機Ni化合物を含む表面処理液を用いることにより、Niを皮膜に含有させるとともに濃化層に取り込むことができる。前記無機Ni化合物としては、ニッケル塩を用いることが好ましい。前記ニッケル塩としては、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、および塩化ニッケルからなる群より選択される1または2以上を用いることがさらに好ましい。
表面処理液中の無機Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度は、0.25質量%~5質量%とする。0.25質量%未満では界面濃化層が不均一になり、平面部耐食性が低下するだけでなく、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部の耐食性も低下する。好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.75質量%以上である。一方、5質量%を超えると皮膜を形成した際の外観が不均一になりやすく、耐食性が低下する。好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度を0.25質量%~5質量%とした表面処理液を塗布、乾燥することにより、乾燥後の表面処理皮膜CoとNiの合計付着量を5~100mg/m2とすることができる。
有機樹脂は、上述したSi化合物とともに、表面処理皮膜を形成する骨格となる成分である。前記有機樹脂としては、特に限定されることなく任意のものを1または2以上用いることができるが、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリル-エチレン共重合体、アクリル-スチレン共重合体、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン樹脂、およびフッ素樹脂からなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。
表面処理液中の有機樹脂の濃度は、1質量%~30質量%であることが好ましい。前記有機樹脂の濃度が1質量%以上であれば、皮膜の骨格をより十分に形成できるため、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断部、および加工などで生じる損傷部における耐食性、ならびに耐汗性が一層向上する。また、前記有機樹脂の濃度が30質量%以下であれば、表面処理液の寿命をさらに長くすることができる。
上記表面処理液は、溶媒としての水を含有する。
本発明の表面処理液を用いて溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板上に表面処理皮膜を形成した場合、前記表面処理液の有するエッチング効果により、めっき層に含まれるZn、Al、およびMgが表面処理皮膜中に不可避的に取り込まれる。そして、その結果、後述するように、表面処理皮膜のめっき層側に、Zn、Al、およびMgを含む濃化層が形成される。しかし、これらの元素をめっき層から取り込むだけでなく、Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上を表面処理液に含有させておくこともできる。
表面処理皮膜にVを含有させるために、表面処理液にV化合物を添加することもできる。表面処理皮膜中におけるVは、通常、均一に分散して存在するが、腐食環境下においては適度に溶出し、同じく腐食環境下で溶出するめっき成分が亜鉛イオンなどと結合し、緻密な保護皮膜を形成する。その結果、平面部だけでなく、欠陥部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部、および切断端面から平面部に進行する腐食に対する耐食性をさらに高めることができる。
表面処理液がV化合物を含有する場合、表面処理液中のV化合物の濃度は、0.05質量%~4質量%であることが好ましい。前記濃度が0.05質量%以上であれば、腐食環境下で溶出して保護皮膜を形成しやすくなり、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部の耐食性が向上する。一方、4質量%を超えると皮膜を形成した際の外観が不均一になりやすく、耐黒変性も低下する。
表面処理皮膜にMoを含有させるために、表面処理液にMo化合物として、モリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方を添加することもできる。表面処理液にモリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方を添加することにより、得られる表面処理鋼板の耐黒変性をさらに向上させることができる。
表面処理皮膜にZrおよびTiの一方または両方を含有させるために、表面処理液にZr化合物およびTi化合物の一方または両方を添加することもできる。ZrおよびTiは、表面処理皮膜がポーラスになるのを防ぎ、皮膜を緻密化する効果がある。そのため、Zr化合物および/またはTi化合物を添加することにより、腐食因子が表面処理皮膜を透過しにくくなり、その結果、耐食性が一段と向上する。
前記Ti化合物としては、硫酸チタン、塩化チタン、水酸化チタン、チタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、およびチタンエチルアセトアセテートからなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。中でも有機チタンキレート化合物は、表面処理液を乾燥して皮膜を形成する際に皮膜を緻密化する効果が高いという観点から、より好ましい。なお、硝酸塩はN化合物に含まれるものとする。
前記Zr化合物としては、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニルカリウム、炭酸ジルコニルナトリウムからなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。なお、硝酸塩およびアンモニウム塩はN化合物に含まれるものとする。
次に、本発明の一実施形態における表面処理鋼板の製造方法について説明する。本実施形態における表面処理鋼板の製造方法は、下記(I)および(II)の工程を含む。
(I)25℃以上の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の少なくとも一方の表面に表面処理液を塗布する塗布工程
(II)前記塗布の後、1.0秒以上経過した後に、20℃/秒以上の速度で昇温する昇温工程
前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板としては、特に限定されることなく、任意の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板を用いることができる。前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板は、下地鋼板の少なくとも一方の面に、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層を備える。前記下地鋼板および溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の詳細については後述する。
前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の少なくとも一方の表面に、上記表面処理液を塗布する。前記塗布は、とくに限定されることなく任意の方法で行うことができる。前記塗布は、例えば、コーターによる塗布、浸漬法による塗布、スプレーによる塗布からなる群より選択される1または2以上により行うことができる。前記コーターとしては、例えば、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式など)およびスクイズコーターからなる群より選択される1または2以上を用いることができる。前記塗布においては、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の両側の表面に表面処理液を塗布することが好ましい。
前記塗布の後、1.0秒以上経過した後に、20℃/秒以上の速度で昇温を行う。これにより、塗布された表面処理液が乾燥され、表面処理皮膜が形成される。前記条件を満たさない場合、濃化層の形成が不十分となり、その結果、耐食性、耐黒変性、および耐汗性が低下する。
本発明の一実施形態における表面処理鋼板は、下地鋼板と、前記下地鋼板の表面に配された溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の表面に配された表面処理皮膜とを備える表面処理鋼板であって、前記表面処理皮膜のうち、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と接する側の面に濃化層を備えている。前記濃化層が存在することにより、めっき層の腐食が抑制される。また、濃化層とめっき層との相乗効果により、下地鋼板が露出した部分の耐食性が向上する。さらに、前記濃化層の成分が、表面処理皮膜中に侵入した水分や塩分などに対するバリアとして機能し、めっき表面への到達を遅らせることにより、湿潤環境における黒変のみならず汗付着後の経時的な黒変色化を抑制し、耐黒変性と耐汗性を向上させることができる。前記表面処理鋼板は、上述した製造方法により製造することができる。
下地鋼板としては、特に限定されることなく、任意の鋼板を用いることができる。前記下地鋼板としては、熱延鋼板および冷延鋼板のいずれをも使用することができる。前記下地鋼板としては、例えば、低炭素または極低炭素アルミキルド鋼板、高シリコンマンガン系の高張力鋼板など種々のものを用いることができる。
前記下地鋼板の少なくとも一方の表面には、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層が配される。前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層は、前記下地鋼板の両面に配されていることが好ましい。なお、めっき層の組成の説明における「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味するものとする。
本実施形態における表面処理鋼板は、上記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の表面に配された表面処理皮膜を備える。前記表面処理皮膜は、前記表面処理鋼板の少なくとも一方の面に配されていればよく、両方の面に配されていてもよい。
(a)P
(b)N
(c)Si
(d)CoおよびNiの一方または両方
(e)有機樹脂
(f)Zn、Al、およびMgからなる群より選択される1または2以上
(g)V
(h)Mo
(i)ZrおよびTiの一方または両方
Pは、耐食性、耐汗性を向上させる効果を有する元素である。上述したように、P化合物として無機リン酸、有機リン酸およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上を含有する表面処理液を用いることにより、Pを含有する表面処理皮膜を得ることができる。
表面処理皮膜におけるP付着量は5~100mg/m2とする。P付着量が5mg/m2以上であれば、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部における耐食性、耐汗性が向上する。そのため、P付着量を5mg/m2以上、好ましくは7mg/m2以上、より好ましくは10mg/m2以上とする。一方、Pの付着量が100mg/m2以下であれば、表面処理皮膜からのPの溶出量が低下し、耐黒変性が向上する。そのため、Pの付着量を100mg/m2以下、好ましくは70mg/m2以下、より好ましくは50mg/m2以下とする。
Nは、表面処理液に含まれるN化合物(無機N化合物およびアミン)に由来する成分である。N化合物として無機N化合物およびアミンの一方または両方を含む表面処理液を用いることにより、めっき表面に形成される濃化層をめっき表面と強固に結合させることが可能になると考えられる。
上記表面処理皮膜はSiを含有する。前記Siは、表面処理液に含まれるSi化合物(シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤)に由来する成分である。前記Siの存在状態は特に限定されないが、例えば、シロキサン結合を有する非晶質化合物として表面処理皮膜中に存在することもできる。前記シロキサン結合を有する化合物として含まれるSiは、後述する有機樹脂とともに表面処理皮膜を形成する骨格となることもできる。
表面処理皮膜におけるSi付着量は2~95mg/m2とする。Si付着量が2mg/m2以上であれば、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部における耐食性、耐汗性が向上する。そのため、Si付着量を2mg/m2以上、好ましくは5mg/m2以上、より好ましくは15mg/m2以上とする。一方、Siの付着量が95mg/m2以下であれば、表面処理皮膜からのSiの溶出量が低下し、耐黒変性が向上する。そのため、Siの付着量を95mg/m2以下、好ましくは70mg/m2以下、より好ましくは45mg/m2以下とする。
先に述べたように、表面処理皮膜中にCoおよびNiの少なくとも一方を含有させることにより、耐黒変性を向上させることができる。無機Co化合物を含有する表面処理液を用いることにより、Coを含有する表面処理皮膜を得ることができる。同様に、無機Ni化合物を含有する表面処理液を用いることにより、Niを含有する表面処理皮膜を得ることができる。
表面処理皮膜におけるCoとNiの合計付着量は5~100mg/m2とする。前記合計付着量が5mg/m2以上であれば、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部における耐食性が向上する。そのため、前記合計付着量を5mg/m2以上、好ましくは10mg/m2以上、より好ましくは15mg/m2以上とする。一方、前記合計付着量が100mg/m2以下であれば、耐食性が向上する。そのため、前記合計付着量を100mg/m2以下、好ましくは80mg/m2以下、より好ましくは60mg/m2以下とする。
前記有機樹脂は前記シロキサン結合を有する化合物とともに、表面処理皮膜を形成する骨格となる成分である。前記有機樹脂としては任意の有機樹脂を用いることができるが、表面処理液の説明において挙げた有機樹脂を用いることが好ましい。
既に説明した通り、上述した表面処理液を用いて溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板上に表面処理皮膜を形成した場合、前記表面処理液の有するエッチング効果により、めっき層に含まれるZn、Al、およびMgが表面処理皮膜のめっき層側に取り込まれ、Zn、Al、およびMgを含む濃化層が形成される。前記濃化層については後述する。
本発明の一実施形態における表面処理鋼板においては、前記表面処理皮膜のうち前記濃化層を除く部分に、Zn、Al、およびMgからなる群より選択される1または2以上をさらに含有することができる。表面処理皮膜が、濃化層を除く部分にもZn、Al、Mgの1または2以上を含有することにより、表面処理鋼板の耐食性をさらに向上させることができる。前記Zn、Al、Mgは、酸化物および水酸化物の少なくとも一方であることが好ましい。また、前記Zn、Al、Mgは、水に対して難溶性もしくは不溶性の化合物と水溶性の化合物の両方として表面処理皮膜に含まれていることが好ましい。
表面処理皮膜中におけるVは、通常、均一に分散して存在するが、腐食環境下においては適度に溶出し、同じく腐食環境下で溶出するめっき成分の亜鉛イオンなどと結合し、緻密な保護皮膜を形成する。その結果、平面部だけでなく、欠陥部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部、および切断端面から平面部に進行する腐食に対する耐食性をさらに高めることができる。Vを使用する場合、前記効果を高めるために、表面処理皮膜に含まれるVの付着量を、0.2~40mg/m2とすることが好ましい。
表面処理液にMo化合物を添加することにより、表面処理皮膜にMoを含有させることができる。表面処理皮膜がMoを含有することにより、表面処理鋼板の耐黒変性をさらに向上させることができる。Moを使用する場合、前記効果を高めるために、表面処理皮膜に含まれるMoの付着量を、0.1mg/m2以上とすることが好ましい。一方、Moを過度に添加すると耐食性の低下を引き起こす場合がある。そのため、Moの付着量は15mg/m2以下とすることが好ましい。
ZrおよびTiは、表面処理皮膜がポーラスになるのを防ぎ、皮膜を緻密化する効果があるため腐食因子の透過しにくくすることによって耐食性を一段と向上させる効果を有する成分である。ZrおよびTiの一方または両方を使用する場合、上記のような効果を得るため、ZrおよびTiの合計付着量を10~200mg/m2とすることが好ましい。
前記表面処理皮膜のうち、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と接する側の面に、Zn、Al、およびMgを含み、かつP、Ni、Co、およびNの少なくとも1つが濃化した濃化層が存在する。前記濃化層は、腐食因子を遮断するバリア効果を有している。また、前記濃化層に含まれる成分は、腐食が発生した際に腐食生成物に取り込まれ、腐食の進行を遅らせる作用を有する。
前記濃化層の厚さは0.01μm~0.20μmとする。濃化層の厚さが0.01μm未満では、上記のバリア効果および腐食生成物による腐食抑制効果が不十分である。そのため、濃化層の厚さを0.01μm以上、好ましくは0.03μm以上、より好ましくは0.05μm以上とする。一方、濃化層の厚さが0.20μmを超えると濃化層からの溶出成分が多くなり、耐黒変性が低下する。そのため、濃化層の厚さは0.20μm以下、好ましくは0.15μm以下、より好ましくは0.12μm以下とする。
・表面処理液の調整
まず、表1、2に示す各成分を溶媒としての水に溶解させて表面処理液を調整した。使用した各成分の種類は以下に記す通りであり、表1、2には用いた各成分の番号を記載した。また、各成分の濃度は表1、2に示した通りとした。なお、本明細書の表における濃度の単位「%」は、「質量%」を表すものとする。
1:H3PO4
2:K4P2O7
3:NaP3O10
4:C2H8P2O7
1:ジエタノールアミン
2:トリメチルアミン
3:硝酸
4:アンモニア
1:スノーテックスOS(日産化学株式会社)
2:スノーテックスNS(日産化学株式会社)
3:AEROSIL 300(日本アエロジル株式会社)
4:γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
5:テトラエトキシシラン
1:CoCO3
2:CoSO4
3:Co(CH3COO)2
1:NiCO3
2:NiSO4
3:Ni(CH3COO)2
1:ウォーターゾールCD-540P(DIC株式会社)
2:ボンコートEC-740EF(DIC株式会社)
3:スーパーフレックス130(第一工業製薬株式会社)
4:アロンメルトPES-2005A30(東亜合成株式会社)
1:ZnCO3
2:ZnSO4
3:Zn(CH3COO)2
1:Al2(CO3)3
2:Al2(SO4)3
3:Al(CH3COO)3
1:MgCO3
2:MgSO4
3:Mg(CH3COO)2
1:メタバナジン酸ナトリウム
2:硫酸バナジル
3:メタバナジルアセチルアセトネート
1:モリブデン酸
2:モリブデン酸ナトリウム
1:炭酸ジルコニウムカリウム
2:硫酸ジルコニウム
3:酢酸ジルコニウム
1:チタンアセチルアセトナート
2:硫酸チタン
次に、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板を作製した。具体的には、以下に記す組成の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層を両面に備える溶融めっき鋼板を作成した。何れの溶融めっき鋼板についても、板厚は0.8mm、めっき付着量は片面当たり70g/m2とした。
1:溶融Zn-5%Al-0.5%Mg合金めっき鋼板
2:溶融Zn-2.5%Al-3%Mg合金めっき鋼板
3:溶融Zn-6%Al-3%Mg合金めっき鋼板
4:溶融Zn-11%Al-3%Mg合金めっき鋼板
次に、表3、4に示した条件で、得られた溶融めっき鋼板の表面に表面処理液を塗布し、次いで所定の昇温速度で、所定の到達板温まで昇温し、表面処理皮膜を形成した。表面処理液を塗布する際の鋼板温度、表面処理液を塗布してから昇温開始までの経過時間、昇温速度、および到達板温は表3、4に示した通りとした。また、使用した溶融めっき鋼板の種類についても、表3、4に番号で示した。表面処理皮膜の厚さは、表面処理液に含まれる固形分(加熱残分)の量や処理時間等により調整した。
得られた表面処理鋼板のそれぞれについてP、Co、Ni、Siの付着量、濃化層の厚さおよび表面処理皮膜の厚さを、以下の方法により測定した。測定結果を表3、4に示す。
表面処理皮膜中に含まれるP、Si、Co、およびNiの含有量を、蛍光X線分析装置(リガク社製:ZSX100e)を用いて測定し、P、Si、Co、およびNiそれぞれの付着量を求めた。同様の方法で、V、Mo、Zr、およびTiの付着量も求めた。
集束イオンビーム(FIB)を用いて表面処理皮膜を加工し、該皮膜の断面を露出させた。次いで、エネルギー分散型X線分析装置を搭載した透過型電子顕微鏡(TEM:フィリップス社製CM20FEG)を用いて、前記皮膜断面を垂直方向に線分析し、C、P、Zn、Al、Mg、N、ならびにCoおよびNi成分の原子数濃度変化を測定した。主に表面処理皮膜に由来する成分であるCの原子数濃度は、めっき層側に近づくにつれて下がり、主にめっき層に由来する成分であるZnの原子数濃度はめっき層側に近づくにつれて上がる。そこで、測定されたCとZnの原子数濃度曲線が交差するところをめっき層と表面処理皮膜との界面とした。また、前記界面における濃化元素Xの原子数濃度をXiとしたとき、前記界面から、表面処理皮膜中においてX原子数濃度が(1/5)Xiである位置までを濃化層とみなした。前記線分析は3か所で行いその平均値から濃化層の厚さを算出した。前記濃化元素Xは、P、Ni、Co、およびNのうち、最も濃化量の高い元素とした。また、前記濃化層中には、Zn、Al、およびMgが含まれていることを確認した。
表面処理皮膜を形成する前の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板と、表面処理液を塗布乾燥した後の表面処理鋼板の重量変化から、単位面積あたりの皮膜付着量(重量)を測定した。また、同じ条件で表面処理液だけを乾燥させて得た皮膜の重量と体積から、表面処理皮膜の密度を測定した。前記皮膜付着量と密度から、表面処理皮膜の厚さを算出した。
次に、得られた表面処理鋼板の平面部耐食性、曲げ部耐食性、クロスカット部耐食性、耐黒変性、耐汗性を、以下の方法で評価した。評価結果を表3、4に併記する。
各表面処理鋼板について、プレスを行わず平板の状態で塩水噴霧試験(JIS-Z-2371)を施し、2500時間後の耐赤錆面積で評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎+:赤錆面積率5%未満、かつ3500時間後も5%未満
◎ :赤錆面積率5%未満
○ :赤錆面積率5%以上、10%未満
○-:赤錆面積率10%以上、25%未満
△ :赤錆面積率25%以上、50%未満
× :赤錆面積率50%以上
各サンプルを、直径:2mmの棒(ステンレス製)に挟み込むようにして180°曲げて、万力を用いて絞め込んで加工による損傷部を作成した。この180°曲げをしたサンプルで塩水噴霧試験(JIS-Z-2371-2000)を行い、1500時間経過後の曲げ加工部外(表)側の赤錆発生状態を評価した。評価基準は次の通りとした。
◎+:曲げ加工部の赤錆発生なし、かつ2000時間後も赤錆発生なし
◎ :曲げ加工部に赤錆発生なし
○ :曲げ加工部の赤錆発生面積率が10%未満
○-:曲げ加工部の赤錆発生面積率が10%以上、40%未満
△ :曲げ加工部の赤錆発生面積率が40%以上、80%未満
× :曲げ加工部の赤錆発生面積率が80%以上
4辺をテープでシールし、カッターで下地鋼板まで到達するクロスカット傷を入れた平板試験サンプル(70mm×150mm)を用いて塩水噴霧試験(JIS-Z-2371-2000)を行い、1500時間経過後のクロスカット部の赤錆発生状態を評価した。評価基準は次の通りとした。
◎+:クロスカット部の赤錆発生なし、かつ2000時間後も赤錆発生なし
◎ :クロスカット部に赤錆発生なし
○ :クロスカット部の赤錆発生面積率が10%未満
○-:クロスカット部の赤錆発生面積率が10%以上、40%未満
△ :クロスカット部の赤錆発生面積率が40%以上、80%未満
× :クロスカット部の赤錆発生面積率が80%以上
各サンプルを温度:80℃、相対湿度:95%雰囲気に制御された恒温恒湿機に24時間静置した際の明度(L値)変化(ΔL=試験後のL値-試験前のL値)で算出した。評価基準は以下の通りである。L値には日本電色工業(株)製のSQ2000を使用し,SCIモード(正反射光含む)で測定を行った。
◎+:-10≦△L、かつ96時間後も-10≦△L
◎ :-10≦△L
○ :-15≦△L<-10
△ :-20≦△L<-15
× :ΔL<-20
各サンプルの表面に、JIS-B7001-1995に準ずる人工汗を10μL滴下し、シリコン製のゴム栓を滴下部に押し付けて、一定面積の人工汗で汚染された部位を作製した。この試験片を温度:40℃、相対湿度:80%の雰囲気に制御された恒温恒湿機に4時間静置した後に、汚染部位の外観変化を評価した。評価基準は次の通りである。
◎ :変色なし
○ :極僅かに変色あり
○-:僅かに変色あり
△ :やや黒変
× :明らかに黒変
上記実施例1では、無機Co化合物を含有し、無機Ni化合物を含有しない表面処理液を使用した。本実施例2では、無機Co化合物を含有せず、無機Ni化合物を含有する表面処理液を使用して、上記実施例1と同様の実験を行った。使用した表面処理液の組成を表5、6に示す。また、製造条件および測定結果、性能評価の結果を表7、8に示す。その他の条件については実施例1と同様とした。
無機Co化合物と無機Ni化合物の両方を含有する表面処理液を使用して、上記実施例1と同様の実験を行った。使用した表面処理液の組成を表9に示す。また、製造条件および測定結果、性能評価の結果を表10に示す。その他の条件については実施例1と同様とした。
Claims (15)
- 溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板用の表面処理液であって、
(1)P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上、
(2)N化合物として、アミン、
(3)Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上、
(4)無機Ni化合物、または無機Co化合物と無機Ni化合物の両方、
(5)有機樹脂、ならびに
(6)水
を含有し、
前記P化合物の濃度が0.25質量%~5質量%であり、
前記N化合物の濃度が0.1質量%~10質量%であり、
前記Si化合物の濃度が0.2質量%~9.5質量%であり、
前記無機Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度が0.25質量%~5質量%である、
表面処理液。 - (7)Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、請求項1に記載の表面処理液。
- (8)V化合物をさらに含有する、請求項1または2に記載の表面処理液。
- (9)Mo化合物として、モリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方をさらに含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の表面処理液。
- (10)Zr化合物およびTi化合物の一方または両方をさらに含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の表面処理液。
- 温度25℃以上の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の少なくとも一方の表面に表面処理液を塗布し、
前記塗布の後、1.0秒以上経過した後に、20℃/秒以上の速度で昇温する、表面処理鋼板の製造方法であって、
前記表面処理液が、
(1)P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上、
(2)N化合物として、アミン、
(3)Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上、
(4)無機Co化合物および無機Ni化合物の一方または両方、
(5)有機樹脂、ならびに
(6)水
を含有し、
前記P化合物の濃度が0.25質量%~5質量%であり、
前記N化合物の濃度が0.1質量%~10質量%であり、
前記Si化合物の濃度が0.2質量%~9.5質量%であり、
前記無機Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度が0.25質量%~5質量%である、
表面処理鋼板の製造方法。 - 前記表面処理液が、
(7)Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、請求項6に記載の表面処理鋼板の製造方法。 - 前記表面処理液が、
(8)V化合物をさらに含有する、請求項6または7に記載の表面処理鋼板の製造方法。 - 前記表面処理液が、
(9)Mo化合物として、モリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方をさらに含有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の表面処理鋼板の製造方法。 - 前記表面処理液が、
(10)Zr化合物およびTi化合物の一方または両方をさらに含有する、請求項6~9のいずれか一項に記載の表面処理鋼板の製造方法。 - 下地鋼板と、
前記下地鋼板の表面に配された溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と、
前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の表面に配された表面処理皮膜とを備える表面処理鋼板であって、
前記表面処理皮膜は、
(a)P、
(b)N、
(c)Si、
(d)CoおよびNiの一方または両方、並びに
(e)有機樹脂
を含有し、
前記表面処理皮膜におけるP付着量が5~100mg/m2であり、
前記表面処理皮膜におけるSi付着量が2~95mg/m2であり、
前記表面処理皮膜におけるCoおよびNiの合計付着量が5~100mg/m2であり、
前記表面処理皮膜のうち、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と接する側の面に、Zn、Al、およびMgを含み、かつP、Ni、Co、およびNの少なくとも1つが濃化した濃化層が存在し、
前記濃化層の厚さが0.01~0.20μmである、表面処理鋼板。 - 前記表面処理皮膜のうち前記濃化層を除く部分に、
(f)Zn、Al、およびMgからなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、請求項11に記載の表面処理鋼板。 - 前記表面処理皮膜が、
(g)Vをさらに含有する、請求項11または12に記載の表面処理鋼板。 - 前記表面処理皮膜が、
(h)Moをさらに含有する、請求項11~13のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。 - 前記表面処理皮膜が、
(i)ZrおよびTiの一方または両方をさらに含有する、請求項11~14のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019164873A JP7127628B2 (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019164873A JP7127628B2 (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021042423A JP2021042423A (ja) | 2021-03-18 |
JP7127628B2 true JP7127628B2 (ja) | 2022-08-30 |
Family
ID=74862895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019164873A Active JP7127628B2 (ja) | 2019-09-10 | 2019-09-10 | 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7127628B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023166772A1 (ja) * | 2022-03-03 | 2023-09-07 | 日本製鉄株式会社 | 表面処理鋼板 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001158972A (ja) | 1999-11-30 | 2001-06-12 | Nisshin Steel Co Ltd | 耐黒変性,耐食性に優れた亜鉛めっき鋼板及びその表面処理 |
JP2008169470A (ja) | 2006-12-13 | 2008-07-24 | Jfe Steel Kk | 平板部耐食性、耐黒変性およびプレス成形後の外観と耐食性に優れた表面処理亜鉛系めっき鋼板、並びに亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液 |
JP2010236074A (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Jfe Steel Corp | 表面処理剤、該表面処理剤を用いためっき鋼板の製造方法およびめっき鋼板 |
JP2012062565A (ja) | 2010-09-20 | 2012-03-29 | Jfe Steel Corp | 亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液および表面処理亜鉛系めっき鋼板 |
WO2016203703A1 (ja) | 2015-06-15 | 2016-12-22 | Jfeスチール株式会社 | 表面処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 |
JP2018062710A (ja) | 2016-10-11 | 2018-04-19 | Jfeスチール株式会社 | 亜鉛系めっき鋼板用表面処理液、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法、及び表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板 |
JP2019127618A (ja) | 2018-01-24 | 2019-08-01 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 溶接鋼管用防錆処理液、溶接鋼管の化成処理方法、溶接鋼管および溶接鋼管の成形加工品 |
-
2019
- 2019-09-10 JP JP2019164873A patent/JP7127628B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001158972A (ja) | 1999-11-30 | 2001-06-12 | Nisshin Steel Co Ltd | 耐黒変性,耐食性に優れた亜鉛めっき鋼板及びその表面処理 |
JP2008169470A (ja) | 2006-12-13 | 2008-07-24 | Jfe Steel Kk | 平板部耐食性、耐黒変性およびプレス成形後の外観と耐食性に優れた表面処理亜鉛系めっき鋼板、並びに亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液 |
JP2010236074A (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Jfe Steel Corp | 表面処理剤、該表面処理剤を用いためっき鋼板の製造方法およびめっき鋼板 |
JP2012062565A (ja) | 2010-09-20 | 2012-03-29 | Jfe Steel Corp | 亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液および表面処理亜鉛系めっき鋼板 |
WO2016203703A1 (ja) | 2015-06-15 | 2016-12-22 | Jfeスチール株式会社 | 表面処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 |
JP2018062710A (ja) | 2016-10-11 | 2018-04-19 | Jfeスチール株式会社 | 亜鉛系めっき鋼板用表面処理液、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法、及び表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板 |
JP2019127618A (ja) | 2018-01-24 | 2019-08-01 | 日鉄日新製鋼株式会社 | 溶接鋼管用防錆処理液、溶接鋼管の化成処理方法、溶接鋼管および溶接鋼管の成形加工品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021042423A (ja) | 2021-03-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5075321B2 (ja) | 金属表面の水系処理薬剤 | |
WO2020189769A1 (ja) | 表面処理金属材 | |
JP4920625B2 (ja) | 表面処理金属板 | |
JP2005120469A (ja) | 金属材料表面処理用組成物および表面処理方法 | |
KR101918879B1 (ko) | 아연 도금 강판용 표면 처리제 | |
EP3241921B1 (en) | Method of obtaining a hot pressed steel material | |
EP4036273A1 (en) | Ternary hot-dip galvannealed steel sheet surface treatment solution composition for providing excellent blackening resistance and alkali resistance, ternary hot-dip galvannealed steel sheet surface-treated using same, and manufacturing method therefor | |
CN101142079B (zh) | 表面处理金属材料 | |
KR100456403B1 (ko) | 표면처리강판 및 그 제조방법 | |
WO2022191213A1 (ja) | 溶融Al-Zn-Si-Mg系めっき鋼板及びその製造方法、表面処理鋼板及びその製造方法、並びに、塗装鋼板及びその製造方法 | |
JP7127628B2 (ja) | 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 | |
JP6943232B2 (ja) | 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 | |
JP2003055777A (ja) | 溶接性、耐食性に優れたクロメートフリー処理溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 | |
JP3596665B2 (ja) | 亜鉛系めっき鋼板用表面処理皮膜及び表面処理鋼板 | |
CN113789506B (zh) | 一种金属板、建筑及金属板的制备方法 | |
JP6296210B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 | |
US11795526B2 (en) | Surface-treated steel sheet | |
WO2023190971A1 (ja) | 表面処理鋼板 | |
WO2024075833A1 (ja) | 表面処理鋼板 | |
JP7099424B2 (ja) | 表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法 | |
WO2023190979A1 (ja) | 表面処理鋼板、及び、部品の製造方法 | |
JP2023038245A (ja) | 表面処理鋼板及びその製造方法 | |
JP2022140248A (ja) | 表面処理鋼板及びその製造方法 | |
JP2023100556A (ja) | 表面処理鋼板及びその製造方法 | |
KR20230157433A (ko) | 프리코트 금속판 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210428 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220308 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220614 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220706 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220719 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220801 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7127628 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |