JP7127628B2 - 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 - Google Patents

表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 Download PDF

Info

Publication number
JP7127628B2
JP7127628B2 JP2019164873A JP2019164873A JP7127628B2 JP 7127628 B2 JP7127628 B2 JP 7127628B2 JP 2019164873 A JP2019164873 A JP 2019164873A JP 2019164873 A JP2019164873 A JP 2019164873A JP 7127628 B2 JP7127628 B2 JP 7127628B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surface treatment
compound
steel sheet
mass
treatment liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019164873A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021042423A (ja
Inventor
和久 岡井
玲央那 遠藤
誠治 内田
昌浩 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2019164873A priority Critical patent/JP7127628B2/ja
Publication of JP2021042423A publication Critical patent/JP2021042423A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7127628B2 publication Critical patent/JP7127628B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板用の表面処理液に関し、特に、耐食性、耐汗性、および耐黒変性に優れた表面処理鋼板を製造することができる表面処理液に関する。また、本発明は、表面処理鋼板の製造方法および表面処理鋼板に関する。
鋼板の表面にZn系めっき層を設けたZn系めっき鋼板は、Znの犠牲防食作用による高い耐食性を備えるため、極めて幅広い分野で使用されている。中でも、耐白錆性、耐赤錆性を向上させる目的で、Zn系めっき層に対して、クロム酸、重クロム酸またはそれらの塩を主要成分とした処理液によるクロメート処理を施したクロメート処理鋼板が、従来、一般的に用いられてきた。しかし、近年、地球環境問題などの観点から、クロメート処理によらない無公害な表面処理鋼板、いわゆるクロムフリー処理鋼板の需要が高まっている。
そこで、クロメート処理によらずに亜鉛系めっき鋼板における亜鉛の腐食(白錆)を抑制するクロメートフリー処理技術が数多く提案されてきた。前記クロメートフリー処理技術としては、例えば、下記(1)~(4)の技術や、それらを組み合わせた技術が挙げられる。
(1)Crと同じ第6族(旧IUPAC式におけるIVA族)に属するMoまたはWの化合物である、モリブデン酸、タングステン酸などの不動態化作用を利用する技術。
(2)Ti、Zr、V、Mn、Ni、Coなどの遷移金属やLa、Ceなどの希土類元素の金属塩を用いる技術。
(3)タンニン酸などの多価フェノールカルボン酸やS、Nを含む化合物などのキレート剤をベースとする技術。
(4)シランカップリング剤を用いてポリシロキサン皮膜を形成する技術。
一方、Zn系めっき鋼板には様々な種類のものがあるが、中でも溶融Zn-Al系合金めっき鋼板は、溶融Znめっき鋼板に比べて耐食性が優れているので、家電、土木、建築部材を中心に広く利用されている。この溶融Zn-Al系合金めっき鋼板は、例えば、海岸部など飛来塩分が多い厳しい環境下においても優れた耐食性を示すが、近年はMgを含有させ、外観均一性や耐食性をさらに向上させたZn-Al-Mg系合金めっき鋼板の適用が広がってきている。
そこで、近年、Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板においても、表面処理皮膜のクロメートフリー化への要請が高まっている。しかし、めっき層にAlとMgが含まれるZn-Al-Mg系合金めっき鋼板では黒変が顕著であるため、Zn-Al-Mg系合金めっき層を備える表面処理皮膜には、耐食性に優れることに加え、耐黒変性にも優れることが求められる。
ここで、黒変とは、湿潤環境などにおいてめっき層表面が黒く変色する現象であり、めっき層最表面に生成している酸化亜鉛が酸素欠乏型酸化亜鉛に変化することにより生じると考えられている。Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板では、Al、MgのようなZnに比べて酸化されやすい元素がめっき層最表面に拡散してきて、酸化亜鉛から酸素の一部を奪って酸素欠乏型酸化亜鉛に変化させるため、黒変が顕著となる。
このようなZn-Al-Mg系合金めっき鋼板に適用されるクロメートフリー処理についても、耐食性や耐黒変性などの観点から、例えば、特許文献1~9のように、さまざまな技術が提案されている。
特許文献1では、Zn-Al系合金めっき層の表面に、Al-Fの反応層を介してTiとVの難溶性化合物を主体とする複合皮膜を形成する技術が提案されている。
特許文献2では、バルブメタルの酸化物または水酸化物とバルブメタルのフッ化物とを含む表面処理皮膜が提案されている。
特許文献3では、亜鉛系めっき鋼板の表面に2層皮膜を形成する技術が提案されている。前記2層被膜は、シリカまたはアルミナからなる第1層と、前記第1層の表面に設けられた、バルブメタルの酸化物または水酸化物とバルブメタルのフッ化物とを含む第2層からなる。
特許文献4では、Mg含有Zn合金めっき層の表面に、めっき層に由来するMgの化合物を含む界面反応層を介して、バルブメタルの化合物を主成分とする表面処理皮膜を形成する技術が提案されている。
特許文献5では、V、Mo、P、Zr、Siおよびアミン、有機樹脂を含む、Zn-Al系合金めっき鋼板用の表面処理液が提案されている。前記表面処理液によって形成される表面処理皮膜は、めっき層上に形成された、V、MoおよびPを含む第1化成処理層と、前記第1化成処理層の上に形成された、その他成分からなる複合皮膜である。
特許文献6では、フッ素を含むTi化合物、リン酸、およびTi化合物を高分子化する酸化剤を含む表面処理液が提案されている。
特許文献7、8では、Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の表面に、無機化合物である、Zr化合物、V化合物、Tiのフルオロ錯体、および無機リン化合物に加え、有機樹脂を含む表面処理剤を塗布乾燥して無機有機複合皮膜を形成する方法が提案されている。
特許文献9では、Zn-Al-Mg-Si合金めっき鋼板と、前記めっき鋼板の表面に形成された絶縁物質の層と、前記絶縁物質の層の表面に形成された、Alを含む皮膜とを有する表面処理鋼板が提案されている。
特開2003-306777号公報 特開2002-194558号公報 特開2004-232020号公報 特開2007-023309号公報 特開2015-117433号公報 特開2004-143549号公報 特開2015-0105404公報 特開2016-089232号公報 特許5655981号公報
しかし、上記特許文献1~9をはじめとする従来の技術には、次のような問題があった。
特許文献1~5で提案されている技術では、(A)2層で構成される表面処理皮膜の第1層で、めっき層と表面処理皮膜との反応層を形成させるか、または、(B)単層皮膜ではあるが、めっき層と表面処理皮膜との界面に反応層を形成することによって2層皮膜のような皮膜構造としている。これらの技術では、反応層を形成することにより表面処理皮膜とめっき層との密着性を向上させ、その結果、めっき鋼板の腐食、特に白錆の発生を抑制することができる。しかし、反応層の形成にフッ化物を利用しており、フッ化物によるエッチング作用によってめっき層の表面が活性化するため、湿潤環境下でめっき表層が酸化して耐黒変性が低下してしまうという問題がある。
一方、特許文献6で提案されている技術は、第1層にフッ化物を用いず反応層が形成されないため、フッ化物を用いる方法に比べると黒変は発生しにくいものの、めっき層と表面処理皮膜の密着性が不十分となり、耐食性が低下する。
また、特許文献7および特許文献8で提案されている技術では、さまざまな無機成分と有機成分の複合化によって皮膜を緻密にし、単層皮膜でも耐食性を向上させることができる。しかし、前記技術ではフッ化物が使用されるため、フッ化物による耐黒変性の低下を避けることができない。
特許文献9で提案されている技術では、耐黒変性をある程度向上させることはできるものの、水分や塩分などの腐食因子の透過を抑制する効果は小さく、耐食性が劣る。
ところで、上述した従来の技術は、いずれもめっき層上に表面処理皮膜を設けてめっき層の腐食を抑制することにより、結果的に下地鋼板の腐食開始を遅らせることを目的としている。下地鋼板はめっき層によってのみ防食されているため、下地鋼板が露出した部分、例えば、プレス成形や曲げ加工などによりめっきや皮膜が損傷した部位や、切断端面などでは、下地鋼板の腐食を抑制することができない。
また、Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板では、上述した湿潤環境下における黒変現象に加え、人がめっき鋼板に直接触った場合に、触った部分が時間と共に黒変する現象が知られている。これは、弱酸性である人汗が鋼板に付着し、汗成分が皮膜中に浸透することによって、めっき表面に存在するAlやMgのような酸化しやすい元素が経時的に酸化して黒変する現象である。上述したような従来の表面処理皮膜は、人汗による黒変化をある程度抑制することはできるが、耐汗性はなお不十分なレベルである。
以上述べたように、従来のクロメートフリー皮膜付きZn-Al-Mg系合金めっき鋼板は、耐食性、耐黒変性、耐汗性のいずれか、あるいはすべてにおいて不十分であり、優れた耐食性、耐黒変性、耐汗性を具備するZn-Al-Mg系合金めっき鋼板が要求されている。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、耐食性、耐黒変性、および耐汗性に優れた表面処理鋼板を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
(1)Zn-Al-Mg系合金めっき層の上に、特定の成分を含有する表面処理皮膜を形成し、さらに前記表面処理皮膜の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と接する側に特定の成分が濃化した濃化層を形成することにより、めっき層の腐食を抑制することに加え、めっき層との複合効果で、下地鋼板が露出した部分の耐食性を向上させることができる。
(2)さらに、前記濃化層の成分が、表面処理皮膜中に侵入した水分や塩分などに対するバリアとして機能し、めっき表面への到達を遅らせることにより、湿潤環境における黒変のみならず汗付着後の経時的な黒変色化を抑制し、耐黒変性と耐汗性を向上させることができる。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は以下の通りである。
1.溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板用の表面処理液であって、
(1)P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上、
(2)N化合物として、無機N化合物およびアミンの一方または両方、
(3)Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上、
(4)無機Co化合物および無機Ni化合物の一方または両方、
(5)有機樹脂、ならびに
(6)水
を含有し、
前記P化合物の濃度が0.25質量%~5質量%であり、
前記Si化合物の濃度が0.2質量%~9.5質量%であり、
前記無機Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度が0.25質量%~5質量%であり、
表面処理液。
2.(7)Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、上記1に記載の表面処理液。
3.(8)V化合物をさらに含有する、上記1または2に記載の表面処理液。
4.(9)Mo化合物として、モリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方をさらに含有する、上記1~3のいずれか一項に記載の表面処理液。
5.(10)Zr化合物およびTi化合物の一方または両方をさらに含有する、上記1~4のいずれか一項に記載の表面処理液。
6.温度25℃以上の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の少なくとも一方の表面に上記1~5のいずれか一項に記載の表面処理液を塗布し、
前記塗布の後、1.0秒以上経過した後に、20℃/秒以上の速度で昇温する、表面処理鋼板の製造方法。
7.下地鋼板と、
前記下地鋼板の表面に配された溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と、
前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の表面に配された表面処理皮膜とを備える表面処理鋼板であって、
前記表面処理皮膜は、
(A)P、
(B)N、
(C)Si、
(D)CoおよびNiの一方または両方、並びに
(E)有機樹脂
を含有し、
前記表面処理皮膜におけるP付着量が5~100mg/mであり、
前記表面処理皮膜におけるSi付着量が2~95mg/mであり、
前記表面処理皮膜におけるCoおよびNiの合計付着量が5~100mg/mであり、
前記表面処理皮膜のうち、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と接する側の面に、Zn、Al、およびMgを含み、かつP、Ni、Co、およびNの少なくとも1つが濃化した濃化層が存在し、
前記濃化層の厚さが0.01~0.20μmである、表面処理鋼板。
8.前記表面処理皮膜のうち前記濃化層を除く部分に、
(F)Zn、Al、およびMgからなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、上記7に記載の表面処理鋼板。
9.前記表面処理皮膜が、
(G)Vをさらに含有する、上記7または8に記載の表面処理鋼板。
10.前記表面処理皮膜が、
(H)Moをさらに含有する、上記7~9のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
11.前記表面処理皮膜が、
(I)ZrおよびTiの一方または両方をさらに含有する、上記7~10のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
本発明によれば、耐食性、耐黒変性、および耐汗性を兼ね備えた表面処理鋼板を得ることができる。
次に、本発明を実施する方法について具体的に説明する。
[表面処理液]
まず、本発明の一実施形態における表面処理液について説明する。本発明の一実施形態における表面処理液は、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板用の表面処理液であって、下記(1)~(6)を必須成分として含有し、さらに任意に下記(7)~(10)から選択される1または2以上を含有することができる。以下、各成分について説明する。
(1)P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上
(2)N化合物として、無機N化合物およびアミンの一方または両方
(3)Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上
(4)無機Co化合物および無機Ni化合物の一方または両方
(5)有機樹脂
(6)水
(7)Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上
(8)V化合物
(9)Mo化合物として、モリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方
(10)Zr化合物およびTi化合物の一方または両方
(1)P化合物
表面処理皮膜にPを含有させることにより、耐食性、耐汗性を向上させることができる。そこで、本発明の表面処理液は、P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上を含有する。
前記無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩としては、特に限定されることなく任意の化合物を用いることができる。前記無機リン酸としては、リン酸、第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩、ピロリン酸、ピロリン酸塩、トリポリリン酸、トリポリリン酸塩、亜リン酸、亜リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩からなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。前記有機リン酸としては、ホスホン酸(ホスホン酸化合物)を用いることが好ましい。前記ホスホン酸としては、例えば、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、ホスフォノブタントリカルボン酸、メチルジホスホン酸、メチレンホスホン酸、およびエチリデンジホスホン酸からなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。また、前記P化合物が塩である場合、当該塩は、周期表における第1族~第13族元素の塩であることが好ましく、金属塩であることがより好ましく、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩からなる群より選択される1または2以上であることが好ましい。
上記P化合物を含む表面処理液を溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層に塗付すると、該P化合物の作用によりめっき層表面がエッチングされ、めっき層の構成元素であるZn、Al、およびMgが取り込まれた濃化層が表面処理皮膜の前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層側に形成される。前記濃化層が形成されることにより、表面処理皮膜とめっき層表面との結合が強固となり、表面処理皮膜の密着性が向上する。
(P化合物の濃度)
表面処理液中における上記P化合物の濃度は、0.25質量%~5質量%とする。0.25質量%未満では、エッチング効果が不足してめっき界面との密着力が低下し、平面部耐食性が低下するだけでなく、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部の耐食性、耐汗性も低下する。好ましくは0.35質量%以上、より好ましくは0.50質量%以上である。一方、5質量%を超えると表面処理液の寿命が短くなるだけでなく、皮膜を形成した際の外観が不均一になりやすい。また表面処理皮膜からのPの溶出量が多くなり、耐黒変性が低下する。好ましくは3.5質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下である。P化合物の濃度を0.25質量%~5質量%とした表面処理液を塗布、乾燥することにより、乾燥後の表面処理皮膜のP付着量を5~100mg/mとすることができる。
(2)N化合物
本発明の表面処理液は、N化合物として、無機N化合物およびアミンの一方または両方を含有する。前記N化合物は、上述したP化合物と同様、エッチング作用によってめっき層表面を活性化する作用、およびめっき表面への吸着作用を有する。前記作用により、表面処理皮膜とめっき層表面とを強固に結合させることができる。
前記N化合物としては、特に限定されることなく任意の化合物を用いることができる。前記無機N化合物としては、Nのオキソ酸、Nのオキソ酸塩、アンモニア、アンモニウム塩からなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましく、硝酸、硝酸塩、亜硝酸、亜硝酸塩、アンモニア、およびアンモニウム塩からなる群より選択される1または2以上を用いることがより好ましい。前記アミンとしては、第1級アミン、第2級アミン、および第3級アミンからなる群より選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。また、前記アミンとしては、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミンなど、任意のアミンを用いることができるが、脂肪族アミンを用いることが好ましい。特に、ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミンなどの1個以上の1級アミノ基を有するアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミンなどの第2級アミン;トリメチルアミンなどの第3級アミンから選択される1または2以上を用いることが好ましい。
(N化合物の濃度)
表面処理液中における上記N化合物の濃度はとくに限定されないが、0.1質量%~10質量%であることが好ましい。前記N化合物の濃度が0.1質量%以上であれば、表面処理皮膜とめっき層との密着性がさらに向上する。そしてその結果、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断部、および加工などで生じる損傷部における耐食性、ならびに耐汗性が一層向上する。また、前記N化合物の濃度が10質量%以下であれば、表面処理液の寿命をさらに長くすることができる。
(3)Si化合物
Si化合物は、後述する有機樹脂とともに表面処理皮膜を形成する骨格となる成分である。本発明の表面処理液は、Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上を含有する。
前記シリカとしては、とくに限定されず任意のものを用いることができる。前記シリカとしては、例えば、湿式シリカおよび乾式シリカの一方または両方を用いることができる。前記湿式シリカの一種であるコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学(株)製のスノーテックスO、C、N、S、20、OS、OXS、NSなどを好適に用いることができる。また、前記乾式シリカとしては、例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSIL50、130、200、300、380などを好適に用いることができる。
前記トリアルコキシシランとしては、とくに限定されることなく任意のものを用いることができるが、一般式RSi(OR(式中、Rは水素または炭素数1~5のアルキル基を示し、Rは同一のまたは異なる炭素数1~5のアルキル基を示す)で表されるものを用いることが好ましい。前記トリアルコキシシランとしては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、およびメチルトリエトキシシランからなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。
前記テトラアルコキシシランとしては、とくに限定されることなく任意のものを用いることができるが、一般式Si(OR)(式中、Rは同一のまたは異なる炭素数1~5のアルキル基を示す)で表されるものを用いることが好ましい。前記テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトラプロポキシシランからなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。
前記シランカップリング剤としては、とくに限定されることなく任意のものを用いることができる。前記シランカップリング剤としては、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、およびγ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシランからなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。
上記Si化合物を表面処理皮膜に含有させることにより、該Si化合物が脱水縮合して、腐食因子を遮蔽するバリア効果の高いシロキサン結合を有する非晶質皮膜を形成する。また、後述する有機樹脂などと結合することで、より高いバリア性を有する皮膜が形成される。さらに、腐食環境下において、欠陥部や加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部には緻密で安定な腐食生成物が形成され、めっきとの複合効果によって下地鋼板の腐食を抑制する効果もある。安定な腐食生成物を形成する効果が高いという観点からは、前記Si化合物として、コロイダルシリカおよび乾式シリカの一方または両方を用いることが好ましい。
(Si化合物の濃度)
表面処理液中における上記Si化合物の濃度は、0.2質量%~9.5質量%とする。前記Si化合物の濃度が0.2質量%以上であれば、シロキサン結合によるバリア効果を得ることができ、その結果、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断部、および加工などで生じる損傷部における耐食性、ならびに耐汗性が向上する。また、前記Si化合物の濃度が9.5質量%以下であれば、表面処理液の寿命を長くすることができる。Si化合物の濃度を0.2質量%~9.5質量%とした表面処理液を塗布、乾燥することにより、乾燥後の表面処理皮膜のSi付着量を2~95mg/mとすることができる。
(4)無機Co化合物、無機Ni化合物
表面処理皮膜中にCoおよびNiの少なくとも一方を含有させることにより、耐黒変性を向上させることができる。これは、CoおよびNiが、腐食環境下における水溶性成分の皮膜からの溶出を遅らせる効果を有するためであると考えられる。また、CoおよびNiは、Zn、Al、およびMgよりも酸化されにくい元素である。そのため、CoおよびNiの少なくとも一方をめっき層との界面に濃化させることにより濃化層が腐食に対するバリアとなり、その結果、耐黒変性が改善すると考えられる。そこで、本発明では、表面処理液に無機Co化合物および無機Ni化合物の一方または両方を添加する。
・無機Co化合物
無機Co化合物を含む表面処理液を用いることにより、Coを皮膜に含有させるとともに濃化層に取り込むことができる。前記無機Co化合物としては、コバルト塩を用いることが好ましい。前記コバルト塩としては、硫酸コバルト、炭酸コバルト、および塩化コバルトからなる群より選択される1または2以上を用いることがより好ましい。
・無機Ni化合物
無機Ni化合物を含む表面処理液を用いることにより、Niを皮膜に含有させるとともに濃化層に取り込むことができる。前記無機Ni化合物としては、ニッケル塩を用いることが好ましい。前記ニッケル塩としては、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、および塩化ニッケルからなる群より選択される1または2以上を用いることがさらに好ましい。
(Co化合物、Ni化合物の濃度)
表面処理液中の無機Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度は、0.25質量%~5質量%とする。0.25質量%未満では界面濃化層が不均一になり、平面部耐食性が低下するだけでなく、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部の耐食性も低下する。好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.75質量%以上である。一方、5質量%を超えると皮膜を形成した際の外観が不均一になりやすく、耐食性が低下する。好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度を0.25質量%~5質量%とした表面処理液を塗布、乾燥することにより、乾燥後の表面処理皮膜CoとNiの合計付着量を5~100mg/mとすることができる。
(5)有機樹脂
有機樹脂は、上述したSi化合物とともに、表面処理皮膜を形成する骨格となる成分である。前記有機樹脂としては、特に限定されることなく任意のものを1または2以上用いることができるが、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリル-エチレン共重合体、アクリル-スチレン共重合体、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン樹脂、およびフッ素樹脂からなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。
中でも、耐食性の観点からは、OH基およびCOOH基の一方または両方を有する有機樹脂を用いることが好ましい。前記OH基およびCOOH基の一方または両方を有する有機樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル系共重合体樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体樹脂、アルキド樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミン樹脂、およびポリフェニレン樹脂類、ならびにそれらの樹脂2種以上の混合物もしくは付加重合物からなる群より選択される1または2以上を用いることができる。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック等をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、ビスフェノールAにプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドまたはポリアルキレングリコールを付加し、グリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、さらには脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリエーテル系エポキシ樹脂等を用いることができる。
前記ウレタン樹脂としては、例えば、油変性ポリウレタン樹脂、アルキド系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
前記アクリル樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸及びその共重合体、ポリアクリル酸エステル及びその共重合体、ポリメタクリル酸及びその共重合体、ポリメタクリル酸エステル及びその共重合体、ウレタン-アクリル酸共重合体(またはウレタン変性アクリル樹脂)、スチレン-アクリル酸共重合体等が挙げられ、さらにこれらの樹脂を他のアルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等によって変性させた樹脂を用いてもよい。
前記アクリルシリコン樹脂としては、例えば、主剤としてアクリル系共重合体の側鎖又は末端に加水分解性アルコキシシリル基を含み、これに硬化剤を添加したもの等が挙げられる。これらのアクリルシリコン樹脂を用いた場合、優れた耐候性が期待できる。
前記アルキド樹脂としては、例えば、油変性アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、スチレン化アルキド樹脂、シリコン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、オイルフリーアルキド樹脂、高分子量オイルフリーアルキド樹脂等を挙げることができる。
前記エチレン樹脂としては、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、カルボキシル変性ポリオレフィン樹脂などのエチレン系共重合体、エチレン-不飽和カルボン酸共重合体、エチレン系アイオノマー等が挙げられ、さらに、これらの樹脂を他のアルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等によって変性させた樹脂を用いてもよい。
前記フッ素樹脂としては、フルオロオレフィン系共重合体があり、これには例えば、モノマーとしてアルキルビニルエーテル、シンクロアルキルビニルエーテル、カルボン酸変性ビニルエステル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、テトラフルオロプロピルビニルエーテル等と、フッ素モノマー(フルオロオレフィン)とを共重合させた共重合体がある。これらフッ素樹脂を用いた場合には、優れた耐候性と優れた疎水性も期待できる。
さらに、耐食性や加工性の観点からは、前記有機樹脂が熱硬化性樹脂であることが好ましい。熱硬化性樹脂を用いる場合、表面処理液が、さらに硬化剤を含有することが好ましい。前記硬化剤としては、例えば、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート、オキサゾリン化合物、フェノール樹脂からなる群より選択される1または2以上を用いることができる。前記アミノ樹脂としては、例えば、尿素樹脂(ブチル化尿素樹脂など)、メラミン樹脂(ブチル化メラミン樹脂など)、ブチル化尿素・メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂からなる群より選択される1または2以上を用いることができる。
(有機樹脂の濃度)
表面処理液中の有機樹脂の濃度は、1質量%~30質量%であることが好ましい。前記有機樹脂の濃度が1質量%以上であれば、皮膜の骨格をより十分に形成できるため、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断部、および加工などで生じる損傷部における耐食性、ならびに耐汗性が一層向上する。また、前記有機樹脂の濃度が30質量%以下であれば、表面処理液の寿命をさらに長くすることができる。
(6)水
上記表面処理液は、溶媒としての水を含有する。
なお、上記表面処理液には、濡れ性向上や消泡効果を付与するために、水以外の溶媒をさらに添加することもできる。前記水以外の溶媒としては有機溶媒を用いることが好ましい。前記有機溶媒としては、例えば、エタノール、t-ブタノール、ブチルセロソルブからなる群より選択される1または2以上を用いることができる。
上記(1)~(6)が本願発明の表面処理液の必須成分である。本発明の一実施形態における表面処理液は、上記(1)~(6)の成分からなる組成を有するものであってもよい。
環境適合性の観点から、上記表面処理液はCrを含有しないことが好ましい。言い換えると、本発明の一実施形態における表面処理液は、Crを含有しないクロムフリー表面処理液とすることができる。Crを含まない表面処理液を用いることにより、Crを含有しない表面処理皮膜(クロムフリー表面処理皮膜)を形成することができる。
また、耐黒変性をさらに向上させるという観点からは、上記表面処理液は無機フッ素化合物を含有しないことが好ましい。無機フッ素化合物を含まない表面処理液を用いることにより、無機フッ素化合物によるエッチングによるめっき層表面の活性化を防止し、耐黒変性を一層向上させることができる。なお、前記無機フッ素化合物には、無機フッ素化合物の解離によって生じるイオン性フッ素化合物(例えば、フッ化物イオン、ヘキサフルオロチタン酸イオンなど)も包含するものとする。なかでも、フッ化物塩を含有しないことが好ましい。ここで、前記フッ化物塩には、ヘキサフルオロチタン酸などのフルオロ金属酸の塩も包含するものとする。なお、本発明の表面処理液は、フッ素樹脂を含有することは許容される。
また、他の実施形態における表面処理液は、さらに任意に下記(7)~(10)から選択される1または2以上を含有することができる。
(7)Zn化合物、Al化合物、Mg化合物
本発明の表面処理液を用いて溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板上に表面処理皮膜を形成した場合、前記表面処理液の有するエッチング効果により、めっき層に含まれるZn、Al、およびMgが表面処理皮膜中に不可避的に取り込まれる。そして、その結果、後述するように、表面処理皮膜のめっき層側に、Zn、Al、およびMgを含む濃化層が形成される。しかし、これらの元素をめっき層から取り込むだけでなく、Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上を表面処理液に含有させておくこともできる。
前記Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物は、特に限定されないが、無機化合物であることが好ましく、塩、塩化物、酸化物、および水酸化物からなる群より選択される1または2以上であることが好ましい。
好適なZn化合物としては、例えば、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛、および水酸化亜鉛からなる群より選択される1または2以上が挙げられる。また、好適なAl化合物としては、例えば、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、塩化アルミニウム、酸化アルミニウム、および水酸化アルミニウムからなる群より選択される1または2以上が挙げられる。好適なMg化合物としては、例えば、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、および水酸化マグネシウムからなる群より選択される1または2以上が挙げられる。なお、硝酸塩はN化合物に含まれるものとする。また、リン塩はP化合物に含まれるものとする。
表面処理液がZn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上を含有する場合、表面処理液中のZn化合物、Al化合物、およびMg化合物の合計の濃度は、0.25質量%~5質量%であることが好ましい。前記合計濃度が0.25質量%以上であれば、濃化層をより効果的に形成することができ、その結果、耐食性をさらに向上させることができる。一方、前記合計濃度が5質量%以下であれば、表面処理皮膜の外観がより均一となり、平面部や欠陥部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部の耐食性がさらに向上する。
(8)V化合物
表面処理皮膜にVを含有させるために、表面処理液にV化合物を添加することもできる。表面処理皮膜中におけるVは、通常、均一に分散して存在するが、腐食環境下においては適度に溶出し、同じく腐食環境下で溶出するめっき成分が亜鉛イオンなどと結合し、緻密な保護皮膜を形成する。その結果、平面部だけでなく、欠陥部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部、および切断端面から平面部に進行する腐食に対する耐食性をさらに高めることができる。
好適なV化合物としては、例えば、メタバナジン酸ナトリウム、硫酸バナジル、およびバナジウムアセチルアセトネートからなる群より選択される1または2以上が挙げられる。
(V化合物の濃度範囲)
表面処理液がV化合物を含有する場合、表面処理液中のV化合物の濃度は、0.05質量%~4質量%であることが好ましい。前記濃度が0.05質量%以上であれば、腐食環境下で溶出して保護皮膜を形成しやすくなり、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部の耐食性が向上する。一方、4質量%を超えると皮膜を形成した際の外観が不均一になりやすく、耐黒変性も低下する。
(9)Mo化合物
表面処理皮膜にMoを含有させるために、表面処理液にMo化合物として、モリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方を添加することもできる。表面処理液にモリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方を添加することにより、得られる表面処理鋼板の耐黒変性をさらに向上させることができる。
前記モリブデン酸塩としては、例えば、モリブテン酸ナトリウム、モリブテン酸カリウム、モリブテン酸マグネシウム、およびモリブテン酸亜鉛からなる群より選択される1または2以上が挙げられる。
表面処理液がMo化合物を含有する場合、表面処理液中における前記Mo化合物の濃度は、合計で0.01質量%~3質量%であることが好ましい。前記濃度が0.01質量%以上であれば、酸素欠乏型酸化亜鉛の生成がさらに抑制され、耐黒変性が一層向上する。一方、前記濃度が3質量%以下であれば、表面処理液の寿命がさらに長くなることに加え、耐食性が一層向上する。
(10)Zr化合物、Ti化合物
表面処理皮膜にZrおよびTiの一方または両方を含有させるために、表面処理液にZr化合物およびTi化合物の一方または両方を添加することもできる。ZrおよびTiは、表面処理皮膜がポーラスになるのを防ぎ、皮膜を緻密化する効果がある。そのため、Zr化合物および/またはTi化合物を添加することにより、腐食因子が表面処理皮膜を透過しにくくなり、その結果、耐食性が一段と向上する。
・Ti化合物
前記Ti化合物としては、硫酸チタン、塩化チタン、水酸化チタン、チタンアセチルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、およびチタンエチルアセトアセテートからなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。中でも有機チタンキレート化合物は、表面処理液を乾燥して皮膜を形成する際に皮膜を緻密化する効果が高いという観点から、より好ましい。なお、硝酸塩はN化合物に含まれるものとする。
・Zr化合物
前記Zr化合物としては、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニルカリウム、炭酸ジルコニルナトリウムからなる群より選択される1または2以上を用いることが好ましい。なお、硝酸塩およびアンモニウム塩はN化合物に含まれるものとする。
表面処理液がZr化合物およびTi化合物の一方または両方を含有する場合、表面処理液中のZr化合物、Ti化合物の合計濃度は、0.2質量%~20質量%であることが好ましい。前記濃度が0.2質量%以上であれば、腐食因子の透過抑制効果が高まり、平面部耐食性だけでなく、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部の耐食性がさらに向上する。一方、前記濃度が20質量%以下であれば、表面処理液の寿命をさらに延ばすことができる。
[製造方法]
次に、本発明の一実施形態における表面処理鋼板の製造方法について説明する。本実施形態における表面処理鋼板の製造方法は、下記(I)および(II)の工程を含む。
(I)25℃以上の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の少なくとも一方の表面に表面処理液を塗布する塗布工程
(II)前記塗布の後、1.0秒以上経過した後に、20℃/秒以上の速度で昇温する昇温工程
・溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板
前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板としては、特に限定されることなく、任意の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板を用いることができる。前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板は、下地鋼板の少なくとも一方の面に、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層を備える。前記下地鋼板および溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の詳細については後述する。
・塗布
前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の少なくとも一方の表面に、上記表面処理液を塗布する。前記塗布は、とくに限定されることなく任意の方法で行うことができる。前記塗布は、例えば、コーターによる塗布、浸漬法による塗布、スプレーによる塗布からなる群より選択される1または2以上により行うことができる。前記コーターとしては、例えば、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式など)およびスクイズコーターからなる群より選択される1または2以上を用いることができる。前記塗布においては、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の両側の表面に表面処理液を塗布することが好ましい。
前記塗布の後、任意に、塗布量調整を行うことができる。前記塗布量調整は、例えば、エアナイフ法およびロール絞り法の一方または両方で行うことができる。前記塗布量調整を行うことにより、表面処理液の塗布量をより正確に制御できるだけでなく、外観や膜厚の均一化効果も得ることができる。
前記塗布を行う際の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の温度は25℃以上とする。塗布を行う溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の温度が25℃未満の場合には、前記塗布に先立って、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板を25℃以上に加熱すればよい。また、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の温度がすでに25℃以上である場合には、そのまま(加熱することなく)塗布を行うことができる。例えば、溶融めっき時の鋼板温度は一般的に400℃程度である。したがって、溶融めっきの後、連続して塗布を行う場合には、溶融めっき後の鋼板温度が25℃未満になる前に、前記塗布を行うことが好ましい。一方、前記塗布を行う際の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の温度の上限は限定されないが、水系の表面処理液を用いることを考慮すると、65℃以下とすることが好ましい。
・昇温
前記塗布の後、1.0秒以上経過した後に、20℃/秒以上の速度で昇温を行う。これにより、塗布された表面処理液が乾燥され、表面処理皮膜が形成される。前記条件を満たさない場合、濃化層の形成が不十分となり、その結果、耐食性、耐黒変性、および耐汗性が低下する。
前記昇温における加熱温度(到達板温)はとくに限定されない。しかし、バリア性に優れる皮膜を形成するという観点からは、加熱温度を60℃以上とすることが好ましい。また、昇温に必要なエネルギーの低減と、過度の加熱による皮膜欠陥の発生を防止するという観点からは、加熱温度を200℃以下とすることが好ましい。前記加熱温度は、80~180℃とすることがより好ましく、100~160℃とすることがさらに好ましい。
[表面処理鋼板]
本発明の一実施形態における表面処理鋼板は、下地鋼板と、前記下地鋼板の表面に配された溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の表面に配された表面処理皮膜とを備える表面処理鋼板であって、前記表面処理皮膜のうち、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と接する側の面に濃化層を備えている。前記濃化層が存在することにより、めっき層の腐食が抑制される。また、濃化層とめっき層との相乗効果により、下地鋼板が露出した部分の耐食性が向上する。さらに、前記濃化層の成分が、表面処理皮膜中に侵入した水分や塩分などに対するバリアとして機能し、めっき表面への到達を遅らせることにより、湿潤環境における黒変のみならず汗付着後の経時的な黒変色化を抑制し、耐黒変性と耐汗性を向上させることができる。前記表面処理鋼板は、上述した製造方法により製造することができる。
次に、本発明の一実施形態における表面処理鋼板についてさらに具体的に説明する。本実施形態における表面処理鋼板は、下地鋼板と、前記下地鋼板の表面に配された溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の表面に配された表面処理皮膜とを備える。
・下地鋼板
下地鋼板としては、特に限定されることなく、任意の鋼板を用いることができる。前記下地鋼板としては、熱延鋼板および冷延鋼板のいずれをも使用することができる。前記下地鋼板としては、例えば、低炭素または極低炭素アルミキルド鋼板、高シリコンマンガン系の高張力鋼板など種々のものを用いることができる。
・溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層
前記下地鋼板の少なくとも一方の表面には、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層が配される。前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層は、前記下地鋼板の両面に配されていることが好ましい。なお、めっき層の組成の説明における「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味するものとする。
前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層としては、特に限定されず任意のものを用いることができる。前記めっき層におけるAl量は、1~20%とすることが好ましい。また、前記めっき層におけるMg量は、0.1~10%とすることが好ましい。前記めっき層は、AlおよびMgを含み、残部がZnおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するものであってもよいが、さらに任意に、Ni、Si、およびFeからなる群より選択される1または2以上を含有することもできる。Niを含有する場合、Ni量は10%以下とすることが好ましい。Siを含有する場合、Si量は10%以下とすることが好ましい。Feを含有する場合、Fe量は15%以下とすることが好ましい。言い換えると、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層は、Al:1~20%、Mg:0.1~10%、Ni:0~10%、Si:0~10%、Fe:0~15%を含有し、残部Znおよび不可避的不純物からなる組成を有するめっき層であってよい。
前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の組織は、とくに限定されないが、少なくともめっき層表面における組織が、Zn-Al-Mg系三元共晶を面積率で1~50%含むことが好ましい。また、めっき層全体の組織が前記条件を満たすことがより好ましい。
・表面処理皮膜
本実施形態における表面処理鋼板は、上記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の表面に配された表面処理皮膜を備える。前記表面処理皮膜は、前記表面処理鋼板の少なくとも一方の面に配されていればよく、両方の面に配されていてもよい。
前記表面処理皮膜の厚さは、経済性の観点からは、3.0μm以下とすることが好ましい。一方、皮膜のバリア性を高めるという観点からは、皮膜の厚さを0.3μm以上とすることが好ましく、0.6μm以上とすることがより好ましい。
本発明の一実施形態における表面処理皮膜は、使用した表面処理液およびめっき層に由来する成分として、下記(a)~(f)を含有することができる。ただし、(f)は濃化層に含有する成分である。また、前記表面処理皮膜は、さらに任意に下記(g)~(j)から選択される1または2以上を皮膜の成分として含有することもできる。以下、各成分について説明する。なお、以下の説明における付着量は、とくに断らない限り鋼板片面辺りの付着量を指すものとする。
(a)P
(b)N
(c)Si
(d)CoおよびNiの一方または両方
(e)有機樹脂
(f)Zn、Al、およびMgからなる群より選択される1または2以上
(g)V
(h)Mo
(i)ZrおよびTiの一方または両方
(a)P
Pは、耐食性、耐汗性を向上させる効果を有する元素である。上述したように、P化合物として無機リン酸、有機リン酸およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上を含有する表面処理液を用いることにより、Pを含有する表面処理皮膜を得ることができる。
前記Pの少なくとも一部は、リン酸塩として表面処理皮膜中に存在することが好ましい。また、表面処理皮膜中には、水に対して難溶性もしくは不溶性のリン酸塩と水溶性のリン酸塩の両者が含まれていることが好ましい。皮膜中に水溶性のP化合物が含まれていると、腐食環境下で該水溶性のP化合物が徐々に溶出する。そしてその結果、ピンホールなどの欠陥や加工などに伴う鋼板まで露出した損傷部、切断端面を起点とした腐食部における腐食をさらに抑制できる。
P付着量:5~100mg/m
表面処理皮膜におけるP付着量は5~100mg/mとする。P付着量が5mg/m以上であれば、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部における耐食性、耐汗性が向上する。そのため、P付着量を5mg/m以上、好ましくは7mg/m以上、より好ましくは10mg/m以上とする。一方、Pの付着量が100mg/m以下であれば、表面処理皮膜からのPの溶出量が低下し、耐黒変性が向上する。そのため、Pの付着量を100mg/m以下、好ましくは70mg/m以下、より好ましくは50mg/m以下とする。
(b)N
Nは、表面処理液に含まれるN化合物(無機N化合物およびアミン)に由来する成分である。N化合物として無機N化合物およびアミンの一方または両方を含む表面処理液を用いることにより、めっき表面に形成される濃化層をめっき表面と強固に結合させることが可能になると考えられる。
(c)Si
上記表面処理皮膜はSiを含有する。前記Siは、表面処理液に含まれるSi化合物(シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤)に由来する成分である。前記Siの存在状態は特に限定されないが、例えば、シロキサン結合を有する非晶質化合物として表面処理皮膜中に存在することもできる。前記シロキサン結合を有する化合物として含まれるSiは、後述する有機樹脂とともに表面処理皮膜を形成する骨格となることもできる。
Si付着量:2~95mg/m
表面処理皮膜におけるSi付着量は2~95mg/mとする。Si付着量が2mg/m以上であれば、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部における耐食性、耐汗性が向上する。そのため、Si付着量を2mg/m以上、好ましくは5mg/m以上、より好ましくは15mg/m以上とする。一方、Siの付着量が95mg/m以下であれば、表面処理皮膜からのSiの溶出量が低下し、耐黒変性が向上する。そのため、Siの付着量を95mg/m以下、好ましくは70mg/m以下、より好ましくは45mg/m以下とする。
(d)Co、Ni
先に述べたように、表面処理皮膜中にCoおよびNiの少なくとも一方を含有させることにより、耐黒変性を向上させることができる。無機Co化合物を含有する表面処理液を用いることにより、Coを含有する表面処理皮膜を得ることができる。同様に、無機Ni化合物を含有する表面処理液を用いることにより、Niを含有する表面処理皮膜を得ることができる。
Co、Niの合計付着量:5~100mg/m
表面処理皮膜におけるCoとNiの合計付着量は5~100mg/mとする。前記合計付着量が5mg/m以上であれば、平面部耐食性に加え、欠陥部、切断端面部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部における耐食性が向上する。そのため、前記合計付着量を5mg/m以上、好ましくは10mg/m以上、より好ましくは15mg/m以上とする。一方、前記合計付着量が100mg/m以下であれば、耐食性が向上する。そのため、前記合計付着量を100mg/m以下、好ましくは80mg/m以下、より好ましくは60mg/m以下とする。
(e)有機樹脂
前記有機樹脂は前記シロキサン結合を有する化合物とともに、表面処理皮膜を形成する骨格となる成分である。前記有機樹脂としては任意の有機樹脂を用いることができるが、表面処理液の説明において挙げた有機樹脂を用いることが好ましい。
Zn、Al、Mg
既に説明した通り、上述した表面処理液を用いて溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板上に表面処理皮膜を形成した場合、前記表面処理液の有するエッチング効果により、めっき層に含まれるZn、Al、およびMgが表面処理皮膜のめっき層側に取り込まれ、Zn、Al、およびMgを含む濃化層が形成される。前記濃化層については後述する。
本発明の一実施形態における表面処理皮膜は、さらに任意に下記(f)~(i)から選択される1または2以上を含有することができる。
(f)Zn、Al、Mgの1または2つ以上
本発明の一実施形態における表面処理鋼板においては、前記表面処理皮膜のうち前記濃化層を除く部分に、Zn、Al、およびMgからなる群より選択される1または2以上をさらに含有することができる。表面処理皮膜が、濃化層を除く部分にもZn、Al、Mgの1または2以上を含有することにより、表面処理鋼板の耐食性をさらに向上させることができる。前記Zn、Al、Mgは、酸化物および水酸化物の少なくとも一方であることが好ましい。また、前記Zn、Al、Mgは、水に対して難溶性もしくは不溶性の化合物と水溶性の化合物の両方として表面処理皮膜に含まれていることが好ましい。
Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上を含有する表面処理液を用いることにより、前記濃化層を除く部分にZn、Al、およびMgからなる群より選択される1または2以上をさらに含有する表面処理皮膜を形成することができる。
(g)V
表面処理皮膜中におけるVは、通常、均一に分散して存在するが、腐食環境下においては適度に溶出し、同じく腐食環境下で溶出するめっき成分の亜鉛イオンなどと結合し、緻密な保護皮膜を形成する。その結果、平面部だけでなく、欠陥部、加工などで生じるめっきや皮膜の損傷部、および切断端面から平面部に進行する腐食に対する耐食性をさらに高めることができる。Vを使用する場合、前記効果を高めるために、表面処理皮膜に含まれるVの付着量を、0.2~40mg/mとすることが好ましい。
(h)Mo
表面処理液にMo化合物を添加することにより、表面処理皮膜にMoを含有させることができる。表面処理皮膜がMoを含有することにより、表面処理鋼板の耐黒変性をさらに向上させることができる。Moを使用する場合、前記効果を高めるために、表面処理皮膜に含まれるMoの付着量を、0.1mg/m以上とすることが好ましい。一方、Moを過度に添加すると耐食性の低下を引き起こす場合がある。そのため、Moの付着量は15mg/m以下とすることが好ましい。
(i)Zr、Ti
ZrおよびTiは、表面処理皮膜がポーラスになるのを防ぎ、皮膜を緻密化する効果があるため腐食因子の透過しにくくすることによって耐食性を一段と向上させる効果を有する成分である。ZrおよびTiの一方または両方を使用する場合、上記のような効果を得るため、ZrおよびTiの合計付着量を10~200mg/mとすることが好ましい。
[濃化層]
前記表面処理皮膜のうち、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と接する側の面に、Zn、Al、およびMgを含み、かつP、Ni、Co、およびNの少なくとも1つが濃化した濃化層が存在する。前記濃化層は、腐食因子を遮断するバリア効果を有している。また、前記濃化層に含まれる成分は、腐食が発生した際に腐食生成物に取り込まれ、腐食の進行を遅らせる作用を有する。
濃化層の厚さ:0.01~0.20μm
前記濃化層の厚さは0.01μm~0.20μmとする。濃化層の厚さが0.01μm未満では、上記のバリア効果および腐食生成物による腐食抑制効果が不十分である。そのため、濃化層の厚さを0.01μm以上、好ましくは0.03μm以上、より好ましくは0.05μm以上とする。一方、濃化層の厚さが0.20μmを超えると濃化層からの溶出成分が多くなり、耐黒変性が低下する。そのため、濃化層の厚さは0.20μm以下、好ましくは0.15μm以下、より好ましくは0.12μm以下とする。
次に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例は、本発明の好適な一例を示すものであり、本発明は、該実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
・表面処理液の調整
まず、表1、2に示す各成分を溶媒としての水に溶解させて表面処理液を調整した。使用した各成分の種類は以下に記す通りであり、表1、2には用いた各成分の番号を記載した。また、各成分の濃度は表1、2に示した通りとした。なお、本明細書の表における濃度の単位「%」は、「質量%」を表すものとする。
(1)P化合物
1:HPO
2:K
3:NaP10
4:C
(2)N化合物
1:ジエタノールアミン
2:トリメチルアミン
3:硝酸
4:アンモニア
(3)Si化合物
1:スノーテックスOS(日産化学株式会社)
2:スノーテックスNS(日産化学株式会社)
3:AEROSIL 300(日本アエロジル株式会社)
4:γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
5:テトラエトキシシラン
(4)無機Co化合物
1:CoCO
2:CoSO
3:Co(CHCOO)
(4)無機Ni化合物
1:NiCO
2:NiSO
3:Ni(CHCOO)
(5)有機樹脂
1:ウォーターゾールCD-540P(DIC株式会社)
2:ボンコートEC-740EF(DIC株式会社)
3:スーパーフレックス130(第一工業製薬株式会社)
4:アロンメルトPES-2005A30(東亜合成株式会社)
(7)Zn化合物
1:ZnCO
2:ZnSO
3:Zn(CHCOO)
(7)Al化合物
1:Al(CO
2:Al(SO
3:Al(CHCOO)
(7)Mg化合物
1:MgCO
2:MgSO
3:Mg(CHCOO)
(8)V化合物
1:メタバナジン酸ナトリウム
2:硫酸バナジル
3:メタバナジルアセチルアセトネート
(9)Mo化合物
1:モリブデン酸
2:モリブデン酸ナトリウム
(10)Zr化合物
1:炭酸ジルコニウムカリウム
2:硫酸ジルコニウム
3:酢酸ジルコニウム
(10)Ti化合物
1:チタンアセチルアセトナート
2:硫酸チタン
・溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の作製
次に、溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板を作製した。具体的には、以下に記す組成の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層を両面に備える溶融めっき鋼板を作成した。何れの溶融めっき鋼板についても、板厚は0.8mm、めっき付着量は片面当たり70g/mとした。
(溶融めっき鋼板)
1:溶融Zn-5%Al-0.5%Mg合金めっき鋼板
2:溶融Zn-2.5%Al-3%Mg合金めっき鋼板
3:溶融Zn-6%Al-3%Mg合金めっき鋼板
4:溶融Zn-11%Al-3%Mg合金めっき鋼板
次いで、得られた溶融めっき鋼板の表面を60℃の純水(脱イオン水)を用いて洗浄し、表面の汚れを取り除いた。前記洗浄の後、溶融めっき鋼板を乾燥した。
・表面処理鋼板の製造
次に、表3、4に示した条件で、得られた溶融めっき鋼板の表面に表面処理液を塗布し、次いで所定の昇温速度で、所定の到達板温まで昇温し、表面処理皮膜を形成した。表面処理液を塗布する際の鋼板温度、表面処理液を塗布してから昇温開始までの経過時間、昇温速度、および到達板温は表3、4に示した通りとした。また、使用した溶融めっき鋼板の種類についても、表3、4に番号で示した。表面処理皮膜の厚さは、表面処理液に含まれる固形分(加熱残分)の量や処理時間等により調整した。
・組成および膜厚の評価
得られた表面処理鋼板のそれぞれについてP、Co、Ni、Siの付着量、濃化層の厚さおよび表面処理皮膜の厚さを、以下の方法により測定した。測定結果を表3、4に示す。
(付着量)
表面処理皮膜中に含まれるP、Si、Co、およびNiの含有量を、蛍光X線分析装置(リガク社製:ZSX100e)を用いて測定し、P、Si、Co、およびNiそれぞれの付着量を求めた。同様の方法で、V、Mo、Zr、およびTiの付着量も求めた。
また、Zn、Al、Mg、V、Mo、Zr、およびTiについては、グロー放電発光分光装置(リガク社製:GDA750)を用いて深さ方向分析を行い、これらの元素を含む表面処理液を使用した場合は、得られた表面処理皮膜中に当該元素が存在することを確認した。
(濃化層の厚さ)
集束イオンビーム(FIB)を用いて表面処理皮膜を加工し、該皮膜の断面を露出させた。次いで、エネルギー分散型X線分析装置を搭載した透過型電子顕微鏡(TEM:フィリップス社製CM20FEG)を用いて、前記皮膜断面を垂直方向に線分析し、C、P、Zn、Al、Mg、N、ならびにCoおよびNi成分の原子数濃度変化を測定した。主に表面処理皮膜に由来する成分であるCの原子数濃度は、めっき層側に近づくにつれて下がり、主にめっき層に由来する成分であるZnの原子数濃度はめっき層側に近づくにつれて上がる。そこで、測定されたCとZnの原子数濃度曲線が交差するところをめっき層と表面処理皮膜との界面とした。また、前記界面における濃化元素Xの原子数濃度をXとしたとき、前記界面から、表面処理皮膜中においてX原子数濃度が(1/5)Xである位置までを濃化層とみなした。前記線分析は3か所で行いその平均値から濃化層の厚さを算出した。前記濃化元素Xは、P、Ni、Co、およびNのうち、最も濃化量の高い元素とした。また、前記濃化層中には、Zn、Al、およびMgが含まれていることを確認した。
(表面処理皮膜の厚さ)
表面処理皮膜を形成する前の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板と、表面処理液を塗布乾燥した後の表面処理鋼板の重量変化から、単位面積あたりの皮膜付着量(重量)を測定した。また、同じ条件で表面処理液だけを乾燥させて得た皮膜の重量と体積から、表面処理皮膜の密度を測定した。前記皮膜付着量と密度から、表面処理皮膜の厚さを算出した。
・性能の評価
次に、得られた表面処理鋼板の平面部耐食性、曲げ部耐食性、クロスカット部耐食性、耐黒変性、耐汗性を、以下の方法で評価した。評価結果を表3、4に併記する。
(平面部耐食性)
各表面処理鋼板について、プレスを行わず平板の状態で塩水噴霧試験(JIS-Z-2371)を施し、2500時間後の耐赤錆面積で評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎+:赤錆面積率5%未満、かつ3500時間後も5%未満
◎ :赤錆面積率5%未満
○ :赤錆面積率5%以上、10%未満
○-:赤錆面積率10%以上、25%未満
△ :赤錆面積率25%以上、50%未満
× :赤錆面積率50%以上
(曲げ加工部耐食性)
各サンプルを、直径:2mmの棒(ステンレス製)に挟み込むようにして180°曲げて、万力を用いて絞め込んで加工による損傷部を作成した。この180°曲げをしたサンプルで塩水噴霧試験(JIS-Z-2371-2000)を行い、1500時間経過後の曲げ加工部外(表)側の赤錆発生状態を評価した。評価基準は次の通りとした。
◎+:曲げ加工部の赤錆発生なし、かつ2000時間後も赤錆発生なし
◎ :曲げ加工部に赤錆発生なし
○ :曲げ加工部の赤錆発生面積率が10%未満
○-:曲げ加工部の赤錆発生面積率が10%以上、40%未満
△ :曲げ加工部の赤錆発生面積率が40%以上、80%未満
× :曲げ加工部の赤錆発生面積率が80%以上
(クロスカット部耐食性)
4辺をテープでシールし、カッターで下地鋼板まで到達するクロスカット傷を入れた平板試験サンプル(70mm×150mm)を用いて塩水噴霧試験(JIS-Z-2371-2000)を行い、1500時間経過後のクロスカット部の赤錆発生状態を評価した。評価基準は次の通りとした。
◎+:クロスカット部の赤錆発生なし、かつ2000時間後も赤錆発生なし
◎ :クロスカット部に赤錆発生なし
○ :クロスカット部の赤錆発生面積率が10%未満
○-:クロスカット部の赤錆発生面積率が10%以上、40%未満
△ :クロスカット部の赤錆発生面積率が40%以上、80%未満
× :クロスカット部の赤錆発生面積率が80%以上
(耐黒変性)
各サンプルを温度:80℃、相対湿度:95%雰囲気に制御された恒温恒湿機に24時間静置した際の明度(L値)変化(ΔL=試験後のL値-試験前のL値)で算出した。評価基準は以下の通りである。L値には日本電色工業(株)製のSQ2000を使用し,SCIモード(正反射光含む)で測定を行った。
◎+:-10≦△L、かつ96時間後も-10≦△L
◎ :-10≦△L
○ :-15≦△L<-10
△ :-20≦△L<-15
× :ΔL<-20
(耐汗性)
各サンプルの表面に、JIS-B7001-1995に準ずる人工汗を10μL滴下し、シリコン製のゴム栓を滴下部に押し付けて、一定面積の人工汗で汚染された部位を作製した。この試験片を温度:40℃、相対湿度:80%の雰囲気に制御された恒温恒湿機に4時間静置した後に、汚染部位の外観変化を評価した。評価基準は次の通りである。
◎ :変色なし
○ :極僅かに変色あり
○-:僅かに変色あり
△ :やや黒変
× :明らかに黒変
(実施例2)
上記実施例1では、無機Co化合物を含有し、無機Ni化合物を含有しない表面処理液を使用した。本実施例2では、無機Co化合物を含有せず、無機Ni化合物を含有する表面処理液を使用して、上記実施例1と同様の実験を行った。使用した表面処理液の組成を表5、6に示す。また、製造条件および測定結果、性能評価の結果を表7、8に示す。その他の条件については実施例1と同様とした。
(実施例3)
無機Co化合物と無機Ni化合物の両方を含有する表面処理液を使用して、上記実施例1と同様の実験を行った。使用した表面処理液の組成を表9に示す。また、製造条件および測定結果、性能評価の結果を表10に示す。その他の条件については実施例1と同様とした。
上記実施例1~3の結果から分かるように、本発明の条件を満たす発明例においては、耐食性、耐黒変性、耐汗性のいずれの性能についても優れた評価であった。これに対し、本発明の条件を満たさない比較例においては、平面部耐食性、加工部耐食性、カット部耐食性、耐黒変性、耐汗性の少なくとも1つが劣っていた。
Figure 0007127628000001
Figure 0007127628000002
Figure 0007127628000003
Figure 0007127628000004
Figure 0007127628000005
Figure 0007127628000006
Figure 0007127628000007
Figure 0007127628000008
Figure 0007127628000009
Figure 0007127628000010

Claims (15)

  1. 溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板用の表面処理液であって、
    (1)P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上、
    (2)N化合物として、アン、
    (3)Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上、
    (4)無機Ni化合物、または無機Co化合物と無機Ni化合物の両方、
    (5)有機樹脂、ならびに
    (6)水
    を含有し、
    前記P化合物の濃度が0.25質量%~5質量%であり、
    前記N化合物の濃度が0.1質量%~10質量%であり、
    前記Si化合物の濃度が0.2質量%~9.5質量%であり、
    前記無機Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度が0.25質量%~5質量%である、
    表面処理液。
  2. (7)Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、請求項1に記載の表面処理液。
  3. (8)V化合物をさらに含有する、請求項1または2に記載の表面処理液。
  4. (9)Mo化合物として、モリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方をさらに含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の表面処理液。
  5. (10)Zr化合物およびTi化合物の一方または両方をさらに含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の表面処理液。
  6. 温度25℃以上の溶融Zn-Al-Mg系合金めっき鋼板の少なくとも一方の表面に表面処理液を塗布し、
    前記塗布の後、1.0秒以上経過した後に、20℃/秒以上の速度で昇温する、表面処理鋼板の製造方法であって、
    前記表面処理液が、
    (1)P化合物として、無機リン酸、有機リン酸、およびそれらの塩からなる群より選択される1または2以上、
    (2)N化合物として、アン、
    (3)Si化合物として、シリカ、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、およびシランカップリング剤からなる群より選択される1または2以上、
    (4)無機Co化合物および無機Ni化合物の一方または両方、
    (5)有機樹脂、ならびに
    (6)水
    を含有し、
    前記P化合物の濃度が0.25質量%~5質量%であり、
    前記N化合物の濃度が0.1質量%~10質量%であり、
    前記Si化合物の濃度が0.2質量%~9.5質量%であり、
    前記無機Co化合物および無機Ni化合物の合計の濃度が0.25質量%~5質量%である、
    表面処理鋼板の製造方法。
  7. 前記表面処理液が、
    (7)Zn化合物、Al化合物、およびMg化合物からなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、請求項6に記載の表面処理鋼板の製造方法。
  8. 前記表面処理液が、
    (8)V化合物をさらに含有する、請求項6または7に記載の表面処理鋼板の製造方法。
  9. 前記表面処理液が、
    (9)Mo化合物として、モリブデン酸およびモリブデン酸塩の一方または両方をさらに含有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の表面処理鋼板の製造方法。
  10. 前記表面処理液が、
    (10)Zr化合物およびTi化合物の一方または両方をさらに含有する、請求項6~9のいずれか一項に記載の表面処理鋼板の製造方法。
  11. 下地鋼板と、
    前記下地鋼板の表面に配された溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と、
    前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層の表面に配された表面処理皮膜とを備える表面処理鋼板であって、
    前記表面処理皮膜は、
    (a)P、
    (b)N、
    (c)Si、
    (d)CoおよびNiの一方または両方、並びに
    (e)有機樹脂
    を含有し、
    前記表面処理皮膜におけるP付着量が5~100mg/mであり、
    前記表面処理皮膜におけるSi付着量が2~95mg/mであり、
    前記表面処理皮膜におけるCoおよびNiの合計付着量が5~100mg/mであり、
    前記表面処理皮膜のうち、前記溶融Zn-Al-Mg系合金めっき層と接する側の面に、Zn、Al、およびMgを含み、かつP、Ni、Co、およびNの少なくとも1つが濃化した濃化層が存在し、
    前記濃化層の厚さが0.01~0.20μmである、表面処理鋼板。
  12. 前記表面処理皮膜のうち前記濃化層を除く部分に、
    (f)Zn、Al、およびMgからなる群より選択される1または2以上をさらに含有する、請求項11に記載の表面処理鋼板。
  13. 前記表面処理皮膜が、
    (g)Vをさらに含有する、請求項11または12に記載の表面処理鋼板。
  14. 前記表面処理皮膜が、
    (h)Moをさらに含有する、請求項11~13のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
  15. 前記表面処理皮膜が、
    (i)ZrおよびTiの一方または両方をさらに含有する、請求項11~14のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
JP2019164873A 2019-09-10 2019-09-10 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板 Active JP7127628B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019164873A JP7127628B2 (ja) 2019-09-10 2019-09-10 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019164873A JP7127628B2 (ja) 2019-09-10 2019-09-10 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021042423A JP2021042423A (ja) 2021-03-18
JP7127628B2 true JP7127628B2 (ja) 2022-08-30

Family

ID=74862895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019164873A Active JP7127628B2 (ja) 2019-09-10 2019-09-10 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7127628B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023166772A1 (ja) * 2022-03-03 2023-09-07 日本製鉄株式会社 表面処理鋼板

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001158972A (ja) 1999-11-30 2001-06-12 Nisshin Steel Co Ltd 耐黒変性,耐食性に優れた亜鉛めっき鋼板及びその表面処理
JP2008169470A (ja) 2006-12-13 2008-07-24 Jfe Steel Kk 平板部耐食性、耐黒変性およびプレス成形後の外観と耐食性に優れた表面処理亜鉛系めっき鋼板、並びに亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液
JP2010236074A (ja) 2009-03-31 2010-10-21 Jfe Steel Corp 表面処理剤、該表面処理剤を用いためっき鋼板の製造方法およびめっき鋼板
JP2012062565A (ja) 2010-09-20 2012-03-29 Jfe Steel Corp 亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液および表面処理亜鉛系めっき鋼板
WO2016203703A1 (ja) 2015-06-15 2016-12-22 Jfeスチール株式会社 表面処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法
JP2018062710A (ja) 2016-10-11 2018-04-19 Jfeスチール株式会社 亜鉛系めっき鋼板用表面処理液、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法、及び表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板
JP2019127618A (ja) 2018-01-24 2019-08-01 日鉄日新製鋼株式会社 溶接鋼管用防錆処理液、溶接鋼管の化成処理方法、溶接鋼管および溶接鋼管の成形加工品

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001158972A (ja) 1999-11-30 2001-06-12 Nisshin Steel Co Ltd 耐黒変性,耐食性に優れた亜鉛めっき鋼板及びその表面処理
JP2008169470A (ja) 2006-12-13 2008-07-24 Jfe Steel Kk 平板部耐食性、耐黒変性およびプレス成形後の外観と耐食性に優れた表面処理亜鉛系めっき鋼板、並びに亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液
JP2010236074A (ja) 2009-03-31 2010-10-21 Jfe Steel Corp 表面処理剤、該表面処理剤を用いためっき鋼板の製造方法およびめっき鋼板
JP2012062565A (ja) 2010-09-20 2012-03-29 Jfe Steel Corp 亜鉛系めっき鋼板用水系表面処理液および表面処理亜鉛系めっき鋼板
WO2016203703A1 (ja) 2015-06-15 2016-12-22 Jfeスチール株式会社 表面処理亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法
JP2018062710A (ja) 2016-10-11 2018-04-19 Jfeスチール株式会社 亜鉛系めっき鋼板用表面処理液、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法、及び表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板
JP2019127618A (ja) 2018-01-24 2019-08-01 日鉄日新製鋼株式会社 溶接鋼管用防錆処理液、溶接鋼管の化成処理方法、溶接鋼管および溶接鋼管の成形加工品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021042423A (ja) 2021-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5075321B2 (ja) 金属表面の水系処理薬剤
WO2020189769A1 (ja) 表面処理金属材
JP4920625B2 (ja) 表面処理金属板
JP2005120469A (ja) 金属材料表面処理用組成物および表面処理方法
KR101918879B1 (ko) 아연 도금 강판용 표면 처리제
EP3241921B1 (en) Method of obtaining a hot pressed steel material
EP4036273A1 (en) Ternary hot-dip galvannealed steel sheet surface treatment solution composition for providing excellent blackening resistance and alkali resistance, ternary hot-dip galvannealed steel sheet surface-treated using same, and manufacturing method therefor
CN101142079B (zh) 表面处理金属材料
KR100456403B1 (ko) 표면처리강판 및 그 제조방법
WO2022191213A1 (ja) 溶融Al-Zn-Si-Mg系めっき鋼板及びその製造方法、表面処理鋼板及びその製造方法、並びに、塗装鋼板及びその製造方法
JP7127628B2 (ja) 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板
JP6943232B2 (ja) 表面処理液、表面処理鋼板の製造方法、および表面処理鋼板
JP2003055777A (ja) 溶接性、耐食性に優れたクロメートフリー処理溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板
JP3596665B2 (ja) 亜鉛系めっき鋼板用表面処理皮膜及び表面処理鋼板
CN113789506B (zh) 一种金属板、建筑及金属板的制备方法
JP6296210B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
US11795526B2 (en) Surface-treated steel sheet
WO2023190971A1 (ja) 表面処理鋼板
WO2024075833A1 (ja) 表面処理鋼板
JP7099424B2 (ja) 表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法
WO2023190979A1 (ja) 表面処理鋼板、及び、部品の製造方法
JP2023038245A (ja) 表面処理鋼板及びその製造方法
JP2022140248A (ja) 表面処理鋼板及びその製造方法
JP2023100556A (ja) 表面処理鋼板及びその製造方法
KR20230157433A (ko) 프리코트 금속판

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210428

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7127628

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150