JP6295877B2 - 動植物油含有排水処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、動植物油を含有する排水の処理システムに関する。
食品工場、厨房、化粧品製造工場等からは、動植物油を高濃度で含有する有機性排水が排出される。このような有機性排水は、浮上油として排出されることが多く、その場合には、浮上分離により除去される。ところが、浮上分離のみで動植物油を完全に除去することは困難である。
また、分離により回収した油分を汚泥として処理する場合、その取扱いや臭気により、作業環境が悪化するという問題もある。処理対象が分散油や乳化油である場合には、加圧浮上分離が採用されることもある。ところが、加圧浮上分離は、負荷変動などで安定した処理ができないという問題がある。
このような事情を背景として、例えば特許文献1および2等には、特殊な油分解菌を使用して、油分の分解能力を高める方法が提案されている。
また、活性汚泥曝気槽等を用いた生物学的処理により、動植物油を含有する排水を処理することも知られている。
特開2002−018481号公報 特開2002−233890号公報
しかしながら、従来の活性汚泥曝気槽等を用いた生物学的処理では、動植物油を含有する排水から、充分に油分を除去することは困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、活性汚泥曝気槽を用いた生物学的処理において、動植物油を含有する排水の油分を安定かつ良好に分解、除去できる処理システムを提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有する。
[1]動植物油を含有する排水を生物学的処理する排水処理システムであって、活性汚泥曝気槽と、前記活性汚泥曝気槽から流出した汚泥含有液を固液分離する膜分離槽とを有し、前記活性汚泥曝気槽は、該活性汚泥曝気槽中の前記汚泥含有液を前記膜分離槽へと流出させる流出口と、前記活性汚泥曝気槽中の前記汚泥含有液に浮上している動植物油の前記流出口からの流出を防ぐ遮蔽板とを有し、前記遮蔽板は、遮蔽板の液面上高さおよび液面下深さが、それぞれ5cm以上である、動植物油含有排水処理システム。
]前記活性汚泥曝気槽に、微生物固定化担体が投入された、[]の動植物油含有排水処理システム。
]前記微生物固定化担体は、ポリプロピレンを主成分とする、[]の動植物油含有排水処理システム。
]前記微生物固定化担体は、下記条件(A)〜(C)を満たす円筒状である、[]または[]に記載の動植物油含有排水処理システム。
(A)外径:3〜15mm
(B)内径:2〜13mm
(C)長さ:3〜20mm
]前記微生物固定化担体は、炭素質フィラーおよびガラス質フィラーの少なくとも一方を含む、[]〜[]のいずれかに記載の動植物油含有排水処理システム。
]前記微生物固定化担体の全質量に対する、炭素質フィラーおよびガラス質フィラーの割合が、0.1%以上5%未満である、[]に記載の動植物油含有排水処理システム。
]前記炭素質フィラーおよび前記ガラス質フィラーは、長さが50μm〜3mm、太さが1μm 〜25μmである、[]または[]に記載の動植物油含有排水処理システム。
]前記微生物固定化担体の表面には細孔が形成され、該微生物固定化担体は、下記式(1)を満たす、[]〜[]のいずれかに記載の動植物油含有排水処理システム。
A/B≧0.8 ・・・(1)
A:1〜1000μmの直径を有する細孔容積の合計
B:0.003 〜1000μ mの直径を有する細孔容積の合計
本発明の動植物油含有排水処理システムによれば、活性汚泥曝気槽を用いた生物学的処理において、動植物油を含有する排水の油分を安定かつ良好に分解、除去できる。
尚、本発明において、「動植物油」とは、動物油及び/又は植物油を意味する。
本発明の動植物油含有排水処理システムの一例を示す概略構成図である。 図1の処理システムの備える活性汚泥曝気槽および分離槽を示す概略構成図である。 図2の活性汚泥曝気槽の概略平面図である。 沈殿槽からサンプリングした処理水のヘキサン抽出物質濃度を活性汚泥曝気槽の運転開始からの経過日数に対してプロットしたグラフである。 活性汚泥曝気槽からサンプリングした汚泥含有液のろ紙ろ過量を活性汚泥曝気槽の運転開始からの経過日数に対してプロットしたグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
<動植物油含有排水処理システム>
図1は、本発明の動植物油含有排水処理システム(以下、単に「処理システム」ともいう。)の一例を示す概略構成図である。図2は、図1の処理システムの備える活性汚泥曝気槽および固液分離槽(分離槽)を示す概略構成図である。
図1の処理システムにおいては、まず、食品工場、厨房、化粧品製造工場等から排出され、高濃度で動植物油を含有する排水を原水として原水槽に貯水し、この原水槽から原水を取水して浮上分離槽に導入する。ついで、浮上分離槽で油分の一部が分離された後の浮上分離処理水を調整槽に導入し、浮上分離処理水の流量、濃度等を調整する。
ついで、調整槽を経た浮上分離処理水を活性汚泥曝気槽に導入し、浮上分離処理水を活性汚泥曝気槽で生物学的処理する。その後、活性汚泥曝気槽の汚泥混合液を固液分離槽に導入し、活性汚泥と処理水とに分離する。分離により得られた活性汚泥の少なくとも一部は、活性汚泥曝気槽へと返送され、処理水は放流される。
〔活性汚泥曝気槽〕
この例の活性汚泥曝気槽10は、調整槽を経た浮上分離処理水(以下、「処理対象水という。」)を処理するものであって、該活性汚泥曝気槽10には、処理対象水が導入される。活性汚泥曝気槽10には、図示略のブロワから供給される空気を該活性汚泥曝気槽10内に曝気(散気)する散気管11が設けられている。また、該活性汚泥曝気槽10内には、生物学的処理を行う活性汚泥12と、該活性汚泥12に含まれる微生物を固定化しつつ、活性汚泥曝気槽10内で流動する多数の微生物固定化担体13とが投入されている。活性汚泥曝気槽10からの汚泥混合液(処理対象水と活性汚泥とを含む。)は、この例では、膜ユニット21を備えた膜分離槽20で固液分離される。
活性汚泥曝気槽10の槽壁上部には、槽内の汚泥混合液を活性汚泥曝気槽10の後(後段)の膜分離槽20にオーバーフローさせる流出口14が形成されている。また、活性汚泥曝気槽10内における流出口14の近傍には、活性汚泥曝気槽10内に投入されている微生物固定化担体13が活性汚泥曝気槽10から流出することを防ぐための担体流出防止ネット15が設けられている。
また、詳しくは後述するが、この例では、活性汚泥曝気槽10内における流出口14の近傍において、活性汚泥曝気槽10の汚泥混合液に浮上している動植物油が槽内で充分に生物学的処理されずに流出口14から活性汚泥曝気槽10の後(後段)の膜分離槽20へと流出してしまうことを防止するための遮蔽板16が設けられている。
(微生物固定化担体)
本実施形態では、活性汚泥曝気槽10で使用する微生物固定化担体13として、ポリプロピレンを主成分とする担体を使用する。ポリプロピレンを主成分とする担体を使用することにより、動植物油を含有する排水の油分を安定かつ良好に分解、除去できる。また、その後の固液分離において、膜分離性の良好な汚泥含有液が得られる。
なお、主成分とは、50質量%を超えて含まれる成分のことをいう。
ポリプロピレンを主成分とする微生物固定化担体としては、ポリプロピレンを少なくとも含む熱可塑性樹脂成分とフィラーとを含む組成物から成形された担体が挙げられる。微生物固定化担体の形状としては、円柱状、円筒状、球状、立方体状等が挙げられ、なかでも円筒状であると、微生物の付着性、活性汚泥曝気槽内での流動性等の点で好ましい。
熱可塑性樹脂成分を構成するポリプロピレン以外の樹脂としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリスチレン等が挙げられ、これらの1種以上を使用できる。
担体の主成分であるポリプロピレンとしては、プロピレンを主成分として重合したものであれば特に限定されず、例えば市販の一般のポリプロピレンを使用できる。また、改質のため少量のエチレンを共重合したプロピレン、酸変性ポリプロピレン、再生ポリプロピレン等も使用できる。
市販の一般のポリプロピレンとしては、例えば、日本ポリケム(株)製、商品名「ノバテックPP BC4」、「ノバテックPP BC4L」等が挙げられる。市販の酸変性ポリオレフィンとしては、例えば、三井化学(株)製、商品名「アドマー」、三洋化成(株)製、商品名「ユーメックス」等があげられる。
微生物固定化担体は、担体強度の観点から、微生物固定化担体100質量%中、ポリプロピレンを70質量%以上含有することが好ましく、95質量%を超えて含有することがより好ましい。
微生物固定化担体は、フィラーを含有することが好ましい。フィラーは、粒状、棒状、繊維状等の形状を有する天然または合成材料であり、ポリプロピレンや必要に応じて使用するその他の熱可塑性樹脂の成形温度において、溶融や分解が起こらない材料からなるものを使用できる。フィラーは、微生物固定化担体の強度を向上させ、また、微生物固定化担体の表面積を大きくし、微生物との親和性等を向上させる目的等で使用する。
微生物固定化担体の表面積は、微生物との親和性の観点から、400m/m以上であることが好ましく、4000m/m以上であることがより好ましい。
フィラーとしては、主として炭素からなる炭素質フィラーおよび主としてガラスからなるガラス質フィラーの少なくとも一方を使用することが好ましい。炭素質フィラーとしては、例えば活性炭、活性炭素繊維、炭素繊維等が挙げられる。ガラス質フィラーとしては、粒状、棒状、板状、繊維状等の形状を有するガラスが挙げられる。炭素質フィラーおよびガラス質フィラーの少なくとも一方を用いると、少量の添加で微生物固定化担体の強度が大幅に向上する。また、担体表面の粗化度合も著しく高まって、微生物固定化担体の表面への微生物の付着量が増加し、動植物油を含む排水の処理効率が優れる。
また、炭素質フィラーおよびガラス質フィラーが添加されていない微生物固定化担体は、活性汚泥曝気槽への添加後、しばらくは気泡を内包して浮上するのに対して、炭素質フィラーおよびガラス質フィラーの少なくとも一方が添加された微生物固定化担体は、これらのフィラーの活性汚泥曝気槽への添加直後にはわずかに浮上するものの、すみやかに良好な流動を開始する。これは、炭素質フィラーおよびガラス質フィラーの少なくとも一方が添加された微生物固定化担体は、表面が親水化されたことに基づくものと考えられる。
フィラーとして、ガラス質フィラーを単独で使用すると、微生物固定化担体の表面に対する微生物の付着性がより向上する点で好ましい。炭素質フィラーとガラス質フィラーとを併用すると、微生物の付着性がさらに向上する。このように併用効果が発現する理由は明らかではないが、炭素質フィラーの微生物に対する親和性と、ガラス質フィラーの微生物に対する親水性とが相乗的に機能している可能性が考えられる。
フィラーは、微生物固定化担体100質量%中、0.1質量%以上5.0質量%未満の範囲で添加することが好ましく、0.3質量%以上3.0質量%未満の範囲で添加することがより好ましく、1.0質量%以上2.5質量%未満の範囲で添加することが特に好ましい。
フィラーの割合が上記範囲の下限値以上であると、強度、微生物との親和性の向上効果が期待でき、上記範囲の上限値以下であると、微生物固定化担体を成形する際の成形性を良好に維持でき、フィラーによるコストも抑制できる。
炭素質フィラーおよびガラス質フィラーを併用する場合、微生物の付着性がより優れる点から、ガラス質フィラーの質量に対する炭素質フィラーの質量比は、0.02〜2が好ましく、0.1〜1がより好ましく、0.1〜0.5がさらに好ましい。炭素質フィラーおよびガラス質フィラーを併用する場合、炭素質フィラーの微生物固定化担体100質量%中の割合は、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。また、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。一方、ガラス質フィラーの微生物固定化担体100質量%中の割合は、5質量%未満が好ましく、3質量%以下がより好ましい。また、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。
フィラーとしては、繊維を用いると、微生物固定化担体の強度を向上させる効果と、担体表面を粗面化する効果のいずれもがより向上する。
フィラーは、微生物固定化担体の強度を向上させる効果と、微生物との親和性を向上させる点から、長さが50μm〜3mmであることが好ましく、100μm〜2mmであることがより好ましい。フィラーの太さは、微生物固定化担体の強度を向上させる効果の点から、1〜25μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。
ここでフィラーの長さとは、フィラーの長手方向に沿う長さであり、太さとは、フィラーの長手方向に垂直な面の最大径である。該垂直な面が真円形である場合には、最大径はその直径であり、真円形以外の形状である場合には、最大径は該形状に外接する真円の直径である。
本明細書においては、フィラーの長さおよび太さには、微生物固定化担体に含まれるフィラーのうちの任意の15本について、顕微鏡観察により測定した値の平均値を「フィラーの長さおよび太さ」として採用する。
微生物固定化担体は、ポリプロピレンと必要に応じて他の熱可塑性樹脂と、さらに好ましくはフィラーとを混合、溶融し、押出成形することで容易に製造できる。特別の装置や後処理を要することなく製造でき、コストに優れる。
微生物固定化担体を成形する際に使用するポリプロピレンや必要に応じて使用するその他の熱可塑性樹脂原料には、ペレット状のものを用いると、取扱性に優れる。また、フィラーを添加する場合には、樹脂とフィラーとで成形されたマスターペレットを使用することが好ましい。マスターペレットを用いると、マスターペレットを用いず、ポリプロピレンや必要に応じて使用するその他の熱可塑性樹脂と必要な長さに切断したフィラーとを溶融混練して押出成形する方法に比べて、フィラーの粉砕を抑制できる。そのため、得られる微生物固定化担体の強度が非常に優れ、また、取扱性も格段に優れる。
マスターペレットを製造する際には、押出機での溶融混練や切断等の工程を通過することを考慮すると、長さが3〜12mmのフィラーを使用することが好ましく、5〜10mmの長さのフィラーを使用することがより好ましい。
マスターペレットは、例えば、数千本のフィラメントからなるフィラーのロービングを含浸ダイスに導き、フィラメントの間に、溶融した樹脂を均一に含浸させた後、所定長に切断してペレット化することで製造できる。
フィラーとして、炭素質フィラーとガラス質フィラーとを併用する場合には、マスターペレットとして、炭素質フィラーおよびガラス質フィラーをともにペレット中に含むものを使用することもできるし、炭素フィラーを含むペレットと、ガラス質フィラーを含むペレットとを併用することもできる。
マスターペレットの具体例としては、例えば、チッソ(株)製の長繊維ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂(商品名「ファンクスター LR25Z」、ガラス繊維含有量=50質量%)、三菱レイヨン(株)製の炭素繊維強化ポリプロピレン樹脂(商品名「パイロフィル PP−C20」、炭素繊維含有量=20質量%)等が挙げられる。
なお、微生物固定化担体は、任意成分として、炭酸カルシウム、タルク、ゼオライト、硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、水酸化アルミニウム等の比重調整材;多孔質化のためのアゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、炭酸系などの発泡剤および発泡助剤;各種添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば粉系発泡剤を使用した際において、ペレットとの分散性を高めるための流動パラフィンや非イオン系界面活性剤を主成分とする添加剤等が挙げられる。
任意成分は、微生物固定化担体の製造時に直接添加しても、任意成分を含む樹脂ペレット等として添加してもよい。
微生物固定化担体の形状としては、上述のように円筒状が好ましい。円筒状の微生物固定化担体の大きさは、例えば外径が3〜15mm、内径が2〜13mm、長さが3〜20mmであると、微生物の付着性、活性汚泥曝気槽内での流動性等の点で好ましい。より好ましくは、外径が6〜12mm、内径が5〜10mm、長さが5〜15mmである。
微生物固定化担体の表面には細孔が形成され、該微生物固定化担体は、下記式(1)を満たすことが好ましい。
A/B≧0.8・・・(1)
A:1〜1000μmの直径を有する細孔容積の合計
B:0.003〜1000μmの直径を有する細孔容積の合計
微生物固定化担体の活性を高めるためには、担体に付着する微生物の中で、有効に働く微生物の量を向上させることが有効であり、そのためには1μm以上の直径を有する細孔容積を増加させることが有効である。1μm未満の直径を有する細孔容積が多いと、微生物固定化担体の体積あたりの表面積(比表面積)は大きくなるものの、有効に働く微生物の量はほとんど増加しない。そのため、比表面積は、微生物固定化担体の活性の指標としては不充分である。
そこで、微生物固定化担体の活性の指標として、上記A/Bを用いる。
微生物固定化担体は、下記式(2)を満たすことがより好ましく、下記式(3)を満たすことがより好ましい。また、A/Bの上限は1であってよい。
A/B≧0.83・・・(2)
A/B≧0.85・・・(3)
本明細書において、細孔容積は、島津製作所(株)製「オートポア 9520形」を用い、水銀圧入式ポロシメーター法により測定した。細孔直径の全測定範囲は、0.003〜1000μmと、1〜1000μmについて行い、上記AおよびBを算出した。
なお、細孔容積測定にあたっては、微生物固定化担体を充分に乾燥した後に測定した。
細孔の直径が過度に大きいと、気泡を噛み込むことによって微生物固定化担体が浮上してしまうため好ましくない。この観点から、細孔直径の上限は1000μmが好ましく、700μmがより好ましい。一方、上述のとおり、細孔直径の下限は1μmが好ましく、2μmが好ましく、4μmがより好ましい。
よって、このような上限および下限の範囲内にある直径を有する細孔容積の合計の割合は、上記B(0.003〜1000μmの直径を有する細孔容積の合計)に対して、80%以上であることが好ましく、83%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。該割合は100%であってよい。
微生物固定化担体の表面の細孔は、微生物固定化担体にフィラーを含有させたり、上述の発泡剤および発泡助剤、添加剤等を添加したりすることにより形成される。そして、A/Bは、使用するフィラーの種類およびサイズを調整したり、発泡剤、発泡助剤、添加剤等の種類および使用量等を調整したりすることにより、コントロールできる。
このような微生物固定化担体は、ポリプロピレンを主成分とし、好ましくはフィラーを含有するものであるため、動植物油を含有する排水の油分を安定かつ良好に分解、除去できる。また、その後の固液分離において、膜分離性の良好な汚泥含有液が得られる。
(処理方法)
活性汚泥曝気槽10における生物学的処理は、散気管11により活性汚泥曝気槽10内を曝気して、微生物が付着した微生物固定化担体13を流動させることにより行う。処理条件としては、例えば下記の条件が好ましい。
・微生物固定化担体の投入量:活性汚泥曝気槽の容量の10〜20容積%。
・活性汚泥曝気槽の水温:15〜37℃。
・活性汚泥曝気槽の溶存酸素量:2.0mg/L以上。
・BOD容積負荷:0.5〜3.0(kg−BOD/m・日)。
・汚泥濃度(MLSS):10〜20000(mg/L)。
(遮蔽板)
図2の活性汚泥曝気槽10の槽壁上部には、上述のとおり、槽内の汚泥混合液を活性汚泥曝気槽10の後(後段)の膜分離槽20にオーバーフローさせる流出口14が形成され、槽内における流出口14の近傍には、遮蔽板16が設けられている。遮蔽板16は、前段(この例では調整槽。)から送られてくる処理対象液の液面に浮上している動植物油が、活性汚泥曝気槽10内でも汚泥混合液の液面に浮上したまま、充分に生物学的処理されずに、流出口14から活性汚泥曝気槽10の後(後段)の膜分離槽20に流出してしまうことを防止するために設けられる。図2に示すように、遮蔽板16は、この例では半筒状であり、高さ方向の一部は液面上に出て、高さ方向の残りの一部は液面下に位置するように、面方向が略垂直方向となるように設けられる。動植物油の流出をより効果的に抑制する観点からは、遮蔽板の液面上高さHおよび液面下深さDは、それぞれ5cm以上であることが好ましく、20cm以上であることがより好ましく、30cm以上であることがさらに好ましい。遮蔽板の液面上高さHおよび液面下深さDの上限はたとえば100cmである。遮蔽板の液面上高さHおよび液面下深さDは、活性汚泥曝気槽10の深さ等のスケール、活性含有液および微生物固定化担体の流動状態、気泡の挙動等に応じて設定できる。また、図3の平面図に示すように、遮蔽板16が流出口14を取り囲むように、その両側端部16a,16bが、活性汚泥曝気槽10の内側壁に取り付けられていることが、動植物油の流出をより効果的に抑制し、油分を安定かつ良好に分解、除去できる点で好ましい。
以上説明したように本実施形態例の処理システムの活性汚泥曝気槽は、遮蔽板を有するため、活性汚泥曝気槽中の汚泥含有液に浮上している動植物油が充分に処理されずに流出口から流出することが、防止される。そのため、活性汚泥曝気槽において、動植物油を含有する排水の油分を安定かつ良好に分解、除去できる。
また、本実施形態例の処理システムは、ポリプロピレンを主成分とする微生物固定化担体が投入された活性汚泥曝気槽10を有する。そのため、活性汚泥曝気槽10において、動植物油を含有する処理対象液の油分を効果的に分解、除去でき、活性汚泥曝気槽10での処理条件にも依存するが、油分の濃度を例えば数十ppmまで低減することも可能である。このように油分の濃度が低減された汚泥含有液であれば、中空糸膜等の分離膜を備えた膜分離槽においても、充分に固液分離することができる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
活性汚泥曝気槽の処理対象液として、表1に示す組成および分析値の合成下水に、市販のサラダ油(日清オイリオ(株)製)を添加したモデル液を用いた。サラダ油は、ヘキサン抽出物質として、合成下水1Lあたり300mg/Lとなるように添加した。なお、合成下水とサラダ油は、それぞれ別のラインで添加した。微生物固定化担体としては、表2に示すように、ポリプロピレンを主成分とし、フィラーとして炭素繊維とガラス繊維とを含有する樹脂組成物から形成された円筒状の担体を用いた。表2中の炭素繊維とガラス繊維の含有量は、微生物固定化担体100質量%に対する値である。
使用した微生物固定化担体の外径および長さは、表2に示すようにいずれも10mmであり、内径は7.2mmである。
微生物固定化担体における炭素繊維(炭素質フィラー)の長さは3mm、太さは17μmで、ガラス繊維(ガラス質フィラー)の長さは3mm、太さは7μmであった。
また、微生物固定化担体のA/Bは、0.86であった。
なお、フィラーの長さおよび太さ、微生物固定化担体についてのA/Bは、すでに述べた方法により求めた。
このようなモデル液と微生物固定化担体を用い、表3に示す生物学的条件において、図2示す活性汚泥曝気槽および図示略の沈殿槽で水処理を行った。遮蔽板の液面上高さHは10cm、液面下深さDは5cmとした。
そして、一定の経過日数ごとに、沈殿槽から処理水をサンプリングし、処理水中のヘキサン抽出物質濃度をJIS K0102法により分析した。結果を図4のグラフに示す。
また、一定の経過日数ごとに、活性汚泥曝気槽から汚泥含有液をサンプリングし、膜分離性の指標であるろ紙ろ過量を測定した。結果を図5に示す。
ろ紙ろ過量は、汚泥含有液をNo.5C(JIS P 3801)の濾紙を用いて5分間濾過した時のろ液量である。
Figure 0006295877
Figure 0006295877
Figure 0006295877
[実施例2]
微生物固定化担体として、表2に示すように、ポリプロピレンから形成された円筒状の担体を用いた以外は、実施例1と同様にして水処理を行い、同様の評価を行った。結果を図4〜図5に示す。なお、使用した微生物固定化担体の外径および長さは、表2に示すようにいずれも10mmであり、内径は7.2mmである。
[実施例3]
微生物固定化担体を活性汚泥曝気槽で使用しなかった以外は、実施例1と同様にして水処理を行い、同様の評価を行った。結果を図4〜図5に示す。
図4のグラフから、ポリプロピレンを主成分とする微生物固定化担体を活性汚泥曝気槽で使用した場合には、微生物固定化担体を使用しない場合に比べて、経過日数の初期から安定に、良好にヘキサン抽出物質が低減された処理水が得られることがわかった。また、図5のグラフから、ろ紙ろ過量も優れ、活性汚泥曝気槽の後(後段)に膜分離槽を設けて処理した場合には膜分離性も良好であることが示唆された。
[比較例1]
遮蔽板を設置していない以外は、実施例1と同様の活性汚泥曝気槽を用いて、モデル液の水処理を行った。
その結果、モデル液中の油分が活性汚泥曝気槽の汚泥処理液の液面に浮上し、活性汚泥曝気槽で処理されずに、そのまま、流出口から沈殿槽へと流出してしまった。
このことから、遮蔽板を設置しない場合には、活性汚泥曝気槽において、油分を充分には処理できないことがわかった。また、活性汚泥曝気槽の後(後段)に膜分離槽を設けて膜処理した場合には、活性汚泥曝気槽から流出した油分により膜が閉塞し、安定に膜処理を行えないことが示唆された。
10 活性汚泥曝気槽
12 活性汚泥
13 微生物固定化担体
16 遮蔽板

Claims (8)

  1. 動植物油を含有する排水を生物学的処理する排水処理システムであって、
    活性汚泥曝気槽と、前記活性汚泥曝気槽から流出した汚泥含有液を固液分離する膜分離槽とを有し、
    前記活性汚泥曝気槽は、該活性汚泥曝気槽中の前記汚泥含有液を前記膜分離槽へと流出させる流出口と、前記活性汚泥曝気槽中の前記汚泥含有液に浮上している動植物油の前記流出口からの流出を防ぐ遮蔽板とを有し、前記遮蔽板は、遮蔽板の液面上高さおよび液面下深さが、それぞれ5cm以上である、動植物油含有排水処理システム。
  2. 前記活性汚泥曝気槽に、微生物固定化担体が投入された、請求項に記載の動植物油含有排水処理システム。
  3. 前記微生物固定化担体は、ポリプロピレンを主成分とする、請求項に記載の動植物油含有排水処理システム。
  4. 前記微生物固定化担体は、下記条件(A)〜(C)を満たす円筒状である、請求項またはに記載の動植物油含有排水処理システム。
    (A)外径:3〜15mm
    (B)内径:2〜13mm
    (C)長さ:3〜20mm
  5. 前記微生物固定化担体は、炭素質フィラーおよびガラス質フィラーの少なくとも一方を含む、請求項のいずれか一項に記載の動植物油含有排水処理システム。
  6. 前記微生物固定化担体の全質量に対する、炭素質フィラーおよびガラス質フィラーの割合が、0.1%以上5%未満である、請求項に記載の動植物油含有排水処理システム。
  7. 前記炭素質フィラーおよび前記ガラス質フィラーは、長さが50μm〜3mm、太さが1μm〜25μmである、請求項またはに記載の動植物油含有排水処理システム。
  8. 前記微生物固定化担体の表面には細孔が形成され、該微生物固定化担体は、下記式(1)を満たす、請求項のいずれか一項に記載の動植物油含有排水処理システム。
    A/B≧0.8 ・・・(1)
    A:1〜1000μmの直径を有する細孔容積の合計
    B:0.003 〜1000μmの直径を有する細孔容積の合計
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