JP6295386B1 - 新規ヒールアセンブリおよびそれを備える履物 - Google Patents

新規ヒールアセンブリおよびそれを備える履物 Download PDF

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    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B21/00Heels; Top-pieces or top-lifts
    • A43B21/24Heels; Top-pieces or top-lifts characterised by the constructive form

Abstract

【課題】交換寿命が長く、脚への負担が少ない履物用ヒールアセンブリを提供する。【解決手段】本発明は、ヒールアセンブリの接地面および/またはヒールシートを、内側かつ前側の第1部分と、外側かつ前側の第2部分と、内側かつ後側の第3部分と、外側かつ後側の第4部分とに分けたときに、第1部分から第4部分に向けて傾斜する傾斜面を有する履物を構成することを企図する。本発明者は、このような傾斜をヒールアセンブリに設けることによって、トップリフトの外側後端部の偏摩耗の抑制、動的安定感の向上、接地後の内側へのヒールアセンブリの回転による回転モーメント発生の抑制などの効果が得られることを見出した。【選択図】図4

Description

本発明は、履物用ヒールアセンブリに関する。
履物のヒールアセンブリは、履物本体に接着されるリフトと、滑り止めおよび衝撃吸収のためのトップリフトを含む。従来、トップリフトは、下端面がトップリフトの中心軸に対して垂直であった(例えば、特許文献1を参照)。
図21(a)および図21(b)は、一般的なトップリフトを備えたヒールアセンブリが接地するときの様子を示す。図21(a)では、左足用ヒールアセンブリの左側面が示されており、図21(a)の左方向が前側であり、右方向が後側である。図21(b)では、左足用ヒールアセンブリの前面が示されており、図21(b)の左方向が内側であり、右方向が外側である。ヒールアセンブリが取り付けられる履物本体は省略されている。
人間は歩行するとき踵から接地するため、従来のヒールアセンブリでは、歩行時、まず、トップリフトの後端部のみが接地する(図21(a)の状態1を参照)。続いて、接地点を軸に前側に(図21(a)の矢印方向に)ヒールアセンブリが回転することにより、トップリフトの接地面全体が接地する(図21(a)の状態2を参照)。
また、人間の距骨下関節の構造により、地面から足を上げているとき、足は、足の親指側(右足であれば左側、左足であれば右側)が地面に対して遠くなり、足の小指側(右足であれば右側、左足であれば左側)が地面に対して近くなるように傾斜する。そのため、従来のトップリフトでは、歩行時、まず、トップリフトの外端部のみが接地する(図21(b)の状態1を参照)。続いて、接地点を軸に内側側に(図21(b)の矢印方向に)ヒールアセンブリが回転することにより、トップリフトの接地面全体が接地する(図21(b)の状態2を参照)。
実公平5−6808号公報
上記のとおり、履物のヒールアセンブリは、歩行時の足と地面との最初の接触を担っており、歩行の安定性に大きく影響する。しかしながら、従来のヒールアセンブリは、接地面が均一に接地しないことに起因して、外側の後端部が特に偏摩耗し、トップリフトの交換寿命が短い。また、接地時の接地面積が小さいため動的な安定感がないことや、接地後の内側へのヒールアセンブリの回転による回転モーメントにより、脚の健康が害されることなどの問題点があることを、本発明者は見出した。
本発明は、トップリフトの交換寿命が長く、脚への負担が少ない履物用ヒールアセンブリを提供することによって、上記課題を解決することを目的とする。
本発明者は、ヒールアセンブリの内側前端部の厚みを厚くし、外側後端部の厚みを薄くして、ヒールアセンブリにおいて内側前端部から外側後端部に向けた傾斜を生じさせることによって、上記課題が解決されることを予想外に発見した。
本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
第1部分と、第2部分と、第3部分と、第4部分とをヒールシートおよび/または接地面に備える履物用ヒールアセンブリであって、
前記ヒールシートおよび/または前記接地面は、前記第1部分から前記第4部分に向けて傾斜を有する、ヒールアセンブリ。
(項目2)
前記接地面が前記傾斜を有する、項目1に記載のヒールアセンブリ。
(項目3)
前記第1部分から前記第4部分において、水平部分が前記第1部分から前記第4部分の全面積に対して約60%以下である、項目2に記載のヒールアセンブリ。
(項目4)
前記第1部分から前記第4部分において、水平部分が前記第1部分から前記第4部分の全面積に対して約30%以下である、項目2に記載のヒールアセンブリ。
(項目5)
前記傾斜が、リフトの構造によって達成される、項目2〜4のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
(項目6)
前記傾斜が、トップリフトによって達成される、項目2〜4のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
(項目7)
前記傾斜が、リフトの構造およびトップリフトによって達成される、項目2〜6のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
(項目8)
前記トップリフトは、厚みが略均一の板状部材と楔状部材とを備える、項目6または7のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
(項目9)
前記接地面側の構造が、前記第4部分よりも前記第1部分が厚い形状である、項目6〜8のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
(項目10)
前記第2部分と前記第3部分とは厚みが同じであり、前記第2部分および前記第3部分は、前記第1部分よりも薄く、前記第4部分よりも厚い、項目9に記載のヒールアセンブリ。
(項目11)
前記第1部分と前記第2部分とは厚みが同じであり、前記第3部分と前記第4部分とは厚みが同じである、項目9に記載のヒールアセンブリ。
(項目12)
前記第1部分と前記第3部分とは厚みが同じであり、前記第2部分と前記第4部分とは厚みが同じである、項目9に記載のヒールアセンブリ。
(項目13)
前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分、前記第4部分の順に厚みが厚い、項目9に記載のヒールアセンブリ。
(項目14)
前記ヒールシートが前記傾斜を有する、項目1に記載のヒールアセンブリ。
(項目15)
前記第1部分から前記第4部分において、水平部分が前記第1部分から前記第4部分の全面積に対して約60%以下である、項目14に記載のヒールアセンブリ。
(項目16)
前記第1部分から前記第4部分において、水平部分が前記第1部分から前記第4部分の全面積に対して約30%以下である、項目14に記載のヒールアセンブリ。
(項目17)
前記第1部分から第2部分および第3部分に向けて傾斜し、前記第2部分と前記第3部分との間に傾斜がなく、前記第2部分および前記第3部分から第4部分に向けて傾斜している、項目14〜16のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
(項目18)
前記第1部分と前記第2部分との間に傾斜がなく、また前記第3部分と前記第4部分との間に傾斜がない、項目7に記載のヒールアセンブリ。
(項目19)
前記第1部分と前記第3部分との間に傾斜がなく、また前記第2部分と前記第4部分との間に傾斜がない、項目14〜16のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
(項目20)
前記第1部分は前記第2部分および前記第3部分に向けて傾斜しており、前記第2部分は前記第3部分および前記第4部分に向けて傾斜しており、前記第3部分は前記第4部分に向けて傾斜している、項目14〜16のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
(項目21)
前記傾斜の傾斜角度θが約2°〜約18°である、項目1〜20のいずれか1項に記載のヒールアセンブリ。
(項目22)
前記傾斜の傾斜角度θが約8°〜約15°である、項目1〜20のいずれか1項に記載のヒールアセンブリ。
(項目23)
前記傾斜の方向角度δが約20°〜約60°である、項目1〜22のいずれか1項に記載のヒールアセンブリ。
(項目24)
前記傾斜の方向角度δが約30°〜約35°である、項目23に記載のヒールアセンブリ。
(項目25)
前記傾斜の方向角度δが約0°〜約20°である、項目1〜22のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
(項目26)
項目1〜25のいずれか1項に記載のヒールアセンブリを備える履物。
(項目27)
ハイヒールである、項目25に記載の履物。
(項目28)
項目6、または項目6に従属する項目7〜13、21〜25のいずれか1項に記載のトップリフト。
(項目29)
項目8、または項目8に従属する項目9〜13、21〜25のいずれか一項に記載の楔状部材。
(項目30)
項目5、項目14、項目5に従属する請求項7〜13、または項目14に従属する請求項15〜25のいずれか一項に記載のリフト。
(項目31)
履物の修理方法であって、
前記履物のトップリフトを、項目28に記載のトップリフトと交換する工程
を包含する、方法。
(項目32)
履物の修理方法であって、
前記履物のトップリフトに、項目29に記載の楔状部材を装着する工程
を包含する、方法。
本発明によれば、交換寿命が長く、脚への負担が少ない履物用ヒールアセンブリを提供することができる。
本発明のヒールアセンブリ100が装着された履物10の一例を示す外観図。 本発明のヒールアセンブリにおける、第1部分から第4部分を説明するための図であって、図2(a)は右足用トップリフトの接地面を上側とした状態における斜視図、図2(b)は左足用リフトの斜視図。 トップリフトを説明する斜視図であって、図3(a)は従来のトップリフトを示す図、図3(b)は本発明の右足用トップリフトの一例を示す図。 ヒールアセンブリの傾斜角度θを説明する図であって、図4(a)はトップリフトにおける傾斜角度を示す図、図4(b)は、リフトの傾斜角度θを示す図。 仮想ヒールシート面を説明する図であって、図5(a)は、左足用リフトの前面図、図5(b)は左足用リフトの左側面図。 本発明のヒールアセンブリの傾斜の方向角度δを説明する図であって、図6(a)は履物の下面図、図6(b)はリフトの前面図。 トップリフトの各部分の厚さの種々の実施形態のうちパターン1を示す模式図。 トップリフトの各部分の厚さの種々の実施形態のうちパターン2を示す模式図。 トップリフトの各部分の厚さの種々の実施形態のうちパターン3を示す模式図。 トップリフトの各部分の厚さの種々の実施形態のうちパターン4を示す模式図。 トップリフトの各部分の厚さの種々の実施形態のうちパターン5を示す模式図。 内側および外側の高さが同じである公知のリフトに、図3(b)および図4(a)に示すトップリフト120を装着した本発明のヒールアセンブリ100の接地時の様子を示す図であって、図8(a)は左足用ヒールアセンブリ100の側面図、図8(b)は左足用ヒールアセンブリ100の前面図。 凹部を備えたヒールシートにおける傾斜を説明する図であって、図9(a)はヒールシートの正面図であり、図9(b)は、図9(a)のM−M線断面図。 板状部材と楔状部材とを備えたトップリフトのベース121を説明する図。 トップリフト120の変形例であるトップリフト120aをリフト130に装着している様子を示す図であって、図11(a)は装着前を示す図、図11(b)は装着後を示す図。 リフト130の変形例であるリフト130aに、厚みが均一の公知のトップリフト120bを装着している様子を示す図であって、図12(a)は装着前の様子を示す図であり、図12(b)は装着後の様子を示す図。 リフト130の変形例であるリフト130aに、厚みが均一の公知のリフト120cを装着している様子を示す図であって、図13(a)は装着前の様子を示す図であり、図13(b)は装着後の様子を示す図。 本発明の別実施例のトップリフト120dを説明する図であって、図14(a)は、トップリフト120dの斜視図、図14(b)はトップリフト120dの側面図、図14(c)はトップリフト120dの前面図。 リフトを説明する前面図であって、図15(a)は従来のリフトを示す図、図15(b)は本発明の左足用のリフト130を示す図。 リフトを説明する左側面図であって、図16(a)は従来のリフトを示す図、図16(b)は本発明の左足用のリフト130を示す図。 内側および外側の高さが同じである公知のトップリフト120bに、図15(b)および図16(b)に示すリフト130を装着した本発明のヒールアセンブリ100bの接地時の様子を説明する図であって、図17(a)は左側に従来のヒールアセンブリ、右側に本発明のヒールアセンブリ100bを示す側面図であり、図17(b)は、左側に従来のヒールアセンブリ、右側に本発明のヒールアセンブリ100bを示す前面図。 本発明のリフトの一例であって、ヒールシートの傾斜角度が高いリフトを示す図であって、断面図は図9(a)と同様のM-M線断面図であり、平面図の点線は図9(a)と同様の凹部領域を示す。 本発明のリフトの他の一例であって、ヒールシートの傾斜角度が低いリフトを示す図であって、断面図は図9(a)と同様のM−M線断面図であり、平面図の点線は図9(a)と同様の凹部領域を示す。 本発明のトップリフトの一例の6面図。 従来のヒールアセンブリが接地するときの様子を示す図であって、図21(a)は左足用ヒールアセンブリの左側面図、図21(b)は左足用ヒールアセンブリの前面図。
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
(用語の定義)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
本明細書において「足」とは、踝より下方の身体の部分のことをいう。
本明細書において「脚」とは、骨盤から下方の身体の部分のことをいう。
本明細書において「ヒールハイト」とは、履物を静置したときの前足部の接地点の垂線上であって挿入される足底との接点と、トップリフトの顎部を通る垂線上であってヒールシートとの接点との高低差のことをいう。
本明細書において「履物」(例えば、図1の符号10を参照)は、履物本体(例えば、図1の符号110を参照)とヒールアセンブリ(例えば、図1の符号100を参照)とを備える任意の靴をいう。
本明細書において「ヒールアセンブリ」とは、履物における略踵部下方にあり、履物本体よりも接地面側に存在する部材をいう。また、ヒールアセンブリにおいて接地する面を「接地面」(例えば、図1における符号125を参照)といい、履物本体と接着される面を「ヒールシート」(例えば、図1における符号135を参照)という。ヒールアセンブリは、履物本体と接着される「リフト」(例えば、図1における符号130を参照)と、接地面側に装着される「トップリフト」(例えば、図1における符号120を参照)とを含む。「トップリフト」は、「ベース」(例えば、図2(a)における符号121を参照)と「ピン」(例えば、図2(a)における符号121を参照)とを含み、さらにベースよりも「軟質の層」(例えば、図14(a)における符号Rを参照)を含んでもよい。
本明細書において、軟質の層を有するトップリフトにおいて、当該トップリフトのベースの軟質の層と接着する面を「境界面」という。
本明細書において「第1部分」とは、ヒールアセンブリの接地面(例えば、図2(a)における符号125)および/または境界面、もしくはヒールシート(例えば、図2(b)における符号135を参照)における前後方向の両端部の間の距離を等分する線(例えば、図2(a)および(b)における符号L1)と、内外方向の両端部(内外方向で最も離れた部分)の間の距離を略二等分する線(例えば、図2(a)および(b)における符号L2)とで、ヒールアセンブリの接地面125またはヒールシート135をそれぞれ4等分したうちの、内側かつ前側(進行方向)の部分(例えば、図2(a)および(b)における符号A1を参照)をいう。本明細書において「第2部分」とは、ヒールアセンブリの接地面125および/または境界面、もしくはヒールシート135における前後方向の両端部の間の距離を等分する線L1と、内外方向の両端部の間の距離を等分する線L2とで、ヒールアセンブリの接地面125またはヒールシート135をそれぞれ4等分したうちの、外側かつ前側の部分(例えば、図2(a)および(b)における符号A2を参照)をいう。本明細書において「第3部分」とは、ヒールアセンブリの接地面125またはヒールシート135における前後方向の両端部の間の距離を等分する線L1と、内外方向の両端部の間の距離を等分する線L2とで、ヒールアセンブリの接地面125および/または境界面、もしくはヒールシート135をそれぞれ4等分したうちの、内側かつ後側の部分(例えば、図2(a)および(b)における符号A3を参照)をいう。本明細書において「第4部分」とは、ヒールアセンブリの接地面125および/または境界面、もしくはヒールシート135における前後方向の両端部の間の距離を等分する線L1と、内外方向の両端部の間の距離を等分する線L2とで、ヒールアセンブリの接地面125またはヒールシート135をそれぞれ4等分したうちの、外側かつ後側の部分(例えば、図2(a)および(b)における符号A4を参照)をいう。なお、接地面125またはヒールシート135において凹部が形成される場合があるが、そのような場合には、上記の「第1部分」〜「第4部分」は、接地面125またはヒールシート135において当該凹部を除いた部分をいう。
本明細書において、ヒールアセンブリの接地面について、ある部分Aから別の部分Bに向けて「傾斜」しているとは、ヒールアセンブリが履物本体に装着されたときに、トップリフト接地面の部分Aが接地方向に突出し、部分Aに比較して部分Bが接地方向に突出しないことによって、部分Aから部分Bに向かって傾斜していることをいう(例えば、図3(b)、図4(a)、図11(b)における、点A、点Bを参照)。なお、この部分Aまたは部分Bからは、接地面において凹部が形成される場合の凹部は除く。
本明細書において、「仮想ヒールシート面」とは、ヒールシート前端部の略中心(例えば、図5(a)および(b)における点C1を参照)を通る内外方向に平行な水平線と、ヒールシート後端部略中心(例えば、図5(a)および(b)における点C2を参照)を通る内外方向に平行な水平線とを通る平面をいう(例えば、図5(a)および(b)における点線面Sを参照)。なお、後端部略中心とは、後端側がU字状などの場合は一番後方となる中央の一点を指し、後端側が矩形状などの場合は後端側の両端部の中心を指す。
本明細書において、ヒールアセンブリのヒールシートについて、ある部分Aから別の部分Bに向けて「傾斜」しているとは、リフトのヒールシートにおける部分Aが仮想ヒールシート面から上方(トップリフトに対向する方向)に突出し、部分Aに比較して部分Bが仮想ヒールシート面からは上方に突出しない(下方に突出すればするほど、上方に突出しないことを意味する点に留意されたい)ことによって、仮想ヒールシート面を基準にして部分Aから部分Bに向かって傾斜していることをいう(例えば、図4(b)における、点Aおよび点Bを参照)。なお、この部分Aまたは部分Bからは、ヒールシート135において凹部が形成される場合の凹部は除く。
本明細書において「傾斜角度θ」とは、接地面およびヒールシートの基準面に対する傾斜の角度をいう。接地面についての基準面は履物を水平面に静置したときの水平面であり、ヒールシートについての基準面は仮想ヒールシート面である。接地面の部分Aから部分Bへの傾斜の傾斜角度は、部分Aにおける最も接地方向に突出した部分と部分Bにおける最も接地方向に突出していない部分とを結んだ線と、基準面である水平面との角度(例えば、図4(a)における角度θを参照)であり、ヒールシートの部分Aから部分Bへの傾斜の傾斜角度θは、基準面である仮想ヒールシート面に対して部分Aにおける最も上方に突出している部分(例えば、図4(b)における点Aを参照)と部分Bにおける最も上方に突出していない部分(図4(b)における点B)とを結ぶ線と仮想ヒールシート面との角度(例えば、図4(b)における角度θを参照)をいう。
本明細書において、傾斜の「方向角度δ」とは、接地面およびヒールシートの中心線(前端部略中心と後端部略中心とを通る線)と、傾斜の方向との間の角度をいう。接地面の部分Aから部分Bへの傾斜の方向角度δは、部分Aにおける最も接地方向に突出した部分と部分Bにおける最も接地方向に突出していない部分とを結んだ線(例えば、図6(a)における直線L3を参照)を含む傾斜面上であり、かつ結んだ線の垂線(例えば、図6(a)における直線L4を参照)と、接地面の中心線との間の角度(例えば、図6(a)における角度δを参照)であり、ヒールシートの部分Aから部分Bへの傾斜の方向角度δは、基準面である仮想ヒールシート面に対して部分Aにおける最も上方に突出している部分と部分Bにおける最も上方に突出していない部分とを結んだ線(例えば、図6(b)における直線L3を参照)を含む傾斜面上であり、かつ結んだ線に対する垂線(例えば、図6(b)におけるL4を参照)と、ヒールシートの中心線との間の角度(例えば、図6(b)における角度δを参照)である。
本明細書において、「厚さ」とは、基準面(接地面についての水平面、またはヒールシートについての仮想ヒールシート面)に対して垂線方向の距離をいう。例えばトップリフトの接地面の「第1部分が第2部分よりも厚い」という場合、トップリフトの第1部分の厚さのうち最大のものが、第2部分の任意の部分の厚さよりも大きいことをいう。
本明細書において、ヒールアセンブリの接地面の「水平部分」とは、履物を水平面に静置したときに水平面に平行である、接地面における部分をいう。
本明細書において「ハイヒール」とは、ヒールアセンブリの接地面側の端部と履物本体との接触面側の端部との距離が約3cm以上のものをいう。
本明細書において使用される用語「約」とは、後に続く数値の±10%の範囲を意味する。
(傾斜)
本発明は、ヒールアセンブリ100の接地面125および/またはヒールシート135を、内側かつ前側の第1部分(図2等のA1)と、外側かつ前側の第2部分(A2)と、内側かつ後側の第3部分(A3)と、外側かつ後側の第4部分(A4)とに分けたときに、第1部分(A1)から第4部分(A4)に向けて傾斜する傾斜面を有する履物を構成することを企図する。本発明者は、このような傾斜をヒールアセンブリ100に設けることによって、トップリフト120の外側後端部の偏摩耗が抑制されてトップリフト120の長寿命化を図ることができること、歩行時の動的安定感の向上が得られることなどを見出した。さらに、理論に拘束されることを意図しないが、本発明の傾斜を設けることにより、靴の接地後のヒールアセンブリ100の内側への回転モーメントの発生が抑制され、脚への負担を抑制することが可能になると考えられる。これによって、腰痛など脚に起因する種々の症状改善に寄与することができる可能性がある。
本発明において、傾斜面またはヒールシート面における、第1部分から第4部分への傾斜の傾斜角度θは、約2°≦θ≦約20°であり得る。具体的には、第1部分から第4部分への傾斜の傾斜角度θは、約2°≦θ≦約18°、約2°≦θ≦約16°、約4°≦θ≦約18°、約4°≦θ≦約16°、約6°≦θ≦約18°、約6°≦θ≦約15°、約8°≦θ≦約15°であるが、これらに限定されない。
傾斜角度θの最適角度は、(5+X)°(Xはヒールハイト(cm))である。また、本発明における傾斜角度θの適用範囲は、最適角度に対して±3°の範囲が好ましく、±2°の範囲がさらに好ましく、±1°の範囲が特に好ましい。上述したように、傾斜角度θがヒールハイトの高さに依存するのは、ヒールハイトの高さに応じて、回転モーメントが変化するためである。すなわち、ヒールハイトの高さの変化に伴い、内側の踝と外側の踝との傾斜が変化し、それにより距骨下関節の回内変位が変わり、その結果、回転モーメントが変化するためである。ヒールハイトが高くなるに従って回転モーメントが大きくなる傾向となる。そのため、ヒールハイトが高くなるに従い傾斜角度θを大きくすることで回転モーメントを抑制することができる。
本発明者は、これらの好ましい角度だと、トップリフトの偏摩耗が防止されて交換寿命が延長され得ることを予想外に見出した。また、傾斜面の任意の点における接平面と基準面との角度がθ×0.8以上かつθ以下であることが好ましい。
第1部分から第2部分への傾斜の傾斜角度は、0°以上θ以下であり得る。第1部分から第3部分への傾斜の傾斜角度は、0°以上θ以下であり得る。第2部分から第3部分への傾斜の傾斜角度は、0°以上θ以下であり得る。第1部分、第2部分、第3部分、第4部分のそれぞれは、段差を形成するのではなく、滑らかに傾斜を形成することが好ましい。なお、ヒールアセンブリ100の接地面125やヒールシート135に凹みや突起が形成されていたとしても、接地面125またはヒールシート135が全体として本発明で企図される傾斜を達成している限り、本発明の範囲内に入ることが当然に理解されるべきである。
本発明のヒールアセンブリ100の接地面125の傾斜は、
・トップリフト120の厚さを変動させること、
・リフト130の形状を変更すること、
のうちの1つまたは両方によって達成され得る。例えば、ヒールアセンブリ100の接地面125が「第1部分から第4部分に向けて傾斜している」構成は、トップリフト120の第1部分を第4部分よりも相対的に厚くすることによって達成され得る。加えて/あるいは、ヒールアセンブリ100の接地面125が「第1部分から第4部分に向けて傾斜している」構成は、リフト130の下方(トップリフト120側)において、トップリフト120の第1部分に対応する部分を、トップリフト120の第4部分に対応する部分よりも下方に突出させ、トップリフト120の第2部分および第3部分に対応する部分は少なくとも第1部分に対応する部分よりも下方には突出させないことによって達成され得る。
本発明のヒールアセンブリ100のヒールシート135の傾斜は、リフト130の形状を変更することによって達成され得る。ヒールアセンブリ100のヒールシート135が「第1部分(A1)から第4部分(A4)に向けて傾斜している」構成は、リフト130のヒールシート側において、第1部分(A1)を第4部分(A4)と比較して仮想ヒールシート面から上方に突出させ、第2部分(A2)および第3部分(A3)は少なくとも第1部分(A1)よりも仮想ヒールシート面から上方には突出させないことによって達成され得る。なお、第1部分から第4部分への傾斜は、接地面および/またはヒールシートにそれぞれ傾斜を設けることによって達成されてもよい。
本発明の接地面125および/またはヒールシート135の傾斜のパターンを、図7A〜図7Eに図示する。図7Aはパターン1の実施形態を示し、図7Bはパターン2の実施形態を示し、図7Cはパターン3の実施形態を示し、図7Dはパターン4の実施形態を示し、図7Eはパターン5の実施形態を示している。いずれのパターンにおいても、第1部分から第4部分に向けて傾斜している点は本発明の根幹であり、全パターンに共通している点に留意されたい。なお、図7A〜図7Eにおいて示される(i)〜(iv)は、(i)から(iv)まで数字の小さいものから大きいものに向かって接地面および/またはヒールシートは傾斜していることを意味している。
図7Aに示されるように、パターン1の傾斜は、第1部分から第4部分に傾斜するのに加えて、第1部分から第2部分および第3部分に向かって傾斜し、そして第2部分および第3部分からも第4部分に向かって傾斜している。このように接地面および/またはヒールシートを傾斜させることによって、足の着地時に外側だけでなく内側である第1部分も地面に接地することで、接地後の内側への回転モーメントが抑制され、過大な回内運動が抑制されるとともにトップリフトの寿命の向上を図ることができる。それに加えて、第1部分に対して後側である第3部分および第4部分の厚さが小さくなっているため、足の着地時に後側だけでなく前側部分の第1部分も地面に着地することで、動的な安定感が増すとともに、トップリフトの寿命の向上を図ることができる。
図7Bに示されるように、パターン2の傾斜は、第1部分と第2部分との間で傾斜がなく、第3部分と第4部分との間も傾斜がなく、前側部分(第1部分および第2部分)から後側部分(第3部分および第4部分)に向かって傾斜している。これによって、足の着地時に後側だけでなく前側部分の第1部分も地面に着地することで、動的な安定感が増すとともに、トップリフトの寿命の向上を図ることができる。
図7Cに示されるように、パターン3の傾斜は、第1部分と第3部分との間では傾斜がなく、第2部分と第4部分との間も傾斜がなく、内側部分(第1部分および第3部分)から外側部分(第2部分および第4部分)に向かって傾斜している。これによって、足の着地時に外側だけでなく内側も地面に接地することで、接地後の内側への回転モーメントが抑制され、過大な回内運動が抑制されるとともにトップリフトの寿命の向上が図れる。
図7Dに示されるように、パターン4は、第1部分→第2部分→第3部分→第4部分の順に厚さが薄くなるように傾斜している。足の着地時に外側だけでなく内側も地面に接地すること、および、足の着地時に後側だけでなく前側も地面に着地することによって得られる効果はパターン1〜3に記載のとおりである。
図7Eに示すヒールアセンブリは、図7Dのパターン4の傾斜の変形例で、第1部分→第3部分→第2部分→第4部分の順に厚さが薄くなるように傾斜している。
過大な回内運動の抑制、動的な安定感、トップリフトの寿命の延長という本発明の効果の観点からは、パターン1〜5が好ましく、パターン1が特に好ましい。
図6(a)は、図3(b)、図4(a)に示すトップリフト120の傾斜面125の第1部分から第4部分への傾斜の方向角度δを示す図である。
図6(a)では、特に好ましいパターン1の実施形態を示しており、部分Aにおける最も接地方向に突出した部分と部分Bにおける最も接地方向に突出していない部分とを結んだ線(例えば、図6(a)におけるL3を参照)を含む傾斜面上の垂線L4と等高線(破線で示している)とがほぼ重なっている。同様に、図6(b)は、図4(b)に示すリフト130のヒールシート135の第1部分から第4部分への傾斜の方向角度δを示す図である。
傾斜の方向角度δは、約0°≦δ≦約90°、約0°≦δ≦約80°、約0°≦δ≦約60°、約0°≦δ≦約40°、約0°≦δ≦約20°、約20°≦δ≦約80°、約30°≦δ≦約80°、0°≦δ≦約60°、約20°≦δ≦約60°、約20°≦δ≦約50°、約30°≦δ≦約50°、約30°≦δ≦約40°、0°≦δ≦約50°、約20°≦δ≦約50°、約30°≦δ≦約50°であり得る。好ましい実施形態においては、傾斜の方向角度δは、約20°≦δ≦約45°であり、δが約25°≦δ≦約40°であることがより好ましく、特に好ましくは約30°≦δ≦約35°であり得る。また、大腿骨や脛骨が内旋しているなどの原因でうちわ歩行(内股歩行)となる者の履物の実施形態においては、傾斜の方向角度δは、約0°≦δ≦約20°であり、δが約0°≦δ≦約10°であることがより好ましく、特に好ましくは約0°≦δ≦約5°であり得る。δが上記の好ましい範囲内であると、距骨下関節の運動方向による接地後の内側への回転モーメントが抑制され、脚や足腰を含む下半身への負担を抑制するという観点からはより好適である。
上記のように傾斜角度θおよび/または傾斜の方向角度δを有する傾斜面とすることにより、歩行時に踵の部分が最初に接地するときにトップリフト120の前側部分と後側部分との広い部分が接地するようになるため(図8(a)を参照)、歩行時の安定性が増し、トップリフト120の外側かつ後端部の偏摩耗が抑制されトップリフト120の長寿命化の効果を得ることが可能となる。さらに、接地時にトップリフト120の内側部分も接地することにより(図8(b)を参照)、接地後の内側への回転モーメントの発生が抑制され、脚への負担を抑制する効果を得ることが可能となる。なお、図8(a)および図8(b)においては接地面における傾斜を具体的に図示したが、ヒールシート面を傾斜させる実施形態(図6(b)に対応)においても同様の効果が得られることが当然に理解される。
トップリフトの厚みを変動させることによって接地面の傾斜を達成する1つの実施形態において、トップリフトの第2部分と第3部分とは厚みが同じであり、第2部分および第3部分は、第1部分よりも薄く、第4部分よりも厚い。別の実施形態において、トップリフトの第1部分と第2部分とは厚みが同じであり、第3部分と第4部分とは厚みが同じである。別の実施形態において、トップリフトの第1部分と第3部分とは厚みが同じであり、第2部分と第4部分とは厚みが同じである。別の実施形態において、トップリフトの第1部分、第2部分、第3部分、第4部分の順に厚みが厚い。本発明の目的のためには、ヒールアセンブリの前側を厚く、後側を薄くして前方向への傾斜を設けることが、偏摩耗の防止のために好ましく、かつ/または内側を厚く、外側を薄くして内方向への傾斜を設けることが、内側への回転モーメントの発生の防止のために好ましい。トップリフトの第2部分と第3部分とは厚みが同じであり、第2部分および第3部分は、第1部分よりも薄く、第4部分よりも厚い実施形態が、パターン1の傾斜を達成するものであり、特に好ましい。
なお、本発明のヒールアセンブリ、リフトまたはトップリフトの特定の実施形態(パターン1、パターン3、パターン4またはパターン5)は、左足用と右足用とで鏡像関係にあり、別個の部材であることが理解されるであろう。従来は、リフトもトップリフトも、それゆえヒールアセンブリも当然に、左足用と右足用とで同一の形状であった。しかしながら、本発明の特定の実施形態(パターン1、パターン3、パターン4またはパターン5)は、内側・前側の第1部分から外側・後側の第4部分に向かってヒールアセンブリのヒールシートおよび/または接地面を傾斜させるため、左足用と右足用とでは形状が異なる。1つの実施形態において、本発明は、左足用のヒールアセンブリと右足用のヒールアセンブリの組み合わせを提供する。
(履物およびヒールアセンブリ)
本発明において、履物は、例えば、ハイヒールなどの婦人靴、紳士靴、運動靴等の任意の靴であり得る。
ヒールアセンブリは、履物本体とは別部材であってもよいし、履物本体と一体に形成された部分であってもよい。リフトとトップリフトとを、単一部材から構成してもよく、別個の部材から構成してもよい。
1つの実施形態において、本発明の履物におけるトップリフトの接地面の全体の面積は、約25mm〜約2500mmであることが好ましく、約25mm〜約1200mmであることがさらに好ましく、約25mm〜約900mmであることが特に好ましい。
1つの実施形態において、本発明の履物は、ハイヒールである。ハイヒールは、特に接地面のトップリフトが偏摩耗して交換が必要になることが多い靴であるが、トップリフトを交換するときに、トップリフトの形状を調整することによって、本発明の好ましい傾斜をハイヒールに設けることが容易にできる。
履物がハイヒールである実施形態において、ハイヒールのトップリフトの接地面の全体の面積は、約25mm〜約900mmであり、さらなる実施形態においては約25mm〜約500mmである。ヒールアセンブリの接地面に傾斜を設けることによる本発明の効果は、ハイヒールのような他の靴と比較して接地面が小さい靴においても奏されることが、本発明者によって予想外に発見された。
履物がハイヒールである実施形態において、ハイヒールのトップリフトの厚みは一番厚いところで、約2mm〜約20mm、約3mm〜約18mm、約5mm〜約15mmであり得る。
トップリフトの傾斜%は、約5%〜約100%であり得る。好ましい実施形態においては、約10%〜約50%の範囲であり得る。さらに好ましい実施形態においては、約15%〜約30%であり得る。ここで、傾斜%とは、トップリフトの一番薄い場所の厚さに対する一番厚い場所の厚さの割合のことをいう。
本発明は、本発明の傾斜を有する履物の製造方法だけでなく、使用済みまたは使用中の履物の修理の際に本発明の傾斜を当該履物に付与する、履物の修理方法も含む。
代表的な1つの実施形態において、本発明の履物の修理方法は、ヒールアセンブリのトップリフトを交換して本発明の傾斜を付与する工程を包含し得る。本発明の修理方法において、上記トップリフトの交換は、ヒールアセンブリのトップリフトに後述する楔状部材を装着することを包含し得る。トップリフトの交換による本発明の傾斜の付与は、形状を調整したトップリフトを製造し、それを使用済みのトップリフトと交換することによって達成されてもよいし、従来の傾斜のない平坦なトップリフトを装着した際に、例えば接地面を削ることによって達成されてもよいし、従来の傾斜のない平坦なトップリフトを装着したものに、楔状部材を装着することによって達成されてもよい。
本発明のヒールアセンブリの接地面において、水平部分は接地面全体の約60%以下であってもよく、約50%以下であってもよく、約40%以下であってもよく、約30%以下であってもよく、好ましくは約20%以下であり、特に好ましくは約10%以下であり得る。従来のヒールアセンブリは、ヒールアセンブリの接地面において、水平部分を多くすることでヒールアセンブリの接地面積を増加させ接地時の安定化を図っていたが、傾斜面を設けることにより水平部分が接地面全体の約30%以下といった水平部分をかなり少なくした場合であっても、接地時の安定性が損なわれるどころか増すことが、本発明者によって予想外に発見された。
本発明のリフトのヒールシートにおいて、仮想ヒートシート面に対して水平な部分はヒールシート面全体の約60%以下、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、または約10%以下であり得る。ヒールシートにおいては、足の踵の形状に対応するように凹部が形成されることが一般的であり、そのような場合には、本発明の傾斜は、ヒールシートの凹部を除いた縁部に基づいて決定され得る。
図9は、凹部を備えたヒールシートにおける傾斜を説明する図であって、図9(a)はヒールシートの正面図であり、図9(b)は、図9(a)のM−M線断面図である。図9(a)に示すように、ヒールシートに点線領域で示す凹部を備える場合、図9(b)に示すように、凹部を除いた縁部に基づいて傾斜Pを決定する。
(具体的な実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明のヒールアセンブリ100が装着された履物10の一例を示す外観図である。図1において、履物10は、ハイヒールとして説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、ハイヒール以外の婦人靴、紳士靴、運動靴であってもよい。
ヒールアセンブリ100は、トップリフト120と、リフト130とを備える。トップリフト120は、履物10の後部において接地する部分であり、接地面125を有する。リフト130は、履物本体110とトップリフト120とを接続する部分であり、接続する面であるヒールシート135を有する。
図3は、トップリフトを説明する斜視図であって、図3(a)は従来のトップリフトを示す図、図3(b)は本発明の右足用トップリフトを示す図である。図3(a)および(b)に示されるトップリフトは、それぞれ右足用のトップリフトである。図3(b)に示す本発明のトップリフト120は、図3(a)に示す従来のトップリフトと同様に、ベース121とピン122とを備える。ベース121は、ピン122が延びる第1の面と、第1の面と反対側の第2の面とを備える。ベース121の第1の面は、リフトとの接続面である。そして、ベース121の第2の面は、接地面125である。ピン122は、トップリフト120をリフト130(図示せず)に装着するために、リフト130の底面に形成された挿入穴に嵌め合い挿入される。好ましい実施形態において、ピン122の表面をローレット加工(凹凸加工)する。こうすることにより、ピン122がリフト130内部で回転することを防止し、リフト130からトップリフト120が抜け落ちることを抑制する。
図3(b)に示す実施形態において、リフト130とトップリフト120との接続を、リフト130の挿入孔にトップリフト120のピン122を嵌め合い挿入する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。任意の接続方法を採用し得る。例えば、リフト130とトップリフト120とを接着剤などで接着固定してもよいし、ボルトによる固定であってもよい。
トップリフト120の第1の面および第2の面の表面形状は任意の形状であり得る。図3(b)に示す実施形態においては、馬蹄形状であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、円形状であってもよいし、半円形状であってもよいし、矩形状であってもよいし、多角形状であってもよい。
トップリフト120のベース121の材料は、当該分野で公知の任意の材料から形成することができる。例えば、1つの実施形態において、ベース121は、ステンレスやアルミニウムなどの金属、樹脂、木材、天然または人工の皮革から形成され得る。代表的な実施形態において、ベース121の材料は樹脂であり得るが、本発明はこれに限定されない。また、ベース121は1種類の材料から構成してもよいし、複数の種類の材料から構成してもよい。
例えば、図10に示すように、ベース121は、厚みが略均一の板状部材と楔状部材とを備え、それぞれを同じ材料から構成してもよいし、それぞれを異なる種類の材料から構成してもよい。例えば、1つの実施形態において、本発明のベース121は、公知の板状部材に、別部材である楔状部材を装着することによって形成してもよい。本発明の楔状部材は、ステンレスやアルミニウムなどの金属、樹脂、木材、天然または人工の皮革から形成され得る。また、後述する軟質の層を備える実施形態においては、ベース121は当該層よりも硬質な材料から構成され得る。楔状部材は、板状部材の接地面側に装着してもよいし、リフトとの接続面側に装着してもよい。
トップリフト120のピン122は、歩行時における衝撃や回転モーメントに耐えることが可能な範囲で任意の材料から形成することができる。例えば、1つの実施形態において、ステンレスやアルミなどの金属材料によって形成するが、本発明はこれに限定されない。
リフト130は任意の材料であり得る。例えば、1つの実施形態において、ステンレスやアルミニウムなどの金属、樹脂、木材、天然または人工の皮革から形成されるが、本発明はこれに限定されない。また、リフト130は、1種類の材料から構成してもよいし、複数の種類の材料から構成してもよい。
リフト130のトップリフト120との接続面の形状は、任意の形状をとり得る。好ましい実施形態において、意匠の観点から接続されるトップリフトの形状に沿った形状であるが、本発明はこれに限定されない。
図3(b)に示されるように、ベース121は、内側かつ前側の第1部分(A1)と、外側かつ前側の第2部分(A2)と、内側かつ後側の第3部分(A3)と、外側かつ後側の第4部分(A4)とを備える。第1部分(A1)は、厚さtを有し、第2部分(A2)は、厚さtを有し、第3部分は、厚さtを有し、第4部分(A4)は、厚さtを有する。本発明のトップリフト120のベースの厚さt、厚さt、厚さt、厚さtは、図3(a)に示す従来のトップリフトのベースとは異なり、それぞれ均一の厚さではない。図3(b)に示すトップリフト120は、内側および外側の高さが同じである公知のリフト130に装着されると、厚さtを有する第1部分(A1)が内側かつ前側に位置し、厚さtを有する第2部分(A2)が外側かつ前側に位置し、図示されていない厚さtを有する第3部分(A3)が内側かつ後側に位置し、厚さtを有する第4部分(A4)が外側かつ後側に位置する。その状態において、ベース121は、内側かつ前側に位置する部分が最も厚く、外側かつ後側に位置する部分が最も薄くなっている。
図4(a)は、トップリフト120の左側面図である。図4(a)は、トップリフト120を、内側および外側の高さが同じである公知のリフトを介して履物本体110に装着し、履物を水平面(地面)に静置したときのトップリフト120の状態を示しており、リフトおよび履物本体は省略している。履物本体にリフトを取り付ける位置や向きについては履物の形状などに応じて適宜調整可能であることは明らかである。
図8は、内側および外側の高さが同じである公知のリフトに、図4(a)に示すトップリフト120を装着した本発明のヒールアセンブリ100の接地時の様子を示す図であって、図8(a)は左足用ヒールアセンブリ100の側面図であり、図8(b)は左足用ヒールアセンブリ100の前面図である。
図4(a)に示されるように、ベース121の第1部分とベース121の第4部分とを結ぶ線は、水平面に対してθの傾斜角度をなす傾斜面125を形成している。θの傾斜角度を有する傾斜面125により、歩行時に踵の部分が最初に接地するときにトップリフト120の前側と後側との広い部分が接地するようになるため(図8(a)を参照)、従来のトップリフトに比べて歩行時の動的安定性が向上されるとともに、トップリフト120の後端部の偏摩耗が抑制されトップリフト120の長寿命化の効果を得ることが可能となる。
図6(a)に示されるように、トップリフト120の接地面125の傾斜面が矢状面(履物の中心線)に対してδの方向角度をなすように形成されている。δの方向角度を有する傾斜面とすることにより、歩行時に踵の部分が最初に接地するときにトップリフトの内側部分と外側部分との広い部分が接地するようになるため(図8(b)を参照)、歩行時の動的安定性が向上されるとともに、トップリフトの後端外側部の偏摩耗が抑制されトップリフトの長寿命化の効果を得ることが可能となる。さらに、接地時にトップリフトの内側部分も接地することにより、接地後の内側への回転モーメントの発生が抑制され、脚への負担を抑制する効果を得ることが可能となる。
図11はトップリフト120の変形例であるトップリフト120aを内側および外側の高さが同じである公知のリフト130に装着している様子を示す図であって、図11(a)は装着前を示す図であり、図11(b)は装着後を示す図である。図11(a)および(b)では、リフト130の断面が示されており、ヒールシートを含む上部は省略している。
上述した例では、トップリフト120のベース121の下端面(接地面125)を傾斜させることにより、ヒールアセンブリの各部分の厚さを異ならせる例を説明したが、本発明のヒールアセンブリは、図11(a)および(b)に示されるように、ベース121aの上端面が傾斜したトップリフト120aをリフト130に装着することによって、ヒールアセンブリの各部分の厚さを異ならせるようにしてもよい。
図11(a)に示されるように、トップリフト120aがリフト130に嵌め合い挿入される前、トップリフト120aのベース121aの上端面において、第1部分との第4部分とを結ぶ線が、水平面に対してθの傾斜角度をなす傾斜面を形成する。
図11(b)に示されるように、トップリフト120aがリフト130に嵌め合い挿入されると、ベース121aは、ベース121aの上端面の傾斜面全体がリフト130のベース121aとの接続面と接触するように変形する。これにより、トップリフト120aがリフト130を介して履物本体110に装着され、履物が水平面に静置されたとき、トップリフト120aのベース121aの下端面において、ベース121aの第1部分と第4部分とを結ぶ線が、水平面に対してθの傾斜角度をなす傾斜面が形成される。これにより、図3(b)および図4(a)に示すトップリフト120と同様の効果を奏することが可能となる。
図12は、リフト130の変形例であるリフト130aに、厚みが均一の公知のトップリフト120bを装着している様子を示す図であって、図12(a)は装着前の様子を示す図であり、図12(b)は装着後の様子を示す図である。図12(a)および(b)では、リフト130aの断面が示されており、ヒールシートを含む上部は省略している。
上述した例では、トップリフト120のベース121の下端面または上端面を傾斜させることにより、ヒールアセンブリの各部分の厚さを異ならせる例を説明したが、本発明のヒールアセンブリは、図12(a)および(b)に示されるように、トップリフト120のベース121bとの接続面が傾斜したリフト130aに、厚みが均一の公知のトップリフト120bを装着することによって、ヒールアセンブリの各部分の厚さを異ならせるようにしてもよい。
図12(a)に示されるように、厚みが均一の公知のトップリフト120bがリフト130aに嵌め合い挿入される前、リフト130aのベース121bとの接続面には、水平面に対してθの傾斜角度をなす傾斜面が形成される。図12(b)に示されるように、厚みが均一の公知のトップリフト120bがリフト130aに嵌め合い挿入されると、ベース121bは、ベース121bの上端面がリフト130の傾斜した接続面全体と接触するように変形する。これにより、厚みが均一の公知のトップリフト120bがリフト130aを介して履物本体110に装着され、履物が水平面に静置されたとき、トップリフト120bのベース121bの下端面において、ベース121bの第1部分と第4部分とを結ぶ線が、水平面に対してθの傾斜角度をなす傾斜面が形成される。これにより、図3(b)および図4(a)に示すトップリフト120と同様の効果を奏することが可能となる。
図13は、リフト130の変形例であるリフト130aに、厚みが均一の公知のリフト120cを装着している様子を示す図であって、図13(a)は装着前の様子を示す図であり、図13(b)は装着後の様子を示す図である。図13(a)および(b)では、リフト130aの断面が示されており、ヒールシートを含む上部は省略している。
トップリフト120cは、リフト130aと接続される面の断面積が、リフト130aのトップリフト120cと接続される面の断面積よりも大きい点で、図12に示されるトップリフト120bと異なっている。
トップリフト120cをリフト130aに装着する方法は、図12に示すトップリフト120bをリフト130aに装着する方法と同じである。装着した後、図13(b)に示すように、トップリフト120cの不要な部分(点線部分)を削除し、最終的に図12に示すトップリフト120bを形成するようにしてもよい。
上述した例では、トップリフト120のベース121の下端面、トップリフト120のベース121の上端面、または、リフト130のベース121との接続面のいずれかを傾斜させることにより、ヒールアセンブリの各部分の厚さを異ならせる例を説明したが、トップリフト120のベース121の下端面、トップリフト120のベース121の上端面、および、リフト130のベース121との接続面のうちの少なくとも2つを傾斜させることにより、ヒールアセンブリの各部分の厚さを異ならせることも本発明の範囲内である。上記変形例において、傾斜角度θを付ける種々の場合について説明したが、傾斜の方向角度δについても同様に種々の変形を行うことが可能である。
図14は、本発明のトップリフト120とは別のトップリフト120dを説明する図であって、図14(a)は、トップリフト120dの斜視図であり、図14(b)はトップリフト120dの側面図、図14(c)はトップリフト120dの前面図である。
トップリフト120dは、図3(b)および図4(a)に示すトップリフト120のベース121の傾斜面に、ベース121よりも軟質な層Rを設けている。なお、図14においては、層Rを設けることによって、全体としてはトップリフトの厚みを略均一にしているが、層Rは軟質な素材で構成されているので、ベース121に形成されている本発明の傾斜の効果が損なわれることなく奏されることに留意されたい。
また、図14は層Rを設けることによってトップリフトの厚みが略均一になっている実施形態を示したが、層Rが設けられていたとしても、トップリフトがベース121の傾斜と同様の傾斜を有する(すなわち、層Rの厚みが略均一であり、ベース121の傾斜がトップリフトの傾斜に反映される)実施形態も本発明に含まれることは当然である。また、図11(a)に示されるトップリフト120aのベース121aの傾斜面に軟質層Rを設けることによって全体としてのトップリフトの厚みを略均一にする実施形態も図14に示すトップリフト同様に本発明に含まれることは当然である。軟質の層Rは、ベース121(例えば、図10の板状部材および楔状部材)の硬さに比べて、明確に軟質である範囲で任意の素材であり得る。例えば、層Rを構成する素材は、軟質ウレタン、軟質ゴムなどの軟質樹脂、または発泡樹脂であるが、本発明はこれに限定されない。
(第2実施形態)
第1実施形態に代えて、あるいは加えて、リフト130の履物本体との接触面(ヒールシート135)を仮想ヒールシート面に対して傾斜させることにより、トップリフトの下端面の第1部分と第4部分とを結ぶ線が水平面に対して傾斜することを達成させることも本発明の範囲内である。
図15は、リフトを説明する前面図であって、図15(a)は従来のリフトを示す図であり、図15(b)は本発明の左足用のリフトの一例を示す図である。図15(a)および(b)に示されるリフトは、それぞれ左足用のリフトである。また、図16は、リフトを説明する左側面図であって、図16(a)は従来のリフトを示す図であり、図16(b)は本発明の左足用のリフトの一例を示す図である。図15および図16に示されるリフトは、それぞれ左足用のリフトである。
図15に示されるように、ヒールシート135は、内側かつ前側の第1部分(A1)と、外側かつ前側の第2部分(A2)と、内側かつ後側の第3部分(A3)と、外側かつ後側の第4部分(A4)とを備える。図16(a)に示されるように、従来のリフトは、第1部分から第4部分までの全てが仮想ヒールシート面上に存在しており、内側と外側とで水平である。それに対して、図16(b)に示されるように、本発明のリフト130のヒールシート135は、第1部分(A1)は、仮想ヒールシート面に対して上向きに距離t’’を有し、第2部分(A2)は、仮想ヒールシート面に対して下向きに距離t’’を有し、第3部分は、仮想ヒールシート面に対して上向きに距離t’’を有し、第4部分(A4)は、仮想ヒールシート面に対して下向きに距離t’’を有しており、図15Aに示す従来のリフトとは異なり、本発明のヒールシート135は、仮想ヒールシート面に対して各部分において異なる距離を有している(従来のリフトにおいては、t’’〜t’’は全て0である)。
図15(b)および図16(b)に示すリフト130は、内側および外側の高さが同じである公知のトップリフト120に装着されると、第1部分(t’’)が最も仮想ヒールシート面から上方に突出し、第4部分(t’’)が最も仮想ヒールシート面から下方に突出する。このように、ヒールシート135において第1部分から第4部分に向けて傾斜させることで、例えばトップリフト120の接地面125の第1部分を第4部分に比べて厚さを大きくすることなどによって、接地面125において第1部分から第4部分に向けて傾斜させるのと同様の効果を奏し得る。
図17は、内側および外側の高さが同じである公知のトップリフト120に、図15(b)および図16(b)に示すリフト130を装着した本発明のヒールアセンブリ100の接地時の様子を説明する図であって、図17(a)は左側に従来のヒールアセンブリ、右側にヒールアセンブリ100を示す側面図であり、図17(b)は、左側に従来のヒールアセンブリ、右側にヒールアセンブリ100を示す前面図である。
図15(b)および図16(b)に示される状態で、ヒールシート135の第1部分(A1)と第4部分(A4)とを結ぶ線L3は、仮想ヒールシート面Sに対してθの傾斜角度をなす傾斜面を形成している。θの傾斜角度を有する傾斜面を設けることにより、歩行時に踵の部分が最初に接地するときにトップリフト120の前側と後側との広い部分が接地するようになるため(図17(a)の右側のヒールアセンブリを参照)、従来のリフト(図17(a)の左側のヒールアセンブリを参照)に比べて動的な安定感が得られるとともに、トップリフト120の後端部の偏摩耗が抑制されトップリフト120の長寿命化の効果を得ることが可能となる。
また、図15(b)に示される状態で、ヒールシート135は、ヒートシート135と仮想ヒートシート面Sとが重なる線L3とヒールシート135の中心線L2との間の角度δの傾斜方向をなす傾斜面を形成している。δの傾斜の方向角度を有する傾斜面とすることにより、歩行時に踵の部分が最初に接地するときにトップリフト120の内側側と外側側との広い部分が接地するようになるため(図17(b)の右側のヒールアセンブリを参照)、従来のヒールアセンブリ(図17(b)の左側のヒールアセンブリを参照)に比べて接地時の脚への衝撃が抑制されるとともに、トップリフト120の後端部の偏摩耗が抑制されトップリフト120の長寿命化の効果を得ることが可能となる。
一例として、前端部の幅約2.0cm、前端部から後端部中心までの奥行約2.0cmの従来のヒールシートについて検討する。リフトを平坦面に静置したとき、前端部の最も内側(図15(a)のA1にほぼ相当)および最も外側(図15(a)のA2にほぼ相当)の平坦面からの高さはいずれも約6.0cmであり、前端部の略中心線(図15(a)のL2に相当)から内側および外側にそれぞれ約0.5cmの後端部(内側後端部が図15(a)のA3にほぼ相当し、外側後端部が図15(a)のA4にほぼ相当)の高さはいずれも約7.8cmであった。
本発明に従って、例えばこのヒールシートに、傾斜角度θを約8°、傾斜方向δを約40°でパターン1の傾斜をヒールシートに設けると、本発明に従うリフトにおいては、前端部の最も内側(図15(b)のA1にほぼ相当)の高さは約6.2cmとなり、外側後端部(図15(b)のA4にほぼ相当)の高さは約7.5cmとなる。前端部の最も外側(図15(b)のA2にほぼ相当)および内側後端部(図15(b)のA3にほぼ相当)については、高さは従来のものとほぼ同一である。
また、別の一例として、前端部の幅約9mm、前端部から後端部中心までの奥行約9mm、厚みが約6mmの従来のトップリフトについて検討する。従来のトップリフトは、履物を水平面に静置したとき、前端部の最も内側(図3(a)のA1にほぼ相当)、後端部の最も内側(図3(a)のA3にほぼ相当)、前端部の最も外側(図3(a)のA2にほぼ相当)および後端部の最も外側(図3(a)のA4にほぼ相当)の平坦面からの厚みはいずれも約6mmである。
本発明に従って、例えば、このトップリフトに、傾斜角度θを約12°、傾斜方向δを約40°でパターン1の傾斜をトップリフトの接地面に設けると、本発明に従うトップリフトにおいては、前端部の最も内側(図3(b)のA1にほぼ相当)の厚みは約8mmとなり、外側後端部(図3(b)のA4にほぼ相当)の厚みは従来のものとほぼ同一となる。前端部の最も外側(図15(b)のA2にほぼ相当)および内側後端部(図3(b)のA3にほぼ相当)については、厚みは約7mmとなる。従来のトップリフトの厚みが均一で約6mmであったのに対して、本発明におけるトップリフトは厚みが一番厚いところで約8mmとなり、トップリフトの傾斜%は約25%である。
図18は、本発明のリフトの一具体例であって、ヒールシートの傾斜角度が高いリフトを示す図である。図19は、本発明のリフトの他の一具体例であって、ヒールシートの傾斜角度が低いリフトを示す図である。図18および図19の断面図は、図9(a)と同様のM−M線断面図を示している。また、図18および図19の平面図の点線は、図9(a)と同様の凹部領域を示している。図20は、本発明のトップリフトの一具体例の6面図を示す。
(実施例1)
図4(a)に示すトップリフトの接地面に、水平面に対する傾斜角度θが6°、図6(a)に示す方向角度δが45°であって、図7Aに示すパターン1の傾斜面を形成したトップリフトを備えたヒールハイト5cmのハイヒールを20代前半女性Aに約6か月継続して履いてもらった。
その結果、トップリフトの接地面に傾斜面を有さない従来のトップリフトでは1か月程度でトップリフトは後側外側部が主に摩耗し、交換が必要であったのに対して、実施例1のトップリフトの場合は、約6か月履いた後でも摩耗がほとんど生じておらず、交換の必要のない状況であった。従って、本発明のトップリフトは従来のトップリフトに比べて少なくとも5倍以上の長寿命を達成している。
Aによると、本発明のトップリフトを備えるハイヒールを履いているときは、歩行時の安定性が著しく増しており、例えば従来のトップリフトを備えるハイヒールでは安定感がないため走ることが怖かったが、本発明のトップリフトを備えるハイヒールを履いているときは走ることさえできたとのことであった。また、足の指の付け根の疼痛が寛解したとのことであった。
(実施例2)
実施例1とは別の20代前半女性Bのトップリフトの接地面に、水平面に対する傾斜角度θが8°、方向角度δが60°であって、図7Aに示すパターン1の傾斜面を形成したトップリフトを備えたヒールハイト6cmのハイヒールを履いてもらった。
Bによると、従来のトップリフトを備えたハイヒールでは、長時間の歩行などで膝や腰の痛みが生じていたが、本発明のトップリフトを備えたハイヒールでは、膝や腰の痛みが生じなかったとのことであった。これにより、本発明のトップリフトを備えたハイヒールでは、過大な回内運動などが抑制されている効果が得られていることが示された。
(実施例3)
20代後半女性Cのトップリフトの接地面に、水平面に対する傾斜角度θが12°、方向角度δが0°であって、図7Bに示すパターン2の傾斜面を形成したトップリフトを備えたヒールハイト8cmのハイヒールを履いてもらった。
Cによると、従来のトップリフトを備えたハイヒールでは、長時間の歩行が困難であったが、本発明のトップリフトを備えたハイヒールでは、長時間の歩行を行うことが可能となった。トップリフトの接地面に傾斜面を有さない従来のトップリフトでは1〜2か月程度でトップリフトは後側外側部が主に摩耗し、交換が必要であったのに対して、実施例3のトップリフトの場合は、約6か月履いた後でも摩耗がほとんど生じておらず、交換の必要のない状況であった。従って、本発明のトップリフトは従来のトップリフトに比べて少なくとも3倍以上の長寿命を達成している。
(実施例4)
40代後半女性Dのトップリフトの接地面に、水平面に対する傾斜角度θが約16°、方向角度δが90°であって、図7Bに示すパターン2の傾斜面を形成したトップリフトを備えたヒールハイト8cmのハイヒールを履いてもらった。
Dによると、足の指の付け根の疼痛が寛解したとのことであった。
(実施例5)
30代女性Eのリフトのヒールシートに、基準面に対する傾斜角度θが10°、方向角度δが30°であって、図7Aに示すパターン1の傾斜面を形成したリフトを備えたヒールハイト5cmのハイヒールを履いてもらった。
Eによると、トップリフトの摩耗が減り、そのためトップリフト交換の頻度が顕著に少なくなったとのことであった。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
10 履物
100 ヒールアセンブリ
110 履物本体
120 トップリフト
121 ベース
122 ピン
130 リフト

Claims (32)

  1. 第1部分と、第2部分と、第3部分と、第4部分とをヒールシート接地面との少なくとも一方に備える履物用ヒールアセンブリであって、
    前記第1部分は、前記少なくとも一方における前後方向の両端部の間の距離を二等分する線と、内外方向の両端部の間の距離を二等分する線とで、前記少なくとも一方をそれぞれ4等分したうちの、内側かつ前側の部分であり、
    前記第2部分は前記4等分したうちの、外側かつ前側の部分であり、
    前記第3部分は前記4等分したうちの、内側かつ後側の部分であり、
    前記第4部分は前記4等分したうちの、外側かつ後側の部分であって、
    前記第1部分、第2部分、第3部分および第4部分は、以下の(i)〜(iv)を満たす傾斜を有する、ヒールアセンブリ:
    (i)前記第1部分から前記第4部分に向けて傾斜を有するとともに、前記第3部分から前記第4部分に向けて傾斜する;
    (ii)前記第1部分から前記第2部分に向けて傾斜を有するかまたは前記第1部分と前記第2部分との間に傾斜がない;
    (iii)前記第1の部分から前記第3の部分に向けて傾斜を有するかまたは前記第1の部分と前記第3の部分との間に傾斜がない;
    (iv)前記第2部分から前記第4部分に向けて傾斜を有するかまたは前記第2部分と前記第4部分との間に傾斜がない
  2. 前記接地面が前記傾斜を有する、請求項1に記載のヒールアセンブリ。
  3. 前記第1部分から前記第4部分において、水平部分が前記第1部分から前記第4部分の全面積に対して約60%以下である、請求項2に記載のヒールアセンブリ。
  4. 前記第1部分から前記第4部分において、水平部分が前記第1部分から前記第4部分の全面積に対して約30%以下である、請求項2に記載のヒールアセンブリ。
  5. 前記傾斜が、リフトの形状によって達成される、請求項2〜4のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  6. 前記傾斜が、トップリフトによって達成される、請求項2〜4のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  7. 前記傾斜が、リフトの形状およびトップリフトによって達成される、請求項2〜6のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  8. 前記トップリフトは、厚みが略均一の板状部材と楔状部材とを備える、請求項6または7のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  9. 前記接地面側の構造が、前記第4部分よりも前記第1部分が厚い形状である、請求項6〜8のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  10. 前記第2部分と前記第3部分とは厚みが同じであり、前記第2部分および前記第3部分は、前記第1部分よりも薄く、前記第4部分よりも厚い、請求項9に記載のヒールアセンブリ。
  11. 前記第1部分と前記第3部分とは厚みが同じであり、前記第2部分と前記第4部分とは厚みが同じである、請求項9に記載のヒールアセンブリ。
  12. 前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分、前記第4部分の順に厚みが厚い、請求項9に記載のヒールアセンブリ。
  13. 前記ヒールシートが前記傾斜を有する、請求項1に記載のヒールアセンブリ。
  14. 前記第1部分から前記第4部分において、水平部分が前記第1部分から前記第4部分の全面積に対して約60%以下である、請求項13に記載のヒールアセンブリ。
  15. 前記第1部分から前記第4部分において、水平部分が前記第1部分から前記第4部分の全面積に対して約30%以下である、請求項13に記載のヒールアセンブリ。
  16. 前記第1部分から第2部分および第3部分に向けて傾斜し、前記第2部分と前記第3部分との間に傾斜がなく、前記第2部分および前記第3部分から第4部分に向けて傾斜している、請求項13〜15のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  17. 前記第1部分と前記第3部分との間に傾斜がなく、また前記第2部分と前記第4部分との間に傾斜がない、請求項13〜15のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  18. 前記第1部分は前記第2部分および前記第3部分に向けて傾斜しており、前記第2部分は前記第3部分および前記第4部分に向けて傾斜しており、前記第3部分は前記第4部分に向けて傾斜している、請求項13〜15のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  19. 前記傾斜の傾斜角度θが約2°〜約20°である、請求項1〜18のいずれか1項に記載のヒールアセンブリ。
  20. 前記傾斜の傾斜角度θが約8°〜約15°である、請求項1〜19のいずれか1項に記載のヒールアセンブリ。
  21. 前記傾斜の傾斜角度θは、(2〜8+X)°であり、前記Xはヒールハイト(cm)である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  22. 前記傾斜の方向角度δが約20°〜約60°である、請求項1〜21のいずれか1項に記載のヒールアセンブリ。
  23. 前記傾斜の方向角度δが約30°〜約35°である、請求項22に記載のヒールアセンブリ。
  24. 前記傾斜の方向角度δが約0°〜約20°である、請求項1〜21のいずれか一項に記載のヒールアセンブリ。
  25. 請求項1〜24のいずれか1項に記載のヒールアセンブリを備える履物。
  26. ハイヒールである、請求項25に記載の履物。
  27. 請求項6、または請求項6に従属する請求項7〜12、19〜24のいずれか1項に記載のトップリフト。
  28. 請求項8、または請求項8に従属する請求項9〜12、19〜24のいずれか一項に記載の楔状部材。
  29. 請求項5、請求項13、請求項5に従属する請求項7〜12、または請求項13に従属する請求項14〜24のいずれか一項に記載のリフト。
  30. 履物の修理方法であって、
    前記履物のトップリフトを修理部材に交換する工程を包含し、前記修理部材が請求項27に記載の別のトップリフトである、方法。
  31. 履物の修理方法であって、
    前記履物のトップリフトに修理部材を装着する工程を包含し、前記修理部材が請求項28に記載の楔状部材である、方法。
  32. 前記楔状部材の傾斜の傾斜角度θは、(2〜8+X)°であり、前記Xは前記履物のヒールハイト(cm)である、請求項30または31に記載の方法。
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