JP7326378B2 - 靴構造 - Google Patents

靴構造 Download PDF

Info

Publication number
JP7326378B2
JP7326378B2 JP2021059845A JP2021059845A JP7326378B2 JP 7326378 B2 JP7326378 B2 JP 7326378B2 JP 2021059845 A JP2021059845 A JP 2021059845A JP 2021059845 A JP2021059845 A JP 2021059845A JP 7326378 B2 JP7326378 B2 JP 7326378B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heel
foot
insole
outsole
sole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021059845A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022156252A (ja
Inventor
俊幸 植木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marubeni Footwear Inc
Original Assignee
Marubeni Footwear Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Marubeni Footwear Inc filed Critical Marubeni Footwear Inc
Priority to JP2021059845A priority Critical patent/JP7326378B2/ja
Publication of JP2022156252A publication Critical patent/JP2022156252A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7326378B2 publication Critical patent/JP7326378B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、適切な歩行を促すと共に疲れにくい靴構造に関する。
従来、構成要素(パーツ)として、アッパーと称する足を挿入するパーツと、アウトソールと称する靴底パーツと、インソールと称するアッパー内に挿入されるパーツとからなる靴において、特に適切(正常)な歩行を促す機能を付与した、例えば以下の特許文献1,2に記載の靴構造が提案されている。
特許文献1(特開2014-147622号公報)では、足の土踏まずの部分をサポートし、スムーズに歩行でき、疲れにくくすることを目的として、平板状でかつクッション性のある弾性材料からなり、足裏母子球や土踏まずなどの位置に対応した上面に種々の凹部及び隆起部を形成した歩行用履物の中底又はインソールにおいて、中底又はインソールとともに足裏に接する面(上面)に横方向の直線状の溝を設け、接地面(下面)に円形または楕円形の溝とつま先方向に凸の円弧状の溝を形成してなる靴底又はアウトソールとを組み合わせて構成した履物の中底又はインソールの構造が提案されている。
また、特許文献2(特表2008-535639号公報)では、歩行者にスムーズな転がり着地を誘導しながら踵の衝撃を緩衝させ、歩行者の足首、下腿、ひざ関節および腿に作用する痛みを予め防止することができ、歩行者の衝撃を緩和することができる上、弾力を与えてリズミカルな歩行を誘導することを目的として、踵を着地する第1着地部と、足の中心を着地する第2着地部と、つま先を着地する第3着地部とからなるアウトソールを備えた履物において、第1着地部は、地面に着地される踵を誘導するように、第1着地部と第2着地部との連接端から幅方向に沿って内方に湾曲した着地誘導溝と、着地誘導溝に連結され、踵の転がり着地を誘導するように連続曲率を成す転がり着地面と、転がり着地面で転がり着地する踵の衝撃を緩衝させるように内蔵されるエアクッションとを含み、エアクッションは、踵の衝撃によって弾力的に伸縮するように弾性材質からなり、エアが充填されたチャンバーと、チャンバーの上下面に相互対応するように内蔵され、踵の衝撃を緩衝させる緩衝突起を含んだ構造が提案されている。
しかしながら、特許文献1の靴構造はインソール、特許文献2の靴構造はアウトソールといったようにパーツ毎に技術的な特徴を有していたので、例えば特許文献1はアウトソールが変わることでインソールの効果を、例えば特許文献2はインソールが変わることでアウトソールの効果を、阻害又は低減させる可能性があった。
また、例えば特許文献1の靴構造と特許文献2の靴構造とを単純に組み合わせて用いたとしても、各々の効果を奏する機序が異なるので、組み合わせることで各々の効果が得られたり相乗効果が得られたりするわけではない。
特開2014-147622号公報 特表2008-535639号公報
解決しようとする問題は、従来の靴構造は、歩行改善のための機能を奏する構成がパーツ毎に設けられていたため、靴の他のパーツとの組み合わせによって効果が阻害されたり低減したりする点である。
上記課題を解決するため、本発明は、足を挿入するアッパーと、靴底となるアウトソールと、前記アッパー内に挿入されるインソールとからなる靴構造であって、前記アッパーは足指先方向から見て、第一指側の内部高さが第五側の内部高さより高くされると共に足の甲側において少なくとも第一指と第五指の中足骨を覆い、前記アウトソールは踵部にほぼ該アウトソールの踵の接地表面近くまでの深さとされた穴部が形成され、前記インソールは踵部の足裏接触面と反対面に前記アウトソールの踵部に形成された穴部に嵌ると共に弾性材料で形成された緩衝部と足裏接触面に形成された凹凸部が設けられ、さらに前記アウトソールの接地面側に、前記穴部から覗く前記緩衝部と接触する靴底部を有する構成とした。
本発明は、アッパー、アウトソール、インソールの各パーツ全体が靴として一体となった際に最適に機能するように構成しているので、歩行改善と疲れにくいという効果が靴全体から確実に得られるという利点がある。
本発明の靴構造を採用した靴の概略構成を示す図である。 本発明の靴構造を採用した靴をつま先側から見た図である。 望ましい足の骨格を示す図である。 本発明の靴構造を採用した靴のアッパー及びアウトソールを示し、(a)は外側側面から見た図、(b)は上方から見た図、である。 本発明の靴構造を採用した靴のアウトソールを裏面(接地面)から見た図である。 本発明の靴構造を採用した靴のインソールを示し、(a)は上方から見た図、(b)は外側側面から見た図、(c)は裏面から見た図である。 本発明の靴構造を採用した靴における効果の検証結果を示すグラフである。 本発明の靴構造を採用した靴における効果の検証実験を説明するための図である。 本発明の靴構造を採用した靴における効果の検証結果を示すグラフである。 本発明の靴構造を採用した靴における効果の検証結果を示すグラフである。 本発明の靴構造を採用した靴における効果の検証結果を示すグラフである。
本発明は、歩行改善のための機能を奏する構成がパーツ毎に設けられていたため、靴の他のパーツとの組み合わせによって効果が阻害されたり低減したりする課題を、アッパーは足指先方向から見て、第一指側の内部高さが第五側の内部高さより高くされると共に足の甲側において少なくとも第一指と第五指の中足骨を覆い、アウトソールは踵部にほぼ該アウトソールの踵の接地表面近くまでの深さとされた穴部が形成され、インソールは踵部の足裏接触面と反対面にアウトソールの踵部に形成された穴部に嵌ると共に弾性材料で形成された緩衝部と足裏接触面に形成された凹凸部が設けられ、さらに前記アウトソールの接地面側に、前記穴部から覗く前記緩衝部と接触する靴底部を有する構成にて解消した。
(アッパーとインソールとの関係)インソールの凹凸部は足裏接触面に適当な圧力が付与されて接触することで適切な効果を得られるが、このとき、アッパー内における足の位置が不安定であると、凹凸部が足裏と適切に接触しないことになる。そこで、本発明の靴構造におけるアッパーは、足指先方向から見て、第一指側の内部高さが第五側の内部高さより高くされると共に足の甲側において少なくとも第一指と第五指の中足骨を覆うようにした。
アッパーを上記のように構成することで、アッパー内で足の位置が安定支持(以下、ホールドという)されてインソールの凹凸部の効果を最大限に発揮でき、また、適正な足の骨格に沿って構成されているので、自ずと歩行時の足の骨格も矯正され、結果として歩行改善が促され、歩行改善と骨格矯正されることで、疲れにくい歩行、骨格となる。
(インソールとアウトソールの関係)インソールは、上記のとおりアッパー内で適切にホールドされた足裏と接触し、かつ接触部位において足裏からの荷重が加わることで適切な効果が得られるが、アウトソールとの関係で言うと、インソールがアウトソール又はアッパー内で安定して位置していないと歩行時の体重移動が不適切となり、歩行改善が望めない。
ここで、アウトソールの内面にインソールを接着などにより固定することが考えられるが、そうすると、インソールが足裏の挙動に追従せず、相対的にアッパー内で足だけが移動することとなり、インソールの凹凸部の効果を適切に得ることができない。
アウトソールの内面にインソールを接着などにより固定すると、アッパー内において足裏接触面の厚み(アウトソール厚み+インソール厚み)が大きくなるので、歩行時に足の前後方向の屈曲の挙動に追従できず、足に無理な負担がかかり、疲れやすくなる。
そこで、本発明の靴構造における、アウトソールは踵部にほぼ該アウトソールの踵の接地表面近くまでの深さとされた穴部を形成し、インソールは踵部の足裏接触面と反対面にアウトソールの踵部に形成された穴部に嵌ると共に弾性材料で形成された緩衝部を設けることとした。
インソールとアウトソールを上記のように構成することで、アウトソールに加わる歩行時の着地衝撃をほぼ緩衝部が吸収し、この結果、疲れにくくなる。
また、アウトソールの穴部に対してインソールの緩衝部を嵌入して一部だけ係合させるようにしているので、インソールはアウトソール上で位置が固定されるが、歩行時に足の前後方向の屈曲にも追従する。したがって、アッパーにおいて足が適正にホールドされることに相まって足裏の挙動に無理な負担を強いることがなくなり、疲れにくくなる。
このように、本発明の靴構造は、インソールを中心に、このインソールの構成の効果を阻害したり低減させたりすることのないようにアッパーとアウトソールを構成し、アッパー、アウトソール、インソールが三位一体となって相乗的な効果を得ることができるので、歩行改善が確実となり、長期の歩行運動による疲れが生じにくいものとなる。
さらに、本発明の靴構造は、上記構成において、前記アッパーの踵部に、踵における足の前後方向における後面と両側面の一部に沿って所定高さの踵固定部を設けてもよい。このようにすることで、アッパーにおいてはつま先の第一指側の内部高さが第五側の内部高さより高くされると共に足の甲側において少なくとも第一指と第五指の中足骨を覆うことに加えて踵もホールドできるので、歩行時のアッパー内における足の一層の安定化が図れる。
また、本発明の靴構造は、上記構成において、前記インソールは、全体として踵部からつま先部に向けて下方に傾斜し、かつ足の中央部から左右方向の両縁部に向けて上方に傾斜していてもよい。このようにすることで、歩行時には自然な重心移動が促され、歩行促進と歩き疲れの防止が可能となる。
さらに、本発明の靴構造は、前記インソールの凹凸部は、基準面に対し、楔状骨及び土踏まずが凸状部とされ、種子骨及び船状骨から踵に亘る部位が凹状部とされていてもよい。凹凸部に関しては、凸状部分に関しては足裏のそもそもの骨格上の窪みに沿っているので、凹状部分に関しては、足裏のそもそもの骨格上の突出部に沿っているので、足裏において歩行に適切な形状に矯正することができる。
以下、図1~図4を参照して本発明の具体的実施形態について説明する。以下、本発明の靴構造が採用されたパンプスを例にして靴1と示して説明する。靴1は、足を挿入するアッパー2と、靴底となるアウトソール3と、前記アッパー内に挿入されるインソール4とからなり、本発明では、これらアッパー2、アウトソール3、インソール4とが、相互に関係して全体として歩行の改善や、疲れにくいといった効果を発揮する構成とされている。
前記アッパー2は、図2に示すように、足指先方向から見て、第一指側2Aの内部高さが第五側の内部高さ2Bより高くされている。これは、足の骨格上、第一指(親指)の骨が太く、第五指(小指)の骨が細いという足の骨格上の自然な形状のまま保持する形状としている。足の骨格上の自然な形状とは、図3に示すように、第一指側2Aから第五指側2Bに亘って足の甲が高くなった(つまり足裏から見ると第二指~第四指の中足骨が足の甲側に窪んだ)いわゆる横アーチXを阻害しないように形成されている。
また、アッパー2は、図3に示すように、後述のインソール4に設けられた凹凸部4Bによる効果をより確実なものとするために、甲側において少なくとも第一指と第五指の中足骨を覆う(図1の斜線領域)ように構成されている。すなわち、本発明におけるアッパー2は、パンプスのように足の挿入口(履き口)の広い靴1であっても、第一指と第五指の中足骨を覆う構成としている。
さらに、本例におけるアッパー2は、踵部2Cに、踵における足の前後方向における後面と両側面の一部に沿って所定高さの踵固定部2aを設けている。この踵固定部2aは例えば本例では樹脂材料でなり、踵骨を前記のとおりホールドすることで、図3に示す第一指から踵に向かう内側縦アーチYiと、第五指から踵に向かう外側縦アーチYoを良好に形成する。
アウトソール3は、図4及び図5に示すように、踵部に、該アウトソールの踵の接地表面近くまでの深さとされた穴部3Aが形成されている。この穴部3Aは、後述インソール4の緩衝部4Aの外形状とほぼ同サイズの内形状とされている。こうすることでインソール4はアウトソール3に対して、つま先方向には足の挙動に追従するが、全体としては位置が固定された状態とすることができる。
また、アウトソール3は、踵部における前記穴部3Aが形成されたアッパー2側とは反対側、つまり接地側に、靴底部3Bが設けられている。この靴底部3Bはアウトソール3の裏面全域を覆って、本例では穴部3Aから覗くインソール4の緩衝部4と接触して、歩行による踵の衝撃を緩衝部4に伝達し、かつ雨などの水の侵入を阻止するという役割も有している。
さらに、アウトソール3は、靴底部3Bの全域に、図5に示すように、特殊パターンを施している。すなわち、靴底部3Bは、大きく分けて、つま先-踵方向(以下、前後方向)はつま先側Tと踵側Hに分割され、さらに、第一指-第5指方向(以下、左右方向という)は歩行において体重が移動する外側(第五指側)Oと内側(第一指側)Iとに分割されている。
靴底部3Bは、大まかには、つま先側Tの外側O(第五指側)と踵部Hの内側(第一指側)には一般的な滑り止めのいわゆる梨地のエンボス加工3aが施され、つま先側Tの内側I(第一指の中足骨まで)と踵部Hの外側O(第五指側)と内側Iには前記エンボス加工から接地面との係合(グリップ力)を発揮するいわゆるラジアル柄の波状加工3bが施されている。
そして、靴底部3Bは、前記エンボス加工3aと波状加工3bの切り替わり領域に、歩行時の足の体重移動の動線の曲線加工3cが施されており、また、第一指の種子骨に相当する領域と、踵の後部位置領域に衝撃吸収のための円形の緩衝加工3dが施されている。
インソール4は、図1及び図6に示すように、全体として弾力性のある材料が採用され、本例では、全体として踵部からつま先部に向けて下方に傾斜し、かつ足の中央部から左右方向の両縁部に向けて上方に傾斜している。
また、インソール4は、踵部の足裏接触面と反対面にアウトソール3の踵部に形成された穴部3Aに嵌ると共に弾性材料で形成された緩衝部4Aと足裏接触面に形成された凹凸部4Bとが設けられている。
インソール4の凹凸部4Bは、本例では、基準面4aに対し、楔状骨部位4b及び土踏まず部位4cが凸状部とされ、種子骨部4d及び船状骨から踵に亘る形状骨部位4bの後部位4eが凹状部とされている。
上記構成の本例の靴1は、アッパー2、アウトソール3、インソール4のそれぞれが各々の機能を相乗的かつ効果的に発揮するように構成されている。アッパー2は、該アッパー4内で、足が適切に挿入されることで足の骨格の適正な矯正が望めるほか、インソール4の凹凸部4Bと適切に接触して該凹凸部4Bによる効果を確実に得ることができる。
アウトソール3は、穴部3Aを設けてインソール4の緩衝部4A接地面近くに位置させることで歩行時の着地衝撃をほぼ直接的に緩衝部4Aが受けるようにすると共に、該緩衝部4Aだけアウトソール3の該穴部3Aに係合させるようにしているので、インソール4はアウトソール3上で位置が固定され、かつ歩行時に足の前後方向の屈曲にも追従する。したがって、アッパー2において足が適正にホールドされることに相まって、インソール3が足裏の挙部位部位動に無理な負担を強いることがなく追従し、かつ歩行時の衝撃を確実に吸収するから、疲れにくくなる。
そして、インソール4は、そもそもの骨格として窪んでいたり、突出したりする部位を自然な状態で足裏を支持するように構成してあり、仮に骨格として未発達であればアッパー2内で適切に保持された足裏を適切な位置において凹凸部4Bが接触して自然な骨格となるように矯正する。
また、インソール4は、凹凸部4Bの歩行時の自然な体重移動を促すよう契状骨部位4b及び土踏まず部位4cの凸状と、種子骨部4d及び後部位4eの凹状とにより歩行時の適切な体重移動を促すが、このとき、緩衝部4Aだけが穴部3Aに係合し、つま先側が足裏に追従するようにしているので、歩行改善が確実となり、長期の歩行運動による疲れが生じにくいものとなる。
すなわち、本発明の靴構造を採用した靴1は、アッパー2とアウトソール3、インソール4の各々において歩行改善が可能で疲れにくい構造を採用し、これらを一体として使用することで、従来のものと比べて靴全体構成による相乗的な効果を得ることができる。
以下に、本発明の靴構造における歩行改善と疲れにくさの検証結果について説明する。検証は、(1)踵への衝撃荷重の吸収率、(2)歩行状態、(3)長時間着用による足の状態変化、の3項目について行った。対象は上記構成の本発明の靴構造が、採用された靴1(実施例)と、採用されていない通常のパンプス(比較例)であり、検証は実施例と比較例ついて同条件で行った。
(1)踵への衝撃荷重の吸収率
実施例と比較例を荷重計上に配置し、所定高さから所定重量の錘を踵部(実施例における緩衝部4Aの配置位置)に落下して、その際の衝撃荷重を検証した。以下には、実施例と比較例のそれぞれに錘を3回落下した平均値を示している。
(検証結果)
・実施例 2584N
・比較例 2866N
以上の結果から、実施例は、比較例に比べて約10%の衝撃荷重が軽減されることが判明した。
(2)歩行状態
計測ボード上を歩行する際に足底から受ける圧力分布を読み取る足底圧分布計測装置(ゼロシーセブン株式会社製:商品名「footscan」)を用いて、実施例と比較例で歩行を繰り返し、歩行フェーズと接地時の力の方向をX軸とY軸とに分けて、接地中の時間をそれぞれ100%として、20フレームに分割し、重心軌跡中心の位置変位を検証した。
〇X軸(第一指:内側-第五指:外側の方向)
健常者の平均的かつ適切な歩行は、図8に示すように踵設置後に土踏まずを迂回するように外側に移動し、その後、第一指の中足骨(いわゆる母趾球)に重心が変位する。図7において縦軸の正領域は内側へ、負領域は外側へ、重心が変位することを、横軸は時間を示している。図7において、前記の健常者の平均的かつ適切は歩行(以下、これを基準例という)における重心変位は破線で、比較例の場合は一点鎖線で、実施例の場合は実線で示す。
X軸の重心変位については、特に踵とつま先が共に接地するタイミングにおいて、比較例は大きく外側に重心が変位しているのに対し、実施例は基準例に近い重心が変位軌跡となり、歩行改善効果が認められた。
〇Y軸(踵-つま先方向)
図9(a)の縦軸は歩行時に踵(0cm)からつま先(27cm)へ向かう重心の移動を、横軸は時間を示している。図9(b)の縦軸は足裏から受ける荷重を示し、横軸は時間を示している。
Y軸の重心変位について、図9(a)に示すとおり比較例も変形例も時間と共に重心の変位量はほぼ同じであるが、特筆すべきは、図9(b)では特に踵とつま先が共に接地するタイミング以降では、実施例の方が、比較例と比べて足裏から受ける荷重が小さくなり、より楽な歩行(接地側足の蹴り出し)が行われていることが判る。
〇足裏における重心分布
図10(a)(b)の図8に示す第一指~第五指のそれぞれの中足骨M1~M5(横軸)における荷重(縦軸)を示している。比較例は、第四指中足骨M4にかかる荷重が約8Nで最も低く、第一指中足骨M1にかかる荷重が約18Nで、10Nのばらつきがあった。一方、実施例は、第四指中足骨M4にかかる荷重が約8Nで比較例と同じながら、第一指中足骨M1にかかる荷重が約16.5Nで、8.5Nのばらつきとなった。
このことから、実施例は、横アーチXをアッパー2とインソール4の凹凸部4により適切に足を矯正すると共に荷重を分散させているので、第一指だけに荷重が集中せず、第一指~第五指全体として適切かつバランス良く荷重を受けること、つまり第一指に荷重が集中して足の変形や痛みが生じにくくすることができたことが判る。
(3)長時間着用による足の状態変化
長時間着用による足の状態変化は、実施例、比較例を、継続着用した際の足の甲(接地面から甲部の第三指契状骨まで)の高さの変化と、足裏接地面積の変化を検証した。つまり長時間着用して足が疲れるということは、足の骨格において適切な状態から形状的変化が生じてこれが不自然な負担となっていると推測した。
図11(a)は左右の甲高さの変化についてであり、縦軸は甲高さ(mm)を、横軸の左側には比較例(右足・左足)、横軸の右側には実施例(右足・左足)を、ぞれぞれ示している。図11(b)は足裏接地面積の変化についてであり、縦軸は面積(mm2 )を、横軸の左側には比較例(右足・左足)、横軸の右側には実施例(右足・左足)を、ぞれぞれ示している。
比較例は、着用開始後に右足約7.5mm、左足約7.0mm、甲が低くなり、これに呼応して接地面積も右足・左足ともに約5.0mm2 だけ面積が増加した。一方、実施例は、着用開始後に右足約3.5mm、左足約1.5mm、甲が低くなり、これに反して接地面積は右足約1.0mm2 ・左足約0.4mm2 だけ面積が減少した。
甲高さは実施例、比較例共に使用時間に伴って低くなるが、特筆すべきは接地面積であり、比較例は甲高さが低くなることに呼応して面積が増加するのに対し、実施例は甲高さが比較例よりは低下幅が小さく、これに反して接地面積がわずかながら減少している点である。この面積低下は、ほぼ変化なしと見ても良いが、比較例に対しては真逆の結果と言え、インソール4とアッパー2とが適切に足をホールドしていることが判った。そして、この結果から、長時間の歩行でも足が疲れにくいことも分かった。
以上のことから、本発明の靴構造は、歩行改善が可能で、かつ長時間の使用によっても疲れにくいことが検証でき、さらには、不適切な状態の骨格であれば、適切な状態に矯正することも期待でき、適切な骨格に矯正されることで、歩行改善も促進し、歩行が改善されることで長時間の歩行も疲れにくいという好循環の効果を得ることができる。
1 靴
2 アッパー
3 アウトソール
3A 穴部
3B 靴底部
4 インソール
4A 緩衝部
4B 凹凸部

Claims (4)

  1. 足を挿入するアッパーと、靴底となるアウトソールと、前記アッパー内に挿入されるインソールとからなる靴構造であって、前記アッパーは足指先方向から見て、第一指側の内部高さが第五側の内部高さより高くされると共に足の甲側において少なくとも第一指と第五指の中足骨を覆い、前記アウトソールは踵部にほぼ該アウトソールの踵の接地表面近くまでの深さとされた穴部が形成され、前記インソールは踵部の足裏接触面と反対面に前記アウトソールの踵部に形成された穴部に嵌ると共に弾性材料で形成された緩衝部と足裏接触面に形成された凹凸部が設けられ、さらに前記アウトソールの接地面側に、前記穴部から覗く前記緩衝部と接触する靴底部を有する靴構造。
  2. 前記アッパーの踵部に、踵における足の前後方向における後面と両側面の一部に沿って所定高さの踵固定部を設けた請求項1記載の靴構造。
  3. 前記インソールは、全体として踵部からつま先部に向けて下方に傾斜し、かつ足の中央部から左右方向の両縁部に向けて上方に傾斜している請求項1又は2記載の靴構造。
  4. 前記インソールの凹凸は、基準面4aに対し、楔状骨及び土踏まずが凸状部とされ、種子骨及び船状骨から踵に亘る部位が凹状部とされている請求項1~3のいずれかに記載の靴構造。
JP2021059845A 2021-03-31 2021-03-31 靴構造 Active JP7326378B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021059845A JP7326378B2 (ja) 2021-03-31 2021-03-31 靴構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021059845A JP7326378B2 (ja) 2021-03-31 2021-03-31 靴構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022156252A JP2022156252A (ja) 2022-10-14
JP7326378B2 true JP7326378B2 (ja) 2023-08-15

Family

ID=83559301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021059845A Active JP7326378B2 (ja) 2021-03-31 2021-03-31 靴構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7326378B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4783910A (en) 1986-06-30 1988-11-15 Boys Ii Jack A Casual shoe
JP2003210207A (ja) 2002-01-25 2003-07-29 Takashi Nakamura 婦人靴の靴底構造
JP2008509734A (ja) 2004-08-11 2008-04-03 ナイキ インコーポレーティッド アッパー支持組立体を有する靴製品
JP2011234901A (ja) 2010-05-11 2011-11-24 Kaminuma:Kk 月形芯及びこれを用いた靴の製造方法
JP2014147622A (ja) 2013-02-04 2014-08-21 Ryohin Keikaku Co Ltd 履物用中底又はインソールおよびこれを用いる歩行用履物又はスニーカー
JP2017006482A (ja) 2015-06-24 2017-01-12 株式会社ハヤカワ 履物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1014608A (ja) * 1996-06-28 1998-01-20 Kobayashi Pharmaceut Co Ltd 履物の中敷き
KR20130030516A (ko) * 2011-09-19 2013-03-27 정도석 신발용 중창

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4783910A (en) 1986-06-30 1988-11-15 Boys Ii Jack A Casual shoe
JP2003210207A (ja) 2002-01-25 2003-07-29 Takashi Nakamura 婦人靴の靴底構造
JP2008509734A (ja) 2004-08-11 2008-04-03 ナイキ インコーポレーティッド アッパー支持組立体を有する靴製品
JP2011234901A (ja) 2010-05-11 2011-11-24 Kaminuma:Kk 月形芯及びこれを用いた靴の製造方法
JP2014147622A (ja) 2013-02-04 2014-08-21 Ryohin Keikaku Co Ltd 履物用中底又はインソールおよびこれを用いる歩行用履物又はスニーカー
JP2017006482A (ja) 2015-06-24 2017-01-12 株式会社ハヤカワ 履物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022156252A (ja) 2022-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5138682B2 (ja) 人間の足構造と歩行とに適したエルゴノミックな靴底
JP6353511B2 (ja) 足部の三次元運動矯正及び足底圧力の分散を備えるデバイス
US20080016724A1 (en) Dynamic sole
TWI678977B (zh) 鞋用內底
KR980008086A (ko) 건강 증진용 신발
US11564444B2 (en) Footwear with dynamic arch system
CN112292053A (zh) 鞋底及鞋
KR102170264B1 (ko) 자세교정이 가능한 쿠션 신발밑창
CN112956782B (zh) 鞋底板
KR100955038B1 (ko) 신발 제조용 라스트
JPH09140405A (ja) 外反母趾対策用履物および靴中敷き
US20230292880A1 (en) Shoe sole with shock absorbing layer structure
JP7326378B2 (ja) 靴構造
JP2017148321A (ja) インソール
KR101920227B1 (ko) 신발 및 신발 제조 방법
TWM469772U (zh) 鞋墊裝置
JP4714329B2 (ja) 足底板、中敷き、及び履物
CN210672266U (zh) 一种平足专用鞋底以及应用该鞋底的鞋
JP5970423B2 (ja) 足底用パッド
US11020263B2 (en) Reverse insole
CN109996519B (zh) 一种矫正产品
KR102231194B1 (ko) 굽 높은 신발의 인솔
JP7350346B2 (ja) 履物
KR102659993B1 (ko) 기능성 슬리퍼
US20220312892A1 (en) Footwear sole with a midfoot lateral extension to increase lateral stability

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230802

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7326378

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150