JP7411179B2 - 靴のヒール - Google Patents
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Description
しかしながら、このようなパンプスや、特に、ハイヒールにあっては、履いた場合に、踵が爪先よりも高い位置になるため、使用者の体重のほとんどがつま先及び、その踵側の踏み付け部に集中して掛かった状態で歩行することとなる。従って、足のつま先側及び踏み付け部に負担がかかりすぎることとなり、経年時には、外反母趾を発症する場合が多い。
そこで、このような外反母趾を抑止するために、従来より様々な形態のインソールが提案されている。
しかしながら、このような従来のインソールにあっては、前記椀形状凹部は深さ8mm程度に形成されているため、ハイヒールに装着されて使用された場合には、使用者の踵を十分に支持できず、歩行中にどうしても踵が前記椀形状凹部から前出してしまい、結果的に全体重がつま先部に掛かってしまうことから、経年時においては有効に外反母趾を抑止することはできない、という不具合があった。
従って、本発明に係る靴のヒールがインソールの踵支持部に固定装着され、使用者が装着して使用して歩行した場合には、使用時には、使用者の踵はインソールの踵支持部に形成された凹部により包み込まれる状態になることから、歩行時等に踵が踵支持部によりより重量配分を以て支持され、踵が踵支持部から前方へ移動する事態を防止した状態で歩行することが可能となる。
従って、従来のように、パンプスやハイヒールを履いて歩行した場合であっても、歩行時等に足の踏み付け部、つま先方向のみに使用者の全体重がかかる事態を有効に防止することが可能となり、その結果、長時間履いて歩行した場合であっても足の疲労を軽減することができ、かつ経年時における外反母趾の発症を抑止することができる。
従って、本発明に係る靴のヒールを使用することによって、パンプスやハイヒールを着用した場合であっても、使用者の体重をつま先のみならず踵においても支持して外反母趾を防止するインソールの効果をいかんなく発揮することが可能となる。
図1に示すように、本実施の形態に係る靴のヒール10は、履いた場合に踵がつま先よりも高く配置されるインソール53が裏面側に固定され、表面側にはアッパー51が固定されると共に裏面側にはアウトソール52が固定される女性用靴、例えば、パンプス又はハイヒールを構成するヒールである。本実施の形態にあってはハイヒール50を例に説明する。
本実施の形態に係るハイヒール50は、インソール53と、インソール53の後端部裏面側に固定されるヒール10と、インソール53の表面側に取り付けられるアッパー51と、インソール53の裏面側に固定されるアウトソール52とを備えている。
なお、上記の合成樹脂の発泡体を用いた場合には、クッション性のあるインソールを製造することができる。
踏み付け部支持部11は、前記踏み付け部を収納できる凹部26により形成されている。
また、踵支持部15には、凹部16内にさらに、踵支持部一般面15aよりもさらに下方に位置する踵支持凹部22が段部23を以て形成されている。
この最低部18は使用者がインソール53が装着されたハイヒールの装用時における踵に作用する体重を支持する中心点を形成する。
本実施の形態にあっては、図6に示すように、踵支持部15は全体が下方へ膨出する凹状に形成され、本実施の形態にあっては、上端部17と最低部18との間隔寸法Lは9mmに形成されている。
曲率半径r1は、仮想中心O1から踵支持凹部22との間に形成される半径寸法であり、曲率半径r2は、仮想中心O2からヒール固定面部25との間で形成される半径寸法である。
また、踵支持部15の厚さ寸法は土踏まず対応部14の厚さ寸法よりも小さく形成されている。その結果、踵支持部15の平面円弧状の周縁部15bは、後述の支持縁部21bを含めてどの部位においてもインソール53の一般面上方へ立ち上がって形成され、使用時に使用者の踵の底部及び側方下部を収納して包み込めるように構成されている。
また、図1に示すように、前記踵支持部15は、ハイヒール50に内装されて接地面19にヒール10及びアウトソール52が接地部35において接地した場合には、前記踵支持部15の最低部18は土踏まず対応部14の頂部20よりも下方に配置されるように形成されている。
従って、結果的に、土踏まず対応部14は踵支持部15に対して上方へ突出する相対的凸部を形成することとなる。その結果、使用者が本実施の形態に係るインソール53が内装されたハイヒール50を装用した場合には、土踏まず対応部14は使用者の土踏まずに当接することとなる。
また、図8及び図5に示すように、土踏まず対応部14は、幅方向においては踵支持部15よりも緩やかな曲率半径を持った下方へ膨出する円弧状を描いて形成されている。
この支持縁部21は、土踏まず対応部14においては、土踏まず対応部14の平面方向に沿って延出する支持縁部21aを形成しているが、土踏まず対応部14から踵支持部15にかけて次第に立ち上がって延出され、踵支持部15においてはほぼ直立する姿勢となり、起立した支持縁部21bとして配置されている。
[ヒール]
本実施の形態に係るヒール10は、ヒール本体部10aと、ヒール本体部10aの下端部に固定されたトップリフト10bと、ヒール本体部10aの上部に固定されたインソール接合部10cとを備えている。
本実施の形態に係るヒール10のヒール本体部10a及びインソール接合部10cは、合成樹脂製であって、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、またはウレタン樹脂等の合成樹脂材料が用いられており、型成形による一体成型で形成されており、最終的なインソールへの装着時にはヒール本体部10aの前面側を除く側面部がアッパーと同一の素材の皮革材により被覆される。
また、トップリフト10bは、ポリウレタン又はナイロン等の剛性の高い素材が使用され、ヒールの摩耗や損傷を防止すると共に、使用者の歩行時における接地面からの衝撃を吸収できるように構成されており、内蔵された金属ピン(図示せず)によりヒール本体部10aの下端部に固定されている。
詳細には、接合面部60は、踵支持部15の裏面側の平面形状と同一の形状であって、同一の幅寸法及び長さ寸法に形成され、平面形状においては、前端縁部61と、平面視において、前端縁部61に交差して連接する左右両側端縁部62、63と、左右両側端縁部62、63の間に形成され、前端縁部61に前後方向において対向して配置される後端縁部64とを有している。
詳細には、左右両側縁部62、63は、前端縁部61に交差して連設され、側方へやや膨出する緩曲線部62a、63aと、緩曲線部62a、63aに後端部に連設され、後端縁部64と共に後方へ膨出する円弧を形成する急曲線部62b、63bとからなる。
次に、図10、図11、図12、図14及び図15に示すように、接合面部60の立体形状においては、前後方向断面形状及び左右方向断面形状が凹曲面により形成され、インソール53の踵支持部15の下方底面部25を支持する凹状の底面支持部65と、底面支持部65の周囲に連設され、踵支持部15の側方底面部57a、57a(図4、図5参照)を支持する側方周縁支持部66、66と、踵支持部15の前方底面部57bを支持する前端支持部68とを備えており、側方周縁支持部66の上端に左右両側端縁部62、63が形成され、前端支持部68の前端に前端縁部61が形成されている。
即ち、ヒール10がインソール53に接合固定された場合には、左右両側端縁部62、63は、支持縁部21b、21bに当接し、側方周縁支持部66、66は、踵支持部15の側方底面部57a、57aを支持すると共に、前端支持部68は前方底面部57aを支持するように構成されている。
また、図11に示すように、左右両側端縁部62、63の前端部101、101及び後端縁部64は、左右両側端縁部の中央部100、100よりも下方に形成されている。
即ち、左右両側端縁部62、63の前端部101、101は、左右両側端縁部62、63の中央部100、100よりも約0.5mm低い高さ寸法に形成され、後端縁部64は
左右両側端縁部62、63の中央部100、100よりも約1mm低い高さ寸法に形成されている。
この理由は以下の点にある。即ち、左右両側端縁部62、63の前端部101、101を中央部62b、63bよりも下方に形成した理由は、図5に示すように、インソール53の踵支持部15の前端部の両側端部15a、15aは、踵支持部15の全体形状から中央部の両側端部15b、15bよりも下方に位置していることから、ヒール10の左右両側端部62、63を、インソール53の踵支持部15の中央部の両側端部15b、15bから前端部の両側端部15a、15aへの形状に合致させ、インソール15の踵支持部15に対して隙間なく密着させるためである。
また、後端縁部64が、左右両側端縁部の中央部100、100よりも下方に形成されている理由は、第一に、靴製作時には後端縁部64は、アッパー51に使用される皮革材や芯材が重複して接合される部位に当接することとなる。この場合、この部位におけるアッパー51側の厚さ寸法が他の部位よりも大きくなることから、このアッパー51側の上記厚みを吸収した状態で適切にインソール53の踵支持部15に接合するためである。
さらに、図9に示すインソール53の下方底面部25の後端部13の長さ方向における曲率は、図6に示す側方底面部57aの曲率よりも大きく形成されていることから、この下方底面部25の後端部13に対して外方から見た場合に隙間なく密着できるようにするためである。
本実施の形態に係るヒールの上記構成により、インソール53の踵支持部15の両側端部15a、15a及び後端部13に対して適切に密着して接合できるため、使用者の体重を踵部において確実に受け止めることができ長年の装用においても外反母趾を発症することがなく、かつ、外観品質の良好なパンプス、ハイヒールを提供することができる。
後端平面支持部67は、踵支持部15の後端部13の下面部13aの形状に適合するように側方周縁支持部66よりも緩やかな後端部に向かう傾斜角を有しており、後端平面支持部67の前後方向における曲率は、踵支持部15の後端下部13aの曲率と同一に形成されている。
また、図12及び図13に示すように、後端縁部64において幅方向に沿って形成され、踵支持部15の後端部13の下部13aの全域に亘って当接して支持するように構成されている。
10a ヒール本体部
10b トップリフト
10c インソール接合部
10d ヒールネイル固定孔
11 踏み付け部支持部
12 前端部
13 後端部
13a 下部
14 土踏まず対応部
15 踵支持部
15a 踵支持部一般面
16 凹部
17 上端部
18 最低部
19 接地面(地面)
20 頂部
21 支持縁部
22 踵支持凹部
23 段部
24 つま先部
25 下方底面部
26 凹部
30 足
31 踵
31a 底部
31b 側方下部
32 土踏まず
33 踏み付け部
34 つま先部
35 接地部
50 ハイヒール
51 アッパー
52 アウトソール
53 インソール
54 凹部
55 境界部位
56 トップリフト
57a 側方底面部
57b 前方底面部
58 ヒールネイル固定孔
60 接合面部
61 前端縁部
62 左側端縁部
63 右側端縁部
64 後端縁部
65 底面部
66 側方周縁支持部
67 後端平面支持部
68 前端支持部
L 間隔寸法
A 段部
Claims (1)
- 表面側にアッパーが固定されると共に裏面側にアウトソールが固定されるインソールの裏面側に固定される靴のヒールであって、
前記インソールは、使用者の足の踏み付け部を支持する踏み付け部支持部と、前記踏み付け部支持部に連設され、後端部方向へ向かって立ち上がる傾斜を有して使用者の足の土踏まずに対応する土踏まず対応部と、前記土踏まず対応部に連設された踵支持部とを有し、
前記踵支持部は、前記使用者の踵を包み込める凹部を有すると共に全体が下方へ膨出する凸状に形成され、履いた場合に踵がつま先よりも高く配置されると共に前記踵支持部の最低部は前記アッパーとヒールとの境界部位よりも下方に位置して形成されており、
前記ヒールは前記踵支持部の裏面側と密接する凹曲面からなる接合面部を有し、
前記接合面部は、前記踵支持部の裏面側の平面形状と同一の形状であって、同一の幅寸法及び長さ寸法に形成され、
前端縁部と、平面視において、前記前端縁部の両端部に交差して連接する左右両側端縁部と、前記左右両側端縁部の後端部の間に形成され、前記前端縁部に前後方向において対向して配置される後端縁部とを有し、前記前端縁部は平面視において直線により形成され、前記左右両側端縁部及び前記後端縁部は平面視において円弧状に形成され、
前記接合面部は、前後方向断面形状及び左右方向断面形状が凹曲面により形成され、前記インソールの前記踵支持部の下方底面部を支持する凹状の底面部と、前記底面部の側方に連設され、前記踵支持部の側方底面部を支持する側方周縁支持部と、前記底面部の前方に連設され、前記踵支持部の前方底面部を支持する前端支持部と、前記底面部の後方に連設され、前記踵支持部の後端縁部を支持する後端平面支持部を備え、
前記側方周縁支持部の上端には前記左右両側端縁部が形成され、前記前端支持部の前端には前記前端縁部が形成されると共に、前記後端平面支持部の後端には前記後端縁部が形成され、前記前端縁部は左右両側端縁部及び前記後端縁部よりも下方に形成され、
前記左右両側端縁部の前端部及び前記後端縁部は、左右両側端縁部の中央部よりも、下方に形成され、
前記後端平面支持部の前後方向における曲率は、前記踵支持部の後端下部の曲率と同一に形成され、
前記接合面部の前後方向の曲率は、夫々、前記踵支持部の下面部の前後方向における曲率と同一に形成され、
前記底面部及び前記左右両側端縁部の左右方向における曲率は、前記踵支持部の底面部における左右方向における曲率と同一に形成され、
前記後端縁部の平面視における輪郭形状は、前記踵支持部の後端部の平面視における平面形状と同一に形成され、
前記前端支持部の左右方向における曲率は、前記踵支持部の前方底面部の左右方向における曲率と同一に形成され、
前端縁部の左右方向における曲率は、踵支持部の前端部の左右方向における曲率と同一に形成され、さらに、前端支持部の左右方向における曲率は、踵支持部の前方底面部の左右方向における曲率と同一に形成されていることを特徴とする靴のヒール。
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