JP6293566B2 - 組成物 - Google Patents

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Description

本発明は表面修飾された金属酸化物を含有する組成物に関する。
従来、LED等の半導体発光素子の表面部分のサファイアや透明導電膜においては、発光装置の構造に応じて、様々な材質の部材が発光面に配されている。しかし、発光素子表面と界面部材との界面において全反射の条件が成立する角度範囲が存在するため、この角度範囲内で素子内部から当該界面へ入射する光は発光素子から取り出すことができない。
光の取り出しを向上させる方法として、封止形状の制御、サファイアに微細構造を形成させた上に半導体層を成長させる、発光層表面に光拡散層を設けること等が挙げられる。
発光層表面に光拡散層を設ける場合、基板に近い、若しくは基板以上の屈折率を有する光拡散層に対して凹凸パターンが設けられた場合、発光素子と周囲の封止部材との界面でのこれらの間の屈折率差がより緩和されて光の反射が抑制されるとともに、光散乱の効果が良好に得られる。一方、凹凸パターンがない場合には、発光素子と周囲の封止部材との界面で臨界角を超えて全反射し、発光素子の内部に閉じ込められていた光も、光の進行方向が変化するために、臨界角以内に入る割合が増加し、これによって光取り出し量が向上することが知られている。
しかしながら、近年のLEDの高輝度化に伴う発熱量の増大並びに蛍光体の励起波長及び発光波長の短波長化により、樹脂自体に黄変が生じたりすることが問題となっており、LED素子の表面に搭載される場合はより高い透明性、及び信頼性が要求される。近年、かかる問題を解決するために、ポリオルガノシロキサンを主成分とするシリコーン組成物及びその硬化物が使用されている。しかしこのようなシリコーン樹脂は屈折率が低く、LEDに上記光拡散層を形成した場合でも外部への光の取り出し効率が低下してしまう。こうしたことから、透明性、耐候性等の樹脂特性を維持しつつ屈折率を高くする技術の開発が望まれており、そのひとつとして、高い屈折率を有する金属酸化物微粒子をこれらの樹脂中に分散させる方法が検討されている。この方法によれば透明性を確保しながら屈折率を上昇させることができると考えられている。しかしこれらの金属酸化物はマトリックスとなる樹脂との相溶性が悪く、金属酸化物同士が凝集してしまうため、透明性が悪化する懸念がある。また、金属酸化物に対して表面修飾剤による表面修飾を行うことも検討されているが、表面修飾剤の劣化により透明性、及び耐候性を損ねてしまうという懸念がある。
特許文献1には、樹脂中に無機酸化物微粒子を分散させるために用いられる無機酸化物透明分散液であって、前記樹脂の官能基のうち少なくとも1つの官能基を有する表面修飾剤により表面が修飾されかつ平均分散粒径が1nm以上かつ20nm以下の無機酸化物微粒子を含有してなることを特徴とする無機酸化物透明分散液が記載されている。
特許文献2には、高屈折率の金属酸化物微粒子、さらに詳しくはルチル型の結晶構造を有するチタン系微粒子をシリカ系酸化物又はシリカ系複合酸化物で被覆してなる高屈折率の金属酸化物微粒子を含む塗料組成物及び該塗料組成物を基材上に塗布して得られる硬化性塗膜が記載されている。
特開2008−120848号公報 国際公開第2010/073772号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載された無機酸化物透明分散液では、修飾剤及び樹脂の含有量が多いため屈折率の上昇は小さく、また修飾剤として使用されるシリコーンレジンでは、充分な分散性を維持できず透明性を損なっている。
また、特許文献2に記載された硬化性塗膜では、修飾剤及びバインダー樹脂に主にエポキシ基が多量に含まれており、著しく塗膜の耐熱・耐光性を低下させる。
前記した従来技術に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、高い屈折率を有し、かつ高い透明性、耐熱性及び耐光性を有する硬化物を得るための、表面修飾された金属酸化物を含有する組成物を提供することである。
前記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討し、実験を重ねた結果、以下の解決手段により上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1] 粒子(1)を含む組成物であって、
前記粒子(1)が、不飽和基を有する表面修飾剤(a)、及び下記一般式(1):
123Si−Y−SiR4 n3-n (1)
{式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換若しくは非置換のシロキシ基であり、R4は置換若しくは非置換の飽和アルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、Yは二価の結合基であり、そしてnは0〜2の整数である。}
で表される表面修飾剤(b)を含む表面修飾剤で金属酸化物(c)を表面修飾して得られた表面修飾金属酸化物(A)を含む、組成物。
[2] 樹脂(2)を更に含む、上記態様1に記載の組成物。
[3] 前記樹脂(2)が、不飽和基を有する樹脂(B)を含む、上記態様2に記載の組成物。
[4] 前記樹脂(B)が有する前記不飽和基がアクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基、及びアリル基からなる群から選択される少なくとも一つである、上記態様3に記載の組成物。
[5] 前記樹脂(2)が、ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)又はチオール基を有する樹脂(D)を含み、かつ、前記組成物が硬化性触媒(E)を更に含む、上記態様2〜4のいずれか一項に記載の組成物。
[6] 前記粒子(1)及び前記樹脂(2)の合計に対する前記粒子(1)の体積比率が40〜99体積%である、上記態様2〜5のいずれか一項に記載の組成物。
[7] 前記表面修飾剤(a)が有する前記不飽和基がアクリル基、メタクリル基、ビニル基、及びアリル基からなる群から選択される少なくとも一つである、上記態様1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
[8] 前記一般式(1)におけるnが0又は1である、上記態様1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
[9] 前記表面修飾金属酸化物(A)の屈折率が1.8以上である、上記態様1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
[10] 前記金属酸化物(c)が酸化チタン、酸化ジルコニウム、又はチタン酸バリウムである、上記態様1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
[11] 前記表面修飾金属酸化物(A)において、前記表面修飾剤(a)に由来する構造、前記表面修飾剤(b)に由来する構造及び前記金属酸化物(c)に由来する構造の合計に対する金属酸化物(c)に由来する構造の比率が70〜99体積%である、上記態様1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
[12] 前記粒子(1)の平均一次粒子径が1nm〜100nmである、上記態様1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
[13] 上記態様1〜12のいずれか一項に記載の組成物の硬化物を含む、透明複合材。
[14] 周期的な凹凸構造を有する、上記態様13に記載の透明複合材。
[15] 上記態様13又は14に記載の透明複合材を含む、光学素子。
[16] 粒子(1)及び分散媒を含む分散体であって、
前記粒子(1)が、不飽和基を有する表面修飾剤(a)、及び下記一般式(1):
123Si−Y−SiR4 n3-n (1)
式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換若しくは非置換のシロキシ基であり、R4は置換若しくは非置換の飽和アルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、Yは二価の結合基であり、そしてnは0〜2の整数である。}
で表される表面修飾剤(b)を含む表面修飾剤で金属酸化物(c)表面修飾して得られた表面修飾金属酸化物(A)を含む、分散体。
本発明によれば、高い屈折率を有し、かつ高い透明性、耐熱性及び耐光性を有する硬化物を得るための、表面修飾された金属酸化物を含有する組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態は、
粒子(1)を含む組成物であって、
該粒子(1)が、不飽和基を有する表面修飾剤(a)(本開示で、単に表面修飾剤(a)ともいう。)、及び下記一般式(1):
123Si−Y−SiR4 n3-n (1)
{式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換若しくは非置換のシロキシ基であり、R4は置換若しくは非置換の飽和アルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、Yは二価の結合基であり、そしてnは0〜2の整数である。}
で表される表面修飾剤(b)(本開示で、単に表面修飾剤(b)ともいう。)を含む表面修飾剤で金属酸化物(c)を表面修飾して得られた表面修飾金属酸化物(A)を含む組成物を提供する。
本実施形態はまた、上記の粒子(1)及び分散媒を含む分散体も提供する。
<粒子(1)>
本実施形態の粒子(1)は、表面修飾剤(a)及び表面修飾剤(b)を含む表面修飾剤で金属酸化物(c)を表面修飾して得られる表面修飾金属酸化物(A)を含む。粒子(1)は、表面修飾金属酸化物(A)に加えて、例えば分散補助剤、接着補助剤、硬化触媒、酸化防止剤等を含んでよいが、粒子(1)は、表面修飾金属酸化物(A)を好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含み、更に好ましい態様において、粒子(1)は、実質的に表面修飾金属酸化物(A)からなることができる。本実施形態では、金属酸化物の使用により、高い屈折率を有する組成物が得られる。また本実施形態では、表面修飾剤(a)及び(b)を含む表面修飾剤を用いた表面修飾の寄与により、表面修飾金属酸化物(A)は、例えば後述の樹脂(2)、硬化性触媒(E)、及び溶剤との親和性が良好で、組成物中で良好に分散できる。従って、本実施形態によれば、高い屈折率及び透明性を有する硬化物を与える組成物が得られる。上記のような良好な分散性は、組成物中に比較的高比率で粒子(1)を含有させることを可能にする点で有利である。また、表面修飾剤(a)及び表面修飾剤(b)を含む表面修飾剤は、組成物の硬化物の耐熱性及び耐光性を損なわない点でも有利である。
(表面修飾剤(a))
表面修飾剤(a)としては、不飽和基(すなわち不飽和結合を含む官能基)を有するシランカップリング剤が挙げられる。即ち、本実施形態の表面修飾金属酸化物(A)は、表面修飾剤(a)で表面修飾されることによって不飽和基を有することとなる。
不飽和結合を含む官能基としてはビニル基、アリル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキセニルエチル基、ノルボルネニルエチル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、メタクリル基、アクリル基、スチリル基、メタクリロプロピル基、アクリロプロピル基等の不飽和炭素二重結合含有基が挙げられ、好ましくは、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、及びアリル基からなる群から選択される少なくとも一つである。
具体的な化合物としては限定されるものではないが、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。ハンドリング性、及び入手性の観点からビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が好ましい。表面修飾金属酸化物(A)の組成物中での分散性の観点からビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
(表面修飾剤(b))
表面修飾剤(b)は、下記一般式(1):
123Si−Y−SiR4 n3-n (1)
{式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換若しくは非置換のシロキシ基であり、R4は置換若しくは非置換の飽和アルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、Yは二価の結合基であり、そしてnは0〜2の整数である。}で表される。即ち、本実施形態の表面修飾金属酸化物(A)は、表面修飾剤(b)で表面修飾されることによって下記一般式(1’):
123Si−Y− (1’)
{式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換若しくは非置換のシロキシ基であり、Yは二価の結合基である。}で表される基を有することとなる。
炭素数1〜18の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、オクタデシル基等の非環式及び環式の飽和炭化水素基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の芳香族炭化水素基、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキセニルエチル基、ノルボルネニルエチル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、スチレニル基等の非環式及び環式の不飽和炭化水素基、並びにベンジル基、フェネチル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。なお本開示で、一般式(1)で表されかつ不飽和基を有する化合物は、表面修飾剤(a)及び表面修飾剤(b)のいずれにも包含されるものとして取り扱うものとする。従ってそのような化合物の使用量は、表面修飾剤(a)の使用量及び表面修飾剤(b)の使用量の両者に算入されるものとする。表面修飾金属酸化物(A)を1H−NMR、もしくはFT−IR等により分析することにより、表面修飾剤(a)及び表面修飾剤(b)がそれぞれ導入されていることを確認することができる。
置換若しくは非置換のシロキシ基としては、例えば、トリメチルシロキシ基、メチルジエチルシロキシ基、ジメチルエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基、ジメチルシクロヘキシルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、メチルジフェニルシロキシ基等の炭素数1〜18の炭化水素基を有するシロキシ基が挙げられる。
これらの中でも、金属酸化物(c)(典型的には微粒子である)との表面修飾反応が容易に進行し、表面修飾基による屈折率の低下を抑制するという観点から、R1〜R3は、各々独立に、メチル基、エチル基、トリメチルシロキシ基、又はジメチルフェニルシロキシ基であることが好ましく、耐熱性、及び耐光性に優れることから、より好ましくはメチル基又はトリメチルシロキシ基である。
上記一般式(1)において、R4は置換若しくは非置換の飽和アルキル基であり、金属酸化物(c)との表面修飾反応が容易に進行するという観点から、好ましくは炭素数1〜4の飽和アルキル基である。炭素数1〜4の飽和アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、isо−プロピル基、n−ブチル基、isо−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。中でも、上記観点から、R4はメチル基であることが好ましい。
上記一般式(1)において、Yは二価の結合基であり、耐熱性の観点から、炭素数1〜6の二価の炭化水素基であることが好ましく、炭素数2〜6の二価の炭化水素基であることがより好ましい。炭素数1〜6の二価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げられる。これらの中でも、合成の容易さという観点から、Yは、炭素数2又は3の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数2の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。
上記一般式(1)において、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基である。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。また、炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ヘキシロキシ基等が挙げられ、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基としてはシクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
これらの中でも、Xは水素原子又はアルコキシ基であることが反応制御の容易さという観点から好ましく、より好ましくはメトキシ基、又はエトキシ基である。
上記一般式(1)において、nは0〜2の整数である。金属酸化物(c)との表面修飾反応が容易に進行するという観点から、nは0又は1であることが好ましい。
(表面修飾剤(b)の製造方法)
表面修飾剤(b)は、例えば、対応するヒドロシラン化合物と、不飽和炭素二重結合を有するシラン化合物(本開示で、アルケニルシラン化合物ともいう)とのヒドロシリル化反応により製造することができる。具体的には、炭化水素系の有機溶媒中若しくは無溶媒において、ヒドロシラン化合物とアルケニルシラン化合物とを等モル量又は一方の化合物がわずかに過剰になるように混合し、金属触媒を加えて加熱撹拌することにより製造できる。
上記のヒドロシラン化合物及びアルケニルシラン化合物としては、上記一般式(1)で表されるケイ素化合物に対応して、下記一般式(2):
123Si−H (2)
{式中、R1〜R3は一般式(1)で定義した通りである。}
で表されるヒドロシラン化合物と下記一般式(3):
5−SiR6 n1 (3-n) (3)
{式中、R5は炭素数2〜6の不飽和炭素二重結合含有炭化水素基であり、R6は炭素数1〜4の飽和アルキル基であり、そしてX1はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、そしてnは0〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。}
で表されるアルケニルシラン化合物との組合せ、
又は、下記一般式(4):
123Si−R5 (4)
{式中、R1〜R3は一般式(1)で定義した通りであり、そしてR5は炭素数2〜6の不飽和炭素二重結合含有炭化水素基である。}
で表されるアルケニルシラン化合物と下記一般式(5):
H−SiR6 n1 (3-n) (5)
{式中、R6は炭素数1〜4の飽和アルキル基であり、X1はハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、そしてnは0〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。}
で表されるヒドロシラン化合物との組み合わせ、を用いることができる。
5の好ましい例としては、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、メタクリル基、アクリル基、及びスチリル基が挙げられ、特により好ましい例はビニル基、アリル基、アクリル基等である。また、上記の場合、前述の一般式(1)中のR4は、上記各々のR6に由来することになる。R5の好ましい例は、R4について炭素数1〜4の飽和アルキルとして例示したものと同様である。X1の好ましい例は、一般式(1)中のXについてハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基として例示したものと同様である。
上記のヒドロシラン化合物とアルケニルシラン化合物とのモル比には特に制限はないが、一般的には、ヒドロシラン化合物1モルに対して、アルケニルシラン化合物を0.9〜1.1モルの範囲で使用することが好ましい。
上記炭化水素系の有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等が挙げられる。また、上記有機溶媒は任意の量で使用することができる。
上記金属触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の白金族金属、該白金族金属をカーボン、アルミナ、シリカ、ポリマー等の担体に担持した担持触媒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン又はアセチレン錯体、白金のビニルシロキサン錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等が挙げられる。これらの中でも、塩化白金酸(Speier触媒)、白金のテトラメチルジビニルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)、及びクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(Wilkinson触媒)が好ましい。また、これらの金属触媒は、単独でも2種類以上を混合して用いてもよい。
上記金属触媒の使用量は、上記ヒドロシラン化合物1モルに対して、典型的には1×10-6〜0.01モルの範囲で使用することができる。
上記ヒドロシリル化反応の反応温度は0〜150℃の範囲であることが好ましく、反応時間は0.5〜48時間の範囲であることが好ましい。
上記ヒドロシリル化反応により上記一般式(1)で表される表面修飾剤(b)を合成する場合、ヒドロシランがアルケニルシランの不飽和結合部位に付加する際にシス体及びトランス体が生成し、これらの異性体混合物が得られる場合がある。この異性体混合物は蒸留、カラムクロマトグラフィー等の分離操作により分離することも可能であるが、シス−トランス異性体混合物であっても後述の金属酸化物(c)との表面修飾反応において好適に使用することができる。
表面修飾剤(b)のうち、上記一般式(1)におけるXが水素原子であるケイ素化合物については、例えば、上記一般式(1)におけるXがハロゲン原子、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であるケイ素化合物を上述の方法により製造した後、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて還元反応を行うことにより製造することができる。
(金属酸化物(c))
金属酸化物(c)は、典型的には粒子であり、金属原子及び酸素原子を含む。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン等の金属酸化物粒子等が挙げられる。
金属酸化物(c)としては、好ましい屈折率を得る観点から、Zr、Ti、Sn、Ce、Ta、Nb、Zn、Ba、及びSrからなる群から選択される1種又は2種以上を含有する金属酸化物が好ましく、酸化チタン、酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、珪酸ジルコニウム、ジルコン酸鉛、酸化インジウムスズ、酸化スズアンチモン、ニオブ酸リチウム、コバルト酸リチウム、ITO等が挙げられる。この中でも、屈折率、入手容易性、及び経済性を併せて考慮すると、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及びチタン酸バリウムが特に好ましい。
金属酸化物(c)は、好ましくは、球状、棒状、板状若しくは繊維状又はこれらの2種類以上が合体した形状であり、より好ましくは球状である。なお、ここでいう球状とは、真球状の他、回転楕円体、卵形等も含む略球状を意味する。
金属酸化物(c)の平均一次粒子径は、光の散乱による透明性への悪影響を避けるため、目的とする用途で使用する光の波長以下であることが好ましい。該平均一次粒子径は、1nm以上100nm以下であることが好ましく、より好ましくは1nm以上50nm以下、更に好ましくは1nm以上40nm以下である。上記平均一次粒子径が1nm以上であれば、金属酸化物(c)の分散性が良好であり、100nm以下であれば、金属酸化物(c)を有機溶剤又は樹脂中に分散させた際の透明性が良好である。なお本開示において、平均一次粒子径とは数平均での値を意味する。上記平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)による直接観察により求めることができる。具体的には、例えば50個の粒子の長径を計測し、その数平均を求める。
また、金属酸化物(c)としては、基板と近い屈折率による光取り出し量の向上効果を良好に得る観点から、屈折率が1.60以上の粒子が好ましく、特に、屈折率が2.00以上の金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物(c)は、水熱法、ゾルゲル法、共沈法等により製造することが可能であり、製造条件を変更することにより、平均一次粒子径を制御することができる。
(表面修飾)
不飽和基を有する表面修飾剤(a)及び一般式(1)で表される表面修飾剤(b)を含む表面修飾剤を金属酸化物(c)に作用させて表面修飾反応を行うことで、表面修飾剤(a)及び(b)に由来する構造部位を表面に有する表面修飾金属酸化物(A)を製造することができる。
表面修飾反応に用いる金属酸化物(c)は、乾燥処理によって得られた粉末であってもよいし、水、有機溶媒、又はこれらの混合物である分散媒に分散された状態でもよい。
粉末状の金属酸化物(c)を用いて表面修飾反応を行う場合には、ビーズミル、ジェットミル(例えば株式会社常光製)、超音波処理等の分散装置中で表面修飾反応を行ってもよい。
ビーズミルは、ローター、ステータ及び撹拌粒子であるビーズを分離するビーズ分離機構を備える分散装置である。撹拌粒子であるビーズは、超微小ビーズであることが好ましく、その粒子径は3〜300μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。粒子径が3μm以上であれば、分散に必要な衝撃エネルギーが得られ、300μm以下であれば、過剰な衝撃エネルギーによる再凝集が抑制できる。
上記撹拌粒子としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、シリカ、ガラス、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられる。これらの中でも、撹拌粒子としての強度と安定性に優れるという観点から、ジルコニアを用いることが好ましい。
金属酸化物(c)を分散媒に分散させた状態で表面修飾をする場合には、具体的には、例えば、アルコール及び水を含む金属酸化物(c)の均一分散液に、上記表面修飾剤(a)及び(b)を添加する工程により表面修飾金属酸化物(A)が製造される。
上記均一分散液は、金属酸化物(c)を製造するために加水分解工程において用いられる水をそのまま含んでいてもよく、その一部を除去又は水を追加することにより、水の含有量を制御することもできる。上記表面修飾剤(a)及び(b)は、そのまま添加しても、アルコール、水又はその他の有機溶媒等で希釈してから添加してもよい。
また、金属酸化物の(c)の均一分散液としては市販のものを使用することもでき、SZR−W(堺化学製)、SZR−SW(堺化学製)、SZR−M(堺化学製)、SZR−K(堺化学製)、SRD−W(堺化学製)、SRD−M(堺化学製)、ZR−40BL(日産化学製)、ZR−30BS(日産化学製)、ZR−30BFN(日産化学製)、ZR−30AL(日産化学製)、ZR−20AS(日産化学製)、ZR−30AH(日産化学製)、AXーZPシリーズ(日本触媒製)、TTOシリーズ(石原産業製)、ジルコニア分散液(住友大阪セメント製)等を使用することができる。
金属酸化物(c)に対する、表面修飾剤(a)及び(b)の添加量は、金属酸化物(c)の全表面積と、表面修飾剤(a)及び(b)が単分子修飾しうる面積(理論被覆表面積として)との比から決定できる。
金属酸化物(c)の単位質量あたりの表面積(m2/g)はBET法により測定される。表面修飾剤(a)及び(b)の単位質量あたりの理論被覆表面積(m2/g)は、6.02×1023×1.3×10-19÷(表面修飾剤の分子量)で計算される。
表面修飾剤(a)及び(b)と金属酸化物(c)との量比としては、仕込みで表面修飾剤(a)及び(b)の理論被覆表面積(m2)/金属酸化物(c)の全表面積(m2)の比が、0.3〜3.0であることが好ましく、0.7〜2.0であることがより好ましい。上記比は、表面修飾金属酸化物(A)の分散性の観点から0.3以上であることが好ましく、作業性の観点から3.0以下であることが好ましい。
表面修飾反応は金属酸化物(c)の表面に存在する水酸基と表面修飾剤が加水分解されて発生するOH基とが脱水縮合反応をすることにより進行する。
加水分解のための水の添加量は、表面修飾剤(a)及び表面修飾剤(b)に含まれる加水分解性基(例えば表面修飾剤(b)中のXで表される基)の合計に対して、モル比で0.1〜10倍であることが好ましく、0.4〜8倍であることがより好ましく、0.8〜5倍であることがさらに好ましい。水の添加量が0.1倍以上であると、表面修飾されやすくなり、10倍以下であることは、金属酸化物(c)の凝集を抑止する点で好ましい。
加水分解及び縮合の反応速度を調節できる観点から、表面修飾剤(a)及び(b)を、触媒の存在下で、加水分解及び縮合、表面修飾することがより好ましい。
触媒の種類としては、酸触媒及び塩基触媒が挙げられる。例えば、酸触媒としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸等が挙げられる。塩基触媒としては、無機塩基及び有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ又はアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の金属炭酸水素塩;等が挙げられる。有機塩基としては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等のトリアルキルアミン;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の炭素数1〜4のN,N−ジアルキルアニリン誘導体;ピリジン、2,6−ルチジン等の、炭素数1〜4のアルキル置換基を有していてもよいピリジン誘導体;等が挙げられる。これらの触媒は、1種で又は2種以上を混合して用いることができる。
表面修飾金属酸化物(A)の製造時に、反応系のpHを0.01〜6.0の範囲、若しくはpH8〜14になる量の触媒を加えることが、反応効率の点で好ましく、より効率を高めるためにはpH8〜14の塩基性条件下で修飾反応を行うことがより好ましい。
表面修飾金属酸化物(A)を製造するための加水分解及び縮合は、有機溶媒中で行うこともできる。縮合反応に使用できる有機溶媒としては、例えば、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、アミド化合物等が挙げられる。
上記アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールのような一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールのような多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルのような多価アルコールのモノエーテル類;等が挙げられる。
上記エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
上記エーテルとしては、上記の多価アルコールのモノエーテル類の他に、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルのような多価アルコールの水酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類;テトラヒドロフラン;1,4−ジオキサン;アニソール等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素化合物としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記アミド化合物としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
以上の溶媒の中でも、アルコールとしてメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等;ケトンとしてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等;エーテルとしてエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等;及びアミド化合物としてジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が水と混合しやすい点で好ましい。
これらの溶媒は単独で使用してもよいし、複数の溶媒を組み合わせて使用してもよい。
表面修飾金属酸化物(A)を製造する際の反応温度は特に制限は無いが、−50℃〜200℃が好ましく、0℃〜150℃がより好ましい。加水分解及び縮合反応の反応速度を上げる観点から、反応温度が−50℃以上であることが好ましく、表面修飾金属酸化物(A)のゲル化を抑制する観点から、反応温度が200℃以下であることが好ましい。
表面修飾金属酸化物(A)を製造する際の反応時間は特に制限は無いが、30分〜24時間が好ましく、1〜6時間がより好ましい。加水分解性基(例えばアルコキシ基)の加水分解を充分に進行させるために、反応時間が30分以上であることが好ましく、表面修飾剤のゲル化を抑制する観点から、反応温度が24時間以下であることが好ましい。
金属酸化物(c)表面の表面修飾に寄与しなかった表面修飾剤は、表面修飾金属酸化物(A)が溶解せず、且つ残存表面修飾剤及びそれらの縮合物が溶解する有機溶剤で洗浄することにより除去することができる。具体的には、上記有機溶剤に再沈した後、遠心分離等で表面修飾金属酸化物(A)のみを単離することができる。表面修飾金属酸化物(A)の屈折率をより高める観点から、表面修飾されていない表面修飾剤(a)及び(b)は除去されることが好ましい。
表面修飾剤が金属酸化物(c)表面に修飾されていることは、Si−O−金属原子の伸縮振動が、FT−IR(フーリエ変換赤外分光分析)により930〜990cm-1に観察されることから確認することができる。
例えば金属酸化物(c)がTiOHである場合には、TiOHと、ケイ素原子に結合した水素原子とは、無触媒下において脱水素を伴った反応が自発的に進行し、金属酸化物(c)の表面上にSi−O−Tiからなる結合が形成される。
表面修飾金属酸化物(A)の屈折率は、1.8以上が好ましく、表面修飾金属酸化物(A)を含有する硬化物塗膜の屈折率をより高める点から1.9以上が好ましく、更に2.0以上であることが特に好ましい。屈折率の上限に関しては特に制限されるものではないが、共役構造の形成による吸収により透明性が低下することから2.8以下であることが好ましく、2.75以下であることがより好ましい。
表面修飾金属酸化物(A)に含まれる不飽和結合官能基の濃度は、0.001mmol/g以上1.0mmol/g以下であることが好ましい。硬化物塗布膜の透明性の観点から0.001mmol以上、更に0.003mmol/g以上であることが好ましく、表面修飾金属酸化物(A)の分散性、及び硬化物塗布膜の耐熱性の観点から1.0mmol/g以下、更に0.8mmol/g以下であることが好ましい。上記濃度は後述の1H−NMR(プロトン核磁気共鳴分光分析により確認できる。
表面修飾金属酸化物(A)においては、表面修飾剤(a)に由来する構造、表面修飾剤(b)に由来する構造、及び金属酸化物(c)に由来する構造の合計に対する金属酸化物(c)に由来する構造の比率が70〜99体積%であることが好ましい。該比率は、NMRによる表面官能基濃度の決定、およびAbbe屈折率計での測定値を用いてMaxwell Garnettの式から外挿される(A)の屈折率から逆算することで算出できる。高い屈折率を有する粒子を得る観点から上記比率は75体積%以上99体積%以下であることがより好ましく、高い分散性を有する表面修飾金属酸化物(A)粒子を得る観点から75体積%以上97体積%以下であることが更に好ましく、硬化物の透明性の観点から78体積%以上95%体積以下であることが特に好ましい。
表面修飾剤は、表面修飾剤(a)及び表面修飾剤(b)のみからなるものでもよいし、追加の修飾剤成分を更に含んでもよい。追加の修飾剤成分としては有機ホスホン酸、有機カルボン酸、テトラアルコキシシラン等が挙げられる。表面修飾剤の全量基準で、表面修飾剤(a)及び表面修飾剤(b)の合計比率は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは25モル%以上であり、100モル%であってもよい。
表面修飾剤(a)と表面修飾剤(b)との併用は、表面修飾剤(a)のみの場合に比べて、組成物内での粒子(1)の分散性が高められ、透明性が向上し、高い耐熱性及び耐光性を有することが可能になる点で有利であり、表面処理剤(b)のみの場合に比べて、硬化物中での粒子(1)の分散安定性の点で有利である。
表面修飾金属酸化物(A)において、表面修飾剤(a)に由来する構造:表面処理剤(b)に由来する構造の比率としては、表面修飾金属酸化物(A)の分散性を高める観点から、モル分率比で(a):(b)=90:10〜10:90であることが好ましく、硬化物の透明性の観点から80:20〜20:80であることがより好ましい。
上記体積割合、及び密度は、表面修飾剤(a)及び(b)の密度を1g/mL、金属酸化物(c)の密度としては文献値(例えば化学物質等安全データシートによる)(例えば酸化チタンであれば4.27g/mL、酸化ジルコニウムであれば5.67g/mL、チタン酸バリウムであれば6.02g/mL等)を用い、下式により計算される。
金属酸化物(c)の体積割合=((c)の質量/(c)の密度)/{(a)の質量/(a)の密度)+(b)の質量/(b)の密度)+(c)の質量/(c)の密度)}
上記計算に用いる、実際に金属酸化物(c)の表面に修飾された表面修飾剤(a)及び(b)の量は、表面修飾金属酸化物(A)を重溶媒中に分散させ、1H−NMR(プロトン核磁気共鳴分光分析)を測定することにより定量される。また、表面修飾金属酸化物(A)について、XRF(蛍光X線分析)を用いた元素分析の全定量を行い、金属酸化物に由来する金属原子と表面修飾剤に由来するケイ素原子との原子存在比率を測定することにより計算される。
表面修飾金属酸化物(A)の屈折率は下記式Maxwell−Garnettの式を用いて概算される。
表面修飾金属酸化物(A)の屈折率=表面修飾剤の屈折率×[(c)の屈折率×(1+2×(c)の体積分率)−表面修飾剤の屈折率)×(2×(c)の体積分率―2)]/[(表面修飾剤の屈折率)×(2+(c)の体積分率)+(c)の屈折率×(1−(c)の体積分率)]
実際には、有機溶媒中に濃度の異なる表面修飾金属酸化物(A)を分散させた分散液を用いて、Abbe屈折率計で波長589nmの屈折率を測定し、屈折率を有機溶剤に対する表面修飾金属酸化物(A)の濃度に対してプロットし、表面修飾金属酸化物(A)の濃度を100体積%に外挿した値を表面修飾金属酸化物(A)の屈折率として計算される。
<樹脂(2)及び硬化性触媒(E)>
好ましい態様において、組成物は、樹脂(2)を更に含む。組成物において、粒子(1)/(粒子(1)+樹脂(2))で表される粒子体積比率は、40体積%以上であることが好ましい。上記比率は、100体積%であってもよいが、樹脂(2)による利点を良好に得る観点から、99体積%以下であることが好ましい。組成物が樹脂(2)を含むことで、本実施形態の組成物から形成される塗膜において、粒子(1)間の空隙に樹脂(2)が充填されることで塗布膜の屈折率が高くなる傾向にある。
上記粒子体積比率は、粒子(1)間の空隙を樹脂(2)によって良好に埋めて屈折率を向上させる点から90体積%以下であることがより好ましく、粒子(1)の含有率を増やし屈折率を向上させる点から50体積%以上であることがより好ましい。上記空隙を完全に埋め屈折率を最大化させる観点から、上記粒子体積比率は60体積%〜80体積%であることが更に好ましい。本開示で、粒子体積比率は、組成物の各々の成分の使用量により算定される値である。
好ましい態様において、樹脂(2)は、不飽和基を有する樹脂(B)を含む。また、好ましい態様において、樹脂(2)は、ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)又はチオール基を有する樹脂(D)を含む。この場合、組成物は硬化性触媒(E)を更に含むことができる。一実施形態において、組成物は、表面修飾金属酸化物(A)及び不飽和基を有する樹脂(B)からなることができる。
組成物が不飽和基を有する樹脂(B)を含むことにより、組成物から形成される塗膜において表面修飾金属酸化物(A)間の空隙を樹脂(B)が埋めることが可能となり、塗布膜の屈折率を高めることができる。また、樹脂(B)に含まれる不飽和基と表面修飾金属酸化物(A)の表面上の不飽和基とが反応し、共有結合をつくることにより塗膜の強度が向上し、擦過傷耐性が向上する。
組成物は、硬化性触媒(E)を更に含むことができる。硬化性触媒(E)が存在することは、組成物から得られる塗膜の硬化後の膜強度を向上させる点で有利である。
(不飽和基を有する樹脂(B))
不飽和基を有する樹脂(B)は、1分子中に不飽和官能基を1つ以上有する樹脂であり、不飽和官能基を1分子中に2つ以上有していることが、組成物から得られる塗膜の硬化後の膜強度を向上させる点で好ましい。樹脂(B)は、単量体でもよいし、重合体でもよい。樹脂(B)が有する不飽和基は、汎用性の観点から、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基、及びアリル基からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。表面修飾金属酸化物(A)を含む粒子(1)に樹脂(B)を組合せることは、特に耐熱性及び耐光性が良好な硬化物を得る点で有利である。樹脂(2)の全質量に対する、不飽和基を有する樹脂(B)の比率は、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%である。
単量体の具体的な例としては、テトラビニルシラン、1,2−ジビニル1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、ジビニルジフェニルシラン、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン等の不飽和基を有するケイ素化合物、トリアリルイソシアヌレート、並びに商品名M309,M315、M408、M400,及びM403(いずれも東亞合成製)等の多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
重合体としては、耐熱性、及び耐光性の観点からSiO1/2,SiO2/2,SiO3/2,又はSiO4/2で表されるシリコーンの単位骨格を有しているものが好ましく挙げられる。具体的としては、ビニル末端ポリジメチルシリコーン、ビニル末端ジフェニルシロキサン、ジメチルシロキサンコポリマー、ビニルQレジン等が挙げられる。
不飽和基を有する樹脂(B)の重量平均分子量は、好ましくは150以上20,000以下であり、更に好ましくは200以上15,000以下である。本開示において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で、標準PMMAを換算して求められる値である。樹脂(B)の重量平均分子量が150以上であると、耐熱性及び硬化性の観点から好ましく、20,000以下であると粘度が低くなりハンドリング性が向上する点で好ましい。
樹脂(B)の不飽和基濃度は、0.1mmol/g以上30mmol/g以下であることが望ましく、耐溶剤性の観点から0.1mmol/g以上、更に0.2mmol/g以上であることが好ましく、膜強度の観点から0.3mmol/g以上であることがより好ましい。一方、耐熱性の観点から30mmol/g以下、更に25mmol/g以下であることが好ましく、硬化収縮を小さくし、クラック耐性を向上させる観点から20mmol/g以下、更に13mmol/g以下、更に11mmol/g以下であることがより好ましい。
不飽和基を有する樹脂(B)の粘度は、2mPa・s以上200Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上100Pa・s以下である。2mPa・s以上であると、表面修飾金属酸化物(A)の分散維持性の点で好ましく、200Pa・s以下であると、ハンドリング性の点で好ましい。本開示で、粘度は、E型粘度計で測定される値である。
(ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)及びチオール基を有する樹脂(D))
好ましい態様において、樹脂(2)は、ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)又はチオール基を有する樹脂(D)と、硬化性触媒(E)とを更に含む。好ましい態様において、樹脂(2)は、前述の樹脂(B)に加えて、樹脂(C)又は樹脂(D)を含む。樹脂(C)の使用は、塗膜強度の観点から有利であり、一方樹脂(D)の使用は、屈折率の観点から有利である。
例えば、樹脂(2)が、不飽和基を有する樹脂(B)に加えてケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)、及び硬化性触媒(E)を有することにより、組成物から塗布膜を形成する際に表面修飾金属酸化物(A)間の空隙を樹脂で良好に埋めることが可能となり、塗布膜の屈折率を高めることができる。この場合、硬化性触媒(E)としてヒドロシリル化触媒(E1)を存在させることは、組成物から得られた塗布膜の硬化後の膜強度を向上させる点で有利である。
一方、樹脂(2)が、樹脂(B)に加えてチオール基を有する樹脂(D)及び硬化性触媒(E)を含むことにより、原子屈折の大きな硫黄原子を含有する組成物が、薄膜塗布時に空隙を埋めることが可能となり、塗布膜の屈折率をさらに高めることができる。この場合、硬化性触媒(E)としてラジカル発生剤(E2)を存在させることは、組成物から得られる塗布膜の硬化後の膜強度を向上させる点で有利である。
なお本開示で、ケイ素に直接結合した水素原子と不飽和基とを共に有する樹脂は、樹脂(B)及び樹脂(C)のいずれにも包含されるものとして取り扱うものとする。またチオール基と不飽和基とを共に有する樹脂は、樹脂(B)及び樹脂(D)のいずれにも包含されるものとして取り扱うものとする。また、ケイ素に直接結合した水素原子とチオール基とを共に有する樹脂は、樹脂(C)及び樹脂(D)のいずれにも包含されるものとして取り扱うものとする。樹脂(2)の全質量に対する、ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)の比率は、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは30〜90質量%である。また、樹脂(2)の全質量に対する、チオール基を有する樹脂(D)の比率は、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%である。
ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)は、ケイ素に直接結合した水素原子を一分子中に少なくとも1つ有し、ケイ素に直接結合した水素原子を一分子中に2つ以上有していることが、組成物から得られる塗布膜の硬化後の膜強度を向上させる点で好ましい。樹脂(C)は、単量体でも重合体でもよい。
単量体の具体的な例としては、1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、2,4,6,8−テトラメチル−シクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチル−シクロペンタシロキサン等のSi−H結合を有するケイ素化合物が挙げられる。
重合体の例としては、耐熱性、及び耐光性の観点から、ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)はSiO1/2,SiO2/2,SiO3/2,又はSiO4/2で表されるシリコーンの単位骨格を有するものを好ましく例示できる。具体的な重合体としては両末端SiHジメチルシリコーン、メチルヒドロシロキサン、ジメチルシロキサン、メチルヒドロシロキサンコポリマー、水素化Qレジン等が挙げられる。
ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上20,000以下であり、更に好ましくは200以上15,000以下である。本開示において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で、標準PMMAを換算して求められる値である。(B)の重量平均分子量が150以上であると、耐熱性及び硬化性の観点から好ましく、20,000以下であると粘度が低くなりハンドリング性が向上する点で好ましい。
ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)に含まれる、ケイ素に直接結合した水素原子の濃度は、0.1mmol/g以上17mmol/g以下であることが望ましく、耐溶剤性の観点から0.1mmol/g以上、更に0.2mmol/g以上であることが好ましく、膜強度の観点から0.3mmol/g以上であることがより好ましい。一方、耐熱性の観点から17mmol/g以下、更に13mmol/g以下であることが好ましく、硬化収縮を小さくし、クラック耐性を向上させる観点から11mmol/g以下であることがより好ましい。
ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)の粘度は、2mPa・s以上200Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上100Pa・s以下である。2mPa・s以上であると、表面修飾金属酸化物(A)の分散維持性の点で好ましく、200Pa・s以下であると、ハンドリング性の点で好ましい。
不飽和基を有する樹脂(B)とケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)との比率は、硬化膜の強度の観点から、樹脂(B)の有する不飽和基の濃度(mmol/g)とケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)が有するケイ素に直接結合した水素原子の比率(すなわち、[ケイ素に直接結合した水素原子]/[不飽和基])として、2.0〜0.3であることが好ましく、1.8〜0.5であることがより好ましい。上記比率は、組成物の硬化物中に残存した不飽和基が酸化して黄変の原因になることを回避するという観点、及び耐熱性の観点から、0.3以上、更に0.5以上、更に0.6以上であることが好ましく、架橋密度を向上させる観点から、2.0以下、更に1.8以下、更に1.6以下であることが更に好ましい。
硬化性触媒(E)は、ヒドロシリル化触媒(E1)を含むことが好ましい。ヒドロシリル化触媒(E1)とは、不飽和基における炭素−炭素不飽和結合部位と、ケイ素原子に直接結合した水素原子との付加反応を促進するための触媒である。ヒドロシリル化触媒(E1)としては、既知のヒドロシリル化触媒を使用できる。ヒドロシリル化触媒として、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・nH2O{式中、nは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である。}等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸;塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス;白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体又はビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。これらのヒドロシリル化触媒は、1種類で用いてもよいし、2種類以上のヒドロシリル化触媒を混合して用いてもよい。
組成物中のヒドロシリル化触媒(E1)の含有量としては、白金族金属の質量換算で、表面修飾金属酸化物(A)と、不飽和基を有する樹脂(B)と、ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)との合計量基準で0.01〜1000ppmが好ましく、0.2〜100ppmがより好ましい。該含有量は、0.01ppm以上であることが反応効率の点で好ましく、1000ppm以下であることが、硬化物の透明性の点で好ましい。
樹脂(C)及び硬化性触媒(E)を含む組成物は、各種の添加剤を更に含んでもよい。添加剤としては、接着補助剤、硬化遅延剤、追加の樹脂(熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂)、酸化防止剤、並びに紫外線吸収剤から選ばれる1種以上を例示できる。
チオール基を有する樹脂(D)は、分子中のチオール基を少なくとも1つ有し、分子中に2つ以上のチオール基を有することが硬化膜強度を向上させる点から好ましい。樹脂(D)は単量体でも重合体でもよい。
樹脂(D)が有するチオール基は、本開示では、無置換チオール基(すなわち−SH基)及び置換チオール基(例えば以下に列挙するもの)を包含することを意図する。本開示で、置換チオール基とは、無置換チオール基の水素が、置換又は無置換のアルキル基等の他の基に置換されている基を意図する。置換チオール基としては、置換又は無置換のアルキルチオ基としてメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、iso−ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ノニルチオ基等の総炭素数1以上〜10以下の直鎖又は分岐のアルキルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等の総炭素数5以上〜10以下のシクロアルキルチオ基、メトキシエチルチオ基、エトキシエチルチオ基、n−プロポキシエチルチオ基、iso−プロポキシエチルチオ基、n−ブトキシエチルチオ基、iso−ブトキシエチルチオ基、tert−ブトキシエチルチオ基、n−ペンチルオキシエチルチオ基、iso−ペンチルオキシエチルチオ基、n−ヘキシルオキシエチルチオ基、iso−ヘキシルオキシエチルチオ基、n−ヘプチルオキシエチルチオ基等の総炭素数12 以上〜10以下のアルコキシアルキルチオ基、ベンジルチオ基等のアラルキルチオ基、メチルチオエチルチオ基、エチルチオエチルチオ基、n−プロピルチオエチルチオ基、iso−プロピルチオエチルチオ基、n−ブチルチオエチルチオ基、iso−ブチルチオエチルチオ基、tert−ブチルチオエチルチオ基、n−ペンチルチオエチルチオ基、iso−ペンチルチオエチルチオ基、n−ヘキシルチオエチルチオ基、iso−ヘキシルチオエチルチオ基、n−ヘプチルチオエチルチオ基等の総炭素数12以上 〜10以下のアルキルチオアルキルチオ基、置換又は無置換のアリールチオ基としてフェニルチオ基、ナフチルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−エチルフェニルチオ基、プロピルフェニルチオ基、ブチルフェニルチオ基、ヘキシルフェニルチオ基、シクロヘキシルフェニルチオ基、2,4−ジメチルフェニルチオ基、2,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基等の総炭素数12以下の無置換又はアルキル置換アリールチオ基、2−メトキシフェニルチオ基、3−メトキシフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基、2−エトキシフェニルチオ基、プロポキシフェニルチオ基、ブトキシフェニルチオ基、ヘキシルオキシフェニルチオ基、シクロヘキシルオキシフェニルチオ基等の炭素数6以下の置換又は無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のモノアルコキシアリールチオ基、2,3−ジメトキシフェニルチオ基、2,4−ジメトキシフェニルチオ基、2,5−ジメトキシフェニルチオ基、2,6−ジメトキシフェニルチオ基、3,4−ジメトキシフェニルチオ基、3,5−ジメトキシフェニルチオ基、3,6−ジメトキシフェニルチオ基、4,5−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,7−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、4,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−1−ナフチルチオ基、5,8−ジメトキシ−2−ナフチルチオ基等の炭素数6以下の置換又は無置換のアルキルオキシ基が置換した総炭素数12以下のジアルコキシアリールチオ基、クロロフェニルチオ基、ジクロロフェニルチオ基、トリクロロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ジブロモフェニルチオ基、ヨードフェニルチオ基、フルオロフェニルチオ基、クロロナフチルチオ基、ブロモナフチルチオ基、ジフルオロフェニルチオ基、トリフルオロフェニルチオ基、テトラフルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等のハロゲン原子で置換された総炭素数12以下のアリールチオ基等が挙げられるであ。り、耐熱性の観点から、置換又は無置換のアルキルチオ基としてメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、iso−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、iso−ヘキシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、3,5,5−トリメチルヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ノニルチオ基等の総炭素数1〜10以下の直鎖又は分岐のアルキルチオ基が好ましく、さらに屈折率の観点からメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基がより好ましい。
チオール基を有する樹脂(D)として好適な具体的な化合物としては、耐熱性に優れる点で、飽和若しくは不飽和炭化水素系のチオール化合物が挙げられ、例えばメタンジチオール、1,1−エタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、2,3−ブタンジチオール、1,2−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、1,3,5−ベンゼントリチオール等が挙げられる。これらの樹脂(D)としては、例えば上記の化合物をそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂(D)が重合体である場合、耐熱性、及び耐光性の観点から、SiO1/2,SiO2/2,SiO3/2,又はSiO4/2で表されるシリコーンの単位骨格を有していることがより好ましい。
チオール基を有する樹脂(D)に含まれるチオール基濃度は、0.1mmol/g以上25mol/g以下であることが望ましく、耐溶剤性の観点から0.1mmol/g以上、更に0.2mmol/g以上であることが好ましく、膜強度の観点から0.3mmol/g以上であることがより好ましい。一方、耐熱性の観点から25mmol/g以下、更に24mmol/g以下であることが好ましく、硬化収縮を小さくし、クラック耐性を向上させる観点から20mmol/g以下であることがより好ましい。
チオール基を有する樹脂(D)の重量平均分子量は、好ましくは150以上20,000以下であり、更に好ましくは200以上15,000以下である。本開示において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で、標準PMMAを換算して求められる値である。樹脂(D)の重量平均分子量が150以上であると、耐熱性及び硬化性の観点から好ましく、20,000以下であると粘度が低くなりハンドリング性が向上する点で好ましい。
チオール基を有する樹脂(D)の粘度は、2mPa・s以上200Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上100Pa・s以下である。2mPa・s以上であると、表面修飾金属酸化物(A)の分散維持性の点で好ましく、200Pa・s以下であると、ハンドリング性の点で好ましい。
不飽和基を有する樹脂(B)とチオール基を有する樹脂(D)との比率としては、樹脂(B)が有する不飽和基の濃度(mmol/g)とチオール基を有する樹脂(D)が有するチオール基濃度との比率である[チオール基]/[不飽和基]として、2.0〜0.3であることが好ましく、硬化膜の強度の観点から1.8〜0.5であることがより好ましい。残存した不飽和基が酸化し、黄変の原因になることを回避する観点、及び耐熱性の観点から、上記比率は0.6以上であることが更に好ましく、架橋密度を向上させる観点から1.6以下であることが更に好ましい。
チオール基を有する樹脂(D)を用いる場合、硬化性触媒(E)がラジカル発生剤(E2)を含むことは、樹脂(B)が有する炭素−炭素不飽和結合部位と樹脂(D)が有するチオール基とのラジカル成長−連鎖移動反応に寄与する。この反応は、無触媒下であっても、熱又は紫外線によって自発的に進行するため、必ずしもラジカル発生剤を用いる必要はないが、ラジカル発生剤を用いることで反応速度が著しく向上し、硬化物の分子量が向上し、機械特性及び耐熱、耐光性が向上するという観点から、ラジカル発生剤を用いることが好ましい。
本実施形態において用いることができるラジカル発生剤(E2)としては、熱ラジカル発生剤、光ラジカル発生剤が挙げられる。熱ラジカル発生剤は、熱によってラジカルを発生するものであれば特に制限されない。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、及びクメンヒドロパーオキサイドのような有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物が挙げられる。具体的には、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬製)2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(V−60、和光純薬製)、及び2,2‘’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59、和光純薬製)等のアゾニトリル化合物;オクタノイルパーオキシド(パーロイル(登録商標)O、日油製)、ラウロイルパーオキシド(パーロイル(登録商標)L、日油製)、ステアロイルパーオキシド(パーロイル(登録商標)S、日油製)、スクシニックアシッドパーオキシド(パーロイル(登録商標)SA、日油製)、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパー(登録商標)BW、日油製)、イソブチリルパーオキサイド(パーロイル(登録商標)IB、日油製)、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド(ナイパー(登録商標)CS、日油製)、及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド(パーロイル(登録商標)355、日油製)等のジアシルパーオキサイド類;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(パーロイル(登録商標)NPP−50M、日油製)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(パーロイル(登録商標)IPP−50、日油製)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(パーロイル(登録商標)TCP、日油製)、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート(パーロイル(登録商標)EEP、日油製)、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート(パーロイル(登録商標)OPP、日油製)、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート(パーロイル(登録商標)MBP、日油製)、及びジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート(パーロイル(登録商標)SOP、日油製)等のパーオキシジカーボネート類;t−ブチルヒドロパーオキサイド(パーブチル(登録商標)H−69、日油製)、及び1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド(パーオクタ(登録商標)H、日油製)、等のヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド(パーブチル(登録商標)D、日油製)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ(登録商標)25B、日油製)等のジアルキルパーオキサイド類;α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(ダイパー(登録商標)ND、日油製)、クミルパーオキシネオデカノエート(パークミル(登録商標)ND、日油製)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(パーオクタ(登録商標)ND、日油製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート(パーシクロ(登録商標)ND、日油製)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(パーヘキシル(登録商標)ND、日油製)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(パーブチル(登録商標)ND、日油製)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(パーヘキシル(登録商標)PV、日油製)、t−ブチルパーオキシピバレート(パーブチル(登録商標)PV、日油製)、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーオクタ(登録商標)O、日油製)2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ(登録商標)250、日油製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーシクロ(登録商標)O、日油製)、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーヘキシル(登録商標)O、日油製)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーブチル(登録商標)O、日油製)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(パーブチル(登録商標)IB、日油製)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーヘキシル(登録商標)I、日油製)、及びt−ブチルパーオキシマレイックアシッド(パーブチル(登録商標)MA、日油製)、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(トリゴノックス(登録商標)121、化薬アクゾ製)、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート(カヤエステル(登録商標)AN、化薬アクゾ製)等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。また、これら熱ラジカル発生剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光ラジカル発生剤は、光によってラジカルを発生するものであれば特に制限されないが、好ましいものとしては365nmの波長の光に対する吸収を持つ以下の化合物が挙げられる。
(1)ベンゾフェノン誘導体;例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等
(2)アセトフェノン誘導体;例えば、トリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチル、(2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン)(BASF株式会社製IRGACURE(登録商標)127)等
(3)チオキサントン誘導体;例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等
(4)ベンジル誘導体;例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等
(5)ベンゾイン誘導体;例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オン等
(6)オキシム系化合物;例えば、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF株式会社製IRGACURE(登録商標)OXE−01)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASF株式会社製IRGACURE(登録商標)OXE02)等
(7)α−ヒドロキシケトン系化合物;例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン等
(8)α−アミノアルキルフェノン系化合物;例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASF株式会社製IRGACURE(登録商標)369)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン等
(9)フォスフィンオキサイド系化合物;例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF株式会社製DAOCURE(登録商標)TPO)等
(10)チタノセン化合物;例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム等
(11)ベンゾエイト誘導体;例えば、エチル−p−(N,N−ジメチルアミノベンゾエイト)等
(12)アクリジン誘導体;例えば、9−フェニルアクリジン等
これら光ラジカル発生剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、熱ラジカル発生剤と光ラジカル発生剤を混合して使用しても良い。
ラジカル発生剤(E2)の量としては、表面修飾金属酸化物(A)と樹脂(B)と樹脂(D)との合計質量100質量部を基準として、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.23質量部以上5質量部以下がより好ましい。更に好ましくは0.32質量部以上3質量部以下である。0.1質量部以上であると硬化が良好に進行するため好ましく、10質量部以下であると、光又は熱による硬化後の硬化物に着色が少ないため好ましい。
また、組成物の安定性をより向上させるため、ラジカル反応を抑制する化合物を重合抑制剤として配合できる。特に、先にあげたラジカル発生剤を用いる場合には組成物の安定性が低下する傾向にあるため、このような化合物を併用することが好ましい。このような化合物としては、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等のリン系化合物;p−メトキシフェノ−ル、ハイドロキノン、ピロガロ−ル、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコ−ル、塩化第一銅、2、6ージ−tert−ブチル−p−クレゾ−ル、2、2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ−ル)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等のラジカル重合禁止剤;ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、ジアザビシクロウンデセン等の三級アミン類;2-メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチルへキシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダール等のイミダゾール類があげられる。
リン系化合物のうち、亜リン酸トリフェニルはラジカル反応の抑制効果が高く、かつ室温で液状であり取り扱いが容易であるため好ましい。リン系化合物(特に亜リン酸トリフェニル)を組成物に配合する場合には、リン系化合物(特に亜リン酸トリフェニル)の量は、表面修飾金属酸化物(A)と樹脂(B)と樹脂(D)との合計質量100質量部に対して、ラジカル反応を抑制する効果の観点から0.1質量部以上が好ましく、硬化性の観点から10質量部以下であることが好ましい。
ラジカル重合禁止剤のうち、ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩は少量でもラジカル反応の抑制効果が高く、かつ得られる硬化物の色調に優れるため好ましい。ラジカル重合禁止剤(特にニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)を組成物に配合する場合には、ラジカル重合禁止剤(特にニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)の量は、表面修飾金属酸化物(A)と樹脂(B)と樹脂(D)との合計質量100質量部に対して、ラジカル重合抑制効果の観点から0.0001質量部以上が好ましく、硬化性の観点から0.1質量部以下であることが好ましい。
三級アミン類のうち、ベンジルジメチルアミンは少量でもラジカル反応の抑制効果が高く、かつ室温で液状であり取り扱いが容易であるため好ましい。三級アミン類(特にベンジルジメチルアミン)を、組成物に配合する場合には、三級アミン類(特にベンジルジメチルアミン)の量は、表面修飾金属酸化物(A)と樹脂(B)と樹脂(D)の合計質量100質量部に対して、ラジカル重合抑制性の観点から0.001質量部以上が好ましく、耐熱性の観点から5質量部以下であることが好ましい。
本実施形態の組成物には、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤、着色剤、架橋剤、分散助剤、可塑剤、難燃剤等を配合することもできる。これらの材料は公知の方法、例えば遠心分離等を用いて組成物の他の成分と混合し、得られた混合物を公知の方法、例えば真空脱泡等で泡抜きすることが好ましい。
<溶剤>
また、本実施形態の組成物には必要に応じて溶剤を添加することができる。溶剤としては、従来公知のものを任意に用いることができる。硬化、成形時の発泡、及び硬化物中の溶剤の残存を防止するため、溶剤の含有量は、組成物の固形分100質量部に対し、1900質量部以下であることが好ましく、900質量部以下であることがより好ましい。上記溶剤の含有量は、組成物の固形分100質量部に対し、50質量部以上、更に1100質量部以上であってよい。
<分散体>
本開示はまた、前述した粒子(1)と、分散媒とを含む分散体を提供する。分散媒としては、上記の溶剤と同様の従来公知のものを任意に用いることができる。分散媒の量は、粒子(1)100質量部に対して、塗膜性の観点から、好ましくは1900質量部以下、より好ましくは1500質量部以下であり、塗膜性の観点から、好ましくは100質量部以上、より好ましくは150質量部以上である。該分散体は、前述の組成物の調製に好適に使用できる。又は、該分散体と必要に応じて硬化性触媒とを用いて硬化物を形成することもできる。
<透明複合材>
本実施形態の別の態様は、上述した組成物の硬化物を含む透明複合材である。好ましい態様において、透明複合材は周期的な凹凸構造を有する。周期的な凹凸構造としては、凹凸構造層について後述するようなものを例示できる。
典型的な態様において、透明複合材は、本開示の組成物を透明基材に上に塗工することにより製造できる。塗工方法としては、スピンコーター、バーコーター、キャピラリーコーター、R&Rコーター、スロットダイコーター、リップコーター、コンマコーター、グラビアコーター等の方法を用いることができる。生産性及び膜厚の観点から、グラビアコーター、キャピラリーコーター、又はリップコーターによる塗工が好ましい。透明基材としては、ガラス、サファイア、PET、TAC、PEN、アクリル樹脂等を例示できる。
透明複合材は、透明基材上の、本実施形態において開示される組成物を乾燥、加熱、若しくは露光することにより、又は乾燥・露光した後加熱することにより得ることができる。
製造される透明複合材の膜厚としては、1nmから100μm程度が好ましく、成形加工性の観点から2nm以上が好ましく、より好ましくは5nm以上である。また、透明性の観点から50μm以下がより好ましく、耐クラック性の観点から30μm以下が更に好ましい。
透明複合材を製造する際の硬化温度は種々設定できるが、硬化速度と成形加工性との点から30℃〜300℃が好ましく、70℃〜200℃がさらに好ましい。
硬化は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階的又は連続的に温度を変化させてもよい。硬化を一定の温度で行うよりも、多段階的又は連続的に温度を上昇させながら反応させた方が、歪の少ない均一な硬化物が得られやすくクラックが発生しにくいという点において好ましい。
光による硬化処理を行う場合には、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線等を使用できる。光源としては、例えば、低圧若しくは高圧の水銀ランプ、重水素ランプ、又はアルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスの放電光、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、又はXeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF若しくはArCl等のエキシマレーザー等を使用することができる。これらの光源の出力は、10〜5,000Wであることが好ましい。
<凹凸構造層>
本開示の組成物の用途の一例として、特にこれに制限されるものではないが、半導体発光素子の輝度向上のための素子表面に形成された凹凸微細構造層としての利用が挙げられる。例えば、このような凹凸構造層を透明基材上に形成することにより、前述の透明複合材を形成できる。
凹凸構造の形状は複数の柵状体が配列したラインアンドスペース構造、複数のドット(凸部、突起)状構造が配列したドット構造、及び複数のホール(凹部)状構造が配列したホール構造を採用できる。ドット構造やホール構造は、例えば、円錐、円柱、円錐台形、四角錐、四角柱、六角錐、六角柱、多角錐、多角柱、及び二重リング状、多重リング状の構造が挙げられる。なお、これらの形状は底面の外径が歪んだ形状や、側面が湾曲した形状を含む。なお、ドット構造とは、複数の凸部が互いに独立して配置された構造である。即ち、各凸部は連続した凹部により隔てられる。なお、各凸部は連続した凹部により滑らかに接続されてもよい。一方、ホール構造とは、複数の凹部が互いに独立して配置された構造である。即ち、各凹部は連続した凸部により隔てられる。なお、各凹部は連続した凸部により滑らかに接続されてもよい。凹凸構造層は、典型的には、凹凸構造として多数の突起を有する。突起は、周期的な配置であっても、周期的な配置でなくてもよく、長期的な秩序を持っていてもよい。周期的な凹凸構造としては、正六方配列、六方配列、準六方配列、準四方配列、四方配列、及び正四方配列などが例示されるが、これらに限定されるものではない。また、各突起の形状は、同じでも異なっていてもよい。各々の突起に関して、頂部と底部とを画定できる。凹凸構造の大きさとしては、凹凸構造の幅(典型的には、上記突起における底部の幅)が発光層の発光波長と同程度かそれ以下であることが好ましく、また凹凸構造の高さ(典型的には、上記突起における底部から頂部までの高さ)が発光層の発光波と同程度かそれ以上のものであることが好ましい。この場合、発光素子と周囲の封止部材との界面でのこれらの間の屈折率差がより緩和されて光の反射が抑制されるとともに、光散乱の効果が良好に得られる。 その結果、凹凸構造が存在しない場合に、発光素子と周囲の封止部材との界面で臨界角を超えて全反射し、透明層や半導体層の内部に閉じ込められていた光も、凹凸構造の存在で光の進行方向が変化するために、臨界角以内に入る割合が増加することによって光取り出し量が向上する。
特に、凹凸構造の高さ(典型的には、上記突起における底部から頂部までの高さ)は、50nm以上が好ましく、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは200nm以上、より更に好ましくは350nm以上である。また、凹凸構造層における凹凸構造の高さは、1500nm以下であることが好ましく、より好ましくは1300nm以下、更に好ましくは1200nm以下である。凹凸構造の高さが50nm以上である場合、発光素子と周囲の封止部材との界面でのこれらの間の屈折率差がより緩和されて光の反射が抑制されるとともに、光散乱の効果が良好に得られる。 その結果、凹凸構造が存在しない場合に、発光素子と周囲の封止部材との界面で臨界角を超えて全反射し、透明層や半導体層の内部に閉じ込められていた光も、凹凸構造の存在で光の進行方向が変化するために、臨界角以内に入る割合が増加することによって光取り出し量が向上する。1500nm以下である場合、生産性の点で有利である。
凹凸構造層の屈折率は、半導体発光素子において用いられる基板により近い屈折率が好ましく、光取出し効率の点から1.50以上であることが好ましく、1.60以上であることがより好ましく、1.70以上であることが更に好ましい。該屈折率は、凹凸微細構造層の透明性の点から、好ましくは2.00以下であり、更に好ましくは1.95以下である。
所望の凹凸が形成された構造層は、種々の方法、例えば、平滑膜を形成した後にエッチングする方法、未硬化塗布膜への凹凸形成、賦形モールドを用いて凹凸を転写した後に乾燥又は光若しくは熱による硬化を経る方法、プレス加工、射出成形等の公知の加工方法、等により形成できる。また、凹凸が形成された構造を有する光学シートを別に作製し、基板に張り付けることでも形成できる。この光学シートは、種々の方法、例えば、基板をエッチングする方法、平滑膜を形成した後にエッチングする方法、未硬化塗布膜への凹凸形成、賦形モールドを用いて凹凸を転写した後に乾燥又は光若しくは熱による硬化を経る方法、プレス加工、射出成形等の公知の加工方法、等により形成できる。この中でも、光学シートを基板に張り付ける方法が、生産性の観点で有利である。この光学シートが、凹凸が形成された構造域と隙間路を有する光学シートである場合、発光素子個片化に伴うダイシングの生産性を高めることが可能となり好ましい。
基板の所望の位置に凹凸構造を形成するための位置合わせには、公知の方法を用いることができる。例えば、基板のオリフラ、又は刻印を目印に、マスクを配置する方法、凹凸賦形モールドを配置する方法、シートを張り付ける方法などがある。シートを張り付ける方法を用いる場合には、シートに刻印をつけておくこともできる。シートに刻印をつける方法を用いると、位置合わせを簡便に行うことができ、生産性の観点で有利である。
<光学素子>
本発明の別の態様は、上記透明複合材を含む光学素子を提供する。
光学素子は発光層、基板、及び上記に開示された凹凸構造層からなる積層体を個片化されることで製造できる。上記の発光素子は、界面での全反射による光のロスが低減されることで光取り出し効率が向上する点で好ましい。
(発光層)
発光層の構成は、半導体発光素子において一般的なものを採用することができ特に限定されないが、例えばGaN系半導体発光層を用いることができる。GaN系半導体発光層は、n−半導体層、p−半導体層、導電層、電極等から構成されている。n−半導体層は、第1のn型クラッド層としてのGaN層及び第2のn型クラッド層としてのIn0.02Ga0.98N層の積層体等である。なお、半導体発光素子の構成としては、ホモ構造、ヘテロ構造若しくはダブルへテロ構造のものを用いることができる。さらに、量子井戸構造(単一量子井戸構造若しくは多重量子井戸構造)を採用することもできる。
発光層の形成方法は、半導体発光素子において一般的なものを採用でき特に限定されないが、例えば周知の窒化物系化合物半導体で構成される半導体層を、周知の有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線結晶成長法(MBE法)、ハライド系気相成長法(HVPE法)、スパッタ法、イオンプレーティング法、電子シャワー法等によって形成することができる。
(基板)
基板は、GaN等のガリウム窒化物、炭化珪素、シリコン等の半導体基板、サファイア、スピネル、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の酸化物基板、及びホウ化ジルコニウム等を用いることができる。汎用性の点から、GaN、炭化ケイ素、及びサファイアが好ましく、生産性の点からサファイアが特に好ましい。
(発光素子の製造方法)
上記積層体を発光素子に個片化する方法として、ダイシングを用いることができる。ダイシングの種類としては、機械的に基板を切断するブレードダイシング、レーザーを用いて基板表面でアブレーションを起こさせて基板を切断する方法、レーザーで基板内部に改質層を形成し割断するダイシング等の公知の手法が用いられる。レーザーで基板内部に改質層を形成し割断するダイシングを用いる場合、切除除去エリアが小さく、カケが発生しにくいため生産性の観点で有利である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の例にて合成した表面修飾剤(b)、金属酸化物(c)及び表面修飾金属酸化物(A)について、以下の(1)〜(5)に従って測定を行った。
(1)合成した表面修飾剤(b)の構造同定
合成した表面修飾剤(b)を重クロロホルムに溶解し、1HNMR(日本電子製NMR(核磁気共鳴)装置GSX400)を用いて、パルス幅を0.5秒、待ち時間を2秒、積算回数を16回として積算を行った。
(2)金属酸化物(c)の粒子径の測定
粒子分散液を微細試料捕獲用の膜(コロジオン膜)上に滴下、乾燥後、日本電子製2000−FX透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた観察を行い、50個の粒子の一次粒子径の数平均を算出した。
(3)金属酸化物(c)の粒子の同定
粒子分散液を一部乾燥させてリガク製X線回折装置RU−200Xを用いて粉末X線回折を行い、文献記載の回折パターンから同定した。
(4)表面修飾金属酸化物(A)中の金属酸化物(c)の体積割合の測定、及び(A)の密度の測定
上記体積割合、及び密度は、表面修飾剤(a)及び(b)の密度を1g/mL、金属酸化物(c)の密度を文献値、すなわち酸化チタンであれば4.27、酸化ジルコニウムであれば5.67、チタン酸バリウムであれば6.02g/mLとし、下式により計算した。
金属酸化物(c)の体積割合=(金属酸化物(c)の質量/金属酸化物(c)の密度)/{表面修飾剤(a)の質量/表面修飾剤(a)の密度)+表面修飾剤(b)の質量/表面修飾剤(b)の密度)+金属酸化物(c)の質量/金属酸化物(c)の密度)}
上記計算に用いる、実際に金属酸化物(c)の表面に修飾された表面修飾剤(a)及び(b)の量は、表面修飾金属酸化物(A)を重THFに分散させ、トルエンを内標とし、1H−NMRを測定することにより定量した。調製したサンプル溶液の1H−NMR測定結果から、(a)に対応する官能基の水素原子のピーク面積(3H)、又は(b)に対応する官能基の水素原子のピーク面積(すなわちD−TMSを用いた場合のSiCH3基21H)と、トルエンのベンゼン環のピーク面積(5H)との比より、表面修飾金属酸化物(A)1g当りの表面修飾剤(a)及び(b)の導入量を定量した。また二重結合のピーク((a)に対応する官能基の水素原子のピーク面積(3H))から表面修飾金属酸化物(A)中の不飽和官能基濃度を算出した。
(5)表面修飾金属酸化物(A)の屈折率の測定
表面修飾金属酸化物(A)の屈折率は下記式(Maxwell−Garnettの式)を用いて概算した。
分散液の屈折率=表面修飾剤の屈折率×[金属酸化物(c)の屈折率×(1+2×金属酸化物(c)の体積分率)−表面修飾剤の屈折率)×(2×金属酸化物(c)の体積分率―2)]/[(表面修飾剤の屈折率)×(2+金属酸化物(c)の体積分率)+金属酸化物(c)の屈折率×(1−金属酸化物(c)の体積分率)]
有機溶媒中(メチルイソブチルケトン、若しくはテトラヒドロフラン中)に濃度の異なる表面修飾金属酸化物(A)、1.5体積%、3体積%、5体積%、又は8体積%を分散させた分散液を用いて、Abbe屈折率計で波長589nmの屈折率を測定した。屈折率を有機溶剤に対する表面修飾金属酸化物(A)の濃度に対してプロットし、表面修飾金属酸化物(A)の濃度を100体積%に外挿した値を表面修飾金属酸化物(A)の屈折率として計算した。
[合成例1]
窒素雰囲気下に置換した容量2Lのセパラブルフラスコにトルエン(和光純薬製、脱水)800g、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン128.6g(東京化成製)、トリメトキシビニルシラン71.4g(東京化成製)、を秤量し、白金のテトラメチルジビニルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)の2wt%キシレン溶液(Gelest製)110μLを加えた。還流管をセットし、窒素雰囲気下で、オイルバスを用いて60℃で加熱反応させた。8時間後、室温まで空冷した。GCによるトリメトキシビニルシランの転化率は100%であった。エバポレータを用いて4kPa、70℃でトルエンを留去した。さらに0.57kPa、120℃で減圧蒸留(沸点103℃、0.57kPa)を行い精製し、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルエチルトリメトキシシラン(D−TMS)を得た。1H−NMRにより同定したビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルエチルトリメトキシシランとビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルエチルトリメトキシシランの生成比率は物質量比で90:10であり、GCにより測定した純度は99%であった。
[合成例2]
窒素雰囲気下に置換した容量2Lのセパラブルフラスコにトルエン(和光純薬製、脱水)800g、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン134.4g(東京化成製)、ジメトキシメチルビニルシラン65.6g(東京化成製)、を秤量し、白金のテトラメチルジビニルジシロキサン錯体(Karstedt触媒)の2wt%キシレン溶液(Gelest製)110μLを加えた。還流管をセットし、窒素雰囲気下で、オイルバスを用いて60℃で加熱反応させた。8時間後、室温まで空冷した。GCによるトリメトキシビニルシランの転化率は100%であった。エバポレータを用いて4kPa、70℃でトルエンを留去した。さらに0.57kPa、120℃で減圧蒸留を行い精製し、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルエチルジメトキメチルシシラン(D−DMS)を得た。1H−NMRにより同定したビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルエチルジメトキシメチルシランとビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルエチルジメトキシメチルシランの生成比率は物質量比で89:11であり、GCにより測定した純度は99%であった。
[合成例3]
窒素雰囲気下に置換した容量1Lのセパラブルフラスコに、2−メトキシエタノール(和光純薬製、純度99%以上)500mLを入れた。窒素雰囲気下で、2時間窒素で2−メトキシエタノールをバブリングすることにより脱気した。そこに金属バリウム54.9g(0.4M)(関東化学製、純度99%以上)、テトラエトキシチタン83.7mL(0.4M)(東京化学製、純度97%以上)を入れ、撹拌しながら130℃で2時間加熱し、金属バリウムとテトラエトキシチタンとを完全に溶解させた。2時間後、イオン交換水144mLを2−メトキシエタノールで溶解した液をN2でバブリングし、全液量が1100mLになるように加えた。オイルバスを用いて130℃で3時間撹拌してチタン酸バリウムの分散溶液を得た。TEMにより平均45nmのナノ粒子が得られ、XRD回折ピークがチタン酸バリウムに一致することを確認した。
[合成例4]
300mLの三口フラスコ中にSRD−M(堺化学製、17質量%酸化チタンメタノール分散液)50g、合成例1で合成したD−TMS6.99g、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)(東京化成製)2.81gを入れた。1Nの水酸化ナトリウム水溶液1.22gをゆっくりと滴下し、20℃で24h攪拌した。得られた溶液をアセトン250g中に再沈し、11,000rpmで10分間、遠心分離を行い、上澄み液を除去した。さらにアセトン115gを追加し、懸濁させ、再度遠心分離で表面修飾された酸化チタンを沈殿した。洗浄アセトンを除去し、メチルイソブチルケトン(MIBK)(和光純薬製)120gを追加し、超音波中で再分散させた。エバポレータを用いて残アセトンを除去し、15質量%のMIBKの表面修飾金属酸化物分散液を得た。各特性は表1に記載した。
[合成例5]
300mLの三口フラスコ中にSZR−M(堺化学製、33質量%酸化ジルコニウムメタノール分散液)50g、D−TMS15.45g、ビニルトリメトキシシラン(東京化成製)2.06gを入れた。1Nの水酸化ナトリウム水溶液0.60gをゆっくりと滴下し、20℃で24h攪拌した。得られた溶液をアセトン250g中に再沈し、11,000rpmで10分間、遠心分離を行い、上澄み液を除去した。さらにアセトン115gを追加し、懸濁させ、再度遠心分離で表面修飾された酸化チタンを沈殿した。洗浄アセトンを除去し、テトラヒドロフラン(THF)(和光純薬製)120gを追加し、超音波中で再分散させた。エバポレータを用いて残アセトンを除去し、20質量%のTHFの表面修飾金属酸化物分散液を得た。各特性は表1に記載した。
[合成例6]
合成例3のチタン酸バリウム分散液50gを用いた以外は、合成例4に準じた。
[合成例7]
D−TMSからD−DMS9.98gに変えた以外は合成例4に準じた。
[合成例8]
D−TMSを10.48gとし、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)に代えて3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)2.34gを用いた以外は合成例4に準じた。
[合成例9]
D−TMSを10.48gとし、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)に代えてp−スチリルトリメトキシシラン2.11gを用いた以外は合成例4に準じた。
[合成例10]
使用する表面修飾剤を、D−TMS 13.98gとし、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)を使用しなかった以外は合成例4に準じた。
[合成例11]
D−TMSを用いず、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)を5.59gに変えた以外は合成例4に準じた
[合成例12]
表面処理剤として、D−TMS、及びビニルトリメトキシシラン(VTMS)を用いず、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)を9.36g用いた以外は合成例5に準じた。
[合成例13]
窒素雰囲気下に置換した容量2Lのセパラブルフラスコにトルエン(和光純薬製、脱水)を800g、トリメチルビニルシラン(東京化成製)73.5g、トリエトキシシラン(東京化成製)126.5gを秤量し、還流管をセットし、窒素雰囲気下で、オイルバスを用いて60℃で加熱反応した。2時間後、室温まで空冷した。GCによるトリメチルビニルシランの転化率は100%であった。エバポレータを用いて4kPa、70℃でトルエンを留去した。さらに0.3kPa、90℃で減圧蒸留(沸点 65℃、0.3kPa)を行い精製し、トリメチルシリルエチルトリエトキシシランを得た。1H−NMRにより同定した2−トリメチルシリルエチルトリエトキシシランと1−トリメチルシリルエチルトリエトキシシランの生成比率は物質量比で87:13であった。
[合成例14]
表面修飾剤を合成例13で合成したトリメチルシリルエチルトリエトキシシラン4.98g、及びビニルトリメトキシシラン(VTMS)(東京化成製)2.81gに変えた以外は合成例4に準じた。
[合成例15]
表面修飾剤をD−TMS15.45g、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)4.68gに変えた以外は合成例5に準じた。
以下の例にて調製した組成物、及びその硬化物について以下の(6)〜(9)に従って測定を行った。
(6)屈折率の測定
シリコンウェハ上に、各実施例に対応する組成物を、スピンコーターを用いて10nm厚に塗布し、120℃で60分加熱・硬化(若しくは光開始剤を入れたものに関しては1,000 mJ/cm2で露光・硬化)し、自動エリプソメーター(溝尻光学工業所製、DVA−36LA)で波長589nmにおける屈折率を測定した。
(7)透明性
5cm□のガラス基板の上に膜厚1μmの厚みで組成物を塗布し、120℃で60分加熱・硬化(若しくは光開始剤を入れたものに関しては1,000 mJ/cm2で露光・硬化)した。島津製作所製の紫外可視光分光光度計 UV−1600PCを用いて、波長800nm〜300nmにおける透過率を測定し、400nmでの透過率が80%以上のものを○、80%以下のものを×とした。
(8)耐熱性
5cm□のガラス基板の上に膜厚1μmの厚みで組成物を塗布し、130℃で60分加熱・硬化(若しくは光開始剤を入れたものに関しては1,000 mJ/cm2で露光・硬化)した。大気下120℃のオーブン中で400時間耐熱試験を行った。0時間のYI(E313)と400時間後のYI(E313)を分光測色計CM−3600(コニカミノルタ製)で測定し、そのYI(313)の差をΔYIとし、ΔYIが1以下のものを○、1を超え3以下のものを△、3を超え5以上のものを×とした。
(9)耐光性
5cm□のガラス基板の上に膜厚1μmの厚みで組成物を塗布し、120℃で60分加熱・硬化(若しくは光開始剤を入れたものに関しては1,000 mJ/cm2で露光・硬化)した。得られた硬化物を、7Wの365nmのUV−LED光源で、50℃で、144時間曝露試験を行った。0時間のYI(E313)と400時間後のYI(E313)を分光測色計CM−3600(コニカミノルタ製)で測定し、そのYI(313)の差をΔYIとし、ΔYIが1以下のものを○、1を超え4以下のものを△、4を超え5以上のものを×とした。
[実施例1]
合成例4の表面修飾酸化チタンナノ粒子MIBK15質量%分散液を10g、DMS−V05(Gelest製)0.132g、2,4,6,8,10−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタオキサ−2,4,6,8,10−ペンタシラシクロデカン(Aldrich製)0.0269g、(2−エチル−1−ヒドロキシヘキシル)アセチレン(東京化成)1.97mg、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)錯体溶液(Aldrich製)2wt%キシレン溶液をPt純分で固形物に対して3ppmになるよう、組成物をよく混合し、均一溶液にすることで組成物を調合した。5cm□のガラス基板上にバーコータを用いて硬化後1μm厚みで塗布し、120℃で2時間硬化することで透明複合材薄膜を得た。
[実施例2]〜[実施例3]及び[実施例8]〜[実施例9]
調製法及び硬化は実施例1に準じ、表1の配合割合で組成物を調製し、熱硬化した。
[実施例4]
合成例7の表面修飾酸化チタンナノ粒子MIBK20質量%分散液を10g、1,3−ベンゼンジチオール(アルドリッチ製)0.184gにテトラビニルシラン0.073g(信越シリコーン製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィンオキシド(Irgacure(登録商標)819(BASF(株)製))0.04g、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩(和光純薬工業(株)製:商品名「Q−1301」)0.06mgを配合し、よく混合し組成物を得た。5cm□のガラス基板上にバーコータを用いて硬化後1μm厚みで塗布し、メタルハライドランプ(フュージョンUVシステムズ・ジャパン製CV−110Q−G)を用いて1000mJ/cm2の光量で紫外線照射し、透明複合材薄膜を得た。
[実施例5]〜[実施例7]及び実施例10
調製法及び硬化は実施例4に準じ、表1の配合割合で組成物を調製し、光硬化した。
[比較例1]〜[比較例2]
調製法及び硬化は実施例1に準じ、表1の配合割合で組成物を調製し、熱硬化した。硬化物中で酸化チタンが沈殿し、透明な硬化膜が得られなかった。
[比較例3]
調製法及び硬化は実施例4に準じ、表1の配合割合で組成物を調製し、光硬化した。
以下の例に従って、調製した組成物の凹凸賦形構造体について以下の(10)〜(12)に従って測定を行った。
(10)凹凸微細構造層のピッチ高さとアスペクト比の測定
ダイシング後のチップを1インチSEM台にカーボンペーストを用いて貼り付け、オスミウム蒸着したものを、FE−SEM(日立ハイテク社製の電界放出形走査電子顕微鏡、SU−8010)を用いて50,000倍で観察し、凹凸微細構造層の微細構造の高さ及び幅を確認した。電子顕微鏡像において、凹凸微細構造としての突起の底部Bと頂部Tとを画定し、微細構造の高さhを求めた。また凹凸微細構造としての突起の幅wとして、アスペクト比 =h/wを求めた。
(11)光取り出し性の評価
1mm□に個片化した発光素子の上に3mmφ半球レンズ型にLED封止材(SCR1016、信越シリコーン製)を成形し、100℃で1時間、150℃で5時間加熱し、半導体発光素子を作製した。作製した半導体発光素子について、発光量の測定を行い、リファレンスに対して発光量が1.2倍以上のものを◎、1.1倍以上1.2倍未満のものを○、1.05倍以上1.1倍未満のものを△、1.05倍未満のものを×とした。
(12)光長期安定性試験
(11)で作製した素子で、Tjが180℃になるように、外部温度を85℃に設定し、100mAで通電し続けた。96時間後の半導体発光素子について、発光量の測定を行い、通電試験前に対して発光量が0.9倍以上のものを○、0.8倍以上0.9倍未満のものを△、0.8倍未満のものを×とした。
[実施例11]
上記の発光層付基板の発光層と反対側の面に、実施例1に記載の組成物を用いて表1に記載の凹凸構造を有する光学シートを張り付けることで、積層体を形成した。積層体を1mm□に個片化した発光素子を作成した。結果は表2に示した。
[実施例12]実施例2の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作製した。
[実施例13]
実施例3の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作製した。
[実施例14]
実施例4の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作製した。
[実施例15]
実施例5の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作製した。
[実施例16]
実施例6の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作製した。
[実施例17]
実施例7の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作製した。
[実施例18]
実施例8の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作成した。
[実施例19]
実施例9の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作製した。
[実施例20]
実施例10の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作製した。
[比較例4]
比較例3の組成物を用い、実施例11に準じ、凹凸構造をもつ個片化された発光素子を作製した。
Figure 0006293566
Figure 0006293566
Figure 0006293566
本発明の組成物は、発光ダイオード素子その他の光学デバイス用又は光学部品用の材料として有用である。具体的には、発光素子上の保護膜、発光素子上面の光散乱層に好適に利用可能である。

Claims (12)

  1. 粒子(1)と、樹脂(2)とを含む組成物であって、
    前記粒子(1)が、不飽和基を有する表面修飾剤(a)、及び下記一般式(1):
    123Si−Y−SiR4 n3-n (1)
    {式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換若しくは非置換のシロキシ基であり、R4は置換若しくは非置換の飽和アルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、Yは二価の結合基であり、そしてnは0〜2の整数である。}
    で表される表面修飾剤(b)を含む表面修飾剤で金属酸化物(c)を表面修飾して得られた表面修飾金属酸化物(A)を含み、
    前記金属酸化物(c)が酸化チタンであり、
    前記樹脂(2)が、分子中に不飽和基を2つ以上有する樹脂(B)を含み、
    前記粒子(1)及び前記樹脂(2)の合計に対する前記粒子(1)の体積比率が60体積%〜80体積%である、組成物。
  2. 前記樹脂(B)が有する前記不飽和基がアクリル基、メタクリル基、スチリル基、ビニル基、及びアリル基からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項に記載の組成物。
  3. 前記樹脂(2)が、ケイ素に直接結合した水素原子を有する樹脂(C)又はチオール基を有する樹脂(D)を更に含み、かつ、前記組成物が硬化性触媒(E)を更に含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記表面修飾剤(a)が有する前記不飽和基がアクリル基、メタクリル基、ビニル基、及びアリル基からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記一般式(1)におけるnが0又は1である、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記表面修飾金属酸化物(A)の屈折率が1.8以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記表面修飾金属酸化物(A)において、前記表面修飾剤(a)に由来する構造、前記表面修飾剤(b)に由来する構造及び前記金属酸化物(c)に由来する構造の合計に対する金属酸化物(c)に由来する構造の比率が70〜99体積%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記粒子(1)の平均一次粒子径が1nm〜100nmである、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物の硬化物を含む、透明複合材。
  10. 周期的な凹凸構造を有する、請求項に記載の透明複合材。
  11. 請求項又は10に記載の透明複合材を含む、光学素子。
  12. 粒子(1)、樹脂(2)及び分散媒を含む分散体であって、
    前記粒子(1)が、不飽和基を有する表面修飾剤(a)、及び下記一般式(1):
    123Si−Y−SiR4 n3-n (1)
    式中、R1、R2及びR3は、各々独立に、炭素数1〜18の炭化水素基、又は置換若しくは非置換のシロキシ基であり、R4は置換若しくは非置換の飽和アルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルコキシ基、又はアセトキシ基であり、Yは二価の結合基であり、そしてnは0〜2の整数である。}
    で表される表面修飾剤(b)を含む表面修飾剤で金属酸化物(c)表面修飾して得られた表面修飾金属酸化物(A)を含み、
    前記金属酸化物(c)が酸化チタンであり、
    前記樹脂(2)が、分子中に不飽和基を2つ以上有する樹脂(B)を含み、
    前記粒子(1)及び前記樹脂(2)の合計に対する前記粒子(1)の体積比率が60体積%〜80体積%である、分散体。
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