JP6387270B2 - 光反射材用樹脂組成物、光反射材、光半導体部品用リフレクタ、及び光半導体部品 - Google Patents
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Description
〔1〕
(A)アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を有するポリシロキサン100質
量部と、
(B)ラジカル開始剤0.1〜10質量部と、
(C)白色顔料50〜600質量部と、
を含み、
前記(A)成分が、架橋構造を含有するポリシロキサンであり、
前記(A)成分100質量部に対して、(D)シリカ385〜600質量部を、更に含み、
前記(D)成分が、平均粒子径10μm〜100μmであるシリカ粒子aと、平均粒子
径0.1μm〜1μmであるシリカ粒子bとの、2種類であって、(D)成分全体におけるシリカ粒子aの含有量が60〜98質量%であり、シリカ粒子bの含有量が2〜40質量%である、光反射材用樹脂組成物。
〔2〕
前記(A)成分100質量部に対して、(E)カップリング剤1〜40質量部を、更に
含む、〔1〕に記載の光反射材用樹脂組成物。
〔3〕
前記(E)成分が、(a)(メタ)アクリロイル基と、(b)エポキシ基、メトキシ基
、及びエトキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つと、を有するシランカップリン
グ剤である、〔2〕に記載の光反射材用樹脂組成物。
〔4〕
前記(C)成分の平均粒子径が、0.1μm〜0.3μmである、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の光反射材用樹脂組成物。
〔5〕
前記(D)成分が、表面の少なくとも一部に、アクリロイル基及び/又はメタアクリロ
イル基を有するシリカである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の光反射材用樹脂組成物。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれか一に記載の光反射材用樹脂組成物を硬化させることによって得られる光反射材。
〔7〕
前記光反射材は、成形方法として液状インジェクション成形法によって成形されたもの
である、〔6〕に記載の光反射材。
〔8〕
〔6〕又は〔7〕に記載の光反射材を備える、光半導体部品用リフレクタ。
〔9〕
〔8〕に記載の光半導体部品用リフレクタと、
光半導体素子と、
封止部材と、
を備える、光半導体部品。
(A)成分である(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサンは、(メタ)アクリロイル基及びシロキサン結合を有するポリシロキサンである。
CH2=CHSi(CH3)2O−Si(CH3)2CH=CH2
CH2=CHSi(CH3)2O−Si(CH3)2O−Si(CH3)2CH=CH2
CH2=CHSi(CH3)2O−(Si(CH3)2O)3−Si(CH3)2CH=CH2
CH2=CHSi(CH3)2O−(Si(CH3)2O)6−Si(CH3)2CH=CH2
CH2=CHSi(CH3)2O−(Si(CH3)2O)8−Si(CH3)2CH=CH2
ケイ素原子に直接結合したビニル基を2個以上有するビニル基含有オルガノポリシロキサンは、2種以上を併用してもよいし、1種単独で用いてもよい。
(B)ラジカル開始剤は、熱及び/又は光によって自らが分解し、それによって(A)成分の(メタ)アクリロイル基等をラジカル重合させ得るものであればよく、その種類は特に限定されない。(B)成分としては、熱ラジカル開始剤、光ラジカル開始剤等が挙げられる。
(C)白色顔料とは、白色を呈する顔料である。白色顔料としては、特に限定されず、例えば、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、高屈折率及び材料の入手容易性等の観点から、酸化チタンが好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の光反射材用樹脂組成物は、シリカを更に含むことが好ましい。シリカを含有することによって、硬化物のダイシング性が一層向上する。本実施形態で使用するシリカ粒子の製法は特に限定されるものではなく、例えば、破砕シリカを溶融して製造するもの、金属シリコンを爆燃法で製造するもの、アルコキシケイ素化合物をゾル−ゲル法で製造するもの等が挙げられる。
本実施形態の光反射材用樹脂組成物は、金属配線(リードフレーム)等との密着性を向上させる目的等で、(E)カップリング剤を更に含むことが好ましい。カップリング剤としては、特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
本実施形態の光反射材は、上述した光反射材用樹脂組成物を硬化させることによって得られる。硬化方法としては、例えば、紫外線照射、電子線照射、加熱による方法が挙げられる。本実施形態の光反射材用樹脂組成物の成形方法としては、例えば、光反射材用樹脂組成物又はそのタブレット成形体を、トランスファー成形やインジェクション成形によって製造する方法が挙げられるが、本実施形態の光反射材用樹脂組成物の特に好ましい成形方法は、液状インジェクション成形法(LIM)である。
本実施形態の光反射材は、光半導体部品用リフレクタ、照明器具用リフレクタ、実装基板光反射材等に使用できる。本実施形態の光反射材は、光半導体部品用リフレクタとして好適に用いることができる。特に、リフレクタの部品として用いる場合には、上述した液状インジェクション成形法によって成形されたものであることが好ましい。そして、本実施形態による光半導体部品としては、上述したリフレクタと、半導体素子と、封止部材と、を備える半導体部品が挙げられる。具体的には、上述したリフレクタと、その凹部底面に搭載された光半導体素子と、さらに光半導体素子を覆うように凹部内に形成された封止部材とを少なくとも備える半導体部品等が挙げられる。
以下のものを使用した。
(A)ポリシロキサン
・(a−1)信越化学工業社製、「X22−164」(両末端にメタアクリロイル基を含有するジメチルシリコーン;官能基当量190g/mol)
・(a−2)東亞合成社製「AC−SQ SI−20」(分子骨格中に、T構造の架橋構造を有し、かつ、メタアクリロイル基を含有するポリシロキサン;官能基当量350g/mol)
・(a−3)1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン100g(0.416mol、ハイドロジェンポリシロキサン(8)に相当)、ビニルジメチルシロキシ末端ジメチルジシロキサン124g(0.665mol、ケイ素原子に直接結合したビニル基を2個以上有するビニル基含有オルガノポリシロキサンに相当)、3−ブテニルメタクリレート93.2g(0.665mol、(a)ビニル基と(b)アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を共に含む有機化合物に相当)に、塩化白金酸触媒を加え、トルエン中にて65℃で92時間反応させた後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、分子骨格中に、架橋構造を有し、かつ、メタアクリロイル基を有するポリシロキサンを得た((a−3);官能基当量814g/mol)
なお、特に断りがない限り、構造の同定は、日本分光社製、FT−NMR核磁気共鳴装置「α−400」を用いて行った。例えば、(a−3)では、1H−NMR、13C−NMR及び29Si−NMRを測定し、環状のテトラシロキサンがビニルジメチルシロキサンで架橋された架橋構造を有し、ブテニル基を含む分子構造であることを確認した。また、1H−NMR、29Si−NMRから求めた1分子あたりの平均組成から、メタアクリロイル基の官能基当量(官能基1モル当りの質量)を算出した。
火薬アクゾ社製、「トリゴノックス121−50E」(tert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノレート
・(c−1)堺化学社製、「R−11P」(酸化チタン、平均粒子径0.2μm)
・(c−2)堺化学社製、「R−38L」(酸化チタン、平均粒子径0.4μm)
・(c−3)石原産業社製、「PT−401M」(酸化チタン、平均粒子径0.07μm)
なお、白色顔料の平均粒子径は、SEM解析(日立ハイテクノロジーズ社製、走査型電子顕微鏡「S−3000N」、加速電圧:8.0kV、撮像倍率:1500倍)によって得られた画像から100個の粒子を抽出して、その粒子の直径を測定し、これらの相加平均をとることで算出した。
・(d−1)アドマテックス社製、「FEDSeries」(シリカ粒子、平均粒子径20μm)
・(d−2)アドマテックス社製、「FEDSeries−SM」(メタクリル修飾シリカ粒子、平均粒子径20μm)
・(d−3)アドマテックス社製、「SO−02」(シリカ粒子、平均粒子径0.5μm)
なお、シリカ粒子の平均粒子径は、SEM解析(日立ハイテクノロジーズ社製、走査型電子顕微鏡「S−3000N」)によって得られた画像から100個のシリカ粒子を抽出して、このシリカ粒子の直径を測定し、相加平均をとることで測定した。
(E)カップリング剤
・(e−1)信越シリコーン社製、「KBM−503」(3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン)
・(e−2)信越化学工業社製、「LS−2940」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
・(e−3)協栄社化学社製、「ライトエステルG」(グリシジルメタクリレート)
エポキシ、ダイセル化学社製、「W0931」
1.光反射材用樹脂組成物の調製と硬化物の作製
表1及び表2に示した配合割合に従って各成分を配合し、三本ロールによって混練して光反射材用樹脂組成物を得た。得られた組成物を10mm×10mm×0.5mmの型に流し込んで、AMK社製の遠赤外線加熱炉にて、150℃、表1及び表2に記載の硬化時間の条件にて硬化させ、硬化物を得た。なお、表1及び表2に示した各成分の配合量の単位は、特に断りがない限り、「質量部」である。各表における「−」は該当する成分が配合されていなかったことを意味する。
各実施例及び各比較例の光反射材用樹脂組成物の硬化直後の硬化物について、光反射率(初期反射率)とガスバリア性を以下の方法によって測定した。さらに、これらの各硬化物を150℃で1000時間静置したものについて、光反射率を測定した。
(光反射率)
光反射率は、積分球型分光光度計「V−750型」(日本分光社製)を用いて、波長400nmにおける各試験片の光反射率を測定した。
(ガスバリア性)
ガスバリア性は、酸素透過率測定装置「Model8001」(イリノイ社製)を用いて、温度25℃、50%RHの条件で各試験片の酸素透過率を測定した。以下の基準に基づき、酸素透過率を評価した。
○:酸素透過率が1000mL/m2/日未満であった場合
×:酸素透過率が1000mL/m2/日以上であった場合
密着性は、Al板(2cm×10cm×厚み1mm)に各実施例及び各比較例の光反射材用樹脂組成物を1cm四方サイズで塗布した後、別のAl板を対向密着させ硬化(150℃×2時間)し、得られた試験片を引張試験機(島津製作所社製、オートグラフAGS−Xシリーズ)で引っ張り評価を行った。以下の基準に基づき、密着性を評価した。
◎:密着強度が40kgf/cm2以上であった場合
○:10kgf/cm2以上40kgf/cm2未満であった場合
△:10kgf/cm2未満であった場合
各実施例の光反射材用樹脂組成物を参考例1と同様にして硬化させて硬化物を得た。得られた硬化物を、ディスコ社製、「DFDシリーズ」のダイサーで、レジンブレードを使ってダイシングした。ダイシング後、その切断端面を上部から顕微鏡観察(倍率:100倍)し、欠けの大きさを観察した。以下の基準に基づき、ダイシング性を評価した。
◎:欠けの大きさが20μm未満であった場合
○:欠けの大きさが20μm以上30μm未満であった場合
△:欠けの大きさが30μm以上40μm未満であった場合
×:欠けの大きさが40μm以上であった場合
一例として、参考例1の組成物についてLIM成形性の評価を行った。液状インジェクション成形の評価は、ソディック社製射出成形機「LS40EHV」を用いて行った。5050サイズのリフレクタ形状(厚み0.8mm)を126個彫り込んだ下金型を準備し、上金型と型締めした後、金型温度を120℃に保った。その後、参考例1の光反射材用樹脂組成物を型に注液し、金型を120℃で5分間保持した後、型開きを行って成形物を取り出した(成形体1)。成形物の離型性は良好であった。
トランスファー成形物の評価は、アピック社製トランスファー成形機「G Line
Manual System」を用いて行った。参考例1の光反射材用樹脂組成物をタブレット型(10mmφ×15mm)に注液して100℃×15秒加熱してタブレットを得た。このタブレットを、5050サイズのリフレクタ形状(厚み0.8mm)を126個彫り込み120℃に保たれた下金型に配置した。そして、型締めしてタブレットを金型内に押し込んだ後、金型を引き続き120℃で5分間保持した。その後、型開きを行って成形物を取り出した(成形体2)。成形体の離型性は良好であった。
成形体1と成形体2をオーブンで追硬化(150℃×1時間)した後、各成形体の表面
を光学顕微鏡で拡大観察した。その結果、成形体2は実用レベルでは問題ない程度の欠け
しか確認できず、成形体1は欠けが全く確認されなかった。これらのことから、当該実施
例の光反射材用樹脂組成物の成形手法としてはLIM成形が一層好適であることが確認で
きた。
Claims (9)
- (A)アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を有するポリシロキサン100質
量部と、
(B)ラジカル開始剤0.1〜10質量部と、
(C)白色顔料50〜600質量部と、
を含み、
前記(A)成分が、架橋構造を含有するポリシロキサンであり、
前記(A)成分100質量部に対して、(D)シリカ385〜600質量部を、更に含み、
前記(D)成分が、平均粒子径10μm〜100μmであるシリカ粒子aと、平均粒子
径0.1μm〜1μmであるシリカ粒子bとの、2種類であって、(D)成分全体におけるシリカ粒子aの含有量が60〜98質量%であり、シリカ粒子bの含有量が2〜40質量%である、光反射材用樹脂組成物。 - 前記(A)成分100質量部に対して、(E)カップリング剤1〜40質量部を、更に
含む、請求項1に記載の光反射材用樹脂組成物。 - 前記(E)成分が、(a)(メタ)アクリロイル基と、(b)エポキシ基、メトキシ基
、及びエトキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つと、を有するシランカップリン
グ剤である、請求項2に記載の光反射材用樹脂組成物。 - 前記(C)成分の平均粒子径が、0.1μm〜0.3μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の光反射材用樹脂組成物。
- 前記(D)成分が、表面の少なくとも一部に、アクリロイル基及び/又はメタアクリロ
イル基を有するシリカである、請求項1〜4のいずれかに記載の光反射材用樹脂組成物。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光反射材用樹脂組成物を硬化させることによって得られる光反射材。
- 前記光反射材は、成形方法として液状インジェクション成形法によって成形されたもの
である、請求項6に記載の光反射材。 - 請求項6又は7に記載の光反射材を備える、光半導体部品用リフレクタ。
- 請求項8に記載の光半導体部品用リフレクタと、
光半導体素子と、
封止部材と、
を備える、光半導体部品。
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