JP6292544B2 - エンジンオイル劣化診断装置 - Google Patents
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Description
本発明は、エンジンオイル劣化診断装置に係り、特に、車両のエンジンのエンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断装置に関する。
従来から、特許文献1に示すように、車両保守時期報知装置として、車両の走行距離を累積し、所定の累積走行距離毎にエンジンオイル交換の報知を行うものが知られている。
このような所定の累積走行距離毎にエンジンオイル交換の報知を行う方法は、通常標準的な運転状態を基にして所定の累積走行距離を設定し、この所定の累積走行距離に到達する毎にエンジンオイル交換の報知を行うこととなる。
しかしながら、タクシーや配送業等で使用される車両は、走行距離が多く且つ運転頻度も非常に高いシビアコンディションの運転状態で運転されるため、エンジンオイルの劣化の進行が非常に早くなる。このような劣化の進行をエンジンオイルの交換時期に反映させるためには、所定の累積走行距離を標準的な運転状態のものよりも短く設定する必要があり、今度は、シビアコンディションの運転状態で運転していない使用者が、エンジンオイルの劣化の進行が進んでいないにも関わらず不必要にエンジンオイルの交換を強いられるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、シビアコンディション判定手段が年間走行距離と所定期間あたりの使用時間との関係に基づいてシビアコンディションと判定している場合には、オイル走行距離加算補正手段が、走行距離に対して所定値を上乗せしたオイル走行距離を算定することができ、積算されたオイル走行距離が所定値に到達する場合に、エンジンオイル劣化診断手段がエンジンオイルが劣化している状態であると診断することができ、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断することができるエンジンオイル劣化診断装置を提供することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明は、車両のエンジンのエンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断装置において、走行距離検出手段により検出された走行距離から年間走行距離を算定する年間走行距離算定手段と、車両の使用時間から車両の所定期間あたりの使用時間を算定する使用時間算定手段と、年間走行距離と、所定期間あたりの使用時間との関係が、シビアコンディションの判定基準を満たす場合にシビアコンディションと判定するシビアコンディション判定手段と、走行距離に対してオイル走行距離を算定するオイル走行距離算定手段と、オイル走行距離算定手段により算定されたオイル走行距離を積算するオイル走行距離積算手段と、オイル走行距離積算手段により積算されたオイル走行距離が所定値に到達する場合に、エンジンオイルが劣化している状態であると診断するエンジンオイル劣化診断手段と、を有し、オイル走行距離算定手段は、シビアコンディション判定手段がシビアコンディションと判定していない場合には、走行距離をオイル走行距離として決定するオイル走行距離通常加算手段と、シビアコンディション判定手段がシビアコンディションと判定している場合には、走行距離に対して所定値を上乗せしたオイル走行距離を算定するオイル走行距離加算補正手段と、を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、シビアコンディション判定手段が年間走行距離と所定期間あたりの使用時間との関係に基づいてシビアコンディションと判定している場合には、オイル走行距離加算補正手段が、走行距離に対して所定値を上乗せしたオイル走行距離を算定することができ、積算されたオイル走行距離が所定値に到達する場合に、エンジンオイル劣化診断手段がエンジンオイルが劣化している状態であると診断することができるので、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断することができる。
このように構成された本発明においては、シビアコンディション判定手段が年間走行距離と所定期間あたりの使用時間との関係に基づいてシビアコンディションと判定している場合には、オイル走行距離加算補正手段が、走行距離に対して所定値を上乗せしたオイル走行距離を算定することができ、積算されたオイル走行距離が所定値に到達する場合に、エンジンオイル劣化診断手段がエンジンオイルが劣化している状態であると診断することができるので、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断することができる。
本発明において、好ましくは、オイル走行距離算定手段は、さらに、車両の走行距離が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の走行距離に達するまでは、オイル走行距離通常加算手段を適用し、且つ、車両の走行距離が上記所定の走行距離に達してから、所定の走行距離に対してオイル走行距離加算補正手段を適用するか否かを判定するオイル走行距離初期補正手段を備えていることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、オイル走行距離初期補正手段が、車両の走行距離が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の走行距離に達するまでの期間において、シビアコンディション判定手段による判定結果を保留させ、オイル走行距離通常加算手段を適用し、且つ、走行距離が所定の走行距離に達してから、所定の走行距離に対してオイル走行距離加算補正手段を適用するか否かを判定することにより、車両の走行距離が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の走行距離に達するまでの期間において、一時的に比較的長距離を走行する場合にシビアコンディションと判定されてしまうことを防ぐことができ、シビアコンディションの判定の精度をより高め、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面からより精度よくエンジンオイルの劣化を診断することができ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
このように構成された本発明においては、オイル走行距離初期補正手段が、車両の走行距離が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の走行距離に達するまでの期間において、シビアコンディション判定手段による判定結果を保留させ、オイル走行距離通常加算手段を適用し、且つ、走行距離が所定の走行距離に達してから、所定の走行距離に対してオイル走行距離加算補正手段を適用するか否かを判定することにより、車両の走行距離が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の走行距離に達するまでの期間において、一時的に比較的長距離を走行する場合にシビアコンディションと判定されてしまうことを防ぐことができ、シビアコンディションの判定の精度をより高め、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面からより精度よくエンジンオイルの劣化を診断することができ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
本発明において、好ましくは、オイル走行距離算定手段は、さらに、シビアコンディション判定手段がシビアコンディションと判定していた状態からシビアコンディションと判定していない状態に変更された場合以後のこのシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間において、走行距離に対して低減されたオイル走行距離を算定させるオイル走行距離低減補正手段を備えていることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、オイル走行距離低減補正手段が、シビアコンディション判定手段がシビアコンディションと判定していた状態からシビアコンディションと判定していない状態に変更された場合以後のこのシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間においては、走行距離が期間限定で一時的に多くなったもののその後通常の態様での運転状態に戻った可能性が考えられるため、変更以後のシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間においては、走行距離に対して低減されたオイル走行距離を算定し、シビアコンディションと判定していた状態においてオイル走行距離加算補正手段により上乗せされていたオイル走行距離に対し、今後オイル走行距離の増加を低減させることにより実際の走行距離に近づけるような補正を行うことができる。よって、一時的にシビアコンディションの運転状態と判定していた状態があったとしても、通常の態様での運転状態に戻った場合には、オイル走行距離の積算を走行距離の積算に近づけるように補正することができ、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面からより精度よくエンジンオイルの劣化を診断することができ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
このように構成された本発明においては、オイル走行距離低減補正手段が、シビアコンディション判定手段がシビアコンディションと判定していた状態からシビアコンディションと判定していない状態に変更された場合以後のこのシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間においては、走行距離が期間限定で一時的に多くなったもののその後通常の態様での運転状態に戻った可能性が考えられるため、変更以後のシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間においては、走行距離に対して低減されたオイル走行距離を算定し、シビアコンディションと判定していた状態においてオイル走行距離加算補正手段により上乗せされていたオイル走行距離に対し、今後オイル走行距離の増加を低減させることにより実際の走行距離に近づけるような補正を行うことができる。よって、一時的にシビアコンディションの運転状態と判定していた状態があったとしても、通常の態様での運転状態に戻った場合には、オイル走行距離の積算を走行距離の積算に近づけるように補正することができ、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面からより精度よくエンジンオイルの劣化を診断することができ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
本発明において、好ましくは、オイル走行距離算定手段は、さらに、オイル走行距離低減補正手段により低減されたオイル走行距離を積算した積算オイル走行距離が、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離と等しい値となる場合には、オイル走行距離低減補正手段の適用を制限するオイル走行距離低減制限手段を備えていることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、オイル走行距離低減補正手段が、走行距離に対して低減されたオイル走行距離を算定し、オイル走行距離の増加を低減させることにより実際の走行距離に近づけるような補正を行う場合において、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までにオイル走行距離積算手段により積算されたオイル走行距離が、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離と等しい値となるときは、オイル走行距離が、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離よりも低くならないように、オイル走行距離低減制限手段は、走行距離に対して低減されたオイル走行距離を算定させるオイル走行距離低減補正手段の適用を制限することができる。よって、一時的にシビアコンディションの運転状態と判定していた状態が、通常の態様での運転状態に戻った場合において、オイル走行距離の積算の低減を実際の走行距離以下にならないように制限し且つ通常の態様での運転状態におけるオイル走行距離の算定に戻すことができる。従って、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面からより精度よくエンジンオイルの劣化を診断することができ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
このように構成された本発明においては、オイル走行距離低減補正手段が、走行距離に対して低減されたオイル走行距離を算定し、オイル走行距離の増加を低減させることにより実際の走行距離に近づけるような補正を行う場合において、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までにオイル走行距離積算手段により積算されたオイル走行距離が、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離と等しい値となるときは、オイル走行距離が、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離よりも低くならないように、オイル走行距離低減制限手段は、走行距離に対して低減されたオイル走行距離を算定させるオイル走行距離低減補正手段の適用を制限することができる。よって、一時的にシビアコンディションの運転状態と判定していた状態が、通常の態様での運転状態に戻った場合において、オイル走行距離の積算の低減を実際の走行距離以下にならないように制限し且つ通常の態様での運転状態におけるオイル走行距離の算定に戻すことができる。従って、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面からより精度よくエンジンオイルの劣化を診断することができ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
本発明のエンジンオイル劣化診断装置によれば、走行距離と所定期間あたりの使用時間で表される運転頻度との両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置が適用されるエンジンシステムについて説明する。
図1は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置が適用されるエンジンシステムの概略図である。
図1は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置が適用されるエンジンシステムの概略図である。
本実施形態のエンジンオイル劣化診断装置10が適用されるエンジンシステム1は、車両(図示せず)に設けられたエンジン(内燃機関)2と、エンジンシステム1を制御するためのパワートレインコントロールモジュール4(以下、PCMという)と、PCM4及び他の機能部に電力を供給するバッテリ6と、車両の走行距離を検出する走行距離検出手段8と、エンジン2のエンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断装置10と、 エンジンオイルが劣化している状態であると診断された場合に、エンジンオイルの交換時期である旨を報知する報知手段12と、を有している。
エンジン2は、内部をエンジンオイルが循環するようになっている。エンジンオイルは、エンジン2において、ピストン機構やバルブの開閉機構等の潤滑、及びエンジン2の冷却等のさまざまな役割を果たしている。エンジンオイルは、エンジン2を使用するにつれ、エンジン2の熱を受けたり、エンジン2内に生じた汚れを自らの中に取り込むなどして、徐々にその性能が劣化するため、下述するような所定の条件を満たす場合にエンジンオイルの交換が必要となる。
PCM4は、車両の各部から送られてくるデータを受け入れる入力インターフェース(図示せず)と、車両の各部の制御を行うための演算を実行するCPU(図示せず)と、車両の各部の制御を行うためのプログラム、データ及び制御信号を格納するメモリ(図示せず)と、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース(図示せず)とを備えている。本発明のエンジンオイル劣化診断装置10を実現するためのプログラム、およびこのプログラムの実行に使用するデータおよびテーブルは、メモリ上に格納されている。さらに、メモリには、CPUによる演算のための作業領域が設けられ、車両の各部から送られてくるデータおよび車両の各部に送り出す制御信号は、メモリに記憶される。PCM4は、機能要素として、エンジンオイル劣化診断装置10を有している。
バッテリ6は、PCM4及び他の機能部に電力を供給するためバッテリ制御部14により制御されている。後述する生産時点等又は直近のエンジンオイル交換時点から判定時点(すなわち診断時点、以下同じ)までの経過日数Dは、バッテリ制御部14により計測されている。バッテリ制御部14は、PCM4と電気的に接続されており、バッテリ制御部14で検出された経過日数Dが、電気信号としてPCM4に入力されるようになっている。
走行距離検出手段8は、車両の車輪の回転を検出する走行距離センサ等である。例えば、走行距離検出手段8は、車両のオドメーター(積算走行距離計)に使用するための積算走行距離Ltを検出する走行距離検出手段である。積算走行距離Ltは、車両の生産時点から判定時点までの期間の積算の走行距離となっている。積算走行距離Ltは、本発明の各種機能等にかかわらず、検出された走行距離を独立した方法により積算する一般的に知られたものである。走行距離検出手段8は、車両の走行距離を検出及び/又は計算できる機能を有する車速センサ等の他の装置であってもよい。走行距離検出手段8は、PCM4と電気的に接続されており、走行距離検出手段8で検出された走行距離が、電気信号としてPCM4に入力されるようになっている。
報知手段12は、PCM4の指令を受けて、使用者にエンジンオイルが劣化している状態である旨を報知する。報知手段12は、例えば、車両のインパネ(インストルメント・パネル)に設けられたランプを備え、このランプの点灯によりエンジンオイルの交換時期であることが報知される。なお、報知手段12は、図のイメージ、映像、画像、文字、記号、音又は音声等を使用した報知手段であってもよく、例えば、車両に設けられた情報を表示できるモニタにおいてエンジンオイルの交換時期であることが図のイメージにより使用者に報知されてもよい。報知手段12は、PCM4と電気的に接続され、PCM4から出力された信号が電気信号として報知手段12に入力されるようになっている。
エンジンオイル劣化診断装置10は、PCM4に設けられている。エンジンオイル劣化診断装置10は、走行距離検出手段8及び/又は報知手段12等のPCM4の外部の手段を備えていてもよい。なお、エンジンオイル劣化診断装置10は、PCM4に設けられているものに限られず、エンジンオイル劣化診断装置10の機能の一部がPCM4以外の他の機能部に設けられ、システム全体としてエンジンオイル劣化診断装置10を構成していてもよい。
エンジンオイル劣化診断装置10は、走行距離検出手段8により検出された走行距離から年間走行距離Zを算定する年間走行距離算定手段16と、車両の使用時間から車両の所定期間あたりの使用時間Xを算定する使用時間算定手段18と、年間走行距離Zと、所定期間あたりの使用時間Xとの関係が、シビアコンディションの判定基準を満たす場合にシビアコンディションと判定するシビアコンディション判定手段20と、走行距離に対してオイル走行距離Loil(以下、Loilと称する)を算定するオイル走行距離算定手段22と、オイル走行距離算定手段22により算定されたオイル走行距離Loilを積算するオイル走行距離積算手段24と、オイル走行距離積算手段24により積算されたオイル走行距離Loilが所定値に到達する場合に、エンジンオイルが劣化している状態であると診断するエンジンオイル劣化診断手段26と、を有している。
年間走行距離算定手段16は、生産後に新車として使用者に納品される場合には、車両の積算走行距離Ltの計測が開始される生産時点(又は納品時点)から判定時点までの期間の走行距離から、1年間の期間の年間走行距離Zを予測する。具体的には、生産時点(又は納品時点)から判定時点までの期間の走行距離を1年間に換算して年間走行距離Zを推定する。例えば、生産時点から判定時点までの半年の走行距離2000kmを1年間に換算(2倍)して年間走行距離4000kmを算定する。また、例えば、生産時点から判定時点までの2年間の走行距離8000kmを1年間に換算(2分の1)して年間走行距離4000kmを算定してもよい。また、例えば、生産時点からから判定時点までの走行距離2000kmを経過日数100日で除し、365日を乗じて1年間に換算して年間走行距離7300kmを算定してもよい。
年間走行距離算定手段16は、エンジンオイル交換後に引き続いて車両が使用される場合には、車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの期間の走行距離から、車両の直近のエンジンオイル交換後における1年間の期間の年間走行距離Zを予測する。具体的には、直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの期間の走行距離を1年間の走行距離に換算して年間走行距離Zを推定する。年間走行距離Zの算定方法については、生産時点から判定時点までの期間の走行距離から、1年間の期間の年間走行距離Zを予測する場合と同様の算定方法であるので説明を省略する。
年間走行距離算定手段16は、走行距離検出手段8からPCM4に送られる走行距離の情報を受けるようになっている。年間走行距離算定手段16は、車両の走行距離から年間走行距離Zを常時算定するようになっている。
使用時間算定手段18は、車両の所定期間あたりの使用時間Xを算定する。所定期間あたりの使用時間Xとは、所定の短期間ごとの平均使用時間であり、例えば、1日あたりの使用時間[時間/日]とすることができる。使用時間算定手段18は、車両の生産時点等又は車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの車両のエンジン2の使用時間Tの合計を算定している。使用時間算定手段18は、PCM4が把握しているエンジン2の使用時間Tの情報をPCM4から取得する。使用時間Tは、エンジンオイルの劣化を診断するためエンジン2が駆動している時間、すなわち車両のエンジン2の使用時間である。
所定期間あたりの使用時間Xは、車両の生産時点(又は納品時点)から判定時点までの車両の使用時間Tの合計を、車両の生産時点(又は納品時点)から判定時点までの経過日数D及び/又は経過時間で除して、所定期間あたりの使用時間Xを算定したものである。例えば、車両の生産時点から判定時点までの合計の使用時間の10時間を、車両の生産時点から判定時点までの経過日数10日で除して、所定期間あたりの使用時間X、ここでは1日あたりの使用時間Xが1時間と算定される。
年間走行距離算定手段16及び使用時間算定手段は18、それぞれ、エンジンオイル交換時点におけるデータリセット機能を有している。エンジンオイル交換時点において、使用者、ディーラー又はエンジンオイル交換に係る関係者等がインパネ(インストルメント・パネル)等に設けられているエンジンオイル交換時点リセットスイッチ28を操作することにより、 年間走行距離算定手段16及び使用時間算定手段は18のそれぞれが持っていた、詳細は後述する、エンジンオイル交換後(又は生産時点から)の使用時間T、経過日数D、年間走行距離Zの値のデータをリセットさせる。使用者等がエンジンオイル交換時点リセットスイッチ28を操作したタイミングがエンジンオイル交換時点の情報としてPCM4側に送られ、新たに使用時間T、経過日数D、年間走行距離Zの値の測定又は算定が行われる。
シビアコンディション判定手段20は、年間走行距離Zと、所定期間あたりの使用時間Xとの関係が、シビアコンディションの判定基準を満たす場合にシビアコンディションと判定する。
図3に示すように、シビアコンディション判定手段20は、年間走行距離Zと、所定期間あたりの使用時間Xとの関係により生成されているシビアコンディション判定マップ上において、シビアコンディションの判定閾値ラインYを境にして、標準運転状態領域Aと、シビアコンディション領域Bとを区別し、車両の判定時点の運転状態が、標準運転状態領域Aに属するのか、又はシビアコンディション領域Bに属するのかを判定する。車両の運転状態は、標準運転状態領域A又はシビアコンディション領域Bのいずれかに属することになる。シビアコンディション判定手段20は、車両の運転状態がシビアコンディション領域Bに属する場合をシビアコンディションの判定基準を満たす場合としてシビアコンディションと判定している。
図3に示すように、シビアコンディション判定手段20は、年間走行距離Zと、所定期間あたりの使用時間Xとの関係により生成されているシビアコンディション判定マップ上において、シビアコンディションの判定閾値ラインYを境にして、標準運転状態領域Aと、シビアコンディション領域Bとを区別し、車両の判定時点の運転状態が、標準運転状態領域Aに属するのか、又はシビアコンディション領域Bに属するのかを判定する。車両の運転状態は、標準運転状態領域A又はシビアコンディション領域Bのいずれかに属することになる。シビアコンディション判定手段20は、車両の運転状態がシビアコンディション領域Bに属する場合をシビアコンディションの判定基準を満たす場合としてシビアコンディションと判定している。
標準運転状態とは、車両を業務で使用していないような一般の使用者が通常想定される態様で車両を使用する標準的な運転状態をいう。車両を業務で使用していないような一般の使用者が車両を使用する場合には、標準運転状態として標準運転状態領域Aに属することが多くなる。標準運転状態においては、エンジンオイルの劣化の進行が通常想定される速さであり、前回の直近のエンジンオイルの交換時点から通常のエンジンオイルの交換のタイミングにおいてエンジンオイルの交換をする必要が生じる。例えば通常のエンジンオイルの交換のタイミングは、前回のエンジンオイルの交換時点を0kmとして車両の走行距離が20000kmに到達するタイミングとされている。
シビアコンディションとは、車両が過酷な運転状態にあることをいう。タクシー、配送車、警察車両等の公用車、バス等は、運転頻度が著しく高く、よって使用時間が長く及び/又は年間走行距離Zが大きくなる過酷な運転状態にあることが多く、この過酷な運転状態をシビアコンディションとしている。シビアコンディションは、標準運転状態以外の特殊な運転状態でもある。シビアコンディションにおいては、エンジンオイルの劣化の進行が著しく早く、エンジンオイルの性能が落ちるタイミングが早いため、前回のエンジンオイルの交換時点から通常のエンジンオイルの交換のタイミングよりも速い(短い)タイミングの時点でエンジンオイルの交換をする必要が生じる。例えばシビアコンディションにおけるエンジンオイルの交換のタイミングは、前回のエンジンオイルの交換時点を0kmとして車両の走行距離が10000kmに到達するタイミングとされている。
所定期間あたりの使用時間Xの閾値aは、例えば、1日あたりの使用時間Xが3時間〜6時間の範囲内において設定されている。年間走行距離Zの閾値bは、例えば、年間走行距離Zが80000km〜120000kmの範囲内において設定されている。
図3に示すように、シビアコンディション領域Bは、シビアコンディション判定マップ上において標準運転状態領域A以外の領域としても設定されている。また、シビアコンディション領域Bは、シビアコンディション判定マップ上において、所定期間あたりの使用時間X=0の点を中心として標準運転状態領域Aの領域の外側の領域において設定されている。
図3に示すように、シビアコンディション領域Bは、シビアコンディション判定マップ上において標準運転状態領域A以外の領域としても設定されている。また、シビアコンディション領域Bは、シビアコンディション判定マップ上において、所定期間あたりの使用時間X=0の点を中心として標準運転状態領域Aの領域の外側の領域において設定されている。
オイル走行距離積算手段24は、オイル走行距離算定手段22のオイル走行距離加算補正手段32、オイル走行距離低減補正手段36、オイル走行距離通常加算手段30及びオイル走行距離初期補正手段34のいずれかにより算定されたオイル走行距離Loilを積算して積算オイル走行距離Loilt(以下、Loiltと称する)を算定している。積算オイル走行距離Loiltは、生産時点等又は車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの期間におけるオイル走行距離Loilを積算した値を示している。積算オイル走行距離Loiltは、積算走行距離Ltや走行距離Lrとは異なる概念であり、積算走行距離Ltや走行距離Lrとは独立して算出される指標パラメータであり、エンジンオイルの劣化状態をオイルの走行距離の指標で明確に示すものである。このような積算オイル走行距離Loiltはエンジンオイルの交換のタイミングまでの増加割合(到達割合)をも示す。
エンジンオイル劣化診断手段26は、オイル走行距離積算手段24により積算された積算オイル走行距離Loiltが所定値、例えば20000kmに到達する場合に、エンジンオイルが劣化している状態であると診断する。この場合の所定値は、通常の標準的な運転状態にたいして規定される走行距離の目標値(限度値)として変更可能である。本発明によれば、エンジンオイルの交換のタイミングを規定する走行距離の目標値を運転状態に応じて変更又は使用者が判断することなく、通常の標準的な運転状態にたいして規定される走行距離の目標値を、積算オイル走行距離Loiltの所定値として設定することができ、エンジンオイル劣化診断手段26は、単一の規定された所定値に対して、積算オイル走行距離Loiltが到達したか否かの判断により、エンジンオイルの交換のタイミングか否かの判断を確実且つ簡便に行うことができる。
エンジンオイル劣化診断手段26がエンジンオイルが劣化している状態であると診断した場合には、PCM4が報知手段12にその旨を運転者等の使用者に報知するために必要な所定の信号を出力する。
エンジンオイル劣化診断手段26がエンジンオイルが劣化している状態であると診断した場合には、PCM4が報知手段12にその旨を運転者等の使用者に報知するために必要な所定の信号を出力する。
オイル走行距離算定手段22は、シビアコンディション判定手段20がシビアコンディションと判定していない場合には、走行距離をオイル走行距離Loilとして決定するオイル走行距離通常加算手段30と、シビアコンディション判定手段20がシビアコンディションと判定している場合には、走行距離に対して所定値を上乗せしたオイル走行距離Loilを算定するオイル走行距離加算補正手段32と、車両の走行距離が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の走行距離に達するまでは、オイル走行距離通常加算手段30を適用し、且つ、車両の走行距離が所定の走行距離に達した時点で、所定の走行距離に対してオイル走行距離加算補正手段32を適用するか否かを判定するオイル走行距離初期補正手段34と、シビアコンディション判定手段20がシビアコンディションと判定していた状態からシビアコンディションと判定していない状態に変更された場合以後のこのシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間において、走行距離に対して低減されたオイル走行距離Loilを算定するオイル走行距離低減補正手段36と、オイル走行距離積算手段24により積算された積算オイル走行距離Loiltが、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離と等しい値となる場合には、走行距離に対して低減されたオイル走行距離Loilを算定させるオイル走行距離低減補正手段36の適用を制限するオイル走行距離低減制限手段38と、を有している。
オイル走行距離通常加算手段30は、原則的に、車両の判定時点の運転状態が、標準運転状態領域Aに属している場合に適用されることとなる。オイル走行距離通常加算手段30は、車両が実際に走行した走行距離をオイル走行距離Loilとして積算オイル走行距離Loiltに加算させるためのものである。車両の標準的な運転状態であれば、エンジンオイルの劣化は通常の速度で進行するという考えに基づいている。
オイル走行距離加算補正手段32は、車両の判定時点の運転状態が、シビアコンディション領域Bに属している場合に適用されることとなる。オイル走行距離加算補正手段32は、車両が実際に走行した走行距離を増加補正するように算定されたオイル走行距離Loilを積算オイル走行距離Loiltに加算させるためのものである。車両の運転状態がシビアコンディション領域B内に属している場合には、エンジンオイルの劣化は通常の速度よりも早く進行するという考えに基づき、オイル走行距離Loilを加重するような増加補正を行い、積算オイル走行距離Loiltの増大を速めるようになっている。
オイル走行距離加算補正手段32は、車両の判定時点の運転状態が、シビアコンディション領域Bに属している場合に適用されることとなる。オイル走行距離加算補正手段32は、車両が実際に走行した走行距離を増加補正するように算定されたオイル走行距離Loilを積算オイル走行距離Loiltに加算させるためのものである。車両の運転状態がシビアコンディション領域B内に属している場合には、エンジンオイルの劣化は通常の速度よりも早く進行するという考えに基づき、オイル走行距離Loilを加重するような増加補正を行い、積算オイル走行距離Loiltの増大を速めるようになっている。
オイル走行距離初期補正手段34は、車両の判定時点の運転状態が、生産時点又はエンジンオイル交換時点から見て、判定初期の期間に属している場合に適用されることとなる。オイル走行距離初期補正手段34は、判定初期の期間において、シビアコンディション判定手段20による判定がシビアコンディションと判定しやすい傾向があることを認識し、シビアコンディション判定手段20による判定結果を所定走行距離まで保留させ、シビアコンディションの判定の信頼性を高めるようになっている。
オイル走行距離低減補正手段36は、車両の運転状態が、シビアコンディション領域Bから標準運転状態領域Aに変化した以後に、シビアコンディション判定手段20がシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間において適用される。オイル走行距離低減補正手段36は、通常の走行距離よりも少ない値のオイル走行距離Loilを算定する。
オイル走行距離低減補正手段36は、車両の運転状態が、シビアコンディション領域Bから標準運転状態領域Aに戻ってきた場合において、再びシビアコンディション領域Bに出て行くまでは、車両を過酷な状況で使用していないと推定できることから、前回のシビアコンディション領域Bにおいてオイル走行距離Loilが上乗せされている積算オイル走行距離Loiltに対し、通常の走行距離よりも少ない値のオイル走行距離Loilを加算させることによって積算オイル走行距離Loiltの増加を抑えて、通常の走行距離Lrに近づけようとするものである。よって、前回のシビアコンディション領域Bにおいてシビアコンディションと判定してしまったオイル走行距離Loilの上乗せ分を減算して影響を低減又は無くす機能により、通常の運転状態におけるエンジンオイルの交換のタイミングに近づけることができる。
オイル走行距離低減補正手段36は、車両の運転状態が、シビアコンディション領域Bから標準運転状態領域Aに戻ってきた場合において、再びシビアコンディション領域Bに出て行くまでは、車両を過酷な状況で使用していないと推定できることから、前回のシビアコンディション領域Bにおいてオイル走行距離Loilが上乗せされている積算オイル走行距離Loiltに対し、通常の走行距離よりも少ない値のオイル走行距離Loilを加算させることによって積算オイル走行距離Loiltの増加を抑えて、通常の走行距離Lrに近づけようとするものである。よって、前回のシビアコンディション領域Bにおいてシビアコンディションと判定してしまったオイル走行距離Loilの上乗せ分を減算して影響を低減又は無くす機能により、通常の運転状態におけるエンジンオイルの交換のタイミングに近づけることができる。
オイル走行距離低減制限手段38は、上記オイル走行距離低減補正手段36により低減されたオイル走行距離Loilを積算した積算オイル走行距離Loiltが、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離Lrと等しい値となる場合には、オイル走行距離低減補正手段36の適用を制限させるため、走行距離に対して低減されたオイル走行距離Loilを算定させる上記オイル走行距離低減補正手段36の適用を終了し且つ走行距離をオイル走行距離Loilとして決定する上記オイル走行距離通常加算手段30の適用を開始させる。
オイル走行距離低減制限手段38は、オイル走行距離低減補正手段36が積算オイル走行距離Loiltの増加を抑えて、通常の走行距離Lrに近づけることにより、積算オイル走行距離Loiltが走行距離Lrと一致した場合には、完全に車両の通常の運転状態に戻っていると判断し、通常の運転状態の判定に戻す又は修正する機能を有することができる。
オイル走行距離低減制限手段38は、オイル走行距離低減補正手段36が積算オイル走行距離Loiltの増加を抑えて、通常の走行距離Lrに近づけることにより、積算オイル走行距離Loiltが走行距離Lrと一致した場合には、完全に車両の通常の運転状態に戻っていると判断し、通常の運転状態の判定に戻す又は修正する機能を有することができる。
本実施形態のエンジンオイル劣化診断装置10は、他のエンジンオイルの劣化判定手段と併用して用いられてもよい。例えば、エンジンオイルの使用期間に基づくエンジンオイルの劣化判定手段、エンジンオイルに含まれるスス量を判定することによるエンジンオイルの劣化判定手段等と併用して用いられてもよい。この場合には、いずれかの手段が最初にエンジンオイルの劣化を判定をした場合に、報知手段12がエンジンオイルの交換時期である旨を使用者に報知する。
次に、図2及び図3により、本実施形態のエンジンオイル劣化診断装置10の動作及び処理内容の詳細について説明する。
図2は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置がエンジンオイルが劣化している状態であるか否かを診断する処理の手順を示すフローチャートであり、図3は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置のシビアコンディション判定手段に用いられるシビアコンディション判定マップ上において、シビアコンディションの判定閾値ラインを境にして、標準運転状態領域と、シビアコンディション領域とを区別し、シビアコンディションの判定を行う様子を説明する図である。
図2は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置がエンジンオイルが劣化している状態であるか否かを診断する処理の手順を示すフローチャートであり、図3は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置のシビアコンディション判定手段に用いられるシビアコンディション判定マップ上において、シビアコンディションの判定閾値ラインを境にして、標準運転状態領域と、シビアコンディション領域とを区別し、シビアコンディションの判定を行う様子を説明する図である。
ステップS1乃至S3は、生産時点等又は車両の直近のエンジンオイル交換時点(エンジンオイル交換時点リセットスイッチ28による各種データリセットの時点)からの所定の計測情報の取得を示している。ステップS4は、車両の積算走行距離Ltの計測が開始できるような生産時点等からの積算走行距離Ltの情報の取得を示している。
ステップS1において、エンジンオイル劣化診断装置10は、生産時点等又は車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの期間におけるエンジン2の使用時間Tの情報をPCM4から取得する。
同様に、ステップS2において、エンジンオイル劣化診断装置10は、生産時点等又は車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの経過日数D及び/又は経過時間の情報をPCM4から取得する。
同様に、ステップS3において、エンジンオイル劣化診断装置10は、生産時点等又は車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離Lrの情報をPCM4から取得する。
また、ステップS4において、エンジンオイル劣化診断装置10は、生産時点等から判定時点までの積算走行距離Ltの情報をPCM4から取得する。
同様に、ステップS2において、エンジンオイル劣化診断装置10は、生産時点等又は車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの経過日数D及び/又は経過時間の情報をPCM4から取得する。
同様に、ステップS3において、エンジンオイル劣化診断装置10は、生産時点等又は車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離Lrの情報をPCM4から取得する。
また、ステップS4において、エンジンオイル劣化診断装置10は、生産時点等から判定時点までの積算走行距離Ltの情報をPCM4から取得する。
ステップS5において、使用時間算定手段18は、車両の所定期間あたりの使用時間Xを算定する。所定期間あたりの使用時間Xは、例えば、1日あたりの平均使用時間とされている。図2のステップS5において、X = T/Dの算式により示されるように、所定期間あたりの使用時間Xは、車両の生産時点等から判定時点までの車両の使用時間Tを、車両の生産時点(又は納品時点)から判定時点までの経過日数Dで除して、算定される。使用時間算定手段18は、 ステップS1において取得されている使用時間TとステップS2において取得されている経過日数Dの情報を使用している。
ステップS6において、年間走行距離算定手段16は、ステップS2において取得されている経過日数Dと、ステップS3において取得されている走行距離Lrの情報を使用し、年間走行距離Zを算定する。図2のステップS6において、Z=Lr/D×365の算式により示されるように、年間走行距離Zは、車両のエンジンオイル交換時点等から判定時点までの車両の走行距離Lrを、車両のエンジンオイル交換時点等から判定時点までの経過日数Dで除した後、365日を乗じて1年間の走行距離に換算する。
ステップS7において、シビアコンディション判定手段20は、年間走行距離Zと、所定期間あたりの使用時間Xとの関係により生成されているシビアコンディション判定マップ上において、シビアコンディションの判定閾値ラインYを算出する。
ステップS8において、シビアコンディション判定手段20は、年間走行距離Zと、所定期間あたりの使用時間Xとの関係を示すシビアコンディション判定マップ上において、シビアコンディションの判定閾値ラインYを境にして、Z及びXの位置に対応して示される車両の判定時点の運転状態が、Yのライン上及びYの内側の標準運転状態領域Aに属するのか、又はYの外側のシビアコンディション領域Bに属するのかを判定する。
シビアコンディション判定手段20は、Z>Yの条件を満たす場合、すなわちZ(シビアコンディション判定マップ上においてZ及びXの値に対応する点)がYの外側の領域に存在する場合には、車両の判定時点の運転状態が、シビアコンディション領域Bに属すると判定する。シビアコンディション判定手段20が、車両の判定時点の運転状態が、シビアコンディション領域Bに属すると判定する場合には、オイル走行距離算定手段22のオイル走行距離加算補正手段32によりオイル走行距離Loilを補正する計算を行う。
オイル走行距離加算補正手段32は、車両がシビアコンディション領域Bに属している間の走行距離Lbに対してペナルティ走行距離Pである所定値を上乗せしたオイル走行距離Loilを算定する。オイル走行距離Loilは、次の式で表される。
Loil=Lb+P・・・式(2)
なお、車両の運転状態が、車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点まで引き続いてシビアコンディション領域Bに属している場合においては、走行距離Lb=Lrとなる。
ペナルティ走行距離Pは、例えば、走行距離Lb×加算補正係数1.0の所定値に設定される。すなわち、車両の判定時点の運転状態が、シビアコンディション領域Bに属している場合において、車両が走行距離Lbを走行した場合には、ペナルティ走行距離Pは、P=Lb×1.0=Lbと算定される。なお、走行距離Lbに乗じる加算補正係数(本実施形態においては1.0)は、0.8や1.2等の他の値を使用してもよい。本実施形態の加算補正係数が1.0である場合においては、Loilは、走行距離Lbの2倍となっている。実際の走行距離Lbに対しペナルティ走行距離Pを加算する補正を行うことにより、エンジンオイルの劣化(エンジンオイルダメージ)が通常よりも激しいと想定されるシビアコンディション領域Bにおいて、エンジンオイルが実際の走行距離Lbに対しペナルティ走行距離P分も加えた距離において使用されているとみなすことができ、エンジンオイルの劣化が通常よりも激しい状態をエンジンオイルの交換のタイミングに反映させることができる。
オイル走行距離加算補正手段32は、車両がシビアコンディション領域Bに属している間の走行距離Lbに対してペナルティ走行距離Pである所定値を上乗せしたオイル走行距離Loilを算定する。オイル走行距離Loilは、次の式で表される。
Loil=Lb+P・・・式(2)
なお、車両の運転状態が、車両の直近のエンジンオイル交換時点から判定時点まで引き続いてシビアコンディション領域Bに属している場合においては、走行距離Lb=Lrとなる。
ペナルティ走行距離Pは、例えば、走行距離Lb×加算補正係数1.0の所定値に設定される。すなわち、車両の判定時点の運転状態が、シビアコンディション領域Bに属している場合において、車両が走行距離Lbを走行した場合には、ペナルティ走行距離Pは、P=Lb×1.0=Lbと算定される。なお、走行距離Lbに乗じる加算補正係数(本実施形態においては1.0)は、0.8や1.2等の他の値を使用してもよい。本実施形態の加算補正係数が1.0である場合においては、Loilは、走行距離Lbの2倍となっている。実際の走行距離Lbに対しペナルティ走行距離Pを加算する補正を行うことにより、エンジンオイルの劣化(エンジンオイルダメージ)が通常よりも激しいと想定されるシビアコンディション領域Bにおいて、エンジンオイルが実際の走行距離Lbに対しペナルティ走行距離P分も加えた距離において使用されているとみなすことができ、エンジンオイルの劣化が通常よりも激しい状態をエンジンオイルの交換のタイミングに反映させることができる。
シビアコンディション判定手段20は、Z≦Yの条件を満たす場合、すなわちZ(シビアコンディション判定マップ上においてZ及びXの値に対応する点)がYのライン上及びYの内側の領域に存在する場合には、車両の判定時点の運転状態が、標準運転状態領域Aに属すると判定する。シビアコンディション判定手段20が、車両の判定時点の運転状態が、標準運転状態領域Aに属すると判定する場合には、オイル走行距離算定手段22のオイル走行距離通常加算手段30又はオイル走行距離低減補正手段36によりオイル走行距離Loilを算定する。
原則的に、車両の判定時点の運転状態が、標準運転状態領域Aに属している場合には、オイル走行距離算定手段22のオイル走行距離通常加算手段30が適用される。
オイル走行距離通常加算手段30は、車両が標準運転状態領域Aに属している間の走行距離Laをオイル走行距離Loilとして決定する。すなわち、オイル走行距離通常加算手段30は、ペナルティ走行距離Pの上乗せ処理等の補正処理を省略した状態で、Loil=La×1.0となる決定(又は算定)を行う。なお、Lr=La+Lbの関係となっている。
オイル走行距離通常加算手段30は、車両が標準運転状態領域Aに属している間の走行距離Laをオイル走行距離Loilとして決定する。すなわち、オイル走行距離通常加算手段30は、ペナルティ走行距離Pの上乗せ処理等の補正処理を省略した状態で、Loil=La×1.0となる決定(又は算定)を行う。なお、Lr=La+Lbの関係となっている。
車両の運転状態が、シビアコンディション領域Bから標準運転状態領域Aに変化した以後に、車両の判定時点の運転状態が標準運転状態領域Aに継続して属している場合には、オイル走行距離算定手段22のオイル走行距離低減補正手段36が適用される。
オイル走行距離低減補正手段36は、車両の運転状態がシビアコンディション領域Bから標準運転状態領域Aに変化した後に、車両の運転状態が標準運転状態領域Aに属している間の走行距離Laに対して低減補正されたオイル走行距離Loilを算定する。このとき、オイル走行距離Loilは、次の式で表される。
Loil=La×0.5・・・式(3)
従って、このように、車両の運転状態がシビアコンディション領域Bから標準運転状態領域Aに変化した後に、車両の運転状態が標準運転状態領域Aに継続して属している間においては、走行距離Laに対して低減補正されたオイル走行距離Loilを算定することにより、後述する積算オイル走行距離Loiltの増加が実際の走行距離の増加よりも抑制される。なお、走行距離Laに乗じる低減補正係数(本実施形態においては0.5)は、他の値を使用してもよい。
オイル走行距離低減補正手段36は、車両の運転状態がシビアコンディション領域Bから標準運転状態領域Aに変化した後に、車両の運転状態が標準運転状態領域Aに属している間の走行距離Laに対して低減補正されたオイル走行距離Loilを算定する。このとき、オイル走行距離Loilは、次の式で表される。
Loil=La×0.5・・・式(3)
従って、このように、車両の運転状態がシビアコンディション領域Bから標準運転状態領域Aに変化した後に、車両の運転状態が標準運転状態領域Aに継続して属している間においては、走行距離Laに対して低減補正されたオイル走行距離Loilを算定することにより、後述する積算オイル走行距離Loiltの増加が実際の走行距離の増加よりも抑制される。なお、走行距離Laに乗じる低減補正係数(本実施形態においては0.5)は、他の値を使用してもよい。
なお、オイル走行距離低減補正手段36により低減されたオイル走行距離Loilが後述の積算オイル走行距離Loiltに積算され続けることにより、積算オイル走行距離Loiltの値が走行距離Lrと等しい値となる場合には、オイル走行距離低減補正手段36の適用を制限させるため、走行距離に対して低減されたオイル走行距離Loilを算定させる上記オイル走行距離低減補正手段36の適用を終了し且つ走行距離をオイル走行距離Loilとして決定する上記オイル走行距離通常加算手段30の適用を開始させる。
ステップS9において、オイル走行距離初期補正手段34は、車両の判定時点の走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の初期走行距離、例えば2000kmに達しているか否かを判定する。
オイル走行距離初期補正手段34は、車両の判定時点の走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の初期走行距離、例えば2000kmに達するまでは、オイル走行距離通常加算手段30を適用し、且つ、走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が所定の初期走行距離(例えば2000km)に達してから又は達した時点で、所定の初期走行距離(例えば2000km)に対してオイル走行距離加算補正手段32を適用するか否かを判定する。
オイル走行距離初期補正手段34は、車両の判定時点の走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の初期走行距離、例えば2000kmに達するまでは、オイル走行距離通常加算手段30を適用し、且つ、走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が所定の初期走行距離(例えば2000km)に達してから又は達した時点で、所定の初期走行距離(例えば2000km)に対してオイル走行距離加算補正手段32を適用するか否かを判定する。
上記の車両の判定時点の走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の初期走行距離、例えば2000kmに達するまでは、オイル走行距離通常加算手段30を適用する処理についてより具体的に説明する。
車両の走行距離が所定の初期走行距離に達するまでの期間においても、シビアコンディション判定手段20は、シビアコンディション判定マップ上において、車両の判定時点の運転状態が、標準運転状態領域Aに属するのか、又はシビアコンディション領域Bに属するのかを判定している。
このとき、オイル走行距離初期補正手段34は、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達するまでの期間においては、シビアコンディション判定手段20による判定結果を保留させ、シビアコンディション判定手段20による判定結果によらず、車両の判定時点の運転状態が標準運転状態領域Aに属する状態であると仮定して、オイル走行距離算定手段22のオイル走行距離通常加算手段30を使用して、走行距離Laをオイル走行距離Loilとして決定する。
よって、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達するまでの期間において、後述するような一時的な長距離走行等により年間走行距離Z及び所定期間あたりの使用時間Xが比較的高い値となりやすく、シビアコンディションと判定されてしまう場合においても、オイル走行距離初期補正手段34は、シビアコンディションと判定されてしまうことを回避し、オイル走行距離通常加算手段30を使用して、オイル走行距離Loilを決定することができる。
車両の走行距離が所定の初期走行距離に達するまでの期間においても、シビアコンディション判定手段20は、シビアコンディション判定マップ上において、車両の判定時点の運転状態が、標準運転状態領域Aに属するのか、又はシビアコンディション領域Bに属するのかを判定している。
このとき、オイル走行距離初期補正手段34は、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達するまでの期間においては、シビアコンディション判定手段20による判定結果を保留させ、シビアコンディション判定手段20による判定結果によらず、車両の判定時点の運転状態が標準運転状態領域Aに属する状態であると仮定して、オイル走行距離算定手段22のオイル走行距離通常加算手段30を使用して、走行距離Laをオイル走行距離Loilとして決定する。
よって、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達するまでの期間において、後述するような一時的な長距離走行等により年間走行距離Z及び所定期間あたりの使用時間Xが比較的高い値となりやすく、シビアコンディションと判定されてしまう場合においても、オイル走行距離初期補正手段34は、シビアコンディションと判定されてしまうことを回避し、オイル走行距離通常加算手段30を使用して、オイル走行距離Loilを決定することができる。
上記の走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が所定の初期走行距離(例えば2000km)に達した時点で、所定の初期走行距離(例えば2000km)に対してオイル走行距離加算補正手段32を適用するか否かを判定する処理についてより具体的に説明する。
オイル走行距離初期補正手段34は、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達するまでの期間においては、オイル走行距離通常加算手段30を使用して、走行距離Laをオイル走行距離Loilとして決定するが、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達した時点(すなわち一定期間が経過してシビアコンディションの判定が安定的に行えるようになった時点)における車両の運転状態がシビアコンディション領域Bに属している場合においては、車両が平均としてシビアコンディションの下で所定の初期走行距離(例えば2000km)を走行してきたと想定されることにより、シビアコンディション領域Bの下で所定の初期走行距離を走行した評価をオイル走行距離Loilに反映させ、エンジンオイルの劣化の状態を精確に把握し、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる
具体的には、オイル走行距離初期補正手段34は、走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が所定の初期走行距離(例えば2000km)に達した時点で、所定の初期の走行距離Lr(例えば2000km)分をまとめて、オイル走行距離加算補正手段32により、Loil=Lr+Pを算定する。この式は式(2)のLb=Lrとすることによりもとめられている。この場合、Lrは所定の初期走行距離2000kmであり、ペナルティ走行距離P=Lr×1.0=2000kmとなるため、オイル走行距離Loilは、4000kmと算定される。
オイル走行距離初期補正手段34は、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達するまでの期間においては、オイル走行距離通常加算手段30を使用して、走行距離Laをオイル走行距離Loilとして決定するが、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達した時点(すなわち一定期間が経過してシビアコンディションの判定が安定的に行えるようになった時点)における車両の運転状態がシビアコンディション領域Bに属している場合においては、車両が平均としてシビアコンディションの下で所定の初期走行距離(例えば2000km)を走行してきたと想定されることにより、シビアコンディション領域Bの下で所定の初期走行距離を走行した評価をオイル走行距離Loilに反映させ、エンジンオイルの劣化の状態を精確に把握し、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる
具体的には、オイル走行距離初期補正手段34は、走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が所定の初期走行距離(例えば2000km)に達した時点で、所定の初期の走行距離Lr(例えば2000km)分をまとめて、オイル走行距離加算補正手段32により、Loil=Lr+Pを算定する。この式は式(2)のLb=Lrとすることによりもとめられている。この場合、Lrは所定の初期走行距離2000kmであり、ペナルティ走行距離P=Lr×1.0=2000kmとなるため、オイル走行距離Loilは、4000kmと算定される。
一方で、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達した時点における車両の運転状態が標準運転状態領域Aに属している場合においては、車両が平均として標準運転状態領域Aの下で所定の初期走行距離(例えば2000km)を走行してきたと想定されることにより、標準運転状態領域Aの下で所定の初期走行距離を走行した評価をオイル走行距離Loilに反映させ、エンジンオイルの劣化の状態を精確に把握し、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
オイル走行距離初期補正手段34が上述のような処理によりオイル走行距離加算補正手段32を適用するか否かを判定するのは、車両の生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の初期走行距離に達するまでの期間においては、年間走行距離Z及び所定期間あたりの使用時間Xの算定の基となる車両の生産時点(又は納品時点)から判定時点までの経過日数D及び/又は経過時間が小さい値となるため、一時的に比較的長距離を走行する場合(例えば休暇等で一時的に比較的長距離を走行する場合)等において、年間走行距離Z及び所定期間あたりの使用時間Xが比較的高い値となりやすく、シビアコンディションと判定されてしまう可能性があるからである。従って、シビアコンディションの判定の精度をより高め、オイル走行距離Loilの精度を向上させ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定するため、オイル走行距離初期補正手段34が、車両の走行距離が所定の初期走行距離に達するまでの期間においては、シビアコンディション判定手段20による判定結果を保留させ、オイル走行距離通常加算手段30を適用し、且つ、走行距離Lr(又は積算走行距離Lt)が所定の初期走行距離(例えば2000km)に達した時点で、所定の初期走行距離(例えば2000km)の全体に対してオイル走行距離加算補正手段32を適用するか否かを判定している。
ステップS10において、オイル走行距離積算手段24がオイル走行距離算定手段22のオイル走行距離加算補正手段32、オイル走行距離低減補正手段36、オイル走行距離通常加算手段30及びオイル走行距離初期補正手段34により算定されたオイル走行距離Loilを積算する。オイル走行距離積算手段24は、オイル走行距離Loilを常に積算する状態にあり、車両の判定時点の運転状態に応じて、オイル走行距離加算補正手段32、オイル走行距離低減補正手段36、オイル走行距離通常加算手段30及びオイル走行距離初期補正手段34のうちのいずれかによって算定又は決定されたオイル走行距離Loilをその時点までに積算されてきた積算オイル走行距離Loiltに対して加算する。オイル走行距離積算手段24は、積算走行距離Ltとは独立して、積算オイル走行距離Loiltを算定するものであり、実際の走行距離の積算と独立且つ並行してオイル走行距離Loilを積算する処理を行う。よって、走行距離とは独立したオイル走行距離Loilという独自の指標をもってエンジンオイルの交換のタイミングを適切且つ精度よく判定することができる。
ステップS11において、エンジンオイル劣化診断手段26が、オイル走行距離積算手段24により積算された積算オイル走行距離Loiltが所定値(20000km)に到達する場合に、エンジンオイルが劣化している状態であると診断する。そして、エンジンオイル劣化診断手段26がエンジンオイルが劣化している状態であると診断した場合に、報知手段12がエンジンオイルの交換時期である旨を使用者に報知する。
上述した本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置10によれば、シビアコンディション判定手段20が年間走行距離Zと所定期間あたりの使用時間Xとの関係に基づいてシビアコンディションと判定している場合には、オイル走行距離加算補正手段32が、走行距離に対して所定値を上乗せしたオイル走行距離Loilを算定することができ、積算された積算オイル走行距離Loiltが所定値に到達する場合に、エンジンオイル劣化診断手段26がエンジンオイルが劣化している状態であると診断することができるので、走行距離と所定期間あたりの使用時間Xで表される運転頻度との両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断することができる。
また、本実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置10によれば、オイル走行距離初期補正手段34が、車両の走行距離が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の走行距離に達するまでの期間において、シビアコンディション判定手段20による判定結果を保留させ、オイル走行距離通常加算手段30を適用し、且つ、走行距離が所定の走行距離に達してから、所定の走行距離に対してオイル走行距離加算補正手段32を適用するか否かを判定することにより、車両の走行距離が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の走行距離に達するまでの期間において、一時的に比較的長距離を走行する場合にシビアコンディションと判定されてしまうことを防ぐことができ、シビアコンディションの判定の精度をより高め、走行距離と所定期間あたりの使用時間Xで表される運転頻度との両面からより精度よくエンジンオイルの劣化を診断することができ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
さらに、本実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置10によれば、オイル走行距離低減補正手段36が、シビアコンディション判定手段20がシビアコンディションと判定していた状態からシビアコンディションと判定していない状態に変更された場合以後のこのシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間においては、走行距離が期間限定で一時的に多くなったもののその後通常の態様での運転状態に戻った可能性が考えられるため、変更以後のシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間においては、走行距離に対して低減されたオイル走行距離Loilを算定し、シビアコンディションと判定していた状態においてオイル走行距離加算補正手段32により上乗せされていたオイル走行距離Loilに対し、今後オイル走行距離Loilの増加を低減させることにより実際の走行距離に近づけるような補正を行うことができる。よって、一時的にシビアコンディションの運転状態と判定していた状態があったとしても、通常の態様での運転状態に戻った場合には、オイル走行距離Loilの積算の積算オイル走行距離Loiltを実際の走行距離の積算に近づけるように補正することができ、走行距離と所定期間あたりの使用時間Xで表される運転頻度との両面からより精度よくエンジンオイルの劣化を診断することができ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
また、本実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置10によれば、オイル走行距離低減補正手段36が、走行距離に対して低減されたオイル走行距離Loilを算定し、オイル走行距離Loilの増加を低減させることにより実際の走行距離に近づけるような補正を行う場合において、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までにオイル走行距離積算手段24により積算されたオイル走行距離Loilが、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離と等しい値となるときは、オイル走行距離Loilが、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの実際の走行距離よりも低くならないように、オイル走行距離低減制限手段38は、走行距離に対して低減されたオイル走行距離Loilを算定させるオイル走行距離低減補正手段36の適用を制限することができる。よって、一時的にシビアコンディションの運転状態と判定していた状態が、通常の態様での運転状態に戻った場合において、オイル走行距離Loilの積算の低減を実際の走行距離以下にならないように制限し且つ通常の態様での運転状態におけるオイル走行距離Loilの算定に戻すことができる。従って、走行距離と所定期間あたりの使用時間Xで表される運転頻度との両面からより精度よくエンジンオイルの劣化を診断することができ、エンジンオイルの交換のタイミングを適切に判定することができる。
1 エンジンシステム
2 エンジン
4 パワートレインコントロールモジュール
8 走行距離検出手段
10 エンジンオイル劣化診断装置
12 報知手段
16 年間走行距離算定手段
18 使用時間算定手段
20 シビアコンディション判定手段
22 オイル走行距離算定手段
24 オイル走行距離積算手段
26 エンジンオイル劣化診断手段
30 オイル走行距離通常加算手段
32 オイル走行距離加算補正手段
34 オイル走行距離初期補正手段
36 オイル走行距離低減補正手段
38 オイル走行距離低減制限手段
A 標準運転状態領域
B シビアコンディション領域
D 経過日数
Loil オイル走行距離
Loilt 積算オイル走行距離
P ペナルティ走行距離
T 使用時間
X 所定期間あたりの使用時間
Y 判定閾値ライン
Z 年間走行距離
2 エンジン
4 パワートレインコントロールモジュール
8 走行距離検出手段
10 エンジンオイル劣化診断装置
12 報知手段
16 年間走行距離算定手段
18 使用時間算定手段
20 シビアコンディション判定手段
22 オイル走行距離算定手段
24 オイル走行距離積算手段
26 エンジンオイル劣化診断手段
30 オイル走行距離通常加算手段
32 オイル走行距離加算補正手段
34 オイル走行距離初期補正手段
36 オイル走行距離低減補正手段
38 オイル走行距離低減制限手段
A 標準運転状態領域
B シビアコンディション領域
D 経過日数
Loil オイル走行距離
Loilt 積算オイル走行距離
P ペナルティ走行距離
T 使用時間
X 所定期間あたりの使用時間
Y 判定閾値ライン
Z 年間走行距離
Claims (4)
- 車両のエンジンのエンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断装置において、
走行距離検出手段により検出された走行距離から年間走行距離を算定する年間走行距離算定手段と、
上記車両の使用時間から上記車両の所定期間あたりの使用時間を算定する使用時間算定手段と、
上記年間走行距離と、上記所定期間あたりの使用時間との関係が、シビアコンディションの判定基準を満たす場合にシビアコンディションと判定するシビアコンディション判定手段と、
走行距離に対してオイル走行距離を算定するオイル走行距離算定手段と、
上記オイル走行距離算定手段により算定されたオイル走行距離を積算するオイル走行距離積算手段と、
上記オイル走行距離積算手段により積算されたオイル走行距離が所定値に到達する場合に、エンジンオイルが劣化している状態であると診断するエンジンオイル劣化診断手段と、を有し、
上記オイル走行距離算定手段は、
上記シビアコンディション判定手段がシビアコンディションと判定していない場合には、走行距離をオイル走行距離として決定するオイル走行距離通常加算手段と、
上記シビアコンディション判定手段がシビアコンディションと判定している場合には、走行距離に対して所定値を上乗せしたオイル走行距離を算定するオイル走行距離加算補正手段と、を備えていることを特徴とするエンジンオイル劣化診断装置。 - 上記オイル走行距離算定手段は、さらに、上記車両の走行距離が生産時点又はエンジンオイル交換時点から所定の走行距離に達するまでは、上記オイル走行距離通常加算手段を適用し、且つ、上記車両の走行距離が上記所定の走行距離に達してから、上記所定の走行距離に対して上記オイル走行距離加算補正手段を適用するか否かを判定するオイル走行距離初期補正手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンオイル劣化診断制御装置。
- 上記オイル走行距離算定手段は、さらに、上記シビアコンディション判定手段がシビアコンディションと判定していた状態からシビアコンディションと判定していない状態に変更された場合以後のこのシビアコンディションと判定していない状態が継続する期間において、上記走行距離に対して低減されたオイル走行距離を算定させるオイル走行距離低減補正手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンオイル劣化診断制御装置。
- 上記オイル走行距離算定手段は、さらに、上記オイル走行距離低減補正手段により低減されたオイル走行距離を積算した積算オイル走行距離が、生産時点又はエンジンオイル交換時点から判定時点までの走行距離と等しい値となる場合には、上記オイル走行距離低減補正手段の適用を制限するオイル走行距離低減制限手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載のエンジンオイル劣化診断制御装置。
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