JP6292174B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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この発明は、冷蔵庫に関するものである。
従来における冷蔵庫においては、冷却器と、冷蔵室と、冷蔵室内の上部に設けられた貯蔵室と、貯蔵室の天井部ダクトの内部に設置した解凍用加熱ヒーターと、貯蔵室の背面に設置した貫流ファンとを備え、解凍用加熱ヒーター及び貫流ファンを運転することで、解凍用加熱ヒーターで加熱された空気を貫流ファンで吸い込み貯蔵室に吐出して、食品に暖気を供給することで食品を急速解凍するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、チルド室と、冷凍サイクルによって生じた冷気がチルド室内に送り出される冷気送出口と、チルド室内において冷気送出口とは別の位置に設置され、回転することによってチルド室内に対流を発生させる送風機と、チルド室内に載置された食品の温度を検出する非接触型温度検出手段と、を備え、非接触型温度検出手段によって検出された食品の温度が0℃になるように送風機を制御して、食品を解凍するものも従来において知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3251275号公報 特開2011−257022号公報
しかしながら、特許文献1に示された従来における冷蔵庫においては、ヒーターで加熱した冷蔵室温度と同等以上の空気を導入するため、解凍の対象である被解凍物以外の食品を同室に入れてしまうと、その食品の温度も冷蔵室温度の同等以上に上昇し、品質が低下してしまう可能性がある。また、特許文献2に示された従来における冷蔵庫においては、食品の温度が0℃の状態で強制対流を起こして解凍するものであるため、解凍中にドリップが発生する可能性があり、被解凍物の品質の低下、衛生性及び長期保存性に疑問がある。
すなわち、これらの特許文献に示されたいずれにおいても、解凍を行う貯蔵室内に被解凍物以外の食品があるか否か等の収納状態について考慮されていない。このため、被解凍物以外の食品の品質に影響を与えずに解凍を行ったり、被解凍物及び被解凍物以外の食品の双方の品質の悪化を抑制しつつ解凍を行ったりすることができない。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、貯蔵室の収納状態に応じて解凍モード時の温度制御内容として適切なものを選択して実行することが可能であり、被解凍物と被解凍物以外の食品の双方の品質に悪影響を与えることを抑制して、解凍を行うことができる冷蔵庫を得るものである。
この発明に係る冷蔵庫においては、食品を内部に収納する貯蔵室と、前記貯蔵室の内部を冷却する冷却手段と、前記冷却手段を制御する制御手段と、前記貯蔵室の内部における食品の収納状態を検知するための収納検知手段と、を備え、前記制御手段は、前記貯蔵室の内部の食品の過冷却状態を維持させるよう前記冷却手段を制御する保存温度制御を実施する保存温度制御部と、前記貯蔵室の内部の食品を予め設定された解凍温度まで昇温させるよう前記冷却手段を制御する解凍温度制御を実施する解凍温度制御部と、前記貯蔵室の内部の食品を解凍させる解凍モード時に、前記収納検知手段の検知結果により判別された収納状態に基づいて、前記保存温度制御及び前記解凍温度制御のいずれを実施するのかを決定する解凍制御決定部と、を備え、前記解凍制御決定部は、前記解凍モード時に、前記収納検知手段の検知結果により判別された収納状態が、保存物と被解凍物とが接触しないように収納されている場合に、前記保存温度制御を実施すると決定する構成とする。
この発明に係る冷蔵庫においては、貯蔵室の収納状態に応じて解凍モード時の温度制御内容として適切なものを選択して実行することが可能であり、被解凍物と被解凍物以外の食品の双方の品質に悪影響を与えることを抑制して、解凍を行うことができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の正面図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の縦断面図である。 図2の冷蔵室部分を拡大して示した図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫における保存温度制御実施時の低温室の設定温度及び庫内温度の経時変化の一例を示す図である。 図5において被冷却物が放出する熱量q1と被冷却物に供給される熱量q2とを示した図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫における保存温度制御実施時に被冷却物が過冷却解除されなかった場合の低温室の設定温度及び庫内温度の経時変化の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫における保存温度制御実施時に被冷却物が過冷却解除された場合の低温室の設定温度及び庫内温度の経時変化の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の低温室における被解凍物及び保存物の収納状態を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の図9(a)に示す収納状態の場合における解凍モード時の低温室の設定温度、庫内温度及び被解凍物の温度の経時変化の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の図9(b)に示す収納状態の場合における解凍モード時の低温室の設定温度、庫内温度及び被解凍物の温度の経時変化の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の図9(c)に示す収納状態の場合における解凍モード時の低温室の設定温度、庫内温度及び被解凍物の温度の経時変化の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の保存温度制御の一例を示すフロー図である。 この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の解凍モード時の動作の一例を示すフロー図である。
この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
実施の形態1.
図1から図14は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は冷蔵庫の正面図、図2は冷蔵庫の縦断面図、図3は図2の冷蔵室部分を拡大して示した図、図4は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図、図5は保存温度制御実施時の低温室の設定温度及び庫内温度の経時変化の一例を示す図、図6は図5において被冷却物が放出する熱量q1と被冷却物に供給される熱量q2とを示した図、図7は保存温度制御実施時に被冷却物が過冷却解除されなかった場合の低温室の設定温度及び庫内温度の経時変化の一例を示す図、図8は保存温度制御実施時に被冷却物が過冷却解除された場合の低温室の設定温度及び庫内温度の経時変化の一例を示す図、図9は冷蔵庫の低温室における被解凍物及び保存物の収納状態を説明する図、図10、11、12は、それぞれ図9の(a)、(b)、(c)に示す収納状態の場合における解凍モード時の低温室の設定温度、庫内温度及び被解凍物の温度の経時変化の一例を示す図、図13は冷蔵庫の保存温度制御の一例を示すフロー図、図14は冷蔵庫の解凍モード時の動作の一例を示すフロー図である。
なお、各図においては、各構成部材の寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、各構成部材同士の位置関係(例えば、上下関係等)は、原則として、冷蔵庫を使用可能な状態に設置したときのものである。
(冷蔵庫1の構成)
この発明の実施の形態1に係る冷蔵庫1は、図2に示すように断熱箱体90を有している。断熱箱体90は、前面(正面)が開口されて内部に貯蔵空間が形成されている。断熱箱体90は、外箱、内箱及び断熱材を有している。外箱は鋼鉄製である。内箱は樹脂製である。内箱は外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば発泡ウレタン等であり、外箱と内箱との間の空間に充填されている。断熱箱体90の内部に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材により、食品を収納保存する複数の貯蔵室に区画されている。
図1及び図2に示すように、ここでは、冷蔵庫1は、複数の貯蔵室として、例えば、冷蔵室100、切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500を備えている。これらの貯蔵室は、断熱箱体90において上下方向に4段構成となって配置されている。
冷蔵室100は、断熱箱体90の最上段に配置されている。切替室200は冷蔵室100の下方における左右の一側に配置されている。切替室200の保冷温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかを選択して切り替えることができる。切替室200の保冷温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯(例えば−18℃程度)、冷蔵温度帯(例えば3℃程度)、チルド温度帯(例えば0℃程度)及びソフト冷凍温度帯(例えば−7℃程度)等である。製氷室300は、切替室200の側方に隣接して切替室200と並列に、すなわち、冷蔵室100の下方における左右の他側に配置されている。
冷凍室400は、切替室200及び製氷室300の下方に配置されている。冷凍室400は、主に貯蔵対象を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いるためのものである。野菜室500は、冷凍室400の下方の最下段に配置されている。野菜室500は、主に野菜や容量の大きな(例えば2L等)の大型ペットボトル等を収納するためのものである。
冷蔵室100の前面に形成された開口部には、当該開口部を開閉する回転式の扉8が設けられている。ここでは、扉8は両開き式(観音開き式)であり、右扉8a及び左扉8bにより構成されている。冷蔵庫1の前面の扉8(例えば、左扉8b)の外側表面には、操作パネル6が設けられている。操作パネル6は、操作部及び表示部を備えている。操作部は、各貯蔵室の保冷温度及び冷蔵庫1の動作モード(解凍モード等)を設定するための操作スイッチである。表示部は、各貯蔵室の温度等の各種情報を表示する液晶ディスプレイである。また、操作パネル6は、操作部と表示部を兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。冷蔵室100の内部の構成については後述する。
冷蔵室100以外の各貯蔵室(切替室200、製氷室300、冷凍室400及び野菜室500)は、それぞれ引き出し式の扉によって開閉される。これらの引き出し式の扉は、扉に固定して設けられたフレームを各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに対してスライドさせることにより、冷蔵庫1の奥行方向(前後方向)に開閉できるようになっている。
また、切替室200の内部及び冷凍室400の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース201及び冷凍室収納ケース401がそれぞれ引き出し自在に格納されている。同様に、野菜室500内には、食品等を内部に収納できる野菜室収納ケース501が引き出し自在に格納されている。野菜室収納ケース501は、扉のフレームに連結されており、扉の開閉に連動して前後方向にスライドするようになっている。各貯蔵室内に設けられる収納ケースの数はそれぞれ1つであってもよいが、冷蔵庫1全体の容量を考慮し整理性等の向上を図るために2つ以上であっても構わない。
(冷却機構)
冷蔵庫1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷凍サイクル回路を備えている。冷凍サイクル回路は、圧縮機2、凝縮器(図示せず)、絞り装置(図示せず)及び冷却器3等によって構成されている。圧縮機2は、冷凍サイクル回路内の冷媒を圧縮し吐出する。凝縮器は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器3は、絞り装置で膨張した冷媒によって各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機2は、例えば、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
冷蔵庫1には、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路5が形成されている。この風路5は、主に冷蔵庫1内の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路の冷却器3は、この風路5内に設置される。また、風路5内には、冷却器3で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風ファン4も設置されている。
送風ファン4が動作すると、冷却器3で冷却された空気(冷気)が風路5を通って冷凍室400、切替室200、製氷室300及び冷蔵室100へと送られ、これらの貯蔵室内を冷却する。野菜室500は、冷蔵室100からの戻り冷気を冷蔵室用帰還風路を介して野菜室500内に導入することで冷却される。野菜室500を冷却した冷気は、野菜室用帰還風路を通って冷却器3のある風路5内へと戻される(これらの帰還風路は図示せず)。そして、冷却器3によって再度冷却されて、冷蔵庫1内を冷気が循環される。
風路5からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、ダンパが設けられている。各ダンパは、風路5の各貯蔵室へと通じる箇所を開閉する。ダンパの開閉状態を変化させることで、各貯蔵室へと供給する冷気の送風量を調節することができる。また、冷気の温度は圧縮機2の運転を制御することで調節することができる。
以上のようにして設けられた圧縮機2及び冷却器3からなる冷凍サイクル回路、送風ファン4、風路5及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段を構成している。
冷蔵庫1の例えば背面側の上部には、制御装置7が収容されている。制御装置7には、冷蔵庫1の動作に必要な各種の制御を実施するための制御回路等が備えられている。制御装置7が備える制御回路として、例えば、各貯蔵室内の温度及び操作パネル6に入力された情報等に基づいて圧縮機2及び送風ファン4の動作並びにダンパの開度を制御するための回路が挙げられる。すなわち、制御装置7は前述した冷却手段を制御する制御手段を構成している。なお、各貯蔵室内の温度は、それぞれの貯蔵室に設置されたサーミスタ(図示せず)等により検知することができる。
(冷蔵室の構成)
図3は、冷蔵庫1が備える冷蔵室100部分の断面図である。冷蔵室100の内部には、扉開閉検知スイッチ9、扉ポケット10及び棚11が設けられている。扉開閉検知スイッチ9は、扉8の開閉状態を検知するためのものである。扉開閉検知スイッチ9は、冷蔵室100の前面開口の縁部における扉8と対向する位置に設けられている。また、扉ポケット10は、扉8の内側に取り付けられている。
棚11は、冷蔵室100の内部を上下に複数に仕切っている。棚11により仕切られた最下段部は、さらに上下二段に構成され、上段にチルド室12、下段に低温室13が設けられている。これらのチルド室12及び低温室13も、内部に食品を収納する貯蔵室である。チルド室12は、冷蔵室100よりも低い温度を保つことができる貯蔵室である。チルド室12内の温度は0℃以上に維持される。低温室13は、食品を凍結点以下で凍らせずに保存する貯蔵室である。
冷蔵室100の内部の温度は、冷蔵室サーミスタ14によって検知され、風路5に設置された冷蔵室ダンパ16の開度を調整することにより制御される。また、低温室13の内部の温度は、低温室サーミスタ15によって検知され、風路5に設置された低温室ダンパ17の開度の調整により制御される。低温室13の下方(すなわち、冷蔵室100の床面)には、ヒーター18が埋設されている。ヒーター18は、低温室13を加熱して昇温させる加熱機構(加熱手段)である。加熱手段であるヒーター18を低温室13の下方に設置することにより、低温室13を効率的に昇温することが可能である。
低温室13の上方には収納検知手段19が設けられている。収納検知手段19は、貯蔵室である低温室13の内部における食品の収納状態を検知するためのものである。収納検知手段19は、例えば、低温室13の内部の状況を撮影するカメラ(撮影手段)を備えている。この収納検知手段19の検知結果は、貯蔵室である低温室13の内部における食品の収納状態の判定に用いられる。収納検知手段19の検知結果に基づく収納状態の判定の詳細については後述する。
(冷蔵庫の制御系統)
図4は、冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。冷蔵室サーミスタ14及び低温室サーミスタ15から、冷蔵室100の内部の温度及び低温室13の内部の温度の検知信号が制御装置7に入力される。また、制御装置7には、操作パネル6の操作部からの操作信号も入力される。さらに、制御装置7には、扉開閉検知スイッチ9及び収納検知手段19からの検知信号も入力される。
そして、制御装置7は、入力された信号に基づいて、冷蔵室100の内部及び低温室13内部がそれぞれ設定された温度に維持されるように、図示しない記憶装置に予め記憶された動作プログラムに従って、圧縮機2、送風ファン4、冷蔵室ダンパ16、低温室ダンパ17及びヒーター18等の動作又は状態を制御する。また、制御装置7は、操作パネル6の表示部に表示信号を出力する。
制御装置7は、保存温度制御部71、解凍温度制御部72及び解凍制御決定部73を備えている。まず、保存温度制御部71は、貯蔵室である低温室13の内部の食品の過冷却状態を維持させるよう前述した冷却手段を制御する保存温度制御を実施する。以下、この保存温度制御について、まず説明する。
(保存温度制御)
図5は、保存温度制御における低温室13の設定温度及び庫内温度の経時変化を示したものである。低温室13の保存温度制御は、低温工程(第1工程)と昇温工程(第2工程)とからなる。また、低温工程は導入工程(第1小工程)と低温維持工程(第2小工程)の2つの小工程から構成されている。制御装置7の保存温度制御部71は、低温工程の終了とともに昇温工程を開始し、昇温工程の終了とともに低温工程を開始するように冷却手段(圧縮機2、送風ファン4及び低温室ダンパ17等)を制御する。
低温室13の設定温度は、低温工程と昇温工程とでそれぞれ別に設定される。低温工程における低温室13の設定温度は、低温設定温度(低温側設定温度)θLである。低温設定温度θLは、低温室13に収納される食品の凍結点θfよりも低い温度に予め設定される。昇温工程における低温室13の設定温度は、昇温設定温度(高温側設定温度)θHである。低温設定温度θHは、低温室13に収納される食品の凍結点θfよりも高い温度に予め設定される。したがって、三者の温度は、θH>θf>θLの関係にある。
低温工程が開始されると、まず、導入工程が開始される。導入工程では、予め設定された時間ΔT毎に設定温度をΔθずつ下げて段階的に冷却する。そして、設定温度が低温設定温度θLまで到達したら(時刻TL1)、低温維持工程へ移行する。低温維持工程では、設定温度を低温設定温度θLに維持する。低温工程開始から第1所定時間(ΔTL)が経過したら(時刻TL)、低温工程を終了し、昇温工程を開始する。
昇温工程では、低温室13の設定温度を昇温設定温度θHに変更する。そして、第2所定時間(昇温工程時間ΔTH)が経過するまで、昇温設定温度θHに維持する。昇温工程時間ΔTHが経過したら(時刻TH)、昇温工程を終了する。低温工程を開始してから昇温工程を終了するまでを1周期とし、この一連の温度制御を繰り返す。
次に、低温工程時間ΔTL及び昇温工程時間ΔTHについて具体的に説明する。図6は、図5のグラフ中に、被冷却物が放出する熱量q1と、被冷却物に供給される熱量q2とを図示したものである。この図6に示すように、ここで、低温工程において、庫内温度θ(T)が食品等の被冷却物の凍結点θfに到達する時刻をTf1とする。昇温工程において、庫内温度θ(T)が食品等の被冷却物の凍結点θfに到達する時刻をTf2とする。そして、次の周期の低温工程において、庫内温度θ(T)が食品等の被冷却物の凍結点θfに到達する時刻をTf3とする。
また、昇温工程が開始されてから庫内温度θ(T)が食品等の被冷却物の凍結点θfに到達するまでの時間をΔTf2とする。そして、次の周期の低温工程が開始されてから食品等の被冷却物の凍結点θfに庫内温度θ(T)が到達するまでの時間をΔTf1とする。
庫内温度θ(T)が凍結点θfよりも低い時間ΔT1の間に温度が凍結点θfで一定となっている被冷却物が放出する熱量をq1とする。なお、図6から分かるように、ΔT1=Tf2−Tf1である。また、庫内温度θ(T)が凍結点θfよりも高い時間ΔT2の間に温度が凍結点θfで一定となっている被冷却物に供給される熱量をq2とする。なお、ΔT1と同様に図6から分かるように、ΔT2=Tf3−Tf2である。
熱量q1は、図6中に斜線部で示す面積のうち、Tf1からTf2までにおけるθfと庫内温度θ(T)との間の斜線部の面積に相当し、次の式(1)により表すことができる。
Figure 0006292174
また、熱量q2は、図6中の斜線部で示す面積のうち、Tf2からTf3までにおけるθfと庫内温度θ(T)との間の斜線部の面積に相当し、次の式(2)により表すことができる。
Figure 0006292174
ここで、式(1)中のkfは冷却中の熱伝達係数、式(2)中のkhは昇温中の熱伝達係数である。これらの熱伝達係数は、食品の冷却速度及び昇温速度から見積もることができる。
そして、熱量q1と熱量q2との関係が、q1=q2を満たすように、低温工程時間ΔTLと、昇温工程時間ΔTHとを決定する。つまり、第1の熱量である熱量q1と、第2の熱量である熱量q2とが均衡した状態となるように、低温工程時間ΔTLと、昇温工程時間ΔTHとを求めて設定する。ここで、低温工程時間ΔTLは、簡易的な実験から設定された条件下で任意に設定される。そして、昇温工程時間ΔTHは、こうして決定した低温工程時間ΔTLに対して、式(1)及び式(2)により、q1=q2を満たすように決定される。
次に、低温工程時間ΔTLから昇温工程時間ΔTHを求める方法について説明をする。まず、昇温工程が開始してから庫内温度θ(T)が凍結点θfに到達するまでの時間ΔTfは、昇温速度から求めることができる。昇温速度は、実験から明らかになるものである。そして、式(1)で表される熱量q1は、図6の斜線部の面積から、次の式(3)の近似式で表すことができる。
q1≒{ΔT1+(Tf2−TL1)}×(θf−θL)×1/2
={(ΔTL−ΔTf1+ΔTf2)+(Tf2−TL1)}×(θf−θL)×1/2 ・・・ (3)
また、式(2)で表される熱量q2は、図6の斜線部の面積から、次の式(4)の近似式で表すことができる。
q2≒{ΔT2+(TH−Tf2)}×(θH―θf)×1/2
={(ΔTH−ΔTf2+ΔTf1)+(ΔTH−ΔTf2)}×(θH―θf)×1/2 ・・・ (4)
そして、これらの式(3)及び(4)により、熱量q1=q2を満たすように昇温工程時間ΔTHを求め、時刻THを設定することができる。
以上のようにして設定した低温工程時間ΔTL及び昇温工程時間ΔTH、並びに、その他のパラメータに従って、保存温度制御部71は、貯蔵室である低温室13の内部の温度について保存温度制御を行う。保存温度制御部71により保存温度制御がなされている低温室13の内部に被冷却物、例えば食品を収納した際の、低温室13の設定温度及び庫内温度、並びに、食品の温度は、例えば図7及び図8に示すように変化する。
まず、図7及び図8の両図に示すように、保存温度制御の低温工程では、低温室13の温度は食品の凍結点θfより低い低温設定温度θLに設定される。このため、低温室13に収納された食品は凍結点θfよりも低い温度にまで冷却されても凍結しない過冷却状態になる。この過冷却状態は、エネルギー的には不安定な状態である。このため、外部からの刺激等により食品の過冷却状態が解除されてしまう可能性がある。
例えば、扉8の開閉等のような衝撃が加わった場合、あるいは、何らかの要因により低温室13内で急激な温度変化が起こった場合等に、過冷却状態が解除される可能性がある。被冷却物である食品の過冷却状態が解除されると、食品内部には略一様に微細氷結晶が生成し始め、凍結が開始される。過冷却状態が解除され、食品の凍結が開始されると、図8に示すように、低温行程中であっても食品温度が凍結点θfまで急上昇する。そして、凍結進行中は食品温度が凍結点θfで一定の状態が維持される。
一方、過冷却状態が解除されずに維持される場合、図7に示すように、低温室13の庫内温度の経時変化よりも時間は遅れるが、食品等の被冷却物の温度は、その熱容量に応じて、低温設定温度θLから昇温設定温度θHまでの間を連続的に変化する。
制御装置7の保存温度制御部71は、貯蔵室である低温室13の内部の食品の過冷却状態を維持させるよう前述した冷却手段を制御する保存温度制御を実施する。すなわち、保存温度制御部71は、前述のように、予め定められたタイミングで、すなわち、低温行程を開始してから低温工程時間ΔTLが経過した時点で、昇温工程に移行して設定温度を昇温設定温度θHに設定し、高温温度帯へと昇温する。このようにすることで、食品の凍結の進行及び完了を回避し、氷結晶による食品等被冷却物の組織又は細胞等への損傷を防止することができる。なお、保存温度制御部71は、食品等の被冷却物の凍結開始を検知して、昇温工程に移行するようにしてもよい。
また、保存温度制御部71は、昇温行程すなわち高温温度帯への昇温制御の後、予め定められたタイミングで、すなわち、昇温工程時間ΔTHが経過した時点で、再び低温行程へと移行して、設定温度を低温設定温度θLに設定し、再び低温温度帯に戻す。このようにすることにより、食品等の被冷却物の品質低下を抑制することができる。
(解凍温度制御)
制御装置7が備える解凍温度制御部72は、貯蔵室である低温室13の内部の食品を予め設定された解凍温度まで昇温させるよう前述した冷却手段を制御する解凍温度制御を実施する。解凍温度制御部72により解凍温度制御を実施した際の貯蔵室(低温室13)の設定温度の例は、図10及び図12の時刻T1からT2までの「解凍モード(解凍温度制御)」に示す通りである。すなわち、解凍温度制御部72は、低温室13の設定温度を解凍温度θH’(≧θH)に切り替え、予め設定された解凍時間ΔTH’が経過するまでの間、解凍温度θH’に維持する。解凍時間ΔTH’が経過したら(時刻T2)、解凍温度制御は終了となる。
(解凍モード時の動作)
以上のように構成された冷蔵庫1における貯蔵室の内部の凍結した食品(被解凍物)を解凍させる動作モードである解凍モード時の動作について次に説明する。使用者凍結した食品(被解凍物)を貯蔵室である低温室13内に入れ、例えば操作パネル6の操作部を操作して解凍モードの開始を指示する。制御装置7は、操作パネル6からの解凍モード開始信号を受信すると、冷蔵庫1の動作モードを解凍モードに移行させる。
解凍モードにおいては、まず、制御装置7の解凍制御決定部73が、収納検知手段19の検知結果により判別された収納状態に基づいて、解凍モードにおいて保存温度制御及び解凍温度制御のいずれを実施するのかを決定する。この決定のためには、収納検知手段19の検知結果に基づいて貯蔵室である低温室13の内部における食品の収納状態を判別する必要がある。
(収納状態の判別)
前述したように、低温室13の上方には収納検知手段19が設けられている。収納検知手段19は、貯蔵室である低温室13の内部における食品の収納状態を検知するためのものである。収納検知手段19は、例えば、低温室13の内部の状況を撮影するカメラ(撮影手段)を備えている。制御装置7には、例えば、冷蔵室100の内部に収納物がない初期状態における撮影手段による撮影画像(初期画像)が記憶されている。
そして、制御装置7は、例えば、扉開閉検知スイッチ9により扉8が開閉したことを検知すると、収納検知手段19の撮影手段を駆動させて低温室13の内部の状況を撮影する。そして、制御装置7は、撮影された撮影画像と初期画像との差分をとり、変化があったところには食品が置かれたものと判断する。このようにして、低温室13に投入された食品の有無及び食品の位置を収納状態として検出することができる。また、今回検出した収納状態と前回検出した収納状態とを比較することにより、今回の時点で新たに投入された収納物の位置を検出することができる。
解凍モードが開始された場合、制御装置7は、解凍モードの開始前後に最後に低温室13内に投入された収納物を、被解凍物と判定する。そして、制御装置7は、低温室13内における被解凍物の位置と、それ以外の食品の位置とを対比して収納状態を判別する。収納状態の判別は、具体的には、低温室13内の食品の状態が、第1状態、第2状態及び第3状態の3通りの状態のうちどの状態であるかを判別することである。これらの第1状態から第3状態について、図9を参照しながら説明する。
第1状態は、図9の(a)に示す状態であり、被解凍物のみが貯蔵室である低温室13内に収納されている状態である。また、第2状態は、図9の(b)に示す状態であり、保存物と被解凍物とが接触しないように貯蔵室である低温室13内に収納されている状態である。そして、第3状態は、図9の(c)に示す状態であり、保存物と被解凍物が接触して貯蔵室である低温室13内に収納されている状態である。
このようにして、制御装置7は、収納検知手段19による検知結果に基づいて、貯蔵室である低温室13内の収納状態が、被解凍物のみが収納されている第1状態、保存物と被解凍物とが接触しないように収納されている第2状態、及び、保存物と被解凍物が接触して収納されている第3状態のいずれであるかを判別可能である。
なお、扉8又は庫内に設けた操作パネル6、あるいは、通信回線を介した携帯端末等を用いて被解凍物をどのような配置で投入したかを使用者が入力するようにしてもよい。例えば、入力の選択肢として、「被解凍物のみ」、「被解凍物と保存物は接触していない」及び「被解凍物と保存物は接触」の3通りを設定する。この場合、より確実に収納状態に対応した解凍を行うことができるとともに、使用者の意向を反映した解凍を行うことが可能である。
また、投入された食品が被解凍物であるかを検知するには、例えば、食品からの放射赤外線を検出する可動式の赤外線温度センサを用いるようにしてもよい。すなわち、赤外線温度センサにより、投入された食品の温度を測定し、食品の温度が低温室13の設定温度よりも低い温度である場合に、当該食品は被解凍物であると検知できる。この場合、食品の温度を直接測定するので、被解凍物の検知精度を高めることができる。
あるいは、低温室13の空気温度を検知する温度センサを設けてもよい。投入された食品が被解凍物である場合には、被解凍物は低温室の温度より低い温度のため、食品が投入された後に、低温室13の温度が低下する。被解凍物でない食品が投入された場合には、食品が投入された後に、低温室13の温度は低下しない。したがって、低温室13の温度の変化により、被解凍物が投入されたか否かを検知できる。この場合、温度センサは小型であるため、庫内の収納スペースを食品の収納のために有効に利用できる。
さらにあるいは、扉8又は庫内に設けた操作パネル6、あるいは、通信回線を介した携帯端末等を用いて被解凍物を投入したことを使用者が入力するようにしてもよい。このようにすることで、より確実に被解凍物の解凍を行うことができる。
解凍制御決定部73は、解凍モードの開始時において、以上のようにして収納検知手段19の検知結果により判別された収納状態に基づいて、当該解凍モードにおいて保存温度制御及び解凍温度制御のいずれを実施するのかを決定する。そして、解凍制御決定部73が保存温度制御を実施すると決定した場合には、解凍モードにおいて保存温度制御部71が保存温度制御を実施する。一方、解凍制御決定部73が解凍温度制御を実施すると決定した場合には、解凍モードにおいて解凍温度制御部72が解凍温度制御を実施する。
さらに具体的に解凍制御決定部73による解凍モード時の制御内容の決定について説明する。まず、判別された収納状態が第1状態、すなわち、被解凍物のみが低温室13内に収納されている状態である場合(図9の(a))、解凍制御決定部73は、解凍モード時に解凍温度制御を実施すると決定する。図10は、収納状態が第1状態であると判別されて解凍モードで解凍温度制御を実施した際の低温室13の設定温度及び庫内温度、並びに、被解凍物の温度の経時変化を示したものである。
この図10に示すように、時刻T1に被解凍物を低温室13に投入して解凍モードが開始されると、制御装置7は、収納検知手段19の検知結果に基づいて、低温室13の収納状態を第1状態(被解凍物のみ)であると判別する。すると、解凍制御決定部73は、当該解凍モード時に解凍温度制御を実施すると決定する。そして、この決定を受けて、制御装置7の解凍温度制御部72が解凍温度制御を実施する。
すなわち、解凍温度制御部72は、低温室13の設定温度を解凍温度θH’(≧θH)に切り替え、予め設定された解凍時間ΔTH’が経過するまでの間、解凍温度θH’に維持する。解凍時間ΔTH’が経過したら(時刻T2)、解凍温度制御は終了となり解凍モードも終了となる。解凍モードを終了したら、制御装置7の解凍温度制御部72が保存温度制御を開始する。
このように、低温室13に被解凍物のみが投入される場合には、速やかに低温室13を昇温し、被解凍物の解凍を完了させることができる。また、解凍完了後は、保存温度制御を実施することにより、解凍後も低温環境で保存することができるので、解凍後の食品について高品質を保つことができる。
次に、判別された収納状態が第2状態、すなわち、保存物と被解凍物とが接触しないように低温室13内に収納されている状態である場合(図9の(b))、解凍制御決定部73は、解凍モード時に保存温度制御を実施すると決定する。図11は、収納状態が第2状態であると判別されて解凍モードで保存温度制御を実施した際の低温室13の設定温度及び庫内温度、並びに、被解凍物の温度の経時変化を示したものである。
この図11に示すように、時刻T1に被解凍物を低温室13に投入して解凍モードが開始されると、制御装置7は、収納検知手段19の検知結果に基づいて、低温室13の収納状態を第2状態(被解凍物と保存物とは接触しない位置)であると判別する。すると、解凍制御決定部73は、当該解凍モード時に保存温度制御を実施すると決定する。そして、この決定を受けて、制御装置7の保存温度制御部71が保存温度制御を実施する。
すなわち、保存温度制御部71は、解凍モードが開始しても低温室13について直前に実施している保存温度制御を継続する。そして、解凍モードにおける保存温度制御の昇温工程が終了したら(時刻TH)、解凍モードを終了する。解凍モードの終了後は、保存温度制御部71が引き続き保存温度制御を実施する。
なお、この場合、低温室13では解凍モードを実施している間も変わらず保存温度制御が実施される。この解凍モード中には、温度制御の内容は変わらないが、操作パネル6に「解凍中」等の表示又はランプ点灯等、解凍モードを実施していることを使用者に報知してもよい。
このように、低温室13に被解凍物以外の保存物があり、被解凍物と保存物とは接触しない位置である場合には、解凍モードでも保存温度制御を継続することで、保存物の品質を維持し、被解凍物の解凍も同時に実施することができる。被解凍物と保存物とが接触しない場合、被解凍物が保存物の状態に与える影響は小さく、被解凍物の投入をきっかけに保存物が過冷却解除する可能性も低い。
また、万が一、被解凍物の投入のタイミングで、保存物が過冷却解除した場合においても、被解凍物とは接触していないため、保存物が低温設定温度θLよりも低い温度になることはなく、保存温度制御を行うことで凍結の進行及び完了を回避することができる。保存温度制御実施中の低温室13の設定温度が低温設定温度θLであっても、この低温設定温度θLは被解凍物の初期温度θFに比べると十分に高い。このため、被解凍物を昇温して解凍することができる。したがって、保存物も被解凍物も品質を維持することができる。
そして、判別された収納状態が第3状態、すなわち、被解凍物が保存物と接触して低温室13内に収納されている状態である場合(図9の(c))、解凍制御決定部73は、解凍モード時に解凍温度制御を実施すると決定する。図12は、収納状態が第3状態であると判別されて解凍モードで解凍温度制御を実施した際の低温室13の設定温度及び庫内温度、並びに、被解凍物の温度の経時変化を示したものである。
この図12に示すように、時刻T1に被解凍物を低温室13に投入して解凍モードが開始されると、制御装置7は、収納検知手段19の検知結果に基づいて、低温室13の収納状態を第3状態(被解凍物と保存物とは接触する位置)であると判別する。すると、解凍制御決定部73は、当該解凍モード時に解凍温度制御を実施すると決定する。そして、この決定を受けて、制御装置7の解凍温度制御部72が解凍温度制御を実施する。
すなわち、解凍温度制御部72は、低温室13の設定温度を解凍温度θH’(≧θH)に切り替え、予め設定された解凍時間ΔTH’が経過するまでの間、解凍温度θH’に維持する。解凍時間ΔTH’が経過したら(時刻T2)、解凍温度制御は終了となり解凍モードも終了となる。解凍モードを終了したら、制御装置7の解凍温度制御部72が保存温度制御を開始する。
このように、低温室13に被解凍物以外の保存物があって当該保存物と被解凍物とが接触する場合、当該保存物が過冷却状態であれば当該保存物は被解凍物が接触した部分から過冷却解除される。そして、この状態が長く続くと被解凍物により保存物が冷やされて凍結してしまう可能性がある。そこで、この第3状態の場合には、解凍温度制御により速やかに低温室13を昇温することにより、被解凍物の解凍を完了させるとともに、保存物の凍結の進行及び完了を回避することができる。
(冷蔵庫の温度制御フローの例)
次に、以上のように構成された冷蔵庫1における、温度制御動作の流れの例について、図13及び図14を参照しながら、今一度説明する。まず、図13は、冷蔵庫1の保存温度制御の一例を示すフロー図である。冷蔵庫1の電源が投入されると、あるいは、操作パネル6への操作等により低温室13での保存温度制御が選択されると、制御装置7の保存温度制御部71は、保存温度制御を開始する。
保存温度制御が開始されると、まず、ステップS101において、低温室サーミスタ15により検出される低温室13の庫内温度θが、昇温設定温度θH(例えば1℃)以上であるか否かを確認する。低温室13の庫内温度θが昇温設定温度θH以上である場合には、ステップS102へと進む。
ステップS102においては、タイマーT=0として低温工程を開始する(S102)。前述したように、低温工程の第一小工程は導入工程である。導入工程は、n段階(例えばn=10又は12)に分けて一定時間毎に設定温度を一定温度ずつ降下させて冷却する工程である。ステップS102に続くステップS103においては、低温室13の設定温度θsを昇温設定温度θHよりもΔθ(例えば0.3℃)だけ低い温度に設定する。ステップS103の後はステップS104へと進み、カウンターi=0とする。
そして、ステップS105へと進んでタイマーT=0として計時を開始する。続くステップ106においては、タイマーTの計時により予め設定された時間ΔT(例えば20分)が経過したか否かを確認する。そして、時間ΔTが経過したことが確認できたら、ステップS107へと進む。ステップS107においては、低温室13の設定温度θsを、現在の設定温度θsをよりもΔθだけ低い温度に設定する。そして、続くステップS108においてカウントiに1加算し、ステップS109へと進む。
ステップS109においては、カウントiがnより小さいか否かを確認する。カウントiがnより小さければ、ステップS105へと戻る。一方、カウントiがn以上であれば、導入工程は終了となる。
導入工程が終了したら、ステップS110へと進み、設定温度θsを低温設定温度θL(例えば−3℃)に設定して低温工程の第二小工程である維持工程を開始する。続くステップS111において、タイマーTの計時により低温工程開始から予め設定された時間ΔTL(例えば300分)だけ経過したか否かを確認する。そして、時間ΔTが経過したことが確認できたら、維持工程を終了して低温工程を終了し、ステップS112へと進む。
ステップS112からは昇温工程に移行する。なお、ステップS101において、低温室13の庫内温度θが昇温設定温度θH以上でない場合にも、ステップS112へと進んで昇温工程を開始する。ステップS112においては、タイマーTを0にリセットする。そして、続くステップS113において、低温室13の設定温度θsを昇温設定温度θHに設定する。
ステップS113の後はステップS114へと進む。ステップS114においては、タイマーTの計時により、昇温工程開始から予め設定された昇温工程時間ΔTH(例えば240分)が経過したか否かを確認する。そして、昇温工程開始から昇温工程時間ΔTHが経過したことが確認できたら、昇温工程を終了してステップS102へと戻り、再び低温工程へと繰り返し制御を実施する。
(冷蔵庫1の処理例 解凍温度制御)
次に、図14は、冷蔵庫1の解凍モード時における動作の流れの一例を示すフロー図である。操作パネル6の操作部における操作等により解凍モードが開始されると、まず、ステップS201において、操作パネル6の表示部に「解凍中」等の解凍モード中である旨の表示を行う。続くステップS202において、収納検知手段19により貯蔵室である低温室13の内部の収納状態を検知し、この検知結果に基づいて低温室13の収納状態の判別を行う。
そして、ステップS203へと進み、収納状態の判別の結果、低温室13内にあるのは被解凍物のみであるか否かを確認する。低温室13内にあるのが被解凍物のみでなければ、ステップS204へと進む。ステップS204においては、収納状態の判別の結果、低温室13内にある被解凍物以外の保存物が、被解凍物と接触しているか否かを確認する。そして、保存物が被解凍物と接触していれば、ステップS205へと進む。また、ステップS203において、低温室13内にあるのが被解凍物のみであった場合も、ステップS205へと進む。
ステップS205においては、解凍温度制御部72は、低温室13の設定温度θsを解凍温度θH’に設定する。そして、続くステップS206において、タイマーT=0として計時を開始する。ステップS206の後はステップS207へと進み、タイマーTの計時により予め設定された解凍時間ΔTH’が経過したか否かを確認する。そして、解凍時間ΔTH’が経過したことが確認できたら、ステップS210へと進んで操作パネル6の「解凍中」の表示を消灯し、解凍モードを終了する。
一方、ステップS204において、収納状態の判別の結果、低温室13内に被解凍物のみでなく保存物が収納されており、かつ、被解凍物が保存物と接触していない場合には、ステップS208へと進む。ステップS208においては、保存温度制御部71が図13のフロー図に示す保存温度制御を実施する。そして、続くステップS209において、保存温度制御の昇温工程が終了したか否かを確認する。保存温度制御の昇温工程が終了したことが確認できたら、ステップS210へと進んで操作パネル6の「解凍中」の表示を消灯し、解凍モードを終了する。
ここで、操作パネル6の「解凍中」表示は、消灯することで解凍モードの終了を使用者に報知する報知手段を構成している。報知手段として、他に例えば、解凍モードが終了した旨を音声で使用者に報知するようにしてもよい。このような報知手段を備えることで、使用者は被解凍物の解凍が終了したことを即座に知ることができ、解凍が終了した食品を速やかに使用することが可能である。
なお、制御装置7が備える制御回路は、少なくとも保存温度制御部71、解凍温度制御部72及び解凍制御決定部73の各部の機能を実現する回路である。そして、このような制御回路を、コンピュータすなわちCPU及びメモリ等を備えたハードウエアにおいて、当該ハードウエアを、保存温度制御部71、解凍温度制御部72及び解凍制御決定部73の各部として機能させるためのソフトウエアである動作プログラムを実行することで構成することも可能である。
以上のように構成された冷蔵庫は、食品を内部に収納する貯蔵室である低温室13と、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段である圧縮機2、冷却器3、送風ファン4及び風路5等と、冷却手段を制御する制御手段である制御装置7と、貯蔵室の内部における食品の収納状態を検知するための収納検知手段19と、を備えている。そして、制御手段である制御装置7は、貯蔵室の内部の食品の過冷却状態を維持させるよう冷却手段を制御する保存温度制御を実施する保存温度制御部71と、貯蔵室の内部の食品を予め設定された解凍温度まで昇温させるよう冷却手段を制御する解凍温度制御を実施する解凍温度制御部72と、貯蔵室の内部の食品を解凍させる解凍モード時に、収納検知手段19の検知結果により判別された収納状態に基づいて、保存温度制御及び解凍温度制御のいずれを実施するのかを決定する解凍制御決定部73と、を備えている。
このため、貯蔵室の収納状態に応じて解凍モード時の温度制御内容として適切なものを選択して実行することが可能であり、被解凍物と被解凍物以外の食品の品質に悪影響を与えることを抑制して、解凍を行うことができる。また、保存温度制御においては過冷却状態にする工程を含むため、凍結点以下の低温で食品を保存することができ、解凍後の被解凍物と被解凍物以外の食品との両方について、長期間にわたって品質を維持することができる。
1 冷蔵庫、 2 圧縮機、 3 冷却器、 4 送風ファン、 5 風路、 6 操作パネル、 7 制御装置、 8 扉、 8a 右扉、 8b 左扉、 9 扉開閉検知スイッチ、 10 扉ポケット、 11 棚、 12 チルド室、 13 低温室、 14 冷蔵室サーミスタ、 15 低温室サーミスタ、 16 冷蔵室ダンパ、 17 低温室ダンパ、 18 ヒーター、 19 収納検知手段、 71 保存温度制御部、 72 解凍温度制御部、 73 解凍制御決定部、 90 断熱箱体、 100 冷蔵室、 200 切替室、 300 製氷室、 400 冷凍室、 500 野菜室、 201 切替室収納ケース、 401 冷凍室収納ケース、 501 野菜室収納ケース

Claims (5)

  1. 食品を内部に収納する貯蔵室と、
    前記貯蔵室の内部を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段を制御する制御手段と、
    前記貯蔵室の内部における食品の収納状態を検知するための収納検知手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記貯蔵室の内部の食品の過冷却状態を維持させるよう前記冷却手段を制御する保存温度制御を実施する保存温度制御部と、
    前記貯蔵室の内部の食品を予め設定された解凍温度まで昇温させるよう前記冷却手段を制御する解凍温度制御を実施する解凍温度制御部と、
    前記貯蔵室の内部の食品を解凍させる解凍モード時に、前記収納検知手段の検知結果により判別された収納状態に基づいて、前記保存温度制御及び前記解凍温度制御のいずれを実施するのかを決定する解凍制御決定部と、を備え
    前記解凍制御決定部は、前記解凍モード時に、前記収納検知手段の検知結果により判別された収納状態が、保存物と被解凍物とが接触しないように収納されている場合に、前記保存温度制御を実施すると決定する冷蔵庫。
  2. 前記制御手段は、前記収納検知手段による検知結果に基づいて、前記収納状態が、被解凍物のみが収納されている第1状態、保存物と被解凍物とが接触しないように収納されている第2状態、及び、保存物と被解凍物が接触して収納されている第3状態のいずれであるかを判別可能であり、
    前記解凍制御決定部は、
    前記解凍モード時に、判別された収納状態が前記第1状態又は前記第3状態である場合に、前記解凍温度制御を実施すると決定し、
    前記解凍モード時に、判別された収納状態が前記第2状態である場合に、前記保存温度制御を実施すると決定する請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記保存温度制御は、前記貯蔵室の内部の食品の凍結点より低い温度に予め設定された低温設定温度まで当該食品を冷却する工程と、当該食品の凍結点より高い温度に予め設定された高温設定温度まで当該食品を昇温させる工程とを含み、
    前記解凍温度は、前記高温設定温度より高い温度に設定される請求項1又は請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記収納検知手段は、前記貯蔵室の内部の状況を撮影する撮影手段を備えた請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記解凍モードの終了を使用者に報知する報知手段を備えた請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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