JP6292162B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関する。
従来、感光体ドラムを帯電させるブラシローラーを備える画像形成装置が知られている。このような画像形成装置として、例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、感光体ドラムの回転に対して所定の周速比で従動回転するブラシローラーを備える。特許文献1に記載の画像形成装置では、ブラシの基端部に対してブラシの先端部をブラシローラーの回転方向に傾けて形成することによって、感光体ドラムを均一に帯電させることができる。
特開2014−81467号公報
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置では、感光体ドラムの表面に残留するトナーを除去するためのクリーニング部材(例えば、クリーニングブレード)を更に備える必要があるため、コスト削減の余地があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、帯電機能及びトナー除去機能を簡素な構成で実現することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、感光体ドラムと、ブラシローラーとを備える。前記感光体ドラムは、周面にトナー像が形成される。前記ブラシローラーは、前記感光体ドラムの周面に接触し、前記感光体ドラムを帯電させる。前記ブラシローラーは、前記感光体ドラムの周面に残留するトナーを除去する。
本発明の画像形成装置によれば、帯電機能及びトナー除去機能を簡素な構成で実現することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す側面図である。 図1に示す画像形成部の一部を示す側面図である。 (a)及び(b)は、図2に示す電圧印加部によってブラシローラーに印加される電圧を示すグラフである。 (a)は、図1に示す画像形成部の一部を示す側面断面図であり、(b)は、(a)に示す画像形成部の一部拡大図である。 ブラシ毛の剛性と、帯電機能、トナー除去機能及び研磨機能との関係を示すグラフである。 (a)は、図4に示すブラシローラーの第1ブラシを示す側面断面図であり、(b)は、図4に示すブラシローラーの第2ブラシを示す側面図であり、(c)は、図4に示すブラシローラーを示す図である。 図4に示すブラシローラーの駆動機構を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本実施形態において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交し、X軸及びY軸は水平面に平行であり、Z軸は鉛直線に平行である。
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の構成について説明する。図1は、画像形成装置1を示す側面図である。本実施形態では、画像形成装置1はフルカラープリンターである。画像形成装置1は、給送部10、搬送部20、画像形成部30、トナー供給部60、及び排出部70を備える。給送部10は、複数のシートPを収容するカセット11を含む。給送部10は、カセット11から搬送部20へシートPを給送する。シートPは、例えば、紙製のシート又は合成樹脂製のシートである。
搬送部20は画像形成部30にシートPを搬送する。画像形成部30は、露光ユニット31、マゼンタユニット32M、シアンユニット32C、イエローユニット32Y、ブラックユニット32BK、中間転写ベルト33、2次転写ローラー34、及び定着ユニット35を含む。
露光ユニット31は、画像データに対応する画像を形成するレーザー光をマゼンタユニット32M〜ブラックユニット32BKの各々に照射し、マゼンタユニット32M〜ブラックユニット32BKの各々に静電潜像を形成する。マゼンタユニット32Mは、静電潜像に基づきマゼンタ色のトナー像を形成し、シアンユニット32Cは、静電潜像に基づきシアン色のトナー像を形成し、イエローユニット32Yは静電潜像に基づきイエロー色のトナー像を形成し、ブラックユニット32BKは、静電潜像に基づきブラック色のトナー像を形成する。中間転写ベルト33の外表面には、4色のトナー像が重畳して転写され、カラートナー像が形成される。2次転写ローラー34は、中間転写ベルト33の外表面に形成されたカラートナー像をシートPに転写する。定着ユニット35はシートPを加熱及び加圧して、カラートナー像をシートPに定着させる。そして、シートPは排出部70に排出される。
マゼンタユニット32M、シアンユニット32C、イエローユニット32Y、及びブラックユニット32BKの各々は、感光体ドラム40、現像ローラー41、1次転写ローラー42、除電ランプ43、及びブラシローラー50を含む。
トナー供給部60は、マゼンタ色のトナーを収容するカートリッジ60M、シアン色のトナーを収容するカートリッジ60C、イエロー色のトナーを収容するカートリッジ60Y、及びブラック色のトナーを収容するカートリッジ60BKを含む。カートリッジ60M、カートリッジ60C、カートリッジ60Y、及びカートリッジ60BKは、それぞれ、マゼンタユニット32M、シアンユニット32C、イエローユニット32Y、及びブラックユニット32BKの現像ローラー41にトナーを供給する。
次に、図2を参照して、画像形成部30の構成について説明する。図2は、画像形成部30の一部を示す側面図である。画像形成部30は、感光体ドラム40、現像ローラー41等に加えて、電圧印加部80を更に備える。
感光体ドラム40は、円筒形状であって、周面40Bにトナー像が形成される。感光体ドラム40は、接地されている。感光体ドラム40は、例えば正帯電型のOPC(有機感光体:Organic Photo Conductor)ドラムである。感光体ドラム40は、負帯電型のOPCドラムであってもよい。感光体ドラム40は、感光層40Aを有する。感光層40Aは、単層型感光層であってもよいし、多層型感光層であってもよい。なお、正帯電単層型のOPCドラムは、負帯電多層型のOPCドラムよりも耐摩耗性に優れているため、正帯電単層型のOPCドラムを使用することが好ましい。本実施形態では、感光体ドラム40は、正帯電単層型のOPCドラムである。
ブラシローラー50は、感光体ドラム40に対向して配置される。ブラシローラー50は、感光体ドラム40の周面40Bに残留しているトナーTN(以下、単に「残留トナーTN」と記載する場合もある。)を除去する。具体的には、ブラシローラー50は、1次転写ローラー42よりも感光体ドラム40の回転方向R1の下流において、回転しながら感光体ドラム40の周面40Bに接触し、感光体ドラム40の周面40Bの残留トナーTNを除去する。また、ブラシローラー50は、シートPから発生する粉体(例えばセルロースの塊)が感光体ドラム40の周面40Bに付着した場合には、その付着した粉体を除去し得る。ブラシローラー50によって除去されたトナーTN及び異物は、トナー回収容器(図示せず)に回収される。
電圧印加部80は、感光体ドラム40とブラシローラー50との間に電圧を印加する。電圧印加部80は、接地されている。例えば、本実施形態は、接地されている感光体ドラム40の帯電極性がプラスであるため、電圧印加部80は、ブラシローラー50にプラスの極性の電圧を印加する。電圧印加部80が印加する電圧については、図3を参照して後述する。電圧印加部80がブラシローラー50に電圧を印加することによって、ブラシローラー50は、感光体ドラム40の周面40Bとの間で近接放電を起こして感光体ドラム40の周面40B(感光層40Aの表面)を帯電させる。近接放電は、感光体ドラム40の近傍の微小な空隙で発生する放電である。
感光体ドラム40の周面40Bが、ブラシローラー50によって帯電された後、感光体ドラム40の周面40Bには、露光ユニット31(図1参照)によって静電潜像が形成される。その後、現像ローラー41は、感光体ドラム40の周面40Bにトナーを供給する。これによって、静電潜像に応じて感光体ドラム40の周面40Bにトナーが付着し、静電潜像が現像される。その結果、感光体ドラム40の周面40Bにトナー像が形成される。
1次転写ローラー42は、感光体ドラム40の周面40Bに形成されたトナー像を中間転写ベルト33の外表面に転写する。除電ランプ43は、感光体ドラム40の周面40Bに残留した電荷を除去する。
以上、図1及び図2を参照して説明したように、本実施形態によれば、ブラシローラー50は、感光体ドラム40の周面40Bを帯電させるとともに、感光体ドラム40の周面40Bに残留しているトナーTNを除去する。これによって、トナー除去のためのクリーニング部材(例えば、クリーニングブレード)を配置する必要がない。従って、帯電機能及びトナー除去機能を簡素な構成で実現することができる。
また、本実施形態によれば、感光体ドラム40は、単層型の感光層40Aを有する有機感光体ドラムである。単層型OPCの感光層40Aは、耐摩耗性に優れている。従って、長期間安定して感光体ドラム40を使用することができる。さらに、単層型の感光層40Aは、多層型の感光層を使用する場合よりも帯電時に電流が流れ易い。これによって、ブラシローラー50からの近接放電を安定して発生させることができる。従って、感光体ドラム40の帯電性を向上させることができる。
次に、図3を参照して、電圧印加部80が印加する電圧について説明する。図3(a)及び図3(b)は、電圧印加部80によってブラシローラー50に印加される電圧を示すグラフである。グラフの縦軸は、電圧値Vを示し、横軸は、時間tmを示す。
電圧印加部80は、パルス波の電圧を印加する。図3(a)及び図3(b)に示すように、パルス波の波形は、例えば、矩形形状である。本実施形態は正帯電単層型のOPCドラムであるため、図3(a)に示すように、電圧印加部80は、感光体ドラム40の周面40Bをプラスに帯電させる電圧をブラシローラー50に印加する。なお、負帯電多層型OPCドラムの場合には、図3(b)に示すように、電圧印加部80は、感光体ドラム40の周面40Bをマイナスに帯電させる電圧をブラシローラー50に印加する。
ブラシローラー50に印加される電圧の電圧値(ピーク間電圧Vpp)は、予め設定された電圧閾値VH以上である。電圧閾値VHは、例えば、1kVである。好ましい電圧値は、例えば、3kVである。ブラシローラー50に印加される周波数(1/T)は、予め設定された周波数閾値以上である。周波数閾値は、例えば、2kHzである。好ましい周波数は、例えば、3kHzである。また、矩形波のデューティー比(T1/T)は、予め設定されたデューティー比閾値以下である。例えば、デューティー比閾値は、10%である。好ましいデューティー比は、1%である。また、電圧印加部80は、必要に応じて、ブラシローラー50にバイアス電圧を印加することもできる。その結果、電圧値の立ち上がりに要する時間を短縮することができる。
以上、図2及び図3を参照して説明したように、本実施形態によれば、電圧印加部80は、感光体ドラム40とブラシローラー50との間に矩形形状のパルス波(矩形波)を印加する。また、電圧の電圧値は、予め設定された電圧閾値VH以上である。電圧の周波数は、予め設定された周波数閾値以上である。これらによって、ブラシローラー50と感光体ドラム40との間で近接放電を発生させる。従って、感光体ドラム40を効果的に帯電させることができる。
また、本実施形態によれば、矩形波のデューティー比は、予め設定されたデューティー比閾値以下である。これによって、感光体ドラム40の帯電性を向上させることができる。
次に、図4を参照して、ブラシローラー50の構成について説明する。図4(a)は、画像形成部30の一部を示す側面断面図である。図4(b)は、図4(a)に示す画像形成部30の一部拡大図(破線部Eを示す拡大図)である。ブラシローラー50は、軸部51と、ブラシ部52とを備える。軸部51は、ブラシローラー50の中心に位置し、ブラシローラー50に必要な剛性を有する円筒状部材又は円柱状部材である。軸部51は、例えば、金属製であり、硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材(SUM)、並びに、機械構造用合金鋼鋼材(SCM)のような鋼材が用いられる。軸部51の直径は、例えば、6mmである。ブラシローラー50は、軸部51を回転軸として回転する。軸部51の周面51Aと感光体ドラム40の周面40Bとの間の距離D1は、例えば、1.5mmである。
ブラシ部52は、軸部51の周面51Aに放射状に配置される。ブラシ部52は、第1ブラシ53と、第2ブラシ54とを有する。第1ブラシ53は、複数の第1ブラシ毛53Aで構成される。第2ブラシ54は、複数の第2ブラシ毛54Aで構成される。第1ブラシ毛53A及び第2ブラシ毛54Aの基端は、軸部51の周面51Aに取り付けられる。例えば、第1ブラシ毛53A及び第2ブラシ毛54Aの基端は、軸部51の周面51Aに植え付けられる。第1ブラシ53の密度は、例えば、300kF/inch2である。第2ブラシ54の密度は、例えば、50kF/inch2である。単位「kF(=1,000F)」は、1平方inchあたりのブラシ毛の数を示す。
第1ブラシ毛53Aは、第2ブラシ毛54Aよりも長い。第1ブラシ毛53Aの長さは、例えば、2.5mmである。第2ブラシ毛54Aの長さは、例えば、2.0mmである。
第1ブラシ毛53Aは、第2ブラシ毛54Aよりも細い。第1ブラシ毛53Aの太さは、例えば、2デニールである。第2ブラシ毛54Aの太さは、例えば、8デニールである。単位「デニール」は、9,000mあたりのブラシ毛の質量(グラム)を示す。
第1ブラシ毛53Aは、導電性を有する第1材質から構成される。第1材質は、例えば、ナイロンであり、カーボン又は金属が練り込まれることによって導電性が付与される。また、第1ブラシ毛53Aの表面は、カーボン又は金属でコーティングされていてもよい。第1ブラシ毛53Aの抵抗値は、例えば、1×104Ω以下である。換言すれば、第1ブラシ毛53Aの抵抗値が1×104Ω以下となるように、第1ブラシ毛53Aの第1材質が選定される。これによって、第1ブラシ毛53Aの導電性が向上し、容易に近接放電を起こすことができる。
第2ブラシ毛54Aは、第1材質と異なる第2材質から構成される。第2材質は、例えば、導電性を有しないナイロンであるが、導電性を有していてもよい。第2ブラシ毛54Aの抵抗値は、例えば、1×1010Ωである。また、金属等で第2ブラシ毛54Aの表面をコーティングしたり、第2ブラシ毛54Aに研磨剤が練り込まれることによって、第2ブラシ毛54Aの剛性を高めることができる。
ブラシローラー50は、駆動部(図示せず)によって、感光体ドラム40の回転方向R1と同じ方向に回転(以下、「カウンター回転」と記載する。)するように駆動される。感光体ドラム40とブラシローラー50との周速差は、例えば、240mm/秒である。ブラシローラー50は、感光体ドラム40に対してカウンター回転しながら、近接放電によって感光体ドラム40の周面40Bを帯電させる。
図4(b)に示すように、第1ブラシ毛53Aの先端53Tは、感光体ドラム40の周面40Bと接触した後、所定位置で感光体ドラム40の周面40Bを向くように形成されている(以下、「斜毛している。」と記載する場合もある。)。上記所定位置は、第1ブラシ毛53Aの先端53Tが感光体ドラム40の周面40Bから予め設定された所定距離D2離間した位置である。予め設定された所定距離D2は、例えば、10μm〜100μmである。また、図3を参照して上述した通り、電圧印加部80は、予め設定されたデューティー比閾値以下のデューティー比で矩形波を印加する。従って、第1ブラシ毛53Aの先端53Tは、上記所定位置で感光体ドラム40の周面40Bに向いている。その結果、感光体ドラム40の周面40Bに対してより効率的に近接放電することができる。
以上、図4を参照して説明したように、本実施形態によれば、第1ブラシ毛53Aは、導電性を有する第1材質から構成される。これによって、容易に近接放電を起こすことができる。
また、本実施形態によれば、第1ブラシ毛53Aは、第2ブラシ毛54Aよりも長い。従って、第1ブラシ毛53Aは、感光体ドラム40の周面40Bに容易に接触することができる。その結果、感光体ドラム40の周面40Bを帯電させる際のムラを低減することができる。
また、本実施形態によれば、第1ブラシ毛53Aの太さは、第2ブラシ毛54Aの太さよりも細い。従って、第1ブラシ毛53Aの先端53Tから、効率的に近接放電させることができる。その結果、感光体ドラム40の帯電性を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、ブラシローラー50は、感光体ドラム40の回転方向R1に対してカウンター回転するように駆動される。これによって、感光体ドラム40の周面40Bに対する、第1ブラシ53の先端53Tの相対速度を増大することができる。従って、第1ブラシ53の先端53Tから感光体ドラム40の周面40Bに向けて、単位時間あたりに放電する回数を増加させることができる。さらに、第1ブラシ毛53Aの先端53Tは、上記所定位置で感光体ドラム40の周面40Bを向くように形成されている。従って、第1ブラシ毛53Aの先端53Tから感光体ドラム40の周面40Bに向けて効率的に放電させることができる。その結果、感光体ドラム40の帯電ムラを更に低減することができる。
次に、図5を参照して、ブラシ毛の剛性と、帯電機能、トナー除去機能及び研磨機能との関係を説明する。図5は、ブラシ毛の剛性と、帯電機能、トナー除去機能及び研磨機能との関係を示すグラフである。縦軸は、トナー除去機能及び研磨機能の高さを示し、横軸は、ブラシ毛の剛性を示す。曲線G1は、ブラシ毛の剛性の変化に応じた帯電機能の変化を示す。曲線G2は、ブラシ毛の剛性の変化に応じたトナー除去機能及び研磨機能の変化を示す。
ブラシ毛の研磨機能は、感光体ドラムの周面に固着した堆積物と周面に形成された劣化部分とを研磨する機能である。感光体ドラムが繰り返し使用されると、感光体ドラムの周面(表面)には堆積物(例えば、トナーの外添剤、及び残留トナー)が固着する。また、感光体ドラムを帯電させる際、イオン物質が発生する。発生したイオン物質は、感光体ドラムの周面の一部を劣化させる。その結果、クリーニング不良が発生し、形成される画像が乱れる恐れがある。
一般的に、ブラシ毛の剛性の高さは、例えば、ブラシ毛の太さ、及び硬さに応じて異なる。ブラシの太さ、及び硬さを示す数値が大きい程、ブラシ毛の剛性が高くなる。逆に、ブラシ毛の太さ、及び硬さの数値が小さい程、ブラシ毛の剛性が低くなる。
また、ブラシ毛の剛性が高い程、曲線G1が示すようにブラシ毛の帯電機能は低下し、曲線G2が示すようにブラシ毛の研磨機能及びトナー除去機能は高まる。逆に、ブラシ毛の剛性が低い程、曲線G1が示すようにブラシ毛の帯電機能は高まり、曲線G2が示すようにブラシ毛の研磨機能及びトナー除去機能は低下する。つまり、1種類のブラシ毛によって帯電機能と研磨機能とトナー除去機能とを実現することは困難である。
一方、本実施形態に係るブラシローラー50は、2種類のブラシ毛を有する。すなわち、図4を参照して説明したように、第2ブラシ54は、第1ブラシ53よりも高い剛性を有する。従って、低い剛性を有する第1ブラシ53が帯電機能を実現するとともに、高い剛性を有する第2ブラシ54が研磨機能及びトナー除去機能を実現する。
以上、図4及び図5を参照して説明したように、本実施形態によれば、第2ブラシ54は、第1ブラシ53よりも高い剛性を有する。従って、感光体ドラム40に対する研磨機能が向上するとともに、残留トナーTNに対する除去機能が向上する。
次に、図6を参照して、第1ブラシ53及び第2ブラシ54の配置について説明する。図6(a)は、第1ブラシ53を示す側面断面図である。図6(b)は、第2ブラシ54を示す側面図である。図6(c)は、ブラシローラー50を示す図である。なお、図6(a)では、第1ブラシ53の形態を見易くするため、第2ブラシ54を省略して示している。図6(b)では、第2ブラシ54の形態を見易くするため、第1ブラシ53を省略して示している。また、図6(c)では、便宜上、ブラシ部52のうち、第1ブラシ53を断面図で示し、第2ブラシ54を側面図で示している。
図6(a)に示すように、第1ブラシ53を構成する複数の第1ブラシ毛53Aは、軸部51の端部を除いた周面51A全体に、所定の密度で配置される。第1ブラシ毛53Aの密度を高くすることによって、帯電ムラを低減することができる。
図6(b)に示すように、第2ブラシ54は、軸部51の周面51Aに螺旋状に配置される。詳細には、第2ブラシ54を構成する複数の第2ブラシ毛54Aは、軸部51の端部を除いた周面51Aに所定の密度及び所定の幅で螺旋状に配置される。図6(c)に示すブラシローラー50は、回転方向R2に回転しながら感光体ドラム40の周面40Bに接触する。これによって、第2ブラシ54は、感光体ドラム40の周面40Bに残留するトナーTNを回転軸方向Sに沿って移動させる。
以上、図6を参照して説明したように、本実施形態によれば、第2ブラシ54は、軸部51の周面51Aに螺旋状に配置される。これによって、第2ブラシ54は、感光体ドラム40の周面40Bに残留するトナーTNを回転軸方向Sに沿って移動させる。従って、残留トナーTNが感光体ドラム40の周面40Bに溜まることを低減することができる。
次に、図7を参照して、ブラシローラー50のスライド機構について説明する。図7は、画像形成部30の一部を示す平面図である。画像形成装置1は、駆動機構90を更に備える。
駆動機構90は、感光体ドラム40の回転軸方向Sに沿ってブラシローラー50を往復移動させる。駆動機構90は、例えば、モーターのような駆動源、ギヤ列、及び複数のカムを含む。感光体ドラム40は、例えば画像形成装置1のハウジングに固定される。ブラシローラー50の回転数に対する往復移動の距離は、例えば、2mm/10周〜2mm/1周である。ブラシローラー50が往復移動することによって、ブラシ部52に堆積した堆積物が回転軸方向Sに移動する。
以上、図7を参照して説明したように、本実施形態によれば、駆動機構90は、感光体ドラム40の回転軸方向Sに沿ってブラシローラー50を往復移動させる。これによって、感光体ドラム40の周面40Bの残留トナーTNが偏在し難くなる。従って、残留トナーTNをムラなく除去することができる。
以上、図面(図1〜図7)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(4))。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)図4を参照して説明したように、ブラシローラー50は、感光体ドラム40に対してカウンター回転するように駆動されていたが、本発明はこれに限られない。例えば、感光体ドラム40の回転方向R1と反対方向に回転するように駆動されてもよい。このような実施形態において、ブラシローラー50の周速よりも感光体ドラム40の周速の方が大きい場合、第1ブラシ毛53Aの先端53Tは、感光体ドラム40の周面40Bと接触する前に、所定位置で感光体ドラム40の周面40Bを向くように形成される(斜毛させる)ことが好ましい。これによって、ブラシローラー50は、感光体ドラム40を効果的に帯電させることができる。
(2)本実施形態では、電圧印加部80の画像形成時の動作について説明したが、電圧印加部80が、画像形成前後に動作する形態でもよい。具体的には、電圧印加部80が、画像形成部30が画像形成の動作を開始する前に、ブラシローラー50にプラスのバイアス電圧とマイナスのバイアス電圧とを印加する形態が好ましい。例えば、電圧印加部80は、ブラシローラー50が2回転する間、プラスのバイアス電圧を印加し続け、更に2回転する間、マイナスのバイアス電圧を印加し続ける。これによって、ブラシに付着したトナーを容易に除去することができる。その後、ブラシローラー50が更に3回転する間、ブラシローラー50に放電させる形態が更に好ましい。これによって、ブラシローラー50は、感光体ドラム40を安定して帯電させることができる。また、電圧印加部80は、画像形成部30が画像形成の動作を終了した後にも、ブラシローラー50にプラスのバイアス電圧とマイナスのバイアス電圧とをそれぞれ2周分ずつ印加する形態が更に好ましい。これによって、ブラシに付着したトナーを容易に除去することができる。
(3)図7を参照して説明したように、駆動機構90は、感光体ドラム40の回転軸方向Sに沿ってブラシローラー50を往復移動させていたが、本発明はこれに限られない。例えば、駆動機構90は、ブラシローラー50の回転軸方向Sに沿って感光体ドラム40を往復移動させることもできる。感光体ドラム40の回転数に対する往復移動の距離は、例えば、0.5mm/250周〜0.5mm/14周である。感光体ドラム40が往復移動することによって、感光体ドラム40の周面40Bに堆積物が偏在することを抑制することができる。
(4)図2に示した感光体ドラム40は接地されているが、本発明はこれに限られない。例えば、感光体ドラム40は接地されず、ブラシローラー50が接地されていてもよい。このような実施形態において、電圧印加部80は、感光体ドラム40に電圧を印加することができる。
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
1 画像形成装置
40 感光体ドラム
40A 感光層
40B 周面
R1 回転方向
S 回転軸方向
50 ブラシローラー
51 軸部
51A 周面
52 ブラシ部
53 第1ブラシ
53T 先端
54 第2ブラシ
R2 回転方向
80 電圧印加部
90 駆動機構
D2 距離
TN 残留トナー
V 電圧値
VH 電圧閾値

Claims (6)

  1. 周面にトナー像が形成される感光体ドラムと、
    前記感光体ドラムの周面に接触し、前記感光体ドラムを帯電させるブラシローラーと
    を備え、
    前記ブラシローラーは、前記感光体ドラムの周面に残留するトナーを除去し、
    前記ブラシローラーは、軸部と、前記軸部に放射状に配置されたブラシ部とを備え、
    前記ブラシ部は、導電性を有する第1材質から構成される第1ブラシと、前記第1材質とは相違する第2材質から構成される第2ブラシとを有し、
    前記第1ブラシは、前記第2ブラシよりも長く、
    前記第2ブラシは、前記第1ブラシよりも高い剛性を有し、
    前記第1ブラシは、複数の第1ブラシ毛で構成され、
    前記第2ブラシは、複数の第2ブラシ毛で構成され、
    前記複数の第1ブラシ毛は、前記軸部の周面全体に前記複数の第2ブラシ毛よりも高い密度で放射状に配置され、
    前記軸部の周面は、第1ブラシ毛領域と、両立領域とを有し、
    前記第1ブラシ毛領域には、前記複数の第1ブラシ毛が配置され、前記複数の第2ブラシ毛が配置されず、
    前記両立領域には、前記複数の第1ブラシ毛と前記複数の第2ブラシ毛との両方が配置され、
    前記両立領域において、前記複数の第2ブラシ毛は、前記軸部の周面に所定の幅で螺旋状に延びるように筋状に配置され、
    前記複数の第2ブラシ毛は、前記感光体ドラムの周面に残留するトナーを前記感光体ドラムの回転軸方向に沿って移動させる、画像形成装置。
  2. 前記ブラシローラーは、前記感光体ドラムの回転方向と同じ方向に回転するように駆動され、
    前記第1ブラシの先端は、前記感光体ドラムの周面と接触した後、前記感光体ドラムの周面から予め設定された所定距離離れた位置で、前記感光体ドラムの周面を向くように形成されている、請求項に記載の画像形成装置。
  3. 前記感光体ドラムの回転軸方向に沿って前記ブラシローラーを往復移動させる駆動機構を更に備える、請求項1又は請求項に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体ドラムと前記ブラシローラーとの間に電圧を印加する電圧印加部を更に備え、
    前記電圧の電圧値は、予め設定された所定の閾値以上であり、
    前記電圧の周波数は、予め設定された所定の閾値以上である、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記電圧印加部は、矩形波の波形を有する前記電圧を印加し、
    前記矩形波のデューティー比は、予め設定された所定の閾値以下である、請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体ドラムは、単層型有機感光体の感光層を有する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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