JP2010262106A - クリーニング装置、画像形成装置 - Google Patents
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【解決手段】トナー転写後に像担持体の表面に残留したトナーを除去する1以上のクリーニングブラシを有するクリーニング装置において、少なくとも1つのクリーニングブラシを、当該クリーニングブラシの長手方向に揺動させる揺動機構を有するクリーニング装置または、当該クリーニング装置を有する画像形成装置を提供する。
【選択図】図1
Description
そこで、像担持体表面上のトナーを静電作用によりクリーニングする、磁気ブラシやファーブラシを用いた静電ブラシクリーニング方式が検討されている。静電ブラシクリーニング方式は、ブレードクリーニング方式と比較すると、クリーニング維持性が高く、特に高速の画像形成装置において有利である。
一般的に、電子写真方式の画像形成装置の転写工程において、像担持体表面上に付着するトナーの極性(正規極性)とは逆極性のバイアスを被転写材に印加して、像担持体表面上のトナー像を被転写材上に転写する。そのため、転写後の像担持体表面上に残留した転写残トナーの中には、正規極性のままの正規極性トナーと、正規極性とは逆極性に帯電した逆帯電トナーとが存在する。
従って、クリーニングブラシが1個のみであったり、クリーニングブラシが2個以上であったとしてもいずれのクリーニングブラシも一方の極性のバイアス電圧しか印加されないならば、像担持体表面に残留する不要なトナーのうち、いずれか一方の極性を有するトナーは、実質的に除去されない。従って画質の劣化が生じるという問題がある。
よって、静電クリーニング方式を採用する場合、両極性のトナーを静電的に回収できる構成が有効である。このため、像担持体表面の負に帯電したトナーを静電的に吸引するため正電荷が印加された第1クリーニングブラシと、像担持体表面の正に帯電したトナーを静電的に吸引するため負電荷が印加された第2クリーニングブラシとを備えたクリーニング装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような構成の静電ブラシクリーニング方式においても、上述のブレードクリーニング方式と比較して像担持体表面の機械的掻き取り力が低く、帯電器から生じる放電生成物を充分に除去できないことによる画像流れ(画像ボケ)が発生しやすいという課題がある。
また、ブラシクリーニング方式は、一度クリーニング対象物(この説明では、像担持体)に傷がつくとブラシ繊維がその傷を繰り返しなぞる傾向があることが確認されている。これにより像担持体の傷はスジ状の深い溝となり、ハーフトーン画像の白スジ異常画像が発生しやすくなるという課題がある。
これらの課題に対して、2つのクリーニングブラシのうち像担持体回転方向の上流側に位置するクリーニングブラシのブラシ繊維1本あたりの先端力が、像担持体回転方向の下流側に位置するクリーニングブラシのブラシ繊維1本あたりの先端力よりも大きい先端力で前記感光体に接触するように2つのクリーニングブラシを配置する画像形成装置が開示されている(特許文献2参照)。
また、像担持体の回転方向に沿って2つのクリーニングブラシが配置され、トナーが樹脂粒子中に無機微粒子を分散含有させた複合粒子を含むことを特徴とする画像形成方法が開示されている(特許文献3参照)。
また、2つのクリーニングブラシのうち像担持体回転方向下流側に位置する第2クリーニングブラシが、像担持体回転方向上流側に位置する第1クリーニングブラシよりも剛性の高い材料を用い、この第2クリーニングブラシにおける機械的掻き取り力を第1クリーニングブラシにおける機械的掻き取り力よりも強くしたことを特徴とする画像形成装置が開示されている(特許文献4参照)。
そこで、本発明では上記のような課題を鑑みて、像担持体の深いスジ状の傷を作らないクリーニング装置、および当該クリーニング装置を用いた画像形成装置を提供する。
画像生成装置100による作像処理は、主に、帯電器2による帯電処理、光書き込み器3による露光処理、現像器4による現像処理、転写チャージャ5、分離チャージャ6による転写処理、クリーニング装置7によるクリーニング処理、除電器8による除電処理、に大別できる。まず、画像形成装置100の各部について簡単に説明する。また、像担持体は中間転写体、電子写真用感光体(感光体ドラム1)などである。
感光体ドラム1はメインモータ(図示せず)により回転駆動される。感光体ドラム1は、帯電器2により均一に帯電される。その後、感光体ドラム1は、光書き込み器3により画像露光を受けて静電潜像が形成される。そして、この静電潜像が現像器4で現像されてトナー像となる。具体的には、この現像器4は現像バイアス電源から現像バイアスが印加され、小粒径のトナーにより感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。感光体ドラム1上のトナー像は給紙装置(図示せず)から送られてきた転写紙へ転写チャージャ5により転写される。そして、この転写紙は分離チャージャ6により感光体ドラム1から分離されて定着器(図示せず)によりトナー像が定着される。また、感光体ドラム1は転写紙分離後(トナー転写後)クリーニング装置7により残留したトナーが除去され、除電器8により除電されて再使用可能となる。
図3に感光体ドラム1の積層例を示す。例えば、感光体ドラム1が有機系感光体である場合には、図3に示すように、導電性支持体10上に有機感光層11が積層されたものであり、この感光層11は好ましくは電荷発生層12と電荷輸送層13に機能分離された積層型感光層である。
導電性支持体10は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属、導電性物質を単独又は適当なバインダ−と共に塗布して導電層を設けた金属、あるいは導電処理したプラスデツクや紙などをドラム状又はシ−ト状に成形したものなど、従来公知のいずれのものも用いることができる。
電荷発生層12は、アゾ顔料、キノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などの電荷発生物質を、ポリビニルブチラ−ル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリカ−ボネ−トなどの結着性樹脂に分散含有させて形成することができる。また、真空蒸着装置によって真空蒸着膜として形成することもできる。好ましい膜厚は0.1〜3μmである。
電荷輸送層13はスチリル系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリアリ−ルアミン系化合物、カルバゾ−ル系化合物、オキサゾ−ル系化合物、ピラゾリン系化合物などの電荷輸送物質を、ボリアリレ−ト、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカ−ボネ−トなどの結着剤樹脂に分散含有させて形成することができる。好ましい膜厚は10〜40μmである。また、感光層11の構成として電荷発生層12を電荷輸送層13の上に形成してもよく、さらには感光層11は前述の電荷発生物質と電荷輸送物質とを同一層に含有させた単一層型であってもよい。
さらに、導電性支持体10と感光層11との間には、接着性及びバリヤ−性を向上させるために下引き層などの中間層を設けてもよい。また、耐刷性を確保するために最表面に保護層を形成しても良い。
次に、図2を用いて、クリーニング装置7について説明する。クリーニング装置7は、ハウジング70と、当該ハウジング70内に第1クリーニングブラシ71と、第1回収ロール部材72と、第1スクレーパー73(以下、これらを「第1クリーニングユニット」という。)と、第2クリーニングブラシ76と、第2回収ロール部材77と、第2スクレーパー78(以下、これらを「第2クリーニングユニット」という。)と、を有する。この実施例では、2個のクリーニングブラシ(第1クリーニングブラシ71および第2クリーニングブラシ76)が用いられる。そして、第1クリーニングブラシ71は、感光体ドラム1の回転方向(時計方向)の上流側に位置し、第2クリーニングブラシ76は、感光体ドラム1の回転方向の下流側に位置する。
また、転写後の感光体ドラム1上の残留トナーの極性は、転写電界の影響によりばらつきやすい。すなわち、残留トナーの大半は、現像時に感光体ドラム1に供給されるトナーの極性と同極性のままで存在するが、その一部は逆極に反転する場合がある。このような場合、第1クリーニングブラシ71および第2クリーニングブラシ76に印加される電圧を互いに異なるものとする。つまり、第1クリーニングブラシ71は、トナー転写後に感光体ドラム1の外周面1aに残留したトナーを除去するトナー帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加されており、第2クリーニングブラシ76はトナー帯電極性と同極性のバイアス電圧が印加されている。その結果、一方を正規の極性に帯電した残留トナーのクリーニング用、他方を逆極性に帯電した残留トナーのクリーニング用として使用することで、正規の極性に帯電した残留トナー及び逆極性に帯電した残留トナーの双方を効率的に除去することができる。
つまり、第1クリーニングブラシ71と回収ロール部材72とにトナーの正規の極性と異なる極性の電圧を印加することで、第1クリーニングブラシ71は、残留トナーの大半を占める正規の極性のトナーを静電的に吸着除去できる。一方、第2クリーニングブラシ76と第2回収ロール部材77とにトナーの正規の極性と同極性の電圧を印加する事で、第2クリーニングブラシ76は、逆極性に帯電した残留トナーを静電的に吸着除去できる。
また、第1クリーニングブラシ71と第2クリーニングブラシ76、第1回収ロール部材72と第2回収ロール部材77とは、印加される電圧の極性以外は、全て同じ構成としてもよい。また、第1スクレーパー73と第2スクレーパー78も同じ構成としてもよい。したがって、説明簡略化のために、以下では、第1クリーニングブラシ71、第1回収ロール部材72、第1スクレーパー73について説明し、第2クリーニングブラシ76、第2回収ロール部材77、第2スクレーパー78の説明は省略する。
図4に第1クリーニングブラシ71などを真横から見た図を示す。第1クリーニングブラシ71は、第1ブラシ部71aと第1ブラシシャフト71bとからなり、第2クリーニングブラシ76は、第2ブラシ部76aと第2ブラシシャフト76bとからなる。なお、第2クリーニングブラシ76は、第1クリーニングブラシ71と同様の構成であるため、図、説明は省略する。具体的には、第1クリーニングブラシ71は、第1ブラシシャフト71bの外周面上に、外側に伸びる複数の繊維(つまり、第1ブラシ部71a)を配してロール状にしたものである。
第1ブラシシャフト71bは感光体ドラム1のドラムシャフト1bと平行に配置されている。第1ブラシシャフト71bと感光体ドラム1との距離は、第1ブラシ部のブラシ先端の感光体ドラム1に対する食い込み量が所定の値(好ましくは0.5〜2.0mm、より好ましくは0.9〜1.8mm)となるように設定される。
また、ハウジング70の感光体ドラム1と近い側に開口部70aを有する。その開口部70aにおいて第1ブラシ部71aの第1ブラシ外周面71cがそれぞれ感光体ドラム1のドラム外周面1aに圧接される。ここで、第1ブラシ外周面71c、第2ブラシ外周面76aはブラシ先端で形成される面である。
そして、第1クリーニングブラシ71は、感光体ドラム1の回転方向と同方向または逆方向に回転可能となる。
また、第1ブラシ部71aの好適な材料として、ポリアミド、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル等の樹脂繊維があり、また、S−7(東レ社製)、UUナイロン(ユニチカ社製)等の市販品を使用してもよい。これらの繊維の太さは、好ましくは30デニール以下、より好ましくは20デニール以下、さらに好ましくは0.5〜10デニールである。また、繊維の密度は、好ましくは20,000本/inch2以上、より好ましくは60,000本/inch2以上である。
また、第1ブラシ部71a、または第2ブラシ部76aの繊維に導電性を付与する方法としては、繊維に導電性粉末やイオン導電材を配合する方法、繊維の内部又は外部に導電層を形成する方法等がある。また、導電性が付与された繊維の抵抗値は、繊維単体で102〜109Ω・cmが好ましい。
第1回収ロール部材72は、第1ロール部72aと第1回収ロールシャフト72bとからなり、第2回収ロール部材77は、第2ロール部77aと第2回収ロールシャフト77bとからなる。第1回収ロール部材72は、第1回収ロールシャフト72bの外周面に、第1ロール部72aとして熱硬化性樹脂を硬化させてロール状に配したものである。第2回収ロール部材77も同様である。
第1回収ロールシャフト72bの両端はハウジング70に固定されている。第1ブラシシャフト71bはドラムシャフト1aと平行に配置されている。第1回収ロール部材72は、第1回収ロールシャフト72bを回転軸として、回転可能である。
第1ロール部72aに用いられる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもフェノール樹脂は、寸法精度が高い、成型が容易である、成形体の表面平滑性に優れる、安価である等の利点を有するので好ましい。
また、第1ロール部72aの曲げ弾性率は700kPa以上であることが好ましい。曲げ弾性率が700kPa未満であると、回収ロール部材に撓みが生じてブラシ部材やブレード部材との当接位置や食い込み量を所定値に保持することが困難となる。また、曲げ弾性率が700kPa未満の材料を用いて回収ロール部材の肉厚を増加させて剛性を保持しようとすると、成形収縮が大きくなって寸法精度が不十分となり、さらには、重量が増加する、成形時間が増加する、後工程が必要となる等の問題が生じてコストが増大する。なお、ここでいう曲げ弾性率は、JIS K7203に準拠して測定される値をいう。
また、第1ロール部72aの外周面72cは、第1ブラシ部71a及び第1スクレーパー73、と接触状態にあるため、第1ロール部72aの外周面72cは磨耗し得る。従って、第1ロール部72aの外周面72cについてJIS K6902に準拠して磨耗量を測定したとき、当該磨耗量が20mg以下であることが好ましい。これにより、第1ブラシ部71a及び第1スクレーパー73の当接圧や食い込み量を大きな値に設定できる。また、その場合にも長期にわたって安定的なクリーニングを行うことができる。なお、磨耗量が20mgを超えると、回収ロール部材の寿命が不十分となって頻繁な交換が必要となる場合がある。
また、第1ロール部72aのロックウェル硬さ(Mスケール)は100以上であることが好ましい。ロックウェル硬さが100以上であると、寸法精度の高い成形が可能となり、また、磨耗に対して非常に強いロール部材となる。なお、ここでいうロックウェル硬さとは、JIS K7202に準拠して測定される値をいう。
第1スクレーパー73は、例えば金属製の薄板であり、その一端のエッジ部73aが第1ロール部72aの外周面72cに当接するように配置されている。第1スクレーパー73の他端はハウジング70に固定されるが、この固定方法は特に制限されない。例えば、図2の例では、第2スクレーパー78は取り付け金具81を用いて固定されており、第1スクレーパー73はハウジング70に直接固定されている。
第1スクレーパー73の材質としては、高耐久性及び低コストの点から、ステンレス又はリン青銅が好ましい。第1スクレーパー73の厚みは、好ましくは0.02〜2mm、より好ましくは0.05〜1mmである。なお、スクレーパーの代わりにブレード部材を用いてもよい。
このような構成であるクリーニング装置7は、先ず、転写後の感光体ドラム1上に残留するトナーが第1クリーニングブラシ71、第2クリーニングブラシ72により除去される。次に、第1クリーニングブラシ71、第2クリーニングブラシ72の回転により第1回収ロール部材72、第2回収ロール部材77との当接位置まで残留トナーが移送されて回収される。これにより、第1クリーニングブラシ71、第2クリーニングブラシ72のブラシ先端は再生され、第1クリーニングブラシ71、第2クリーニングブラシ72は感光体ドラム1のクリーニングに繰り返し使用される。
第1回収ロール部材72、第2回収ロール部材77に付着した残留トナーは、第1回収ロール部材72、第2回収ロール部材77の回転により第1スクレーパー73、第2スクレーパー78との当接位置まで移送され、第1スクレーパー73、第2スクレーパー78により除去される。これにより、第1回収ロール部材72と第2回収ロール部材77の外周面72c、77c、および、第1クリーニングブラシ71と第2クリーニングブラシ72の外周面71c、77cは再生され、繰り返し使用される。
また、第1クリーニングブラシ71と第1回収ロール部材72との間に電位差のあるクリーニングバイアスを印加することが好ましい。第2クリーニングブラシ76と第2回収ロール部材77についても同様である。
つまり、第1クリーニングブラシ71に所定の電圧を印加することで、その静電誘因力により感光体ドラム1上の残留トナーを第1クリーニングブラシ71に付着させることができる。そして、第1回収ロール部材72に第1クリーニングブラシ71への印加電圧よりも絶対値が大きく且つ極性が同じ電圧を印加することで、第1クリーニングブラシ71に付着した残留トナーを第1回収ロール部材72に付着させることができる。第1クリーニングブラシと回収ロール部材との電位差(絶対値)は、好ましくは100V以上、より好ましくは200V以上、さらに好ましくは650Vである。
第1クリーニングブラシ71に電圧を印加するには、第1ブラシ部71aの繊維が導電性を有していることが必要である。当該第1ブラシ部71aの繊維に導電性を付与する方法としては、繊維に導電性粉末やイオン導電材を配合する方法、繊維の内部又は外部に導電層を形成する方法等がある。また、導電性が付与された繊維の抵抗値は、繊維単体で102〜1011Ω・cmが好ましい。
また、第1回収ロール部材72の電気抵抗を調整する方法としては、無機フィラー及び/又は有機フィラーを充填する方法等がある。無機フィラーや有機フィラーを第1回収ロール部材72に充填すると、第1回収ロール部材72の剛性が増加するという利点もある。
無機フィラーとしては、錫、鉄、銅、アルミ等の金属粉体や金属繊維、ガラス繊維等がある。有機フィラーとしては、カーボンブラック、炭素粉、グラファイト、磁性粉、酸化亜鉛、酸化すず、酸化チタン等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の金属硫化物、ストロンチウム、バリウム、希土類等の所謂ハードフェライト、マグネタイト、銅、亜鉛、ニッケル及びマンガン等のフェライト、またはこれらの表面を必要に応じ導電処理したもの、銅、鉄、マンガン、ニッケル、亜鉛、コバルト、バリウム、アルミニウム、錫、リチウム、マグネシウム、シリコン、リン等の異なる金属元素を含んだ酸化物、水酸化物、炭酸塩又は金属化合物等から選ばれ高温中で焼成して得られる金属酸化物の固溶体、所謂 複合金属酸化物等やポリアニリンがある。
第1回収ロール部材72に500Vの電圧を印加したときの抵抗値は、好ましくは1×105〜1×1010Ω・cm、より好ましくは1×106〜1×108Ω・cmである。抵抗値が1×105Ω未満の場合、第1回収ロール部材72への電荷注入が起こり、第1ブラシ部71aが掻き取ったトナーや紙粉等の微粉末の極性が反転するため、これらを電気的に吸着することが困難となる場合がある。他方、回収ロール部材の抵抗値が1×1010Ω・cmを超えると、回収ロール部材に電荷が蓄積される現象(チャージアップ)が起こりやすくなり、この場合もトナーや紙粉等の微粉末の電気的な吸着が困難となる場合がある。
次に、図4を用いて、第1クリーニングブラシ71の配置について説明する。また、第2クリーニングブラシ76の配置については、第1クリーニングブラシ71の配置と同様であるため、説明は省略する。この実施例のクリーニング装置7は、第1クリーニングブラシ71を揺動させる揺動機構100を有する。また、図5にこの揺動機構100の一例の斜視図を示す。この実施例1の揺動機構100は、少なくともカム部材90と、弾性部材92(例えば、弾性バネ)を有する。上述のように、第1ブラシ部71aは、ブラシ状であるが、図5では説明簡略化のために円柱状で示す。
弾性部材92は、第1支持部材93と第1ブラシ部71aの間に、つまり、第1クリーニングブラシ71の他端部71g側に介在される。図4、図5の例では、弾性部材92は、第1ブラシシャフト71bの周りに螺旋形状に捲回されるように配置される。一方、カム部材90は、第1ブラシシャフト71bの一端部71f側に配置される。
弾性部材92の一端部92aは第1支持部材対向面93bと当接され、他端部92bは第1ブラシ部対向面71dと当接される。第1ブラシ部71aは、弾性部材92により、カム部材90の方向に付勢される。つまり、第1ブラシ部71aは、弾性部材92により、カム部材90に向けて荷重が加えられる。
[実験結果]
次に、本実施例で説明した揺動機構を適用した効果を説明する。図6(A)に本実施例の揺動機構を適用した画像形成装置により、10万枚の画像を出力した後の感光体ドラム1の外周面1aの形状の断面曲線を示す。また、図6(B)に本実施例の揺動機構を適用しない画像形成装置により、10万枚の画像を出力した後の感光体ドラム1の表面形状の断面曲線を示す。当該表面形状の断面曲線はACCRETECH製SURFCOM 1400Dを用いて縦1万倍、横100倍の倍率で計測した。また、図6(A)、図6(B)の縦軸は感光体ドラム1の外周面1aの変化量を示し、単位をμmとする。
図6(B)からも明らかなように、揺動機構を適用しない画像形成装置を用いると、クリーニングブラシのブラシ部が、感光体ドラム1の外周面1aの特定のスジ上を摺擦し続けたために深さおよそ2μmのスジを発生させた。一方、図6(A)からも明らかなように、本実施例で説明した揺動機構した画像形成装置を用いると、感光体ドラム1の外周面1a上のスジの発生を防ぎ、平滑な表面形状を維持することができた。
Claims (3)
- トナー転写後に像担持体の表面に残留したトナーを除去する1以上のクリーニングブラシを有するクリーニング装置において、
少なくとも1つの前記クリーニングブラシを、当該クリーニングブラシの長手方向に揺動させる揺動機構を有することを特徴とするクリーニング装置。 - 前記揺動機構は、
前記クリーニングブラシの一端部と接するカム部材と、
前記クリーニングブラシの他端部側に位置し、前記クリーニングブラシを前記カム部材方向に付勢する弾性部材と、を有することを特徴とする請求項1記載のクリーニング装置。 - 請求項1または2記載のクリーニング装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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