JP6289297B2 - シュープレスベルト用基布及びシュープレスベルト - Google Patents

シュープレスベルト用基布及びシュープレスベルト Download PDF

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Description

本発明は、シュープレスベルト用基布及びシュープレスベルトに関する。更に詳しくは、製紙機において抄紙をプレスするプレスパートに利用されるシュープレスベルト用基布及びシュープレスベルトに関する。
製紙機は、通常、ワイヤーパート、プレスパート及びドライパートの3つのパートによって製紙を行う。このうち、ワイヤーパートは、フォーミングワイヤーを用いて、紙料を脱水して湿紙を形成するパートである。また、プレスパートは、抄紙用フェルト(プレスフェルト)を用いて、湿紙から水分を搾水して紙シートを形成するパートである。更に、ドライパートは、ドライヤーカンバスを用いて、紙シートを乾燥させるパートである。
シュープレスベルトは、上記プレスパートで利用される。
プレスパートでは、近年、シュープレス装置8(図7参照)が多く利用されている。シュープレス装置8は、プレスロール81と、プレスロールの周面形状に対応した湾曲面82を有する加圧シュー83とを備え、湿紙84を、プレスロール81と加圧シュー83との間を走行させることで搾水できる構造となっている。搾水に際しては、加圧シュー83側から、シュープレスベルト1、抄紙用フェルト85及び湿紙84がこの順に重ねられた状態で走行され、湿紙84から搾水された水はシュープレスベルト1の表面を介して排水されるようになっている。
このようにして利用されるシュープレスベルト1は、上述のように、プレスロール81と加圧シュー83の間に強い圧力で挟まれて走行されるため、走行方向に大きな引張力が加わった状態で使用される。このため、基布には高い強度が求められ、その観点から基布を構成する構成糸として大径のモノフィラメントの利用が望まれている。
しかしながら、シュープレスベルトは、シュープレスベルト用基布が基布層となって、樹脂層内に埋設された構造となっており、基布層と樹脂層とが十分に接合される必要がある。この点、大径のモノフィラメントの利用は、樹脂層を構成する樹脂と、樹脂層内に埋設された基布との間の接合力の低下を招くことが危惧される。
このような問題に対して、下記特許文献1が知られている。
特開平3−119196 特開平10−88491
上記特許文献1及び上記特許文献2には、ベース織布(基布)に紡糸を用いた拡張ニッププレスベルトが開示されている。この拡張ニッププレスベルトでは、ベース織布に紡糸を利用することで、紡糸を構成するステープル繊維が、樹脂マトリックスに対するアンカーとして機能することが示されている(特許文献1第4頁右上欄、特許文献2[0020])。
従って、この技術によれば、紡糸を基布の構成糸として利用することで、樹脂層を構成する樹脂が浸透し易くなり、そのアンカー効果によって基布層と樹脂層との間で高い接合性を得ることができるはずである。
しかしながら、紡糸はステープル繊維集合体であるため、モノフィラメントに比べて伸び易い糸である。そのため、樹脂に対するアンカー効果を得ようと、紡糸の割合を増やすに従い基布もそれに応じて伸び易くなり、基布の寸法安定性は低下することになる。一般に、糸の伸度と樹脂の伸度は異なるため、基布の寸法精度が低下すれば、基布の伸縮に伴って糸と樹脂との伸度差異が大きくなり、樹脂は糸から剥離し易くなってしまう。その結果、紡糸の使用によって、基布と樹脂との接合性が向上されると同時に、基布の寸法安定性が低下して基布と樹脂との接合性が低下するという相反を生じ、結果として、基布と樹脂との接合性が十分に得られないという問題を生じることとなる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、シュープレスベルト用基布の構成糸として、合撚糸を利用することによって、樹脂層とシュープレスベルト用基布との間で高い接合力を発揮できるシュープレスベルト用基布及びこれを用いたシュープレスベルトを提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
請求項1に記載のシュープレスベルト用基布は、シュープレスベルトの基布層として用いられるシュープレスベルト用基布において、
長手方向に織り込まれた経糸と、幅方向に織り込まれた緯糸と、を有し、
前記経糸は、2本のモノフィラメントが撚り合わせられてなる合撚糸を含み、
前記合撚糸は、第1モノフィラメントと、前記第1モノフィラメントより細径である1本の第2モノフィラメントと、を備えるとともに、前記第2モノフィラメントによって、前記第1モノフィラメントにクリンプが付与されていることを要旨とする。
請求項2に記載のシュープレスベルト用基布は、請求項1記載のシュープレスベルト用基布において、前記第2モノフィラメントの糸径が、前記第1モノフィラメントの糸径の50%以下であることを要旨とする。
請求項3に記載のシュープレスベルト用基布は、請求項1又は2に記載のシュープレスベルト用基布において、前記第1モノフィラメントの糸径が、0.30mm以上0.50mm以下であることを要旨とする。
請求項4に記載のシュープレスベルト用基布は、請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のシュープレスベルト用基布において、前記合撚糸の撚り数が、25.4mmあたり、2回以上7回以下であることを要旨とする。
請求項5に記載のシュープレスベルト用基布は、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載のシュープレスベルト用基布において、シュープレスベルト用基布を構成する経糸の総本数に対する前記合撚糸の総本数の割合が25%以上であることを要旨とする。
請求項6に記載のシュープレスベルトは、樹脂層と、前記樹脂層に埋設された基布層と、を有し、
請求項1乃至5のうちのいずれかに記載のシュープレスベルト用基布が、前記基布層として用いられていることを要旨とする。
本発明のシュープレスベルト用基布は、シュープレスベルトの基布層として用いられる。このシュープレスベルト用基布は、長手方向に織り込まれた経糸と、幅方向に織り込まれた緯糸と、を有している。このうち、経糸は、2本のモノフィラメントが撚り合わせられてなる合撚糸を含んでいる。更に、合撚糸は、第1モノフィラメントと、第1モノフィラメントより細径である1本の第2モノフィラメントと、を備えており、第2モノフィラメントによって第1モノフィラメントにクリンプが付与されている。
このような構成により、本発明のシュープレスベルトは、シュープレスベルト用基布の構成糸として合撚糸を利用することによって、高い強度の基布としながら、樹脂層と基布との間で高い接合力を発揮させることができる。
即ち、合撚糸の利用により、1本のモノフィラメントを単独で利用する場合に比べて、構成糸表面に凹凸を多く形成されており、更に、第2モノフィラメントによって付与された第1モノフィラメントのクリンプが構成糸の動きを複雑化している。この作用により、樹脂と基布との接触面積が増加され、アンカー効果が生み出されて、樹脂層と基布との間で高い接合力を発揮されているものと考えられる。
本シュープレスベルト用基布において、第2モノフィラメントの糸径が、第1モノフィラメントの糸径の50%以下である場合には、第1モノフィラメントが軸糸のようになり、その周囲を第2モノフィラメントが締め付けるように巻き付いた形態を得ることができる。そして、第1モノフィラメントにより効果的なクリンプを付与できる。
本シュープレスベルト用基布において、合撚糸の撚り数が25.4mmあたり2回以上7回以下である場合には、第1モノフィラメントに対して適度なクリンプを付与することができるとともに、合撚糸が経糸として用いた基布層の組織をより綺麗に揃えることができる。
本シュープレスベルト用基布において、シュープレスベルト用基布を構成する経糸の総本数に対する合撚糸の総本数の割合が25%以上である場合には、合撚糸を用いることによる樹脂と基布との接合力強化をより効果的に得ることができる。また、経糸の抜け出しを抑制する効果にも優れる。
本発明のシュープレスベルトは、本発明のシュープレスベルト用基布を基布層として用いる。この構成により、シュープレスベルト用基布の構成糸として、合撚糸を利用して、高い強度の基布としながら、樹脂層と基布との間で高い接合力を発揮させることができる。また、経糸として1本のモノフィラメントを用いたのと同等に高い強度を基布から得ることができ、耐久性に優れたシュープレスベルトとすることができる。
本シュープレスベルト用基布の一例の断面を模式的に示す説明図である。 合撚糸の一例を模式的に示す説明図である。 本シュープレスベルトの一例の断面を模式的に示す説明図である。 合撚糸1として調製した糸を拡大して示す説明図である。 合撚糸2として調製した糸を拡大して示す説明図である。 実施例で用いたシュープレス試験装置を模式的に示す説明図である。 シュープレス装置の一例を模式的に示す説明図である。
[1]シュープレスベルト用基布
本発明のシュープレスベルト用基布2は(図1参照)、シュープレスベルト1の基布層2として用いられる。このシュープレスベルト用基布2は、長手方向に織り込まれた経糸21と、幅方向Dに織り込まれた緯糸22と、を有している。
このうち、経糸21は、2本のモノフィラメントが撚り合わせられてなる合撚糸21A(図2参照)を含んでいる。更に、合撚糸21Aは、第1モノフィラメント211と、第1モノフィラメント211より細径である1本の第2モノフィラメント215と、を備えており、第2モノフィラメント215によって第1モノフィラメント211にクリンプが付与されている。
本発明のシュープレスベルト用基布2では、太さの異なる2本のモノフィラメントからなる合撚糸21Aを経糸21として用いる。この構成により、高い強度の基布2を得ながら、シュープレスベルト1内では、樹脂層と基布2との間で高い接合力を発揮される。合撚糸を利用することによって、樹脂層と基布2との間の接合力が向上される理由としては以下が挙げられる。即ち、
合撚糸21Aの利用により、1本のモノフィラメントを単独で利用する場合比べて、構成糸表面に凹凸を多く確保できる。この作用により、樹脂と基布との接触面積が増加され、アンカー効果が生み出され、樹脂層と基布との間で高い接合力を発揮させることができるという理由が挙げられる。
更に、合撚糸21Aが、大径な第1モノフィラメント211を有することで、単一のモノフィラメントと同様に、マルチフィラメント等に比べて伸び難い糸とすることができる。即ち、一般に、同径の多数本の細糸を撚り合わせたマルチフィラメントやその撚糸では、樹脂が糸間へ浸透し易くアンカー効果が得られ易いことは知られている。そのため、マルチフィラメントを構成糸として利用した基布では、樹脂と構成糸との接合性は向上される。しかしながら、マルチフィラメントを構成できる糸は、1本1本が細いために糸全体は伸び易くなってしまい、基布の寸法安定性が低下する。そして、糸の伸度と樹脂の伸度とは通常異ななるため、基布の伸縮に伴って糸と樹脂とは剥離し易くなる。従って、一般には、アンカー効果による耐剥離性と、糸の低伸度化による耐剥離性とは相反関係にあり、これらを両立させることは困難である。
これに対して、本発明では合撚糸21Aを用いる。この合撚糸21Aは、大径な第1モノフィラメント211と、より小径の第2モノフィラメント215との2本の糸のみを用いて形成されている。そのため、上述のようなマルチフィラメントに比べて、伸度が顕著に小さく、尚且つ、糸表面に凹凸を多く有する糸を得ることができる。これにより、基布の寸法安定性を向上させながら、同時にアンカー効果を得ることができる。
更に、後述のように、特に、第2モノフィラメントを一定の太さ以下にした場合には、クリンプを有しながら、第1モノフィラメントの過度な屈曲は抑制された合撚糸を得ることができる。即ち、モノフィラメント様の構造を維持した合撚糸を得ることができる。この合撚糸は屈曲し難く、伸び難い性質を有することから、寸法安定性の高い基布を得ることができる。
また、合撚糸21Aの利用によって基布2内の空隙量が多く維持され、樹脂が浸透できるスペースを大きく確保していることも樹脂層と基布との間で高い接合力を発揮できる理由の1つと考えられる。
シュープレスベルト用基布2を構成する経糸21のうち、合撚糸211には、フィラメントヤーンが利用される。なかでもモノフィラメントが用いられる。従って、合撚糸21Aは、1本の第1モノフィラメント211(第1のモノフィラメント)と、1本の第2モノフィラメント215(第2のモノフィラメント)と、から構成される。
合撚糸211を構成する構成糸は、どのような材料から形成されてもよいが、通常、樹脂が用いられる。樹脂種は特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、アラミド等)、ポリエーテルケトン系樹脂(ポリエーテルエーテルケトン等)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、熱可塑性樹脂フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン等)などを用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、第1モノフィラメント211及び第2モノフィラメント215を構成する樹脂種は同じであってもよく異なってもよい。
合撚糸21Aのうち、第1モノフィラメント211は、第2モノフィラメント215に比べて糸径が大きいモノフィラメントである。また、第1モノフィラメント211には、第2モノフィラメント215によってクリンプが付与されている(図2参照)。
第1モノフィラメント211の糸径は、0.30mm以上0.50mm以下が好ましく、更に好ましくは0.34mm以上0.45mm以下である。この範囲では、モノフィラメントを用いることによって、強度を維持することができる。
尚、モノフィラメントの糸径とは、糸(モノフィラメント)の直径を意味する。具体的には、測定対象のモノフィラメント上から、無作為に10カ所の測定部位を選択し、その測定部位において直径を測定し、得られた測定値の平均値をモノフィラメントの糸径とする。
第2モノフィラメント215の糸径は、第1モノフィラメント211の糸径の50%以下であることが好ましい。この値が50%以下であることにより、同径の糸を撚り合わせたような形態の合撚糸となることを防止できる。即ち、第1モノフィラメント211を合撚糸21Aの軸糸とし、第2モノフィラメント215をその軸糸にクリンプを形成しつつも周囲に巻き付いた糸となるように、糸に主従関係を形成できる。更に、換言すれば、第1モノフィラメント211に適度な大きさ(うねり)のクリンプを形成することができる。その結果、合撚糸21A全体の見掛け太さを抑えて撚り合わせることができる。そして、合撚糸21Aのコシを維持できる。また、製織の際の経糸21の打ち込み本数を、合撚糸21Aを利用しない場合から変更することなく製織することができる。
第1モノフィラメント211の糸径に対する第2モノフィラメント215の糸径は、25%以上50%以下がより好ましく、35%以上40%以下が特に好ましい。この範囲では、第1モノフィラメント211の伸びとほとんど変わらず、上述の効果のより好適な範囲を得ることができる。
合撚糸21Aの撚り数は、特に限定されないが、25.4mmあたり、2回以上7回以下であることが好ましい。この範囲では、モノフィラメントの性能を維持することができる。この撚り数は、3回以上7回以下がより好ましく、4回以上7回以下が更に好ましい。特により数を7回以下に抑えることで、第2モノフィラメントに影響されて緯糸が糸寄りすることを抑制し、正確で綺麗な織目の基布を得ることができる。
尚、合撚糸21Aの撚り数は、JIS L1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)の8.13「より数」に規定された方法に準拠し、検ねん器を用いて測定される。但し、本明細書では25.4mmあたりのより数(撚り数)を規定する。
上述のように、シュープレスベルト用基布2は、経糸21と緯糸22とを用いて製織された織布として形成されている。このうち、経糸21の一部又は全部として前述の合撚糸21Aが含まれている。即ち、本発明のシュープレスベルト用基布2は、この基布2を構成する経糸21の全てが前述の合撚糸21Aであってもよいが、合撚糸21A以外の他の経糸21を含んでもよい。
他の経糸21を含む場合、他の経糸21にはどのような糸を用いてもよい。例えば、他の経糸21には、フィラメントヤーン及びスパンヤーンのいずれを用いてもよく、これら両方を含む糸であってもよい。このうちでは、強度の観点からフィラメントヤーンが好ましい。また、フィラメントヤーンを構成する材料としては、合撚糸21Aと同様の樹脂種が挙げられる。他の経糸21を構成する樹脂種は、合撚糸21Aを構成する樹脂種と同じであってもよく異なっていてもよい。
更に、他の経糸21は、モノフィラメントであってもよく、撚糸(上記合撚糸21Aを除いた撚糸)であってもよい。これらのうちでは、モノフィラメントが好ましく、更には、合撚糸21Aの第1モノフィラメントと同径のモノフィラメントであることがより好ましい。
一方、本発明の基布2を構成する緯糸22にはどのような糸を用いてもよい。例えば、緯糸22には、フィラメントヤーン及びスパンヤーンのいずれを用いてもよく、これら両方を含む糸であってもよい。このうちでは、強度の観点からフィラメントヤーンが好ましい。また、フィラメントヤーンを構成する材料としては、合撚糸21Aと同様の樹脂種が挙げられる。緯糸22を構成する樹脂種は、合撚糸21Aを構成する樹脂種と同じであってもよく異なっていてもよく、他の経糸21(合撚糸21Aを除いた経糸)を構成する樹脂種と同じであってもよく異なっていてもよい。
更に、緯糸22は、モノフィラメントであってもよく、撚糸(上記合撚糸21Aを含む)であってもよい。
基布2は、前述の経糸21及び緯糸22を用いて織られていればよい。この基布2は、単層に織られていてもよく、複層に織られていてもよい。即ち、基布2は、単層織布であってもよく、複層織布であってもよい。このうち、複層に織られている場合としては、例えば、経三重織が挙げられる(図1参照)。
経糸21に対する合撚糸21Aの割合は特に限定されないが、経糸21の総本数に対する合撚糸21Aの総本数の割合において25%以上(100%であってもよい)であることが好ましい。
より具体的には、基布2が単層構造である場合、経糸21の総本数に対する合撚糸21Aの総本数の割合は50%以上100%以下が好ましい。
また、基布2が三重織構造である場合(図1参照)は、経糸21の総本数に対する合撚糸21Aの総本数の割合は30%以上100%以下とすることができる。この際には、三重織構造の基布2におけるいずれか1層の経糸の全てに合撚糸21Aを用いてもよい。即ち、例えば、3両層の経糸総数が同じである場合、経糸21の総本数に対する合撚糸21Aの総本数の割合が約33.3%であり、経糸21が合撚糸21Aのみからなる織層1層と、経糸21が合撚糸21Aを含まない織層2層と、の3層を備えた三重織構造の基布2となる。当然ながら、同様に、三層構造の基布2におけるいずれか2層の経糸の全てに合撚糸21Aを用いてもよく、三層構造の基布2における3層の経糸の全てに合撚糸21Aを用いてもよい。
[2]シュープレスベルト
本発明のシュープレスベルト1(図3参照)は、樹脂層3と、樹脂層3に埋設された基布層2と、を有し、本発明のシュープレスベルト用基布2が、基布層2として用いられていることを特徴とする。
この構成により、本発明のシュープレスベルト1は、本発明のシュープレスベルト用基布2による有利な作用及び効果をそのままシュープレスベルト1において得ることができる。
また、上述の通り、基布層2は樹脂層3に埋設されているが、基布層2はその全体が樹脂層3内に完全に埋設(即ち、埋没)されていてもよく、一部のみ埋設されていてもよい。基布層2の一部のみが樹脂層3に埋設されている場合とは、基布層2の表面(湿紙側)1a側が、樹脂層3から露出されている場合が挙げられる。この場合、基布層2の厚さ全体に対して表面(湿紙側)1aから20%未満の範囲は、樹脂層3から露出されていてもよい。即ち、基布層2の厚さ全体の80%以上が樹脂層3に埋設されていることが好ましい。
具体的には、例えば、図3に示すように、シュープレスベルト1は、表面(湿紙側)1a及びその対面である裏面(シュー側)1bを有している。そして、シュープレスベルト1は、基布層2と、基布層2の少なくとも裏面1b側に積層(樹脂が基布層2の裏面1b側から含浸され、基布層2内に浸透されて固化された状態)された裏側樹脂層(シュー側樹脂層)32を備えることが好ましい。即ち、換言すれば、シュープレスベルト1において、少なくとも、その裏面1b側を構成する構成糸(経糸及び緯糸に関わらない)が埋設されるように樹脂が配置されていることが好ましい。
更に、シュープレスベルト1は、基布層2の表面(湿紙側)1a側にも積層(樹脂が基布層2の表面1a側から含浸され、基布層2内に浸透されて固化された状態)された表側樹脂層(湿紙側樹脂層)31を備えることができる。この表側樹脂層31は、図3に示すように、その表面1aに排水溝311を備えることができる。
基布層2を樹脂層3に埋設する方法は特に限定されず、例えば、樹脂原料にシュープレスベルト用基布2を浸漬して基布2内に樹脂原料を含浸させた後、この樹脂原料を固化させることで埋設できる。また。樹脂原料をシュープレスベルト用基布2に塗布(スプレー塗布、刷毛塗り等)して基布2内に樹脂原料を含浸させた後、この樹脂原料を固化させることで埋設することができる。
樹脂層3を構成する樹脂種は特に限定されないが、基布層2を樹脂層3に埋設しやすいように、即ち、基布2を構成する構成糸間に樹脂原料が行きわたり易いように粘度の低い材料を用いることが好ましい。具体的には、硬化されて弾性を発揮できる弾性樹脂が好ましく、このような樹脂原料としては、ウレタンプレポリマー(硬化されてウレタン樹脂となる)が挙げられる。ウレタンプレポリマーは、1液タイプであってもよく、2液タイプであってもよい。
また、ウレタン樹脂(ウレタンプレポリマー)を用いる場合、その硬化形式は特に限定されず、例えば、水硬化型ウレタン樹脂(NCO末端を有するプレポリマーが水分と反応して硬化されるウレタン樹脂等)、加熱硬化型(イソシアネート基が保護基によって保護されたポリイソシアネートを含み、加熱によって保護基が解離して硬化されるウレタン樹脂等)、溶剤除去硬化型(重合された高分子化ポリウレタンを有機溶剤に溶解させた溶液から、有機溶剤を除去することで硬化されるウレタン樹脂等)、分散媒除去硬化型(水等の分散媒に乳化分散させたウレタンエマルジョンから分散媒を除去することで硬化されるウレタン樹脂等)などが挙げられる。これらは1 種のみを用いてもよく2 種以上を併用してもよい。
尚、シュープレスベルトは、無端ベルト状(クローズドタイプ)であってもよく、長尺ベルト状(オープンタイプ)であってもよい。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明する。尚、以下では、モノフィラメントを単に「MF」とも表記する。
[1]合撚糸の製造(合撚糸1−2)
下記第1モノフィラメント211及び下記第2モノフィラメント215を用いて下記構成の合撚糸1−2を得た。
(1)合撚糸1(図4参照)
第1MF;糸径0.35mmのナイロン糸・1本
第2MF;糸径0.15mmのナイロン糸・1本
糸径比(第2MF/第1MF);42.9%
撚り数;6.5回/25.4mm(1インチ)
(3)合撚糸2(図5参照)
第1MF;糸径0.35mmのナイロン糸・1本
第2MF;糸径0.15mmのナイロン糸・1本
糸径比(第2MF/第1MF);42.9%
撚り数;8回/25.4mm(1インチ)
[2]シュープレスベルト用基布の製造(実施例1a−2a、比較例1a)
上記[1]で調製した合撚糸1−2を用いて下記構成の実施例1a−2aの基布を得た。更に、併せて下記比較例1aの基布を得た。
(1)実施例1a(図2参照)
経糸;合撚糸1
経糸密度;45本/25.4mm
緯糸;糸径0.40mmのポリエステル製MF
緯糸密度;40本/25.4mm
組織;経三重組織
(2)実施例2a
経糸;合撚糸2
経糸密度;45本/25.4mm
緯糸;糸径0.40mmのポリエステル製MF
緯糸密度;40本/25.4mm
組織;経三重組織
(3)比較例1a(従来品)
経糸;糸径0.35mmのナイロン製MF
経糸密度;45本/25.4mm
緯糸;糸径0.40mmのポリエステル製MF
緯糸密度;40本/25.4mm
組織;経三重組織
[3]シュープレスベルトの製造(実施例1b−2b、比較例1b)
上記[2]で得た実施例1a−2a及び比較例1aの各基布の表面から、ウレタンプレポリマーをスプレー塗布し、基布の表面側にウレタンプレポリマーを十分に含浸させた後、ウレタンプレポリマーを加熱硬化させて表側樹脂層を形成した。次いで、シュープレスベルト用基布の裏面から、同様に、ウレタンプレポリマーをスプレー塗布し、基布の裏面側にウレタンプレポリマーを十分に含浸させた後、ウレタンプレポリマーを加熱硬化させて裏側樹脂層を形成して、シュープレスベルトを得た。
[4]耐久性評価
上記[3] で得られたシュープレスベルト(実施例1b−2b、比較例1b)を、シュープレス試験装置7(図6参照)に装着して抄紙を行い、クラックが発生するまでの期間を測定(テスト速度700m/分、加圧400kN/m)した。その結果、比較例1bのクラックが発生するまでの期間に対し、実施例1b−2bのシュープレスベルトのクラックが発生するまでの期間は、いずれも40%以上の延長が認められた。
本発明のシュープレスベルトは、製紙分野における抄紙に係るプレスパートにおいて広く利用される。具体的には、新聞巻取紙、印刷情報用紙、衛生用紙、雑種紙、段ボール原紙、白板紙、その他の紙類の製造に際して、シュープレスベルトとして利用される。
1;シュープレスベルト、1a;表面(湿紙側)、1b;裏面(シュー側)、
2;基布(基布層)、21及び21’;経糸、21A;合撚糸、211;第1モノフィラメント、215;第2モノフィラメント、22及び22’;緯糸、
3;樹脂層、31;表側樹脂層(湿紙側樹脂層)、311;排水溝、32;裏側樹脂層(シュー側樹脂層)、
7;シュープレス試験装置、71;プレスロール、72;加圧シュー、
8;シュープレス装置、81;プレスロール、82;湾曲面、83;加圧シュー、84;湿紙、85;抄紙用フェルト、
;幅方向。

Claims (6)

  1. シュープレスベルトの基布層として用いられるシュープレスベルト用基布において、
    長手方向に織り込まれた経糸と、幅方向に織り込まれた緯糸と、を有し、
    前記経糸は、2本のモノフィラメントが撚り合わせられてなる合撚糸を含み、
    前記合撚糸は、第1モノフィラメントと、前記第1モノフィラメントより細径である1本の第2モノフィラメントと、を備えるとともに、前記第2モノフィラメントによって、前記第1モノフィラメントにクリンプが付与されていることを特徴とするシュープレスベルト用基布。
  2. 前記第2モノフィラメントの糸径が、前記第1モノフィラメントの糸径の50%以下である請求項1に記載のシュープレスベルト用基布。
  3. 前記第1モノフィラメントの糸径が、0.30mm以上0.50mm以下である請求項1又は2に記載のシュープレスベルト用基布。
  4. 前記合撚糸の撚り数が、25.4mmあたり、2回以上7回以下である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のシュープレスベルト用基布。
  5. 本シュープレスベルト用基布を構成する経糸の総本数に対する前記合撚糸の総本数の割合が25%以上である請求項1乃至4のうちのいずれかに記載のシュープレスベルト用基布。
  6. 樹脂層と、前記樹脂層に埋設された基布層と、を有し、
    請求項1乃至5のうちのいずれかに記載のシュープレスベルト用基布が、前記基布層として用いられていることを特徴とするシュープレスベルト。
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