JP6288196B1 - エンジンの制御方法、及びエンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御方法、及びエンジンの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6288196B1
JP6288196B1 JP2016181483A JP2016181483A JP6288196B1 JP 6288196 B1 JP6288196 B1 JP 6288196B1 JP 2016181483 A JP2016181483 A JP 2016181483A JP 2016181483 A JP2016181483 A JP 2016181483A JP 6288196 B1 JP6288196 B1 JP 6288196B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
engine
rotation
clutch
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016181483A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018044515A (ja
Inventor
田中 健治
健治 田中
篤史 山▲崎▼
篤史 山▲崎▼
恭平 池
恭平 池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2016181483A priority Critical patent/JP6288196B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6288196B1 publication Critical patent/JP6288196B1/ja
Publication of JP2018044515A publication Critical patent/JP2018044515A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

【課題】最高変速段で走行中にクラッチ4の係合解除が行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感を抑制することを目的とする。【解決手段】手動変速機3が接続されたエンジン2の制御方法は、クラッチ4の係合状態を検出する係合状態検出工程と、エンジン回転数N、及び手動変速機3の変速機回転数Toに基づいて、手動変速機3の変速段を特定する変速段特定工程と、クラッチ4の係合が解除され、かつ特定された変速段が最高変速段でない場合、特定された変速段よりも一段高い変速段の変速比に変速機回転数Toを乗算した値をエンジン2の目標回転数Ntとする第1回転制御工程と、クラッチ4の係合が解除され、かつ特定された変速段が最高変速段の場合、特定された変速段の変速比に変速機回転数Toを乗算した値よりも低い値をエンジン2の目標回転数Ntとする第2回転制御工程とを備えている。【選択図】図4

Description

この発明は、例えば自動車におけるエンジンの回転を、手動変速機の変速段に応じて制御するようなエンジンの制御方法、及びエンジンの制御装置に関する。
自動車などの車両には、エンジンの駆動力、及び回転を増減して伝達する機構として、乗員の操作によって任意の変速段に切替え可能な手動変速機が、クラッチを介してエンジンに接続されている。
このような車両において、乗員の操作によってクラッチの係合が解除されたのち、変速段が切替えられると、エンジンの出力軸回転数と、手動変速機の入力軸回転数とが一致しなくなる。このため、乗員の操作によって再びクラッチが係合されると、回転差による変速ショックが生じて、乗員に不快感を与えるおそれがあった。
そこで、乗員の操作によって手動変速機の変速段が切替えられた際、回転差による変速ショックを抑制する様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、クラッチの係合が解除された際の変速段を特定するとともに、特定した変速段の変速比に基づいて決定した目標回転数で、エンジンの回転を制御するエンジンの制御装置が記載されている。
より詳しくは、特許文献1におけるエンジンの制御装置は、クラッチの係合が解除された場合、車両の車速とエンジンの出力軸回転数とに基づいて、クラッチの係合が解除された際の変速段を特定している。
そして、特許文献1の制御装置は、特定した変速段よりも一段高い変速段の変速比と、手動変速機の出力軸回転数とを乗算した値を目標回転数として、所定時間の間、エンジンの回転を制御している。これにより、特許文献1は、シフトアップの際に生じるエンジンと手動変速機との回転差を小さくでき、回転差による変速ショックを抑制している。
このようなエンジンの制御方法は、シフトアシスト制御と呼ばれ、乗員の操作によるエンジン回転の調整を不要にするとともに、変速ショックの抑制によって快適性の向上を図ることができるとされている。
特開2016−35211号公報
ところで、例えば、最高変速段で走行中に車列の流れが悪くなった際、乗員が、クラッチペダルを踏み込んだ状態で、前方の状況を見ながら惰性走行によって車間距離を調整することがある。
この際、最高変速段において、クラッチの係合が解除された状態が乗員によって維持されるため、特許文献1のようなエンジンの制御方法では、シフトアップと判定されず、アイドリング回転数でエンジンの回転が制御されることになる。
このため、エンジンと手動変速機との回転差が、シフトアップの際の回転差よりも大きくなり、例えば、最高変速段の状態で乗員が再びクラッチを係合させた際、エンジンと手動変速機との回転差によって大きなショックが生じるという問題があった。
あるいは、例えば、最高変速段においてクラッチの係合が解除された際のエンジンの出力軸回転数を目標回転数として、エンジンの回転を制御した場合、クラッチの係合が解除されているにも関わらず、エンジンの出力軸回転数が下がらない状態となる。
このため、最高変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動が、最高変速段以外の変速段で走行中に、クラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動に比べて違和感があり、かつ騒音が大きい挙動であると乗員に認識され、乗員に不快感を与えるおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑み、最高変速段で走行中にクラッチの係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決する本願記載の発明は、最高変速段で走行中にクラッチの係合が解除された場合、クラッチの係合が解除された際のエンジンの出力軸回転数よりも低く、かつアイドリング回転数よりも高い回転数を目標回転数としてエンジンの回転を制御する。
この制御により、最高変速段で走行中にクラッチの係合が解除された場合のエンジンの回転数が適度に下がる。この際、エンジンの挙動が、最高変速段以外の変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動に近づくため、本願記載の発明は、自然な運転感覚を乗員に提供することができる。
詳述すると、上述した課題を解決する、乗員の操作によって任意の変速段に切替え可能な手動変速機が、クラッチを介して接続されたエンジンの制御方法は、前記クラッチの係合状態を検出する係合状態検出工程と、アクセルペダルの踏み込み状態を検出するアクセル踏込み状態検出工程と、前記エンジンの出力軸回転数、及び前記手動変速機の出力軸回転数に基づいて、前記手動変速機の変速段を特定する変速段特定工程と、前記係合状態検出工程において、乗員の操作によって前記クラッチの係合が解除されたことが検出されるとともに、前記アクセル踏込み状態検出工程において、乗員による前記アクセルペダルの踏み込みが検出されず、かつ前記変速段特定工程によって特定された変速段が最高変速段でない場合、前記特定された変速段よりも一段高い変速段の変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数を目標回転数として、前記エンジンの回転を制御する第1回転制御工程と、前記係合状態検出工程において、乗員の操作によって前記クラッチの係合が解除されたことが検出されるとともに、前記アクセル踏込み状態検出工程において、乗員による前記アクセルペダルの踏み込みが検出されず、かつ前記変速段特定工程によって特定された変速段が最高変速段の場合、前記特定された変速段の変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数よりも低く、かつアイドリング回転数よりも高い回転数を目標回転数として、前記エンジンの回転を制御する第2回転制御工程とを備えている。
この発明により、最高変速段で走行中にクラッチの係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感を抑制することができる。
具体的には、特定された変速段が最高変速段でない場合、エンジンの制御方法は、第1回転制御工程によって、特定された変速段よりも一段高い変速段の変速比に手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数、すなわち手動変速機の入力軸回転数に、エンジンの出力軸回転数を略一致させることができる。
これにより、エンジンの制御方法は、乗員の操作によって変速段が切替えられた際、エンジンと手動変速機との回転差による変速ショックを抑制することができる。さらに、エンジンの制御方法は、例えばシフトアップの際、乗員がアクセルペダルの踏込み量を調整して、エンジンの出力軸回転数を手動変速機の入力軸回転数に合わせることを不要にできる。
一方、特定された変速段が最高変速段の場合、エンジンの制御方法は、第2回転制御工程によって、手動変速機の入力軸回転数よりも低く、かつアイドリング回転数よりも高い目標回転数で、エンジンの回転を制御する。
これにより、エンジンの制御方法は、目標回転数がアイドリング回転数の場合に比べて、エンジンと手動変速機との回転差を小さくすることができる。このため、エンジンの制御方法は、乗員の操作によって再びクラッチが係合した際、エンジンと手動変速機との回転差によるショックの発生を抑制することができる。
さらに、最高変速段においてクラッチの係合が解除された際、エンジンの出力軸回転数を適度に下げることができるため、エンジンの制御方法は、最高変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動が、最高変速段以外の変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動に比べて違和感があり、かつ騒音が大きい挙動であると乗員に認識されることを抑制できる。これにより、エンジンの制御方法は、自然な運転感覚を乗員に提供することができる。
従って、エンジンの制御方法は、最高変速段で走行中にクラッチの係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感を抑制することができる。
この発明の第1の態様として、前記最高変速段の変速比よりも小さい仮想の変速比を仮想変速比とし、前記第2回転制御工程における前記目標回転数が、前記仮想変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数に設定されたものである。
この発明により、エンジンの制御方法は、最高変速段でない変速段において、クラッチの係合が解除された場合と同様に、エンジンの出力軸回転数をより適度に下げることができる。
さらに、手動変速機における変速比の値は、一般的に低変速段に比べて高変速段の方が小さくなる。このため、隣接する変速段間におけるエンジンの出力軸回転数の差は、車速が同じであれば、隣接する低変速段間よりも隣接する高変速段間の方が小さくなる。
そこで、最高変速段の変速比よりも小さい仮想変速比に手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数を第2回転制御工程における目標回転数としたことにより、エンジンの制御方法は、最高変速段におけるエンジンの出力軸回転数と目標回転数との差を、最高変速段よりも一段低い変速段におけるエンジンの出力軸回転数と最高変速段におけるエンジンの出力軸回転数との差よりも小さくすることができる。
つまり、エンジンの制御方法は、同じ車速条件下におけるエンジンの回転差を、仮想変速比を含む変速比が小さくなるにつれて小さくすることができる。これにより、エンジンの制御方法は、最高変速段においてクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動が、最高変速段以外の変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動に比べて違和感のある挙動となることをより抑制できる。
従って、エンジンの制御方法は、最高変速段で走行中にクラッチの係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感をより抑制することができる。
またこの発明の第2の態様として、前記最高変速段の変速比と前記仮想変速比とのステップ比が、前記最高変速段よりも一段低い変速段と前記最高変速段とのステップ比と略同等にされたものである。
上記ステップ比は、隣接する変速段間において、低変速段側の変速比を高変速段側の変速比で除算した値、または高変速段側の変速比を低変速段側の変速比で除算した値とすることができる。
この発明により、エンジンの制御方法は、乗員に与える不快感を確実に抑制することができる。
具体的には、最高変速段の変速比と仮想変速比とのステップ比を、最高変速段よりも一段低い変速段と最高変速段とのステップ比よりも「1.0」に近くなるよう設定した場合、第2回転制御工程における目標回転数は、クラッチの係合を解除した際のエンジンの出力軸回転数に近い回転数となる。このため、第2回転制御工程による効果が、乗員に伝わり難いという問題がある。
これに対して、最高変速段と仮想変速比とのステップ比を、最高変速段よりも一段低い変速段と最高変速段とのステップ比と略同等にしたことにより、エンジンの制御方法は、クラッチの係合が解除された際のエンジンの出力軸回転数よりも確実に低い回転数を、第2回転制御工程における目標回転数とすることができる。
これにより、エンジンの制御方法は、クラッチの係合が解除された際のエンジンの出力軸回転数と、第2回転制御工程における目標回転数との回転差を確実に確保できるため、乗員に与える違和感や騒音を確実に抑制することができる。
従って、エンジンの制御方法は、最高変速段と仮想変速比とのステップ比を、最高変速段よりも一段低い変速段と最高変速段とのステップ比と略同等にしたことにより、乗員に与える不快感を確実に抑制することができる。
またこの発明の第3の態様として、前記第1回転制御工程において、第1所定時間の間、前記エンジンの回転を制御し、前記第2回転制御工程において、前記第1所定時間以下の時間長さに設定された第2所定時間の間、前記エンジンの回転を制御することができる。
この発明により、エンジンの制御方法は、第2回転制御工程において、乗員に与える不快感をより確実に抑制することができる。
具体的には、第1所定時間よりも第2所定時間が長い場合、第2回転制御工程の目標回転数でエンジンが回転する時間が、第1回転制御工程の目標回転数でエンジンが回転する時間よりも長くなる。
このため、最高変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動が、最高変速段以外の変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動と比べて違和感があり、かつ騒音の大きい挙動であると乗員に認識され易くなる。
これに対して、第1所定時間以下の時間長さに第2所定時間を設定したことで、エンジンの制御方法は、第2回転制御工程の目標回転数でエンジンが回転する時間を、第1回転制御工程の目標回転数でエンジンが回転する時間と同じか、それ以下にすることができる。
これにより、エンジンの制御方法は、最高変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際の目標回転数でエンジンが回転する時間が、最高変速段以外の変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際の目標回転数でエンジンが回転する時間と比べて違和感のある時間となることを抑制できる。このため、エンジンの制御方法は、エンジンの回転に伴う音が乗員にとって不快な騒音となることを抑制して、より自然な運転感覚を乗員に提供することができる。
従って、エンジンの制御方法は、第2回転制御工程において、第1所定時間以下の時間長さに設定した第2所定時間でエンジンの回転を制御することで、乗員に与える不快感をより確実に抑制することができる。
またこの発明の第4の態様として、前記第1所定時間が、前記特定された変速段の変速比が小さいほど短く設定されたものである。
この発明により、エンジンの制御方法は、第1回転制御工程において、シフトアップに伴う変速ショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感をより抑制することができる。
具体的には、一般的に、隣接する変速段間のステップ比は、低変速段間よりも高変速段間の方が「1.0」に近くなる。このため、隣接する変速段間におけるエンジンの出力軸回転数の差は、隣接する低変速段間よりも隣接する高変速段間の方が小さい。つまり、エンジンの出力軸回転数を目標回転数に変化させるために必要な時間は、低変速段ほど長く、高変速段ほど短くなる。
そこで、特定された変速段の変速比が小さいほど第1所定時間を短く設定したことで、エンジンの制御方法は、エンジンの出力軸回転数を目標回転数に変化させるために必要な時間を適切に確保することができる。これにより、エンジンの制御方法は、シフトアップの場合におけるエンジンと手動変速機との回転差を確実に抑制することができる。
加えて、第1所定時間以下の時間長さに第2所定時間を設定しているため、エンジンの制御方法は、低変速段から最高変速段にかけて、略段階的にエンジンの制御時間を短くすることができる。
これにより、エンジンの制御方法は、最高変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動が、最高変速段以外の変速段で走行中にクラッチの係合が解除された際のエンジンの挙動と比べて違和感のある挙動となることを抑制できる。
従って、エンジンの制御方法は、第1回転制御工程において、特定された変速段の変速比が小さいほど第1所定時間を短く設定したことにより、シフトアップに伴う変速ショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感をより抑制することができる。
また上述した課題を解決する、乗員の操作によって任意の変速段に切替え可能な手動変速機が、クラッチを介して接続されたエンジンの制御装置は、前記クラッチの係合状態を検出する係合状態検出手段と、アクセルペダルの踏み込み状態を検出するアクセル踏込み状態検出手段と、前記エンジンの出力軸回転数、及び前記手動変速機の出力軸回転数に基づいて、前記手動変速機の変速段を特定する変速段特定手段と、乗員の操作によって前記クラッチの係合が解除されたことを前記係合状態検出手段が検出するとともに、乗員による前記アクセルペダルの踏み込みを前記アクセル踏込み状態検出手段が検出しておらず、かつ前記変速段特定手段によって特定された変速段が最高変速段でない場合、前記特定された変速段よりも一段高い変速段の変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数を目標回転数として、前記エンジンの回転を制御する第1回転制御手段と、乗員の操作によって前記クラッチの係合が解除されたことを前記係合状態検出手段が検出するとともに、乗員による前記アクセルペダルの踏み込みを前記アクセル踏込み状態検出手段が検出しておらず、かつ前記変速段特定手段によって特定された変速段が最高変速段の場合、前記特定された変速段の変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数よりも低く、かつアイドリング回転数よりも高い回転数を目標回転数として、前記エンジンの回転を制御する第2回転制御手段とを備えている。
この発明により、最高変速段で走行中にクラッチの係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感を抑制することができる。
本発明により、最高変速段で走行中にクラッチの係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感を抑制することができる。
車両におけるパワートレインの構成を示す構成図。 エンジン制御装置の構成を示すブロック図。 エンジン制御装置における動作を示すフローチャート。 回転数制御処理の動作を示すフローチャート。 車速とエンジン回転数との関係を変速段ごとに説明する説明図。 加速度特性マップを説明する説明図。 制御時間マップを説明する説明図。 走行中の車両における各部の動作状態を示すタイムチャート。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1は車両におけるパワートレイン1の構成図を示し、図2はエンジン制御装置10のブロック図を示している。
また、図1中において、矢印Fr及びRrは車両前後方向を示しており、矢印Frは車両前方を示し、矢印Rrは車両後方を示している。さらに、矢印Rh及びLhは車幅方向を示しており、矢印Rhは車両右方向を示し、矢印Lhは車両左方向を示している。
本実施形態における車両のパワートレイン1は、図1に示すように、車両前部に配設されたエンジン2と、エンジン2に接続された手動変速機3と、エンジン2の駆動力を手動変速機3に伝達するクラッチ4と、手動変速機3に連結されたプロペラシャフト5と、プロペラシャフト5の後部に連結された最終減速機6と、最終減速機6、及び左右の後輪7を連結する左右一対のドライブシャフト8とで構成されている。
エンジン2は、図1に示すように、例えば4つのピストン(図示省略)を有するエンジン本体21と、エンジン本体21に外気を新気として導入する吸気装置22と、エンジン本体21で発生した排気ガスを外部に排出する排気装置23などで構成されている。
このエンジン本体21は、車両前後方向に延びるクランク軸21aを有する縦置きエンジンであって、燃料の供給を受けて駆動力を出力するよう構成されている。さらに、エンジン本体21には、燃料と外気との混合気が充填される燃焼室(図示省略)と、燃焼室、及び吸気装置22を連通する吸気ポート(図示省略)と、燃焼室、及び排気装置23を連通する排気ポート(図示省略)などが形成されている。
吸気装置22は、図1に示すように、外気が流動可能な内部中空の吸気管22aと、吸気管22aを介して導入された外気をエンジン本体21の吸気ポートに供給するインテークマニホールド22bとで構成されている。
排気装置23は、図1に示すように、エンジン本体21に接続されたエキゾーストマニホールド23aと、エンジン本体21から排出された排気ガスが流下可能な内部中空の排気管23bとで構成されている。
また、手動変速機3は、乗員の操作によって選択切替え可能な複数の変速段を有する変速機であって、本実施形態では1速から6速までの6つの前進段と、1つの後退段とを有しているものとする。
この手動変速機3は、図1に示すように、クラッチ4が連結される入力軸3aと、プロペラシャフト5が連結される出力軸(図示省略)と、入力軸3a及び出力軸の間に配設された複数のギヤ対(図示省略)と、乗員の操作によってギヤ対を切替える切替え機構(図示省略)などで構成されている。
さらに、手動変速機3の変速段は、表1に示すように、1速から最高変速段である6速にかけて、段階的にその変速比が小さくなるよう構成されている。
Figure 0006288196
ここで、隣接する変速段のうち、1速に近い変速段を低変速段とし、6速に近い変速段を高変速段とすると、隣接する変速段の変速比の変化割合であるステップ比(低変速段の変速比/高変速段の変速比)は、表1に示すように、隣接する変速段の変速比が小さいほど「1.0」に近い値となる。
なお、表1中の仮想7速、及び6速と仮想7速との間のステップ比については、後ほど詳しく説明する。
また、クラッチ4は、車両の車室内に配設されたクラッチペダルに接続され、乗員によるクラッチペダルの操作によって、エンジン2の駆動力を手動変速機3に伝達可能な係合状態と、係合状態が解除された係合解除状態とに移行可能に構成されている。
より詳しくは、クラッチ4は、図1に示すように、エンジン2のクランク軸21aに一体回転可能に連結されたエンジン側クラッチ板4aと、手動変速機3の入力軸3aに一体回転可能に連結された変速機側クラッチ板4bとで構成されている。
このクラッチ4は、変速機側クラッチ板4bがエンジン側クラッチ板4aに圧接されることで、エンジン2の駆動力を手動変速機3に伝達可能な係合状態となる。
エンジン側クラッチ板4aは、例えば、クランク軸21aに連結されたフライホイールと、フライホールの後面に締結固定されたクラッチカバーとで構成されている。
一方、変速機側クラッチ板4bは、例えば、高摩擦材が配設された円板状であって、フライホイールとクラッチカバーとで挟持されるように配置されている。
また、最終減速機6は、例えば、所定の減速比を有するハイポイドギヤ対や、差動ギヤなどで構成されるとともに、手動変速機3、及びプロペラシャフト5を介したエンジン2の駆動力を、ドライブシャフト8を介して左右の後輪7に伝達可能に構成されている。
次に、上述したパワートレイン1におけるエンジン2の動作を制御するエンジン制御装置10について、図2を用いて説明する。
エンジン制御装置10は、図1及び図2に示すように、クランク角センサ11と、アクセル開度センサ12と、クラッチスイッチ13と、車輪速センサ14と、燃料用インジェクタ15と、スロットルバルブ16と、点火プラグ17と、可変バルブ機構18と、これらの動作を制御する電子制御ユニット19(Electronic Control Unit、以下「ECU19」と呼ぶ)とで構成されている。
クランク角センサ11は、図1に示すように、エンジン本体21に固定されたセンサであって、クランク軸21aの回転を検出する機能と、検出したクランク軸21aの回転をクランク角信号としてECU19に出力する機能とを有している。
また、アクセル開度センサ12は、アクセルペダル(図示省略)に一体的に配設されたセンサであって、乗員によって操作されたアクセルペダルの開度を検出する機能と、検出したアクセルペダルの開度をアクセル信号としてECU19に出力する機能とを有している。
また、クラッチスイッチ13は、所謂、押しボタンスイッチであって、乗員によるクラッチペダルの踏込みを検出する機能と、クラッチペダルの踏込みを検出した場合、スイッチがON状態であることを示すクラッチ信号をECU19に出力する機能とを有している。
このクラッチスイッチ13は、クラッチペダル(図示省略)を支持するペダルブラケット(図示省略)に固定され、クラッチペダルが20%程度踏み込まれた際、クラッチペダルが当接することでON状態となる位置に配設されている。
なお、クラッチスイッチ13とは別に、エンジン2の始動に必要なクラッチスタートスイッチ(図示省略)がペダルブラケットに設けられている。このクラッチスタートスイッチは、クラッチペダルが75%程度踏み込まれた際、クラッチペダルが当接することでON状態となる位置に配設されている。
また、車輪速センサ14は、図1に示すように、後輪7を支持するナックル(図示省略)に固定されたセンサであって、ドライブシャフト8の回転、換言すれば後輪7の回転を検出する機能と、検出した後輪7の回転を車輪速信号としてECU19に出力する機能とを有している。
また、燃料用インジェクタ15は、燃焼室に先端が露出するようにしてエンジン本体21に固定され、所定のタイミングで燃焼室に燃料を噴射する機能を有している。
また、スロットルバルブ16は、図1に示すように、吸気装置22における吸気管22aの内部に配設された開閉可能な弁であって、エンジン本体21に供給される外気の量を調整する機能を有している。
また、点火プラグ17は、燃焼室に先端が露出するようにしてエンジン本体21に固定され、所定のタイミングにおいて火花を散らして、燃焼室に供給された外気と、燃焼室に噴射された燃料との混合気を点火する機能を有している。
また、可変バルブ機構18は、エンジン本体21に配設され、吸気ポートを開閉する吸気弁(図示省略)、及び排気ポートを開閉する排気弁(図示省略)の開閉タイミングやリフト量を可変させる機能を有している。
また、ECU19は、CPU及びメモリなどをハード構成と、プログラム及びデータなどのソフト構成とで構成されている。このECU19には、手動変速機3の変速段ごとの変速比、最終減速機6の減速比、後述する加速度特性マップ、及び制御時間マップなど、エンジン2の回転制御に係る各種情報を記憶している。
さらに、ECU19は、クランク角センサ11、アクセル開度センサ12、クラッチスイッチ13、及び車輪速センサ14が出力した各信号を取得する機能と、取得した各信号に基づいて、エンジン回転数、アクセル開度、及び車速などを算出する機能と、燃料用インジェクタ15、スロットルバルブ16、点火プラグ17、及び可変バルブ機構18の動作を制御する機能とを有している。
引き続き、上述したエンジン制御装置10を用いたエンジン2の制御方法について、図3から図8を用いて詳しく説明する。
なお、図3はエンジン制御装置10における動作のフローチャートを示し、図4は回転数制御処理のフローチャートを示し、図5は車速とエンジン回転数との関係を変速段ごとに説明する説明図を示し、図6は加速度特性マップを説明する説明図を示し、図7は制御時間マップを説明する説明図を示し、図8は走行中の車両における各部のタイムチャートを示している。
まず、乗員の操作によってエンジン2が始動すると、ECU19は、図3に示すように、取得信号処理を開始して(ステップS101)、取得した各種信号の処理を開始する。例えば、ECU19は、クランク角センサ11から取得したクランク角信号に基づいて、クランク軸21aの回転数、つまりエンジン回転数の算出を開始する。
さらに、ECU19は、アクセル開度センサ12から取得したアクセル信号に基づいて、アクセル開度の算出を開始する。加えて、ECU19は、車輪速センサ14から取得した車輪速信号に基づいて、後輪7の回転数である後輪回転数、手動変速機3における出力軸の回転数である変速機回転数、及び車両の車速の算出を開始する。
その後、ECU19は、クラッチスイッチ13が出力したクラッチ信号を取得したか否かを判定する(ステップS102)。クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得していなければ(ステップS102:No)、ECU19は、エンジン2の回転制御状態を示す制御フラグFが「1」であるか否かを判定する(ステップS103)。
なお、制御フラグFの「1」は、アイドリング回転数を目標回転数として、エンジン2の回転が制御されている状態を示している。
制御フラグFが「1」であれば(ステップS103:Yes)、ECU19は、制御フラグFを「0」に変更して(ステップS104)、処理をステップS105に進める。
なお、制御フラグFの「0」は、例えば、通常走行時のように、アクセル開度や変速段などに基づいて、エンジン2の回転が制御されている状態を示している。
一方、制御フラグFが「1」でなければ(ステップS103:No)、ECU19は、処理をステップS105に進めて、現在の変速段を特定する変速段特定処理を開始する(ステップS105)。
具体的には、ECU19は、車速とエンジン回転数との関係に基づいて、現在の変速段を特定する。
ここで、車速とエンジン回転数との関係は、図5に示すように、横軸が車速Vを示し、縦軸がエンジン回転数Nを示すグラフであらわすことができる。
この車速Vとエンジン回転数Nとの関係を示すグラフにおいて、車速Vに対するエンジン回転数Nは、図5に示すように、クラッチ4の滑りやパワートレイン1の伝達効率を無視した場合、変速段ごとに傾きの異なる比例関係であらわすことができる。
より詳しくは、車速Vとエンジン回転数Nとの関係は、1速が最も傾きが大きく、2速、3速、4速、5速、及び最高変速段である6速の順に、その傾きが小さくなる一次関数の直線であらわすことができる。なお、車両の車速Vが、後輪7の後輪回転数をD、後輪7の半径をrとして、V=D×2πrによって決定されるため、車速Vとエンジン回転数Nとの関係は、後輪回転数Dとエンジン回転数Nとの関係に置き換えることができる。
そこで、ECU19は、クランク角センサ11から取得したクランク角信号に基づいてエンジン回転数を算出するとともに、車輪速センサ14から取得した車輪速信号に基づいて後輪回転数を算出する。
そして、ECU19は、車速Vとエンジン回転数Nとの関係を示す図5のグラフ、換言すると後輪回転数Dとエンジン回転数Nとの関係を示すグラフに基づいて、N=k×Dから算出した定数kに近似した傾きを有する変速段を、現在の変速段として特定する。なお、ECU19は、特定した現在の変速段をメモリに一時記憶する。
その後、ECU19は、図3に示すように、目標加速度設定処理を開始して(ステップS106)、予め記憶している加速度特性マップに基づいて、車両の目標加速度を設定する。
具体的には、加速度特性マップは、図6に示すように、横軸がアクセル開度を示し、縦軸が目標加速度を示すグラフであわらすことができるマップデータであって、アクセル開度に対する目標加速度が、アクセル開度の範囲によって異なっている。なお、加速度特性マップは、変速段、及び車速ごとに異なるデータが、ECU19に予め記憶されている。
そして、ECU19は、特定された変速段、及び現在の車速に対応する加速度特性マップを読み出すとともに、アクセル開度センサ12から取得したアクセル信号に基づいてアクセル開度を算出する。その後、ECU19は、加速度特性マップからアクセル開度に対する目標加速度を取得して、車両の目標加速度として設定する。
目標加速度を設定すると、ECU19は、目標トルク算出処理を開始して(ステップS107)、目標加速度を実現するために必要な目標エンジントルクを、特定された変速段、及び現在の車速に基づいて算出する。この際、ECU19は、エンジン2が出力可能なエンジントルクの範囲で、目標エンジントルクを算出する。
目標エンジントルクを算出すると、ECU19は、目標充填量算出処理を開始して(ステップS108)、目標エンジントルクを出力するために必要な燃焼室に充填される空気の質量、すなわち充填量を算出する。
その後、ECU19は、目標制御量算出処理を開始して(ステップS109)、スロットルバルブ16、可変バルブ機構18、及び燃料用インジェクタ15の目標制御量を算出する。
具体的には、ECU19は、ステップS108で算出した充填量を実現するために必要なスロットルバルブ16の開度、及び吸気バルブの開閉タイミングを算出する。さらに、ECU19は、充填量と理論空燃比とに基づいて決定される燃料の噴射量を算出する。
そして、ECU19は、スロットルバルブ16の開度、吸気バルブの開閉タイミング、及び燃料の噴射量を示す現在の制御値と、算出した目標開度、目標開閉タイミング、及び目標噴射量を示す制御値との各差分を取得する。この各差分に基づいて、ECU19は、スロットルバルブ16、可変バルブ機構18、及び燃料用インジェクタ15の目標制御量を設定する。
目標制御量算出処理を完了すると、ECU19は、回転制御開始処理を開始して(ステップS110)、設定した目標制御量に基づいて、燃料用インジェクタ15、スロットルバルブ16、点火プラグ17、及び可変バルブ機構18の動作を制御することで、エンジン2の回転制御を開始する。その後、ECU19は、処理を進めてステップS101に戻る。
また、上述したステップS102において、クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得していれば(ステップS102:Yes)、ECU19は、乗員の操作によってクラッチ4の係合が解除されたと判定するとともに、制御フラグFが「1」であるか否かを判定する(ステップS111)。
制御フラグFが「1」でない場合(ステップS111:No)、ECU19は、アイドリング回転数を目標回転数としてエンジン2の回転が制御されている状態ではないと判定し、アクセル開度センサ12から取得したアクセル信号に基づいて算出されたアクセル開度が1.5%以上か否かを判定する(ステップS112)。
アクセル開度が1.5%以上の場合(ステップS112:Yes)、ECU19は、クラッチ4の係合が解除された状態において、乗員によってアクセルペダルが踏み込まれた、すなわち乗員の操作によってエンジン回転数が調整されたと判定する。
そこで、ECU19は、目標回転数設定処理を開始して(ステップS113)、アクセル開度に応じたエンジン2の目標回転数を設定する。
エンジン2の目標回転数を設定すると、ECU19は、目標トルク算出処理を開始して(ステップS114)、目標回転数を実現するために必要なエンジントルクを算出して、目標エンジントルクとして設定する。
目標エンジントルクを設定すると、ECU19は、処理をステップS108へ進め、目標充填量算出処理を開始して(ステップS108)、目標エンジントルクを出力するために必要な充填量を算出したのち、目標制御量算出処理を開始して(ステップS109)、スロットルバルブ16、可変バルブ機構18、及び燃料用インジェクタ15の目標制御量を算出する。
その後、ECU19は、回転制御開始処理を開始して(ステップS110)、設定した目標制御量に基づいて、燃料用インジェクタ15、スロットルバルブ16、点火プラグ17、及び可変バルブ機構18の動作を制御することで、エンジン2の回転制御を開始する。
また、上述したステップS112において、アクセル開度が1.5%未満の場合(ステップS112:No)、ECU19は、乗員によってアクセルペダルが踏み込まれていない状態と判定して、回転数制御処理を開始する(ステップS115)
具体的には、ECU19は、図4に示すように、変速段取得処理を開始して(ステップS116)、図3のステップS105で特定されるとともに、メモリに一時記憶された変速段を読み出し、クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得する直前の変速段を特定する。
その後、ECU19は、目標回転数設定処理を開始して(ステップS117)、特定した変速段、及び後輪回転数に基づいて、エンジン2の目標回転数を設定する。
具体的には、ECU19は、特定した変速段が6速か否かを判定し(ステップS118)、特定した変速段が6速でない場合(ステップS118:No)、特定した変速段よりも一段高い変速段の変速比、及び後輪回転数に基づいて目標回転数を設定する(ステップS119)。
例えば、5速で定常走行している状態から、アクセルが戻され、かつクラッチ4の係合が解除された場合、ECU19は、5速よりも一段高い変速段、すなわち6速の変速比、及び後輪回転数に基づいて目標回転数を設定する。
一方、特定した変速段が6速の場合(ステップS118:Yes)、ECU19は、最高変速段である6速の変速比よりも小さい仮想の変速比を有する仮想の変速段である仮想7速の変速比、及び後輪回転数に基づいて目標回転数を設定する(ステップS120)。
ここで、仮想7速は、上述した表1に示すように、「0.778」を仮想変速比とする仮想の変速段として、予め設定されている。なお、仮想7速の変速比「0.778」は、6速の変速比「1.000」を、5速と6速とのステップ比「1.286」で除算して算出されている。つまり、仮想7速は、表1に示すように、6速と仮想7速とのステップ比が、5速と6速とのステップ比「1.286」と同じ値になるように、その仮想変速比が設定されている。
このため、仮想7速は、図5に示すように、車速とエンジン回転数との関係を示すグラフにおいて、最高変速段である6速の傾きよりも小さい傾きを有する一次関数の直線であらわすことができる。
そして、上述したステップS119において設定される目標回転数Ntは、手動変速機3の出力軸回転数である変速機回転数をTo、特定された変速段よりも一段高い変速段の変速比をGtとして、Nt=Gt×Toによって決定される。
ここで、後輪回転数をD、最終減速機6の減速比をGfとすると、手動変速機3の変速機回転数Toは、To=Gf×Dとすることができる。このため、目標回転数Ntは、Nt=Gt×To=Gt×Gf×Dによって決定される。
目標回転数を設定すると、ECU19は、目標トルク算出処理を開始して(ステップS121)、ステップS117で算出した目標回転数を実現するために必要な目標エンジントルクを算出する。
具体的には、ECU19は、目標回転数から現在のエンジン回転数を減算した値に、予め設定された所定定数を乗算して、単位時間あたりにおけるエンジン回転数の増減率である回転数増減率を算出する。
その後、ECU19は、回転数増減率に対するトルクの増減量を示すマップデータに基づいて、回転数増減率だけエンジン回転数を増減させるために必要なトルクの増減量を取得する。なお、回転数増減率に対するトルクの増減量を示すマップデータは、予めECU19に記憶されているものとする。
さらに、ECU19は、エンジン回転数に対する維持トルクを示すマップデータに基づいて、現在のエンジン回転数を維持するために必要な維持トルクを取得する。なお、エンジン回転数に対する維持トルクを示すマップデータは、予めECU19に記憶されているものとする。
そして、ECU19は、トルクの増減量に維持トルクを加算した値を、目標エンジントルクとして設定する。
目標エンジントルクを算出すると、ECU19は、制御設定処理を開始して(ステップS122)、燃料用インジェクタ15、スロットルバルブ16、点火プラグ17の点火タイミング、及び可変バルブ機構18の目標制御量を設定する。
具体的には、ECU19は、目標エンジントルクを出力するために必要な充填量を算出したのち、算出した充填量を実現するために必要なスロットルバルブ16の開度、及び吸気バルブの開閉タイミングを算出する。さらに、ECU19は、充填量と理論空燃比とに基づいて決定される燃料の噴射量を算出する。
そして、ECU19は、スロットルバルブ16の開度、吸気バルブの開閉タイミング、及び燃料の噴射量を示す現在の制御値と、算出した目標開度、目標開閉タイミング、及び目標噴射量を示す制御値との各差分を取得する。この各差分に基づいて、ECU19は、スロットルバルブ16、可変バルブ機構18、及び燃料用インジェクタ15の目標制御量を設定する。
制御設定処理を完了すると、ECU19は、タイマー処理を開始して(ステップS123)、目標制御量に基づいてエンジン2の回転を制御する制御時間を、制御時間マップに基づいて設定するとともに、制御時間のカウントダウンを開始する。
具体的には、制御時間マップは、図7に示すように、横軸が車速Vを示し、縦軸が制御時間CTを示すグラフであらわすことができるマップデータであって、車速Cに対する制御時間CTが、変速段ごとに登録されている。
この制御時間マップにおいて、車速Vに対する制御時間CTは、1速が最も傾きが大きく、2速、3速、4速、及び5速の順に、その傾きが小さくなる一次関数の直線であらわすことができるよう設定されている。
つまり、同じ車速条件下において、変速段ごとの制御時間CTは、図7に示すように、1速の制御時間CT1が最も長く、2速の制御時間CT2、3速の制御時間CT3、4速の制御時間CT4、5速の制御時間CT5の順に短くなるように設定されている。
なお、2速の制御時間CT2と3速の制御時間CT3との時間間隔t2は、1速の制御時間CT1と2速の制御時間CT2との時間間隔t1よりも短くなるよう設定されている。同様に、3速の制御時間CT3と4速の制御時間CT4との時間間隔t3が、2速の制御時間CT2と3速の制御時間CT3との時間間隔t2よりも短く設定され、4速の制御時間CT4と5速の制御時間CT5との時間間隔t4が、3速の制御時間CT3と4速の制御時間CT4との時間間隔t3よりも短く設定されている。
さらに、6速における車速Vに対する制御時間CTの関係は、図7に示すように、5速における車速Vに対する制御時間CTとの関係と一致するように設定されている。このため、同じ車速条件下において、6速の制御時間CT6は、5速の制御時間CT5と同一に設定されている。
つまり、5速においてクラッチ4の係合が解除された際の制御時間CT5と、最高変速段である6速においてクラッチの係合が解除された際の制御時間CT6とが同一時間に設定されている。
加えて、制御時間マップには、例えば、シフトアップ操作のための時間を確保するために、いずれの変速段であっても所定車速以下では制御時間が一定となる限度時間CT7が設定されている。
このような制御時間マップに基づいて、ECU19は、特定された変速段、及び現在の車速に対応する制御時間を示す値を取得する。その後、ECU19は、制御時間のカウントダウンを開始して、取得した制御時間を示す値を所定時間経過ごとに減算する。
さらに、ECU19は、回転制御開始処理を開始して(ステップS124)、ステップS122で設定した目標制御量に基づいて、燃料用インジェクタ15、スロットルバルブ16、点火プラグ17、及び可変バルブ機構18の動作を制御することで、エンジン2の回転制御を開始する。
その後、ECU19は、クラッチスイッチ13からのクラッチ信号を取得したか否かを判定する(ステップS125)。クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得していなければ(ステップS125:No)、ECU19は、アクセル開度が1.5%以上か否かを判定する(ステップS126)。
アクセル開度が1.5%未満であれば(ステップS126:No)、ECU19は、車両が惰性走行の状態であると判定するとともに、制御時間の残り時間が「0」になったか否かを判定する(ステップS127)。
制御時間の残り時間が「0」でなければ(ステップS127:No)、ECU19は、処理をステップS125に戻し、クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得する、アクセル開度が1.5%以上になる、あるいは制御時間の残り時間が「0」になるまで、ステップS122で設定した目標制御量に基づいてエンジン2の回転を制御する。
一方、ステップS127において、制御時間の残り時間が「0」となった場合(ステップS127:Yes)、ECU19は、制御フラグFを「1」に変更する(ステップS128)。その後、ECU19は、アイドル制御処理を開始して(ステップS129)、予め設定されたアイドリング回転数を目標回転数として、エンジン2の回転を制御する。
アイドル制御処理を開始すると、ECU19は、図3のステップS115に戻り、エンジン2が停止するまでステップS101からステップS129の処理を繰返し行う。
また、上述したステップS125において、クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得した場合(ステップS125:Yes)、あるいはステップS126において、アクセル開度が1.5%以上の場合(ステップS126:Yes)、ECU19は、図3のステップS115に戻り、エンジン2が停止するまでステップS101からステップS129の処理を繰返し行う。
また、図3のステップS111において、制御フラグFが「1」であれば(ステップS111)、ECU19は、アイドリング回転数を目標回転数として、エンジン2の回転が制御されている状態が継続しているものとして、処理を進めてステップS101に戻る。
このように、エンジン制御装置10を用いたエンジン2の制御方法は、乗員の操作によってクラッチ4の係合が解除された際、特定した変速段が6速でない場合には、図4のステップS118:No、ステップS119、及びステップS121からステップS127の処理からなる第1回転制御工程によってエンジン2の回転を制御し、特定した変速段が6速の場合には、図4のステップS118:Yes、ステップS120、及びステップS121からステップS127の処理からなる第2回転制御工程によってエンジン2の回転を制御している。
例えば、図8に示すように、変速段が5速で、かつ車速一定で走行している際、経過時間ET1において、シフトアップのためにアクセルペダルを戻した乗員が、クラッチペダルを踏み込んだとする。
この場合、ECU19は、クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得するとともに(図3のステップS102:Yes)、アクセル開度が1.5%未満のため(ステップS112:No)、ステップS115の回転数制御処理を開始する。回転数制御処理を開始すると、ECU19は、特定された変速段が5速のため(図4のステップS118:No)、エンジンの目標回転数を5速よりも一段高い6速の変速比に基づいて算出する(ステップS119)。
その後、ECU19は、図4のステップS123で設定された制御時間のカウントダウンを開始するとともに、ステップS121、及びステップS122の処理を経て設定された目標制御量に基づいてエンジン2の回転制御を開始する(ステップS124)。
そして、図8の経過時間ET2において、変速操作を終えた乗員が、クラッチペダルを戻すとともに、アクセルペダルを踏み込んだ場合、ECU19は、クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得するため(ステップS125:Yes)、6速の変速比に基づいて算出した目標回転数での制御を停止し、回転数制御処理を終了する。
回転数制御処理を終了すると、クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得していないため(図3のステップS102:No)、ECU19は、図3のステップS105で変速段と特定するとともに、ステップS106からステップS109の処理を経て設定した目標制御量に基づいてエンジン2の回転制御を開始する(ステップS110)。
また、例えば、図8に示すように、変速段が6速で、かつ車速一定で走行している際、経過時間ET3において、車間距離を調整するために、6速の状態のままアクセルペダルを戻した乗員が、クラッチペダルを踏み込んだとする。
この場合、ECU19は、クラッチスイッチ13からクラッチ信号を取得するとともに(図3のステップS102:Yes)、アクセル開度が1.5%未満のため(ステップS112:No)、ステップS115の回転数制御処理を開始する。回転数制御処理を開始すると、ECU19は、特定された変速段が6速のため(図4のステップS118:Yes)、仮想7速の変速比に基づいて目標回転数を算出する(ステップS120)。
その後、ECU19は、図4のステップS123で設定された制御時間のカウントダウンを開始するとともに、ステップS121、及びステップS122の処理を経て設定された目標制御量に基づいてエンジン2の回転制御を開始する(ステップS124)。
そして、図8に示すように、経過時間ET4において、乗員によってクラッチペダルが踏み込まれたまま、制御時間の残り時間が「0」になると(図4のステップS127:Yes)、ECU19は、図4のステップS128で制御フラグFを「1」に書き換えたのち、アイドリング回転数を目標回転数として、エンジン2の回転制御を開始する(ステップS129)。
以上のような動作を実現するエンジン制御装置10を用いたエンジン2の制御方法は、6速で走行中にクラッチ4の係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感を抑制することができる。
具体的には、特定された変速段が6速でない場合、エンジン2の制御方法は、第1回転制御工程によって、特定された変速段よりも一段高い変速段の変速比に変速機回転数Toを乗算した回転数、すなわち手動変速機3の入力軸回転数に、エンジン回転数を略一致させることができる。
これにより、エンジン2の制御方法は、乗員の操作によって変速段が切替えられた際、エンジン2と手動変速機3との回転差による変速ショックを抑制することができる。さらに、エンジン2の制御方法は、例えばシフトアップの際、乗員がアクセルペダルの踏込み量を調整して、エンジン回転数を手動変速機3の入力軸回転数に合わせることを不要にできる。
一方、特定された変速段が6速の場合、エンジン2の制御方法は、第2回転制御工程によって、手動変速機3の入力軸回転数よりも低く、かつアイドリング回転数よりも高い目標回転数Ntで、エンジン2の回転を制御する。
これにより、エンジン2の制御方法は、目標回転数Ntがアイドリング回転数の場合に比べて、エンジン2と手動変速機3との回転差を小さくすることができる。このため、エンジン2の制御方法は、乗員の操作によって再びクラッチ4が係合した際、エンジン2と手動変速機3との回転差によるショックの発生を抑制することができる。
さらに、6速においてクラッチ4の係合が解除された際、エンジン回転数を適度に下げることができるため、エンジン2の制御方法は、6速で走行中にクラッチ4の係合が解除された際のエンジン2の挙動が、6速以外の変速段で走行中にクラッチ4の係合が解除された際のエンジン2の挙動に比べて違和感があり、かつ騒音が大きい挙動であると乗員に認識されることを抑制できる。これにより、エンジン2の制御方法は、自然な運転感覚を乗員に提供することができる。
従って、エンジン2の制御方法は、6速で走行中にクラッチ4の係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感を抑制することができる。
また、仮想7速の仮想変速比に変速機回転数Toを乗算した回転数を、第2回転制御工程における目標回転数Ntに設定したことにより、エンジン2の制御方法は、6速でない変速段において、クラッチ4の係合が解除された場合と同様に、エンジン回転数をより適度に下げることができる。
さらに、手動変速機3における変速比の値は、低変速段に比べて高変速段の方が小さくなる。このため、隣接する変速段間におけるエンジン回転数の差は、車速が同じであれば、隣接する低変速段間よりも隣接する高変速段間の方が小さくなる。
そこで、仮想7速の変速比に変速機回転数Toを乗算した回転数を第2回転制御工程における目標回転数Ntとしたことにより、エンジン2の制御方法は、6速におけるエンジン回転数と目標回転数Ntとの差を、5速におけるエンジン回転数と6速におけるエンジン回転数との差よりも小さくすることができる。
つまり、エンジン2の制御方法は、同じ車速条件下におけるエンジン2の回転差を、仮想変速比を含む変速比が小さくなるにつれて小さくすることができる。これにより、エンジン2の制御方法は、6速においてクラッチ4の係合が解除された際のエンジン2の挙動が、6速以外の変速段で走行中にクラッチ4の係合が解除された際のエンジン2の挙動に比べて違和感のある挙動となることをより抑制できる。
従って、エンジン2の制御方法は、6速で走行中にクラッチ4の係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感をより抑制することができる。
また、6速と仮想7速とのステップ比が、5速と6速とのステップ比と略同等にされたことにより、エンジン2の制御方法は、乗員に与える不快感を確実に抑制することができる。
具体的には、6速と仮想7速とのステップ比を、5速と6速とのステップ比よりも「1.0」に近くなるよう設定した場合、第2回転制御工程における目標回転数Ntは、クラッチ4の係合を解除した際のエンジン回転数に近い回転数となる。このため、第2回転制御工程による効果が、乗員に伝わり難いという問題がある。
これに対して、6速と仮想7速とのステップ比を、5速と6速とのステップ比と略同等にしたことにより、エンジン2の制御方法は、クラッチ4の係合が解除された際のエンジン回転数よりも確実に低い回転数を、第2回転制御工程における目標回転数Ntとすることができる。
これにより、エンジン2の制御方法は、クラッチ4の係合が解除された際のエンジン回転数と、第2回転制御工程における目標回転数Ntとの回転差を確実に確保できるため、乗員に与える違和感や騒音を確実に抑制することができる。
従って、エンジン2の制御方法は、6速と仮想7速とのステップ比を、5速と6速とのステップ比と略同等にしたことにより、乗員に与える不快感を確実に抑制することができる。
また、第2回転制御工程において、5速の制御時間CT5と同じ時間長さに設定された制御時間CT6の間、ECU19がエンジン2の回転を制御することにより、エンジン2の制御方法は、第2回転制御工程において、乗員に与える不快感をより確実に抑制することができる。
具体的には、5速の制御時間CT5よりも6速の制御時間CT6が長い場合、第2回転制御工程の目標回転数Ntでエンジン2が回転する時間が、第1回転制御工程の目標回転数Ntでエンジン2が回転する時間よりも長くなる。
このため、6速で走行中にクラッチ4の係合が解除された際のエンジン2の挙動が、6速以外の変速段で走行中にクラッチ4の係合が解除された際のエンジン2の挙動と比べて違和感があり、かつ騒音の大きい挙動であると乗員に認識され易くなる。
これに対して、5速の制御時間CT5と同じ時間長さに6速の制御時間CT6を設定したことで、エンジン2の制御方法は、第2回転制御工程の目標回転数Ntでエンジン2が回転する時間を、第1回転制御工程の目標回転数Ntでエンジン2が回転する時間と同じか、それ以下にすることができる。
これにより、エンジン2の制御方法は、6速で走行中にクラッチ4の係合が解除された際の目標回転数でエンジン2が回転する時間が、6速以外の変速段で走行中にクラッチ4の係合が解除された際の目標回転数でエンジン2が回転する時間と比べて違和感のある時間となることを抑制できる。このため、エンジン2の制御方法は、エンジン2の回転に伴う音が乗員にとって不快な騒音となることを抑制して、より自然な運転感覚を乗員に提供することができる。
従って、エンジン2の制御方法は、第2回転制御工程において、制御時間CT5と同じ時間長さに設定した制御時間CT6でエンジン2の回転を制御することで、乗員に与える不快感をより確実に抑制することができる。
また、第1回転制御工程における制御時間CTが、特定された変速段の変速比が小さいほど短く設定されたことにより、エンジン2の制御方法は、第1回転制御工程において、シフトアップに伴う変速ショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感をより抑制することができる。
具体的には、隣接する変速段間のステップ比は、低変速段間よりも高変速段間の方が「1.0」に近くなる。このため、隣接する変速段間におけるエンジン回転数の差は、隣接する低変速段間よりも隣接する高変速段間の方が小さい。つまり、エンジン回転数を目標回転数Ntに変化させるために必要な時間は、低変速段ほど長く、高変速段ほど短くなる。
そこで、特定された変速段の変速比が小さいほど制御時間CTを短く設定したことで、エンジン2の制御方法は、エンジン回転数を目標回転数Ntに変化させるために必要な時間を適切に確保することができる。これにより、エンジン2の制御方法は、シフトアップの場合におけるエンジン2と手動変速機3との回転差を確実に抑制することができる。
加えて、5速の制御時間CT5と同じ時間長さに制御時間CT6を設定しているため、エンジン2の制御方法は、低変速段から6速にかけて、略段階的にエンジン2の制御時間CTを短くすることができる。
これにより、エンジン2の制御方法は、6速で走行中にクラッチ4の係合が解除された際のエンジン2の挙動が、6速以外の変速段で走行中にクラッチ4の係合が解除された際のエンジン2の挙動と比べて違和感のある挙動となることを抑制できる。
従って、エンジン2の制御方法は、第1回転制御工程において、特定された変速段の変速比が小さいほど制御時間CTを短く設定したことにより、シフトアップに伴う変速ショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感をより抑制することができる。
また、上述した構成のエンジン制御装置10は、6速で走行中にクラッチ4の係合解除と係合とが行われた場合であっても、回転差によるショックを抑制できるとともに、乗員に与える不快感を抑制することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の係合状態検出工程は、実施形態の図3のステップS102に対応し、
以下同様に、
エンジンの出力軸回転数は、エンジン回転数Nに対応し、
手動変速機の出力軸回転数は、変速機回転数Toに対応し、
変速段特定工程は、図4のステップS116に対応し、
最高変速段は、6速に対応し、
第1回転制御工程は、図4のステップS118:No、ステップS119、及びステップS121からステップS127に対応し、
第2回転制御工程は、図4のステップS118:Yes、ステップS120、及びステップS121からステップS127に対応し、
仮想変速比は、仮想7速の変速比に対応し、
最高変速段と仮想変速比とのステップ比は、6速と仮想7速とのステップ比に対応し、
最高変速段よりも一段低い変速段と最高変速段とのステップ比は、5速と6速とのステップ比に対応し、
第1所定時間は、制御時間CT1,CT2,CT3,CT4,CT5に対応し、
第2所定時間は、制御時間CT6に対応し、
制御装置は、エンジン制御装置10に対応し、
係合状態検出手段は、クラッチスイッチ13、及びECU19に対応し、
変速段特定手段は、ECU19に対応し、
第1回転制御手段、及び第2回転制御手段は、燃料用インジェクタ15、スロットルバルブ16、点火プラグ17、可変バルブ機構18、及びECU19に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述した実施形態において、前部にエンジン2が配設された後輪駆動の車両としたが、これに限定せず、前輪駆動、または四輪駆動の車両としてもよい。
また、1速から6速の前進段と、1つの後退段とを有する手動変速機3としたが、これに限定せず、1速から5速の前進段と、1つの後退段とを有する手動変速機などであってもよい。さらに、手動変速機3と最終減速機6との間に副変速機を設けてもよい。
また、手動変速機3の変速比、及びステップ比を表1に示した値としたが、これに限定せず、手動変速機の変速比、及びステップ比は、適宜の構成としてもよい。この場合であっても、6速と仮想7速とのステップ比が、5速と6速とのステップ比と略同等となるように、仮想7速の変速比を設定する。
また、隣接する変速段間のステップ比を、隣接する変速段間において、低変速段側の変速比を高変速段側の変速比で除算した値としたが、これに限定せず、高変速段側の変速比を低変速段側の変速比で除算した値としてもよい。この場合、ステップ比は、「1.0」以下の値となるが、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、車輪速センサ14が出力した車輪速信号に基づいて、車速、及び手動変速機3の変速機回転数を算出したが、これに限定せず、手動変速機3の出力軸回転を検出するセンサを設けて、該センサからの出力信号に基づいて、車速、及び手動変速機3の変速機回転数を算出する構成としてもよい。
また、クランク角センサ11が出力したクランク角信号に基づいて、エンジン回転数を算出したが、これに限定せず、例えば、手動変速機3の入力軸回転を検出するセンサを設けて、該センサからの出力信号に基づいて算出した手動変速機3の入力軸回転数を、エンジン回転数としてもよい。
また、図3のステップS105において、車速(後輪回転数)とエンジン回転数との関係に基づいて、現在の変速段を特定したが、これに限定せず、手動変速機3の出力軸回転数である変速機回転数とエンジン回転数との関係に基づいて、現在の変速段を特定してもよい。
また、図3のステップS112、及び図4のステップS126において、乗員によってアクセルペダルが踏み込まれたことを示すアクセル開度を1.5%以上としたが、これに限定せず、乗員によってアクセルペダルが踏み込まれたことを示すアクセル開度であれば、適宜の値としてもよい。
また、第2回転制御工程における6速の制御時間CT6を、第1回転制御工程における5速の制御時間CT5と同じ時間としたが、これに限定せず、第2回転制御工程における6速の制御時間CT6を、第1回転制御工程における5速の制御時間CT5よりも短い時間としてもよい。
また、図4のステップS123において、制御時間を設定すると、カウントダウンを開始して制御時間を減算し、ステップS127において、制御時間の残り時間が「0」となった場合、アイドル制御処理を開始する構成としたが、これに限定せず、図4のステップS123において、制御時間を決定すると、カウントアップを開始してタイマーを加算し、ステップS127において、タイマーの値が制御時間と一致した場合、アイドル制御処理を開始する構成としてもよい。
2…エンジン
3…手動変速機
4…クラッチ
10…エンジン制御装置
13…クラッチスイッチ
15…燃料用インジェクタ
16…スロットルバルブ
17…点火プラグ
18…可変バルブ機構
19…ECU
CT1…制御時間
CT2…制御時間
CT3…制御時間
CT4…制御時間
CT5…制御時間
CT6…制御時間
Gt…変速比
N…エンジン回転数
Nt…目標回転数
To…変速機回転数

Claims (6)

  1. 乗員の操作によって任意の変速段に切替え可能な手動変速機が、クラッチを介して接続されたエンジンの制御方法であって、
    前記クラッチの係合状態を検出する係合状態検出工程と、
    アクセルペダルの踏み込み状態を検出するアクセル踏込み状態検出工程と、
    前記エンジンの出力軸回転数、及び前記手動変速機の出力軸回転数に基づいて、前記手動変速機の変速段を特定する変速段特定工程と、
    前記係合状態検出工程において、乗員の操作によって前記クラッチの係合が解除されたことが検出されるとともに、前記アクセル踏込み状態検出工程において、乗員による前記アクセルペダルの踏み込みが検出されず、かつ前記変速段特定工程によって特定された変速段が最高変速段でない場合、前記特定された変速段よりも一段高い変速段の変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数を目標回転数として、前記エンジンの回転を制御する第1回転制御工程と、
    前記係合状態検出工程において、乗員の操作によって前記クラッチの係合が解除されたことが検出されるとともに、前記アクセル踏込み状態検出工程において、乗員による前記アクセルペダルの踏み込みが検出されず、かつ前記変速段特定工程によって特定された変速段が最高変速段の場合、前記特定された変速段の変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数よりも低く、かつアイドリング回転数よりも高い回転数を目標回転数として、前記エンジンの回転を制御する第2回転制御工程とを備えた
    エンジンの制御方法。
  2. 前記最高変速段の変速比よりも小さい仮想の変速比を仮想変速比とし、
    前記第2回転制御工程における前記目標回転数が、
    前記仮想変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数に設定された
    請求項1に記載のエンジンの制御方法。
  3. 前記最高変速段の変速比と前記仮想変速比とのステップ比が、
    前記最高変速段よりも一段低い変速段と前記最高変速段とのステップ比と略同等にされた
    請求項2に記載のエンジンの制御方法。
  4. 前記第1回転制御工程において、第1所定時間の間、前記エンジンの回転を制御し、
    前記第2回転制御工程において、前記第1所定時間以下の時間長さに設定された第2所定時間の間、前記エンジンの回転を制御する
    請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のエンジンの制御方法。
  5. 前記第1所定時間が、
    前記特定された変速段の変速比が小さいほど短く設定された
    請求項4に記載のエンジンの制御方法。
  6. 乗員の操作によって任意の変速段に切替え可能な手動変速機が、クラッチを介して接続されたエンジンの制御装置であって、
    前記クラッチの係合状態を検出する係合状態検出手段と、
    アクセルペダルの踏み込み状態を検出するアクセル踏込み状態検出手段と、
    前記エンジンの出力軸回転数、及び前記手動変速機の出力軸回転数に基づいて、前記手動変速機の変速段を特定する変速段特定手段と、
    乗員の操作によって前記クラッチの係合が解除されたことを前記係合状態検出手段が検出するとともに、乗員による前記アクセルペダルの踏み込みを前記アクセル踏込み状態検出手段が検出しておらず、かつ前記変速段特定手段によって特定された変速段が最高変速段でない場合、前記特定された変速段よりも一段高い変速段の変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数を目標回転数として、前記エンジンの回転を制御する第1回転制御手段と、
    乗員の操作によって前記クラッチの係合が解除されたことを前記係合状態検出手段が検出するとともに、乗員による前記アクセルペダルの踏み込みを前記アクセル踏込み状態検出手段が検出しておらず、かつ前記変速段特定手段によって特定された変速段が最高変速段の場合、前記特定された変速段の変速比に前記手動変速機の出力軸回転数を乗算した回転数よりも低く、かつアイドリング回転数よりも高い回転数を目標回転数として、前記エンジンの回転を制御する第2回転制御手段とを備えた
    エンジンの制御装置。
JP2016181483A 2016-09-16 2016-09-16 エンジンの制御方法、及びエンジンの制御装置 Expired - Fee Related JP6288196B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016181483A JP6288196B1 (ja) 2016-09-16 2016-09-16 エンジンの制御方法、及びエンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016181483A JP6288196B1 (ja) 2016-09-16 2016-09-16 エンジンの制御方法、及びエンジンの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6288196B1 true JP6288196B1 (ja) 2018-03-07
JP2018044515A JP2018044515A (ja) 2018-03-22

Family

ID=61557934

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016181483A Expired - Fee Related JP6288196B1 (ja) 2016-09-16 2016-09-16 エンジンの制御方法、及びエンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6288196B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7154452B1 (ja) 2022-08-22 2022-10-17 大栄工機株式会社 インバート桟橋

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7375582B2 (ja) 2020-01-30 2023-11-08 日産自動車株式会社 車両の制御方法および制御装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0968063A (ja) * 1995-08-30 1997-03-11 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
DE10139558A1 (de) * 2001-08-10 2003-02-20 Zahnradfabrik Friedrichshafen Antriebsanordnung
JP4661823B2 (ja) * 2007-04-16 2011-03-30 日産自動車株式会社 エンジン制御装置
JP5510001B2 (ja) * 2010-03-31 2014-06-04 株式会社デンソー アイドルストップ制御装置
JP5892146B2 (ja) * 2013-11-14 2016-03-23 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP6323237B2 (ja) * 2014-08-01 2018-05-16 マツダ株式会社 エンジンの制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7154452B1 (ja) 2022-08-22 2022-10-17 大栄工機株式会社 インバート桟橋

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018044515A (ja) 2018-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3991538B2 (ja) 車両の制御装置
US7753156B2 (en) Control system and vehicle including the same
JP4663405B2 (ja) レジャービィークル
JP5904271B2 (ja) ハイブリッド駆動電気自動車のエンジン始動制御装置及び始動制御方法
US7624568B2 (en) Vehicle and control method thereof
JP2018127118A (ja) 全輪駆動車の制御装置
CN113853477A (zh) 跳过点火和跳过制动设备以及方法
JP2008144755A (ja) 制御システムおよび車両
JP2019064414A (ja) 車両の駆動力制御装置
JP6288196B1 (ja) エンジンの制御方法、及びエンジンの制御装置
CN104612842B (zh) 驱动力限制装置
JP4830781B2 (ja) 四輪駆動車両の制御装置
JP6292268B1 (ja) エンジンの制御方法、及びエンジンの制御装置
JP5196040B2 (ja) エンジン制御装置
JP2001173505A (ja) 車両用エンジンの制御装置
JP2010065697A (ja) 自動車のドライブトレインの内燃機関を制御するための方法および制御装置
US10767615B2 (en) Multipurpose vehicle
JP5899812B2 (ja) 車両の制御装置
JP2004060528A (ja) 車両用加減速ショック低減装置
JP6540086B2 (ja) 四輪駆動車の制御装置
JP5761040B2 (ja) 車両用制御装置
CN106368843B (zh) 驱动力控制装置
WO2003091057A1 (fr) Dispositif et procede de commande de la distribution de la force motrice d'un vehicule a quatre roues
JP6056891B2 (ja) 四輪駆動車の制御装置
JP2022154260A (ja) 車両制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6288196

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees