JP7375582B2 - 車両の制御方法および制御装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、コストアップを抑制できる車両の制御方法および制御装置を提供することにある。
図1は、実施形態1の車両100のシステム図である。
車両100に搭載されたエンジン1は、その吸気通路2に吸入空気量制御用の電制スロットル弁3を有する。電制スロットル弁3の開度は、コントローラ4により制御される。
エンジン1の燃料供給系については図示および説明を省略するが、コントローラ4により吸入空気量に対し所望の空燃比となるように供給燃料量が制御される。
手動変速機6は、ドライバのシフトレバー6aの操作によってギヤ位置を切り替え可能である。
アクセルペダルセンサ11は、アクセルペダル8の操作量(アクセル開度)APOを検出し、対応する信号を出力する。
クランク角センサ12は、エンジン1のクランク軸の回転に同期した信号を出力するもので、この信号からエンジン回転数Neを検出可能である。
車速センサ13は、車両100の車速(手動変速機6の出力軸回転数)Vを検出し、対応する信号を出力する。
中立位置スイッチ15は、シフトレバー6aが中立位置(ニュートラル領域)あるときON信号を出力し、中立位置以外のシフト位置にあるときOFF信号を出力する。
ステップS1では、車両100の車速Vが所定車速V0以上であるかを判定する。YESの場合はステップS2へ進み、NOの場合はステップS19へ進む。所定車速V0は、例えば、車速Vがあまり低いとギヤ位置の算定精度が悪化するため、20~30Km/hに設定する。
ステップS2では、中立位置スイッチ15がONであるかを判定する。YESの場合はステップS15へ進み、NOの場合はステップS3へ進む。
ステップS4では、回転同期フィードバック制御フラグFaがセット(=1)されているかを判定する。YESの場合はステップS16へ進み、NOの場合はステップS5へ進む。Fa=1は回転同期フィードバック制御中であることを示す。
ステップS5では、回転同期フィードバック制御フラグFaをセット(=1)する。
ステップS7では、目標ギヤ位置を現在のギヤ位置よりも1段高速側のギヤ位置に設定する。
ステップS8では、目標ギヤ位置と手動変速機6の最大ギヤ位置(例えば、前進6速の手動変速機であれば、6速)とのセレクトローにより、目標ギヤ位置を設定する。
ステップS9では、クラッチペダルスイッチ14がONからOFFに切り替わったかを判定する。YESの場合はステップS10へ進み、NOの場合はステップS13へ進む。
ステップS11では、目標ギヤ位置を現在のギヤ位置よりも1段低速側のギヤ位置に設定する。
ステップS12では、目標ギヤ位置と手動変速機6の最小ギヤ位置(例えば、前進6速の手動変速機であれば1速)とのセレクトハイにより、目標ギヤ位置とする。
ステップS14では、エンジン回転数Neを目標エンジン回転数tNeに収束させる目標スロットル開度tTVOを生成し、電制スロットル弁3の開度を制御する回転同期フィードバック制御を実行する。
ステップS15では、回転同期フィードバック制御フラグFaがセット(=1)されているかを判定する。YESの場合はステップS16へ進み、NOの場合はリターンへ進む。
ステップS16では、ダウンシフト判断フラグFdがセット(=1)されているかを判定する。YESの場合はステップS17へ進み、NOの場合はリターンへ進む。
ステップS17では、クラッチペダルスイッチ14がONからOFFに切り替わったかを判定する。YESの場合はステップS18へ進み、NOの場合はステップS13へ進む。
ステップS19では、回転同期フィードバック制御フラグFaをリセット(=0)する。Fa=0は回転同期フィードバック制御中でないことを示す。
ステップS20では、車速Vおよびエンジン回転数Neから現在のギヤ位置を推定する。
ステップS21では、目標ギヤ位置を現在のギヤ位置に設定する。
ステップS22では、ダウンシフト判断フラグFdをリセット(=0)する。Fd=0はFd=1はダウンシフト判断中でないことを示す。
図3は、3→2ダウンシフト時における実施形態1の回転同期フィードバック制御の動作を示すタイムチャートである。なお、車速Vは所定車速V0以上であることとする。
時刻t1では、ドライバがクラッチペダル7を踏み込んだため、クラッチ5が解放される。このとき、クラッチペダルスイッチ14がOFF→ONとなるため、図2のフローチャートでは、S1→S2→S3→S4→S5→S6→S7→S8→S9→S13→S14の流れとなる。ステップS4では、回転同期フィードバック制御フラグFaがセットされ、ステップS7では、目標ギヤ位置として、現在のギヤ位置(3速)から1段高速側のギヤ位置(4速)が設定される。ステップS13では、目標エンジン回転数tNeが3速に対応する目標エンジン回転数tNeに設定される。回転同期フィードバック制御フラグFaがセットされると、図2のフローチャートでは、S1→S2→S3→S4→S16→S9→S13→S14の流れとなる。時刻t1-t2の区間では、3速に対応する目標エンジン回転数tNeへのフィードバック制御により、エンジン回転数Neは低下する。
時刻t5では、ドライバがシフトレバー6aを2速に対応するシフト位置に操作したため、手動変速機6のギヤ位置が3速に対応するギヤ位置から2速に対応するギヤ位置へ切り替わる。このとき、図2のフローチャートでは、S1→S2→S3→S4→S16→S17→S13→S14の流れとなる。
さらに、ドライバがダブルクラッチを用いてダウンシフトする場合、回転同期フィードバック制御によりエンジン回転数Neが高められるため、アクセルのブリッピングが不要であり、ドライバの運転負荷を軽減できる。
また、ダウンシフト時にダブルクラッチを行うことなく、アクセルペダル操作でエンジン回転数を調整するブリッピングのみが行われることもあるが、コーナリング手前やコーナリング中でブレーキペダル操作も必要な場合、ヒール&トーのような高度で複雑な操作が右足に要求されるため、ブレーキペダル操作が不安定になってしまうことがある。本実施形態によれば、ブレーキペダル操作中でも空いている左足でクラッチペダルを操作すれば、ブリッピングすることなく正確にエンジン回転数が調整されるため、一般的なドライバでもヒール&トー相当が実現でき、右足はブレーキペダル操作に専念することで安全なダウンシフトが実現できる。
時刻t1-t5の区間は、3→2ダウンシフトが5→4ダウンシフトとなることを除き、図3に示した時刻t1-t5の区間と同様であるため、説明は省略する。
時刻t5では、ドライバがクラッチペダル7を踏み戻したため、クラッチ5が締結される。このとき、クラッチペダルスイッチ14がON→OFFとなるため、図2のフローチャートでは、S1→S2→S15→S16→S17→S18→S13→S14の流れとなる。ステップS18では、目標ギヤ位置として、現在の目標ギヤ位置(4速)から1段低速側のギヤ位置(3速)が設定される。ステップS13では、目標エンジン回転数tNeが3速に対応するエンジン回転数に設定される。その後、S1→S2→S15→S16→S17→S13→S14の流れとなり、時刻t5-t6の区間では、3速に対応する目標エンジン回転数tNeへのフィードバック制御により、エンジン回転数Neは上昇する。
時刻t7では、ドライバがシフトレバー6aを3速に対応するシフト位置に操作したため、手動変速機6のギヤ位置が4速に対応するギヤ位置から3速に対応するギヤ位置へ切り替わる。このとき、図2のフローチャートでは、S1→S2→S3→S4→S16→S17→S13→S14の流れとなる。
実施形態2の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
図5は、実施形態2の回転同期フィードバック制御の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、所定の演算周期で繰り返し実行される。なお、図5において図2のフローチャートと同じ処理を行うステップには、同一のステップ番号を付している。以下、図2と異なる処理を行うステップのみ説明する。
ステップS23では、アクセルペダルセンサ11からの信号により、アクセルペダル8が操作されたかを判定する。YESの場合はステップS18へ進み、NOの場合はステップS13へ進む。
図6は、5→3ダウンシフト時における実施形態2の回転同期フィードバック制御の動作を示すタイムチャートである。なお、車速Vは所定車速V0以上であることとする。
時刻t1-t5の区間は、図4に示した時刻t1-t5の区間と同様であるため、説明は省略する。
時刻t5では、ドライバがアクセルペダル8の踏み込みを開始したため、アクセルペダルセンサ11の信号によりアクセルペダル8の操作が検出される。このとき、図5のフローチャートでは、S1→S2→S15→S16→S17→S23→S18→S13→S14の流れとなる。ステップS18では、目標ギヤ位置として、現在の目標ギヤ位置(4速)から1段低速側のギヤ位置(3速)が設定される。ステップS13では、目標エンジン回転数tNeが3速に対応するエンジン回転数に設定される。その後、S1→S2→S15→S16→S17→S23→S13→S14の流れとなり、時刻t5-t6の区間では、3速に対応する目標エンジン回転数tNeへのフィードバック制御により、エンジン回転数Neは上昇する。
時刻t7では、ドライバがクラッチペダル7を踏み戻したため、クラッチ5が締結される。このとき、クラッチペダルスイッチ14がON→OFFとなるため、図5のフローチャートでは、S1→S2→S3→S19→S20→S21→S22の流れとなる。ステップS19では、回転同期フィードバック制御フラグFaがリセットされ、ステップS20では、車速Vおよびエンジン回転数Neから現在のギヤ位置が更新され、ステップS21では、目標ギヤ位置が現在のギヤ位置とされ、ステップS22では、ダウンシフト判断フラグFdがリセットされる。
以上、本発明を実施するための形態を、実施形態に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
2 吸気通路
3 電制スロットル弁
4 コントローラ
5 クラッチ
6 手動変速機
6a シフトレバー
7 クラッチペダル
8 アクセルペダル
11 アクセルペダルセンサ
12 クランク角センサ
13 車速センサ
14 クラッチペダルスイッチ
15 中立位置スイッチ
100 車両
Claims (4)
- クラッチペダルの踏み込み操作によりエンジンから駆動輪への動力伝達を遮断するクラッチを有する手動変速機を備えた車両の制御方法であって、
車両のコントローラが、エンジン回転数を、シフトレバーの操作による前記手動変速機の変速後の目標ギヤ位置に対応する目標エンジン回転数にフィードバック制御するにあたり、
前記クラッチペダルの踏み込み操作が検出された場合には、車速およびエンジン回転数から推定した現在のギヤ位置よりも1段高速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定し、前記シフトレバーの中立位置が検出されている状態で前記クラッチペダルの踏み戻し操作が検出されたときには、前記現在のギヤ位置よりも1段低速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定する一方、前記シフトレバーの中立位置が検出されている状態で前記クラッチペダルの踏み戻し操作が複数回検出されたときには、当該回数分の段数だけ低速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定する、
車両の制御方法。 - クラッチペダルの踏み込み操作によりエンジンから駆動輪への動力伝達を遮断するクラッチを有する手動変速機を備えた車両の制御方法であって、
車両のコントローラが、エンジン回転数を、シフトレバーの操作による前記手動変速機の変速後の目標ギヤ位置に対応する目標エンジン回転数にフィードバック制御するにあたり、
前記クラッチペダルの踏み込み操作が検出された場合には、車速およびエンジン回転数から推定した現在のギヤ位置よりも1段高速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定し、前記シフトレバーの中立位置が検出されている状態で前記クラッチペダルの踏み戻し操作が検出されたときには、前記現在のギヤ位置よりも1段低速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定する一方、前記シフトレバーの中立位置が検出されている状態で、前記クラッチペダルの踏み戻し操作が検出された後にアクセルペダルの踏み込み操作が検出されたときには、前記アクセルペダルの踏み込み回数分の段数だけ低速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定する、
車両の制御方法。 - クラッチペダルの踏み込み操作によりエンジンから駆動輪への動力伝達を遮断するクラッチを有する手動変速機と、
前記クラッチペダルの踏み込みおよび踏み戻し操作を検出するクラッチペダル操作検出センサと、
シフトレバーの中立位置を検出する中立位置検出センサと、
エンジン回転数を、前記シフトレバーの操作による前記手動変速機の変速後の目標ギヤ位置に対応する目標エンジン回転数にフィードバック制御するコントローラと、
を備えた車両の制御装置であって、
前記コントローラは、前記クラッチペダルの踏み込み操作が検出された場合には、車速およびエンジン回転数から推定した現在のギヤ位置よりも1段高速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定し、前記シフトレバーの中立位置が検出されている状態で前記クラッチペダルの踏み戻し操作が検出されたときには、前記現在のギヤ位置よりも1段低速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定する一方、前記シフトレバーの中立位置が検出されている状態で前記クラッチペダルの踏み戻し操作が複数回検出されたときには、当該回数分の段数だけ低速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定する、
車両の制御装置。 - クラッチペダルの踏み込み操作によりエンジンから駆動輪への動力伝達を遮断するクラッチを有する手動変速機と、
前記クラッチペダルの踏み込みおよび踏み戻し操作を検出するクラッチペダル操作検出センサと、
シフトレバーの中立位置を検出する中立位置検出センサと、
エンジン回転数を、前記シフトレバーの操作による前記手動変速機の変速後の目標ギヤ位置に対応する目標エンジン回転数にフィードバック制御するコントローラと、
を備えた車両の制御装置であって、
前記コントローラは、前記クラッチペダルの踏み込み操作が検出された場合には、車速およびエンジン回転数から推定した現在のギヤ位置よりも1段高速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定し、前記シフトレバーの中立位置が検出されている状態で前記クラッチペダルの踏み戻し操作が検出されたときには、前記現在のギヤ位置よりも1段低速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定する一方、前記シフトレバーの中立位置が検出されている状態で、前記クラッチペダルの踏み戻し操作が検出された後にアクセルペダルの踏み込み操作が検出されたときには、前記アクセルペダルの踏み込み回数分の段数だけ低速側のギヤ位置を前記目標ギヤ位置に設定する、
車両の制御装置。
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