JP2018017321A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Tomohiro Chinbe
友宏 珍部
典弘 塚本
Norihiro Tsukamoto
典弘 塚本
圭祐 太田
Keisuke Ota
圭祐 太田
友弘 浅見
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友弘 浅見
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Yuji Iyama
勇次 楫山
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一貴 今西
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Abstract

【課題】自動変速機の多重ダウンシフト変速の場合に、摩擦係合要素の油圧制御のための学習補正に誤りが生じないようにする。【解決手段】ダウンシフト変速の開始からイナーシャ相の開始までの時間の目標値および実際値の偏差ΔTを学習し、これに基づいて解放側の摩擦係合要素(例えばクラッチC3)の油圧制御を補正する(学習補正手段)。変速開始後に目標ギヤ段が変更され、変更前の目標ギヤ段を経由して変更後の目標ギヤ段へ変速する多重ダウンシフト変速の場合は、目標のイナーシャ相開始から実際のイナーシャ相開始の判断までの間に、目標ギヤ段が変更されれば(ステップST4でNO)、学習を行わない(ステップST6)。【選択図】図8

Description

本発明は、エンジンおよび有段式の自動変速機が搭載された車両の制御装置に関連し、特に、自動変速機のダウンシフト変速時に解放側の摩擦係合要素が滑り出すまでの時間を学習して、その摩擦係合要素の油圧を補正する学習補正の技術に関する。
従来より、自動車などの車両に搭載される自動変速機としては、トルクコンバータを介してエンジンの駆動力が伝達される有段式の歯車変速機構が用いられており、この歯車変速機構においてはクラッチやブレーキなど複数の摩擦係合要素を選択的に係合または解放することによって、複数の変速段が成立するようになっている。そして、いずれかの変速段を成立させる摩擦係合要素が解放され、次の変速段を成立させる摩擦係合要素が係合されることで、変速段の切り替えが行われる。
このような自動変速機において、例えば運転者がアクセルペダルを踏み込んでいるパワーオン状態でダウンシフト変速を行う場合には、解放側の摩擦係合要素の油圧を徐々に低下させる(スイープ)とともに、この摩擦係合要素が滑り出して、イナーシャ相が始まるまでの時間(以下、滑り出し時間ともいう)を学習する。そして、この滑り出し時間の目標時間からの偏差に基づいて油圧を補正すること(学習補正)が行われる(例えば特許文献1を参照)。
ここで、前記の滑り出し時間は、回転数センサによって検出される自動変速機の入力軸回転数が、変速前の同期回転数から所定の閾値以上、高くなるまでの時間として算出される。一方、その目標時間は、変速開始からイナーシャ相の開始までの制御上の目標時間と、その後、入力軸回転数が前記の閾値に上昇するのに要する時間(以下、閾値相当時間ともいう)との和として算出される。なお、閾値相当時間は、例えば目標変速段毎にイナーシャ相における入力軸回転数の変化率に基づいて算出することができる。
特開2006−316847号公報
ところで、前記のようなパワーオンダウンシフトにおいて、アクセルペダルの踏み込みが継続するときには、短時間でダウン変速指令が連続して出力され、変速の開始後に目標変速段が変更されることがある。このときには、変更前の目標変速段への変速(第1変速)の途中で、変更後の目標変速段への変速(第2変速)が開始され、変更前の目標変速段を経由する一連の動作で、変更後の目標変速段へ切り替わることがある(以下、多重ダウンシフト変速ともいう)。
そして、前記第1変速の際に、前記した学習補正のための演算(例えば閾値相当時間の算出)をしている途中で目標変速段が変更されると、この変更後の目標変速段に基づいて閾値相当時間を算出し直すことになる結果として、滑り出し時間の目標時間の算出が不正確なものになってしまい、これに対する実際の滑り出し時間の偏差の学習に誤りを生じるおそれがあった。
このような実状に鑑みて本発明の目的は、自動変速機のダウンシフト変速の開始後に、目標変速段が変更される多重ダウンシフト変速の場合に、摩擦係合要素の油圧制御のための学習補正に誤りが生じないようにすることにある。
前記の目的を達成するために本発明は、エンジンおよび有段式の自動変速機が搭載された車両の制御装置を対象として、その自動変速機のダウンシフト変速時に、変速開始からイナーシャ相の開始までの時間の目標値および実際値の偏差を学習し、これに基づいて解放側の摩擦係合要素の油圧を補正する学習補正手段を備えるものとする。
そして、前記ダウンシフト変速の開始後に目標変速段が変更され、変更前の目標変速段を経由して変更後の目標変速段へ変速する多重ダウンシフト変速の場合に、前記学習補正手段を、目標のイナーシャ相開始から実際のイナーシャ相開始の判断までの間に、前記目標変速段の変更が行われたときには、前記学習を行わないように構成した。
前記の構成により、車両の走行中に自動変速機のダウンシフト変速が行われるときには、変速開始からイナーシャ相の開始まで、すなわち解放側の摩擦係合要素が滑り出すまでの時間の目標値および実際値の偏差が学習され、これに基づいて解放側の摩擦係合要素の油圧が補正される。これにより、摩擦係合要素などの個体ばらつきや経時変化によらず、安定した変速制御が行われるようになる。
但し、ダウンシフト変速の開始後に目標変速段が変更される多重ダウンシフト変速の場合は、上述したように滑り出し時間の目標値(目標時間)を算出している途中で目標変速段が変更されることで、演算が不正確なものになってしまい、誤学習を引き起こすおそれがある。そこで、前記の構成では、多重ダウンシフト変速の場合には、前記目標変速段の変更が、目標のイナーシャ相開始から実際のイナーシャ相開始の判断までの間であれば、学習を行わないようにしている。
すなわち、前記の滑り出し時間の目標値の算出(例えばそのための閾値相当時間の算出)の途中で目標変速段が変更されたときには、その目標値に対する実際の滑り出し時間の偏差を学習することはないので、算出される滑り出し時間の目標値が不正確なものになったとしても、誤った学習が行われる心配はない。
本発明に係る車両の制御装置によると、ダウンシフト変速の際に摩擦係合要素の滑り出し時間を学習するものにおいても、多重ダウンシフト変速の場合に目標のイナーシャ相開始から実際のイナーシャ相開始の判断までの間に目標変速段が変更されたときには、学習を行わないようにしたので、滑り出し時間の目標値の算出が不正確なものになっても、摩擦係合要素の油圧制御のための学習補正に誤りは生じない。
実施の形態に係る車両のパワートレーンの概略構成図である。 自動変速機の構成を示すスケルトン図である。 自動変速機における各ギヤ段毎のクラッチおよびブレーキの係合状態を示す図表である。 油圧制御回路において摩擦係合要素を制御する部分の概略構成図である。 7→6ダウンシフトの際の摩擦係合要素の滑り出し時間、入力軸回転数、油圧指令値などの変化を互いに対応付けて示すタイミングチャート図である。 一例として7→6→5多重ダウンシフトの際に学習が許容される場合の図5相当図である。 学習が禁止される場合についての図6相当図である。 ダウンシフト変速の際に学習補正を行うか否か判定する手順を示すフローチャート図である。
以下、本発明の制御装置をFF(フロントエンジン・フロントドライブ)の車両に適用した実施の形態について説明する。まず、図1には車両に搭載されたパワートレーンの全体的な構成を概略的に示している。このパワートレーンは、エンジン1、トルクコンバータ(TC)2、自動変速機(AT)3などを備えており、この自動変速機3からの出力がデファレンシャル装置5などを介して、例えば車両の前輪である駆動輪6に伝達されるようになっている。
一例としてエンジン1は多気筒ガソリンエンジンであって、その出力軸であるクランクシャフト1aがトルクコンバータ2に連結されている。周知の如くエンジン1には、燃料噴射量を調整可能なインジェクタ11、点火プラグの点火時期を調整可能なイグナイタ12、吸気量を調整可能な電動のスロットルバルブ13などが装備されている。また、クランクシャフト1aの回転数(エンジン回転数)を検出するためのクランク角センサ101(図2を参照)が設けられている。
トルクコンバータ2は、図2に示すように、入力側のポンプインペラ21と、出力側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23とを備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う公知のものである。このトルクコンバータ2には、出力側のタービンランナ22を入力側と連結するロックアップクラッチ24が設けられ、また、出力軸であるタービンシャフト2aの回転数(タービン回転数)を検出するタービン回転数センサ102も設けられている。
−自動変速機−
自動変速機3は、公知の有段式の歯車変速機構からなり、その入力軸3aがタービンシャフト2aに連結されて、トルクコンバータ2からの回転が入力されるようになっている。こうして入力される回転は以下、説明するように変速され、出力軸3bから出力ギヤ3cを介してデファレンシャル装置5に伝達される。この出力軸3bの回転数(出力軸回転数No)は出力軸回転数センサ103によって検出される。
図2には一例を示すように自動変速機3は、第1遊星歯車装置31aを主体として構成される第1変速部(フロントプラネタリ)31、第2遊星歯車装置32aと第3遊星歯車装置32bとを主体として構成される第2変速部(リアプラネタリ)32、第1から第4の4つのクラッチC1〜C4、並びに第1および第2の2つのブレーキB1,B2などによって構成されている。
第1変速部31を構成する第1遊星歯車装置31aは、ダブルピニオン型の遊星歯車機構であって、サンギヤS1と、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP1と、これらピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持するプラネタリキャリアCA1と、ピニオンギヤP1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1とを備えている。
プラネタリキャリアCA1は、入力軸3aに連結され、その入力軸3aと一体的に回転するようになっている。サンギヤS1は、トランスミッションケース30に固定され、回転不能である。リングギヤR1は、中間出力部材として機能し、入力軸3aに対して減速されてその減速回転を第2変速部32に伝達する。
第2変速部32を構成する第2遊星歯車装置32aは、シングルピニオン型の遊星歯車機構であって、サンギヤS2と、ピニオンギヤP2と、そのピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持するプラネタリキャリアRCAと、ピニオンギヤP2を介してサンギヤS2と噛み合うリングギヤRRとを備えている。
また、第2変速部32を構成する第3遊星歯車装置32bは、ダブルピニオン型の遊星歯車機構であって、サンギヤS3と、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP2およびP3と、それらピニオンギヤP2およびP3を自転および公転可能に支持するプラネタリキャリアRCAと、ピニオンギヤP2およびP3を介してサンギヤS3と噛み合うリングギヤRRとを備えている。なお、プラネタリキャリアRCAおよびリングギヤRRは、第2遊星歯車装置32aおよび第3遊星歯車装置32bで共用されている。
サンギヤS2は、第1ブレーキB1によりトランスミッションケース30に選択的に連結されるとともに、第3クラッチC3を介してリングギヤR1に選択的に連結され、また、第4クラッチC4を介してプラネタリキャリアCA1に選択的に連結される。サンギヤS3は、第1クラッチC1を介してリングギヤR1に選択的に連結される。プラネタリキャリアRCAは、第2ブレーキB2によりトランスミッションケース30に選択的に連結される。プラネタリキャリアRCAは、第2クラッチC2を介して入力軸3aに選択的に連結される。リングギヤRRは、出力軸3bに連結されて一体的に回転する。
前記4つのクラッチC1〜C4および2つのブレーキB1,B2は、いずれも油圧アクチュエータAc1〜Ac6(図4を参照)によって摩擦係合させられる摩擦係合要素である。そして、これらの摩擦係合要素が選択的に係合されることによって、前進8速のギヤ段(変速段である1速ギヤ段〜8速ギヤ段)および後進のギヤ段(変速段である後進ギヤ段)が成立する。
図3は、ギヤ段毎の第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1および第2ブレーキB2の係合状態または解放状態を示した係合表であり、○印は「係合状態」を示し、空白は「解放状態」を示している。この図3に示すように、自動変速機3では、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合されることにより、変速比(入力軸3aの回転数/出力軸3bの回転数)が最も大きい1速ギヤ段(1st)が成立する。
また、自動変速機3では、第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合されることにより2速ギヤ段(2nd)が成立し、第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合されることにより3速ギヤ段(3rd)が成立する。第1クラッチC1および第4クラッチC4が係合されることにより4速ギヤ段(4th)が成立し、第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合されることにより5速ギヤ段(5th)が成立する。
さらに、自動変速機3では、第2クラッチC2および第4クラッチC4が係合されることにより6速ギヤ段(6th)が成立し、第2クラッチC2および第3クラッチC3が係合されることにより7速ギヤ段(7th)が成立し、第2クラッチC2および第1ブレーキB1が係合されることにより8速ギヤ段(8th)が成立する。なお、後進段(Rev)は、第3クラッチC3および第2ブレーキB2が係合されることによって成立する。
−油圧制御回路−
前記のような複数の摩擦係合要素(クラッチC1〜C4、ブレーキB1,B2)の係合および開放は、油圧制御回路4によって制御される。図4には、油圧制御回路4のうち各摩擦係合要素の油圧アクチュエータAc1〜Ac6に、それぞれ制御油圧を供給するリニアソレノイドバルブSL1〜SL6についての回路図の一例を示す。なお、トルクコンバータ2などを制御する回路については図示を省略している。
リニアソレノイドバルブSL1〜SL6は、基本的に同じ構成であり、ECU100により個別に励磁、非励磁されて、ライン油圧PLを調圧し各油圧アクチュエータAc1〜Ac6に直接的に供給する。これにより、各摩擦係合要素の係合油圧が個別に調圧され、前記図3の係合表に示すようにギヤ段が成立する。また、ギヤ段を切り替えるときには、解放側の摩擦係合要素と係合側の摩擦係合要素との掴み替えによるクラッチトゥクラッチ変速が行われる(後述する)。
なお、解放側の摩擦係合要素とは、ギヤ段の切り替えに際して解放される側の摩擦係合要素であり、例えば図3の係合表において3速→4速アップシフトではクラッチC3が、また、5速→6速アップシフトではクラッチC1が、それぞれ相当する。同様に係合側の摩擦係合要素とは、係合される側の油圧式摩擦係合要素であり、前記3速→4速アップシフトおよび5速→6速アップシフトでは、いずれもクラッチC4が相当する。
−ECU−
ECU100は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、およびタイマ等を備えた公知のコンピュータ装置である。ROMには、各種制御プログラムやそれらを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された制御プログラムなどによって演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン1の停止時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
図1に示すようにECU100には、前記したクランク角センサ101、タービン回転数センサ102、出力軸回転数センサ103の他に、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ104、などが接続されている。また、エンジン1の状態を調整するためのインジェクタ11、イグナイタ12、電動のスロットルバルブ13などもECU100に接続されている。
そして、ECU100は、前記の各種センサなど(スイッチ類も含む)から入力される信号に基づいて各種制御演算を行い、インジェクタ11による燃料噴射量、イグナイタ12による点火プラグの点火時期、およびスロットルバルブ13の開度(即ち吸気量)などを制御することにより、エンジン1の運転状態、例えばエンジントルクなどを制御するようになっている。
また、ECU100は、車両の運転状態に応じて油圧制御回路4の油圧アクチュエータAc1〜Ac6を制御し、前記のように自動変速機3の複数の摩擦係合要素を係合、解放させて、適宜のギヤ段(1速ギヤ段〜8速ギヤ段、後進ギヤ段)を成立させる。なお、図1には1つのECU100を表しているが、これは、エンジン制御用や変速機制御用など複数のECUに分けて構成してもよい。
−自動変速機の変速制御−
本実施の形態では、例えばシフトレバーがドライブレンジに操作されて、自動変速機3が自動変速モード(オートマチックモード)になっていると、車両の運転状態などに基づき、例えば図示しない変速マップを参照して好適なギヤ段が選択される。なお、変速マップは、車速およびアクセル開度(スロットル開度でもよい)をパラメータとする変速線図の態様とされて、ECU100のROMに記憶されている。
具体的にはECU100は、出力軸回転数センサ103からの信号(出力軸回転数No)によって車速を算出し、この車速とアクセル開度センサ104からの信号(アクセル開度)とに基づき、変速マップを参照して目標ギヤ段を決定する。また、タービン回転数センサ102からの信号(タービン回転数は入力軸3aの回転数と一致するので、以下では入力軸回転数Ninという)と、出力軸回転数Noとに基づいて、現在のギヤ段を判定する。
そして、この現在のギヤ段と目標ギヤ段とが異なっていれば、以下に説明するような変速制御を行って、ギヤ段を切り替える。例えば現在のギヤ段が3速ギヤ段であるときに、車速が上昇して変速線図における3→4アップシフト線を跨ぎ越すと、変速マップから算出される目標ギヤ段は4速になるので、4速ギヤ段に切り替えるための制御信号(リニアソレノイドバルブSL1〜SL6への油圧指令値)を自動変速機3の油圧制御回路4に出力して、3速から4速へのアップシフトを行う。
また、現在のギヤ段が7速ギヤ段であるときにアクセルペダルが踏み込まれて、変速線図における7→6ダウンシフト線を跨ぎ越すと、変速マップから算出される目標ギヤ段は6速になるので、6速ギヤ段に切り替えるための制御信号を自動変速機3の油圧制御回路4に出力して、7速から6速へのダウンシフトを行う。さらに、アクセルペダルの踏み込みが継続するときには、7速ギヤ段から6速ギヤ段を経由する一連の動作で5速ギヤ段への変速を行うこともある(後述する多重ダウンシフト変速)。
本実施の形態では、変速モデルを用いた変速制御が行われる。詳しい説明は省略するが変速モデルは、自動変速機3のギヤトレーン運動方程式によって、変速制御の変速目標値とこれを実現する制御操作量との対応関係を表したものである。なお、変速目標値とは、変速に際して実現したい自動変速機3の状態パラメータの目標値であり、本実施の形態では、入力軸3aの目標角加速度と、出力軸3bの目標出力トルクの2つである。
また、制御操作量とは、変速目標値の実現のために操作する制御対象に対しての制御要求値のことであり、本実施の形態では、入力軸3aへの要求入力トルク、係合側の摩擦係合要素の要求トルク容量、および解放側の摩擦係合要素の要求トルク容量の3つである。こうして2つの変速目標値を実現させるための制御操作量を3つ求めるために、本実施の形態では変速モデルの拘束条件として、変速制御における係合側および解放側の摩擦係合要素のトルク分担率を設定している。
すなわち、一般的にクラッチトゥクラッチの変速制御においては、入力軸3aの要求入力トルクを係合側および解放側の摩擦係合要素で受け持ちつつ、変速の進行度合いに応じて、係合側および解放側の摩擦係合要素の要求入力トルクの分担を変えていく。そこで、本実施の形態では変速モデルの拘束条件として、変速制御における変速パターン毎の変速の進行度合い(例えば変速制御の開始からの経過時間)に応じたトルク分担率を設定している。
そして、ECU100は、変速パターン毎に変速の進行度合いに応じて変速目標値および制御操作量を算出する。なお、変速パターンというのは例えば、パワーオンアップシフト(車両の運転者がアクセルペダルを踏んでいる状態で行われるアップシフト)、パワーオフアップシフト(車両の運転者がアクセルペダルを離している状態で行われるアップシフト)、パワーオンダウンシフト(車両の運転者がアクセルペダルを踏んでいる状態で行われるダウンシフト)、およびパワーオフダウンシフトである。
例えばパワーオンダウンシフトおよびパワーオフアップシフトの場合、目標ギヤ段に応じた摩擦係合要素に対する油圧制御を開始すると、まず、変速比が変化するイナーシャ相の段階となり、その後、その各摩擦係合要素におけるそれぞれの要求トルク容量の分担が変化するトルク相の段階を経て、変速終了となる。つまり、これらの変速制御における変速進行度は、イナーシャ相前の段階、イナーシャ相の段階、トルク相の段階、変速終了時の段階へと進行する。
このような変速の進行に対応して変化する好適なトルク分担率が、変速パターン毎の変速の進行度合いに応じたものとして、例えば実験、シミュレーションによって予め設定されて、ECU100のROMに記憶されている。ECU100は、変速制御の際にその進行度合いに応じたトルク分担率を読み出して、前記の変速目標値と共に変速モデルに適用し、前記3つの制御操作量(入力軸3aの要求入力トルク、係合側および解放側の摩擦係合要素の要求トルク容量)を算出する。
そして、以下に説明するようにECU100は、算出した要求トルク容量になるよう、変速の進行度合いに応じて係合側および解放側の摩擦係合要素の制御(油圧の制御)を行う。また、ECU100は、変速の進行度合いに応じて入力軸回転数Ninが好適な態様で変化するように、変速の進行度合いに応じた入力軸回転数の目標変化率に基づいて、エンジントルクを制御するようになっている。
−7→6ダウンシフト−
より具体的に、一例として7速から6速へのパワーオンダウンシフト(7→6ダウンシフト)について、図5のタイミングチャートを参照して説明する。まず、アクセルペダルが踏み込まれて7→6ダウンシフト線を跨ぎ越すような場合、同図の最上段に示すように目標ギヤ段が6速ギヤ段に切り替わって、前記した変速モデルに基づく制御信号、即ち7→6ダウン変速指令がECU100から油圧制御回路4に出力される(時刻t1)。
これを受けて油圧制御回路4が動作し、同図の最下段に実線のグラフで示すように、まず、解放側のクラッチC3の油圧アクチュエータAc3内の作動油をクイックドレーンするために、その油圧指令値が零(0)にされる。その後、所定時間が経過すると(時刻t2)、クラッチC3の油圧は一旦、待機圧に戻されてから一定の変化率αで徐々に低下するようになる(スイープ)。一方、係合側のクラッチC4の油圧は破線のグラフで示すように、パック詰めのために一旦、上昇され、その後の時刻t3からは比較的低圧に維持される。
そして、前記のように解放側のクラッチC3の油圧が徐々に低下してゆくと、このクラッチC3が滑り出してイナーシャ相が始まることになる。このタイミングは制御上は、上述した変速モデルを用いて変速開始からの目標滑り出し時間Ttとして予め決められており、図5の例では時刻t4においてクラッチC3が滑り出し、入力軸回転数の目標値Nintが上昇を始めることになっている。但し、実際には前記のようにクラッチC3が滑り出すタイミングには、その個体ばらつきや経時変化等によってズレ(偏差)が生じる。
すなわち、図5の例では実際には時刻t6においてクラッチC3が滑り出し、入力軸回転数Nin(タービン回転数センサ102からの信号によって算出される)が上昇を始めている。そして、時刻t7において入力軸回転数Ninの上昇量(第7速ギヤ段の同期回転数からの上昇量)が予め設定した閾値βを超えると、イナーシャ相の開始が判断される(実イナーシャ判断)。なお、時刻t5については後述する。
そうして始まったイナーシャ相において解放側のクラッチC3の油圧は、入力軸回転数Ninが予め定められた割合(入力軸回転変化率)で変化するように、フィードバック制御される。そして、入力軸回転数Ninが徐々に上昇し、6速ギヤ段の同期回転数に近い所定回転数に達すると、クラッチC3の油圧は一旦、増大され(時刻t8)、その後の時刻t9からは低下する。なお、係合側のクラッチC4の油圧は、前記の時刻t9から上昇し、その後の時刻t10から急上昇する。
−摩擦係合要素の油圧の学習補正−
本実施の形態では、前記のような摩擦係合要素(図5の例ではクラッチC3,C4)の油圧制御のパターン、例えばクイックドレーンの時間やスイープの変化率α、或いは目標滑り出し時間Ttなどを変速パターン毎に予め設定している。また、そうして設定した値に学習補正値を加算して逐次、更新するようになっており、これにより、摩擦係合要素の個体ばらつきや経時変化によらず、安定した変速制御が行われるようになる。
具体的には、例えば前記図5において実際に解放側のクラッチC3が滑り出し、入力軸回転数Ninが上昇を始めるタイミング(時刻t6)は、その目標値Nintが上昇を始めるタイミング(時刻t4)よりも遅くなっている。言い換えると、変速開始からイナーシャ相が開始するまでの時間の実際値(実際の滑り出し時間Ta)は、制御上の目標値である目標滑り出し時間Ttよりも長くなっている。
そこで、本実施の形態では、前記滑り出し時間の実際値(実際の滑り出し時間Ta)の目標値(目標滑り出し時間Tt)からの偏差ΔTを学習し、これに基づいて目標滑り出し時間Ttの学習補正値を増減させることにより、解放側の摩擦係合要素(図5の例ではクラッチC3)の油圧制御を補正(たとえばスイープの変化率αを補正)して、実際の滑り出し時間Taが目標滑り出し時間Ttに近づくようにしている。
詳しくは、まず、前記実際の滑り出し時間Taは、例えば図5においては上述したように、変速の開始から入力軸回転数Ninが上昇を始める時刻t6までであるが、その判断は時刻t7において入力軸回転数Ninの上昇量が閾値βを超えたときになる。そこで、制御上の目標通りに時刻t4でクラッチC3が滑り出したと仮定して、入力軸回転数Ninの上昇量が閾値βを超える時刻(図5の例では時刻t5)を、目標イナーシャ相判断とし、これと前記実際の滑り出しの判断(時刻t7:実イナーシャ判断)との偏差を求める。
この偏差(t7−t5)は、実際の滑り出し時間Taの目標滑り出し時間Ttからの偏差ΔTと同じなので、これを学習するのである。なお、変速開始から前記目標イナーシャ相判断までの時間は、制御上の目標滑り出し時間Ttと、その後、入力軸回転数Ninが閾値βまで上昇するのに要する時間(以下、閾値相当時間という)との和になり、この閾値相当時間は、変速後の目標ギヤ段毎に設定されている目標入力軸回転変化率に基づいて算出される。
このように、変速開始からクラッチC3が滑り出すまでの時間の偏差ΔTを学習して、目標滑り出し時間Ttの学習補正値を逐次、更新することにより、ECU100は、ダウンシフト変速の開始からイナーシャ相の開始までの時間の目標値(目標滑り出し時間Tt)および実際値(実際の滑り出し時間Ta)の偏差ΔTを学習し、これに基づいて解放側の摩擦係合要素の油圧を補正する学習補正手段を構成している。
−多重ダウンシフト変速−
ところで、本実施の形態では、前記のようなパワーオンダウンシフトにおいてアクセルペダルの踏み込みが継続したときなどに、短時間でダウン変速指令が連続して出力され、ダウンシフト変速の開始後に目標ギヤ段が変更されることがある。この場合は、変更前の目標ギヤ段への変速(以下、第1変速という)の途中で、変更後の目標ギヤ段への変速(以下、第2変速という)が開始され、変更前の目標ギヤ段を経由する一連の動作で変更後の目標ギヤ段へ切り替わることになる(以下、多重ダウンシフト変速という)。
図6には、このような多重ダウン変速の一例を示しており、第1変速として7→6ダウン変速指令が出力された後に、さらにアクセルペダルが踏み増しされるなどして、第1変速の途中で第2変速である6→5ダウン変速が開始されている。この場合、図3の作動表から明らかなように、7→6ダウン変速ではクラッチC3が解放されるとともに、クラッチC4が係合され、このクラッチC4が6→5ダウン変速では解放される一方、クラッチC1が係合される。なお、クラッチC2は係合状態に維持される。
詳しくは、図6の時刻t1で7→6ダウン変速指令が出力されると、まず、実線のグラフで示す解放側クラッチC3の油圧指令値が、クイックドレーンのために零にされた後に、時刻t2で一旦、待機圧に戻されてから徐々に低下するようになる。また、係合側のクラッチC4の油圧は、破線のグラフで示すように一旦、上昇した後に、時刻t3からは比較的低圧に維持される。つまり、第1変速は、図5を参照して上述した単一の7→6ダウンシフト変速と同様に行われる。
そして、目標イナーシャ相開始の前の時刻t4において目標ギヤ段が5速ギヤ段に変更されると、この5速ギヤ段への第2変速における係合側のクラッチC1の油圧が、時刻t5においてパック詰めのために一旦、上昇し、その後は比較的低圧に維持されるようになる(一点鎖線のグラフで示す)。また、その時刻t5は、ちょうど第1変速における解放側のクラッチC3の目標のイナーシャ相開始でもある。
図6の例では、時刻t7において実際にクラッチC3が滑り出し、イナーシャ相が始まって、入力軸回転数Ninが上昇を始める。そして、時刻t8において入力軸回転数Ninの上昇量が閾値βを超えると、実際にイナーシャ相が開始したと判断され(実イナーシャ判断)て、その後、クラッチC3の油圧がフィードバック制御されるようになる。そして、入力軸回転数Ninが所定回転数に達すれば(時刻t9)、クラッチC3の油圧は一旦、増大された後に時刻t10から低下される。
このとき、係合側のクラッチC4は、その油圧が前記の時刻t10から上昇することによって係合され、これにより6速ギヤ段への第1変速が終了するものの、このクラッチC4の油圧は最大値には至らず、時刻t11からは、入力軸回転数Ninが予め定められた態様で変化するようにフィードバック制御される。すなわち、7速ギヤ段から6速ギヤ段への第1変速が終了するのに引き続いて、一連の動作で6速ギヤ段から5速ギヤ段への第2変速が行われる。
そうして入力軸回転数Ninがさらに上昇し、5速ギヤ段の同期回転数に近い所定回転数に達すれば(時刻t12)、第2変速における解放側のクラッチC4の油圧は一旦、増大された後に時刻t13から低下され、これにより時刻t14でクラッチC4が解放される。一方、第2変速における係合側のクラッチC1の油圧は、前記の時刻t5〜t8で一旦、上昇した後に暫くの間、比較的低圧に維持され、前記の時刻t13からは上昇されて最大値に至る。これにより変更後の目標ギヤ段(5速ギヤ段)への切り替えが終了する。
−多重ダウンシフト変速の際の学習の禁止−
前記した多重ダウンシフト変速の際にも、摩擦係合要素(図6の例ではクラッチC3)の制御油圧の学習補正が行われる。すなわち、図6の例では第1変速における解放側のクラッチC3の実際の滑り出し時間Ta(入力軸回転数Ninが上昇を始める時刻t7に相当)が、目標滑り出し時間Tt(目標値Nintが上昇を始める時刻t5に相当)よりも長くなっているので、図5を参照して上述したように両者の偏差ΔTを学習し、これに基づいて目標滑り出し時間Ttを補正することができる。
しかしながら、多重ダウンシフト変速において目標ギヤ段が変更されるタイミングによっては、前記の滑り出し時間の偏差ΔTを正確に算出できなくなり、学習に誤りを生じるおそれがある。具体的には図7に一例を示すように、時刻t1で変速が開始した後に、第1変速の目標のイナーシャ相開始(時刻t2)から閾値相当時間を算出している途中で、目標ギヤ段が変更されると(時刻t3)、この変更後の目標ギヤ段に基づいて閾値相当時間を算出し直すことになる。
こうなると、図7には模式的に符号Aとして示すように、閾値相当時間の算出を途中で中断してやり直す結果として、目標イナーシャ相判断(時刻t4)が遅れてしまい、これに対する実際のイナーシャ相開始の判断(時刻t5)の偏差ΔT、言い換えると目標滑り出し時間Ttに対する実際の滑り出し時間Taの偏差ΔTが計算上、短くなってしまう。つまり、滑り出し時間の偏差ΔTを正確に学習できなくなるのである。
このような新規な知見に基づいて本実施の形態では、図6、7の上段に表れているように学習許可期間を設定し、多重ダウンシフト変速の際に前記のように閾値相当時間を算出する期間、具体的には目標イナーシャ相開始(図7では時刻t2)から実際のイナーシャ相開始の判断(図7では時刻t5)までの間に目標ギヤ段が変更された場合は、滑り出し時間の偏差ΔTの学習(これに基づく目標滑り出し時間Ttの学習補正値の更新)を禁止するようにしたものである。
以下、図8を参照して、ダウンシフト変速の際に学習を行うか否か判定する手順について具体的に説明する。この図8のフローチャートに記載のルーチンは、車両の走行中に所定のタイミング(例えば所定時間間隔)で繰り返し実行されるものであり、まず、スタート後のステップST1では、車速およびアクセル開度に基づいて、パワーオンダウンシフト変速が行われるか否か判定する。
すなわち、上述したようにアクセルペダルの踏み込みに応じて、変速線図におけるダウンシフト線(例えば前記図6、7の場合、7速→6速ダウンシフト線)を跨ぎ越したか否か判定して、否定判定すれば(NO)後述のステップST6に進む。一方、肯定判定すれば(YES)ステップST2において目標ギヤ段が変化し、図6、7の時刻t1に表れているようにダウンシフト変速が開始される。
続いてステップST3では多重ダウンシフト変速か否か判定する。すなわち、図6の時刻t4や図7の時刻t3に表れているように、第1変速の途中で第2変速のためのダウン変速指令(図6、7では6→5ダウンシフト)が入力し、目標ギヤ段が変更されたか否か判定する。そして、否定判定であれば(NO)後述のステップST6に進む一方、肯定判定であれば(YES)ステップST4に進む。
このステップST4では、第2変速のためのダウン変速指令、即ち目標ギヤ段の変更が、第1変速における学習許可期間で行われたか否か判定する。図5〜7を参照して上述したように、本実施の形態では、目標のイナーシャ相開始から実際のイナーシャ相の開始判断までの間が学習禁止期間とされており、それ以外は学習許可期間である。よって、例えば図6のように6→5ダウンシフトの変速指令、即ち5速ギヤ段への変更が学習許可期間で行われた場合、ステップST4で肯定判定して(YES)、ステップST5に進む。
そして、ステップST5では、上述したように実際の滑り出し時間Taの目標滑り出し時間Ttからの偏差ΔTを学習して、これにより目標滑り出し時間Ttの学習補正値を更新する(学習補正を行う)。一方、図7のように5速ギヤ段への変更が学習禁止期間で行われた場合は、前記ステップST4で否定判定して(NO)ステップST6に進み、学習補正は行わずにルーチンを終了する(エンド)。
前記図8に示すルーチンは、ECU100(学習補正手段)によって実行される。そして、ステップST4→ST6に表れているようにECU100は、多重ダウンシフト変速の際に第1変速における目標のイナーシャ相開始から実際のイナーシャ相開始の判断までの間に、目標ギヤ段の変更が行われた場合は、滑り出し時間の偏差ΔTを学習しないように構成されている。
したがって、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、車両の走行中に自動変速機3のダウンシフト変速が行われるときに、変速開始から解放側の摩擦係合要素が滑り出して、イナーシャ相が始まるまでの時間(滑り出し時間)のばらつき(実際の滑り出し時間Taの目標滑り出し時間Ttからの偏差ΔT)を学習し、これに基づいて摩擦係合要素の油圧制御を補正することで、その個体ばらつきや経時変化によらず、安定した変速制御が行われるようになる。
しかも、変速開始後に目標ギヤ段が変更される多重ダウンシフト変速の場合は、目標のイナーシャ相開始から実際のイナーシャ相開始の判断までの間に目標ギヤ段が変更されたときには、前記の学習を行わないようにしており、このことで、前記滑り出し時間の偏差ΔTを正確に算出できなくなり、学習に誤りを生じることを阻止できる。
−他の実施形態−
以上、説明した実施の形態の記載は例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することを意図しない。例えば前記実施の形態では一例として前進8速の自動変速機3を搭載したFF車両に対して本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば前進7速以下や前進9速以上の自動変速機を搭載した車両や、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両、或いは四輪駆動車にも適用可能である。
また、前記実施の形態では、一例としてガソリンエンジンを搭載した車両に本発明を適用した場合について説明したが、これにも限定されず本発明は、例えばアルコールエンジンやガスエンジンなど、その他の火花点火式エンジンを搭載した車両にも適用可能である。また、駆動力源としてエンジンのみを搭載した車両にも限定されず、例えばハイブリッド車両(駆動力源としてエンジンおよび電動モータを搭載した車両)にも本発明は適用可能である。
本発明は、車両の自動変速機において学習補正による安定した変速制御を実現しながら、多重ダウンシフト変速の場合の誤学習を防止できるので、乗用車などに適用して特に効果が高い。
1 エンジン
3 有段式の自動変速機
100 ECU(学習補正手段)

Claims (1)

  1. エンジンおよび有段式の自動変速機が搭載された車両の制御装置であって、
    前記自動変速機のダウンシフト変速時に、変速開始からイナーシャ相の開始までの時間の目標値および実際値の偏差を学習し、これに基づいて解放側の摩擦係合要素の油圧を補正する学習補正手段を備えており、
    前記ダウンシフト変速の開始後に目標変速段が変更され、変更前の目標変速段を経由して変更後の目標変速段へ変速する多重ダウンシフト変速の場合に、前記学習補正手段が、目標のイナーシャ相開始から実際のイナーシャ相開始の判断までの間に、前記目標変速段の変更が行われたときには、前記学習を行わないように構成されていることを特徴とする車両の制御装置。
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WO2021182602A1 (ja) * 2020-03-12 2021-09-16 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 車両用駆動装置

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