JP7205456B2 - 車両用制御装置、車両用制御システム、および車両用学習装置 - Google Patents

車両用制御装置、車両用制御システム、および車両用学習装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両用制御装置、車両用制御システム、および車両用学習装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、アクセルペダルの操作量をフィルタ処理した値に基づき、車両に搭載される内燃機関の操作部としてのスロットルバルブを操作する制御装置が記載されている。
特開2016-6327号公報
ところで、上記フィルタは、アクセルペダルの操作量に応じて車両に搭載される内燃機関のスロットルバルブの操作量を適切な操作量に設定するものである必要があることから、その適合には熟練者が多くの工数をかける必要が生じる。このように、従来は、車両の状態に応じた車両内の電子機器の操作量等の適合には、熟練者が多くの工数をかけていた。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.実行装置および記憶装置を備え、前記記憶装置には、車両の状態と前記車両内の電子機器の操作に関する変数である行動変数との関係を規定する関係規定データが記憶されており、前記実行装置は、センサの検出値に基づく前記車両の状態を取得する取得処理と、前記取得処理によって取得された前記車両の状態と前記関係規定データとによって定まる前記行動変数の値に基づき前記電子機器を操作する操作処理と、前記取得処理によって取得された前記車両の状態に基づき、前記車両の特性が基準を満たす場合に満たさない場合よりも大きい報酬を与える報酬算出処理と、前記取得処理によって取得された前記車両の状態、前記電子機器の操作に用いられた前記行動変数の値、および該操作に対応する前記報酬を予め定められた更新写像への入力とし、前記関係規定データを更新する更新処理と、を実行し、前記更新写像は、前記関係規定データに従って前記電子機器が操作される場合の前記報酬についての期待収益を増加させるように更新された前記関係規定データを出力するものであり、前記関係規定データが指定する前記行動変数の値が第1の値であるとして該第1の値に従って前記操作処理により前記電子機器を操作する処理が、第1の状況において実行可能であって且つ第2の状況においては実行不可とされている車両用制御装置である。
上記構成では、電子機器の操作に伴う報酬を算出することによって、当該操作によってどのような報酬が得られるかを把握することができる。そして、報酬に基づき、強化学習に従った更新写像によって関係規定データを更新することにより、車両の状態と行動変数との関係を車両の走行において適切な関係に設定することができる。したがって、車両の状態と行動変数との関係を車両の走行において適切な関係に設定する際、熟練者に要求される工数を削減できる。
ところで、強化学習を行う場合、行動変数の値が車両の制御にとって適切な値から大きくずれることが懸念される。そこで上記構成では、第1の状況において採用可能な行動変数の値である第1の値が、第2の状況においては採用されないように設定するとともに、第2の状況を第1の値を用いるのが不適切な状況とすることにより、不適切な操作がなされることを抑制できる。
2.前記関係規定データは、前記車両の状態が前記第1の状況に対応する第1の状態のときには、前記行動変数の値として前記第1の値が定義されている一方、前記車両の状態が前記第2の状況に対応する第2の状態のときには、前記行動変数の値として前記第1の値が定義されていないデータである上記1記載の車両用制御装置である。
上記構成では、関係規定データ自体を、第2の状況において第1の値を許容しないデータとすることにより、関係規定データが指定する行動変数の値を用いた操作が不適切な操作となることを抑制できる。
3.前記操作処理は、前記関係規定データが指定する前記行動変数の値が第1の値である場合に、前記第1の状況において前記第1の値に従って前記電子機器を操作する処理を許容して且つ、前記第2の状況において前記第1の値に従って前記電子機器を操作する処理を許容しない制限処理を含む上記1記載の車両用制御装置である。
上記構成では、操作処理が制限処理を含むことから、関係規定データが指定する行動変数の値が操作にとって不適切な値であったとしても、その値に応じた操作がなされることを抑制できる。
4.前記第1の状況は、前回の前記行動変数の値と前記第1の値との差の絶対値が所定値以下の状況であり、前記第2の状況は、前回の前記行動変数の値と前記第1の値との差の絶対値が前記所定値を超える状況である上記3記載の車両用制御装置である。
上記構成では、前回の値と第1の値との差の絶対値が所定値を超える場合、第1の値による操作を許容しないことから、行動変数の値が所定値以上変化することを抑制できる。
5.前記制限処理は、前記行動変数の前回の値を記憶する記憶処理と、前記行動変数の今回の値と前記行動変数の前回の値との差の絶対値が所定値以下となるように、前記今回の値を制限する処理と、を含む上記4記載の車両用制御装置である。
上記構成では、記憶された前回の値と今回の値との差の絶対値が所定値以下となるようにすることにより、操作処理によって実際の操作に採用される行動変数の値が急激に変化することを抑制できる。
6.前記関係規定データは、前記車両の状態を入力とし、前記行動変数の値の選択確率を出力とする関数近似器を規定するデータであり、前記更新写像は、前記関数近似器を規定するパラメータの更新量を出力する写像を含み、前記制限処理は、前記関数近似器の出力する選択確率が所定値未満となる前記行動変数の値に従った前記電子機器の操作を禁止する処理を含み、前記第1の状況は、前記第1の値の選択確率が前記所定値以上となる状況であり、前記第2の状況は、前記第1の値の選択確率が前記所定値未満となる状況である上記3記載の車両用制御装置である。
行動変数の値の選択確率を出力する関数近似器の場合、低確率の値については、操作処理に採用されると不適切な値である懸念がある。そこで上記構成では、選択確率が所定値未満となる行動変数の値を許容しないことにより、操作処理によって不適切な操作がなされることを抑制できる。
7.前記制限処理は、前記関係規定データとともに前記行動変数の値を算出するための前記状態を示す変数の値の前回の値を記憶する記憶処理と、前記状態を示す変数の値の前回の値と今回の値との差の絶対値が規定値を超える場合、前記状態を示す変数の値を、前記前回の値との差の絶対値が前記規定値以下となるように補正する補正処理と、を含む上記4記載の車両用制御装置である。
状態を示す変数の値がノイズ等の影響により急激に変化すると、それに応じて関係規定データによって算出される行動変数の値も急激に変化する可能性がある。そこで上記構成では、状態を示す変数の値の前回の値と今回の値との差の絶対値が規定値以下となるように、関係規定データとともに行動変数の値を定める状態を示す変数の値を補正することにより、関係規定データによって算出される行動変数の値が急激に変化することを抑制できる。
8.上記1~7のいずれか1つに記載の前記実行装置および前記記憶装置を備え、前記実行装置は、前記車両に搭載される第1実行装置と、車載装置とは別の第2実行装置と、を含み、前記第2実行装置は、前記更新処理を少なくとも実行し、前記第1実行装置は、前記取得処理および前記操作処理を少なくとも実行する車両用制御システムである。
上記構成では、更新処理を第2実行装置によって実行することにより、更新処理を第1実行装置が実行する場合と比較して、第1実行装置の演算負荷を軽減できる。
なお、第2実行装置が車載装置とは別の装置であることは、第2実行装置が車載装置ではないことを意味する。
9.上記8記載の前記第1実行装置を備える車両用制御装置である。
10.上記8記載の前記第2実行装置を備える車両用学習装置である。
第1の実施形態にかかる制御装置および駆動系の構成を示す図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる関係規定データを例示する図。 同実施形態にかかる学習処理の詳細を示す流れ図。 第2の実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる学習処理の詳細を示す流れ図。 第3の実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる学習処理の詳細を示す流れ図。 第4の実施形態にかかる車両用制御システムの構成を示す図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる制御システムが実行する処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、車両用制御装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかる車両VC1の駆動系および制御装置の構成を示す。
図1に示すように、内燃機関10の吸気通路12には、上流側から順にスロットルバルブ14および燃料噴射弁16が設けられており、吸気通路12に吸入された空気や燃料噴射弁16から噴射された燃料は、吸気バルブ18の開弁に伴って、シリンダ20およびピストン22によって区画される燃焼室24に流入する。燃焼室24内において、燃料と空気との混合気は、点火装置26の火花放電に伴って燃焼に供され、燃焼によって生じたエネルギは、ピストン22を介してクランク軸28の回転エネルギに変換される。燃焼に供された混合気は、排気バルブ30の開弁に伴って、排気として排気通路32に排出される。排気通路32には、排気を浄化する後処理装置としての触媒34が設けられている。
クランク軸28の回転動力は、タイミングチェーン36を介して吸気側カム軸40および排気側カム軸42に伝達される。詳しくは、吸気側カム軸40には、吸気バルブタイミング可変装置44を介してクランク軸28の回転動力が伝達される。
クランク軸28には、ロックアップクラッチ52を備えたトルクコンバータ50を介して、変速装置60の入力軸62が機械的に連結可能とされている。変速装置60は、入力軸62の回転速度と出力軸64の回転速度との比である変速比を可変とする装置である。出力軸64には、駆動輪66が機械的に連結されている。
制御装置70は、内燃機関10を制御対象とし、その制御量であるトルクや排気成分比率等を制御すべく、スロットルバルブ14、燃料噴射弁16、点火装置26および吸気バルブタイミング可変装置44等の内燃機関10の操作部を操作する。また、制御装置70は、トルクコンバータ50を制御対象とし、ロックアップクラッチ52の係合状態を制御すべくロックアップクラッチ52を操作する。また、制御装置70は、変速装置60を制御対象とし、その制御量としての変速比を制御すべく変速装置60を操作する。なお、図1には、スロットルバルブ14、燃料噴射弁16、点火装置26、吸気バルブタイミング可変装置44、ロックアップクラッチ52、および変速装置60のそれぞれの操作信号MS1~MS6を記載している。
制御装置70は、制御量の制御のために、エアフローメータ80によって検出される吸入空気量Gaや、スロットルセンサ82によって検出されるスロットルバルブ14の開口度(スロットル開口度TA)、クランク角センサ84の出力信号Scr、触媒34の上流側に設けられた空燃比センサ86の検出値Afuを参照する。また、制御装置70は、吸気側カム軸40の回転位相を検知するカム角センサ85の出力信号Scaや、アクセルセンサ90によって検出されるアクセルペダル92の踏み込み量(アクセル操作量PA)、加速度センサ94によって検出される車両VC1の前後方向の加速度Gxを参照する。また、制御装置70は、全地球測位システム(GPS96)による位置データPgpsや、車速センサ98によって検出される車速Vを取得する。
制御装置70は、CPU72、ROM74、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(記憶装置76)、および周辺回路78を備え、それらがローカルネットワーク79を介して通信可能とされている。ここで、周辺回路78は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路や、電源回路、リセット回路等を含む。
ROM74には、制御プログラム74aおよび学習プログラム74bが記憶されている。一方、記憶装置76には、変速装置60の現在の変速比GR、アクセル操作量PA、車速V、道路の勾配SL、および道路の曲率CUと、変速装置60の変速比GRとの関係を規定する関係規定データDRと、トルク出力写像データDTと、地図データDGとが記憶されている。
図2に、制御装置70による変速装置60の変速比の制御に関する処理の手順を示す。図2に示す処理は、ROM74に記憶されたプログラムをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図2に示す一連の処理において、CPU72は、まず、位置データPgps、アクセル操作量PA、車速V、および変速比GRを取得する(S10)。次にCPU72は、位置データPgpsと地図データDGとに基づき、車両VC1が走行している道路の勾配SLと曲率CUとを算出する(S12)。すなわち、CPU72は、位置データPgpsによって、地図データDGが示す地図上の位置を特定し、特定された位置近傍の道路の勾配SLと曲率CUとを特定する。そして、CPU72は、S10の処理において取得したアクセル操作量PA、車速Vおよび現在の変速比GRと、S12の処理において算出した勾配SLおよび曲率CUと、を状態sに設定する(S14)。
次にCPU72は、関係規定データDRが定める方策πに従い、S14の処理によって取得した状態sに応じた変速比GRを設定する(S16)。
本実施形態において、関係規定データDRは、行動価値関数Qおよび方策πを定めるデータである。本実施形態において、行動価値関数Qは、状態sおよび行動aの6次元の独立変数に応じた期待収益の値を示すテーブル型式の関数である。また、方策πは、状態sが与えられたときに、独立変数が与えられた状態sとなる行動価値関数Qのうち最大となる行動a(グリーディ行動)を優先的に選択しつつも、所定の確率で、それ以外の行動aを選択する規則を定める。
詳しくは、本実施形態にかかる行動価値関数Qの独立変数がとりうる値の数は、状態sおよび行動aのとりうる値の全組み合わせの一部が、人の知見等によって削減されたものである。
図3に、本実施形態にかかる行動価値関数Qの一部を例示する。図3(a1)には、現在の変速比GRが2速である場合において、アクセル操作量PAおよび車速Vに応じて行動aとして1速をとりうる領域を「可」と記載し、1速をとりえない領域を「不可」と記載している。なお、図3(a1)には、行動aが1速を示すことを「a=1」と記載している。図3(a1)に示すように、車速Vが低速の領域に限って行動aとして1速をとりうる。なお、「不可」と記載している領域は、行動変数aの値が関係規定データDRにおいて定義されていない領域である。
図3(a2)には、現在の変速比GRが2速である場合において、アクセル操作量PAおよび車速Vに応じて行動aとして2速をとりうる領域を「可」と記載し、2速をとりえない領域を「不可」と記載している。なお、図3(a2)には、行動aが2速を示すことを「a=2」と記載している。図3(a2)に示すように、行動aとして2速をとりうる領域は、1速をとりうる領域と重複する部分を有しつつも、車速Vがより大きい領域となっている。
図3(b1)には、現在の変速比GRが3速である場合において、アクセル操作量PAおよび車速Vに応じて行動aとして1速をとりうる領域を示す。図3(b1)に示すように、この場合、行動aとして1速をとりうる領域は存在しない。
図3(b2)には、現在の変速比GRが3速である場合において、アクセル操作量PAおよび車速Vに応じて行動aとして2速をとりうる領域を「可」と記載し、2速をとりえない領域を「不可」と記載している。
上記設定は、変速比が3速から1速等、1つとびで切り替わることを許容しない設定である。
図2に戻り、CPU72は、S16の処理によって設定した変速比GRに基づき操作信号MS5を出力して変速装置60を操作する(S18)。次にCPU72は、内燃機関10の回転速度NEを取得する(S20)。ここで、CPU72は、回転速度NEを、クランク角センサ84の出力信号Scrに基づき算出する。そしてCPU72は、図2の一連の処理がはじめてなされた時点または後述のS24の処理が実行された時点のうち遅い方から所定期間が経過したか否かを判定する(S22)。そして、CPU72は、所定期間が経過したと判定する場合(S22:YES)、強化学習によって行動価値関数Qを更新する(S24)。
図4に、S24の処理の詳細を示す。
図4に示す一連の処理において、CPU72は、上述の所定期間内における状態sおよび行動aの時系列データを取得する(S30)。図4には、カッコの中の数字が異なるものが、異なるサンプリングタイミングにおける変数の値であることを示す。たとえば、スロットル開口度TA(1)とスロットル開口度TA(2)とは、サンプリングタイミングが互いに異なるものである。また、所定期間内における行動aの時系列データを、行動集合Ajとし、同所定期間内における状態sの時系列データを、状態集合Sjと定義する。
次に、CPU72は、状態集合Sjのうちの変速比GRの時系列データに基づき、変速比が切り替えられた回数である切替回数NSGRを算出する(S32)。そしてCPU72は、切替回数NSGRが所定回数Nth以下である旨の条件(ア)と、所定期間内における回転速度NEのサンプリング値が全て下限速度NEthL以上であって上限速度NEthH以下である旨の条件(イ)との論理積が真であるか否かを判定する(S34)。ここで、論理積が真となることは、本実施形態においてドライバビリティに関して要求された基準を満たすことに相当する。
ここで、CPU72は、下限速度NEthLを、勾配SLおよび曲率CUによって可変設定する。詳しくは、CPU72は、勾配SLが大きい場合に小さい場合よりも下限速度NEthLを大きい値に設定する。また、CPU72は、曲率CUが大きい場合に小さい場合よりも下限速度NEthLを大きい値に設定する。
CPU72は、論理積が真であると判定する場合(S34:YES)、報酬rに「10」を代入する一方(S36)、偽であると判定する場合(S34:NO)、報酬rに「-10」を代入する(S38)。CPU72は、S36,S38の処理が完了する場合、図1に示した記憶装置76に記憶されている関係規定データDRを更新する。本実施形態では、εソフト方策オン型モンテカルロ法を用いる。
すなわち、CPU72は、上記S30の処理によって読み出した各状態と対応する行動との組によって定まる収益R(Sj,Aj)に、それぞれ、報酬rを加算する(S40)。ここで、「R(Sj,Aj)」は、状態集合Sjの要素の1つを状態とし行動集合Ajの要素の1つを行動とする収益Rを総括した記載である。次に、上記S30の処理によって読み出した各状態と対応する行動との組によって定まる収益R(Sj,Aj)のそれぞれについて、平均化して対応する行動価値関数Q(Sj,Aj)に代入する(S42)。ここで、平均化は、S40の処理がなされた回数に所定数を加算した値によって、S40の処理によって算出された収益Rを除算する処理とすればよい。なお、収益Rの初期値は対応する行動価値関数Qの初期値とすればよい。
次にCPU72は、上記S30の処理によって読み出した状態について、それぞれ、対応する行動価値関数Q(Sj,A)のうち、最大値となるときの行動aを、行動Aj*に代入する(S44)。ここで、「A」は、とりうる任意の行動を示す。なお、行動Aj*は、上記S40の処理によって読み出した状態の種類に応じて各別の値となるものであるが、ここでは、表記を簡素化して、同一の記号にて記載している。
次に、CPU72は、上記S30の処理によって読み出した状態のそれぞれについて、対応する方策π(Aj|Sj)を更新する(S46)。すなわち、行動の総数を、「|A|」とすると、S44によって選択された行動Aj*の選択確率を、「(1-ε)+ε/|A|」とする。また、行動Aj*以外の「|A|-1」個の行動の選択確率を、それぞれ「ε/|A|」とする。S46の処理は、S42の処理によって更新された行動価値関数Qに基づく処理であることから、これにより、状態sと行動aとの関係を規定する関係規定データDRが、収益Rを増加させるように更新されることとなる。
なお、CPU72は、S46の処理が完了する場合、図4に示す一連の処理を一旦終了する。
図2に戻り、CPU72は、S24の処理が完了する場合や、S22の処理において否定判定する場合には、図2に示す一連の処理を一旦終了する。なお、S10~S22の処理は、CPU72が制御プログラム74aを実行することにより実現され、S24の処理は、CPU72が学習プログラム74bを実行することにより実現される。また、車両VC1の出荷時における関係規定データDRは、テストベンチで図2に示した処理と同様の処理を実行することによってあらかじめ学習がなされたデータとする。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU72は、アクセル操作量PA、車速V、勾配SL、曲率CU、および現在の変速比GRに基づき、方策πに従って、今回の制御周期においてとるべき変速比GRである行動aを設定する。ここでCPU72は、基本的には、関係規定データDRに規定されている行動価値関数Qに基づき期待収益を最大とする行動aを選択する。ただし、CPU72は、所定の確率「ε-ε/|A|」で、期待収益を最大化する行動a以外の行動を選択することによって、期待収益を最大化する行動aの探索を行う。これにより、ユーザによる車両VC1の運転に伴って、関係規定データDRを強化学習によって更新できる。したがって、アクセル操作量PA、車速V、勾配SL、曲率CU、および現在の変速比GRに応じて更新すべき変速比GRを、熟練者による工数を過度に大きくすることなく車両VC1の走行において適切な値に設定することができる。
ところで、たとえば現在の変速比が2速の場合に、探索として4速への切り替えを試すようなことは、変速比の急激な変化を招くことなどから、本実施形態では、望ましくない切り替えに当たると考える。そのため、探索によってそのような変速がなされないように、図3に例示したように、行動価値関数Qにおいて定義される行動aを予め制限しておく。これにより、変速比の不適切な操作がなされることを抑制できる。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する作用効果が得られる。
(1)アクセル操作量PAおよび車速Vのみならず、勾配SLおよび曲率CUに基づき変速比GRを定めた。勾配SLが大きい場合には小さい場合よりも駆動輪66に要求されるトルクが大きくなる傾向や、カーブ走行時には直進走行時よりもアクセル操作およびブレーキ操作の一方から他方への切り替えがなされる頻度が高くなる傾向があることから、勾配SLや曲率CUに応じて適切な変速比が異なりうる。そこで本実施形態では、勾配SLや曲率CUに応じて変速比GRを設定することにより、変速比GRをより適切に設定することができる。ただし、勾配SLや曲率CUに基づき変速比GRを設定する場合、アクセル操作量PAおよび車速Vのみから変速比GRを設定する場合と比較して、適合工数が大きくなる。したがって、本実施形態のように強化学習を用いることのメリットが特に大きい。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図5に、本実施形態にかかる制御装置70が実行する処理の手順を示す。図5に示す処理は、ROM74に記憶された制御プログラム74aおよび学習プログラム74bをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。
図5に示す一連の処理において、CPU72は、まず、アイドル回転速度制御の実行条件が成立するか否かを判定する(S50)。この実行条件は、たとえばアクセル操作量PAがゼロであることと、回転速度NEが所定値以下であることとの論理積が真であるなどの条件とすればよい。
CPU72は、実行条件が成立していると判定する場合(S50:YES)、状態sとして、回転速度NEおよび目標回転速度NE*を取得する(S52)。ここで、目標回転速度NE*は、CPU72により、たとえば内燃機関10に要求される軸トルクが大きい場合に小さい場合よりも大きい値に算出されるものとすればよい。
次に、CPU72は、後述のS60の処理において用いられた前回の回転速度NE(n-1)と今回のS52の処理で取得された回転速度NE(n)との差の絶対値が所定値ΔNEthよりも大きいか否かを判定する(S56)。ここで、所定値ΔNEthは、図5に示す一連の処理の周期における回転速度NEの変化量として想定される最大値よりも大きい値に設定されている。CPU72は、所定値ΔNEthよりも大きいと判定する場合、今回のS52の処理において取得した回転速度NE(n)の後述のS60の処理において用いられた前回の回転速度NE(n-1)に対する変化量の絶対値が所定値ΔNEthとなるように、回転速度NE(n)にガード処理を施す(S58)。
CPU72は、S58の処理が完了する場合や、S56の処理において否定判定する場合には、関係規定データDRが定める方策πに従い、S52の処理によって取得した状態sに応じたスロットル開口度指令値TA*および吸気位相差指令値DIN*からなる行動aを設定する(S60)。なお、S58の処理がなされている場合には、S52の処理によって取得した状態sのうちの回転速度NE(n)は、S58の処理によってガード処理が施された値に補正されており、S60の処理においては補正された値が用いられる。
本実施形態において、関係規定データDRは、行動価値関数Qおよび方策πを定めるデータである。本実施形態において、行動価値関数Qは、状態sおよび行動aの4次元の独立変数に応じた期待収益の値を示すテーブル型式の関数である。また、方策πは、状態sが与えられたときに、独立変数が与えられた状態sとなる行動価値関数Qのうち最大となる行動a(グリーディ行動)を優先的に選択しつつも、所定の確率で、それ以外の行動aを選択する規則を定める。
次にCPU72は、設定されたスロットル開口度指令値TA*および吸気位相差指令値DIN*に基づき、スロットルバルブ14に操作信号MS1を出力してスロットル開口度TAを操作するとともに、吸気バルブタイミング可変装置44に操作信号MS4を出力して吸気位相差DINをフィードバック制御する(S62)。なお、吸気位相差DINは、CPU72によりクランク角センサ84の出力信号Scrおよびカム角センサ85の出力信号Scaに基づき算出される。
次にCPU72は、今回の回転速度NE(n)を記憶装置76に記憶した後、変数nを更新する(S64)。これにより、今回S64の処理によって記憶された回転速度NEは、次回の制御周期におけるS56の処理においては、前回の回転速度NE(n-1)として読み出されることとなる。次にCPU72は、噴射量指令値Q*を取得する(S66)。ここで、噴射量指令値Q*は、CPU72により、たとえば検出値Afuを目標値に制御するうえで必要な燃料量として算出されるものである。
そしてCPU72は、S50の処理において否定判定される状態から肯定判定される状態に切り替わったタイミングと後述のS24aの処理が実行されたタイミングとのうちの遅い方から所定期間が経過したか否かを判定する(S68)。そしてCPU72は、所定期間が経過したと判定する場合(S68:YES)、関係規定データDRを更新する(S24a)。
図6に、S24aの処理の詳細を示す。
図6に示す一連の処理において、CPU72は、まず、所定期間内における噴射量指令値Q*の時系列データと、状態sおよび行動aの時系列データと、を取得する(S70)。次にCPU72は、噴射量指令値Q*の時系列データの積算値InQを算出する(S72)。
そして、CPU72は、所定期間内における回転速度NEと目標回転速度NE*との差の絶対値が所定値Δ以下である旨の条件(カ)が成立するか否かを判定する(S74)。CPU72は、条件(カ)が成立すると判定する場合(S74:YES)、積算値InQが高効率閾値InQL以下である旨の条件(キ)が成立するか否かを判定する(S76)。ここで、CPU72は、高効率閾値InQLを、目標回転速度NE*に応じて可変設定する。詳しくは、CPU72は、目標回転速度NE*が大きい場合に小さい場合よりも高効率閾値InQLを大きい値に設定する。CPU72は、条件(キ)が成立すると判定する場合(S76:YES)、報酬rに「10」を代入する(S78)。
これに対し、CPU72は、高効率閾値InQLよりも大きいと判定する場合(S76:NO)、積算値InQが低効率閾値InQH以上である旨の条件(ク)が成立するか否かを判定する(S80)。ここで、CPU72は、低効率閾値InQHを、目標回転速度NE*に応じて可変設定する。詳しくは、CPU72は、目標回転速度NE*が大きい場合に小さい場合よりも低効率閾値InQHを大きい値に設定する。CPU72は、条件(ク)が成立すると判定する場合(S80:YES)や、S74の処理において否定判定する場合には、報酬rに「-10」を代入する(S82)。
なお、S76~S82の処理は、エネルギ利用効率が大きい場合に小さい場合よりも大きい報酬を与える処理である。
CPU72は、S78,S82の処理を完了する場合や、S80の処理において否定判定する場合には、図1に示した記憶装置76に記憶されている関係規定データDRを更新すべく、行動aおよび状態sを図3の処理に対して変更しつつ、図3に示した処理の要領で、S40~S46の処理を実行する。そして、CPU72は、S46の処理が完了する場合、図6に示す一連の処理を一旦終了する。
図5に戻り、CPU72は、S24aの処理が完了する場合や、S50,S68の処理において否定判定する場合には、図5に示す一連の処理を一旦終了する。なお、S50~S68の処理は、CPU72が制御プログラム74aを実行することにより実現され、S24aの処理は、CPU72が学習プログラム74bを実行することにより実現される。また、車両VC1の出荷時における関係規定データDRは、テストベンチで図5に示した処理と同様の処理を実行することによってあらかじめ学習がなされたデータとする。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU72は、アイドル回転速度制御時において、スロットル開口度TAのみならず、吸気位相差DINを操作量として、回転速度NEを目標回転速度NE*に制御する。これにより、吸気位相差指令値DIN*を固定してアイドル回転速度制御を実行する場合と比較すると、燃料消費量を低減した制御を実行可能となる。ただし、吸気位相差指令値DIN*を操作量に加える場合、適合工数が大きくなる。そこで本実施形態では、強化学習によって学習された関係規定データDRを用いてアイドル回転速度制御を実行する。
さらにCPU72は、方策πに従って、スロットル開口度指令値TA*および吸気位相差指令値DIN*からなる行動aを設定する。ここでCPU72は、基本的には、関係規定データDRに規定されている行動価値関数Qに基づき期待収益を最大とする行動aを選択する。ただし、CPU72は、所定の確率「ε-ε/|A|」で、期待収益を最大化する行動a以外の行動を選択することによって、期待収益を最大化する行動aの探索を行う。これにより、関係規定データDRを、内燃機関10の個体差や経年変化を反映した適切なデータへと強化学習によって更新できる。
また、本実施形態では、行動価値関数Qへの入力となる今回の回転速度NE(n)の前回の回転速度NE(n-1)からの変化量を所定値ΔNEth以下に制限した。ここで、所定値ΔNEthは、図5の処理の制御周期における回転速度NEの変化量の想定最大値よりも大きい値であることから、今回の回転速度NE(n)の前回の回転速度NE(n-1)からの変化量が所定値ΔNEthを超えている場合、今回の回転速度NE(n)がノイズ等の影響で実際の回転速度NEとは相違する値となっていると考えられる。したがって、所定値ΔNEth以下に制限することにより、異常な回転速度NE(n)に基づきスロットル開口度指令値TA*や吸気位相差指令値DIN*が設定されることを抑制できる。これにより、特に、スロットル開口度指令値TA*や吸気位相差指令値DIN*の急激な変化を抑制することが可能となる。すなわち、前回の回転速度NE(n-1)と今回の回転速度NE(n)との差の絶対値が過度に大きい場合、グリーディ行動が前回と今回とで大きく異なると考えられる。したがって、双方においてグリーディ行動が選択される場合、前回の回転速度NE(n-1)と今回の回転速度NE(n)との差の絶対値が過度に大きい場合、スロットル開口度指令値TA*や吸気位相差指令値DIN*が急激に変化するおそれがある。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、強化学習として、方策勾配法を用いる。
また、本実施形態では、スロットル開口度指令値TA*、点火時期の遅角量aop、およびベース噴射量Qbseを、アイドル回転速度制御に限らない一般の行動変数として強化学習を実行する。ここで、遅角量aopは、予め定められた基準点火時期に対する遅角量であり、基準点火時期は、MBT点火時期とノック限界点とのうちの遅角側の時期である。MBT点火時期は、最大トルクの得られる点火時期(最大トルク点火時期)である。またノック限界点は、ノック限界の高い高オクタン価燃料の使用時に、想定される最良の条件下で、ノッキングを許容できるレベル以内に収めることのできる点火時期の進角限界値である。また、ベース噴射量Qbseは、検出値Afuを目標値に制御するための開ループ操作量である。
図7に、本実施形態にかかる制御装置70が実行する処理の手順を示す。図7に示す処理は、ROM74に記憶された制御プログラム74aおよび学習プログラム74bをCPU72がたとえば所定周期で繰り返し実行することにより実現される。
図7に示す一連の処理において、CPU72は、まず、状態sとして、アクセル操作量PA、回転速度NE、および充填効率ηの時系列データを取得する(S90)。本実施形態では、アクセル操作量PA、回転速度NE、および充填効率ηを、等間隔でサンプリングされた6個の値とする。
そして、CPU72は、方策πを定める関数近似器の入力変数に、状態sを代入する(S92)。詳しくは、CPU72は、「i=1~6」として、入力変数x(i)にアクセル操作量PA(i)を代入し、入力変数x(6+i)に回転速度NE(i)を代入し、入力変数x(12+i)に充填効率η(i)を代入する。
そしてCPU72は、方策を定める関数近似器に入力変数x(1)~s(18)を代入する(S94)。本実施形態では、方策πを、行動を定める各操作量の取りうる確率を定める多変量ガウス分布とする。ここで、多変量ガウス分布の平均値μ(1)は、スロットル開口度指令値TA*の平均値を示し、平均値μ(2)は、遅角量aopの平均値を示し、平均値μ(3)は、ベース噴射量Qbseの平均値を示す。また、本実施形態では、多変量ガウス分布の共分散行列を対角行列とし、各平均値μ(i)に対応する分散σ(i)が各別の値となりうるものとする。
本実施形態では、平均値μ(i)を、中間層の層数が「p-1」個であって且つ、各中間層の活性化関数h1~hp-1がハイパボリックタンジェントであり、出力層の活性化関数hpがReLUであるニューラルネットワークによって構成されている。ここで、ReLUは、入力と「0」とのうちの小さくない方を出力する関数である。また、m=2,3,…,pとすると、第「m-1」の中間層の各ノードの値は、係数w(m)によって規定される線形写像の出力を活性化関数hmに入力することによって生成される。ここで、n1,n2,…,np-1は、それぞれ、第1、第2、…、第p-1中間層のノード数である。たとえば、第1の中間層の各ノードの値は、係数w(1)ji(j=0~n1,i=0~18)によって規定される線形写像に上記入力変数x(1)~x(18)を入力した際の出力を活性化関数h1に入力することによって生成される。ちなみに、w(1)j0等は、バイアスパラメータであり、入力変数x(0)は、「1」と定義している。
上記ニューラルネットワークは、活性化関数hpの3つの出力それぞれを、平均値μ(i)とするものである。
また、本実施形態では、分散σ(i)を、係数wTik(i=1~3,k=1~18)によって規定される線形写像によって入力変数x(1)~x(18)を線形変換した値のそれぞれを関数fに入力した際の関数fの値とする。本実施形態では、関数fとして、ReLUを例示する。
次にCPU72は、S94の処理によって算出された平均値μ(i)および分散σ(i)にて定義される方策πに基づき、行動aを決定する(S96)。ここでは、平均値μ(i)を選択する確率が最も高く、且つ、平均値μ(i)を選択する確率は、分散σ(i)が小さい場合に大きい場合よりも大きくなる。
ただし、本実施形態では、グリーディ行動を平均値μ(i)に対応する行動であるとみなし、探索によってとりうる行動aを構成する各変数の値とグリーディ行動を構成する各変数の値との差の絶対値を所定値δ以下に制限する。すなわち、方策πの確率分布を多変量ガウス分布とする場合、平均値μ(i)から大きく離れた値を有する行動aの確率は、非常に小さいもののゼロとはならない。すなわち、平均値μ(i)から大きく離れた値を有する行動aが関係規定データDRによって指定される可能性がある。そして低確率とはいえ、探索として極端な行動aをとることは望ましくないことから、グリーディ行動との差の絶対値を所定値δ以下に制限する。これは、方策πの値によって定まる選択確率が所定値未満の行動aの採用を禁止することに対応する。
次に、CPU72は、S96の処理によって設定された今回の遅角量aop(n)と、後述のS102の処理に採用された前回の遅角量aop(n-1)との差の絶対値が所定値Δaopthよりも大きいか否かを判定する(S98)。そしてCPU72は、所定値Δaopthよりも大きいと判定する場合(S98:YES)、S102の処理に採用された前回の遅角量aop(n-1)との差の絶対値が所定値Δaopthとなるように、遅角量aop(n)にガード処理を施す(S100)。すなわち、CPU72は、関係規定データDRが指定する遅角量aopに対してガード処理を施す。
CPU72は、S100の処理が完了する場合や、S98の処理において否定判定される場合には、スロットルバルブ14に操作信号MS1を出力し、点火装置26に操作信号MS3を出力し、燃料噴射弁16に操作信号MS2を出力する(S102)。詳しくは、CPU72は、スロットル開口度TAをスロットル開口度指令値TA*にフィードバック制御すべく、操作信号MS1を出力する。また、CPU72は、点火時期を、基準点火時期を遅角量aopにて遅角された値がノッキング制御にてフィードバック補正された値に制御すべく、操作信号MS3を出力する。ここで、基準点火時期は、CPU72により、クランク軸28の回転速度NEおよび充填効率ηに応じて可変設定される。なお、充填効率ηは、回転速度NEおよび吸入空気量Gaに基づきCPU72によって算出される。また、CPU72は、ベース噴射量Qbseが、検出値Afuを目標値Afu*にフィードバック制御するための操作量であるフィードバック補正係数にて補正された値に基づき操作信号MS2を出力する。
そしてCPU72は、S102の処理において用いた遅角量aopを記憶装置76に記憶させ、変数nを更新する(S104)。これにより、今回S104の処理において記憶された遅角量aopが次回のS98の処理においては、前回の遅角量aop(n-1)として読み出されることとなる。
そしてCPU72は、関係規定データDRを更新するための処理を実行し(S24b)、図7に示す一連の処理を一旦終了する。
図8に、S24bの処理の詳細を示す。
CPU72は、行動aおよび状態sに加えて、トルク指令値Trq*、トルクTrq、加速度Gxおよび検出値Afuを取得する(S110)。ここで、CPU72は、トルクTrqを、回転速度NE、充填効率ηおよび点火時期を、トルク出力写像データDTによって規定されるトルク出力写像に入力することによって算出する。また、CPU72は、トルク指令値Trq*を、アクセル操作量PAに応じて設定する。
次にCPU72は、以下の条件(サ)~条件(ス)の論理積が真であるか否かを判定する(S112)。
条件(サ):トルクTrqとトルク指令値Trq*との差の絶対値が規定量ΔTrq以下である旨の条件である。
条件(シ)加速度Gxが下限値GxL以上であって上限値GxH以下である旨の条件である。
条件(ス):検出値Afuがリッチ側閾値AfR以上であって且つリーン側閾値AfL以下である旨の条件である。
そしてCPU72は、論理積が真であると判定する場合(S112:YES)、報酬rに「10」を代入する(S114)一方、偽であると判定する場合(S112:NO)、報酬rに「-10」を代入する(S116)。なお、S112~S116の処理は、ドライバビリティが基準を満たす場合に満たさない場合よりも大きい報酬を与える処理および排気特性が基準を満たす場合に満たさない場合よりも大きい報酬を与える処理である。CPU72は、S114,S116の処理が完了する場合、収益Rに報酬rを加算する(S118)。
そして、CPU72は、変数tが所定時間T-1に達したか否かを判定する(S120)。CPU72は、所定時間T-1に達していないと判定する場合(S120:NO)、変数tをインクリメントする(S122)。
これに対しCPU72は、所定時間T-1に達すると判定する場合(S120:YES)、収益Riに、収益Rを代入した後、収益Rを初期化し、さらに、変数tを初期化する(S124)。次にCPU72は、変数iが所定値Nに達したか否かを判定する(S126)。そして、CPU72は、所定値Nに達していないと判定する場合(S126:NO)、変数iをインクリメントする(S128)。
これに対し、CPU72は、所定値Nに達すると判定する場合(S126:YES)、方策勾配法によって、方策πを規定する変数w(1)~w(p)や係数wTを更新する(S130)。図8には、方策πを規定する変数w(1)~w(p)や係数wTを総括してパラメータθと記載している。
ここで、変数tが0~T-1となるまでにおける、状態s、行動aおよび報酬rの、T個の組を、トラジェクトリhtとし、確率pθ(ht)を、パラメータθによって規定される方策πに従ってトラジェクトリhtとなる確率pθ(ht)とする。ここでは、「pθ(ht)・Rt」のトラジェクトリhtによる積分値は、収益R(ht)の期待値(期待収益J)であり、これを最大化するように、パラメータθを更新する。これは、パラメータθの各成分の更新量を、同成分によって上記期待収益Jを偏微分した値に比例した量とすることにより実現できる。
ここで、確率pθ(ht)は、状態s0,s1,…sT、行動a0,a1,…aTを用いると、
pθ(ht)
=p(s0)・p(s1|s0,a0)・π(a0|s0)・p(s2|s1,a1)・π(a1|s1)…p(sT|sT-1,aT-1)・π(aT-1|sT-1)
となる。ただし、初期確率p(s0)は、状態s0となる確率であり、遷移確率p(st+1|st,at)は、状態st、行動atのときに状態stから状態st+1に遷移する確率である。
したがって、期待収益Jの偏微分は、下記の式(c1)となる。
Figure 0007205456000001
ここで、確率pθ(ht)については、知ることができないことから、上記の式(c1)における積分を、複数(ここでは、所定値N個)のトラジェクトリhtによる平均値に置き換える。
これにより、期待収益Jのパラメータθの各成分による偏微分は、方策π(at|st)の対数のパラメータθの該当する成分による偏微分係数の「t=0~T-1」における和と収益Riとの積を、所定値N個の収益Riについて加算し、所定値Nで除算した値となる。
そしてCPU72は、パラメータθの各成分による期待収益Jの偏微分係数に学習率αを乗算した値を、パラメータθのうちの該当する成分の更新量とする。
なお、S118~S130の処理は、ROM74に記憶された学習プログラム74bのうち、状態s0,s1,…、行動a0,a1,…、および報酬rを入力とし、更新されたパラメータθを出力する更新写像の実行指令が実行されることによって実現される。
CPU72は、S130の処理が完了する場合、変数iおよび収益R1~RNを初期化する(S132)。
なお、CPU72は、S122,S128,S132の処理が完了する場合、図8に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU72は、アクセル操作量PA、回転速度NEおよび充填効率ηの時系列データに基づき、方策πに従って、スロットル開口度指令値TA*、遅角量aopおよびベース噴射量Qbseを設定する。ここで、過渡時においては開ループ操作量としてのベース噴射量Qbseを充填効率ηに比例した値としたのみでは、検出値Afuがリッチ側閾値AfRとリーン側閾値AfLとの間から外れるおそれがある。そして、どのようにベース噴射量Qbseを設定すればよいかを、熟練者による試行錯誤の繰り返しによって行う場合には、熟練者に要求される工数が多くなる。これに対し、本実施形態では、過渡時の開ループ制御の噴射量であるベース噴射量Qbseを強化学習によって学習することにより、熟練者に要求される工数を効果的に削減できる。
ここで、CPU72は、方策πに基づき、スロットル開口度指令値TA*、遅角量aopおよびベース噴射量Qbseを設定する際、グリーディ行動が示す値との差の絶対値を所定値δ以下に制限する。これにより、探索として過度に不適切な値が採用されることを抑制できる。また、CPU72は、今回の点火時期の設定に用いる遅角量aop(n)と前回点火時期の設定に用いた遅角量aop(n-1)との差の絶対値を所定値Δaopth以下に制限する。これにより、点火時期が急激に変化することを抑制できる。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する効果が得られる。
(2)関係規定データDRに関数近似器を用いることにより、状態や行動が連続変数であっても、これを容易に扱うことができる。
(3)行動価値関数Qの独立変数にアクセル操作量PAの時系列データを含めた。これにより、アクセル操作量PAに関して単一のサンプリング値のみを独立変数とする場合と比較して、アクセル操作量PAの様々な変化に対して行動aの値をきめ細かく調整できる。
(4)行動価値関数Qの独立変数に、スロットル開口度指令値TA*自体を含めた。これにより、たとえば、スロットル開口度指令値TA*の挙動をモデル化したモデル式のパラメータ等をスロットル開口度に関する独立変数とする場合と比較して、強化学習による探索の自由度を高めることが容易である。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、第3の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、関係規定データDRの更新を、車両VC1の外で実行する。
図9に、本実施形態において、強化学習を実行する制御システムの構成を示す。なお、図9において、図1に示した部材に対応する部材については、便宜上、同一の符号を付している。
図9に示す車両VC1内の制御装置70におけるROM74は、制御プログラム74aを記憶しているものの、学習プログラム74bを記憶していない。また、制御装置70は、通信機77を備えている。通信機77は車両VC1の外部のネットワーク100を介してデータ解析センター110と通信するための機器である。
データ解析センター110は、複数の車両VC1,VC2,…から送信されるデータを解析する。データ解析センター110は、CPU112、ROM114、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(記憶装置116)、周辺回路118および通信機117を備えており、それらがローカルネットワーク119によって通信可能とされるものである。ROM114には、学習プログラム114aが記憶されており、記憶装置116には、関係規定データDRが記憶されている。
図10に、本実施形態にかかる強化学習の処理手順を示す。図10(a)に示す処理は、図9に示すROM74に記憶されている制御プログラム74aをCPU72が実行することにより実現される。また、図10(b)に示す処理は、ROM114に記憶されている学習プログラム114aをCPU112が実行することにより実現される。なお、図10において図7に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。以下では、強化学習の時系列に沿って、図10に示す処理を説明する。
図10(a)に示す一連の処理において、CPU72は、S90~S104の処理を実行し、通信機77を操作することによって、関係規定データDRの更新処理に必要なデータを送信する(S140)。ここで、送信対象とされるデータは、状態s、行動a、トルク指令値Trq*、トルクTrq、加速度Gx、および検出値Afuを含む。
これに対し、図10(b)に示すように、CPU112は、送信されたデータを受信し(S150)、受信したデータに基づき関係規定データDRを更新する(S24b)。そしてCPU112は、送信すべき更新された関係規定データDRがあるか否かを判定し(S152)、あると判定する場合(S152:YES)、通信機117を操作して、S150の処理によって受信したデータを送信した車両VC1に関係規定データDRを送信する(S154)。ここでは、関係規定データDRの更新回数が所定回数以上である場合に、送信すべき更新された関係規定データDRがあるとすればよい。なお、CPU112は、S154の処理を完了する場合や、S152の処理において否定判定する場合には、図10(b)に示す一連の処理を一旦終了する。
これに対し、図10(a)に示すように、CPU72は、更新データがあるか否かを判定し(S142)、あると判定する場合(S142:YES)、更新された関係規定データDRを受信する(S144)。そしてCPUは、S96の処理において利用する関係規定データDRを、受信した関係規定データDRに書き換える(S146)。なお、CPU72は、S146の処理を完了する場合や、S142の処理において否定判定する場合には、図10(a)に示す一連の処理を一旦終了する。
このように、本実施形態によれば、関係規定データDRの更新処理を車両VC1の外部で行うことから、制御装置70の演算負荷を軽減できる。さらに、たとえばS150の処理において、複数の車両VC1,VC2からのデータを受信してS24bの処理を行うなら、学習に用いるデータ数を容易に大きくすることができる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]実行装置は、CPU72およびROM74に対応し、記憶装置は、記憶装置76に対応する。取得処理は、S10,S12,S20,S52,S66,S90,S110の処理に対応し、操作処理は、図2のS18の処理や、図5のS56~S62の処理、図7のS96~S102の処理に対応する。報酬算出処理は、図3のS34~S38の処理や、図6のS74~S82の処理、図8のS112~S116の処理に対応する。更新処理は、S40~S46の処理や、S118~S130の処理に対応する。更新写像は、学習プログラム74bのうちS40~S46の処理を実行する指令によって規定された写像や、S118~S130の処理を実行する指令によって規定された写像に対応する。図3においては、第1の値は、1速に対応する「1」に対応し、第1の状況は、変速比が2速である状況に対応し、第2の状況は、変速比が3速である状況に対応する。図5においては、第1の値は、前回の回転速度NE(n-1)との差の絶対値が所定値ΔNEth以下である回転速度NEおよび方策πによってはとりえない行動変数の値に対応する。また、第2の状況は、前回の回転速度NE(n-1)との差の絶対値が所定値ΔNEthを超える回転速度NEである状況に対応し、第1の状況は、前回の回転速度NE(n-1)との差の絶対値が所定値ΔNEth以下の回転速度NEである状況に対応する。[2]図3に例示したデータに対応する[3]制限処理は、S56,S58の処理や、S96~S100の処理に対応する。[4,5]記憶処理は、S104の処理に対応し、制限処理は、S98,S100の処理に対応する。[6]制限処理は、S96の処理に対応する。[7]記憶処理は、S64の処理に対応し、補正処理は、S58の処理に対応する。[8~10]第1実行装置は、CPU72およびROM74に対応し、第2実行装置は、CPU112およびROM114に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
「制限処理について」
・図7の処理では、遅角量aopに限って、前回の遅角量aop(n-1)との差の絶対値を制限する処理を実行したが、これに限らない。たとえば、スロットル開口度指令値TA*についても前回値との差の絶対値を制限する処理を実行してもよく、またたとえば、ベース噴射量Qbseについても前回値との差の絶対値を制限する処理を実行してもよい。また、たとえば、スロットル開口度指令値TA*について前回値との差の絶対値を制限する処理を実行しつつも、遅角量aopについては前回値との差の絶対値を制限する処理を実行しなくてもよい。
・図7の処理では、方策πが示す選択確率が所定値未満となる行動変数の値による操作を禁止する処理において、所定値を、平均値μとの差の絶対値が「δ・μ」となるときの行動変数の値の選択確率としたが、これに限らない。たとえば、所定値を分散を入力として可変設定してもよい。
・前回値との差の絶対値を制限する処理と、方策πが示す選択確率が所定値未満となる行動変数の値による操作を禁止する処理との双方を実行することは必須ではない。
・制限処理としては、前回の行動変数の値との差の絶対値を制限する処理や、前回の状態の値との差の絶対値を制限することによって前回の行動変数の値との差の絶対値を制限する処理、選択確率が小さい行動変数の値の採用を制限する処理に限らない。たとえば、アクセル操作量PAがゼロより大きい規定値以上の場合に、スロットル開口度指令値TA*がゼロとなることを禁止する処理等、探索等によってグリーディ行動となりえないと考えられる行動変数の値を予め定めておくようにしてもよい。
「行動変数について」
・図7の処理では、行動変数としてのスロットルバルブの開口度に関する変数として、スロットル開口度指令値TA*を例示したが、これに限らない。たとえば、アクセル操作量PAに対するスロットル開口度指令値TA*の応答性を、無駄時間および2次遅れフィルタにて表現し、無駄時間と、2次遅れフィルタを規定する2つの変数との合計3つの変数を、スロットルバルブの開口度に関する変数としてもよい。ただし、その場合、状態変数は、アクセル操作量PAの時系列データに代えて、アクセル操作量PAの単位時間当たりの変化量とすることが望ましい。
・上記実施形態では、行動変数としての点火時期に関する変数として、遅角量aopを例示したが、これに限らない。たとえば、KCSによる補正対象とされる点火時期自体であってもよい。
・図7の処理では、行動変数として、スロットルバルブの開口度に関する変数、点火時期に関する変数、および燃料噴射量を例示したが、これに限らない。たとえば、それら3つに関しては、行動変数としてスロットルバルブの開口度に関する変数および燃料噴射量のみを採用したり、点火時期に関する変数および燃料噴射量のみを採用したりしてもよい。さらに、それら3つに関しては、行動変数としてそれらのうちの1つのみを採用してもよい。
・「内燃機関について」の欄に記載したように、圧縮着火式の内燃機関の場合、スロットルバルブの開口度に関する変数に代えて噴射量に関する変数を用い、点火時期に関する変数に代えて噴射時期に関する変数を用いればよい。なお、噴射時期に関する変数に加えて、1燃焼サイクルにおける噴射回数に関する変数や、1燃焼サイクルにおける1つの気筒のための時系列的に隣接した2つの燃料噴射のうちの一方の終了タイミングと他方の開始タイミングとの間の時間間隔に関する変数を加えることが望ましい。
・たとえば変速装置60が有段変速装置の場合、クラッチの係合状態を油圧によって調整するためのソレノイドバルブの電流値等を行動変数としてもよい。
・たとえば、下記「車両について」の欄に記載したように車両としてハイブリッド車や、電気自動車、燃料電池車を採用する場合、回転電機のトルクや出力を行動変数としてもよい。またたとえば、内燃機関のクランク軸の回転動力によって回転するコンプレッサを備えた車載空調装置を備える場合、コンプレッサの負荷トルクを行動変数に含めてもよい。また、電動式の車載空調装置を備える場合、空調装置の消費電力を行動変数に含めてもよい。
「状態について」
・上記実施形態では、アクセル操作量PAの時系列データを、等間隔でサンプリングされた6個の値からなるデータとしたが、これに限らない。互いに異なるサンプリングタイミングにおける2個以上のサンプリング値からなるデータであればよく、この際、3個以上のサンプリング値からなるデータや、サンプリング間隔が等間隔であるデータであることがより望ましい。
・アクセル操作量に関する状態変数としては、アクセル操作量PAの時系列データに限らず、たとえば「行動変数について」の欄に記載したように、アクセル操作量PAの単位時間当たりの変化量等であってもよい。
・図7の処理では、回転速度NEの時系列データを、等間隔でサンプリングされた6個の値からなるデータとしたが、これに限らない。互いに異なるサンプリングタイミングにおける2個以上のサンプリング値からなるデータであればよく、この際、3個以上のサンプリング値からなるデータや、サンプリング間隔が等間隔であるデータであることがより望ましい。
・図7の処理では、充填効率ηの時系列データを、等間隔でサンプリングされた6個の値からなるデータとしたが、これに限らない。互いに異なるサンプリングタイミングにおける2個以上のサンプリング値からなるデータであればよく、この際、3個以上のサンプリング値からなるデータや、サンプリング間隔が等間隔であるデータであることがより望ましい。
・図7の処理において、アクセル操作量PA、回転速度NE、および充填効率ηのそれぞれの時系列データを用いることは必須ではない。たとえばアクセル操作量PAおよび充填効率ηの時系列データのみを用いてもよい。なお、複数の変数の時系列データを用いる場合、それらのサンプリング数が同一であることも必須ではない。
・たとえば「行動変数について」の欄に記載したように、ソレノイドバルブの電流値を行動変数とする場合、状態に、変速装置の入力軸62の回転速度や出力軸64の回転速度、ソレノイドバルブによって調整される油圧を含めればよい。またたとえば「行動変数について」の欄に記載したように、回転電機のトルクや出力を行動変数とする場合、状態に、バッテリの充電率や温度を含めればよい。またたとえば「行動変数について」の欄に記載したように、コンプレッサの負荷トルクや空調装置の消費電力を行動に含める場合、状態に、車室内の温度を含めればよい。
「関係規定データについて」
・上記実施形態では、行動価値関数Qを、テーブル形式の関数としたが、これに限らない。たとえば、関数近似器を用いてもよい。
・車両の状態が第1の状況に対応する第1の状態のときには、行動変数の値として第1の値が定義されている一方、車両の状態が第2の状況に対応する第2の状態のときには、行動変数の値として第1の値が定義されていないデータとしては、図3に例示したものに限らない。たとえば、図5の処理において、回転速度NEが目標回転速度NE*よりも低い場合に、スロットル開口度指令値TA*が所定値以下である行動変数の値を予め行動価値関数Qの独立変数として定義しないもの等であってもよい。
「操作処理について」
・たとえば「関係規定データについて」の欄に記載したように、行動価値関数を関数近似器とする場合、上記実施形態におけるテーブル型式の関数の独立変数となる行動についての離散的な値の組の全てについて、状態sとともに行動価値関数Qに入力することによって、行動価値関数Qを最大化する行動aを特定すればよい。すなわちたとえば、主として特定された行動aを操作に採用しつつも、所定の確率でそれ以外の行動を選択すればよい。
「更新写像について」
・S40~S46の処理においては、εソフト方策オン型モンテカルロ法によるものを例示したが、これに限らない。たとえば、方策オフ型モンテカルロ法によるものであってもよい。もっとも、モンテカルロ法にも限らず、たとえば、方策オフ型TD法を用いたり、またたとえばSARSA法のように方策オン型TD法を用いたり、またたとえば、方策オン型の学習として適格度トレース法を用いたりしてもよい。
・行動価値関数Qと方策πとのうちのいずれか一方のみを、報酬rによる直接の更新対象とするものに限らない。たとえば、アクター・クリティック法のように、行動価値関数Qおよび方策πをそれぞれ更新してもよい。また、アクター・クリティック法においては、これに限らず、たとえば行動価値関数Qに代えて価値関数Vを更新対象としてもよい。
・方策πを定める「ε」については、固定値に限らず、学習の進行度合いに応じてあらかじめ定められた規則に応じて変更してもよい。これは、たとえば、行動価値関数Qの値が収束する場合、「ε」をゼロとしてグリーディ行動のみを選択するようにすることで実現できる。その場合、今回の回転速度NE(n)と前回の回転速度NE(n-1)との差の絶対値が所定値ΔNEthよりも大きいなら、行動aの値が確率的な要素なしに急激に変化すると考えられることから、S56,S58の処理の利用価値が特に大きい。
「報酬算出処理について」
・図4の処理では、条件(ア)および条件(イ)の論理積が真であるか否かに応じて報酬を与えたが、これに限らない。たとえば、条件(ア)を満たすか否かに応じて報酬を与える処理と、条件(イ)を満たすか否かに応じて報酬を与える処理とを実行してもよい。また、たとえば、条件(ア)を満たすか否かに応じて報酬を与える処理と、条件(イ)を満たすか否かに応じて報酬を与える処理との2つの処理に関しては、それらのうちのいずれか1つの処理のみを実行してもよい。
・ドライバビリティに関する基準としては、上述したものに限らず、たとえば騒音や振動強度が基準を満たすか否かに応じて設定してもよい。もっともこれに限らず、上記加速度が基準を満たすか否かと、トルクTrqの追従性が基準を満たすか否かと、騒音が基準を満たすか否かと、振動強度が基準を満たすか否かとの4つのうちの任意の1つ以上であってよい。
・報酬算出処理としては、報酬rを、ドライバビリティに関する基準を満たすか否かに応じて与える処理と、エネルギ利用効率が基準を満たす場合に満たさない場合よりも大きい報酬を与える処理と、燃料消費率が基準を満たす場合に満たさない場合よりも大きい報酬を与える処理との3つをすべて含んでもよい。また、3つの処理のうちの任意の2つまたは1つのみを含んでよい。
・またとえば「行動変数について」の欄に記載したように、変速装置60のソレノイドバルブの電流値を行動変数とする場合、たとえば報酬算出処理に以下の(a)~(c)の3つの処理のうちの少なくとも1つの処理を含めればよい。
(a)変速装置による変速比の切り替えに要する時間が所定時間以内である場合に所定時間を超える場合よりも大きい報酬を与える処理である。
(b)変速装置の入力軸62の回転速度の変化速度の絶対値が入力側所定値以下である場合に入力側所定値を超える場合よりも大きい報酬を与える処理である。
(c)変速装置の出力軸64の回転速度の変化速度の絶対値が出力側所定値以下である場合に出力側所定値を超える場合よりも大きい報酬を与える処理である。
・たとえば「行動変数について」の欄に記載したように、回転電機のトルクや出力を行動変数とする場合、バッテリの充電率が所定範囲内にある場合にない場合よりも大きい報酬を与える処理や、バッテリの温度が所定範囲内にある場合にない場合よりも大きい報酬を与える処理を含めてもよい。また、たとえば「行動変数について」の欄に記載したように、コンプレッサの負荷トルクや空調装置の消費電力を行動変数に含める場合、車室内の温度が所定範囲内にある場合にない場合よりも大きい報酬を与える処理を加えてもよい。
「車両用制御システムについて」
・図10に示した例では、S24bの処理の全てをデータ解析センター110にて実行したが、これに限らない。たとえば、データ解析センター110においては、S118~S130の処理を実行するものの、報酬の算出処理であるS112~S116の処理については実行せず、S140の処理において、S114,S116の処理の結果を送信することとしてもよい。
・車両用制御システムとしては、制御装置70およびデータ解析センター110によって構成されるものに限らない。たとえば、データ解析センター110に代えて、ユーザが所持する携帯端末を用い、制御装置70および携帯端末によって車両用制御システムを構成してもよい。また、たとえば、制御装置70、携帯端末、およびデータ解析センター110によって構成してもよい。これは、たとえば図10のS94,S96の処理を携帯端末が実行することによって実現できる。
「実行装置について」
・実行装置としては、CPU72(112)とROM74(114)とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理するたとえばASIC等の専用のハードウェア回路を備えてもよい。すなわち、実行装置は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROM等のプログラム格納装置とを備える。(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置およびプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備える。(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備える。ここで、処理装置およびプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置や、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
「記憶装置について」
・上記実施形態では、関係規定データDRが記憶される記憶装置と、学習プログラム74bや制御プログラム74aが記憶される記憶装置(ROM74)とを別の記憶装置としたが、これに限らない。
「内燃機関について」
・内燃機関としては、燃料噴射弁として吸気通路12に燃料を噴射するポート噴射弁を備えるものに限らず、燃焼室24に燃料を直接噴射する筒内噴射弁を備えるものであってもよく、またたとえば、ポート噴射弁および筒内噴射弁の双方を備えるものであってもよい。
・内燃機関としては、火花点火式内燃機関に限らず、たとえば燃料として軽油などを用いる圧縮着火式内燃機関等であってもよい。
「車両について」
・車両としては、推力生成装置が内燃機関のみである車両に限らず、たとえば内燃機関と回転電機とを備えるいわゆるハイブリッド車両であってもよい。またたとえば、推力生成装置として、内燃機関を備えることなく、回転電機を備えるいわゆる電気自動車や燃料電池車であってもよい。
10…内燃機関
12…吸気通路
14…スロットルバルブ
16…燃料噴射弁
18…吸気バルブ
20…シリンダ
22…ピストン
24…燃焼室
26…点火装置
28…クランク軸
40…吸気側カム軸
44…吸気バルブタイミング可変装置
50…トルクコンバータ
52…ロックアップクラッチ
60…変速装置
70…制御装置
110…データ解析センター

Claims (10)

  1. 実行装置および記憶装置を備え、
    前記記憶装置には、車両の状態と前記車両内の電子機器の操作に関する変数である行動変数との関係を規定する関係規定データが記憶されており、
    前記実行装置は、
    センサの検出値に基づく前記車両の状態を取得する取得処理と、
    前記取得処理によって取得された前記車両の状態と前記関係規定データとによって定まる前記行動変数の値に基づき前記電子機器を操作する操作処理と、
    前記取得処理によって取得された前記車両の状態に基づき、前記車両の特性が基準を満たす場合に満たさない場合よりも大きい報酬を与える報酬算出処理と、
    前記取得処理によって取得された前記車両の状態、前記電子機器の操作に用いられた前記行動変数の値、および該操作に対応する前記報酬を予め定められた更新写像への入力とし、前記関係規定データを更新する更新処理と、を実行し、
    前記更新写像は、前記関係規定データに従って前記電子機器が操作される場合の前記報酬についての期待収益を増加させるように更新された前記関係規定データを出力するものであり、
    前記関係規定データが指定する前記行動変数の値が第1の値であるとして該第1の値に従って前記操作処理により前記電子機器を操作する処理が、第1の状況において実行可能であって且つ第2の状況においては実行不可とされている車両用制御装置。
  2. 前記関係規定データは、前記車両の状態が前記第1の状況に対応する第1の状態のときには、前記行動変数の値として前記第1の値が定義されている一方、前記車両の状態が前記第2の状況に対応する第2の状態のときには、前記行動変数の値として前記第1の値が定義されていないデータである請求項1記載の車両用制御装置。
  3. 前記操作処理は、前記関係規定データが指定する前記行動変数の値が第1の値である場合に、前記第1の状況において前記第1の値に従って前記電子機器を操作する処理を許容して且つ、前記第2の状況において前記第1の値に従って前記電子機器を操作する処理を許容しない制限処理を含む請求項1記載の車両用制御装置。
  4. 前記第1の状況は、前回の前記行動変数の値と前記第1の値との差の絶対値が所定値以下の状況であり、
    前記第2の状況は、前回の前記行動変数の値と前記第1の値との差の絶対値が前記所定値を超える状況である請求項3記載の車両用制御装置。
  5. 前記制限処理は、前記行動変数の前回の値を記憶する記憶処理と、前記行動変数の今回の値と前記行動変数の前回の値との差の絶対値が所定値以下となるように、前記今回の値を制限する処理と、を含む請求項4記載の車両用制御装置。
  6. 前記関係規定データは、前記車両の状態を入力とし、前記行動変数の値の選択確率を出力とする関数近似器を規定するデータであり、
    前記更新写像は、前記関数近似器を規定するパラメータの更新量を出力する写像を含み、
    前記制限処理は、前記関数近似器の出力する選択確率が所定値未満となる前記行動変数の値に従った前記電子機器の操作を禁止する処理を含み、
    前記第1の状況は、前記第1の値の選択確率が前記所定値以上となる状況であり、
    前記第2の状況は、前記第1の値の選択確率が前記所定値未満となる状況である請求項3記載の車両用制御装置。
  7. 前記制限処理は、前記関係規定データとともに前記行動変数の値を算出するための前記状態を示す変数の値の前回の値を記憶する記憶処理と、前記状態を示す変数の値の前回の値と今回の値との差の絶対値が規定値を超える場合、前記状態を示す変数の値を、前記前回の値との差の絶対値が前記規定値以下となるように補正する補正処理と、を含む請求項4記載の車両用制御装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の前記実行装置および前記記憶装置を備え、
    前記実行装置は、前記車両に搭載される第1実行装置と、車載装置とは別の第2実行装置と、を含み、
    前記第2実行装置は、前記更新処理を少なくとも実行し、
    前記第1実行装置は、前記取得処理および前記操作処理を少なくとも実行する車両用制御システム。
  9. 請求項8記載の前記第1実行装置を備える車両用制御装置。
  10. 請求項8記載の前記第2実行装置を備える車両用学習装置。
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