JP4830781B2 - 四輪駆動車両の制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の出力を前輪および後輪の一方へ伝達すると共に、プロペラシャフトに設けられている切換装置を介して前輪および後輪の他方へ選択的に駆動力を伝達する形式の四輪駆動車両の制御装置に関するものである。
一般に車両に備えられる常時噛合式変速機は、エンジンの出力軸にクラッチを介して連結される入力軸と、この入力軸に平行に配置されるカウンタ軸と、入力軸およびカウンタ軸の各々に設けられて複数個の変速段を成立させるための複数個の変速ギヤ対と、選択された変速段を成立させるためにそれに対応する変速ギヤ対を機能させる同期機構と、を備えている。この各変速ギヤ対の入力軸側に設けられているメインギヤおよびカウンタ軸側に設けられているカウンタギヤの一方のギヤは、対応する回転軸に対して一体的に設けられており、他方のギヤは回転軸に対して相対回転可能に設けられて互いに常時噛み合わされている。ここで、ある変速段が選択されると、対応する変速ギヤ対において、同期装置によって回転軸に対して相対回転可能に設けられている他方のギヤが回転軸に相対回転不能に係合されて、その変速ギヤ対にエンジンからの動力が伝達される。
ここで、上記常時噛合式変速機において、選択されない変速段に対応する変速ギヤ対(以下、遊転ギヤと記載する)は、動力が伝達されることはないものの、互いのギヤが噛み合わされているため、常時自由回転させられる。一般に、常時噛合式変速機などの駆動系には、捩り振動(回転変動)が増幅する捩り共振発生周波数域が存在し、エンジンの回転速度がその共振周波数域に達すると、駆動系の捩り振動(回転変動)が増幅させられる。このとき、常時噛合式変速機内の前述した遊転ギヤが捩り共振によって大きく振動させられ、遊転ギヤがその噛合部で歯打ちさせられて異音が発生する問題があった。この異音を抑制するため、通常ではエンジンと常時噛合式変速機との間に介装されているクラッチにトーショナルダンパを設け、回転変動を抑制させ異音の発生を抑制させている。
ところで、車両においてエンジンの駆動力を前輪と後輪に分配するため、前輪と後輪との間に配設されているプロペラシャフト上にカップリングが設けられている形式の四輪駆動車両が知られている。特許文献1に開示されている動力伝達装置がそれである。特許文献1では、各変速段が選択されないニュートラル時において、カウンタ軸を回転させない構造となっている。これにより、ニュートラル時の装置全体の回転慣性力が小さくなるに伴い、捩り共振が小さくなり、遊転ギヤ間で生じる歯打ち音を抑制している。
特開平6−200993号公報
特許文献1に記載されているような四輪駆動車両では、通常の走行時では、燃費の観点からカップリングを遮断することで二輪駆動として走行し、例えば前輪と後輪に回転差が発生したことを感知して、必要に応じてカップリングを接続させることで前輪および後輪に駆動力を伝達させている。ところで、通常走行では二輪駆動として機能させるものの、トランスファ、プロペラシャフト、カップリング等の部品は二輪駆動時であっても共に連れ回っているため、回転慣性モーメントが大きくなっている。このため、常時噛合式変速機の捩り共振が大きくなってクラッチのトーショナルダンパでは抑えきれなくなり、遊転ギヤの歯打ち音が増大してしまう問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、切換装置によって選択的に二輪駆動に切換可能な四輪駆動車両において、変速機内の遊転ギヤで発生する歯打ち音を低減する四輪駆動車両の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)常時噛合う複数のギヤ対のうち選択された変速ギヤ対を通して動力を伝達し、選択されない変速ギヤ対は動力を伝達しない遊転ギヤとなる常時噛合式変速機を介して内燃機関の出力を前輪および後輪の一方へ伝達する第1伝達経路と、その内燃機関の出力を前記常時噛合式変速機、プロペラシャフト、および動力伝達および遮断可能な切換装置を介して前記前輪および後輪の他方へ伝達する第2伝達経路と、を備え、前記切換装置により動力伝達が遮断されることにより二輪駆動モードとされ、その切換装置により動力伝達されることにより四輪駆動モードとされる四輪駆動車両の制御装置において、(b)前記内燃機関の回転速度が前記内燃機関から前記プロペラシャフトに至る駆動系の捩り共振発生域となると、前記四輪駆動モードを選択する四輪駆動選択手段を備えることを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の四輪駆動車両の制御装置において、前記切換装置は、電子制御カップリングであることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2の四輪駆動車両の制御装置において、前記内燃機関の回転速度が予め設定された判定範囲内であることに基づいて、前記駆動系の捩り共振発生域を判定する共振発生域判定手段を備え、前記四輪駆動選択手段は、その共振発生域判定手段により前記内燃機関の回転速度がその駆動系の捩り共振発生域と判定されたときに、前記四輪駆動モードとすることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項3の四輪駆動車両の制御装置において、前記共振発生域判定手段は、さらに前記内燃機関の出力を操作するアクセルペダルのアクセル開度が予め設定された判定範囲内であることに基づいて、前記駆動系の捩り共振発生域を判定することを特徴とする。
請求項1にかかる発明の四輪駆動車両の制御装置によれば、前記内燃機関の回転速度が前記駆動系の捩り共振発生域となると、前記四輪駆動選択手段によって四輪駆動モードを選択させることで、内燃機関から出力される駆動力が、前記プロペラシャフトおよび切換装置を介して前輪および後輪の他方側である前記第2伝達経路にも伝達される。そして、二輪駆動モードでは自由に回転させられているプロペラシャフトなどの第2伝達経路の部材の剛性が、四輪駆動モードに切り換えられることで増大する。これにより、駆動系の捩り共振発生域での捩り共振が、第2伝達経路の部材の剛性増大によって抑制されて常時噛合式変速機で駆動力を伝達せずに自由回転する遊転ギヤの歯打ち音を抑制させることができる。
また、請求項2にかかる発明の四輪駆動車両の制御装置によれば、前記切換装置は電子制御カップリングであるため、適宜四輪駆動モードおよび二輪駆動モードの切換えが可能となる。
また、請求項3にかかる発明の四輪駆動車両の制御装置によれば、前記共振発生域判定手段によって、前記内燃機関の回転速度が予め設定された判定範囲内であることに基づいて、前記駆動系の捩り共振発生域を判定するため、容易に捩り共振発生域を検出することができる。
また、請求項4にかかる発明の四輪駆動車両の制御装置によれば、前記共振発生域判定手段によって、さらに前記内燃機関の出力を操作するアクセルペダルのアクセル開度が予め設定された判定範囲内であることに基づいて、前記駆動系の捩り共振発生域を判定するため、四輪駆動モードの切換をさらに精度良く実施することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用動力伝達装置10を説明するための図である。車両用動力伝達装置10は、電子制御カップリング12によって選択的に四輪駆動モード或いは二輪駆動モードに切換可能なFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両を基本とする四輪駆動車両となっている。図1において、駆動力源であるエンジン14により発生させられた駆動力(トルク)は、図示しないトーショナルダンパを備えたクラッチ16、常時噛合式変速機18、前輪用差動歯車装置20、および左右一対の前輪車軸22l、22rを介して左右一対の前輪24l、24r(以下、特に区別しない場合には単に前輪24という)へ伝達される一方、常時噛合式変速機18、トランスファー26、プロペラシャフト28、電子制御カップリング12、後輪用差動歯車装置30、および左右一対の後輪車軸32l、32rを介して左右一対の後輪34l、34r(以下、特に区別しない場合には単に後輪34という)へ伝達される。なお、前述したエンジン14による駆動力を前輪24に伝達する経路が、本発明の第1伝達経路に対応しており、後輪34に駆動力を伝達する経路が、本発明の第2伝達経路に対応している。また、上記車両用動力伝達装置10には、電子制御カップリング12を制御するための電子制御装置36が設けられている。なお、本実施例の電子制御カップリング12が、本発明の切換装置に対応しており、エンジン14が、本発明の内燃機関に対応している。
上記エンジン14は、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関である。また、常時噛合式変速機18は、クラッチ16を介してエンジン14の駆動力が直接伝達される入力軸38およびその入力軸に平行に配設されたカウンタ軸40を備えている。入力軸38には、複数個の入力ギヤ42が一体的或いは相対回転可能に設けられている。また、カウンタ軸40には、複数個のカウンタギヤ44が一体的或いは相対回転可能に設けられており、それぞれ入力ギヤ42と常時噛み合わされている。これにより、互いに噛み合う一対の入力ギヤ42とカウンタギヤ44とによって複数の変速段を成立させるための複数個の変速ギヤ対46が形成される。ここで、例えばシフトレバーによりある変速段が選択操作されると、所定のシンクロナイザ付噛合クラッチが係合させられることにより、その変速段に対応する変速ギヤ対46に動力が伝達される。
具体的には、例えば対応する変速ギヤ対46が、カウンタギヤ44側がカウンタ軸40に対して相対回転可能、且つ入力ギヤ42側が入力軸38に対して一体的に回転させられている場合、カウンタ軸40に設けられている図示しないシンクロナイザ付噛合クラッチによって、カウンタギヤ44とカウンタ軸40とが同期されて一体回転させられ、その変速ギヤ対46に動力が伝達される。一方、対応する変速ギヤ対46が、入力ギヤ42側が入力軸38に対して相対回転可能、且つカウンタギヤ44側がカウンタ軸40に対して一体的に回転させられている場合、入力軸38に設けられている図示しないシンクロナイザ付噛合クラッチによって入力ギヤ42と入力軸38とが同期されて一体回転させられ、その変速ギヤ対46に駆動力が伝達される。そして、カウンタ軸40に一体的に設けられている出力ギヤ48からその駆動力が前輪用差動歯車装置20に伝達される。
電子制御カップリング12は、その電子制御カップリング12内に備えられた電磁ソレノイドに供給される電流の指令値を制御することにより、動力の伝達および遮断が可能となっており、前輪24および後輪に34に配分される駆動力を好適に制御することができる。また、電子制御カップリング12が係合されると、動力が後輪34側に伝達されて四輪駆動走行状態である四輪駆動モードとされ、電子制御カップリング12が遮断されると、後輪34側に動力が伝達されず二輪駆動走行状態である二輪駆動モードとされる。なお、本実施例の電子制御カップリング12は、電磁ソレノイドに供給される電流量が大きくなるに従って、後輪34に伝達される駆動力が大きくなるように構成されている。
図2は、図1の電子制御カップリング12を制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。この図2に示す電子制御装置36は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン14の出力制御や電子制御カップリング12の駆動力配分制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や変速制御用等に分けて構成される。
図2において、アクセルペダル50の操作量Accがアクセル操作量センサ52により検出されるとともに、そのアクセル操作量(アクセル開度)Accを表す信号が電子制御装置36に供給されるようになっている。このアクセルペダル50は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるものであることからアクセル操作部材に相当し、アクセル操作量Accは出力要求量に相当する。また、常用ブレーキであるフットブレーキのブレーキペダル54の操作の踏込量θSCを表す信号が電子制御装置36に供給されるようになっている。このブレーキペダル54は、運転者の減速要求量に応じて大きく踏み込み操作されるものであることからブレーキ操作部材に相当し、その踏込量θSCはブレーキ操作量に相当する。
また、エンジン14の回転速度Nを検出するためのエンジン回転速度センサ58、エンジン14の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ60、吸入空気の温度Tを検出するための吸入空気温度センサ62、エンジン14の電子スロットル弁の全閉状態(アイドル状態)およびその開度θTHを検出するためのアイドルスイッチ付スロットル弁開度センサ64、車速V(カウンタ軸40の回転速度NOUTに相当)を検出するための車速センサ66、エンジン14の冷却水温Tを検出するための冷却水温センサ68、ブレーキペダル54の操作の有無乃至は踏込量θSCを検出するためのブレーキセンサ70、シフトレバー72のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するためのレバーポジションセンサ74、入力軸38の回転速度NINを検出するための入力軸回転速度センサ75、四輪それぞれの車輪回転速度Vrを検出するための車輪回転速度センサ76、車両の前後左右の加速度(減速度)Gを検出するための加速度センサ80などが設けられており、それらのセンサやスイッチなどから、エンジン回転速度N、吸入空気量Q、吸入空気温度T、スロットル弁開度θTH、車速V、エンジン冷却水温T、ブレーキ操作の有無乃至は踏込量θSC、車輪回転速度Vr、シフトレバー72のレバーポジションPSH、入力軸回転速度NIN、車両の加速度(減速度)Gなどを表す信号が電子制御装置36に供給されるようになっている。
これらの各種センサからの入力信号に基づき、電子制御装置36は好適な前後輪トルク配分を行うように電子制御カップリング12を制御する。例えば、発進走行時、低μ路走行時、悪路走行時において、アクセル操作量(アクセル開度)Acc、エンジン回転速度N、シフトポジションPSHなどの信号からエンジン駆動トルクを算出し、最大限の加速或いは走行性能を確保するように後輪34に伝達される駆動力が制御される。また、アクセル開度Accや車輪回転速度Vrなどから運転者の操作状況および車両が安定していると判断された場合には、後輪34への伝達トルクを遮断することで、二輪駆動状態とし、燃費を抑制させる。また、例えば操舵角と車速から求めた目標ヨーレートと左右加速度Gおよび車速Vから推定されるヨーレートとを比較して、強い後輪横滑りと判断されると、後輪34への伝達トルクを下げて前輪駆動に近い状態とし、一方、強い前輪横滑りと判断されると、後輪34の伝達トルクを上げて四輪駆動に近い状態とし、横滑りを抑制する。
上述した常時噛合式変速機18において、ある変速段が選択されるとその変速段に対応する変速ギヤ対46に駆動力が伝達される一方、他の変速ギヤ対46(以下、遊転ギヤ46という)は、駆動力は伝達されないものの、互いの噛合によって常時回転させられる。ここで、一般に車両用動力伝達装置10において、エンジン14の回転変動に伴うエンジン14からプロペラシャフト28に至る駆動系の捩り共振周波数域が存在し、エンジン14の回転変動がこの駆動系の共振周波数近傍となると、駆動系の回転変動(捩り振動)が増大する。特に、本実施例のような四輪駆動車両では、電子制御カップリング12が遮断されて車両が前輪駆動状態であっても、トランスファー26、プロペラシャフト28、および電子制御カップリング12の一部は、常時回転させられるため、駆動系の回転慣性モーメントが増大する。これに伴い、駆動系の回転変動も増大し、前述した遊転ギヤ46の噛合部より回転変動(捩り振動)増大による歯打ち音が発生し易くなっている。
図3は、エンジン14の回転速度Nとエンジン14および常時噛合式変速機18の回転変動速度との関係を示した図である。なお、図3においては、図4に示すように、電子制御カップリング12が遮断されており、破線で示す後輪部には動力が伝達されない二輪駆動状態での回転変動速度の関係を示している。ここで、横軸がエンジン14の回転速度Nを示しており、縦軸がエンジン14および常時噛合式変速機18の入力軸38の回転変動速度すなわち捩り振動の大きさを示している。図3において、実線がエンジン14の回転変動速度を示している。エンジン14の回転変動速度は、エンジン14の回転速度Nが大きくなるにつれて小さくなる傾向にあり、4000rpm付近を境にして、一転して回転変動速度が大きくなる。また、図において一点鎖線が常時噛合式変速機18の目標値として予め設定した回転変動速度を示している。なお、この常時噛合式変速機18の回転変動速度の目標値は、遊転ギヤ46で発生する歯打ち音が運転者には感知されない程に、十分に抑制される状態となるように設定されている。
破線で示される回転変動速度が、計算によって算出された常時噛合式変速機18の入力軸38の回転変動速度を示している。この図に示されるように、エンジン14の回転数が1700〜1800rpmの領域において、捩り共振が発生し、常時噛合式変速機18の入力軸38の回転変動速度が一点鎖線で示す回転変動速度目標値を大きく超える程に増大されている。これにより、遊転ギヤ46の歯打ち音が発生し易くなっている。
図5は、本発明の要部である電子制御装置36による電子制御カップリング12の制御機能を説明する機能ブロック線図である。
図5において、共振発生域判定手段86は、エンジン14の回転速度Nが予め設定された判定範囲内であることに基づいて、エンジン14からプロペラシャフト28に至る駆動系の捩り共振発生域を判定するためのものである。具体的には、先ず、アクセルペダル50の操作量(アクセル開度Acc)が予め設定された判定範囲内であるか否かに基づいて駆動系の共振発生域が判定される。ここで、エンジン14のアクセル開度Accが大きくなるに従って、駆動系の捩り振動が大きくなることが知られており、例えば、アクセル開度Accが70%以上の範囲が、予め設定された判定範囲に設定されている。なお、このアクセル開度Accの範囲は予め実験或いは計算によって好適な数値に設定されるものである。
また、アクセル開度Accがこの判定範囲内(70%以上)となると、次に、エンジン回転速度センサ58から検出されるエンジン回転速度Nが、予め設定されている判定範囲内であるか否かが判定される。予め設定されている判定範囲は、図3に示すような破線で示す常時噛合式変速機18の回転変動速度が一点鎖線で示す回転変動目標値を超える範囲、すなわち本実施例では例えば1500〜2000rpmの範囲に設定されている。なお、このエンジン回転速度Nの範囲は、予め実験或いは計算によって好適な数値に設定されるものである。そして、エンジン回転数Nがこの判定範囲内となると、駆動系が捩り共振発生域内であると判定される。
四輪駆動選択手段88は、共振発生域判定手段86によりエンジン14の回転速度Nが駆動系の捩り共振発生域と判定されたときに、車両が二輪駆動走行モードで走行の際に、四輪駆動モードを選択し、電子制御カップリング12を係合させて後輪34に駆動力を伝達させるためのものである。これにより、電子制御カップリング12が係合されると、駆動力がトランスファー26、プロペラシャフト28、電子制御カップリング12、後輪用差動歯車装置30、後輪車軸32、および後輪34に伝達されて、これらの後輪側の部材の剛性が増大される。
図6は、電子制御装置36の制御作動の要部すなわち電子制御カップリング12を好適に制御することにより、エンジン14からプロペラシャフト28に至る駆動系の捩り振動を抑制し、遊転ギヤ46から発生する歯打ち音を抑制するための作動制御を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップS1(以下、ステップを省略する)において、二輪駆動モードすなわち現在の車両の走行状態が二輪駆動走行状態であるか否かが判定される。この判定が否定されると、現在の車両が四輪駆動走行状態での走行となり、本ルーチンは終了させられる。一方、この判定が肯定されると、共振発生域判定手段86に対応するS2において、アクセル開度Accが予め設定されたアクセル開度A1よりも大きいか否かが判定される。この判定が否定されると、S5によって二輪駆動モード走行が継続させられる。なお、本実施例の予め設定されたアクセル開度A1は70%に設定されている。一方、S2が肯定されると、同じく共振発生域判定手段86に対応するS3において、エンジン回転速度Nが予め設定された範囲内であるか否かが判定される。なお、予め設定された範囲(N1<N<N2)は、本実施例においては、N1が1500rpm、N2が2000rpmとなっており、エンジン回転数Nがこの範囲内(1500〜2000rpm)である場合にこの判定が肯定される。S3が否定されると、S5によって二輪駆動モード走行が継続させられる。一方、S3が肯定されると、四輪駆動選択手段88に対応するS4において、電子制御カップリング12が係合されることで、四輪駆動モード走行に切り換えられる。
図7は、上記制御作動を実施した場合のエンジン14の回転速度Nとエンジン14および常時噛合式変速機18の入力軸38の回転変動速度(捩り振動)との関係を示した図であり、図3に対応するものである。図7に示すように、図3に示した駆動系の捩り共振発生域(1700〜1800rpm)において、四輪駆動モードに切り換えられることで、常時噛合式変速機18の入力軸38の捩り共振が、後輪側の部材(トランスファー26、プロペラシャフト28、電子制御カップリング12、後輪用差動歯車装置30、後輪車軸32、および後輪34)の剛性増大に伴って抑制されている。これにより、エンジン回転速度Nの全ての領域において、一点鎖線で示す常時噛合式変速機18の回転変動速度の目標値を下回ることで、常時噛合式変速機18の遊転ギヤ46からの歯打ち音が抑制される。
図8および図9は、車両用動力伝達装置10の振動系をモデル化した図である。ここで、図8は二輪駆動モードすなわち二輪駆動走行状態、図9は四輪駆動モードすなわち四輪駆動走行状態のモデル図となっている。また、L1はエンジン14の慣性モーメント、L2は常時噛合式変速機18(T/M)、トランスファー26(T/F)、およびプロペラシャフト28(P/S)など駆動系の慣性モーメント、L3は前輪24の慣性モーメント、L4は車両系の慣性モーメント、L5は後輪用差動歯車装置30(D/F)などの慣性モーメント、L6は後輪34の慣性モーメントを示しており、Kcがクラッチ16によるバネ定数を、Kdfが前輪車軸22によるバネ定数を、Ktfが前輪24によるバネ定数を、Kdrが後輪車軸32によるバネ定数を、Kpがプロペラシャフト28のバネ定数を、Ktrが後輪34のバネ定数を示している。また、それぞれの回転体の間には、減衰装置としてダッシュポットが設けられている。図8に示すように、二輪駆動モードであっても、慣性モーメントL2には、トランスファー26、プロペラシャフト28などの慣性モーメントが加わるために、慣性モーメントL2が比較的大きくなる。これにより、回転変動トルクが増大するために、クラッチ16の図示しないトーショナルダンパでは抑えきれなくなり、図3に示すような駆動系の捩り共振が発生し、遊転ギヤ46から歯打ち音が発生し易くなる。一方、図9に示す四輪駆動モードでは、常時噛合式変速機18に対して慣性モーメントL5、L6、バネ定数Kp、Kdrおよびダッシュポットが連結される。これにより、後輪側のダッシュポットによる振動減衰作用によって駆動系の捩り共振が抑制される。
上述のように、本実施例によれば、エンジン14の回転速度Nがエンジン14からプロペラシャフト28に至る駆動系の捩り共振発生域となると、四輪駆動選択手段88によって四輪駆動モードを選択させることで、エンジン14から出力される駆動力が、プロペラシャフト28および電子制御カップリング12を介して後輪34にも伝達される。そして、二輪駆動モードでは自由に回転させられているプロペラシャフト28などの後輪側の部材の剛性が、四輪駆動モードに切り換えられることで増大する。これにより、駆動系の捩り共振発生域での捩り共振が抑制されて遊転ギヤ46の歯打ち音を抑制させることができる。また、この捩り共振を抑制するにおいて、例えばクラッチ16のトーショナルダンパを特別なものに変更するなど、従来の構成をほとんど変更する必要がないため、製造コストを抑制することができる。
また、前述の実施例によれば、本発明の切換装置は、電子制御カップリング12であるため、適宜四輪駆動モードおよび二輪駆動モードの切換えが可能となる。
また、前述の実施例によれば、共振発生域判定手段86によって、エンジン14の回転速度Nが予め設定された判定範囲内であることに基づいて、常時噛合式変速機18の捩り共振発生域を判定するため、容易に捩り共振発生域を検出することができる。
また、前述の実施例によれば、共振発生域判定手段86によって、さらにエンジン14の出力を操作するアクセルペダル50のアクセル開度Accが予め設定された判定範囲内であることに基づいて、常時噛合式変速機18の捩り共振発生域を判定するため、四輪駆動モードの切換をさらに精度良く実施することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、本実施例の車両用動力伝達装置10は、二輪駆動モードにおいて、前輪24側を駆動させるFF車両を基本とした四輪駆動車両であったが、二輪駆動モードにおいて、後輪34を駆動させる例えばRR(リアエンジン・リアドライブ)車両などを基本とした他の形式の四輪駆動車両であってもよい。
また、本実施例の予め設定された判定範囲の具体的数値(例えばアクセル開度Accが70%以上、エンジン回転速度が1500〜2000rpm)は、本実施例においてのみ適用されるものであり、適用される車両に対して実験或いは計算によってそれぞれ求められるものである。
また、本実施例の共振発生域判定手段88では、エンジン回転数Nが1500〜2000rpmの範囲で共振発生域と判定されたが、この共振発生域を各変速段毎に予め設定してもよい。具体的には、シフトレバーポジションセンサ74によって変速段を判定し、電子制御装置36に予め記憶されているその変速段に対応した共振発生域を用いて判定することができる。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が適用された車両用動力伝達装置を説明するための骨子図である。 図1の電子制御カップリングを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 エンジンの回転速度とエンジンおよび常時噛合式変速機の入力軸の回転変動速度との関係を示した図である。 破線で示す後輪部には動力が伝達されない二輪駆動状態での車両用動力伝達装置の骨子図である。 本発明の要部である電子制御装置による電子制御カップリングの制御機能を説明する機能ブロック線図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち電子制御カップリングを好適に制御することにより駆動系の捩り振動を抑制し、遊転ギヤから発生する歯打ち音を抑制するための作動制御を説明するフローチャートである。 図6の作動制御を実施した際のエンジンの回転速度とエンジンおよび常時噛合式変速機の入力軸の回転変動速度の関係を示した図である。 二輪駆動走行状態の車両用動力伝達装置の振動系をモデル化した図である。 四輪駆動走行状態の車両用動力伝達装置の振動系をモデル化した図である。
符号の説明
10:車両用動力伝達装置(四輪駆動車両) 12:電子制御カップリング(切換装置) 14:エンジン(内燃機関) 18:常時噛合式変速機 24:前輪 28:プロペラシャフト 34:後輪 50:アクセルペダル 86:共振発生域判定手段 88:四輪駆動選択手段

Claims (4)

  1. 常時噛合う複数のギヤ対のうち選択された変速ギヤ対を通して動力を伝達し、選択されない変速ギヤ対は動力を伝達しない遊転ギヤとなる常時噛合式変速機を介して内燃機関の出力を前輪および後輪の一方へ伝達する第1伝達経路と、該内燃機関の出力を前記常時噛合式変速機、プロペラシャフト、および動力伝達および遮断可能な切換装置を介して前記前輪および後輪の他方へ伝達する第2伝達経路と、を備え、前記切換装置により動力伝達が遮断されることにより二輪駆動モードとされ、該切換装置により動力伝達されることにより四輪駆動モードとされる四輪駆動車両の制御装置であって、
    前記内燃機関の回転速度が前記内燃機関から前記プロペラシャフトに至る駆動系の捩り共振発生域となると、前記四輪駆動モードを選択する四輪駆動選択手段を備えることを特徴とする四輪駆動車両の制御装置。
  2. 前記切換装置は、電子制御カップリングであることを特徴とする請求項1の四輪駆動車両の制御装置。
  3. 前記内燃機関の回転速度が予め設定された判定範囲内であることに基づいて、前記駆動系の捩り共振発生域を判定する共振発生域判定手段を備え、
    前記四輪駆動選択手段は、該共振発生域判定手段により前記内燃機関の回転速度が該駆動系の捩り共振発生域と判定されたときに、前記四輪駆動モードとすることを特徴とする請求項1または2の四輪駆動車両の制御装置。
  4. 前記共振発生域判定手段は、さらに前記内燃機関の出力を操作するアクセルペダルのアクセル開度が予め設定された判定範囲内であることに基づいて、前記駆動系の捩り共振発生域を判定することを特徴とする請求項3の四輪駆動車両の制御装置。
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