JP6286048B2 - ゴム組成物のための添加剤 - Google Patents

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Description

本発明は、シリカ、オルガノメルカプトシラン、特定にはケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン、ならびにロジン含有材料を含むゴム組成物に関する。また本発明は、このようなゴム組成物を含むタイヤ、このようなゴム組成物またはそのタイヤの製造方法、および(例えばタイヤ中に)それを含むゴムのムーニー粘度および機械特性を改善するためのロジン含有材料の使用にも関する。
シランは、ゴム組成物において、接着促進剤として、架橋剤として、および表面改質剤として使用されてきた。例えば、E. P. Plueddemann、「Silane Coupling Agents」、第2版. Plenum Press 1982を参照されたい。
数種の一般的に使用されるシランとしては、アミノアルキルトリアルコキシシラン、メタクリロキシアルキルトリアルコキシシラン、ポリスルファンアルキルトリアルコキシシランおよびメルカプトアルキルトリアルコキシシランなどのアルコキシシランが挙げられる。例えば、US2009/0209690は、脱カルボキシル化ロジンの使用と組み合わせた、ポリスルフィド架橋を含有するアルコキシシランベースのカップリング剤の使用を説明している。
US2009/0209690
E. P. Plueddemann、「Silane Coupling Agents」、第2版. Plenum Press 1982
ここで、特定のタイプのオルガノメルカプトシラン、すなわちケイ素原子に結合した少なくとも1つの嵩高い基および/または少なくとも1つのポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシランと組み合わせたロジン含有材料の使用により、特性が改善されたゴム組成物がもたらされることが見出された。
特定には、ロジン含有材料が、シリカならびに嵩高い基および/またはポリエーテル基を含むオルガノメルカプトシランを含むゴム組成物のムーニー粘度および機械特性を改善することが見出された。またロジン含有材料は、タイヤなどの前記ゴム組成物を含む製品の転がり抵抗に対して無視できる程度の作用しかないことも見出された。
したがって、本明細書で説明されるようなゴム組成物は、有利なことに、前記ゴム組成物およびそれを含む製品の製造および特性を改善する。
本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、他のオルガノメルカプトシラン、特定には一般的に使用されるアルコキシ置換オルガノメルカプトシランとは、ケイ素原子に結合している基において異なっている。本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、ケイ素原子に結合した1つの嵩高い基および/またはポリエーテル基を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、ケイ素原子に結合した少なくとも1つの嵩高い基を有する。本明細書で説明されるような嵩高い基は、一般的に、炭素原子と場合によりヘテロ原子などの原子とを少なくとも20個を有する基を指す場合があり、ここで原子数は、嵩高い基中に存在する全ての水素原子を考慮に入れていない。本明細書において、このような嵩高い基を有するオルガノメルカプトシランは、嵩高なオルガノメルカプトシランと称される。
いくつかの実施態様において、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、ケイ素原子に結合した少なくとも1つのポリエーテル基(これはまた、アルコキシル化されたアルコキシ基と称する場合もある)を有する。ポリエーテル基は、一般的に、酸素原子を介してケイ素原子に結合されている。本明細書で説明されるようなポリエーテル基は、一般的に、式−O−(R’−O)m−R”の基であり、式中、例えば、R’は、2価の炭化水素であり、R”は、1価の炭化水素であり、mは、少なくとも1である。本明細書で説明されるような少なくとも1つのポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシランは、アルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランと称する場合もある。
いくつかの実施態様において、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、ケイ素原子に結合した少なくとも1つの嵩高い基および少なくとも1つのポリエーテル基を有する。いくつかの特定の実施態様において、オルガノメルカプトシランは、本明細書で定義されるような嵩高い基およびポリエーテル基の両方であるケイ素原子に結合した少なくとも1つの基を有する。
このような基は、オルガノメルカプトシランおよびそれを含むゴム組成物に、他の一般的に使用されるオルガノメルカプトシランとは異なる特性を付与する。例えば、嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシランは、小さいアルコキシ基を有するオルガノメルカプトシランと比較した場合、異なる反応速度論の挙動を有する。
いかなる理論にも縛られることはないが、ケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基は、シランとシリカのシラノール基との反応メカニズムにおいて重要な役割を果たすと予測される。例えば、A. Blumeによる2011年4月のKautschuk Gummi Kunststoffe(KGK)における出版物「Kinetics of the Silica-Silane Reaction」(38〜43頁)を参照されたい。
ゴム組成物におけるロジン誘導体の使用の例としては、例えばUS2009/0209690およびUS2009/069474で説明されているものが挙げられる。
US2009/0209690は、シリカ補強剤および植物由来の液体である部分的に脱カルボキシル化されたロジンの組み合わせを含有するゴム組成物を説明している。この文書は、多数のカップリング剤は、シリカ、主としてポリスルファン(例えばポリスルフィド架橋を含有する)をカップリングするために使用できることを説明しており、その例としては、構造は記載されていないがオルガノメルカプトアルコキシシランが挙げられている。実際には、この特許は、約160mgKOH/gの典型的な酸価を有するロジンの使用を除外しており、2から30mgKOH/gの間の典型的な酸価を有する脱カルボキシル化ロジン油の使用を特許請求している。
US2009/069474は、ゴム組成物のトレッドを有するタイヤであって、前記ゴム組成物の表面中およびその上に樹脂酸亜鉛を含有する、上記タイヤを説明している。多数のカップリング剤が、シリカと共に使用されることが説明されている。ポリスルファンと共に、ビス−(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドなどのオルガノアルコキシメルカプトシランが挙げられている。
シリカ含有ゴム組成物中で嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシランと組み合わせたロジン含有材料の使用は、これまで説明されていなかった。また、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランと組み合わせたロジン含有材料を使用することにおける、特にムーニー粘度の改善とそれを含むゴム組成物のグリーン機械特性(green mechanical properties)に関する利益も、これまで説明されてもいないし示唆もされていなかった。
したがって、いくつかの形態において、本発明は、ゴム、シリカ、ケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン、ならびにロジン含有材料を含むゴム組成物に関する。
ロジン含有材料は、ロジン化合物を含む組成物であり、一般的にロジン化合物の混合物を含む組成物である。本明細書において、ロジン化合物は、ロジン酸またはロジン酸から誘導された化合物を意味する。ロジン酸から誘導された化合物は、ロジン酸を含む材料を、例えば、二量体化反応、水素添加反応、不均化反応、脱カルボキシル化反応およびエステル化反応の少なくとも1つに供することにより得られた化合物である。
本明細書で説明されるようなゴム組成物中のロジン含有材料は、ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、脱カルボキシル化ロジンおよびロジンエステルから選択される。いくつかの実施態様において、ロジン含有材料は、ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、および不均化ロジンから選択される。いくつかの実施態様において、ロジン含有材料は、ロジンであり、特定には、トール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンから選択されるロジンであり、より特定にはトール油ロジンであり得る。
ロジンは、多くの植物、特に針葉樹、例えばセイヨウアカマツ(Pinus Sylvestris)、ダイオウマツ(Pinus palustris)およびカリビアマツ(Pinus caribaea)などから得られる樹脂状の材料である。ロジンは、ロジン酸の混合物を含み、この混合物は、一般的に、3つの縮合した6炭素環の核および数と位置が様々の二重結合を有するC20縮合環モノカルボン酸、ならびに少量の他の成分を包含する。ロジン酸の例としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ピマール酸、レボピマール酸、サンダラコピマル酸、イソピマール酸およびパルストリン酸が挙げられる。ロジン中に存在するロジン酸のタイプおよび相対量は、植物種および生産プロセスによって部分的に決まる。
ロジンは、マツの木からオレオレジンの蒸留によって(前記蒸留の残留物は、「ガムロジン」として知られている)、マツの幹の抽出によって(「ウッドロジン」として知られている)またはトール油の分別によって(「トール油ロジン」として知られている)得ることができる。特定には、トール油ロジンを使用することができる。蒸留トール油(DTO)、トール油脂肪酸(TOFA)および粗トール油(CTO)などの、トール油ロジン生産中に得られた他のロジン含有材料も使用することができる。これらのロジン源は全て、本明細書で説明される組成物および方法での使用に好適な、当業界において公知であり市販されているロジン含有材料の例である。ロジン源は、ロジン酸以外の主成分を含有していてもよい。特定には、DTO、CTOおよびTOFAは、脂肪酸およびロジン酸の混合物であり、すなわちロジン酸に加えて主成分として脂肪酸を含む混合物である。DTOおよびCTOの組成物は、以下で詳細に説明される。
用語「二量体化ロジン」、「水素化ロジン」、「不均化ロジン」および「脱カルボキシル化ロジン」のそれぞれは、それぞれ二量体化反応、水素添加反応、不均化反応および脱カルボキシル化反応に供されたロジン(すなわち上記で定義されたようなロジン酸の混合物)を指す。これらのタイプのロジン含有材料の生産は当業界において公知である。
用語「ロジンエステル」は、ロジン(すなわち上記で定義されたようなロジン酸の混合物)と少なくとも1種のアルコールとのエステルを指す。
エステル化に好適なアルコールとしては、モノアルコール、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、C8〜11イソアルコール(例えばイソデシルアルコールおよび2−エチルヘキサノール)、およびポリオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ネオペンチルグリコールならびにトリメチロールプロパンが挙げられる。特定には、有用なアルコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびペンタエリスリトールが挙げられる。ロジンエステルは、当業界において公知の方法でロジンおよびアルコールから得てもよい。例えば、参照により本明細書に組み入れられる特許文献US5,504,152で説明されているプロセスを参照されたい。一般的に、ロジンは、そこに含有されるロジン酸とアルコール(すなわち1種またはそれより多くのアルコール)との熱反応によってエステル化されてもよい。このようなエステル化反応を完了するまで促進するために、例えば蒸留、真空の適用、および当業者公知の他の方法によって反応器から水を除去してもよい。
ロジン含有材料は、一般的に、1wt.%〜99.99wt.%のロジン化合物を含んでいてもよい。ロジン含有材料は、特定には5wt.%〜95wt.%のロジン化合物、より特定には10wt.%〜80wt.%、さらにより特定には25wt.%〜65wt.%のロジン化合物を含んでいてもよい。ロジン含有材料の100wt.%までの残部は、ロジン化合物以外の成分、例えば、脂肪酸(例えばステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびピノレン酸);高分子量アルコール(例えば脂肪族アルコールおよびステロール);アルキル炭化水素誘導体;残留したテルペン単量体、例えばα−ピネン、β−ピネンおよび他の単環および二環式テルペン;他の不けん化物;ならびに微量金属などからなる。
ロジン含有材料の正確な組成は変動する可能性がある。例えば、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン(TOR)、蒸留トール油(DTO)および粗トール油(CTO)の組成は、それらの生産に使用される出発原料および加工工程に応じて変動する可能性がある。またこれらは、それらから得られたロジン含有材料(例えば二量体化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、脱カルボキシル化ロジンおよびロジンエステル)の組成にも影響を与えると予想される。
ウッドロジンは、特に、75〜99wt.%(特定には85〜98wt.%)のロジン酸、2〜5wt.%の脂肪酸、2〜10wt.%のモノテルペンおよびジテルペン、ならびに合計で100wt.%になるまでの他の成分、例えばロジン中に存在し得る上述した追加の成分のいずれかのものなど、特定には4〜8wt.%の他の酸および不けん化物を含んでいてもよい。
ガムロジンは、特に、75〜99wt.%(特定には85〜98wt.%)のロジン酸、2〜5wt.%の脂肪酸、2〜10wt.%のモノテルペンおよびジテルペン、ならびに合計で100wt.%になるまでの他の成分、例えば上述したような追加の成分のいずれかのものなど、特定には他の酸および不けん化物を含んでいてもよい。
トール油ロジンは、特に、75〜99wt.%(特定には80〜95wt.%)のロジン酸、2〜10wt.%の脂肪酸、および合計で100wt.%になるまでの他の成分、例えば上述したような追加の成分のいずれかのものなど、特定には他の酸および不けん化物を含んでいてもよい。
蒸留トール油は、特に、10〜40wt.%のロジン酸、50〜80wt.%の脂肪酸、および合計で100wt.%になるまでの他の成分、例えば上述したような追加の成分のいずれかのものなど、特定には不けん化物を含んでいてもよい。
粗トール油は、特に、10〜50wt.%のロジン酸、40〜70wt.%の脂肪酸、および合計で100wt.%になるまでの他の成分、例えば上述したような追加の成分のいずれかのものなど、特定には、高分子量アルコール、ステロールおよび不けん化物を含んでいてもよい。
本明細書で説明されるようなロジン含有材料は、一般的に、0.5〜210mgKOH/g、特定には1〜205mgKOH/g、より特定には1.5〜200mgKOH/g、さらにより特定には2〜195KOH/gの酸価を有していてもよい。酸価は、ASTMD465に従って、水酸化ナトリウム溶液での標準的な滴定を使用して決定することができる。
本明細書で説明されるようなロジン含有材料は、粘性の液体であってもよいし、または室温で固体であってもよい。粘性の液体は、一般的に、当業界において公知の方法で測定した場合、50℃で、最大で1500cps、特定には最大で1000cps、より特定には最大で500cpsのブルックフィールド粘度を有していてもよい。ロジン含有材料固体は、室温で、一般的に40〜170℃、特定には45〜160℃、より特定には50〜150℃、さらにより特定には55〜145℃の軟化点を有していてもよい。軟化点は、ロジン含有材料のサンプルを溶融状態で金属環に注ぎ、その後冷却することによる環球法(ASTM E28−97)によって測定することができる。ロジン含有材料で環を充填できるように環を空にして、鋼球を樹脂の上部に載せる。環および球をブラケット中に置き、これを溶媒(例えば、予測される軟化点に応じて、水、グリセロールまたはシリコーンオイル)を含有するビーカーに降ろし、溶媒を攪拌しながら5℃/分で加熱する。環を通って球が完全に落ちたとき、溶媒の温度を環球式軟化点として記録する。
ロジン含有材料の特性は変動する可能性があり、ロジン含有材料の特定のタイプによって決まる可能性がある。例えば、ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、脱カルボキシル化ロジンおよびロジンエステルは、一般的に、ロジン含有材料に関して、特定にはロジン化合物の量、酸価および軟化点に関して上述した特性を有すると予想される。しかしながら、具体的な組成物および特性は、初発のロジン源、ならびに具体的な製造および反応条件に応じて得てもよい。
ロジンは、125〜190mgKOH/g、特定には140〜180mgKOH/g、より特定には150〜175mgKOH/gの酸価を有していてもよく、40〜80℃、特定には50〜90℃、およびより特定には60〜75℃の軟化点を有していてもよい。
二量体化ロジンは、特に、120〜190mgKOH/g、特定には130〜180mgKOH/g、より特定には135〜175mgKOH/gの酸価を有していてもよく、60〜160℃、特定には80〜140℃の軟化点を有していてもよい。
水素化ロジンは、140〜180mg/gKOHの酸価および40〜80℃の軟化点を有していてもよい。
不均化ロジンは、130〜180mgKOH/g、特定には140〜165mgKOH/gの酸価を有していてもよく、40〜90℃、より特定には45〜85℃の軟化点を有していてもよい。
脱カルボキシル化ロジンは、10〜175mgKOH/g、特定には25〜125mgKOH/g、より特定には35〜100mgKOH/gの酸価を有していてもよい。一般的に、脱カルボキシル化ロジンは室温で粘性の液体であり、特に、当業界において公知の方法で測定した場合、50℃で、最大で1000cpsのブルックフィールド粘度を有していてもよい。
ロジンエステルは、0.50〜100mgKOH/g、特定には1.0〜80mgKOH/g、より特定には1.5〜75mgKOH/gの酸価を有していてもよく、80〜130℃、特定には85〜125℃の軟化点を有していてもよい。軟化点は、ロジンエステルの製造で使用される多価アルコールに応じて、さらに、ロジンエステルが例えば二量体化によってさらに改変されているかどうか、および/または例えば無水マレイン酸もしくはフマル酸での強化が適用されたかどうかに応じて変動する可能性がある。例えば、Naval Stores、F. ZinkelおよびJ. Russel 1989、9章、282〜285頁を参照されたい。
ロジン含有材料は、一般的に、本明細書で説明されるようなゴム組成物中に、0.001〜75のゴム100部に対する部(phr)、特定には0.01〜50phr、より特定には0.1〜25phr、より特定には0.25〜10phr、さらにより特定には0.5〜5.0phrの量で存在する。
用語「ゴム100部に対する部」または「phr」は、ゴム組成物分野において一般的に使用されており、ゴム100重量部に対するゴム組成物中に存在する成分の重量部を指す。組成物中に存在するゴムの重量部は、成分(A)として使用されるゴムの総量に対して計算される。したがって、1種より多くのゴムが使用される場合、例えばゴムの混合物が使用される場合、phrは、ゴム混合物の総重量に基づき計算される。
本明細書で説明されるようなゴム組成物中に存在するロジン含有材料の量は、同様にそこに存在する嵩高なおよび/またはアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランの量に基づいていてもよい。ロジン含有材料の量は、特定には、嵩高なおよび/またはアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランの総重量に基づき、1〜100wt.%、特定には2.5〜75wt.%、より特定には5〜50wt.%、さらにより特定には10〜30wt.%、さらにより特定には15〜25wt.%であってもよい。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、溶液重合可能な、または乳化重合可能なエラストマーなどの、天然および合成ゴムから選択されるあらゆるタイプのゴムを含んでいてもよい。
好適なゴムとしては、モノオレフィン、例えばエチレン、プロピレン;共役ジオレフィン、例えばイソプレンおよびブタジエン;トリオレフィン;および芳香族ビニル、例えばスチレンおよびアルファメチルスチレンなどの、オレフィン単量体から選択される少なくとも1つの単量体のポリマーが挙げられる。
また天然ゴムは、弾性ゴムまたは生ゴムとしても知られており、その主成分としてイソプレンのポリマーを含む。天然ゴムは、一般的に、パラゴムノキ(Hevea Brasiliensis)種の木、グアユールタンポポ(Guayule dandelion)およびロシアタンポポ(Russian Dandelion)から得られる。
好適な合成ゴムは、例えば、Gentner Verlag(Stuttgart、1980)により出版されたW. Hofmannの書籍、Kautschuktechnologieで説明されている。
溶液および乳化重合エラストマーは当業者周知である。例えば、共役ジエン単量体、モノビニル芳香族単量体、トリエン単量体、および同種のものをアニオン重合して、例えばそれらのポリマー、コポリマーおよびターポリマーを形成することができる。
特定には、好適なゴムは、天然ゴム(NR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)、スチレン/イソプレンコポリマー(SIR)、イソブチレン/イソプレンコポリマー(IIR、ブチルゴムとしても知られている)、エチレンアクリルゴム、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー(NBR)、部分的に水素化されたまたは完全に水素化されたNBRゴム(HNBR)、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPDM)、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマー(SIBR)、クロロプレン(CR)、塩素化ポリエチレンゴム、フルオロエラストマー、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、テトラフルオロエチレン/プロピレンゴム、エピクロロヒドリンゴムおよびシリコーンゴムの少なくとも1つから選択してもよい。
さらに、好適なゴムとしては、上述したゴムであって、カルボキシル基、シラノール基、シロキシ基、エポキシド基およびアミン基などの官能基を追加で有するものが挙げられる。ゴムの官能化は当業界において周知である。官能基を有するゴムの例としては、例えば、エポキシ化天然ゴム、カルボキシで官能化されたNBR、シラノールで官能化された(−SiOH)SBRまたはシロキシで官能化された(−Si−または)SBR)アミンで官能化されたSBRが挙げられる。このような官能基を有するゴムは、ゴム組成物中に存在するシリカおよびシランと反応することができる。しかしながら、特別に非官能基を有するゴムが使用されてもよい。
特定には、ゴムは、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)、ポリブタジエン(BR)、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエン/イソプレンコポリマー(IIR)、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマー(SIBR)、およびイソプレン/スチレンコポリマーの少なくとも1つから選択してもよいし、さらにより特定には、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)ポリブタジエン(BR)および天然ゴムの少なくとも1つから選択してもよい。
本明細書で説明されるような組成物は、上述した2種またはそれより多くのゴムの混合物を含んでいてもよい。特定には、本明細書で説明されるような組成物の成分(A)は、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)、ポリブタジエン(BR)、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエン/イソプレンコポリマー(IIR)、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマー(SIBR)、イソプレン/スチレンコポリマーのいずれか一つ、および官能基を有するゴムの混合物であってもよい。より特定には、ゴム混合物は、スチレンブタジエンコポリマー(SBR)、ポリブタジエン(BR)および天然ゴムの少なくとも2つを含んでいてもよい。
ポリブタジエン(BR)は、高シス1,4−ポリブタジエンおよび高ビニルポリブタジエンから選択してもよい。高ビニルポリブタジエンは、一般的には30〜99.9wt.%のビニル含量を有し、ここで重量パーセンテージ(wt.%)はポリブタジエンの総重量に基づく。高シス1,4−ポリブタジエンは、一般的に、ポリブタジエンの総重量に対して90〜99.9wt.%のシス1,4−ブタジエン含量を有していてもよい。いくつかの実施態様において、ポリブタジエンは、99.5wt.%のシス1,4−ブタジエン単量体を有する高シス1,4−ポリブタジエンであってもよい。
ポリイソプレン(IR)は、シス1,4−ポリイソプレン(天然および合成)であってもよい。
スチレンブタジエンコポリマー(SBR)は、水性乳化重合(E−SBR)から、または有機溶液重合(S−SBR)から誘導してもよく、特に溶液重合SBRを使用することができる。市販の溶液重合SBR(油展)の例は、ファイアストン・ポリマー(Firestone Polymer)製のデュラデン(Duradene)(商標)である。SBR(E−SBRまたはS−SBRのいずれか)は、1〜60wt.%、特に5〜50wt.%のスチレン含量を有していてもよく、ここで重量パーセンテージ(wt.%)は、SBRの総重量に基づく。
アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー(NBR)は、5〜60、好ましくは10〜50wt.%のアクリロニトリル含量を有していてもよく、ここで重量パーセンテージ(wt.%)は、NBRの総重量に基づく。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、シリカを含んでいてもよく、シリカは、補強充填剤として作用する。
シリカは、非晶質シリカ(例えば沈降シリカ)、湿式シリカ(すなわち水和ケイ酸)、乾式シリカ(すなわち無水ケイ酸)およびヒュームドシリカ(焼成シリカとしても知られている)の少なくとも1つから選択してもよい。またシリカは、他の金属酸化物、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化亜鉛および酸化チタンとの混合酸化物の形態であってもよい。
いくつかの実施態様において、シリカは、非晶質シリカ、例えば沈降シリカであってもよい。
好適な市販のシリカの例としては、これらに限定されないが、PPGインダストリーズ(PPG Industries)(ペンシルベニア州ピッツバーグ)製の、Hi−Sil(商標)(R)190、Hi−Sil(商標)(R)210、Hi−Sil(商標)(R)215、Hi−Sil(商標)(R)233、Hi−Sil(商標)(R)243、および同種のもの;エボニック(Evonik)製の、ウルトラシル(Ultrasil)(商標)VN2、VN3、VN2GR、VN3GR、および高分散性シリカのウルトラシル(商標)7000GR、9000GR;ソルベイ(Solvay)製の、ゼオシル(Zeosil)(商標)1085GR、高分散性シリカのゼオシル(商標)1115MP、1115、115GR、1165MP、およびゼオシル(商標)プレミアム200;ならびにフーバー(Huber)製の、ゼオポール(Zeopol)(商標)8745および8755LSが挙げられる。
シリカは、一般的に、5〜1000m/g、特定には10〜750m/g、より特定には25〜500m/g、さらにより特定には50〜250m/gの比表面積(BET表面積)を有していてもよく、一般的に、10〜500nm、特定には50〜250nm、より特定には75〜150nmの粒度を有していてもよい。シリカの表面積および粒度を測定する方法は当業界において周知である。特定には、シリカの表面積は、一般的に使用されるBET方法によって測定してもよい。
シリカのpHは、一般的に、約5.5〜約7またはそれよりわずかに高くてもよく、好ましくは約5.5〜約6.8であってもよい。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、一般的に、5〜150phr、特定には25〜130phr、より特定には40〜115phrの量でシリカを含んでいてもよい。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、シリカ以外に追加の充填剤を含んでいてもよく、このような充填剤としては、カーボンブラック;金属水酸化物(例えば水酸化アルミニウム);ケイ酸アルミニウム、アルカリ土類金属のケイ酸塩(例えばケイ酸マグネシウムまたはケイ酸カルシウムなど)などのケイ酸塩、例えば、鉱物のケイ酸塩、例えば粘土(水和ケイ酸アルミニウム)、タルク(水和ケイ酸マグネシウム)、雲母およびベントナイトなど;炭酸塩(例えば炭酸カルシウム);硫酸塩(例えば硫酸カルシウムまたは硫酸ナトリウム);金属酸化物(例えば二酸化チタン)およびそれらの混合物などが挙げられる。
特定には、本明細書で説明されるようなゴム組成物は、充填剤として、シリカとカーボンブラックの両方、またはシリカと水酸化アルミニウムの両方を含んでいてもよい。
前記追加の充填剤は、それが存在する場合、ゴム組成物中に、0.5〜40phr、特定には1〜20phr、より特定には2.5〜約10phrの量で存在していてもよい。追加の充填剤の量は、上述したようなゴム組成物中に存在するシリカの量に基づいて選択することができる。追加の充填剤は、70:30〜1:99、より特定には50:50〜10:90、より特定には40:60〜20:80の重量比(追加の充填剤:シリカ)で存在していてもよい。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、ケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシランを含む。好ましい実施態様において、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、ケイ素原子に結合した少なくとも1つの嵩高い基、より好ましくは、ケイ素原子に結合した少なくとも1つの嵩高い基および少なくとも1つのポリエーテル基を有し、最も好ましくは、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、本明細書では嵩高なポリエーテル基とも称される、嵩高い基およびポリエーテル基の両方であるケイ素原子に結合した少なくとも1つの基を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、本明細書で説明されるような嵩高い基およびポリエーテル基から選択されるケイ素原子に結合した2つの基を有していてもよく、ここで2つの基は、同一でもよいしまたは異なっていてもよい。いくつかの特定の実施態様において、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、ケイ素原子に結合した2つの嵩高なポリエーテル基を有していてもよい。
上記で示したように、本明細書で説明されるような嵩高い基は、一般的に、炭素原子と存在する場合はヘテロ原子とを含む、少なくとも20個の原子を有する基を指す場合があり、ここで原子数は、嵩高い基中に存在する全ての水素原子を考慮に入れていない。炭素原子と存在する場合はヘテロ原子との総数は、少なくとも22個、より特定には少なくとも24個、より特定には少なくとも28個であってもよい。炭素原子と存在する場合はヘテロ原子との合計の最大数は、特に限定されない。上記最大数は、一般的に最大で350個、特定には最大で250個、さらにより特定には最大で200個、さらにより特定には最大で150個、さらにより特定には最大で100個、さらにより特定には最大で90個、さらにより特定には最大で60個、およびさらにより特定には最大で30個であり得る。
嵩高い基のヘテロ原子は、それが存在する場合、酸素、ケイ素、硫黄、窒素およびハロゲンから選択してもよい。ヘテロ原子は、特定には、酸素、ケイ素および硫黄の少なくとも1つから選択してもよく、より特定には、ヘテロ原子は、酸素であってもよい。
嵩高い基は、どのような基であってもよいが、嵩高い基の総数は、炭素原子と上記で示したようなヘテロ原子との総数である。例えば、嵩高い基は、R−基またはRO−基であってもよく、ここでRは、分岐状または直鎖状の1価または2価のアルキル、アルケニル、アリールもしくはアラルキル基であり、該アルキル、アルケニル、アリールまたはアラルキル基は、置換されていてもよいし、または置換されていなくてもよい。Rが置換されている場合、Rは、上述したヘテロ原子などのヘテロ原子を含む部分を有していてもよい。特定には、嵩高い基はRO−基であり、より特定には、嵩高なRO−基はポリエーテル基である。
いくつかの実施態様において、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、ケイ素原子に結合したポリエーテル基(アルコキシル化されたアルコキシ基とも称される)を有する。上記で説明したように、ポリエーテル基は、一般的に、酸素原子を介してケイ素原子に結合されている。本明細書で説明されるようなポリエーテル基は、式−O−(R’−O)m−R”の基であり、式中、例えばR’は、2価の炭化水素であり、R”は、1価の炭化水素であり、mは、少なくとも1である。本明細書で説明されるような少なくとも1つのポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシランは、アルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランと称する場合もある。
このようなケイ素原子に結合した少なくとも1つのポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシランの例は、例えば、US2006/0161015で説明されており、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。
いくつかの実施態様において、ポリエーテル基は、上述したような、すなわち数が少なくとも20個の炭素原子とヘテロ原子とを含む嵩高い基である。ポリエーテル基が嵩高い基である場合、オルガノメルカプトシランは、好ましくは、ケイ素原子に結合した低級アルコキシ基(1〜5個の炭素原子の)を有していてもよい。ポリエーテル基が嵩高い基ではない場合、少なくとも1つの嵩高い基は、好ましくは、オルガノメルカプトシランのケイ素原子に結合していてもよい。
本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシラン中のポリエーテル基は、式−O(R’−O)−R”(式中、R’は、m>1の場合、同一または異なっており、分岐状または直鎖状の、飽和または不飽和の脂肪族2価のC1〜C30炭化水素基であり、mは、平均して1〜30であり、R”は、少なくとも6個の炭素原子、特定には少なくとも9個の炭素原子、より特定には少なくとも11個の炭素原子、さらにより特定には少なくとも12個の原子を有する、非置換のまたは置換された分岐状または直鎖状の1価のアルキル、アルケニル、アリールもしくはアラルキル基である)の基であってもよい。
いくつかの実施態様において、ポリエーテル基は、式−O(R’−O)−R”の基であってもよく、式中、以下のうち少なくとも1つが適用される:
− R’は、独立して、1〜6個の炭素原子、特定には1〜4個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族2価の炭化水素基から選択され、より特定にはエチレンまたはプロピレンの少なくとも1つであり、より特定にはエチレンであり;および/または
− R”は、6〜30個の炭素原子、特定には9〜25個の炭素原子、より特定には11〜20個の炭素原子、さらにより特定には12〜15個の炭素原子を有する直鎖状アルキルであり;および/または
− mは、平均して、1〜15、より特定には2〜10、より特定には3〜7であり、より特定にはmは、平均して5である。
いくつかの特定の実施態様において、R’は、独立して、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族2価の炭化水素基から選択され、R”は、12〜15個の炭素原子を有する直鎖状アルキルであり、mは、平均して3〜7である。
いくつかの実施態様において、本明細書で説明されるようなポリエーテル基は、上記で定義されたような、すなわち炭素とヘテロ原子との総数が少なくとも20個の嵩高い基である。
いくつかの特定の実施態様において、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、少なくとも1つの、特定には2つの、式C1327(OCHCHO−のポリエーテル基を有する。
一般的に、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、式(I)
(式中、RおよびRは、独立して、同一または異なっており、ここでケイ素原子に結合した基(RおよびR)の少なくとも1つが、上記で定義されたような嵩高い基および/またはポリエーテル基であり;
は、分岐状または直鎖状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族、または混成の脂肪族/芳香族の2価のC1〜C30炭化水素基、特定にはC1〜C15炭化水素基、より特定にはC2〜C10炭化水素基、さらにより特定にはC3〜C5炭化水素基であり;
は、H、CNまたは(C=O)−Rであり、ここでRは、分岐状または直鎖状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族、または混成の脂肪族/芳香族の1価のC1〜C30炭化水素基、特定にはC5〜C30炭化水素基、より特定にはC5〜C20炭化水素基、さらにより特定にはC7〜C15炭化水素基、さらにより特定にはC7〜C11炭化水素基である)
で示されるものでもよい。
いくつかの実施態様において、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、式(I)
のアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランであってもよく、
式中、
は、上記で定義されたポリエーテル基であり;
各Rは、独立して、R基、C1〜C12アルキルまたはRO基であり、ここでRは、H、メチル、エチル、プロピル、C9〜C30の分岐状または直鎖状の1価のアルキル、アルケニル、アリールもしくはアラルキル基または(RSi基であり、ここでRは、C1〜C30の分岐状または直鎖状の、アルキルまたはアルケニル基であり;
は、分岐状または直鎖状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族、または混成の脂肪族/芳香族の2価のC1〜C30炭化水素基、特定にはC1〜C15炭化水素基、より特定にはC2〜C10炭化水素基、さらにより特定にはC3〜C5炭化水素基であり;
は、H、CNまたは(C=O)−Rであり、ここでRは、分岐状または直鎖状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族、または混成の脂肪族/芳香族の1価のC1〜C30炭化水素基、特定にはC5〜C30炭化水素基、より特定にはC5〜C20炭化水素基、さらにより特定にはC7〜C15炭化水素基、さらにより特定にはC7〜C11炭化水素基である。いくつかの特定の実施態様において、ケイ素原子に結合した基(RおよびR)の少なくとも1つが、上記で定義されたような、すなわち炭素原子とヘテロ原子との総数が少なくとも20個の嵩高い基である。
いくつかの実施態様において、オルガノメルカプトシランは、式(I)のアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランであり、ここで以下のうち少なくとも1つが適用される:
− Rは、ポリエーテル基(−O(R’−O)−R”)であり、ここでR’は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族2価の炭化水素基から選択され、R”は、12〜15個の炭素原子を有する直鎖状アルキルであり、mは、3〜7であり;および/または
− Rは、独立して、R基であるか、および/またはRO基であり、ここでRは、独立して、メチル、エチルまたはプロピルから選択され;および/または
− Rは、C〜C炭化水素基であり;および/または
− Rは、水素である。いくつかの特定の実施態様において、ケイ素原子に結合した基(RおよびR)の少なくとも1つが、上記で定義されたような、すなわち炭素原子とヘテロ原子との総数が少なくとも20個の嵩高い基である。
いくつかの実施態様において、オルガノメルカプトシランは、式(I)のアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランであり、式中:
− Rは、ポリエーテル基(−O(R’−O)−R”)であり、ここでR’は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族2価の炭化水素基から選択され、R”は、12〜15個の炭素原子を有する直鎖状アルキルであり、mは、3〜7であり;
− Rは、独立して、R基であるか、および/またはRは、RO基であり、ここでRは、独立して、メチル、エチルまたはプロピルから選択され;
− Rは、C〜C炭化水素基であり;
− Rは、水素であり;および場合により、
ケイ素原子に結合した基(RおよびR)の少なくとも1つが、上記で定義されたような、すなわち炭素原子とヘテロ原子との総数が少なくとも20個の嵩高い基である。
特定の実施態様において、オルガノメルカプトシランは、ケイ素原子に結合した少なくとも1つのポリエーテル基および少なくとも1つのエトキシ基を有するアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランであり、より特定には、式
のオルガノメルカプトシランであり、
式中、RO−は、上記で定義されたようなエトキシ(CHO−)またはポリエーテル基である。
いくつかの実施態様において、オルガノメルカプトシランは、少なくとも2つの嵩高なポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシランである。本明細書で説明されるような嵩高なオルガノメルカプトシランおよびアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランは市販されているか、および/または当業界において公知の方法によって製造されてもよい。特定には、本明細書で説明されるようなアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランは、US2006/0161015で説明されているようにして得てもよい。市販の嵩高なアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランの例は、エボニック製のSi363である。
本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランは、ゴム組成物中に、一般的に0.05〜75phr、特定には0.1〜60phr、より特定には0.5〜50phr、さらにより特定には1〜30phr、さらにより特定には5〜15phrの量で存在する。
オルガノメルカプトシランの量は、本明細書で説明されるようなゴム組成物中に存在するシリカの量に基づいていてもよい。例えば、オルガノメルカプトシランの量は、ゴム組成物中に存在するシリカの総重量に基づき、1〜50wt.%、特定には5〜30wt.%、より特定には10〜20wt.%であってもよい。
いくつかの形態において、本発明は、
(A)ゴム;
(B)5〜150phrのシリカ;
(C)0.05〜75phrのケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン;ならびに
(D)0.001〜75phrのロジン含有材料
を含むゴム組成物であって、ここでphrは、ゴム成分(A)100重量部に対する成分(B)、(C)または(D)それぞれの重量部である、上記ゴム組成物に関する。
成分のそれぞれの量は、上記で異なる成分のそれぞれを説明したときに示されたように変動する可能性があり、特定には、ゴム組成物は、上記で各成分につき説明された具体的な量のあらゆる組み合わせを含んでいてもよい。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、ゴム(A)、シリカ(B)、オルガノメルカプトシラン(C)およびロジン含有材料(D)以外の追加成分を含んでいてもよい。
追加の成分の量およびタイプは、それが存在する場合、ゴム組成物の最終用途によって決めてもよい。好適な追加の成分および量は、関連分野の当業者によって決定することができる。追加の成分の例としては、例えば、硬化剤、例えば2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン(DTBPH)または過酸化ジクミル(DCP);硬化剤または加硫剤(例えば、硫黄、ランクセス(Lanxess)製のブルカシット(Vulkacit)CS1.5、ブルカシットD、およびラインケミー(Rheinchemie)製のレノグラン(Rhenogran)IS60−75);マレイミド基を有する活性化剤、例えばシアヌル酸トリアリル(TAC);過酸化物の遅延剤、例えば4−tert−ブチルカテコール(TBC)、メチル置換アミノアルキルフェノールおよびヒドロペルオキシドからの誘導体;促進剤(例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)またはTMTDおよび硫黄);分散剤および加工助剤、例えば油状物(例えばTDAE、ハンセン・アンド・ローゼンタール(Hansen & Rosenthal)から購入したビバテック(Vivatec)(商標)500);樹脂、可塑剤および顔料;シリカ以外の充填剤(例えば上述したもの、例えばカーボンブラック);脂肪酸(例えば、ステアリン酸);酸化亜鉛;ワックス(例えば、ラインケミー製のアンチラックス(Antilux)(商標)654);抗酸化剤(例えば、IPPD、ランクセス製のVulkanox(商標)4010および4020);オゾン劣化防止剤(例えば、スペシャルケム(SpecialChem)製のデュラゾーン(Durazone)(登録商標)37);ペプタイザー(例えば、ジフェニルグアニジン、SDGP、ラインケミー製のブルカシット(商標)IS6075)が挙げられる。
また本発明のいくつかの形態は、本明細書で説明されるようなゴム組成物の製造方法にも関する。
本明細書で説明されるようなゴム組成物を製造するための方法は、
(A)ゴム;
(B)シリカ、
(C)ケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン、ならびに
(D)ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、脱カルボキシル化ロジンおよびロジンエステルから選択されるロジン含有材料
を混合することを含んでいてもよい。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、慣習的に当業界で採用される混合器具および手順を使用することによって、配合またはブレンドされてもよい。
異なる成分(A)〜(D)および他のあらゆる追加の成分は、どのような順番で混合されてもよい。
ゴム組成物に関して上述したことは、異なる成分の個々の量および成分それぞれの特定の例に関して、本明細書で説明されるような製造方法にも適用される。
いくつかの実施態様において、初発のマスターバッチを製造してもよく、ここでマスターバッチは、ゴム成分(A)の一部または全部、一般的に全部、ならびにシリカ成分(B)の全部または一部、およびオルガノメルカプトシラン成分(C)の全部または一部、ロジン含有材料成分(D)の全部または一部から選択される追加の成分を包含し、それに加えて、プロセスオイル、抗酸化剤および当業界において一般的に使用されている他の添加剤などの他の任意の非硬化性添加剤を包含していてもよい。
マスターバッチを製造した後、それに続いて1またはそれより多くの任意の再練り(remill)段階を行うことができ、この段階において、第一の混合物にどの成分も添加されないか、または第一の混合物に、シリカ成分、オルガノメルカプトシラン成分、ロジン含有材料成分、加えて他の非硬化性添加剤の残部の一部または全部が添加される。
マスターバッチおよびそれに続く再練り工程で得られたあらゆる生成物は、一般的にノンプロダクティブなゴム組成物と称される。ノンプロダクティブなゴムは、硬化剤(当業界では加硫剤とも称される)をまったく含まないため、架橋が起こらないと予想される。
次の工程は、混合物への硬化剤の添加であってもよく、それにより当業界では一般的にプロダクティブなゴム組成物として知られているものが提供される。このプロダクティブなゴム組成物は、硬化(または加硫)条件下に晒された場合、架橋ゴム組成物を生じると予想される。本明細書において、架橋ゴム組成物は、硬化ゴム組成物と称されることとなり、これは、当業界では加硫ゴム組成物としても知られている。したがって、本明細書で説明されるような製造方法は、前記プロダクティブなゴム組成物を硬化して、硬化ゴム組成物を提供することをさらに含んでいてもよい。
ゴムは、本明細書で説明されるような組成物の他の成分と混合される前に、前処理されてもよい。例えば、使用されるゴムは、油展ゴム、すなわちエキステンダー油で処理済みのゴム、またはゴム中にシリカが前もって分散されている溶液マスターバッチゴムであってもよい。このような前処理されたゴムは、文献に記載されており、一般的には市販されている。例えば、米国特許第7,312,271号は、有機溶媒中のジエンエラストマーおよびそこに分散された補強シリカ充填剤を含有する溶液マスターバッチゴムの製造を説明している。Rubber World 1998の6月号に記載のLightseyらによる「Silica wet masterbatch」という論文は、従来のSBRまたは他のラテックスの凝固中に、シリカを本質的に全部取り込むことを達成するプロセスを説明している。好適な前処理されたゴムとしては、市販のゴム、例えば靴底やトラックおよび乗用車用タイヤのためのタイヤトレッドコンパウンドのためのゴムが挙げられる。
またシリカは、本明細書で説明されるようなゴム組成物の他の成分に混合される前に、前処理されてもよい。シリカは、本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランで前処理されてもよいし、または本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシラン以外の硫黄を含有するカップリング剤で前処理されてもよい。その代わりに、またはそれに加えて、シリカは、当業界において一般的に使用されている他の成分で前処理されてもよい。前処理されたシリカは、市販されており、および/または公知の方法によって製造されてもよい。例えば、米国特許第5,985,953号は、水性懸濁液中における沈降またはヒュームドシリカと有機ケイ素カップリング化合物との反応により形成された相溶化シリカを説明している。米国特許第8288474号は、シリカに結合したメルカプトアルキルシランおよびシリカに結合したブロック化されたメルカプトアルキルシランを説明している。出版物のEuropean Rubber Journal 191巻、2号:2009年3月/4月、12頁に記載の「PPG’s Agilon silicas ‘eliminate silanisation and outgassing」を参照されたい。市販の前処理されたシリカの特定の例としては、ピッツバーグ・ペイント・アンド・グラス(PPG;Pittsburgh Paint and Glass)インダストリーズ製の、トリアルコキシシランを実質的に含有しないシリカに固定されたメルカプトシランであるシプタン(Ciptane)(商標)255LD、アジロン(Agilon)(商標)400およびHi−Sil(商標)が挙げられる。
本明細書で説明されるようなオルガノメルカプトシランで前処理されたシリカが使用される場合、本明細書で説明されるようなゴム組成物のオルガノメルカプトシランの全部または一部は、前記前処理されたシリカの形態ゴム組成物に添加されてもよい。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、未硬化ゴム組成物(ノンプロダクティブおよびプロダクティブ)および硬化ゴム組成物の両方としての利点を有することが発見された。
したがって、いくつかの実施態様において、本明細書で説明されるようなゴム組成物は、未硬化ゴム組成物であってもよいし、または硬化ゴム組成物であってもよい。いくつかの特定の実施態様において、未硬化ゴム組成物は、ノンプロダクティブまたはプロダクティブな未硬化ゴム組成物であってもよい。
有利なことに、本明細書で説明されるようなゴム組成物は、それを含む製品の製造および特性を改善する。
特定には、本明細書で説明されるようなロジン含有材料を使用することにより、本明細書で説明されるようなロジン含有材料を含まない類似の未硬化ゴム組成物と比較した場合、低下したムーニー粘度および/または改善された機械特性を有する未硬化ゴム(ノンプロダクティブおよび/またはプロダクティブ)を提供することができる。用語「類似の組成物」は、組成物の全成分において、さらにそれらの材料および量の選択に関して本発明の組成物と同じである比較組成物を意味するが、ただし類似の組成物は、本発明の組成物の一部であるロジン含有材料(すなわち成分D)のいずれも含有しない。
本明細書で説明されるようなゴム組成物、特定には未硬化ゴムは、ロジン含有材料を含まない類似の組成物で得られたムーニー粘度より、1〜65%低い、特定には2.5〜50%低い、より特定には5〜25%低い、さらにより特定には7.5〜15%低いムーニー粘度を提示し得る。ムーニー粘度は、ASTM−D1646−8911(ISO289)で説明されている手順に従って決定することができる。未硬化ゴムの場合、ムーニー粘度は、100℃で測定され得る。
また本明細書で説明されるようなロジン含有材料を使用することにより、本明細書で説明されるようなロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物と比較した場合、改善された機械的引張特性を有する、ゴム組成物、硬化または未硬化の、特定には未硬化の、より特定には未硬化のプロダクティブなゴム組成物(生ゴム(green rubber)としても知られている)、を提供することができる。ゴムの機械的引張特性は、未硬化ゴムの場合はASTM6746−10および硬化ゴムの場合はISO37で説明されている手順などの標準的な手順を使用して測定することができる。当業界で一般的に使用されている、測定することができるパラメーターとしては、50%の伸び(M50)、200%の伸び(M200)および300%の伸び(M300)で測定された引張強度;破断点引張強度(TB);ならびに破断点伸び(EB)が挙げられる。M200/M50およびM300/M50の比率は、ゴム組成物の補強特性に関する理解を与える。
本明細書で説明されるようなゴム組成物、特定には未硬化ゴム組成物、より特定には未硬化のプロダクティブなゴム組成物は、本明細書で説明されるようなロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物のM200/M50の比率より、1〜50%高い、特定には2〜35%高い、より特定には5〜25%高いM200/M50の比率を有していてもよい。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、未硬化でも硬化でも、本明細書で説明されるようなロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物の破断点伸びより、5〜75%高い、特定には10〜60%高い、より特定には25〜50%高い破断点伸びを有していてもよい。
特定には、本明細書で説明されるような未硬化ゴム組成物のM200/M50の比率、ならびに本明細書で説明されるような硬化および未硬化ゴム組成物の破断点伸びを、ゴム組成物の破断点引張強度に有害な影響を及ぼすことなく改善することができることが発見された。
また本明細書で説明されるようなロジン含有材料を使用することにより、特に硬化されている場合、60℃で、本明細書で説明されるようなロジン含有材料を含まない類似の硬化ゴム組成物と比較して低下したtanδを示すゴム組成物を提供することもできる。当業界では公知であるように、60℃で測定されたtanδ(60℃tanδ)は、動的機械損失と貯蔵係数との比率であり、タイヤで使用される場合、ゴムの転がり抵抗の予測変数である。ゴムの60℃におけるtanδが低ければ低い程、タイヤの転がり抵抗はより低くなる。したがって、本明細書で説明されるようなロジン含有材料を使用することにより、機械特性を改善しつつも、転がり抵抗に対して無視できる程度の作用しかない硬化ゴム組成物を提供することができる。本明細書で説明されるような硬化ゴム組成物の動的粘弾性、特定には60℃のtanδは、当業界において公知の標準的な方法、例えばRubber World、2008年1月1日、「Prediction of dynamic mechanical properties for tire tread compounds」で説明されている方法を使用して測定することができる。測定を行うためには、動的機械的分析器(DMA)、例えばメトラビブ(Metravib)(フランス)によって製造されたモデルDMA+450を使用することができる。例示的な試験条件としては、例えば、10Hzの周波数、および−80から+80℃で0.1%の歪が挙げられる。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、硬化されている場合、剪断モード下で10Hzの周波数および0.1%の歪で試験した場合、ロジン含有材料を含まない類似の硬化ゴム組成物の60℃のtanδより、20%未満、特定には15%未満、より特定には10%未満低い60℃のtanδを有していてもよい。
本発明のいくつかの形態は、ゴム組成物における、ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、脱カルボキシル化ロジンおよびロジンエステルから選択されるロジン含有材料(成分D)の使用であって、
該ゴム組成物は、ゴム(成分A);シリカ(成分B);および上述したようなケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン(成分C)をさらに含み、
該ゴム組成物が硬化されていない場合、成分Dを含まない類似の未硬化ゴム組成物と比較して低下したムーニー粘度および/または改善された機械特性を有するゴム組成物を得るため;および/または該ゴム組成物が硬化されている場合、成分Dを含まない類似の硬化ゴム組成物と比較して好適な転がり抵抗を有するゴム組成物を得るためである、上記使用に関する。
本明細書で説明されるような製造方法により、ゴム組成物に関して上述した特性のいずれかを有するゴム組成物を得ることができる。ゴム組成物に関して上述したこと、特定には:
− 異なる成分の個々の量;
− それぞれの成分の特定の例;および
− ムーニー粘度、機械特性(例えばM200/M50の比率、破断点伸びおよび破断点引張強度)および60℃のtanδ
に関して上述したことも、本明細書で説明されるようなゴムの使用、製造方法および用途に適用される。
本明細書で説明されるようなゴム組成物は、多数の用途、例えばタイヤおよび工業用ゴム製品(例えばコンベヤーベルトおよび靴底)で使用することができる。
特定には、本明細書で説明されるようなゴム組成物は、タイヤ、より特定にはタイヤトレッドで有利に使用することができる。したがって、いくつかの形態において、本発明は、本明細書で説明されるようなゴム組成物を含むタイヤ、およびタイヤのトレッドに本明細書で説明されるようなゴム組成物を含むタイヤに関する。
本明細書で説明されるようなゴム組成物を含むタイヤは、一般的に、ゴム(A)、シリカ(B)、オルガノメルカプトシラン(C)およびロジン含有材料(D)に加えて、他の成分を含んでいてもよい。追加の成分の例としては、上述したようなゴム組成物中に存在し得る追加の成分のいずれかが挙げられる。
また本発明の他の形態は、硬化ゴム組成物の機械特性を改善するための方法にも関し、特定には、タイヤの機械特性を改善するための方法であって、ここで該タイヤは、本明細書で説明されるようなゴム組成物を含む、上記方法にも関する。
特定には、本発明は、ゴム組成物が硬化されている場合、改善された機械特性(例えば、引張強度)を有するゴム組成物を得るための、ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、脱カルボキシル化ロジンおよびロジンエステルから選択されるロジン含有材料(成分D)の使用であって、該ゴム組成物は、
ゴム(成分A);
シリカ(成分B);および
上述したようなケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン(成分C)
をさらに含む、上記使用に関する。特定の実施態様において、ゴム組成物は、タイヤに含まれる。
本発明を以下の実施例でさらに例示するが、それらに限定されたり、またはそれらによって限定されたりない。
ゴム組成物の製造
表1に詳述される調合物を用いてゴム組成物を製造した。製造されたゴム組成物は、表1)に記載の使用されたロジン含有材料(成分D)の量および鉱油の量において異なっていた。
使用されたゴムは、70部の溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)(ランクセスから入手したブナVSL VP PBR4041(Buna VSL VP PBR4041)(商標))、30部のブタジエンゴム(BR)(ランクセスから入手したブナCB24(商標))を含むゴム混合物からなっていた。
シリカは、沈降シリカ(エボニックから入手したウルトラシル(商標)7000GR)であった。
実施例2〜5において、ロジン含有材料は、63℃の軟化点および168mgKOH/gの酸価を有するトール油ロジン(シルバロス(Sylvaros)(商標)85ロジン、アリゾナ・ケミカル社(Arizona Chemical Company)より入手可能)であった。
実施例6において、ロジン含有材料は、83℃の軟化点および168mgKOH/gの酸価を有するガムロジン(シルバトラックス(Sylvatraxx)(商標)1001ロジン、アリゾナ・ケミカル社より入手可能)であった。
実施例7において、ロジン含有材料は、160mgKOH/gの酸価および100℃の軟化点を有する二量体化ロジン(ILREZ(商標)ロジン、イーデス・キミア社(Ildes Kimya Ltd.)より入手可能)であった。
実施例8において、ロジン含有材料は、155mgKOH/gの酸価および60℃の軟化点を有する不均化ロジン(アビエータ(Abieta)(商標)DR836Aロジン、アリゾナ・ケミカル社より入手可能)であった。
実施例9において、ロジン含有材料は、56mgKOH/gの酸価およびスピンドル21を用いて50℃で179cPsのブルックフィールド粘度を有する脱カルボキシル化ロジン(シルバロス(商標)85ロジン、アリゾナ・ケミカル社より入手可能)であった。
実施例10において、ロジン含有材料は、4mgKOH/gの酸価および102℃の軟化点を有するロジンエステル(シルバリタ(Sylvalite)(商標)RE105XLロジンエステル、アリゾナ・ケミカル社より入手可能)であった。
オルガノメルカプトシランは、エボニックから購入したアルコキシル化されたアルコキシプロピルメルカプトシランSi363であった。
カーボンブラック(CB)は、オリオン・エンジニアード・カーボンズ(Orion Engineered Carbons)から購入したコラックス(Corax)(商標)N234であった。
鉱油は、処理済み蒸留芳香族抽出物(TDAE、ハンセン・アンド・ローゼンタールから購入したビバテック(Vivatec)(商標)500)であった。
使用された抗酸化剤は、1phrのN−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD、ランクセスから購入したブルカノックス(Vulkanox)(商標)4010)、2phrのN−(1,3ジメチルブチル)−N’フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD、ランクセスから購入したブルカノックス(商標)4020)および0.5phrの2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(TMQ、ランクセスから購入したブルカノックス(商標)HS)であった。
ワックスは、ドイツのラインケミーから購入したアンチラックス(商標)654であった。
加硫パッケージは、3phrの酸化亜鉛(グリロ(Grillo)から購入したジンクオキサイドレッドシール(Zinc Oxide Red Seal)(商標))、1phrのステアリン酸、1.5phrのN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS、ドイツのラインケミーから購入したレノグラン(登録商標)CBS−80)、2phrのジフェニルグアニジン(SDPG、ドイツのラインケミーから購入したレノグラン(登録商標)DPG−80)および2phrの硫黄(ドイツのラインケミーから購入したレノグラン(登録商標)IS60−75)からなっていた。
表1に示した異なる量のロジンを含むゴム組成物を、4工程の混合プロトコールを使用して、実験室スケールのブラベンダー(Brabender)型内部ミキサー(サーモサイエンティフィックミキサー(Thermo Scientific Mixer)製の、ハーケ・レオミックスOS(Haake Rheomix OS)およびポリラボOS(Polylab OS))で混合することによって製造した。
第一工程において、ミキサーにゴムSBRおよびBRを導入し、50℃および100rpmで加熱した。0.5分後、ゴムに、ロジン含有材料(0〜4.0phr)、21.2phrのシリカ、10.0phrのカーボンブラック、4.2〜5.3phrの鉱油(TDAE)およびステアリン酸を添加した。
混合物を100RPMで0.5分混合し、さらに18.6phrのシリカ、3.7〜4.6phrの鉱油(TDAE)および6.67phrのオルガノメルカプトシランSi363を混合物に添加した。
混合物を100RPMで0.5分混合し、さらに13.3phrのシリカ、2.7〜3.3phrの鉱油(TDAE)および酸化亜鉛を混合物に添加した。
ローターの速度を、153℃の温度に達するように設定した。その温度に達したとき、混合物をミキサーから放出させ、室温でそのまま冷却させて、第一のノンプロダクティブなゴム混合物(段階1のゴム)を得た。
第二工程において、段階1のゴムをミキサーに戻し、100RPMに設定した。0.5分後に、13.5phrのシリカ、3.33phrのオルガノメルカプトシランSi363、3.5phrの抗酸化剤(1phrのブルカノックス4010、2phrのブルカノックス4020、0.5phrのブルカノックスHS)および1.0phrのワックス(アンチラックス654)を混合物に添加した。0.5分後に13.5phrのシリカを混合物に添加した。次いでローターの速度を、146℃の温度に達するように設定した。その温度に達したとき、混合物をミキサーから放出させ、室温でそのまま冷却させて、第二のノンプロダクティブなゴム混合物(段階2のゴム)を得た。
第三工程において、段階2のゴムをミキサーに戻し、100RPMに設定した。ローターの速度を、混合物が143℃の温度に達するように設定した。その温度に達したとき、混合物をミキサーから放出させ、室温でそのまま冷却させて、第三のノンプロダクティブなゴム混合物(段階3のゴム)を得た。
第四工程において、段階3のゴムをミキサーに戻し、ローターを80RPMに設定した。5.5phrの加硫パッケージ(1.5phrのレノグランCBS−80、2phrのレノグランDPG−80、2phrのレノグランIS60−75)を混合物に添加した。ローターの速度を、混合物が100℃の温度に達するように設定した。その温度に達したとき、混合物をミキサーから放出させ、室温でそのまま冷却させて、最終のプロダクティブな混合物(最終段階)を得た。
最終のプロダクティブな混合物を160℃で15分間硬化して、動的および引張強度の機械的試験に使用した。
ゴム組成物の性能
以下でより詳細に説明されるように、実施例1〜5のゴム組成物を、異なる生産段階で、ムーニー粘度、機械的引張特性および動的機械的粘弾性などの異なる特性に関して試験した。
ムーニー粘度
段階1で、実施例1〜10のゴム組成物の大ローターのムーニー粘度を、ASTM−D1646−8911(ISO289)で説明されている手順に従って決定した。試験を、大ローターを使用して100℃で行った。サンプルを試験温度で1分予熱してからローターを始動させ、次いでムーニー粘度(100℃でML(1+4))を、ローターを2rpmで4分回転させた後のトルクとして記録した(平均剪断速度は約1.6s−1)。表2aおよび表2bに、100℃でML(1+4)の場合の結果を示す。
最終のプロダクティブなゴム混合物の粘度を、硬化プロセス(ML160℃)中に硬化する前にトルクを測定することによって特徴付けた。これを、ISO6502またはASTMD5289手順に従って、硬化プロセスをモニターするためのプレスコット・レオライン可動ダイ式レオメーター(Prescott Rheo-Line Moving Die Rheometer)を使用して最小トルクを記録することによって行った。使用された試験条件は、1.67Hzの周波数および160℃で7%の歪であった。表2aおよび表2bに、ML160℃下で記録された最小トルクを示す。
表2aからわかるように、ロジンを含む未硬化ゴム混合物(実施例2〜4の段階1のゴム)のムーニー粘度(100℃でのML(1+4))は、ロジンを含まないゴム組成物の未硬化混合物(比較例1)と比較して大幅に減少する。
さらに表2aからわかるように、ロジン酸の存在下では(実施例2〜4)、最小トルク(ML)も低下した。
表2bからわかるように、ロジンを含む未硬化ゴム混合物(実施例5〜10の段階1のゴム)のムーニー粘度(100℃でのML(1+4))は、ロジンを含まないゴム組成物の未硬化混合物(比較例1)と比較して減少する。
さらに表2bからわかるように、ロジン含有材料の存在下では(実施例5〜10)、最小トルク(ML)も低下した。
100℃と160℃の両方における粘度の低減は、ロジン酸とオルガノメルカプトシランの両方を含むゴム組成物から得られる製品の生産を有意に改善することができることを意味する。
特定には、ノンプロダクティブなストック(段階1)におけるより低い100℃でのML(1+4)は、最終ストック(最終段階)におけるより優れたグリーン機械特性と共に、取り扱いの容易さや混合プロセスの継続性などのより優れたゴム加工を容易にすると予想され、それにより工場での生産性および製造の処理量を大いに増加させると予想される。
機械的引張特性
最終のプロダクティブなゴム混合物(未硬化、生ゴムとしても知られている)の機械的引張特性を、ASTM6746−10で説明されている標準的な手順を使用して測定した。未硬化のグリーン機械特性を21℃で測定した。力の読み取り値は、試験片の元の断面積を参考にした公称応力として示される。
引張強度の測定に使用された未硬化ゴム組成物の試験片は、長さ10cm、幅10mmおよび厚さ2.5mmの長方形の形状を有していた。試験片を100℃で5分間加熱し、その後21℃で試験した。試験速度は100mm/分であり、試験結果は3回の測定の平均である。グリーン引張特性は、カレンダー加工、押出し、およびタイヤ成形などのプロセスに関する重要な特性である。これらの特性は、タイヤ成形で使用されるゴムコンパウンドにとって重要である。グリーン引張特性が低いゴムコンパウンドを用いて成形されたタイヤ、特定にはラジアルタイヤは、例えば、硬化前の押出し中に失敗する可能性がある。
50%の伸び(M50)および200%の伸び(M200)で引張強度を測定した。破断点引張強度も測定したところ、これは、試験片が破断したときに適用された負荷(破断点引張強度、TB)と一致した。破断点伸び(EB)および応力−歪曲線下面積(引張靭性)も記録した。表3aおよび表3bに結果を示す。M200/M50の比率も提示する。
表3aからわかるように、破断点伸び(EB)は、TORの存在下で有意に増加する。M50およびM200は、TORの存在下でわずかに低下する。より有意なことに、M50に対するM200の比率は増加する。M200/M50の増加は、ゴム組成物中の補強特性の増加を示す。これは、ゴム組成物の結合性、充填剤(このケースではシリカ)の分散、およびゴムとシリカとの相互作用が改善されていることを意味する。
一方で、引張強度は、ロジンの存在により有害な影響を受けない(引張強度は本質的に一定である)。
表3bからわかるように、破断点伸び(EB)は、ガムロジンの存在下で有意に増加する。引張強度は、ロジンエステルの場合に有意に改善される。
硬化ゴムの機械的引張特性を、21℃で、ISO37で説明されている標準的な手順を使用して測定した。160℃で15分で硬化されたゴムの試験片を、厚さ2.5mmおよび幅6mmのISO−37タイプ1のダイカッターに従ってダンベル型の切断物にした。引張試験には、25mmの特別なゲージ長さを使用した。
表3cからわかるように、破断点伸び(EB)は、TORの存在下で有意に増加する。M50およびM300は、TORの存在下でわずかに低下する。より有意なことに、M50に対するM300の比率は、減少する。M300/M50の減少は、ゴム組成物における補強特性の減少を示す。これは、ゴム組成物の結合性、充填剤(このケースではシリカ)の分散およびゴムとシリカとの相互作用がわずかに低下することを意味する。
一方で、引張強度は、ロジンの存在により有害な影響を受けない(引張強度は本質的に一定である)。
表3dからわかるように、破断点伸び(EB)は、ロジン、二量体化ロジンおよび脱カルボキシル化ロジンの存在下で増加するかまたは一定である。ロジンの添加(実施例5〜10)は、M50またはM300に対する作用を制限した。
引張強度は、ロジン、二量体化ロジン、不均化ロジンおよび脱カルボキシル化ロジンの存在下で改善される。引張強度は、ロジンエステルの存在下では一定のままである。
動的機械的粘弾性の測定
フランスのメトラビブによって製造された動的機械的分析器モデルDMA+450を使用した温度掃引実験から、硬化ストックの動的粘弾性をから得た。
剪断モードで平面剪断(二重の単純剪断)の立体配置を有するサンプルホルダーに硬化ゴム組成物の試験片を取り付けることにより、試験を行った。試験条件は、10Hzの周波数、および−80から+80℃で0.1%の歪であった。貯蔵弾性率(G’)および損失弾性率(G”)、tanδ(G”とG’との比率)、動的歪および力、剪断速度、粘度、ならびにトルクなどのレオロジーデータを記録した。
通常、異なる温度で測定されたtanδ値は、数種のタイヤの性能を予測するのに使用される。例えば、タイヤの転がり抵抗およびウェットでの静止摩擦はどちらも、タイヤ使用によるエネルギー損失によって決定されるが、様々な変形の規模と周波数を含む。これらのエネルギー損失は、−100℃から100℃の温度の関数として選択された歪レベルを用いた1〜10Hzの周波数範囲におけるゴムの動的粘弾性によってうまく測定することができる。したがって、転がり抵抗の予測変数としての60℃におけるtanδの使用は、タイヤ産業で広く行われている。比較例1および実施例2〜4のゴム組成物の60℃におけるtanδを、剪断モード下で10Hzの周波数および0.1%の歪で測定した。
表4aからわかるように、60℃におけるtanδは、TORの存在下でわずかに増加する。これは、ロジンの存在は、タイヤの転がり抵抗に対して無視できる程度の作用しかないことを示す。
表4bからわかるように、60℃におけるtanδは、TOR、ゴムおよび二量体化ロジンの存在下でわずかに増加する。60℃におけるtanδは、ロジンエステルの存在下でわずかに減少し、不均化および脱カルボキシル化ロジンの存在下で安定である。これは、ロジンの存在は、タイヤの転がり抵抗に対して無視できる程度の作用しかないことを示す。
本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1]
ゴム組成物であって、
(A)ゴム;
(B)シリカ;
(C)ケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン、および
(D)ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、脱カルボキシル化ロジンおよびロジンエステルの少なくとも1つから選択されるロジン含有材料(少なくとも1種のロジン化合物およびそれらの誘導体を含む)
を含み、
該嵩高い基が、少なくとも20個の、炭素原子と存在する場合はヘテロ原子との総数を有する、上記ゴム組成物。
[2]
前記ロジン含有材料が、0.5〜210mgKOH/g、特定には1〜205mgKOH/g、より特定には1.5〜200mgKOH/g、さらにより特定には2〜195KOH/gの酸価を有し;および/または40〜170℃、特定には45〜160℃、より特定には50〜150℃、さらにより特定には55〜145℃の軟化点を有する、[1]に記載の組成物。
[3]
前記ロジン含有材料が、ロジンまたはその誘導体であり、特定にはトール油ロジン、ガムロジン、およびウッドロジンから選択され、より特定には前記ロジン含有材料が、トール油ロジンである、[1]または[2]に記載のゴム組成物。
[4]
前記オルガノメルカプトシランが、ケイ素原子に結合した嵩高い基およびポリエーテル基の両方を有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[5]
前記嵩高い基が、少なくとも22個、より特定には少なくとも24個、より特定には少なくとも28個の、炭素原子と存在する場合はヘテロ原子との総数を有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[6]
前記嵩高い基が、R−基またはRO−基であり、ここでRは、分岐状または直鎖状の1価または2価のアルキル、アルケニル、アリールもしくはアラルキル基であり;場合によりRは置換されていてもよい、[1]〜[5]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[7]
前記ポリエーテル基が、式−O(R’−O) −R”
(式中、
R’は、m>1の場合、同一または異なっており、分岐状または直鎖状の、飽和または不飽和の、脂肪族2価のC1〜C30炭化水素基であり;
mは、平均して1〜30であり;
R”は、少なくとも7個の炭素原子、特定には少なくとも9個の炭素原子、より特定には少なくとも11個の炭素原子、より特定には少なくとも12個の原子を有する、非置換のまたは置換された、分岐状または直鎖状の1価のアルキル、アルケニル、アリールもしくはアラルキル基である)
を有する、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[8]
R’は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族2価の炭化水素基から選択され;
mは、3〜7であり;
R”は、12〜15個の炭素原子を有する直鎖状アルキルである、[7]に記載のゴム組成物。
[9]
前記ポリエーテル基が、少なくとも20個、特定には少なくとも22個、より特定には少なくとも24個、より特定には少なくとも28個の、炭素原子とヘテロ原子との総数を有する、[1]〜[8]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[10]
前記オルガノメルカプトシランが、式(I)
(式中、R およびR は、独立して、同一または異なっており、ここでR およびR の少なくとも1つは、[1]および[5]〜[9]のいずれか一項で定義された嵩高い基および/またはポリエーテル基であり;
は、分岐状または直鎖状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族、または混成の脂肪族/芳香族の2価のC1〜C30炭化水素基、特定にはC1〜C15炭化水素基、より特定にはC2〜C10炭化水素基、さらにより特定にはC3〜C5炭化水素基であり;
は、H、CNまたは(C=O)−R であり、ここでR は、分岐状または直鎖状の、飽和または不飽和の、脂肪族、芳香族、または混成の脂肪族/芳香族の1価のC1〜C30炭化水素基、特定にはC5〜C30炭化水素基、より特定にはC5〜C20炭化水素基、さらにより特定にはC7〜C15炭化水素基、さらにより特定にはC7〜C11炭化水素基である)
のオルガノメルカプトシランである、[1]〜[9]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[11]
は、ポリエーテル基であり;
各R は、独立して、R 基、C1〜C12アルキルまたはR O基であり、ここでR は、H、メチル、エチル、プロピル、C9〜C30の分岐状または直鎖状の1価のアルキル、アルケニル、アリールもしくはアラルキル基または(R Si基であり、ここでR は、C1〜C30の分岐状または直鎖状の、アルキルまたはアルケニル基である、[10]に記載のゴム組成物。
[12]
は、R 基および/またはR O基であり、ここでR は、独立して、メチル、エチルおよびプロピルから選択され;
は、C 〜C 炭化水素基であり;
は、水素である、[11]に記載のゴム組成物。
[13]
前記オルガノメルカプトシランが、ケイ素原子に結合したポリエーテル基およびエトキシ基を有し、式
(式中、RO−は、エトキシ(CH O−)またはポリエーテル基である)
のオルガノメルカプトシランである、[12]に記載のゴム組成物。
[14]
前記ゴム(A)が、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)、ポリブタジエン(BR)、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエン/イソプレンコポリマー(IIR)、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマー(SIBR)、およびイソプレン/スチレンコポリマーの少なくとも1つから選択される、[1]〜[13]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[15]
前記オルガノメルカプトシラン(C)の量が、0.05〜75phr、特定には0.1〜60phr、より特定には0.5〜50phr、より特定には1〜30phr、さらにより特定には5〜15phrであり、ここでphrは、ゴム成分(A)100重量部に対するオルガノメルカプトシランの重量部である、[1]〜[14]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[16]
前記ロジン含有材料(D)の量が、0.001〜75phr、特定には0.01〜50phr、特定には0.1〜25phr、より特定には0.25〜10phr、さらにより特定には0.5〜5.0phrであり、ここでphrは、ゴム成分(A)100重量部に対するロジン含有材料の重量部である、[1]〜[17]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[17]
前記シリカ(B)の量が、5〜150phr、特定には25〜130phr、特定には40〜115であり、ここでphrは、ゴム成分(A)100重量部に対するシリカの重量部である、[1]〜[16]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[18]
5〜150phrのシリカ(B)、0.05〜75phrのオルガノメルカプトシラン(C)および0.001〜75phrのロジン含有材料(D)を含み、ここでphrは、ゴム成分(A)100重量部に対する成分(B)、(C)または(D)それぞれの重量部である、[1]〜[17]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[19]
前記ゴム組成物が段階1にある場合、ロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物のムーニー粘度より、1〜75%低い、特定には2.5〜50%低い、より特定には5〜25%低い、さらにより特定には7.5〜15%低いムーニー粘度を有する、[1]〜[18]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[20]
前記ゴム組成物が硬化されていない場合、50%の伸びで測定された引張強度に対する200%の伸びで測定された引張強度の比率(M200/M50の比率)が、ロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物のM200/M50の比率より、1〜50%高い、特定には2〜35%高い、より特定には5〜25%高い、[1]〜[19]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[21]
ロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物の破断点伸びより、5〜75%高い、特定には10〜60%高い、より特定には25〜50%高い破断点伸びを有する、[1]〜[20]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[22]
前記ゴム組成物が硬化されている場合、ロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物の60℃におけるtanδより、10%未満高い、特定には5%未満高い、より特定には3%未満高い60℃におけるtanδを有し、ここで60℃におけるtanδは、剪断モード下で10Hzの周波数および0.1%の歪で測定される、[1]〜[21]のいずれか一項に記載のゴム組成物。
[23]
[1]〜[22]のいずれか一項に記載のゴム組成物を含むタイヤ。
[24]
ゴム組成物における、ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、脱カルボキシル化ロジンおよびロジンエステルから選択されるロジン含有材料(成分D)の使用であって、該ゴム組成物は、
ゴム(成分A);
シリカ(成分B);および
ケイ素原子に結合した嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン(成分C)であり、該嵩高い基が、少なくとも20個の、炭素原子と存在する場合はヘテロ原子との総数を有する、上記成分C
をさらに含み、
該ゴム組成物が硬化されていない場合、成分Dを含まない類似の未硬化ゴム組成物と比較して低下したムーニー粘度および/または改善された機械特性を有するゴム組成物を得るため;および/または
該ゴム組成物が硬化されている場合、成分Dを含まない類似の硬化ゴム組成物と比較して改善された引張強度を有するゴム組成物を得るためである、上記使用。
[25]
[1]〜[22]のいずれか一項に記載のゴム組成物を製造するための方法であって、
(A)ゴム;
(B)シリカ;
(C)嵩高い基および/またはポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシランであり、該嵩高い基が、少なくとも20個の、炭素原子と存在する場合はヘテロ原子との総数を有する、上記オルガノメルカプトシラン;ならびに
(D)ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、脱カルボキシル化ロジンおよびロジンエステルから選択されるロジン含有材料
を混合することを含む、上記方法。

Claims (10)

  1. ゴム組成物であって、
    (A)ゴム;
    (B)シリカ;
    (C)ケイ素原子に結合したポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン、および
    (D)ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、および不均化ロジンの少なくとも1つから選択されるロジン含有材料(少なくとも1種のロジン化合物およびそれらの誘導体を含む)
    を含み、
    前記オルガノメルカプトシランは、式(I)
    のアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランであり、式中:
    は、ポリエーテル基(−O(R’−O)−R”)であり、ここでR’は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族2価の炭化水素基から選択され、R”は、12〜15個の炭素原子を有する直鎖状アルキルであり、mは、3〜7であり;
    は、独立して、R基であるか、および/またはRは、RO基であり、ここでRは、独立して、メチル、エチルまたはプロピルから選択され;
    は、C〜C炭化水素基であり;
    は、水素であり、
    前記ロジン含有材料が、125〜190mgKOH/gの酸価を有するロジン、120〜190mgKOH/gの酸価を有する二量体化ロジン、140〜180mgKOH/gの酸価を有する水素化ロジン、および130〜180mgKOH/gの酸価を有する不均化ロジンの少なくとも1つから選択され、
    前記ロジン含有材料が40〜170℃の軟化点を有し、
    前記シリカ(B)の量が5〜150phrであり、前記オルガノメルカプトシラン(C)の量が0.05〜75phrであり、前記ロジン含有材料(D)の量が0.001〜75phrであり、ここでphrは、ゴム成分(A)100重量部に対するシリカ(B)、オルガノメルカプトシラン(C)、又はロジン含有材料(D)の重量部であり、
    前記ゴム組成物が硬化されていない場合、50%の伸びで測定された引張強度に対する200%の伸びで測定された引張強度の比率(M200/M50の比率)が、ロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物のM200/M50の比率より、1〜50%高い、
    上記ゴム組成物。
  2. 前記ロジン含有材料が、ロジンまたはその誘導体である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記オルガノメルカプトシランが、ケイ素原子に結合したポリエーテル基およびエトキシ基を有し、式
    (式中、RO−は、エトキシ(CHO−)またはポリエーテル基である)
    のオルガノメルカプトシランである、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム(A)が、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)、ポリブタジエン(BR)、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエン/イソプレンコポリマー(IIR)、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマー(SIBR)、およびイソプレン/スチレンコポリマーの少なくとも1つから選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 前記ゴム組成物が硬化されていない場合、ロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物のムーニー粘度より、1〜75%低いムーニー粘度を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  6. ロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物の破断点伸びより、5〜75%高い破断点伸びを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  7. 前記ゴム組成物が硬化されている場合、ロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物の60℃におけるtanδより、10%未満高い60℃におけるtanδを有し、ここで60℃におけるtanδは、剪断モード下で10Hzの周波数および0.1%の歪で測定される、請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物を含むタイヤ。
  9. ゴム組成物における、ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、および不均化ロジンから選択されるロジン含有材料(成分D)の使用であって、該ゴム組成物は、
    ゴム(成分A);
    シリカ(成分B);および
    ケイ素原子に結合したポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン(成分C)
    をさらに含み、
    該ゴム組成物が硬化されていない場合、成分Dを含まない類似の未硬化ゴム組成物と比較して低下したムーニー粘度および/または改善された機械特性を有するゴム組成物を得るため;および/または
    該ゴム組成物が硬化されている場合、成分Dを含まない類似の硬化ゴム組成物と比較して改善された引張強度を有するゴム組成物を得るためであり、
    前記オルガノメルカプトシランは、式(I)
    のアルコキシル化されたアルコキシオルガノメルカプトシランであり、式中:
    は、ポリエーテル基(−O(R’−O)−R”)であり、ここでR’は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪族2価の炭化水素基から選択され、R”は、12〜15個の炭素原子を有する直鎖状アルキルであり、mは、3〜7であり;
    は、独立して、R基であるか、および/またはRは、RO基であり、ここでRは、独立して、メチル、エチルまたはプロピルから選択され;
    は、C〜C炭化水素基であり;
    は、水素であり、
    前記ロジン含有材料が、125〜190mgKOH/gの酸価を有するロジン、120〜190mgKOH/gの酸価を有する二量体化ロジン、140〜180mgKOH/gの酸価を有する水素化ロジン、および130〜180mgKOH/gの酸価を有する不均化ロジンの少なくとも1つから選択され、
    前記ロジン含有材料が40〜170℃の軟化点を有し、
    前記シリカ(B)の量が5〜150phrであり、前記オルガノメルカプトシラン(C)の量が0.05〜75phrであり、前記ロジン含有材料(D)の量が0.001〜75phrであり、ここでphrは、ゴム成分(A)100重量部に対するシリカ(B)、オルガノメルカプトシラン(C)、又はロジン含有材料(D)の重量部であり、
    前記ゴム組成物が硬化されていない場合、50%の伸びで測定された引張強度に対する200%の伸びで測定された引張強度の比率(M200/M50の比率)が、ロジン含有材料を含まない類似のゴム組成物のM200/M50の比率より、1〜50%高い、
    上記使用。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載のゴム組成物を製造するための方法であって、
    (A)前記ゴム;
    (B)前記シリカ;
    (C)前記ポリエーテル基を有するオルガノメルカプトシラン;ならびに
    (D)前記ロジン、二量体化ロジン、水素化ロジン、および不均化ロジンから選択されるロジン含有材料
    を混合することを含む、上記方法。
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