JP6285356B2 - 沸騰冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、沸騰現象を利用して機器を冷却する沸騰冷却装置に関する。
近年の半導体技術の進展に伴い、半導体素子の発熱密度が急増している。このため冷却性能の高い冷却装置が求められている。そこで例えば特許文献1などにより、冷媒を沸騰させ、沸騰現象により熱を輸送する沸騰冷却装置が知られている。沸騰冷却装置は、冷媒の相変化による蒸発熱輸送を伴うため、高い冷却性能を持つ。
日本国特開2011−21789号公報
上述したような沸騰冷却装置の加熱部に、熱源が過度に大きな熱流束を与えると冷媒が膜沸騰を起こし、加熱部でバーンアウトが生じてしまう。このようにバーンアウトを生じさせる熱流束を限界熱流束と呼ぶ。沸騰冷却装置は、この限界熱流束以下の熱流束が加熱部に伝えられるという環境で使用される。
一般に沸騰冷却装置において、この限界熱流束を高める試みが行われているが、長期使用による経時変化が問題となり、信頼性に乏しいものであった。このため発熱量の大きな熱源の冷却には適用しにくかった。
また沸騰冷却装置の冷媒として純水を用いる場合には、純水の沸点は大気圧下で100℃であり、空気混入による冷却システムの放熱阻害を回避するために少なくとも大気下以上で沸騰冷却装置を作動させるためには、沸騰冷却装置は加熱部が100℃以上の温度で沸騰現象を利用した冷却を行う。このように動作温度が100℃以上の沸騰冷却装置は、例えば熱源が100℃未満の耐熱温度を有する半導体素子の冷却に用いることができない。そこで、耐熱温度の低い熱源も冷却できるように、大気圧以上を保ちながら、低い温度で本来の冷却性能を発揮できる沸騰冷却装置が求められる。
そこで本発明は、限界熱流束が高く、高い圧力かつ低い温度で動作可能な沸騰冷却装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、
熱源からの熱が伝えられる加熱部を下部に備え、内部に冷媒が封入された密閉チャンバを有し、前記加熱部から前記冷媒へ熱を伝えることにより熱源を冷却する沸騰冷却装置であって、
前記密閉チャンバの中には、第一冷媒と、前記第一冷媒とは溶解しない第二冷媒とが封入されており、
熱源が熱を生じる前の状態において前記密閉チャンバ内には、液体の前記第一冷媒と、液体の前記第二冷媒と、気体の前記第一冷媒と気体の前記第二冷媒とを含む混合蒸気とが存在している沸騰冷却装置が提供される。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記第二冷媒は、前記第一冷媒よりも高い沸点および低い密度を有し、
熱源が熱を生じる前の状態において、液体の前記第一冷媒の体積は液体の前記第二冷媒の体積よりも小さくてもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
熱源が熱を生じる前の状態において、前記加熱部から液体の前記第一冷媒の液面までの厚みが10mm以下であってもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記密閉チャンバは、前記密閉チャンバ内の温度が前記第一冷媒の沸点よりも低い状態において前記加熱部の上方に液体の前記第一冷媒を一定量維持する仕切り壁を有してもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記第二冷媒は、前記第一冷媒よりも高い沸点および高い密度を有してもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記第二冷媒が水であってもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記密閉チャンバは、放熱部と熱的に接続されて気体の前記第一冷媒および気体の前記第二冷媒を液体に戻す凝縮部を有してもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記密閉チャンバは、
前記加熱部で加熱されて液体から気体とされた前記第一冷媒および前記第二冷媒を前記凝縮部に送る気体送り通路と、
前記凝縮部で気体から液体に戻された前記第一冷媒および前記第二冷媒を前記加熱部に戻す液戻し通路を有してもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記密閉チャンバと送り通路を介して接続されて、前記第一冷媒および前記第二冷媒の熱を外部に放熱する冷却部と、
冷却された前記第一冷媒および前記第二冷媒を前記密閉チャンバに戻すポンプと、を備えてもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記密閉チャンバは、下方に向かって開口し、発熱体の加熱の前後においてその内部に気体の前記第一冷媒および気体の前記第二冷媒を一定量保持する気泡トラップを有してもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記冷却部で冷却された第一冷媒および第二冷媒が、気液分離器を介さずにポンプに送り込まれていてもよい。
上記本発明の沸騰冷却装置において、
前記加熱部の上面は、熱源に作用する加速方向の逆側に向かって高くなるように傾斜していてもよい。
本発明に係る沸騰冷却装置においては、第一冷媒と第二冷媒とが互いに溶解しないため、気体の第一冷媒と気体の第二冷媒とを含む混合蒸気が、液体の第一冷媒と液体の第二冷媒に圧力を作用させている。つまり第一冷媒または第二冷媒の一方に注目すると、密閉チャンバ内の温度に対する一方の冷媒の飽和蒸気圧に加えて、他方の冷媒の飽和蒸気圧が作用している。このため第一冷媒と第二冷媒の飽和蒸気圧の和となっている密閉チャンバ内の圧力において、この密閉チャンバの内部の平衡温度では第一冷媒および第二冷媒ともにそれぞれの飽和温度以下となっており、第一冷媒および第二冷媒ともに過冷状態である。過冷度が大きいほど限界熱流束が高くなるため、限界熱流束の高い沸騰冷却装置が得られる。
また第一冷媒および第二冷媒にはそれぞれの飽和蒸気圧以上の圧力が作用しているため、第一冷媒の分圧および第二冷媒の分圧はいずれも密閉チャンバの全圧よりも低くなり、これら分圧を加算して全圧と等しくなる。このため、密閉チャンバを第一冷媒または第二冷媒の一方の冷媒のみで充填した場合と比べて、チャンバ内圧力を固定して考えれば、第一冷媒または第二冷媒をより低い温度で沸騰させることができる。これにより、冷媒や発熱部はより低い温度において本来の冷却性能で沸騰冷却装置を動作させることができる。また同時に冷媒温度を固定した場合には、より高い圧力で動作させることができるので、大気混入により発生蒸気を凝縮させる際の阻害を生じず、冷却システムの長時間動作に対する信頼性が向上する。
本発明の実施形態に係る沸騰冷却装置の断面図である。 冷媒が圧縮状態にあることを説明する図である。 冷媒が過冷状態にあることを説明する図である。 図1に示した沸騰冷却装置において、加熱部の温度を上昇させたときの第一冷媒および第二冷媒の挙動の変化を示した図である。 熱源の温度Twと熱流束qの関係を示す模式図である。 オーバーシュート現象を説明する模式図である。 加熱部と媒体の温度の差ΔTbと熱流束qの関係を示す。 熱源の温度Twと熱流束qとの関係を示す。 本実施形態の沸騰冷却装置をベーパチャンバに適用した例を示す模式図である。 本実施形態の沸騰冷却装置をヒートパイプに適用した例を示す模式図である。 加速度が作用する熱源に本実施形態の沸騰冷却装置を適用した例を示す模式図である。 ポンプを備えた沸騰冷却装置を示す模式図である。 図12に示した沸騰冷却装置の変形例を示す模式図である。 図12に示した沸騰冷却装置の変形例を示す模式図である。
以下、本発明に係る沸騰冷却装置の実施形態の例を、図面を参照しつつ説明する。
<沸騰冷却装置の構造>
図1は、本実施形態に係る沸騰冷却装置1の断面図である。沸騰冷却装置1は、熱源3に搭載される。図示の例では、熱源3は回路基板2上に搭載された半導体素子である。沸騰冷却装置1は、熱源3から熱を奪い、最終的に大気中に効率よく熱を放散させることにより、熱源3を冷却する。
沸騰冷却装置1は、密閉チャンバ10を備えている。密閉チャンバ10はステンレスやアルミニウムなどの金属材料などから形成できる。密閉チャンバ10は、底面に設けられた加熱部11と、上面に設けられた凝縮部12と、加熱部11と凝縮部12とを接続する側壁13とを備えている。
加熱部11は熱源3と接するように設けられ、熱源3からの熱を密閉チャンバ10の下部に伝える。凝縮部12は密閉チャンバ10の上部に設けられた放熱器4と接しており、放熱器4と熱的に接続されている。放熱器4としては、図示した放熱フィンのほかに、空冷ファンを備えたものや水冷式のものを採用できる。
密閉チャンバ10の内部には密閉空間Sが設けられている。該密閉空間Sには、第一冷媒と第二冷媒とが封入されている。熱源3が発熱する前の状態において、密閉空間Sには、液体の第一冷媒からなる第一液層21と、液体の第二冷媒からなる第二液層22と、気体の第一冷媒と気体の第二冷媒とを含む混合蒸気からなる気層23が存在している。第一冷媒と第二冷媒は、沸騰冷却装置1の動作温度範囲で互いに溶解しない物質が適宜選択される。以降の説明において、特に第一冷媒と第二冷媒とを区別することなく呼ぶ場合には、第一冷媒と第二冷媒を冷媒と呼ぶこともある。
本実施形態においては、一例として第一冷媒として低沸点高密度媒体のフロリナートFC72(沸点:56[℃]、 密度:1.68[g/mm])、第二冷媒として高沸点低密度媒体の純水(沸点:100[℃]、 密度:1.00[g/mm])を用いている。また第一冷媒の封入量は、高さ100mmの密閉空間Sに対して、密閉空間Sの底面から第一液層21の液面までの距離(第一液層21の層厚み)が5mmとなるように設定されている。第二冷媒の封入量は、第一液層21の液面から第二液層22の液面までの距離(第二液層22の層厚み)が95mmとなるように設定されている。
<自己圧縮および過冷状態>
上述のように構成される沸騰冷却装置1の動作原理を理解しやすくするために、まず自己圧縮および過冷度の概念について説明する。図2は第一冷媒および第二冷媒が圧縮状態にあることを説明する図である。図3は第一冷媒および第二冷媒が過冷状態にあることを説明する図である。図2,3において、横軸は密閉空間S内の温度であり、縦軸は密閉空間S内の圧力である。また図2,3中のAは第一冷媒の飽和蒸気圧曲線を示し、Bは第二冷媒の飽和蒸気圧曲線を示す。また図中の黒丸は、密閉空間S内のある状態における圧力と温度を示している。
熱源3が熱を生じる前の状態において、密閉チャンバ10の内部はほぼ一様な一定の温度(平衡温度)となっている。この状態において、第一冷媒の一部および第二冷媒の一部は蒸発しており、第一液層21および第二液層22の上方に気層23が形成されている。密閉空間Sの内部では、第一液層21、第二液層22および気層23との間で熱平衡状態となっている。すなわち図2に示したように、この温度(平衡温度)Ttにおいて、第一冷媒の飽和蒸気圧P1と第二冷媒の飽和蒸気圧P2の和が密閉空間S内の全圧Pt=P1+P2となっている。なお第一冷媒と第二冷媒はそれぞれの分圧P1,P2の和が密閉空間S内の全圧Ptとなる。
このことは、第一冷媒に着目した場合、密閉空間S内の第一冷媒には第一冷媒の飽和蒸気圧P1に加えて第二冷媒の飽和蒸気圧P2が作用していることを意味する。同様に第二冷媒に着目すると、密閉空間S内の第二冷媒には第二冷媒の飽和蒸気圧P2に加えて第一冷媒の飽和蒸気圧P1が作用している。つまり、密閉空間S内の第一冷媒および第二冷媒には、ともに平衡温度Ttに対するそれぞれの飽和蒸気圧P1,P2よりも高い圧力Ptが作用しており、第一冷媒および第二冷媒は圧縮状態にあると言える。このように密閉空間S内に互いに溶解しない二種類の冷媒を封入したことにより、それぞれの冷媒に、密閉空間Sの温度に対応する飽和蒸気圧より高い圧力が作用することを自己圧縮と呼ぶ。
また逆の見方をすれば図3に示すように、密閉空間S内の全圧Ptに対応する第一冷媒の飽和温度T1よりも、密閉空間S内の第一冷媒の温度Ttは低くなっている。同様に、密閉空間S内の全圧Ptに対応する第二冷媒の飽和温度T2よりも、密閉空間S内の第二冷媒の温度Ttは低くなっている。このように第一冷媒および第二冷媒は過冷(Subcool)状態にある。
ここで全圧Ptに対応する第一冷媒の温度T1と密閉空間S内の温度Ttとの差(T1−Tt)、および、ここで全圧Ptに対応する第二冷媒の温度T2と密閉空間S内の温度Ttとの差(T2−Tt)を過冷度[K]と呼ぶ。過冷度とは、その冷媒の過冷状態の程度の大きさを示す指標である。図3に示すように、第一冷媒の沸点よりも高い沸点を有する第二冷媒には大きな過冷度が設定される。
<沸騰冷却装置の動作>
次に図1に示した沸騰冷却装置1の動作を図4および図5を用いて説明する。
沸騰冷却装置1は、熱源3で生じた熱を第一冷媒および第二冷媒を介して放熱器4側に伝えることにより、熱源3を冷却する。より詳しくは、図4の(a)から(d)に示すように、熱流束によって熱の伝わり方が変化する。
図4は図1に示した沸騰冷却装置1において、熱源3からの熱流束を上昇させたときの第一冷媒および第二冷媒の挙動の変化を示した図である。
図5は熱源3の温度Tw[K]と沸騰冷却装置の伝える熱流束q[W/mm]の関係を示す模式図である。なお図5のAは、本実施形態に係る沸騰冷却装置1の熱流束qと熱源の温度Twの関係を示している。図5のBは、FC72のみを密閉空間に封入した沸騰冷却装置の熱流束qと熱源の温度Twの関係を示している。図5のCは、純水のみを密閉空間に封入した沸騰冷却装置の熱流束qと熱源の温度Twの関係を示している。
(加熱部の温度が第一冷媒の沸点未満)
図4の(a)は、熱流束が小さく加熱部11の温度が第一冷媒の沸点未満の状態を示す。
熱源3からの熱は加熱部11を介して第一冷媒の第一液層21に伝わる。第一液層21の内部で対流が生じ、第二液層22に熱が伝えられる。さらに第二液層22で生じた対流により、気層23に熱が伝わりさらに凝縮部12から放熱器4に熱が伝わる。なお第一冷媒と第二冷媒の密度が近い場合には、第一冷媒と第二冷媒とが混ざり合いながら対流することもある。
このように図4の(a)に示した状態では、第一冷媒および第二冷媒が対流することにより、沸騰冷却装置1は熱源3を冷却する。図5の区間(a)が図4の(a)に示す状態に該当する。
(熱流束が第一冷媒の沸騰開始熱流束以上で、第一冷媒の限界熱流束未満)
図4の(b)は加熱部11の温度が第一冷媒の沸点以上、第一冷媒の膜沸騰温度未満の状態を示す。
この状態では、加熱部11からの熱により第一液層21で沸騰が生じる。沸騰して気体となった第一冷媒24は第二液層22を通過して気層23に到達し、さらに凝縮部12で冷却されて液滴26となって液相に戻る。凝縮部12で液体となった第一冷媒の液滴26は加熱部11に向かって落下、あるいは側壁13を伝って加熱部11側に移動し、第一液層21に合流する。
このように図4の(b)に示した状態では、第一冷媒が液体と気体の相変化を伴いながら密閉空間S内を循環することにより、沸騰冷却装置1は熱源3を冷却する。図5の区間(b)が図4の(b)に示す状態に該当する。
このように本実施形態の沸騰冷却装置1においては、密閉チャンバ10の下部で加熱されて気化した第一冷媒24が上方に移動すると、密閉チャンバ10の上部に設けられた凝縮部12に到達する。すると凝縮部12で液化された第一冷媒が重力によって再び下方の加熱部11に移動する。このため、ポンプなどの冷媒を流動させる装置を必要としない。
(熱流束が第一冷媒の限界熱流束以上、第二冷媒の沸騰開始熱流束未満)
図4の(c)は熱流束が第一冷媒の限界熱流束以上、第二冷媒の沸騰開始熱流束未満の状態を示す。
加熱部11からの熱により第一冷媒で膜沸騰が生じると、第一液層21が消滅する。すると、第一液層21が占めていた空間に第二冷媒からなる第二液層22が下降し、第二液層22が加熱部11に接する。加熱部11からの熱により第二液層22で対流が生じる。第二液層22から気層23に熱が伝えられ、気層23は対流熱伝達により凝縮部12に熱を伝える。
このように図4の(c)に示した状態では、第二液層22の対流熱伝達および気層23の対流および凝縮熱伝達により、沸騰冷却装置1は熱源3を冷却する。なお第一冷媒は気体の状態であり、気層23中に存在するが、凝縮により液滴26となり第二冷媒中を下降する。図5の区間(c)が図4の(c)に示す状態に該当する。またこのように第一冷媒のみがバーンアウトした状態を中間バーンアウトと呼ぶことがある。
またこのとき第一液層21の層厚みが10mm程度以下とされていると、第一液層21がバーンアウトしたときに確実に第二液層22を加熱部に接触させることができるので好ましい。より好ましくは第一液層21の層厚みは5mm程度以下とする。
(熱流束が第二冷媒の沸騰開始熱流束以上、第二冷媒の限界熱流束未満)
図4の(d)は熱流束が第二冷媒の沸騰開始熱流束以上、第二冷媒の限界熱流束未満の状態を示す。
この状態では加熱部11からの熱により第二液層22で沸騰が生じる。沸騰して気化した第二冷媒25は上昇して凝縮部12により冷却されて再び液体に戻る。凝縮部12で液体となった第二冷媒は加熱部11に落下、あるいは、凝縮部12から側壁13を伝って加熱部11に合流する。
このように図4の(d)に示した状態では、第二冷媒が相変化を伴って循環することにより、沸騰冷却器1は熱源3を冷却する。なお第一冷媒は気体の状態であり、気層23中に存在する。図5の区間(d)が図4の(d)に示す状態に該当する。
熱流束が第二冷媒の限界熱流束以上となると、第二冷媒で膜沸騰が生じるため、安定的に熱源3を冷却することができない。このため、本実施形態に係る沸騰冷却装置1は第二冷媒で膜沸騰が生じる熱流束まで安定して熱源3を冷却することができる。
<限界熱流束>
一般に沸騰冷却装置を適用できる熱流束の上限は、限界熱流束で定まる。限界熱流束とは、冷媒が膜沸騰を起こして加熱部でバーンアウトが生じてしまう熱流束である。このため限界熱流束はバーンアウト熱流束とも呼ばれる。
図1に示した沸騰熱冷却装置1においては、図3を用いて説明したように第一冷媒および第二冷媒ともに過冷状態で沸騰する(サブクール沸騰とも呼ぶ)。このため、沸騰冷却装置1を適用できる熱流束の上限は、サブクール沸騰時の限界熱流束で定まる。一般にサブクール沸騰時の限界熱流束は、飽和沸騰時の限界熱流束を用いて次式(1)で表される。
qsub=(1+CΔTsub)qsat 式(1)
ここでqsubはサブクール沸騰時の限界熱流束[W/m]、Cは定数[1/K]、ΔTsubは過冷度[K]、qsatは飽和沸騰時の限界熱流束[W/m]である。
このようにサブクール沸騰時の限界熱流束は、冷媒の過冷度が大きいほど大きくなる。図3に示したように第一冷媒および第二冷媒ともに過冷度を有するため、第一冷媒の限界熱流束は、密閉空間S内を第一冷媒のみで満たした場合より大きくなる。また第二冷媒の限界熱流束は、密閉空間S内を第二冷媒のみで満たした場合より大きくなる。
このため本実施形態に係る沸騰冷却装置1は、大きな熱流束を持つ熱源に対して適用しても安定して動作させることができる。
まず、本実施形態の沸騰冷却装置1は第二冷媒が膜沸騰を生じる熱流束より低い熱流束まで動作させ続けることができる。この状態での熱流束は第一冷媒の限界熱流束よりも大きいため、第一冷媒のみを密閉空間Sに封入した沸騰冷却装置に比べて、本実施形態に係る沸騰冷却装置は大きな熱流束を生じる熱源に適用することができる。
また、上述したように第二冷媒は過冷状態となっており、しかも低沸点冷媒である第一冷媒による高い蒸気圧が第二冷媒に作用して第二冷媒の過冷度が大きくなる。したがって第二冷媒のみを密閉空間Sに封入した沸騰冷却装置に比べて限界熱流束が大きく、本実施形態に係る沸騰冷却装置は大きな熱流束を生じる熱源に適用することができる。
<密閉空間内の圧力と温度>
上述したように密閉チャンバ10内には互いに溶解しない第一冷媒と第二冷媒が封入されており、双方が圧縮状態となっている。しかし高沸点冷媒である第二冷媒の蒸気圧が低いために、低沸点冷媒である第一冷媒の過冷度は、小さい値に留まる。このため第一冷媒が第二冷媒よりも高密度で沸騰開始前の状態で熱源に接している状態は、第一冷媒のみが密閉チャンバに封入されている状態(すなわち第一冷媒が飽和状態である状態)とほとんど変わらない。
例えば密閉空間に純水のみを封入した場合には、密閉空間の圧力を大気圧に設定した場合、純水は100℃で沸騰する。このため、このような沸騰冷却装置の動作温度は100℃付近、熱源の温度はそれ以上となる。
一方で熱に弱く、耐熱温度が100℃未満の半導体素子などの冷却に沸騰冷却装置を用いることを考えると、沸騰冷却装置の密閉空間の圧力を大気圧以下に設定する必要がある。
しかし密閉空間の圧力が大気圧未満であると、時間経過と共に大気が密閉空間内に侵入する虞がある。大気が密閉空間内に侵入すると大気は不凝縮ガスとして働くので、凝縮部12のごく近傍において第一冷媒および第二冷媒の分圧が急落し、平衡温度が急激に低下する。すると冷媒の温度と密閉チャンバ10の外部の最終冷却媒体である大気などとの温度差が低下するので、著しい凝縮阻害を引き起こす。この結果、密閉チャンバ10内の温度が高まり、加熱部10と冷媒の温度の差が小さくなり、冷却不能に陥る。すなわち密閉空間の圧力が高まり、沸騰冷却装置の動作温度が高まることになる。
このように密閉空間に純水など一つの冷媒のみを封入する場合には、経時劣化を防止することと動作温度を低減することを両立することは困難であった。
これに対して互いに溶解しない第一冷媒(例えばFC72)と第二冷媒(例えば純水)とを密閉チャンバ10に封入した本実施形態の沸騰冷却装置によれば、密閉チャンバ10の内部の圧力を大気圧に設定した場合でも、図2で説明したように純水の分圧は大気圧未満となる。このため、熱流束が高い場合には純水を100℃未満の温度で沸騰させることができ、沸騰冷却装置1の動作温度を100℃未満とすることができる。
実際にはFC72が沸騰する温度から沸騰冷却装置1は動作し、FC72の沸点も同様に56℃未満とるため、その動作温度は約52℃となる。このため、密閉チャンバ10の内部を大気圧以上に設定しても、熱流束の広い範囲で沸騰冷却装置1の動作温度や熱源3の温度を100℃未満に抑えることもできる。
このように本実施形態に係る沸騰冷却装置1によれば、密閉空間Sの圧力を大気圧以上として経時劣化を防止しつつ、沸騰冷却装置1の動作温度を低くして熱に弱い熱源の冷却に沸騰冷却装置1を適用することができる。
なお上記の説明においては、純水を第二冷媒に用いた例を挙げて説明したが、有機溶媒やアルコール類を冷媒に用いる場合においても、密閉空間Sの圧力を大気圧以上としつつ、沸騰冷却装置1の動作温度を低く設定することができる。また近年提案されている耐熱性のあるGaNやSiCなどの半導体の冷却に対しては圧力の設定をより高めて沸騰冷却装置1の動作温度を100℃以上の温度に設定してもよい。
<熱源温度のオーバーシュート現象>
図6は、一般的な熱源の温度と熱流束の関係を示した模式図である。一般に沸騰の前後において、熱源の温度と熱流束との間には図6に示すようなヒステリシスがある。
熱源からの熱流束を増加させていくと、冷媒の沸点を数十度以上越えても沸騰が生じないことがある(図6のa)。例えば冷媒が過冷状態である場合、加熱部が極めて平滑な場合、低圧力下で沸騰させる場合、熱源の熱を伝える面積がかなり小さい場合などにおいて、冷媒は沸騰しにくくなる。このように冷媒が沸騰しないと、冷却能力の低い対流によって熱源から冷媒に熱伝達が行われて、熱源の温度が一時的に高くなってしまう。
なおこれとは逆に、熱源から冷媒への熱流束を減少させる場合には、順次沸騰気泡が消滅していき、沸騰熱伝達の状態から対流熱伝達の状態に速やかに移行する。このため、熱源の温度は連続的に低下する(図6のb)。
このように、熱流束を増大させる場合と減少させる場合とで、熱源の温度と熱流束との間にヒステリシスが生じることがある。熱流束増大時の熱源の温度の一時的な急増は、熱源温度のオーバーシュート現象と呼ばれる。
このようなオーバーシュート現象は、第二冷媒の純水などの高沸点媒体によく観察される。逆に、第一冷媒のFC72などのフロリナートやフロンなどの低沸点媒体は、気泡1個に含まれる蒸発熱が小さいなどの理由により沸騰しやすく、オーバーシュート現象が生じにくい。
本実施形態に係る沸騰冷却装置1においては、図4の(b)に示したように第一冷媒の密度が高く直接熱源3に接して沸騰を開始する際には、第一冷媒が、FC72などの低沸点媒体であるため、オーバーシュート現象が緩和される。
また図4の(d)に示したように第二冷媒が沸騰する際にも、熱流束が高いので、第二冷媒中に存在する第一冷媒の気泡が第二冷媒の沸騰開始を容易にする。このため、第二冷媒の沸騰開始時にはオーバーシュートが生じない。
このように本実施形態に係る沸騰冷却装置1においてはオーバーシュート現象が生じにくい。例えば電気自動車のモータや蓄電池などへの電力を供給するパワー半導体(インバータ)のように、とくに発進時に発熱量が大きく変動する熱源の冷却に本実施形態の沸騰冷却装置を適用すると、パワー半導体を一時的であれ高温にすることなく安定して動作を継続することができる。自動車のインバータは、自動車の発進時に熱源からの発熱が急増するという状況が繰り返されるので、沸騰冷却装置1はこの自動車のインバータの冷却にも好適である。
<第一冷媒の層厚さ>
次に本実施形態に係る実施例の沸騰冷却装置1と、比較例1,2の沸騰冷却装置を作製し、その特性を評価した。密閉空間Sの高さが200mm程度の密閉チャンバ10の中に次のような比率で冷媒を封入した。ただし密閉空間の高さはあまり重要な数値ではない。
(実施例)
第一冷媒としてのFC72を層厚み5mm、第二冷媒としての純水を層厚み95mmとなるように密閉チャンバ10に封入した。
(比較例1)
層厚み100mmの純水のみを密閉チャンバ10に封入した。
(比較例2)
層厚み100mmのFC72のみを密閉チャンバ10に封入した。
図7は加熱部11と密閉空間Sの温度の差ΔTb[K]と、沸騰冷却装置1の熱流束q[W/m]の関係を示す。図8は熱源3の温度Tw[K]と沸騰冷却装置1の熱流束q[W/m]との関係を示す。
図7の水平破線は限界熱流束値を表す。図7に示すように、FC72のみを封入した比較例2の限界熱流束は、純水のみを封入した比較例1の限界熱流束の1/4程度である。第一冷媒であるFC72の加熱前の層厚みが5mmの場合には実施例の限界熱流束は比較例1の限界熱流束も高くなった。なお実験装置の制約により、熱流束を図示した1.8×10[W/m]以上の値に設定することができなかったが、実施例の沸騰冷却装置の限界熱流束は2×10[W/m]以上の値となることは確実である。つまり本実施形態に係る沸騰冷却装置によれば、高い限界熱流束が得られることが確認された。ここで重要なのは、加熱前の層厚みが5mmの場合には、沸騰開始から低熱流束にかけては第一冷媒で沸騰しており、高熱流束では第二冷媒の沸騰に自動的に変化していることである。
すなわち沸騰開始の段階では、熱源温度のオーバーシュートが生じにくい第一冷媒が沸騰する。
さらに第一冷媒は限界熱流束が低いので、第一冷媒の大半が蒸発すると第二冷媒による対流熱伝達に自動的に切り替わる。この切り替わりは本来限界熱流束の低い第一冷媒によるバーンアウトに基づくものであり、中間バーンアウトと命名している。なおこの中間バーンアウトが生じても沸騰冷却装置による冷却作用は何ら悪影響を受けない。
この場合、第一冷媒の沸騰から第二冷媒の沸騰への自動的な切り替えを円滑にするために第一冷媒の層厚さが小さく設定されていることが好ましい。なお、中間バーンアウト時の熱流束は比較例2の限界熱流束よりも若干低くなる。熱流束が大きくなると、第二冷媒の沸騰が生じる。第二冷媒は過冷度が大きいので、限界熱流束は比較例1よりもかなり大きくなる。
なお第一冷媒の方が第二冷媒より高密度である場合には、第一液層21の厚みが大きすぎると、第一冷媒の沸騰から第二冷媒の沸騰への切り替えが円滑に行われないことがある。例えば、第一冷媒であるFC72の液層の加熱前の厚みが10mmの場合には、その限界熱流束は4×10[W/m]となり、比較例1の限界熱流束よりもかなり小さくなった。これは加熱前のFC72の層厚みが大きすぎて、第二冷媒の純水に限界熱流束の低い第一冷媒のFC72が大量に混入しているためである。
最適な第一冷媒の層厚みは両方の冷媒の物性や沸騰特性に関係しており、第一液層21の厚みを5mm前後とするとよいことがこれまで行った種々の液体組み合わせからわかっている。どのような冷媒の組み合わせにおいても、第一冷媒の方が高密度となる場合には、第一液層21の厚みを10mm以下に設定することが好ましい。
図8に示すように、実施例において中間バーンアウト後の熱源の温度Twは、比較例1の温度Twよりも低くなっている。つまり熱源に高い熱流束を生じている場合でも、本実施形態に係る沸騰冷却装置によれば熱源を低い温度に維持できることが確認された。
<冷媒の変形例>
上述の説明では第二冷媒として、第一冷媒よりも高い沸点および低い密度を有する冷媒を採用した例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、第二冷媒として第一冷媒よりも高い沸点および高い密度を有する冷媒を採用してもよい。
この場合には、加熱前において第二冷媒が第一冷媒の下方に位置するため、熱源を下方に配置した場合には第二冷媒が加熱部11に接する。このため図4の(c)で示したような中間バーンアウトが生じない。しかし第一冷媒および第二冷媒は自己圧縮されており、第一冷媒の高い蒸気圧によって第二冷媒には過冷度が大きく設定されているため、限界熱流束が大きく、密閉空間の圧力が高くても低い温度で動作する沸騰冷却装置を提供することができる。
また上述の例では第一冷媒としてFC72、第二冷媒として純水を採用した例を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、第一冷媒としてNovec7100(登録商標)(沸点61℃、 密度1.52[g/mm])、第二冷媒として純水を採用する、あるいは、第一冷媒としてNovec649(登録商標)(沸点49℃、 密度1.60[g/mm])、第二冷媒として純水を採用しても良い。あるいは第一冷媒としてFC72、第二冷媒としてアルコール類を採用してもよい。
第一冷媒と第二冷媒に用いることができる物質は、沸騰冷却装置の動作温度の範囲で互いに溶解しない物質であれば特に制約がない。ただし密度の大小にかかわらず第一冷媒を低沸点成分とし、第二冷媒を高沸点成分とする。もっとも、第二冷媒に純水を用いると、沸騰冷却装置を低コストで実現できるので好ましい上に、高い限界熱流束(除熱能力)が期待できる。
また2種類の冷媒を密閉チャンバ10内に封入した例を説明したが、3種類以上の冷媒を封入してもよい。この場合、少なくとも二つの冷媒が互いに溶解しなければ上述と同様の効果が得られる可能性がある。
<冷媒の封入量>
なお、密閉チャンバ10内に封入された冷媒を自己圧縮状態および過冷却状態とするためには、熱源3が熱を生じる前の状態において、互いに溶解しない少なくとも二種類の互いに溶解しない冷媒によって気層23を形成させる必要がある。これは通常、冷媒の封入時に達成されるが、沸騰開始によっても達成されるので、決して実現困難な状況ではない。気層23が形成された状態においては、以下の式(2)が成立する。
v”=hfg/(Tsat×(dP/dT))+v’ 式(2)
ここでv”は蒸発した冷媒の比容積[m/kg]、
v’は液体状態の冷媒の比容積[m/kg]、
fgは蒸発潜熱[J/kg]、
satは飽和温度[K]、
dP/dTは蒸気圧曲線の勾配 [N/mK]である。
液体の冷媒の比容積は蒸発した冷媒の比容積はよりもはるかに小さいので、式(2)は以下の式(3)のようにみなすことができる。
v”≒hfg/(Tsat×(dP/dT)) 式(3)
式(2)および式(3)は平衡温度におけるそれぞれの物性を使用することにより第一冷媒または第二冷媒に適用できる。
一方、第一冷媒の比容積vは以下の式(4)で与えられる。
=(V+V)/m 式(4)
ここでmは第一冷媒の封入重量[kg]、
は熱源3の発熱前の温度での液体の第一冷媒の体積[m]、
は熱源3の発熱前の温度での気体の第一冷媒と気体の第二冷媒の体積 [m]、である。
すると式(3)と式(4)を用いて、第一冷媒の封入重量mは以下の式(5)を満足することが第二冷媒に最大の過冷度を与えて限界熱流束を増大させるために望ましい。ただしこれを満たさなくても、本実施方法の沸騰熱伝達特性は定性的には同一である。v<v”より
>(V+V)×Tsat,1×(dP/dT)/hfg,1 ・・・式(5)
添字1は第一冷媒を表す。
ここでは第一冷媒を低沸点成分、第二冷媒を高沸点成分として取り扱っているが、限界熱流束の増大には第二冷媒に大きな過冷度を与えるのが有効である。
第一冷媒と第二冷媒のそれぞれ単成分での限界熱流束に大きな差がなく、かつ第一冷媒の密度が第二冷媒よりも高い場合には、第一冷媒に大きな過冷度を与えて限界熱流束を上げる方法も有効となる。この場合には式(5)に代わって式(6)を満たすことが望ましい。
>(V+V)×Tsat,2×(dP/dT)/hfg,2 ・・・式(6)
添字2は第二冷媒を表す。
ここでmは第二冷媒の封入重量[kg]、
は熱源3の発熱前の温度での液体の第二冷媒の体積[m]、
は熱源3の発熱前の温度での気体の第一冷媒と気体の第二冷媒の体積 [m]、である。
この方法では第一冷媒の液層厚さは十分に大きくする必要があり、第二冷媒の層厚さは式(5)の関係を満たすために極端に小さくならないようにして、第一冷媒に最大限の過冷度を与えることが望ましい。
<具体的なアプリケーション>
以上説明した沸騰冷却装置は、例えば図9に示したベーパチャンバに適用することができる。
(ベーパチャンバ)
図9に示したベーパチャンバは、大きな発熱量を有する小さい熱源を冷却するときに好適な装置である。ベーパチャンバの密閉チャンバ10の上面および底面は熱源3の上面よりも大きく形成されている。ベーパチャンバは、小さな熱源3に対して大きな放熱器4に熱を伝えることにより、放熱面積を拡大して効率よく熱源を冷却できる。
ベーパチャンバの密閉チャンバ10は、気体送り通路14と液戻し通路15を有する。
密閉空間Sの内部に設けられた気体送り通路は、熱源の直上から左右方向に広がるように形成されている。加熱部11で気化された冷媒は、気体送り通路14を通って、密閉チャンバ10の上面まで移動する。このとき気体送り通路14は加熱部11よりも左右方向の外側まで形成されているため、気化された冷媒は熱源3の直上に位置しない部位の密閉チャンバ10の上面まで移動することができる。
ベーパチャンバ内での熱の移動に際し、気体送り通路14では温度差を必要しない点が、ベーパチャンバの大きな特徴である。ベーパチャンバの内部は一様な温度となっており、本発明とは異なり、単成分あるいは共溶性の混合冷媒がベーパチャンバ内に充填されている場合には、ベーパチャンバの内部は飽和温度となっている。しかし本実施例では非共溶性の混合冷媒を用いるため、ベーパチャンバ内部は平衡温度となり、各冷媒はともに過冷状態となり、すでに述べた数多くの優れた熱伝達特性が得られる。
液体戻し通路15は、密閉空間Sの底面の全域に設けられている。液戻し通路15は、熱源3の直上に位置しない部位で液化された冷媒を加熱部11に向かって戻す通路である。液体戻し通路15は例えばウィック(キャピラリ構造)とすることができる。
このような構成により、ベーパチャンバは小さな熱源3からの熱を大面積の放熱器4に伝えることにより、小さな熱源を効率よく冷却することができる。
(ヒートパイプ)
図10は、本発明を適用したヒートパイプの一例を示す模式図である。ヒートパイプは、熱源3に固定された下部からの熱を、放熱器4に固定された上部に伝える。ヒートパイプも、管状の密閉チャンバ10と、密閉チャンバの中央部に縦方向に延びる気体送り通路14と、密閉チャンバ10の内壁に沿って上下間に設けられた液戻し通路15を有する。
このような構成によれば、熱源3によって気化された冷媒が気体送り通路14を介して上方に移動する。密閉チャンバ10の上部に到達した冷媒は放熱器4によって凝縮して液体となる。液体となった冷媒は液体戻し通路15によって下方に移動する。このようにして、ヒートパイプは熱源3からの熱を効率よく放熱器4に伝えることができる。
(加速度が作用する熱源の冷却装置)
本発明の沸騰冷却装置は、例えば電気自動車のモータや畜電池などに供給する電力を制御する大型半導体などにより構成されるインバータの冷却に用いることができる。このインバータは、加速時に大きな電力を供給し、走行中も頻繁に供給する電力量を変える。このように発熱量の変化が大きいインバータの冷却にも、上述したように動作温度のオーバーシュート現象が生じにくい本発明の沸騰冷却装置は好適に使用できる。
またこの場合、電気自動車の加速時に最も発熱量が大きくなる。このため、図11に示すように車両の進行方向に対して後方が高くなるように、加熱部11を水平面に対して傾斜させた面に形成してもよい。図11は加速度が作用する熱源に本実施形態の沸騰冷却装置を適用した例を示す模式図である。図示したように、加熱部11の上面が加速の方向に対して逆側が高くなるように傾斜されていることが好ましい。これにより図11に示したように、車両の加速時にも、加熱部11に冷媒を接触させ続けることができる。
<強制流動を伴う沸騰冷却装置への応用>
また上述の実施形態では、冷媒を能動的に流動させない装置を説明したが、本発明は冷媒を強制的に流動させる冷却装置にも適用できる。図12は、冷媒を流動させるポンプを備えた冷却装置に本発明を適用した例を示す模式図である。
図12に示す沸騰冷却装置は、熱源3に搭載された密閉チャンバ10と、放熱器30と、気液分離装置40と、ポンプ50と、これらを接続するパイプ60とを備えている。冷媒はポンプ50により駆動されて、密閉チャンバ10、放熱器30、気液分離装置40、ポンプ50、を循環する。
密閉チャンバ10の上部には出口が設けられており、この出口はパイプ60を介して放熱器30に接続されている。放熱器30は、パイプ60を介して送られてきた冷媒を冷却する。気液分離装置40は、放熱器30により冷却された冷媒を気体と液体に分離し、液体のみをポンプ50に向かって送り出す。
このように構成される沸騰冷却装置において、密閉チャンバ10の内部には、上述と同様に互いに溶解しない第一冷媒と第二冷媒とが封入されている。以降の説明では、上述した実施形態と同様に第一冷媒にFC72、第二冷媒に純水を用いた例を説明する。
熱源3から熱が伝えられると、FC72と純水が共に沸騰する。このとき、高沸点媒体である純水の過冷度が大きく、低沸点媒体であるFC72の過冷度は小さい。このため、沸騰して気化した純水は周囲の過冷度の大きな純水によって速やかに液化するが、FC72は気体のまま密閉チャンバ10の上部に設けられた出口を介して放熱器30まで移動する。放熱器30はFC72を冷却する。
放熱器30によって液化されたFC72および液化されなかったFC72はともに気液分離装置40に流入する。気液分離装置40は、FC72を気体と液体とに分離する。そして液体のFC72のみがポンプ50を介して再び密閉チャンバ10に送り込まれる。
このようにしてFC72が循環することにより、沸騰冷却装置は熱源3を冷却する。
このように冷媒をポンプ50によって流動させることにより、放熱器30を密閉チャンバ10から離間した位置に設けることができ、放熱器30を密閉チャンバ10の上部に直接設けられない場合にも本発明を適用することができる。またポンプ50によって冷媒を流動させるため、加熱部11上に気泡がたまりにくく、膜沸騰が生じることを抑制でき、限界熱流束をさらに高めることができる。
なお第二冷媒には過冷度が大きく設定されるので、その気泡25(蒸気)は発生直後に第一液層21あるいは第二液層22中で容易に凝縮して消滅する。これに対し、第一冷媒には過冷度がより小さく設定されるため、その気泡24(蒸気)は凝縮により若干体積を縮小させたのみで、下流へと運ばれ、放熱器30であらためて凝縮される。
しかし第一冷媒と第二冷媒の選択によっては、両方の冷媒ともに一定以上の過冷度を設定することができる。この場合には、両方の冷媒からの発生蒸気24,25をともに密閉チャンバ10の内部ですべて凝縮させることができる。このような場合には、図13に示すように気泡トラップ16を設けると、自己圧縮により両冷媒の過冷度を確保しやすい。
図13は、密閉チャンバ10内の圧縮状態を維持するために、密閉チャンバ10内に気泡トラップ16を設けた例である。気泡トラップ16は、密閉空間S内に下方に向かって開口する空間を形成する。
気泡トラップ16により、密閉チャンバ10内で発生した蒸気24,25がすぐに凝縮して密閉チャンバ10内の圧力が高まらない、あるいは、冷媒の過冷度が減少して限界熱流束の増大効果が低下することを回避できる。気泡トラップ16の仕切り板は断熱性のあるものが望ましく、気泡トラップ16内で容易に蒸気24,25を凝縮させないことが好ましい。
このように、本実施形態の沸騰冷却装置の作動圧力下で飽和蒸気圧曲線の示す飽和温度の近い第一冷媒および第二冷媒を採用すると、加熱部11の近傍で生じた両冷媒の気泡24,25がともに周囲の冷媒によって冷却されて再び液化する。これにより放熱器30には、ともに液体の第一冷媒および第二冷媒が流れ込む。放熱器30からは常に液体の第一冷媒および液体の第二冷媒が流れ出すため、ポンプ50の上流側に気液分離装置40を設ける必要が無く、図13に示すように気液分離装置40を省略することができる。
このように第一冷媒および第二冷媒をうまく選択して、ともに一定以上の過冷度が両冷媒液体にかかるようにすれば、加熱部11で生じた両冷媒の気泡(蒸気)は即座に凝縮して密閉チャンバ10の内部に留まり、気液分離器40を廃止することも可能となり、図12に示す冷媒を循環させるループは、密閉チャンバ10の内部構造を除いて、現在広く用いられている液体冷却と同じものが適用できる。
ところで、図13に示した冷却装置は、既存の単相冷媒を用いた強制対流冷却装置の構成である。つまり、第一冷媒と第二冷媒の選択を工夫すれば、既存の強制対流冷却装置を流用して構成することができる。これは強制流動システムによる沸騰冷却の適用を著しく容易にし、既存の装置を流用して、低コストの改良で飛躍的に冷却性能を高めることができる。さらに循環流量の低減に伴うポンプ動力の低減が可能となり、省エネルギーを推進することができるため、極めて有用である。
またポンプ50と密閉チャンバ10とを接続するパイプは、冷媒が加熱部11に向かうように密閉チャンバ10の下部に取り付けられることが好ましい。これにより、発生気泡の強制排除が可能となるので膜沸騰が生じることを抑制でき、限界熱流束をさらに高めることができる。
また密閉チャンバが図12や図13のように縦長ではなく、横長である場合には、ポンプ50によって生じる流れによって第一冷媒が加熱部11の終端から流されることを防止するために、図14に示すように密閉チャンバ10の底面から鉛直方向に延びる仕切り壁17を設けてもよい。図14は、横長の密閉チャンバ10を備えた沸騰冷却装置を示す模式図である。仕切り壁17により、加熱部11の直上に所定量の第一液層が保持される。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2012年7月6日出願の米国仮特許出願61/668733に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の一態様によれば、限界熱流束が高く、高い圧力かつ低い温度で動作可能な沸騰冷却装置が提供される。
1:沸騰冷却装置
2:回路基板
3:熱源
4:放熱器
10:密閉チャンバ
11:加熱部
12:側壁
13:凝縮部
14:気体送り通路
15:液体戻し通路
16:気泡トラップ
17:仕切り壁
21:液体の第一冷媒
22:液体の第二冷媒
23:気相
24:第一冷媒の気泡
25:第二冷媒の気泡
26:第一冷媒の液滴
30:放熱器
40:気液分離装置
50:ポンプ
60:パイプ

Claims (9)

  1. 熱源からの熱が伝えられる加熱部を下部に備え、内部に冷媒が封入された密閉チャンバを有し、前記加熱部から前記冷媒へ熱を伝えることにより熱源を冷却する沸騰冷却装置であって、
    前記密閉チャンバの中には、第一冷媒と、前記第一冷媒とは溶解しない第二冷媒とが封入されており、
    熱源が熱を生じる前の状態において前記密閉チャンバ内には、液体の前記第一冷媒と、液体の前記第二冷媒と、気体の前記第一冷媒と気体の前記第二冷媒とを含む混合蒸気とが存在しており、
    熱平衡状態において、前記第一冷媒の飽和蒸気圧と前記第二冷媒の飽和蒸気圧の和が前記密閉チャンバ内の全圧となっている、沸騰冷却装置。
  2. 前記第二冷媒は、前記第一冷媒よりも高い沸点および低い密度を有し、
    熱源が熱を生じる前の状態において、液体の前記第一冷媒の体積は液体の前記第二冷媒の体積よりも小さい、請求項1に記載の沸騰冷却装置。
  3. 熱源が熱を生じる前の状態において、前記加熱部から液体の前記第一冷媒の液面までの厚みが10mm以下である、請求項2に記載の沸騰冷却装置。
  4. 前記密閉チャンバは、前記密閉チャンバ内の温度が前記第一冷媒の沸点よりも低い状態において前記加熱部の上方に液体の前記第一冷媒を一定量維持する仕切り壁を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  5. 前記第二冷媒は、前記第一冷媒よりも高い沸点および高い密度を有する、請求項1に記載の沸騰冷却装置。
  6. 前記第二冷媒が水である、請求項1から5のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  7. 前記加熱部の上面は、熱源に作用する加速方向の逆側に向かって高くなるように傾斜している、請求項1からのいずれか一項に記載された沸騰冷却装置。
  8. 前記第一冷媒は、複数種類の互いに共溶性の冷媒から構成され、および/または、
    前記第二冷媒は、複数種類の互いに共溶性の冷媒から構成され、
    前記第一冷媒は前記第二冷媒に対して非共溶性である、請求項1からのいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
  9. 前記密閉チャンバは、底面に設けられた加熱部と、上面に設けられた凝縮部と、前記加熱部と前記凝縮部とを接続する側壁を備えている、請求項1から8のいずれか一項に記載の沸騰冷却装置。
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