JP5067692B2 - サイフォン式循環型ヒートパイプ - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートパイプの改良、詳しくは、作動温度範囲の拡張が図れると共に、熱伝達性の飛躍的な向上、特に温熱輸送量を格段に増大することができ、トップヒートや水平ヒートでの使用も可能で、しかも、構造も非常に簡素なサイフォン式循環型ヒートパイプに関するものである。
周知のとおり、産業上や生活上の至る所で見受けられる熱交換器や冷却装置等において高速に熱を伝達する手段としてヒートパイプが一般的に使用される。
そして、このようなヒートパイプとしては、従来において、内面にウィックが設けられた単管状の収容容器に熱媒液を封入して構成し、容器下部を加熱して蒸発させた熱媒液の蒸気を容器上部の放熱部で熱消費により凝縮させ、更にその凝縮液を毛細管力及び重力によりウィック内を下降させてもとの加熱部に還流させることによって継続的な熱輸送を行うことを可能とした単管構造のヒートパイプが公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、上記の単管構造のヒートパイプでは毛管作用を利用していたため、熱媒液の輸送量に限界があり、この限界を越えて加熱が行われると加熱部がドライアウトを起こして循環力が急速に低下し、熱伝達性能が急激に悪化してしまうという問題があった。
一方、従来においては、<特許文献2>にあるような、ループ構造の収容容器に蒸気圧の異なる2種の熱媒液を充填封入し、加熱により容器内で熱媒液を循環させることによって、加熱部で予熱した熱媒液の顕熱を放熱部で放出して熱輸送を行うヒートパイプも公知となっている。
しかしながら、上記<文献1>に係る従来技術においては、管内に閉塞された気体が停留できる条件が必要であったことから、管径を約5mm程度以下に細くしなければならず、それにより熱媒液を高速に循環させることができなかったため、満足できる熱輸送性を得るには至らなかった。
また、上記の従来技術においては、熱媒液を所定の方向に循環させるために収容容器内に逆止弁等の流動方向制御手段を設ける必要があり、その構造がどうしても複雑になり易かった。
そこで、本件出願人は、上記問題の解決を図るために図5に示すような、受熱管部を下部に備え、上部に放熱管部を備えた環状パイプにおいて、受熱管部に蒸気膨張室を設け、放熱管部に蒸気収縮室を設けることにより気泡の浮力を利用して熱媒液の高速循環を可能としたループ型ヒートパイプを発明し、以前に特許出願(特願2007-5429)している。
ところが、上記出願に係るループ型ヒートパイプの構造は、下部で加熱した熱媒液の温熱を上部で受け取るボトムヒートでの使用に適していたものの、そのままの構造ではトップヒートや水平ヒートでの使用に適さず、ヒートパイプとしての用途が制約されるという難点があった。
他方、従来においては、トップヒートや水平ヒートの使用に適した循環型ヒートパイプとして<特許文献3>にあるような、連続したU字管部から成るパイプ部材の両端を貯溜槽の下部に連結すると共に、それぞれのU字管部の下部位置に受熱部及び放熱部を配設して構成し、受熱部内の熱媒液を加熱して沸騰させることにより貯溜槽内の蒸気圧を増大させ、その増大した蒸気圧を利用して熱媒液を循環させる構造も開示されている。
ところが、上記<文献3>に係る従来技術では、受熱部における熱媒液の沸騰が起り難かったことから、放熱部で冷却された熱媒液を受熱部に還流する前に貯溜槽内に収容された温液で予め温めておく必要があり、これによって貯溜槽内の温液が冷めてしまうことで放熱部に輸送可能な温熱輸送量が小さくなってしまうという構造的な問題があった。
特開2000−171181号公報(第2−11頁、第1〜7図) 特開平1−111197号公報(第2−15頁、第1〜7図) 特開平2004−245566号公報(第2−30頁、第1〜33図)
本発明は、上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、外部エネルギーによる助勢を必要とせず自動的に気体、液体およびそれらの混合した気液二層流をなす熱媒体が循環作動可能な熱輸送手段であって、作動温度範囲の拡張が図れると共に、熱伝達性の向上、特に温熱輸送量の増大を実現することもでき、トップヒートや水平ヒートでの使用にも適し、しかも、構造も簡素であって製造面でも有利なサイフォン式循環型ヒートパイプを提供することにある。
本発明者が、上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、環状パイプ1に封入された熱媒液11を所定方向に循環させて熱輸送可能な循環型ヒートパイプであって、非作動時において熱媒液11を循環経路のすべての部分で連結させてサイフォンの原理の利用を可能としたものであり、
前記環状パイプ1の所定部位に加熱機構Hと熱交換可能なるごとく受熱管部12を配設し、この受熱管部12とその上方に配設された貯溜タンク2とを温液上昇管部13により接続すると共に、前記受熱管部12には、内壁側面の一部が管の肉厚以上に斜め上向きに膨出した、または内壁上面の一部が管の肉厚以上に上向きに膨出した蒸気膨張室Eを設けて、受熱時において前記蒸気膨張室Eから温液上昇管部13に連続的に気泡を供給可能にする一方、
前記貯溜タンク2には、内部に空隙Sを残して熱媒液11を収容すると共に、下部に温液下降管部14を連結してタンク下方に配設された放熱管部15と接続し、かつ、当該放熱管部15には冷液上昇管部16を連結して、この冷液上昇管部16を前記受熱管部12に連通する冷液下降管部17に連結して構成し
更に前記受熱管部12については、放熱管部15よりも高い位置、若しくは放熱管部15と水平な位置に配置した点に特徴がある。
また、本発明においては、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、環状パイプ1において受熱管部12の蒸気膨張室E内に沸騰石または極細毛管を丸めて成る突沸抑制材を内装するという技術的手段を採用することができる。
本発明では、熱媒液を真空封入した環状パイプの受熱管部に連通する温液上昇管部、及び放熱管部に連通する温液下降管部を貯溜タンクに連結して構成すると共に、前記受熱管部には蒸気膨張室を形成し、かつ、貯溜タンク内に空隙を残して熱媒液を収容したことにより、受熱管部を加熱した際、蒸気膨張室内で膨張した蒸気が気泡となって温液上昇管部に連続的に放出され、その放出された気泡が前記タンク内の空隙に向かって浮力で上昇して熱媒液を上方に押し上げる一方、気泡後方の熱媒液は気泡が上昇した分、吸い込まれて環状パイプ内の熱媒液を間歇的でなく連続的に効率良く循環させることができるため、高速かつ大量の熱輸送を行うことが可能となる。
しかも、上記の循環作動時においては、蒸気膨張室内で発生した気泡は熱媒液を押し上げつつ温液上昇管部を上昇するが、貯溜タンク内に放出されると直ちに凝縮して液体に戻る。したがって、貯溜タンク内は常に液体で充たされている事によりサイフォンの原理が作用し、タンク内に収容された熱媒液は放熱管部へと一旦降下した後、冷液上昇管部の頂部位置である貯溜タンクの上部近傍まで再度上昇する。このようにサイフォン作用で熱媒液が下降及び上昇することにより、放熱管部が貯溜タンク下方に離れて配置されていても熱媒液は環状パイプ内を円滑に循環する。
そして更に、放熱管部に連結された冷液上昇管部と受熱管部に連通する冷液下降管部との端部に接続された伝熱性を有する冷却管部を、タンク内部の空隙を通して貯留タンク内に配設したことによって、冷却管部を通過する低温の熱媒液によりタンク内の空隙が冷やされて温液上昇管部からタンク内に放出される気泡の凝縮・液化を促進する効果が得られるだけでなく、受熱管部との蒸気圧差の拡大によって高圧域から低圧域へと液を押し上げる力が増大し熱媒液の循環速度を高速化できる。
また、環状パイプの受熱管部に設けた蒸気膨張室により低温域の加熱でも気泡を良好に発生させることが可能となるため、熱媒液が放熱管部を通過した後、受熱管部に還流する前に貯溜タンク内の高温の熱媒液で低温の熱媒液を予熱する必要も生じず、それによって輸送熱の損失が発生することもないため受熱管部から放熱管部への温熱輸送量の増大も図れる。
そしてまた、循環作動時において貯溜タンク内に収容された多量の熱媒液が環状パイプに順次供給されることにより、パイプ内は温液上昇管部を上昇する気泡を除いて常に熱媒液で満たされている状態となるため、パイプを受熱管部及び貯溜タンクの位置の上下方向又は水平方向に自由に伸長することが可能であるためのサイフォン作用を有効に保つことができると共に、ドライアウト等の機能的な障害を生じることもなく、作動温度が不要に制限されることもない。
他方また、貯溜タンクを介して受熱管部及び放熱管部を設けたことにより、受熱管部と放熱管部の上下に係る相対位置関係を任意に変更することができるため、トップヒートや水平ヒートの形態での設計も可能となり、太陽光の熱利用システムなどの幅広い用途に使用することも可能である。
加えて、本発明に係る循環型ヒートパイプは、環状パイプと貯溜タンクに熱媒液を封入しただけの極めて簡単な構造であり、また、下降液と上昇液の量が等しいことから位置エネルギーに変化も生じないため、外部から液循環のための仕事を供給する必要もなく、しかも、液循環の方向性を決めたり液を起動したりするための補助操作や、液の逆止弁や気液分離膜なども必要としないことから製造も非常に容易となる。
したがって、本発明により、熱輸送性の飛躍的な向上に加え、使用性や生産性にも優れた循環型ヒートパイプを提供することができることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
『実施例1』
まず、本発明の実施例1について、図1に基いて詳細に説明する。まず、符号1で指示するものは、環状パイプであり、符号2で指示するものは、貯溜タンクである。
以下、本実施例の構成を詳しく説明する。まず、本実施例においては、熱媒液11である水を低沸点となる真空状態に減圧封入した環状パイプ1の所定部位に、加熱機構Hに連繋される受熱管部12を配設し、この受熱管部12はその上方に配設された貯溜タンク2と温液上昇管部13により接続すると共に、受熱管部12の温液上昇管部13近傍には上向きに膨出する蒸気膨張室Eを形成した(図1参照)。
なお、本実施例では、環状パイプ1及び貯留タンク2に内部状態を視認可能なガラス製管材及び容器を使用した。
そして、前記貯溜タンク2には内部に空隙Sを残した状態で所定量の熱媒液11を収容して、この熱媒液11中に温液上昇管部13の放出口13aを配置すると共に、貯溜タンク2内はタンク上部に開口した排気コック21から脱気を行うことにより真空状態を作出した。
そして更に、前記貯溜タンク2の下部には温液下降管部14を連結し、この温液下降管部14を介してタンク下方に配設され、冷却機構Cに連繋された放熱管部15と接続するとともに、この放熱管部15には前記タンク内に収容した熱媒液11の液面レベルよりも頂部位置が高い冷液上昇管部16を連結した。
そうして放熱管部15に連結した冷液上昇管部16の他端部を、受熱管部12に連通する冷液下降管部17の端部と、タンク内部の空隙Sを経由して前記貯留タンク2を貫通する伝熱性の冷却管部18を介して連接して構成した。
上記のように構成したことによって、受熱管部12を加熱した際、蒸気膨張室E内で膨張した蒸気が気泡Bとなって温液上昇管部13に連続的に放出され、放出された気泡Bによって環状パイプ1内の熱媒液11を効率良く循環させることができるため、高速かつ大量の熱輸送を行うことが可能となる。
なお、本実施例においては、環状パイプ1の受熱管部12に設けた蒸気膨張室Eの基部を細く形成することにより、気泡Bの発生を促進して循環速度の高速化を図っている。
しかも、上記の循環作動時においては、蒸気膨張室E内の蒸気の膨張に伴い温液上昇管部13内を上昇する気泡により押し上げられる熱媒液11と同量の液体が冷液下降管部17を通じて受熱管部12に吸入される吸引力によってタンク下方に配設された放熱管部15から冷液上昇管部16の頂部まで熱媒液11を押し上げることができるため、放熱管部15がタンク下方に離れた位置に設けられても熱媒液11は円滑に循環する。
そして更に、環状パイプ1において冷却管部18を貯留タンク内に配設したことにより、冷却管部18を通過する低温の熱媒液11によってタンク内の空隙Sが冷やされて蒸気圧の過剰な増大を抑制し、これによって減圧タンクの効果を奏するだけでなく、熱媒液11の循環速度を高速化することもできる。
なお、本実施例では、冷却管部18にも環状パイプ1の他の部位と同じガラス製管材を使用している。
また、貯溜タンク2内を、受熱管部12と放熱管部15の温度差に合わせて熱媒液11が適度な割合で満たすことにより、環状パイプ1内を循環する熱媒液11の流量の自動調節を行うことも可能である。
他方また、環状パイプ1の受熱管部12に設けた蒸気膨張室Eにより低温域の加熱でも気泡Bを良好に発生させることが可能となるため、放熱管部15を通過した低温の熱媒液11を予熱する必要もなくなり、輸送熱を損失せずに受熱管部12から放熱管部15への温熱輸送量の増大が可能である。
そしてまた、作動時において環状パイプ1内は気泡を除いて熱媒液11で常に満たされている状態であるためサイフォン作用により作動時に液の位置エネルギーに変化がなく、またドライアウト等の障害が生じることもない。
一方、本実施例では、受熱管部12が放熱管部15よりも上方に配置され、上部の加熱機構Hから下部の冷却機構Cに対して温熱輸送が可能なトップヒートの形態で構成したことにより、太陽光の熱利用システムなどの用途に使用することができる。
加えて、本実施例における循環型ヒートパイプは、環状パイプ1と貯溜タンク2に熱媒液11を封入した極めて簡単な構造であり、また、外部から液循環のための仕事を供給する必要もなく、液循環の方向性を決めたり液を起動したりするための補助操作や、液の逆止弁や気液分離膜なども必要としないことから製造も非常に容易である。
また本実施例では、環状パイプ1に封入する熱媒液11に、界面活性剤である脂肪酸塩を添加したことにより起泡性が向上して、気泡Bの発生が促進され気泡ポンプの効果も大幅に向上した。
加えて、界面活性剤の添加で気泡Bの発生が促進されることによって、管径を数センチメートル以上にまで拡大しても、気泡ポンプの効果が容易に失われることはない。
『実施例2』
次に、本発明の実施例2について図2に基いて以下に説明する。本実施例においては、環状パイプ1において受熱管部12と放熱管部15とを水平な位置に配設して、水平に離れた位置への熱輸送が可能な水平ヒートの形態で構成したことにより、ノートパソコンの内部など幅や奥行に比べて高さが低い環境内での熱輸送手段として利用できる(図2参照)。
そして、環状パイプ1及び貯留タンク2には、強度と加工性に優れたステンレス製管材及び容器を使用し、更に環状パイプ1に封入する熱媒液11に、水よりも沸点の低いエチルアルコールを使用したことにより、低温度域かつ低温度差の加熱においても熱輸送を行うことが可能となる。
『実施例3』
次に、本発明の実施例3について図3に基いて以下に説明する。本実施例では、貯溜タンク2内に配設した環状パイプ1の冷却管部18を空隙S中で巻回させたことにより、空隙S内の蒸気と触れる表面積を拡大して冷却効果を向上することができる(図3参照)。
また本実施例では、環状パイプ1の温液下降管部14及び冷液下降管部17に、冷液上昇管部16及び温液上昇管部13よりも管径が大きい管状部材を使用したことにより、循環時において位置エネルギーから変換される熱媒液11の下降に係る管摩擦抵抗を減少させて循環作用を促進することができる。
そしてまた、環状パイプ1の冷却管部18には伝熱性に優れた銅製管材を使用し、更に環状パイプ1に封入する熱媒液11に、エチルアルコールよりも更に沸点の低いアセトンを使用したことにより、ヒートパイプの作動温度範囲の拡張を可能とした。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、環状パイプ1及び貯溜タンク2の材料は一定の強度及び耐久性を有したものであればガラス材料や金属材料、プラスチック材料から適宜選択すればよく、その中でも環状パイプ1の冷却管部18には特に伝熱性に優れたものを選択するのが好ましい。
また、環状パイプ1に収容する熱媒液11には、水やエチルアルコール、アセトン、パーフロロカーボンだけでなく、使用に適した沸点を有する液材であれば何れを採用してもよく、更に環状パイプ1の熱媒液11に添加する界面活性剤も、脂肪酸塩だけでなく、陰イオン系、陽イオン系、非イオン系、及び両性イオン系の界面活性剤の中から適宜選択して使用することができる。
そしてまた、上昇管部14a内に有効に気泡が連続して供給されれば蒸気膨張室Eの数や形態、設置位置を変更してもよく、また、熱媒液11の流速を制御する目的および流れを外部から感知する目的で環状パイプ内に流れにつれて動く小球などを封入してもよい。
さらに、受熱管部12へと還流する熱媒液11と貯溜タンク2内の気体および液体との熱交換の必然性が無い場合には、冷液上昇管部16から冷液下降管部17へと流れる管材を貯溜タンク2に貫通させる必要は無く、貯溜タンク2の外部任意の上下位置に設置してもよい。
さらに貯溜タンク2の形態においても、図4に示すように狭窄部22を設けて、空隙Sとタンク内に収容された熱媒液11の接触面積を小さくすることにより、冷やされた空隙S内の蒸気によって奪われる温液の熱量を軽減してもよく、また、環状パイプ1において受熱管部12の蒸気膨張室E内に沸騰石Fまたは極細毛管を丸めて成る塊状物を付設して気泡性を高めてもよく、何れも本発明の技術的範囲に属する。
近年においてヒートパイプは、パソコン電子機器の局所冷却から自動車のエンジン等の冷却、屋上の太陽光熱を利用した屋内の加熱システム、屋外の冷気を利用した屋内の冷房システム、工場廃熱、温排水の移送などの熱輸送手段として幅広く利用されており、将来の産業発展において不可欠な非常に重要度の高い技術の一つとなっている。
そのような中で、本発明のサイフォン式循環型ヒートパイプは、機能面である熱輸送性の飛躍的向上に加え、トップヒート及び水平ヒートでの幅広い使用が可能な実用性にも富んだ極めて簡便かつ有用な技術であることから、市場における需要は大きく、本発明の産業上の利用価値は非常に高いと云える。
本発明の実施例1における循環型ヒートパイプを表わす説明断面図である。 本発明の実施例2における循環型ヒートパイプを表わす説明断面図である。 本発明の実施例3における循環型ヒートパイプを表わす説明断面図である。 本発明の実施例4における循環型ヒートパイプを表わす説明断面図である。 本発明の実施例5における循環型ヒートパイプを表わす説明断面図である。 本発明の変形例における循環型ヒートパイプを表わす説明断面図である。 本件出願人が以前行った特許出願に係るループ型ヒートパイプを表わす説明断面図である。
符号の説明
1 環状パイプ
11 熱媒液
11a 高沸点液
11b 低沸点液
12 受熱管部
13 温液上昇管部
13a 放出口
14 温液下降管部
14' 温液輸送管部
15 放熱管部
16 冷液上昇管部
17 冷液下降管部
17' 冷液輸送管部
18 冷却管部
19 連通管
2 貯溜タンク
21 排気コック
22 狭窄部
H 加熱機構
C 冷却機構
1 一次冷却機構
2 二次冷却機構
E 蒸気膨張室
S 空隙
B 気泡

Claims (2)

  1. 環状パイプ(1)に封入された熱媒液(11)を所定方向に循環させて熱輸送可能な循環型ヒートパイプであって、非作動時において熱媒液(11)を循環経路のすべての部分で連結させてサイフォンの原理の利用を可能としたものであり、
    前記環状パイプ(1)の所定部位に加熱機構(H)と熱交換可能なるごとく受熱管部(12)を配設し、この受熱管部(12)とその上方に配設された貯溜タンク(2)とを温液上昇管部(13)により接続すると共に、前記受熱管部(12)には、内壁側面の一部が管の肉厚以上に斜め上向きに膨出した、または内壁上面の一部が管の肉厚以上に上向きに膨出した蒸気膨張室(E)設けて、受熱時において前記蒸気膨張室(E)から温液上昇管部(13)に連続的に気泡を供給可能にする一方、
    前記貯溜タンク(2)には、内部に空隙(S)を残して熱媒液(11)を収容すると共に、下部に温液下降管部(14)を連結してタンク下方に配設された放熱管部(15)と接続し、かつ、当該放熱管部(15)には冷液上昇管部(16)を連結して、この冷液上昇管部(16)を前記受熱管部(12)に連通する冷液下降管部(17)連結して構成しており
    更に前記受熱管部(12)については、放熱管部(15)よりも高い位置、若しくは放熱管部(15)と水平な位置に配置したことを特徴とするサイフォン式循環型ヒートパイプ。
  2. 環状パイプ1において受熱管部12の蒸気膨張室E内に沸騰石または極細毛管を丸めて成る突沸抑制材が内装されていることを特徴とする請求項1記載のサイフォン式循環型ヒートパイプ。
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