JP2013238362A - 熱輸送方向が自動反転するヒートパイプ - Google Patents

熱輸送方向が自動反転するヒートパイプ Download PDF

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Abstract

【課題】 冷暖房システムなどにおいてヒートパイプの使用本数を減らすことができ、また、熱輸送方向も自動的に切り替わり、しかも、用途やサイズ等の自由度も大きく、コスト面でも有利な熱輸送方向が自動反転するヒートパイプを提供すること。
【解決手段】 ヒートパイプにおいて、熱媒液Lとの熱交換が可能な部位として、第一熱交換部1と;高位タンク2と;第二熱交換部3とを具備する一方、これらの部位を繋ぐ配管として、第一の液上昇管4と;第一の液下降管5と;第二の液上昇管6とを配設し、
更に、前記第一熱交換部1と第二熱交換部3に、受熱に応じて各熱交換部から上側に熱媒液Lを移動させる液上昇管中に気泡Bを導入する手段を設けると共に、第一熱交換部1内において、第一の液上昇管4の端部を、第二の液上昇管5の端部と水平、若しくは水平よりも低い位置に下向きに配置して構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヒートパイプの改良、詳しくは、トップヒートやボトムヒートの温度環境に応じて熱輸送方向を自動的に切り替えることができ、また、ループ構造も簡素で熱輸送方向の切り替えにヒータ装置やバルブ等の部品も必要なく、しかも、ランニングコストも安価に抑えられる熱輸送方向が自動反転するヒートパイプに関するものである。
周知のとおり、流体を熱媒体とするヒートパイプは、冷暖房システムや加熱・冷却機構など、多くの熱交換システムに利用されている。また、熱輸送を上下に行うヒートパイプは、下側の受熱部から上側の放熱部に熱を運ぶボトムヒート方式のものと、上側の受熱部から下側の放熱部に熱を運ぶトップヒート方式のものに大別できる。
ところで、地熱を利用した冷暖房システムは、冬は地中の熱を室内に運んで暖房とし、夏は室内の熱を地中に逃がして冷房とするため、設置時には、ボトムヒートとトップヒートのヒートパイプをそれぞれ地中に埋設する必要がある。しかし、ヒートパイプの使用本数が多くなると、その分、掘削等の施工コストが高く付く問題が生じる。
そこで、この問題を解消するために、ボトムヒート・トップヒート兼用のヒートパイプを使用することを検討したが、既知のヒートパイプ(例えば、特許文献1・2参照)は、トップヒートで使用する際、迂回路の下部を加熱する必要があるため、ヒータ装置を付設する必要があり、またヒータ装置の使用によってランニングコストも高く付き易い。
一方、従来においては、トップヒート時に下側の放熱部で凝縮した熱媒液を内圧差により最上部のタンクに押し上げ、そのタンクから受熱部に熱媒液を補給するヒートパイプ(特許文献3参照)も公知となっているが、このヒートパイプも、ループ構造が非常に複雑である上に、多くのバルブを設ける必要があるため、製造コストが嵩み易い。
また特に、上記文献3に係るヒートパイプについては、熱輸送方向の切り替えを自動化する際に、上下の熱交換部に温度センサを設置して、これらのセンサから得られる温度情報に基づいて各バルブを開閉する複雑な制御プログラムを組む必要があるため、用途やサイズ、形状が異なるヒートパイプを設計しようとすると多くの技術的困難を伴う。
他方、本件発明者も、熱輸送方向の切り替えを自動化できるヒートパイプを以前に開発し、特許出願も行ったが(特許文献4参照)、このヒートパイプも、上記文献3のヒートパイプに比べればバルブの数は遥かに少ないものの、上側の熱交換部と最上部のタンクとを繋ぐ配管に逆止弁を設ける必要があるため、製造コストの面で課題が残る。
特開昭63−247595号公報 特開2008−121909号公報 特開平9−178376号公報 特願2012−55038号
そこで本発明は、上記の如き問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、冷暖房システム等においてヒートパイプの使用本数を減らすことができ、また、熱輸送方向も自動的に切り替わり、しかも、用途やサイズ等の自由度も大きく、コスト面でも有利な熱輸送方向が自動反転するヒートパイプを提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、受熱部Hと放熱部Cの間で熱媒液Lを循環させて熱輸送を行うヒートパイプにおいて、
熱媒液Lとの熱交換が可能な部位として、受熱部Hとしても放熱部Cとしても使用でき、かつ、上部に蒸気の滞留スペースSを有する第一熱交換部1と;この第一熱交換部1よりも上側に配置され、かつ、上部に蒸気の滞留スペースSを有する高位タンク2と;前記第一熱交換部1よりも下側に配置され、かつ、受熱部Hおよび放熱部Cに兼用できる第二熱交換部3とを具備する一方、
これらの部位を繋ぐ配管として、前記第一熱交換部1と高位タンク2とを連結する第一の液上昇管4と;高位タンク2と第二熱交換部3とを連結する第一の液下降管5と;第二熱交換部3と第一熱交換部1とを連結する第二の液上昇管6とを配設し、
更に、前記第一熱交換部1と第二熱交換部3に、受熱に応じて各熱交換部から上側に熱媒液Lを移動させる液上昇管中に気泡Bを導入する手段を設けると共に、第一熱交換部1内において、第一の液上昇管4の端部を、第二の液上昇管5の端部と水平、若しくは水平よりも低い位置に下向きに配置して構成したことにより、
前記第一熱交換部1が受熱部Hとなるトップヒートの温度環境や第二熱交換部3が受熱部Hとなるボトムヒートの温度環境に応じて、熱媒液Lの熱輸送方向が自動的に切り替わるようにした点に特徴がある。
また、上記ヒートパイプにおいて、第一の液上昇管4と第一の液下降管5との間に、高位タンク2を経由せずに両者を繋ぐショートカット管7を配設することにより、ボトムヒート時において、高位タンクが第一の熱交換部1よりもかなり高く配置されている場合でも、第一の液上昇管4から第一の液下降管5に熱媒液Lがスムーズに流れるため、熱輸送性能の低下を防止することができる。
また更に、上記ショートカット管7に、第一の液上昇管4側から第一の液下降管5側にのみ熱媒液Lが流れる逆止弁Vを設ければ、トップヒート時において、第一の液上昇管4から高位タンク2、第一の液下降管5を経由した熱媒液Lが、ショートカット管7を経由して第一の液上昇管4に戻る現象を防止できるため、高位タンク2から第二熱交換部3に熱媒液Lを効率良く移動させることができる。
そしてまた、上記高位タンク2内において、第一の液上昇管4の端部をタンク内の液面よりも高い位置に配置することにより、ヒートパイプ作動時において、熱媒液Lが第一の熱交換部1から高位タンク2に間歇的に流動する際に、高位タンク2から第一の熱交換部1に熱媒液Lが逆流する現象を防止できるため、熱輸送効率を向上できる。
一方、本発明では、上記第一の熱交換部1内の配管の構成に替えて、第一の液上昇管4と第二の液上昇管5の間に仕切り部11を設けた状態で、第一の液上昇管4の端部を下向きに配置する構成を採用した場合にも、同様の効果を得ることができる。
また他にも、上記第一の熱交換部1内の配管の構成に替えて、第二の液上昇管5の端部から放出される気泡Bの拡大上昇エリアに入らないように、第一の液上昇管4の端部を水平方向にズラして下向きに配置した場合も同様の効果を得ることができる。
本発明では、上側の熱交換部(第一熱交換部)内において、上側の熱交換部と上位タンクとを繋ぐ配管(第一の液上昇管)に、上側の熱交換部と下側の熱交換部とを繋ぐ配管(第二の液上昇管)から放出された気泡が入り込まないように両端部の位置関係を工夫(または仕切り構造を付加)したことにより、第一の液上昇管にバルブを設けなくても、温度環境に応じて熱輸送方向を自動的に切り替えることが可能となる。
しかも、本発明のヒートパイプでは、必須の構成にバルブを含めていないため、バルブを開閉制御するための温度センサや制御プログラム等も不要となり、これによって、ヒートパイプを様々な用途に合わせて自由なサイズ、形状で設計することが容易となる。
もちろん、本発明のヒートパイプは、比較的大型な冷暖房システム等にも問題なく使用でき、その場合には、ボトムヒートとトップヒートを一つのヒートパイプで兼ねることができるため、ヒートパイプの使用本数を減らして施工コストの軽減を図ることができる。
また更に、本発明のヒートパイプは、ループ構造が非常に簡素で、ヒータ装置やバルブ等の余計な部品も不要であるため、製造コストの面でも都合が良い。そして、熱輸送方向の切り替えにヒータ装置等の電力を消費する装置も必要ないため、ランニングコストも安価に抑えることができる。
したがって、本発明により、ヒートパイプの基本性能である熱輸送性を大きく損なうことなく、トップヒートとボトムヒートの熱輸送方向の切り替えを自動化することができ、しかも、コスト面の改善および用途の拡大も図れるヒートパイプを提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
本発明の実施例1におけるヒートパイプを表わす概略図である。 本発明の実施例1におけるヒートパイプの気泡生成手段を表わす概略図である。 本発明の実施例2におけるヒートパイプを表わす概略図である。 本発明の実施例2における第一熱交換部の内部構造を表わす拡大断面図(a)及びX-X’断面図(b)である。 本発明の実施例3におけるヒートパイプを表わす概略図である。 本発明の実施例3におけるヒートパイプの作動状態を表わす状態説明図である。 本発明の効果の実証試験で得られたデータを示すグラフである。 本発明の実施例4におけるヒートパイプを表わす概略図である。 本発明の変形例におけるヒートパイプを表わす概略図である。
『実施例1』
本発明の実施例1について、図1及び図2に基いて説明する。同図において、符号1で指示するものは、第一熱交換部であり、符号2で指示するものは、高位タンクである。また符号3で指示するものは、第二熱交換部であり、符号4で指示するものは、第一の液上昇管である。また符号5で指示するものは、第一の液下降管であり、符号6で指示するものは、第二の液上昇管である。
[ヒートパイプの構成]
まず、熱媒液Lの熱交換を行う部位として、第一熱交換部1と、この第一熱交換部1の上側に配置される高位タンク2と、第一熱交換部1の下側に配置される第二熱交換部3とを設ける(図1参照)。なお、第一熱交換部1と第二熱交換部3は、一方が受熱部Hになるとき、他方が放熱部Cとして機能する。
また、上記第一熱交換部1、高位タンク2及び第二熱交換部3には、容器内の熱媒液L(或いは熱媒液Lの蒸気)を外部から加熱・冷却することができるように、伝熱性を有する金属容器を使用する。なお、具体的な材質としては、伝熱性及び剛性に優れた銅やステンレス等が好ましいが、ガラス等の無機材料やプラスチック材料も使用できる。
そして、上記熱交換を行う部位を配管で繋いでヒートパイプを構成する。なお本明細書中では、第一熱交換部1と高位タンク2を連結する配管を第一の液上昇管4、高位タンク2と第二熱交換部3を連結する配管を第一の液下降管5、第二熱交換部3のと第一熱交換部1を連結する配管を第二の液上昇管6と呼称する。
そして更に、上記第一熱交換部1と第二熱交換部3には、受熱に応じて各熱交換部から上側に熱媒液Lを移動させる液上昇管中(第一熱交換部1は第一の液上昇管4、第二熱交換部3は第二の液上昇管6)に気泡Bを導入する手段を設け、導入した気泡Bを管中で浮上させることによって、ヒートパイプ内の熱媒液Lの循環が開始されるようにする。
なお本実施例では、上記第一熱交換部1の側壁から第一の液上昇管4を差し込んで、端部が下向きとなるように取り付ける一方、第一熱交換部1の上部に蒸気の滞留スペースSを形成して、これらを第一熱交換部1の気泡導入手段としている。
具体的には、図2(a)に示すように、トップヒート時において第一熱交換部1が加熱された際、蒸気の膨張及び熱媒液Lの蒸発によって液面レベルが押し下げされ、第一の液上昇管4の端部に蒸気が導入される。また、蒸気の導入後は液面レベルが一時的に上昇するため、気泡Bの導入および熱媒液の移動は間歇的となる。
一方、上記第二熱交換部3については、第二熱交換部3の上壁に、出口幅が1mm以上の上向きに突き出た窪み(気泡生成部P)を設けて気泡生成手段としている。これにより、図2(b)に示すように、ボトムヒート時に第二熱交換部3が加熱された際、蒸気の膨張によって気泡生成部Pから溢れ出た気泡Bが第二の液上昇管6の端部に供給される。
そして、上記第一熱交換部1または第二熱交換部3内にて発生した気泡Bは、第一の液上昇管4または第二の液上昇管6中を移動した後、最終的に高位タンク2や第一熱交換部1の上部に形成された蒸気の滞留スペースSに到達して、スペース内の蒸気に取り込まれ消滅する。
ちなみに、特に図示しないが上記第一熱交換部1の気泡導入手段を第二熱交換部3に採用することもでき、また、上記第二熱交換部3の気泡生成部Pを、第一熱交換部1の側壁または上壁に設けてここから生じた気泡Bを液上昇管に導入することもできる。また、熱交換部の内壁にリエントラントキャビティ等のその他の気泡生成手段を採用することもできる。
他方、上記第一熱交換部1内においては、第一の液上昇管4の端部に第二の液上昇管5の端部から放出された気泡Bが入り込まないように、第一の液上昇管4の端部を第二の液上昇管5の端部よりも低い位置に配置する。なお、第一の液上昇管4の端部を第二の液上昇管5の端部と水平に配置してもよい(図示せず)。
また、上記高位タンク2内においては、第一の液上昇管4の端部をタンク内の液面よりも高い位置に配置する。これにより、ヒートパイプ作動時において、熱媒液Lが第一の熱交換部1から高位タンク2に間歇的に移動する際に、高位タンク2から第一の熱交換部1に熱媒液Lが逆流する現象を防止できる。
[熱輸送方向の自動切替機能]
次に、上記ヒートパイプにおける熱輸送方向の自動切替機能について説明する。まず、第一熱交換部1の周囲が高温で、第二熱交換部3の周囲が低温のトップヒート環境の場合、自動的に第一熱交換部1が受熱部Hとなり、第二熱交換部3が放熱部Cとなる。
そして、第一熱交換部1が加熱されると、第一熱交換部1中の熱媒液Lが第一の液上昇管4を通って高位タンク2に移動する。その後、熱媒液Lは、第一の液下降管5を通って第二熱交換部3に移動し、この第二熱交換部3で放熱する。そして最後に、第二の液上昇管6を通って第一熱交換部1に環流する。
一方、第一熱交換部1の周囲が低温で、第二熱交換部3の周囲が高温のボトムヒート環境の場合には、第二熱交換部3が加熱されるため、第二熱交換部3中の熱媒液Lはまず第二の液上昇管6を通って第一熱交換部1に移動する。そして、第一熱交換部1で放熱した後、熱媒液Lは、第一の液上昇管4を通って高位タンク2に移動し、最後に第一の液下降管5を通って第二熱交換部2に環流する。
このように、外部の温度環境がトップヒート環境からボトムヒート環境に変化すると、第二熱交換部3は放熱部Cから受熱部H、また第一熱交換部1は受熱部Hから放熱部Cに機能がシフトするため、バルブの開閉操作をしなくても、熱輸送方向が自動的に切り替わる(ボトムヒートからトップヒートも同様)。
『実施例2』
次に、本発明の実施例2について、図3及び図4に基いて説明する。この実施例2では、実施例1で採用した第一の熱交換部1内の配管の構成に替えて、第一の熱交換部1内に、第一の液上昇管4と第二の液上昇管5の間を遮るように仕切り部11を設けた状態で、第一の液上昇管4の端部を下向きに取り付ける構成を採用した(図3)。
これにより、図ボトムヒート時において、第二の液上昇管6から気泡Bが放出されても、仕切り部11が障害となって第一の液上昇管4の端部に気泡Bが入り込むことがないため、熱輸送方向の自動切替機能を正常に動作させることができる。また、この形態であれば、第二の液上昇管6の端部と第一の液上昇管4の端部の位置関係を特に気にする必要もない。
また、上記仕切り部11については、図4(a)及び(b)に示すように、第一熱交換部1の内壁との間に隙間を空けたり、第二の液上昇管6の端部よりも低い位置に貫通孔11a・11a…を設けたりして熱媒液Lの出入りを可能としているため、トップヒート時において、熱媒液Lの液面が仕切り部11まで下がった場合でも、仕切り部11両側の液面は同じ高さとなる。
『実施例3』
次に、本発明の実施例3について、図5及び図6に基いて説明する。なお図中、符号7で指示するものは、ショートカット管である。この実施例3では、実施例2の第一の液上昇管4と第一の液下降管5との間に、高位タンク2を経由せずに両者を繋ぐショートカット管7を配設した(図5参照)。
これにより、トップヒート時には、図6(a)に示すように実施例2と同様の経路で熱媒液Lが循環するが、ボトムヒート時には、図6(b)に示すように、第一の液上昇管4から直接、第一の液下降管5に熱媒液Lが流れるため、高位タンク2が第一の熱交換部1よりも高く配置されている場合でも、熱媒液Lをスムーズに循環させることができる。
『効果の実証試験(実施例1〜3)』
次に、上記実施例1〜3のヒートパイプについて行った熱輸送効果の実証試験について説明する。なお、この実証試験では、熱媒液Lにエタノール(70%)・水(30%)の混合液を使用し、この熱媒液Lをヒートパイプ内に充填した後、真空引きを行ってヒートパイプ内に残った不凝縮気体(空気等)をできる限り排除した。
また、試験の方法は、受熱部Hを覆うジャケットに高温水、放熱部Cを覆うジャケット内に冷水を入れて冷水の温度変化を調べることにより、トップヒート環境およびボトムヒート環境下における熱媒液Lの熱輸送量を測定した。
その結果、図7に示すように、トップヒートでもボトムヒートでも充分な熱輸送性能を発揮することが確認された。ちなみに、ボトムヒートがトップヒートよりも熱輸送量が大きいのは、トップヒートが完全な顕熱輸送なのに対し、ボトムヒートが顕熱輸送と同時に気泡による潜熱輸送が行われるためだと考えられる。
『実施例4』
次に、本発明の実施例4について、図8に基いて説明する。この実施例4では、実施例3のショートカット管7に対し、第一の液上昇管4側から第一の液下降管5側にのみ熱媒液Lが流れる逆止弁Vを設けて構成した。
これにより、トップヒート時において、第一の液上昇管4から高位タンク2、第一の液下降管5を経由した熱媒液Lが、ショートカット管7を経由して第一の液上昇管4に戻る現象を防止できるため、高位タンク2から第二熱交換部3に熱媒液Lを効率良く移動させることができる。
また本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明のヒートパイプは図示の実施形態に限定されるものではなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、第一の熱交換部1内の配管の構成は、第二の液上昇管5の端部から放出される気泡Bの拡大上昇エリアに入らないように、第一の液上昇管4の端部を水平方向にズラして下向きに配置してもよい(図9参照)。
また、図8で示すように、第一の液上昇管4や第二の液上昇管6を、第一熱交換部1や第二熱交換部3の上側から差し込んで取り付けることもできる。なお、第二の液上昇管6を第二熱交換部3の上側から差し込む場合において、更に第一の液下降管5も第二熱交換部3の上側から差し込む場合には、気泡Bが入らないように第一の液下降管5を第二の液上昇管6の端部よりも深く差し込む必要がある。
そしてまた、ヒートパイプに使用する熱媒液Lについても、単一成分の液体あるいは複数成分が混合した液体であって、ヒートパイプの使用温度範囲内で凝固せずに、蒸発・凝縮が可能な液体(例えば、ハイドロフルオロカーボンやアンモニア等)を使用することができ、上記何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
近年、石油資源の枯渇や地球温暖化やの問題により、地熱や太陽熱等の自然エネルギーを利用する取り組みが進められている。また、地熱や外気を利用した冷暖房システム実用化するためには、施工性に優れたヒートパイプが必要となる。
そのような中で、本発明の熱輸送方向が自動反転するヒートパイプは、設置スペースを従来の半分以下に抑えることができる上に、施工・運用にかかるコストも低減できる有用な技術であるため、その産業上の利用価値は非常に高い。
1 第一熱交換部
11 仕切り部
11a 貫通孔
2 高位タンク
3 第二熱交換部
4 第一の液上昇管
5 第一の液下降管
6 第二の液上昇管
7 ショートカット管
L 熱媒液
H 受熱部
C 放熱部
P 気泡生成部
V 逆止弁
B 気泡
S 滞留スペース

Claims (6)

  1. 受熱部(H)と放熱部(C)の間で熱媒液(L)を循環させて熱輸送を行うヒートパイプであって、
    熱媒液(L)との熱交換が可能な部位として、受熱部(H)としても放熱部(C)としても使用でき、かつ、上部に蒸気の滞留スペース(S)を有する第一熱交換部(1)と;この第一熱交換部(1)よりも上側に配置され、かつ、上部に蒸気の滞留スペース(S)を有する高位タンク(2)と;前記第一熱交換部(1)よりも下側に配置され、かつ、受熱部(H)および放熱部(C)に兼用できる第二熱交換部(3)とを備える一方、
    これらの部位を繋ぐ配管として、前記第一熱交換部(1)と高位タンク(2)とを連結する第一の液上昇管(4)と;高位タンク(2)と第二熱交換部(3)とを連結する第一の液下降管(5)と;第二熱交換部(3)と第一熱交換部(1)とを連結する第二の液上昇管(6)とを配設し、
    更に、前記第一熱交換部(1)と第二熱交換部(3)に、受熱に応じて各熱交換部から上側に熱媒液(L)を移動させる液上昇管中に気泡(B)を導入する手段を設けると共に、第一熱交換部(1)内において、第一の液上昇管(4)の端部を、第二の液上昇管(5)の端部と水平、若しくは水平よりも低い位置に下向きに配置して構成したことにより、
    前記第一熱交換部(1)が受熱部(H)となるトップヒートの温度環境や第二熱交換部(3)が受熱部(H)となるボトムヒートの温度環境に応じて、熱媒液(L)の熱輸送方向が自動的に切り替わることを特徴とする熱輸送方向が自動反転するヒートパイプ。
  2. 受熱部(H)と放熱部(C)の間で熱媒液(L)を循環させて熱輸送を行うヒートパイプであって、
    熱媒液(L)との熱交換が可能な部位として、受熱部(H)としても放熱部(C)としても使用でき、かつ、上部に蒸気の滞留スペース(S)を有する第一熱交換部(1)と;この第一熱交換部(1)よりも上側に配置され、かつ、上部に蒸気の滞留スペース(S)を有する高位タンク(2)と;前記第一熱交換部(1)よりも下側に配置され、かつ、受熱部(H)および放熱部(C)に兼用できる第二熱交換部(3)とを備える一方、
    これらの部位を繋ぐ配管として、前記第一熱交換部(1)と高位タンク(2)とを連結する第一の液上昇管(4)と;高位タンク(2)と第二熱交換部(3)とを連結する第一の液下降管(5)と;第二熱交換部(3)と第一熱交換部(1)とを連結する第二の液上昇管(6)とを配設し、
    更に、前記第一熱交換部(1)と第二熱交換部(3)に、受熱に応じて各熱交換部から上側に熱媒液(L)を移動させる液上昇管中に気泡(B)を導入する手段を設けると共に、第一熱交換部(1)内において、第一の液上昇管(4)と第二の液上昇管(5)の間に仕切り部(11)を設けた状態で、第一の液上昇管(4)の端部を下向きに配置して構成したことにより、
    前記第一熱交換部(1)が受熱部(H)となるトップヒートの温度環境や第二熱交換部(3)が受熱部(H)となるボトムヒートの温度環境に応じて、熱媒液(L)の熱輸送方向が自動的に切り替わることを特徴とする熱輸送方向が自動反転するヒートパイプ。
  3. 受熱部(H)と放熱部(C)の間で熱媒液(L)を循環させて熱輸送を行うヒートパイプであって、
    熱媒液(L)との熱交換が可能な部位として、受熱部(H)としても放熱部(C)としても使用でき、かつ、上部に蒸気の滞留スペース(S)を有する第一熱交換部(1)と;この第一熱交換部(1)よりも上側に配置され、かつ、上部に蒸気の滞留スペース(S)を有する高位タンク(2)と;前記第一熱交換部(1)よりも下側に配置され、かつ、受熱部(H)および放熱部(C)に兼用できる第二熱交換部(3)とを備える一方、
    これらの部位を繋ぐ配管として、前記第一熱交換部(1)と高位タンク(2)とを連結する第一の液上昇管(4)と;高位タンク(2)と第二熱交換部(3)とを連結する第一の液下降管(5)と;第二熱交換部(3)と第一熱交換部(1)とを連結する第二の液上昇管(6)とを配設し、
    更に、前記第一熱交換部(1)と第二熱交換部(3)に、受熱に応じて各熱交換部から上側に熱媒液(L)を移動させる液上昇管中に気泡(B)を導入する手段を設けると共に、第一熱交換部(1)内において、第二の液上昇管(5)の端部から放出される気泡(B)の拡大上昇エリアに入らないように、第一の液上昇管(4)の端部を水平方向にズラして下向きに配置したことにより、
    前記第一熱交換部(1)が受熱部(H)となるトップヒートの温度環境や第二熱交換部(3)が受熱部(H)となるボトムヒートの温度環境に応じて、熱媒液(L)の熱輸送方向が自動的に切り替わることを特徴とする熱輸送方向が自動反転するヒートパイプ。
  4. 第一の液上昇管(4)と第一の液下降管(5)との間に、高位タンク(2)を経由せずに両者を繋ぐショートカット管(7)が配設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の熱輸送方向が自動反転するヒートパイプ。
  5. ショートカット管(7)に、第一の液上昇管(4)側から第一の液下降管(5)側にのみ熱媒液(L)が流れる逆止弁(V)が設けられていることを特徴とする請求項4記載の熱輸送方向が自動反転するヒートパイプ。
  6. 高位タンク(2)内において、第一の液上昇管(4)の端部がタンク内の液面よりも高い位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の熱輸送方向が自動反転するヒートパイプ。
JP2012112133A 2012-05-16 2012-05-16 熱輸送方向が自動反転するヒートパイプ Active JP6041187B2 (ja)

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