JP6164461B2 - 地中熱利用システム - Google Patents

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Description

本発明は、地下水が持つ地熱(地中熱)を冷暖房や給湯などの熱源として利用する地中熱利用システムに関し、特に、地中熱を採熱するための地中熱交換器として、螺旋状に配してなるスパイラル型の採熱管を用いるようにした地中熱利用システムに関するものである。
地中熱は再生可能エネルギーの一つとして、利用・普及が進められている。地中熱を採熱するための垂直型の地中熱交換器(採熱管)としては、口径150〜200mm程度のボアホール内にポリエチレン製のU字型のチューブを埋設し、この内部に水などの熱媒体を循環させるものが一般的であるが、地下水が豊富でかつ地下水流速が早い地域などでは、採熱管の配置密度を高くできる図6に示すようなスパイラル型の採熱管1が実用化されている(例えば、特許文献1〜4を参照)。このスパイラル型の採熱管1は、螺旋状に配設されたスパイラル部1a(スパイラルチューブ)と、直管部(リターン管)1bとからなる。
このスパイラル型の採熱管1の設置方式としては、図7(1)に示すように、地盤Gにスクリーン2を有する鋼製井戸3を設けて、この井戸3内に地表から採熱管1を吊り下ろし、井戸3内の水Wと熱交換する方式(開放型)と、図7(2)に示すように、削孔した孔4内に採熱管1を吊り下ろした後に、孔壁4aと採熱管1との間の隙間を透水性の高い材料5(例えば珪砂など)で埋め戻す方式(埋設型)とがそれぞれ実用化されている。
特開2011−122784号公報 特開2011−007446号公報 特開2009−103367号公報 特許第4990593号公報
ところで、開放型・埋設型いずれの方式についても、スパイラルチューブ周囲の水(埋設型の場合は埋め戻し材間隙中の地下水)の流速が速いほど、チューブ表面での熱交換量が大きくなり、単位長さ当たりの採熱量が向上する。水の流速を増大させる方法としては、揚水や注水により地下水流動を促す方法や、開放型については井戸内の水を攪拌する方法などが考えられるが、建設費や運転費が増加する他、揚水や注水に関する規制のある地域では適用できないなどの問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができる地中熱利用システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る地中熱利用システムは、スパイラル型の採熱管からなる地中熱交換器を用いた地中熱利用システムであって、前記地中熱交換器は、上下方向に延びるストレートチューブと、このストレートチューブの下端に連通し、このストレートチューブの周囲に間隔をあけてスパイラル状に配された前記採熱管としてのスパイラルチューブとを含んで構成され、前記スパイラルチューブ周りの地下水に上下の温度差を形成して前記地下水を自然対流させる自然対流促進手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の地中熱利用システムは、上述した発明において、前記自然対流促進手段は、前記ストレートチューブと前記スパイラルチューブとの間を仕切るように設けられた筒状の隔壁を有し、この隔壁の内外で自然対流による地下水の上昇流または下降流の発生を促進するようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の地中熱利用システムは、上述した発明において、前記隔壁の内外で水位差を発生させるための水位差発生手段を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の地中熱利用システムは、上述した発明において、地中熱を冷房または暖房用の熱源として利用するものであって、冷房運転時には、熱媒体を前記ストレートチューブから前記スパイラルチューブ下部に送り込み、暖房運転時には、熱媒体を前記スパイラルチューブから前記ストレートチューブ下部に送り込むことを特徴とする。
本発明に係る地中熱利用システムによれば、スパイラル型の採熱管からなる地中熱交換器を用いた地中熱利用システムであって、前記地中熱交換器は、上下方向に延びるストレートチューブと、このストレートチューブの下端に連通し、このストレートチューブの周囲に間隔をあけてスパイラル状に配された前記採熱管としてのスパイラルチューブとを含んで構成され、前記スパイラルチューブ周りの地下水に上下の温度差を形成して前記地下水を自然対流させる自然対流促進手段を備えたので、地下水の自然対流によりスパイラルチューブの周囲の地下水の流速が増大してその単位長さ当たりの採熱量が向上する。このため、比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の地中熱利用システムによれば、上述した発明において、前記自然対流促進手段は、前記ストレートチューブと前記スパイラルチューブとの間を仕切るように設けられた筒状の隔壁を有し、この隔壁の内外で自然対流による地下水の上昇流または下降流の発生を促進するようにしたので、地下水の自然対流によりスパイラルチューブの周囲の地下水の流速が増大してその単位長さ当たりの採熱量が向上する。このため、筒状の隔壁という比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の地中熱利用システムによれば、上述した発明において、前記隔壁の内外で水位差を発生させるための水位差発生手段を設けたので、水位差発生手段により隔壁の内外で水位差を発生させることにより、隔壁の内外間の地下水の流動が促進される。したがって、筒状の隔壁による自然対流の効果に水位差による流動効果が加わることで、スパイラルチューブの周囲の地下水の流速をより一層増大することができる。このため、筒状の隔壁および水位差発生手段という比較的簡易な構成により、スパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の地中熱利用システムによれば、上述した発明において、地中熱を冷房または暖房用の熱源として利用するものであって、冷房運転時には、熱媒体を前記ストレートチューブから前記スパイラルチューブ下部に送り込み、暖房運転時には、熱媒体を前記スパイラルチューブから前記ストレートチューブ下部に送り込む。このように、冷房運転時には地上の熱源機から戻される高温の熱媒体を、ストレートチューブ上部からスパイラルチューブ下部に送り込むことにより、熱交換器が配置される坑井下部の水温がより高くなり、隔壁の外部に上昇流が発生しやすくなる。一方、暖房運転時には低温の熱媒体をスパイラルチューブ上部からストレートチューブ下部に送り込むことにより、坑井上部の水温がより低くなり、隔壁の外部に下降流が生じやすくなる。これらの効果により、隔壁内外での自然対流の発生が促進される。しかも熱媒体の流動方向を逆転するための設備として、地上の配管部にバルブを数ヶ所設置すれば済むことから安価な追加コストで導入可能である。したがって、地中熱を冷房または暖房用の熱源として利用する場合に、比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る地中熱利用システムで用いられるスパイラル式地中熱交換器の実施例を示す概略斜視図である。 図2は、本発明に係る地中熱利用システムの実施例(開放型の場合)を示す側断面図である。 図3は、本発明に係る地中熱利用システムを用いた冷房運転(夏期)の一例を示す図である。 図4は、本発明に係る地中熱利用システムを用いた暖房運転(冬期)の一例を示す図である。 図5は、本発明に係る地中熱利用システムにおける循環ポンプ設置の一例を示す図である。 図6は、従来のスパイラル式地中熱交換器の外観を示した概略斜視図である。 図7は、従来の地中熱利用システムにおけるスパイラル式地中熱交換器の設置方式を示した図であり、(1)は開放型方式、(2)は埋設型方式の図である。
以下に、本発明に係る地中熱利用システムの実施の形態(実施例1〜3)を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、本発明に係る地中熱利用システムは、以下の実施例1〜3を単独または適宜組み合わせて適用することにより、水温変化による自然対流の効果を利用してスパイラルチューブ周囲の水の流速を増大させ、スパイラルチューブの単位長さ当たりの採熱量を向上させるものである。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る地中熱利用システムにおいては、図1に示すようなスパイラル型の採熱管からなる地中熱交換器12を用いている。この地中熱交換器12は、上下方向に延びるストレートチューブ14(リターン管)と、このストレートチューブ14の下端14aに連通し、このストレートチューブ14の周囲に間隔をあけてスパイラル状に配された採熱管としてのスパイラルチューブ16とを含んで構成される。
この地中熱交換器12は、スパイラルチューブ14周りの図示しない地下水に上下の温度差を形成して、この地下水を自然対流させるための自然対流促進手段18をさらに備えている。より具体的には自然対流促進手段18は、ストレートチューブ14とスパイラルチューブ16との間を仕切るように設けられた円筒状の隔壁20を有しており、この隔壁20の内外で自然対流による地下水の上昇流または下降流の発生を促進するようになっている。
[実施例1]
次に、上記の地中熱交換器12を用いた本発明に係る地中熱利用システムの基本的な実施例1について、設置方式が開放型の場合を例にとり図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、本発明の実施例1に係る地中熱利用システム10は、地盤Gにスクリーン2を有する鋼製井戸3を設けて、この井戸3内に地表から地中熱交換器12を吊り下ろし、井戸3内の地下水Wと熱交換するものである。
ここで、円筒状の隔壁20の設置方法としては、井戸3内に既に配置してあるストレートチューブ14を円筒状の隔壁20内に収納するように地上から隔壁20を吊り下ろし、隔壁20の上端部20bに取り付けた吊り下げ用治具22を介して地表面GL上の架台24などに固定する方法がある。隔壁20の下端部20a(孔底近傍部)および上端部20b(地表近傍部)においては、上下方向に空間を確保するか、または隔壁20にスリットなどを設けることにより、隔壁20の内部と外部とが連通するようにする。なお、隔壁20の内部と外部の熱交換を抑制するため、隔壁20の構成材料としては塩化ビニルなどの熱伝導率の小さい材質を用いることが望ましい。
上記の実施例1の構成によれば、水の温度差による自然対流の効果を有効利用することにより、円筒状の隔壁20という比較的簡易な構成でスパイラルチューブ16(スパイラル型の採熱管)表面での熱交換量を促進させ、低コスト(設備費・運転費)で採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができる。これにより、地中採熱管の設置本数を削減できることになり、施設全体の経済性が向上するとともに、都市部などの敷地が狭隘で採熱管の設置面積が制限される地域においても、十分な採熱量を確保することが可能となる。
なお、上記の実施の形態において、スパイラルチューブ16(地中熱交換器)の設置方式が開放型の場合について説明したが、埋設型の場合についても同様である。すなわち、いずれの方式についても、スパイラルチューブ16とストレートチューブ14との間に円筒状の隔壁20を吊り下ろして設置することで、開放型の場合には鋼製井戸の内部を、埋設型の場合には孔の埋め戻し部を2重管構造にし、円筒状の隔壁20の内外で地下水Wの自然対流による上昇流または下降流の発生を促進するようにする。なお、埋設型の場合には、円筒状の隔壁20を設置固定した後に、隔壁20の内部および外部をそれぞれ透水性の高い材料(例えば珪砂など)で埋め戻すことになる。
[実施例2]
次に、本発明に係る地中熱利用システムの実施例2について、設置方式が開放型の場合を例にとり図3および図4を参照しながら説明する。本実施例の地中熱利用システムは、上記の実施例1のような地中熱利用システムにおいて、地中熱を冷房または暖房用の熱源として利用する空調システムに適用した場合の例である。
図3は、本発明に係る地中熱利用システムによる冷房運転(夏期)の一例を示す図であり、図4は、本発明に係る地中熱利用システムによる暖房運転(冬期)の一例を示す図である。
図3および図4に示すように、本発明の実施例2に係る地中熱利用システム100は、上記の実施例1の地中熱利用システム10において、地表面GL上の配管部に流向逆転機構としてのバルブ26a、26b、28a、28bを追加して設けたものである。
バルブ26aは、ストレートチューブ14に連通した配管部の図示しないヒートポンプなどの熱源機側と、スパイラルチューブ16の上端側とを繋ぐ管路に設けてある。バルブ26bは、ストレートチューブ14に連通した配管部に設けてある。バルブ28aは、スパイラルチューブ16に連通した配管部の図示しないヒートポンプなどの熱源機側と、ストレートチューブ14の上端側とを繋ぐ管路に設けてある。バルブ28bは、スパイラルチューブ16に連通した配管部に設けてある。
図3に示すように、冷房運転時(夏期)には、図示しない地上のヒートポンプなどの熱源機側からの熱媒体をストレートチューブ14からスパイラルチューブ16の下部16aに送り込むように、各バルブの開閉状態を切り換える。すなわち、バルブ26a、28aを閉塞状態にするとともにバルブ26b、28bを開放状態にする。これにより、地上の熱源機から戻される高温の熱媒体を、図中の破線経路を介してストレートチューブ14上部からスパイラルチューブ16の下部16aに送り込むことができる。こうすることで、井戸3下部の地下水温が上部より高くなり、隔壁20の外部に上昇流が発生しやすくなる。これにより隔壁20内外での自然対流の発生が促進される。
なお、冷房運転時(夏期)におけるスパイラルチューブ内の熱媒体の温度分布は図に示すように最下部のものが高温で、そこから上方に行くほど温度が低くなり、地上の熱源機には低温の熱媒体が供給される。したがって、本実施例によれば、地中熱を冷房用の熱源として利用する場合に、比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができる。
一方、図4に示すように、暖房運転時(冬期)には、図示しない地上のヒートポンプなどの熱源機側からの熱媒体をスパイラルチューブ16からストレートチューブ14の下部14aに送り込むように、各バルブの開閉状態を切り換える。すなわち、バルブ26b、28bを閉塞状態にするとともにバルブ26a、28aを開放状態にする。これにより、地上の熱源機から戻される低温の熱媒体を、図中の実線経路を介してスパイラルチューブ16上部からストレートチューブ14の下部14aに送り込むことができる。こうすることで、井戸3上部の地下水温が下部より低くなり、隔壁20の外部に下降流が発生しやすくなる。これにより隔壁20内外での自然対流の発生が促進される。
なお、暖房運転時(冬期)におけるスパイラルチューブ内の熱媒体の温度分布は図に示すように最上部のものが低温で、そこから下方に行くほど温度が高くなり、地上の熱源機には高温の熱媒体が供給される。したがって、本実施例によれば、地中熱を暖房用の熱源として利用する場合に、比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができる。
また、本実施例によれば、上記の実施例1の構成に対して、スパイラルチューブ16内の熱媒体の流れを冷房運転時と暖房運転時とで逆転可能なバルブを追加して設けることにより、自然対流の発生をより促進する。しかも地上の配管部に対してバルブを数ヶ所設置すれば済むことから安価な追加コストで導入可能である。したがって、地中熱を冷房または暖房用の熱源として利用する場合に、比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができる。
このように、地中熱を利用する空調システムの場合には、冷房運転では高温、暖房運転では低温の熱媒体(ブライン)がヒートポンプなどの熱源機から戻され、地中のスパイラルチューブ16とストレートチューブ14を循環する過程で地中温度(地下水温度)近くまで温度が回復した後、再度熱源機に送られる。したがって、冷房運転時には熱源機から戻される高温の熱媒体を、ストレートチューブ14側からスパイラルチューブ16の下部16aに送り込むことにより、井戸3の下部の地下水温がより高くなり、隔壁20の外部に上昇流が発生しやすくなる。一方、暖房運転においては、低温の熱媒体をスパイラルチューブ16の上部側から送り込むことにより、井戸3の上部の地下水温がより低くなり、隔壁20の外部に下降流が生じやすくなる。これらの効果により、隔壁20内外での自然対流の発生が促進される。なお、埋設型の場合についても上記の実施例と同様の作用効果を奏するのはいうまでもない。
[実施例3]
次に、本発明に係る地中熱利用システムの実施例3について、設置方式が開放型の場合を例にとり図5を参照しながら説明する。本実施例の地中熱利用システムは、上記の実施例1(あるいは実施例2)のような地中熱利用システムにおいて、水位差発生手段を設けた場合の例である。
図5に示すように、本発明の実施例3に係る地中熱利用システム200は、上記の実施例1の地中熱利用システム10において、隔壁20内外の地下水Wの流速をより増大させるために、隔壁20内外で水位差を発生させるためのポンプ30(水位差発生手段)を追加して設けたものである。円筒状の隔壁20の上端部20bが井戸3内部の水面を隔壁20内外に分離するように上方に延びている。このため、隔壁20の内外には水位差が発生し得る構造となっている。隔壁20の内外間は上端部20bを跨ぐ管路32で接続されており、ポンプ30は隔壁20の外部側の管路32の下側に配置されている。
このポンプ30を運転し、例えば図5に示すように隔壁20の外部側の地下水Wを管路32を通じて隔壁20の内部側に送水すれば、隔壁20の内外に水位差を発生させることができる。このようにすれば、隔壁20の内外間の地下水Wの流動が促進される。したがって、隔壁20による自然対流の効果に水位差による流動効果が加わることで、スパイラルチューブ16の周囲の地下水Wの流速をより一層増大することができる。このため、本実施例によれば、隔壁20およびポンプ30という比較的簡易な構成により、スパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができるという効果を奏する。なお、埋設型の場合についても上記の実施例と同様の作用効果を奏するのはいうまでもない。
また、ポンプ30を地表面GL以下に設置して管路32内の水循環を地下で行えば、工業用水法やビル用水法で規定される「揚水」にあたらないため、揚水規制のある都市部などでも適用することができる。
以上説明したように、本発明に係る地中熱利用システムによれば、スパイラル型の採熱管からなる地中熱交換器を用いた地中熱利用システムであって、前記地中熱交換器は、上下方向に延びるストレートチューブと、このストレートチューブの下端に連通し、このストレートチューブの周囲に間隔をあけてスパイラル状に配された前記採熱管としてのスパイラルチューブとを含んで構成され、前記スパイラルチューブ周りの地下水に上下の温度差を形成して前記地下水を自然対流させる自然対流促進手段を備えたので、地下水の自然対流によりスパイラルチューブの周囲の地下水の流速が増大してその単位長さ当たりの採熱量が向上する。このため、比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができる。
また、本発明に係る他の地中熱利用システムによれば、上述した発明において、前記自然対流促進手段は、前記ストレートチューブと前記スパイラルチューブとの間を仕切るように設けられた筒状の隔壁を有し、この隔壁の内外で自然対流による地下水の上昇流または下降流の発生を促進するようにしたので、地下水の自然対流によりスパイラルチューブの周囲の地下水の流速が増大してその単位長さ当たりの採熱量が向上する。このため、筒状の隔壁という比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができる。
また、本発明に係る他の地中熱利用システムによれば、上述した発明において、前記隔壁の内外で水位差を発生させるための水位差発生手段を設けたので、水位差発生手段により隔壁の内外で水位差を発生させることにより、隔壁の内外間の地下水の流動が促進される。したがって、筒状の隔壁による自然対流の効果に水位差による流動効果が加わることで、スパイラルチューブの周囲の地下水の流速をより一層増大することができる。このため、筒状の隔壁および水位差発生手段という比較的簡易な構成により、スパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができる。
また、本発明に係る他の地中熱利用システムによれば、上述した発明において、地中熱を冷房または暖房用の熱源として利用するものであって、冷房運転時には、熱媒体を前記ストレートチューブから前記スパイラルチューブ下部に送り込み、暖房運転時には、熱媒体を前記スパイラルチューブから前記ストレートチューブ下部に送り込む。このように、冷房運転時には地上の熱源機から戻される高温の熱媒体を、ストレートチューブ上部からスパイラルチューブ下部に送り込むことにより、熱交換器が配置される坑井下部の水温がより高くなり、隔壁の外部に上昇流が発生しやすくなる。一方、暖房運転時には低温の熱媒体をスパイラルチューブ上部からストレートチューブ下部に送り込むことにより、坑井上部の水温がより低くなり、隔壁の外部に下降流が生じやすくなる。これらの効果により、隔壁内外での自然対流の発生が促進される。しかも熱媒体の流動方向を逆転するための設備として、地上の配管部にバルブを数ヶ所設置すれば済むことから安価な追加コストで導入可能である。したがって、地中熱を冷房または暖房用の熱源として利用する場合に、比較的簡易な構成によりスパイラル型の採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る地中熱利用システムは、地下水が持つ地中熱を冷暖房や給湯などの熱源として利用する地中熱利用システムに有用であり、特に、地中熱を採熱するための地中熱交換器として、螺旋状に配してなるスパイラル型の採熱管を用いるようにしたシステムにおいて、比較的簡易な構成により採熱管の単位長さ当たりの採熱量を向上させるのに適している。
10,100,200 地中熱利用システム
2 スクリーン
3 鋼製井戸
12 地中熱交換器
14 スパイラルチューブ
14a ストレートチューブの下端(ストレートチューブ下部)
16 スパイラルチューブ
16a スパイラルチューブの下部
18 自然対流促進手段
20 隔壁
20a 隔壁の下端部
20b 隔壁の上端部
22 吊り下げ用治具
24 架台
26a,26b,28a,28b バルブ
30 ポンプ(水位差発生手段)
32 管路
GL 地表面
G 地盤
W 地下水

Claims (3)

  1. スパイラル型の採熱管からなる地中熱交換器を用いた地中熱利用システムであって、
    前記地中熱交換器は、上下方向に延びるストレートチューブと、このストレートチューブの下端に連通し、このストレートチューブの周囲に間隔をあけてスパイラル状に配された前記採熱管としてのスパイラルチューブとを含んで構成され、
    前記スパイラルチューブ周りの地下水に上下の温度差を形成して前記地下水を自然対流させる自然対流促進手段を備え
    前記自然対流促進手段は、前記ストレートチューブと前記スパイラルチューブとの間を仕切るように設けられた筒状の隔壁を有し、この隔壁の内外で自然対流による地下水の上昇流または下降流の発生を促進するようにしたことを特徴とする地中熱利用システム。
  2. 前記隔壁の内外で水位差を発生させるための水位差発生手段を設けたことを特徴とする請求項に記載の地中熱利用システム。
  3. 地中熱を冷房または暖房用の熱源として利用するものであって、
    冷房運転時には、熱媒体を前記ストレートチューブから前記スパイラルチューブ下部に送り込み、
    暖房運転時には、熱媒体を前記スパイラルチューブから前記ストレートチューブ下部に送り込むことを特徴とする請求項1または2に記載の地中熱利用システム。

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