JP2010169283A - 熱交換システム - Google Patents
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Abstract
【課題】長期信頼性が高い両方向へ熱輸送できる熱交換システムを提供する。
【解決手段】密閉配管されたループ流路に作動流体を封止した熱交換システムにおいて、ループ流路の一部と他の一部とを熱的に接触させ、一部のループ流路を移動する作動流体と他の一部のループ流路を移動する作動流体とが熱交換するように液−液型熱交換器を形成し、ループ流路のうち液−液型熱交換器を基点として作動流体が往復する部分を第一Uターン流路とし、ループ流路のうち液−液型熱交換器を基点として作動流体が往復する、第一Uターン流路とは反対側の部分を第二Uターン流路とし、第一Uターン流路を液−液熱交換器よりも体積力に対して上方となる位置に設け、第一Uターン流路に加熱器を設け、加熱器の位置より体積力に対して上方となる位置の第一Uターン流路に放熱器を設け、第二Uターン流路に少なくとも二個の熱交換器を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】密閉配管されたループ流路に作動流体を封止した熱交換システムにおいて、ループ流路の一部と他の一部とを熱的に接触させ、一部のループ流路を移動する作動流体と他の一部のループ流路を移動する作動流体とが熱交換するように液−液型熱交換器を形成し、ループ流路のうち液−液型熱交換器を基点として作動流体が往復する部分を第一Uターン流路とし、ループ流路のうち液−液型熱交換器を基点として作動流体が往復する、第一Uターン流路とは反対側の部分を第二Uターン流路とし、第一Uターン流路を液−液熱交換器よりも体積力に対して上方となる位置に設け、第一Uターン流路に加熱器を設け、加熱器の位置より体積力に対して上方となる位置の第一Uターン流路に放熱器を設け、第二Uターン流路に少なくとも二個の熱交換器を設けた。
【選択図】図1
Description
この発明は、被冷却体からの放熱または熱源からの熱利用する熱交換システムに関するものである。
従来、放熱または熱利用するために、空冷ヒートシンク、ヒートパイプ、ポンプ水冷システム、ヒートポンプ、ペルチェ素子などの熱交換デバイスを利用したシステムが使用されている。その一つに、ループ状に配管された密閉容器の中に適量の作動流体が封止され、配管途中に加熱器と放熱器が設けられたループ型ヒートパイプがあり、より高温の加熱器からより低温の放熱器へ潜熱の形で熱輸送する熱デバイスがある。この種の熱デバイスは、外部動力を必要とせず、また通常の単管型ヒートパイプと異なり、液輸送路と蒸気輸送路が分けられており、気液の干渉が無いことから熱輸送量が大きくなるという利点を有する。更に熱輸送量を大きくするために、加熱器および放熱器を複数に分散するなどの工夫がなされたものもある(例えば、特許文献1)。また、ループ型ヒートパイプの流路途中に気−液熱交換器を設け、上部から下方へ熱輸送できるよう工夫されたものもある(例えば、特許文献2)
従来のループ型ヒートパイプは、重力、遠心力、毛細管力などの自然の力を利用して液を還流させる原理を利用することから、加熱器と放熱器に高低差がある場合、上方に設置された加熱器から下方へ熱輸送することが困難であった。したがって、ヒートパイプは一方向の熱輸送に限られ(熱の整流作用)、この現象は利点にもなるが、一方で熱交換システムとして両方向熱輸送システムに使用することは困難であった。例えば、夏季(または昼間)は太陽から受けるエネルギーを下方へ熱輸送し、冬季(または夜間)はその蓄熱された熱を上方へ熱輸送したいという要望に対してヒートパイプを適用することはできず、この種の用途に対しては、外部電力を必要とするポンプ等を用いて強制的に作動流体を循環させて両方向へ熱輸送するしかなかった。しかし、この種の熱交換システムでは可動部を伴うポンプを使用することから長期信頼性が乏しく、定期的メンテナンスを実施しなければならないという問題があった。
また特許文献2では、この欠点を補い、上部から下方への熱輸送を可能にすることができたが、気−液熱交換器による凝縮作用を利用して生成された高温液を送出する構造であるため、この高温液を下方または上方へ移動させることにより熱エネルギーを輸送することができるが、同一構造にて低温液を送出して熱回収(低温液が熱エネルギーを受け取り、高温の液体として戻る)することができず、ループ沿いの一方向のみへの熱輸送しかできなかった。
この発明は、上記課題を解決し、ポンプ等の動力を用いずに両方向へ熱輸送が可能な熱交換システムを提供することを目的とする。
また特許文献2では、この欠点を補い、上部から下方への熱輸送を可能にすることができたが、気−液熱交換器による凝縮作用を利用して生成された高温液を送出する構造であるため、この高温液を下方または上方へ移動させることにより熱エネルギーを輸送することができるが、同一構造にて低温液を送出して熱回収(低温液が熱エネルギーを受け取り、高温の液体として戻る)することができず、ループ沿いの一方向のみへの熱輸送しかできなかった。
この発明は、上記課題を解決し、ポンプ等の動力を用いずに両方向へ熱輸送が可能な熱交換システムを提供することを目的とする。
密閉配管されたループ流路に作動流体を封止した熱交換システムにおいて、上記ループ流路の一部と上記ループ流路の他の一部とを熱的に接触させて、上記一部のループ流路を移動する作動流体と上記他の一部のループ流路を移動する作動流体とが熱交換するように液−液型熱交換器を形成し、上記ループ流路のうち上記液−液型熱交換器を基点として上記作動流体が往復する部分を第一Uターン流路とし、上記ループ流路のうち上記液−液型熱交換器を基点として上記作動流体が往復する、上記第一Uターン流路とは反対側の部分を第二Uターン流路とし、上記第一Uターン流路を上記液−液熱交換器よりも体積力に対して上方となる位置に設け、上記第一Uターン流路に加熱器を設け、上記加熱器の位置より体積力に対して上方となる位置の上記第一Uターン流路に放熱器を設け、上記第二Uターン流路に少なくとも第一熱交換器と第二熱交換器の二個の熱交換器を設けた。
この発明によれば、加熱器からの入熱によりループ流路内を作動流体が循環し、温度が異なる第一熱交換器と第二熱交換器の間で熱輸送することが可能になり、いずれの熱交換器が高温であってももう一方の熱交換器へ熱輸送、つまり両方向への熱輸送が可能となる。
実施の形態1.
図1および図2は本発明の実施の形態1による熱交換システムを示す断面図である。ループ状に密閉配管されたループ流路1に適量の作動流体2を封止し、ループ流路1の一部3と他の一部4が熱的に接し、ループ流路1の一部3内の作動流体2とループ流路1の他の一部4内の作動流体2との間で熱交換する液−液型熱交換器5を形成する。この液−液型熱交換器5を基点とする一方のUターン流路(第一Uターン流路という)6を液−液型熱交換器5よりも体積力に対して上方となるように設け、第一Uターン流路6の体積力に対して上方に放熱器7、それより下方に加熱器8を設ける。さらに、液−液型熱交換器5を基点とする、第一Uターン流路とは反対側のUターン流路(第二Uターン流路という)9に第一熱交換器10と第二熱交換器11を設ける。
図1および図2は本発明の実施の形態1による熱交換システムを示す断面図である。ループ状に密閉配管されたループ流路1に適量の作動流体2を封止し、ループ流路1の一部3と他の一部4が熱的に接し、ループ流路1の一部3内の作動流体2とループ流路1の他の一部4内の作動流体2との間で熱交換する液−液型熱交換器5を形成する。この液−液型熱交換器5を基点とする一方のUターン流路(第一Uターン流路という)6を液−液型熱交換器5よりも体積力に対して上方となるように設け、第一Uターン流路6の体積力に対して上方に放熱器7、それより下方に加熱器8を設ける。さらに、液−液型熱交換器5を基点とする、第一Uターン流路とは反対側のUターン流路(第二Uターン流路という)9に第一熱交換器10と第二熱交換器11を設ける。
ここで、体積力とは物質の体積に対して働く力であり、例えば重力や遠心力のことで地球上の静止した装置にあっては重力が主体となる。また、Uターン流路とは、図1や図2における符号6や9で示される流路のように、作動流体2が往復するように設けられた流路のことを言う。作動流体2が液−液熱交換器5を基点に往復するように設けられた流路であれば、図1や図2の符号6や9で示されるようなU字状の流路に限られず、どのような形状の流路であっても良い。なお、第二Uターン流路9は、必ずしも体積力方向に伸びるように設ける必要はなく、体積力方向と直行する方向、すなわち例えば体積力が重力の場合であれば水平方向に伸びるように設けても良い。また、第二Uターン流路9は、第一Uターン流路6よりも上方となる位置まで伸びるように設けても良い。このように、第二Uターン流路は、伸びる方向や設ける位置はどのような方向や位置になっても良い。
次に、本発明の熱交換システムの動作について説明する。加熱器8より熱を印加すると、加熱器8を設けたループ流路1内の作動流体2が沸騰し、蒸気泡12が発生する。すなわち、加熱器8は作動流体2に作動流体が気液二相となる熱量を与える。蒸気泡12に作用する浮力により、蒸気泡12はループ流路1沿いに移動し、放熱器7にて少なくとも気液二相となった作動流体を液相にするだけの熱量を放熱させて、蒸気泡12を凝縮、液化させることにより蒸気泡12は消失する。この蒸気泡12の移動により引き起こされたループ流路1沿いの作動流体2の循環により、第一熱交換器10と第二熱交換器11が設けられたループ流路1を作動流体2が通流するし、その際受熱または放熱する。
例えば、図1に示すように、第一熱交換器10が15℃で第二熱交換器11が20℃の場合、ループ流路1内部の作動流体2は第二熱交換器11から受熱し20℃に加熱される。次に、この作動流体2が第一熱交換器部10に流入し、第一熱交換器10が作動流体2から受熱し、第一熱交換器10が設けられたループ流路1の出口部で作動流体2は15℃に冷却される。液−液熱交換器5において流路4に40℃の作動流体2が流入することから、流路3出口にて作動流体は40℃に加熱される。この作動流体2は、加熱器8からさらに熱を印加され、沸騰し、蒸気泡12と共に気液二相流体として放熱器7に流入し、蒸気泡12は凝縮、液化し、40℃の作動流体2として液−液熱交換器5の流路4を通流する。その際作動流体2は流路3との熱交換により15℃に冷却される。この作動流体2は、第二熱交換器11に再び流入し20℃の作動流体2として第一熱交換器10へ送出され、この一連の動作を繰り返すことにより、第二熱交換器11から第一熱交換器10に熱輸送することができる。
図2に示すように、第一熱交換器10が50℃で第二熱交換器11が20℃、すなわち第一熱交換器10の温度と第二熱交換器11の温度の高低の関係が図1と逆の場合、第二熱交換器11部を作動流体2が通流する際、第二熱交換器11が受熱し作動流体2は20℃に冷却される。この作動流体2が第一熱交換器10部に流入し、第一熱交換器10から作動流体2が受熱し、第一熱交換器10が設けられたループ流路1の出口部での作動流体2は50℃に加熱される。液−液熱交換器5において流路4には80℃の作動流体2が流入することから、流路3出口にて作動流体は80℃に加熱される。この作動流体2は、加熱器8からさらに熱が印加され、沸騰し、蒸気泡12と共に二相流体として放熱器7に流入する。蒸気泡12は凝縮、液化し、80℃の作動流体2として液−液熱交換器5の流路4を通流し、その際流路3との熱交換により作動流体2は50℃に冷却される。この作動流体2は、第二熱交換器11に流入し再び20℃の作動流体2として第一熱交換器10に送出され、この一連の動作を繰り返すことにより、第一熱交換器10から第二熱交換器11に熱輸送する。
図1と図2で説明したように、本発明の構成によれば、第一熱交換器10および第二熱交換器11の両方向へ熱輸送することができる。なお、第一熱交換器や第二熱交換器はそれぞれ一個ずつである必要はなく、いずれかが複数、あるいはいずれも複数であっても良いのは言うまでもない。
本発明は、液−液熱交換器5により、第一Uターン流路6と第二Uターン流路9の温度帯を切り替えたものであり、第一Uターン流路6は加熱器8により熱量を与えられるためシステム内で最も高温となり、主に潜熱熱交換により液体循環を引き起こす機構を有しており、ほぼ流路沿いに等温である。第二Uターン流路9は、より低温で、通常の水冷と同様に第二Uターン流路9沿いに発生する温度差を利用して熱輸送するものである。なお、第一熱交換器10が第二熱交換器11より低温の場合、作動流体2の移動により直接熱を輸送するが、第一熱交換器10が第二熱交換器11より高温の場合、液−液熱交換器5の熱交換を介して作動流体2の移動により熱を輸送する。また、第一熱交換器10および第二熱交換器11部分の熱交換が作動流体2の顕熱変化を利用していることから、高熱流束で入熱される場合においてもドライアウトが生じ難く、より高熱流束の発熱体であっても確実に冷却することができる。
なお、放熱器7は、図1、図2で示すように、第一Uターン流路6の往復する部分にわたって設ける必要はなく、図3や図4に示すような位置だけに設けても良く、加熱器8の上方であれば第一Uターン流路6の何処に設けても良い。図1〜4の第一Uターン流路6いずれにおいても、作動流体を気液二相とするための熱量を加熱器8で作動流体に与えることにより蒸気泡12が発生し、加熱器8よりも上方に、気泡12を消失させる、すなわち気液二相となった作動流体を液相に戻すための熱量を放熱させる放熱器7を設けたことで、第一Uターン流路6内の左右で作動流体2に働く体積力がアンバランスとなる。すなわち作動流体2に働く体積力は左側より右側が大きいため、作動流体2にループ流路1に対して右回りの駆動力が発生して作動流体2がループ流路1内を回るようになる。また、上記したように、第二Uターン流路9は第一Uターン流路6とどのような位置関係にあっても良く、伸びる方向もどのような方向であっても良い。この理由は、液−液熱交換器5を基点とする第二Uターン流路9内の作動流体2は全て液相であるため、第二Uターン流路をどのように設けたとしても、作動流体2に働く体積力が第二Uターン流路9内全体でバランスするから、第一Uターン流路6で発生した駆動力に影響を及ぼさないからである。
また、作動流体2を適量封入しておくことで、加熱器8と放熱器7の加熱・放熱の熱量制御により第一Uターン流路6の温度はどのようにでも設定できる。例えば作動流体が水の場合、図1では蒸気温度が40℃で、内圧は0.07気圧になり、この圧力に対する沸点が40℃であることから加熱器8が設けられた第一Uターン流路6内で沸騰することができる。同様に、図2では蒸気温度が80℃で、内圧は0.47気圧になり、加熱器8が設けられた第一Uターン流路6内で沸騰することができる。この蒸気温度と内圧は、作動流体に依存した飽和沸騰曲線で表される関係により決定される。本熱交換システムにおいて、加熱器8から供給する熱量を大きくすると、凝縮熱伝達および放熱器7から周囲空気への熱抵抗に関して、蒸気温度と周囲空気温度の差が大きくなることから、蒸気温度引いては内圧を変化させることができる。一方、上記加熱器8からの加熱量を一定にした場合においても、放熱器7への風量を変化させるなどにより放熱器7から周囲空気への熱抵抗を変化させることができ、同様に蒸気温度引いては内圧を変化させることができる。このように作動流体を適量封入し、加熱器8と放熱器7の加熱・放熱の熱量を制御することで、種々の温度設定ができる。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2を示す構成図である。実施の形態2は、図1に示す第二熱交換器11の方が第一熱交換器10より温度が高い場合に、より効率良く熱輸送する形態であり、第一熱交換器10と第二熱交換器11の間であって、第二Uターン流路9の内部または第二Uターン流路9と並列にヒートパイプ13を設けたものである。このようにすることにより、ヒートパイプ13にて熱輸送することができ、より小さな温度差で熱輸送することができる。
図5は本発明の実施の形態2を示す構成図である。実施の形態2は、図1に示す第二熱交換器11の方が第一熱交換器10より温度が高い場合に、より効率良く熱輸送する形態であり、第一熱交換器10と第二熱交換器11の間であって、第二Uターン流路9の内部または第二Uターン流路9と並列にヒートパイプ13を設けたものである。このようにすることにより、ヒートパイプ13にて熱輸送することができ、より小さな温度差で熱輸送することができる。
なお、図2の場合、すなわち第二熱交換器11の方が第一熱交換器10より温度が低い場合においては、ヒートパイプ13は動作せず、改善効果はないが、放熱特性を劣化させることもない。
また、加熱器8から熱を供給せずに、熱輸送することも可能である。第一Uターン流路6において、作動流体内の圧力は上方ほど小さくなるため、上方ほど沸騰し易い。例えば、作動流体が水の場合、0.05気圧で沸点は約33℃である。作動流体が33℃の部分は、上方に作動流体が0.5m以下しかない部分では沸騰できる。一旦沸騰が起こると上方に蒸気が溜まり作動流体に加わる圧力が上がるため沸騰できる部分は少なくなるが、いずれかで平衡状態(例えば、蒸気圧力が0.05気圧で上方に作動流体が0.2mある部位(この地点の圧力は0.07気圧)において40℃で安定した沸騰状態)になり、沸騰が持続的に生じる。このようにして作動流体2がループ流路1内を循環する駆動力が発生する。
実施の形態3.
図6は本発明の実施の形態3を示す構成図であり、本発明を例えば空調機の排熱・吸熱に適用した例を示すものである。14は空調機のヒートポンプの圧縮機、15は室内熱交換器、16は膨張弁、10はヒートポンプの室外熱交換器である。このように、図1や図2の加熱器8を例えば空調機のヒートポンプの圧縮機14、図1や図2の第一熱交換器10をヒートポンプの室外熱交換器として、実施の形態1や2の熱交換システムと空調機のヒートポンプを組合せる。さらに、第二熱交換器11を例えば土壌と熱交換を行うように土壌中に設けることにより、夏は周囲空気より温度が低い熱源(土壌)へ熱を放出し、冬は周囲空気より温度が高い熱源(土壌)から熱を汲み上げることができ、ヒートポンプの効率が上昇し、省エネになる。この、夏の各部の動作温度の様子は図1に示したのと同じようであり、冬の各部の動作温度の様子は図2に示したのと同じようである。なお第二熱交換器11は河川、海水、排水などと熱交換するように設けても同様の効果があるのは言うまでもない。また、ヒートポンプ駆動により、圧縮機の温度が高くなるので、上記実施の形態1および2に示す加熱器8の始動および停止する機構を必要とせず、さらに別途熱を印加するための熱エネルギーを必要としないことから、より省エネになる。さらに、土壌など空気以外の熱源と熱交換を行う場合にあっては、ヒートポンプからの空気排熱が無く、周囲空気温度の上昇を抑制することができ、快適になる。
図6は本発明の実施の形態3を示す構成図であり、本発明を例えば空調機の排熱・吸熱に適用した例を示すものである。14は空調機のヒートポンプの圧縮機、15は室内熱交換器、16は膨張弁、10はヒートポンプの室外熱交換器である。このように、図1や図2の加熱器8を例えば空調機のヒートポンプの圧縮機14、図1や図2の第一熱交換器10をヒートポンプの室外熱交換器として、実施の形態1や2の熱交換システムと空調機のヒートポンプを組合せる。さらに、第二熱交換器11を例えば土壌と熱交換を行うように土壌中に設けることにより、夏は周囲空気より温度が低い熱源(土壌)へ熱を放出し、冬は周囲空気より温度が高い熱源(土壌)から熱を汲み上げることができ、ヒートポンプの効率が上昇し、省エネになる。この、夏の各部の動作温度の様子は図1に示したのと同じようであり、冬の各部の動作温度の様子は図2に示したのと同じようである。なお第二熱交換器11は河川、海水、排水などと熱交換するように設けても同様の効果があるのは言うまでもない。また、ヒートポンプ駆動により、圧縮機の温度が高くなるので、上記実施の形態1および2に示す加熱器8の始動および停止する機構を必要とせず、さらに別途熱を印加するための熱エネルギーを必要としないことから、より省エネになる。さらに、土壌など空気以外の熱源と熱交換を行う場合にあっては、ヒートポンプからの空気排熱が無く、周囲空気温度の上昇を抑制することができ、快適になる。
実施の形態4.
図7は本発明の実施の形態4を示す構成図であり、本発明を例えば室内で発熱が大きいパソコンやサーバーなど電子機器の排熱に適用した例を示すものである。すなわち、図1の加熱器8をパソコンやサーバーに代表される電子機器の電源または無停電用電源17とし、図1の第一熱交換器10をパソコンやサーバーなどに代表される電子機器18として、本発明による熱交換システムを事務室またはサーバーセンターなどの冷却システムに用いた例である。複数の電子機器18を動作させるための電源17は、個々の電子機器18の動作状況に関係なく動作するため、電源17は常に発熱しており、それゆえ作動流体2の循環を引き起こす。電子機器18に関しては、必要に応じて動作状態が異なり加熱量が変化すると共に、故障時のメンテナンス、交換または新規電子機器の設置など、熱負荷の状態はさまざまに変化する。しかし、本構成では、常に冷却用の作動流体2の循環が生じていることから、電子機器18の状態に関係なく確実に冷却することができる。
図7は本発明の実施の形態4を示す構成図であり、本発明を例えば室内で発熱が大きいパソコンやサーバーなど電子機器の排熱に適用した例を示すものである。すなわち、図1の加熱器8をパソコンやサーバーに代表される電子機器の電源または無停電用電源17とし、図1の第一熱交換器10をパソコンやサーバーなどに代表される電子機器18として、本発明による熱交換システムを事務室またはサーバーセンターなどの冷却システムに用いた例である。複数の電子機器18を動作させるための電源17は、個々の電子機器18の動作状況に関係なく動作するため、電源17は常に発熱しており、それゆえ作動流体2の循環を引き起こす。電子機器18に関しては、必要に応じて動作状態が異なり加熱量が変化すると共に、故障時のメンテナンス、交換または新規電子機器の設置など、熱負荷の状態はさまざまに変化する。しかし、本構成では、常に冷却用の作動流体2の循環が生じていることから、電子機器18の状態に関係なく確実に冷却することができる。
なお、実施の形態3と同様、電源または無停電用電源17もまた冷却すべき対象であることから、別途加熱器8を設ける必要は無く、また冷却用のエネルギーも必要としないことから、省エネに則している。
また、電子機器18が設けられた区画と、それ以外が設けられた区画を分け、例えば前者が室内で、後者が室外である場合、放熱器7および第二熱交換器11から直接室外へ熱を排出することができる。このため、電子機器18を収容した室内空気温度を上昇させないことから、室内用空調設備の省エネにも貢献する。さらに、実施の形態3で説明したのと同様に第二熱交換器11を土壌、河川、海水、排水と熱交換する熱交換器としても良い。
なお、第二熱交換器11は電子機器18(図1では第一熱交換器10)より、より上流側に設置することにより、より低温の作動流体2を電子機器18(図1では第一熱交換器10)に供給することができ、放熱特性が向上する。
1 ループ流路、2 作動流体、3 ループ流路の一部の流路、4 ループ流路の他の一部の流路、5 液−液型熱交換器、6 第一Uターン流路、7 放熱器、8 加熱器、9 第二Uターン流路、10 第一熱交換器、11 第二熱交換器、12 蒸気泡、13 ヒートパイプ、14 圧縮機、15 室内交換器、16 膨張弁、17 電源または無停電用電源、18 電子機器。
Claims (6)
- 密閉配管されたループ流路に作動流体を封止した熱交換システムにおいて、
上記ループ流路の一部と上記ループ流路の他の一部とを熱的に接触させて、上記一部のループ流路を移動する作動流体と上記他の一部のループ流路を移動する作動流体とが熱交換するように液−液型熱交換器を形成し、
上記ループ流路のうち上記液−液型熱交換器を基点として上記作動流体が往復する部分を第一Uターン流路とし、
上記ループ流路のうち上記液−液型熱交換器を基点として上記作動流体が往復する、上記第一Uターン流路とは反対側の部分を第二Uターン流路とし
上記第一Uターン流路を上記液−液熱交換器よりも体積力に対して上方となる位置に設け、
上記第一Uターン流路に加熱器を設け、
上記加熱器の位置より体積力に対して上方となる位置の上記第一Uターン流路に放熱器を設け、
上記第二Uターン流路に少なくとも第一熱交換器と第二熱交換器の二個の熱交換器を設けたことを特徴とする熱交換システム。 - 加熱器は、作動流体を気液二相とするための熱量を上記作動流体に与え、放熱器は、気液二相となった上記作動流体を液相に戻すための熱量を放熱させることを特徴とする請求項1記載の熱交換システム。
- 第一熱交換器と第二熱交換器との間であって、上記第二Uターン流路の内部または上記第二Uターン流路と並列にヒートパイプを設けたことを特徴とする請求項1記載の熱交換システム。
- 圧縮機と2つの熱交換器とを備えるヒートポンプの圧縮機を加熱器とし、上記ヒートポンプの一方の熱交換器を第一熱交換器としたことを特徴とする請求項1〜3いずれか一に記載の熱交換システム。
- 室内に設置された電子機器と熱交換する熱交換器を第一熱交換器とし、上記電子機器の電源または無停電用電源を加熱器としたことを特徴とする請求項1〜3いずれか一に記載の熱交換システム。
- 第二熱交換器は作動流体と土壌との間で熱交換させる熱交換器であることを特徴とする請求項1〜5いずれか一に記載の熱交換システム。
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2009
- 2009-01-20 JP JP2009009877A patent/JP2010169283A/ja active Pending
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