JP2009300007A - 温調装置 - Google Patents

温調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009300007A
JP2009300007A JP2008155659A JP2008155659A JP2009300007A JP 2009300007 A JP2009300007 A JP 2009300007A JP 2008155659 A JP2008155659 A JP 2008155659A JP 2008155659 A JP2008155659 A JP 2008155659A JP 2009300007 A JP2009300007 A JP 2009300007A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
temperature
circulation circuit
medium
heat pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008155659A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Teraki
潤一 寺木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2008155659A priority Critical patent/JP2009300007A/ja
Publication of JP2009300007A publication Critical patent/JP2009300007A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】冷暖房の双方において熱媒体の潜熱を利用可能とし、装置の小型化を図ることである。
【解決手段】潜熱物質が混合されて成る熱媒体が循環する循環回路(20)と、循環回路(20)の熱媒体の温度が潜熱物質の相変化温度となるように、熱媒体に対して吸熱または放熱を行う熱源側ヒートポンプ(10)とを備えている。そして、熱電素子(31)と、熱電素子(31)の第1面(32)に形成され室内空気と熱交換する第1熱交換部(34)と、熱電素子(31)の第2面(33)に形成され循環回路(20)の熱媒体と熱交換する第2熱交換部(35)とを有する利用側ヒートポンプ(30)を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプを用いて対象物を温調する温調装置に関し、特に、小型化対策に係るものである。
従来より、ヒートポンプ式の熱源機を用いた温調装置が知られており、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1では、温調装置である冷暖房システムが、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うヒートポンプと、該ヒートポンプと室内側熱交換器との間で熱媒体である水が循環する水回路とを備えている。
この冷暖房システムでは、冷房運転と暖房運転とが切り換えて行われる。冷房運転の場合、水回路では、ヒートポンプ(蒸発器)によって冷却された低温の水(冷水)が室内側熱交換器へ流れて室内空気と熱交換し、該室内空気が冷却される。暖房運転の場合、水回路では、ヒートポンプ(凝縮器)によって加熱された高温の水(温水)が室内側熱交換器へ流れて室内空気と熱交換し、該室内空気が加熱される。このように、水の顕熱が利用されて冷暖房が行われる。
特開2002−267277号公報
ところで、上述した特許文献1の冷暖房システムように、熱媒体(水)の顕熱のみを利用する方法では、大流量の熱媒体を循環させて熱量を稼ぐ必要がある。そのため、循環配管の大口径化、また熱媒体の搬送動力が増大する等の問題があり、システムの大型化を招いていた。
そこで、熱媒体に相変化を生じる物質を多量に混合させて、主に潜熱を利用する方法が考えられる。つまり、潜熱が利用される物質を混合することにより、熱媒体の熱密度を大きくして循環量を低減することが考えられる。
しかしながら、この場合、以下の問題があった。熱媒体の潜熱を利用する場合、熱媒体の温度を潜熱の物質が相変化する一定の温度領域に設定する必要がある。これに対し、冷暖房システムにおいて、冷房運転では熱媒体が比較的低い温度で利用され、暖房運転では熱媒体が比較的高い温度で利用される。つまり、冷房運転と暖房運転とでは、熱媒体の利用温度が異なる。したがって、少なくとも冷房運転および暖房運転の一方においては、潜熱を利用することが困難となってしまう。そうすると、何れかの運転では、熱媒体の熱密度が低下するため、熱媒体の循環量を増大させて熱量を稼ぐ必要が生じる。これにより、上述したシステムの大型化を解消できなくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なる複数の制御温度帯が設定される利用側に対して、潜熱が利用される物質を含む熱媒体が熱源として供給される温調装置において、利用側の何れの制御温度帯に対しても熱媒体の潜熱を利用可能とし、装置の小型化を図ることにある。
第1の発明は、循環ポンプ(23)を有し、潜熱が利用される物質を含む熱媒体が循環する循環回路(20)と、上記循環回路(20)の熱媒体の温度が上記潜熱が利用される物質の相変化温度となるように、該熱媒体に対して吸熱または放熱を行う熱源側ヒートポンプ手段(10)とを備えると共に、上記熱源側ヒートポンプ手段(10)によって吸熱または放熱された上記循環回路(20)の熱媒体に放熱すると共に温調対象から吸熱する第1動作と、上記熱源側ヒートポンプ手段(10)によって吸熱または放熱された上記循環回路(20)の熱媒体から吸熱すると共に温調対象に放熱する第2動作とを切り換えて行う利用側ヒートポンプ手段(30)を備えているものである。
上記の発明では、循環回路(20)の熱媒体に対して熱源側ヒートポンプ手段(10)が吸熱(即ち、冷却)または放熱(即ち、加熱)することにより、熱媒体の温度が一定温度になる。この温度は、潜熱が利用される物質(以下、潜熱物質という。)が相変化する温度である。そして、この温調装置は、例えば、空気調和装置を構成し、室内空気を温調対象として冷却および加熱する。
この空気調和装置(温調装置)では、冷房運転と暖房運転とが切り換えて行われる。冷房運転と暖房運転とは、当然ながら、室内空気の制御温度帯が異なる。冷房運転の場合、利用側ヒートポンプ手段(30)では第1動作が行われる。具体的に、利用側ヒートポンプ手段(30)では、室内空気から吸熱して循環回路(20)の熱媒体に放熱する。吸熱(冷却)された室内空気は室内へ供給され、室内の冷房が行われる。一方、放熱(加熱)された熱媒体は、潜熱物質が相変化する。つまり、室内空気から吸熱した熱量と利用側ヒートポンプ(30)の投入電力が、潜熱物質の相変化分の潜熱量となる。ここで、一般に、潜熱の熱密度は顕熱の熱密度よりも高い。したがって、室内空気から必要熱量を吸熱する際、顕熱を利用する場合に比べて、熱媒体の必要流量が少なくてすむ。
暖房運転の場合、利用側ヒートポンプ手段(30)では第2動作が行われる。具体的に、利用側ヒートポンプ手段(30)では、循環回路(20)の熱媒体から吸熱して室内空気に放熱する。放熱(加熱)された室内空気は室内へ供給され、室内の暖房が行われる。一方、吸熱(冷却)された熱媒体は、潜熱物質が相変化する。つまり、室内空気に放熱した熱量から利用側ヒートポンプ(30)の投入電力を引いた熱量が、潜熱物質の相変化分の潜熱量となる。したがって、室内空気に必要熱量を放熱する際も、顕熱を利用する場合に比べて、熱媒体の必要流量が少なくてすむ。
このように、本発明では、利用側ヒートポンプ手段(30)を設けることで、冷房運転および暖房運転の何れの場合も、確実に熱媒体の潜熱が利用される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記利用側ヒートポンプ手段(30)は、冷却面および加熱面の2面を有する熱電素子(31)と、該熱電素子(31)の一面に形成され、上記温調対象と熱交換する第1熱交換部(34)と、上記熱電素子(31)の他面に形成され、上記熱源側ヒートポンプ手段(10)によって吸熱または放熱された上記循環回路(20)の熱媒体と熱交換する第2熱交換部(35)とを備えているものである。
上記の発明では、利用側ヒートポンプ手段(30)がいわゆる熱電素子型のヒートポンプを構成する。熱電素子(31)の両面が加熱面と冷却面とに切り換わることにより、第1熱交換部(34)および第2熱交換部(35)が吸熱側と放熱側とに切り換わる。冷房運転では、例えば、第1熱交換部(34)が吸熱側となって室内空気を冷却する一方、第2熱交換部(35)が放熱側となって循環回路(20)の熱媒体を加熱する。また、暖房運転では、第1熱交換部(34)が放熱側となって室内空気を加熱する一方、第2熱交換部(35)が吸熱側となって循環回路(20)の熱媒体を冷却する。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記利用側ヒートポンプ手段(30)が、上記循環回路(20)の熱媒体の流れ方向に対して直列に複数設けられているものである。
上記の発明では、循環回路(20)の熱媒体が各利用側ヒートポンプ手段(30)によって順次、吸熱または放熱される。そして、各室内において、個別に冷房運転と暖房運転とが切り換えられる。
第4の発明は、上記第1または第2の発明において、
上記循環回路(20)は、上記熱源側ヒートポンプ手段(10)によって吸熱または放熱された熱媒体の蓄熱タンク(24)が設けられているものである。
上記の発明では、例えば、利用側ヒートポンプ手段(30)を停止させた状態で熱源側ヒートポンプ手段(10)が運転され、循環回路(20)の熱媒体が一定温度に冷却または加熱される。その熱媒体は、蓄熱タンク(24)に貯留されて蓄熱される。そして、熱源側ヒートポンプ手段(10)を停止して、利用側ヒートポンプ手段(30)が運転される。そうすると、蓄熱タンク(24)の熱媒体が利用側ヒートポンプ手段(30)によって冷却または加熱され、冷房運転または暖房運転が行われる。
したがって、第1の発明によれば、利用側ヒートポンプ(30)を設けるようにしたため、例えば冷暖房の別に関係なく熱媒体の温度を一律に設定しても、熱媒体から吸熱して室内空気(温調対象)へ放熱できるし、逆に室内空気(温調対象)から吸熱して熱媒体に放熱することができる。したがって、熱媒体の温度を潜熱物質が相変化する温度に設定することにより、冷房運転および暖房運転の何れの場合にも(即ち、異なる複数の制御温度帯に対しても)、確実に熱媒体の潜熱を利用することができる。即ち、熱媒体の熱密度を高めることができる。これにより、熱媒体の顕熱が利用される場合に比べて、循環回路(20)における熱媒体の必要循環量を低減することができる。その結果、循環回路(20)の配管の口径を小さくでき、また循環ポンプ(23)の必要動力を低減することができる。よって、温調装置(1)の小型化を図ることができる。
また、第2の発明によれば、利用側ヒートポンプ(30)として熱電素子型のヒートポンプを用いるようにしたため、例えば圧縮式のヒートポンプと比べて、利用側ヒートポンプ(30)を小型且つ低騒音とすることができる。その結果、温調装置(1)の低騒音化を図ることができると共に、一層の小型化を図ることができる。
また、第3の発明によれば、利用側ヒートポンプ(30)を複数設けるようにしたため、各室内において個別に冷房運転と暖房運転とを切り換えることができる。さらに、利用側ヒートポンプ(30)を直列に複数設けるようにしたため、冷房運転による排熱を暖房運転に利用することができる。つまり、上流側の利用側ヒートポンプ(30)で冷房運転を行い、その下流側の利用側ヒートポンプ(30)で暖房運転を行う場合、上流で行われる冷房運転で熱媒体に放熱(排熱)した熱を下流で行われる暖房運転に熱源として利用することができる。これにより、熱源側ヒートポンプ(10)の負荷を低減することができる。その結果、省エネ性が向上する。
また、第4の発明によれば、熱媒体に潜熱物質が混合されているため、蓄熱タンク(24)の蓄熱材として熱媒体そのものを用いることができる。したがって、単にタンクを設けるだけでよく、簡易な蓄熱システムを構築することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。図1に示すように、本実施形態の空気調和装置(1)は、本発明に係る温調装置の一例であり、熱源側ヒートポンプ(10)と、循環回路(20)と、利用側ヒートポンプ(30)とを備えている。
上記熱源側ヒートポンプ(10)は、熱源側回路を構成し、室外に配設されている。利用側ヒートポンプ(30)は、利用側回路を構成し、室内に配設されている。循環回路(20)は、熱源側ヒートポンプ(10)と利用側ヒートポンプ(30)の間に接続される中間回路を構成している。
上記熱源側ヒートポンプ(10)は、圧縮機(11)、四路切換弁(12)、第1熱交換器(13)、膨張機構(14)および第2熱交換器(15)を備え、閉回路に形成されている。この熱源側ヒートポンプ(10)は、冷媒を循環させて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うヒートポンプ手段を構成している。
上記第1熱交換器(13)は、冷媒が室外空気と熱交換する熱源側熱交換器を構成している。第1熱交換器(13)の近傍には、室外空気を取り込むファン(16)が設けられている。第2熱交換器(15)は、循環回路(20)に接続されている。第2熱交換器(15)は、冷媒が循環回路(20)の熱媒体と熱交換する利用側熱交換器を構成している。
上記熱源側ヒートポンプ(10)では、四路切換弁(12)の切換により、冷媒の循環方向が可逆に切り換わる。具体的に、四路切換弁(12)が図1に示す実線の状態に切り換わると、第1熱交換器(13)が凝縮器として機能し且つ第2熱交換器(15)が蒸発器として機能する冷凍サイクル(以下、第1冷凍サイクルという。)が行われる。四路切換弁(12)が図1に示す破線の状態に切り換わると、第2熱交換器(15)が凝縮器として機能し且つ第1熱交換器(13)が蒸発器として機能する冷凍サイクル(以下、第2冷凍サイクルという。)が行われる。第1冷凍サイクルでは、第2熱交換器(15)において冷媒が循環回路(20)の熱媒体から吸熱する。第2冷凍サイクルでは、第2熱交換器(15)において冷媒が循環回路(20)の熱媒体に放熱する。
上記循環回路(20)は、戻り配管(21)、送り配管(22)および循環ポンプ(23)を備えている。送り配管(22)は、始端が熱源側ヒートポンプ(10)の第2熱交換器(15)に接続され、終端が利用側ヒートポンプ(30)に接続されている。戻り配管(21)は、始端が利用側ヒートポンプ(30)に接続され、終端が熱源側ヒートポンプ(10)の第2熱交換器(15)に接続されている。循環ポンプ(23)は、送り配管(22)に設けられている。循環回路(20)は、熱媒体が循環ポンプ(23)によって図1に示す矢印方向に循環する閉回路を構成している。
上記循環回路(20)の熱媒体は、液体に、潜熱が利用される物質(潜熱物質)が混合されてなる。液体としては、水やブラインが挙げられる。潜熱物質としては、パラフィン等が封入されたマイクロカプセルや、潜熱エマルジョン等が挙げられる。なお、本実施形態では、熱源側ヒートポンプ(10)の冷媒が一次冷媒となっており、循環回路(20)の熱媒体が二次冷媒となっている。
上記利用側ヒートポンプ(30)は、いわゆる熱電素子型のヒートポンプ手段を構成している。利用側ヒートポンプ(30)は、熱電素子(31)と第1熱交換部(34)および第2熱交換部(35)とを備えている。熱電素子(31)は、いわゆるペルチェ素子であり、一般には平板状に形成されている。なお、熱電素子(31)には電源(3)が接続されている。第1熱交換部(34)および第2熱交換部(35)は、それぞれ熱電素子(31)の第1面(32)および第2面(33)に設けられている。つまり、第1熱交換部(34)および第2熱交換部(35)は熱電素子(31)を挟み込んでいる。これら熱交換部(34,35)は、図示しないが、複数のフィン(25)で構成されたフィン群が設けられている。
上記第1熱交換部(34)は、循環回路(20)の熱媒体が流通し、その際に熱媒体と熱交換するように構成されている。第2熱交換器(15)は、空気調和装置(1)の温調対象っである室内空気と熱交換するように構成されている。なお、第2熱交換器(15)の近傍には、室内空気を取り込むファン(36)が設けられている。
上記利用側ヒートポンプ(30)では、熱電素子(31)の第1面(32)および第2面(33)が加熱面と冷却面とに切り換わることにより、第1熱交換部(34)および第2熱交換部(35)が吸熱側と放熱側とに切り換わる。具体的に、冷房運転時には、第1熱交換部(34)が吸熱側となって室内空気が吸熱(冷却)される一方、第2熱交換部(35)が放熱側となって循環回路(20)の熱媒体が放熱(加熱)される。つまり、本発明に係る第1動作が行われる。また、暖房運転時には、第1熱交換部(34)が放熱側となって室内空気が放熱(加熱)される一方、第2熱交換器(15)が吸熱側となって循環回路(20)の熱媒体が吸熱(冷却)される。つまり、本発明に係る第2動作が行われる。このように、空気調和装置(1)において、冷房運転では室内空気の制御温度帯が比較的低く、暖房運転では室内空気の制御温度帯が比較的高くなる。即ち、冷房運転と暖房運転とは、室内空気の制御温度帯が異なる。
また、上記空気調和装置(1)では、循環回路(20)の熱媒体が一定温度となるように、熱源側ヒートポンプ(10)が運転制御される。この一定温度は、熱媒体における潜熱物質が相変化する温度(以下、相変化温度という。)に設定されている。つまり、熱源側ヒートポンプ(10)は、熱媒体の温度が相変化温度とになるように、熱媒体に対する吸熱量または加熱量を調節するようになっている。
−運転動作−
次に、上記空気調和装置(1)の運転動作について説明する。この空気調和装置(1)では、冷房運転と暖房運転とが切り換わって行われる。各運転では、圧縮機(11)、各ファン(16,36)および循環ポンプ(23)が駆動されると共に、熱電素子(31)に対して通電される。
〈冷房運転〉
冷房運転では、熱源側ヒートポンプ(10)において蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われ、第2熱交換器(15)が蒸発器として機能する。第2熱交換器(15)では、循環回路(20)の熱媒体が吸熱されて潜熱物質の相変化温度となる。つまり、熱媒体の温度が相変化温度よりも高い場合は、熱源側ヒートポンプ(10)において上述した第1冷凍サイクルが行われ、蒸発器となった第2熱交換器(15)で熱媒体が吸熱されて冷却される。相変化温度となった熱媒体は、循環ポンプ(23)によって利用側ヒートポンプ(30)の第2熱交換部(35)へ供給される。
利用側ヒートポンプ(30)では、上述した第1動作が行われ、第1熱交換部(34)が吸熱側となり、第2熱交換部(35)が放熱側となる。第1熱交換部(34)では室内空気が吸熱されて室内へ供給され、第2熱交換部(35)では循環回路(20)の熱媒体に対して放熱される。放熱された熱媒体は、潜熱物質が相変化する。室内空気から吸熱した熱量と利用側ヒートポンプ(30)の投入電力が、潜熱物質の相変化分の潜熱量となる。つまり、熱媒体の潜熱が利用される。
室内空気から吸熱する必要熱量は、室内の設定温度に応じて定められる。ここで、一般に、潜熱の熱密度は顕熱の熱密度よりも高い。したがって、本実施形態の場合、第2熱交換部(35)を流通する熱媒体は、顕熱が利用される熱媒体と比べて熱密度が高くなる。よって、室内空気から必要熱量を吸熱するにあたって、第2熱交換部(35)を流通する熱媒体の必要流量が少なくてすむ。
〈暖房運転〉
暖房運転では、上記冷房運転とは逆に、熱源側ヒートポンプ(10)によって循環回路(20)の熱媒体が放熱されることで、熱媒体の温度が潜熱物質の相変化温度となる。つまり、第2熱交換器(15)に流入する熱媒体の温度が相変化温度よりも低い場合は、熱源側ヒートポンプ(10)において上述した第2冷凍サイクルが行われ、凝縮器となった第2熱交換器(15)で熱媒体が放熱されて加熱される。そして、相変化温度となった熱媒体は、循環ポンプ(23)によって利用側ヒートポンプ(30)の第2熱交換部(35)へ供給される。
利用側ヒートポンプ(30)では、上述した第2動作が行われ、第1熱交換部(34)が放熱側となり、第2熱交換部(35)が吸熱側となる。第1熱交換部(34)では室内空気が放熱されて室内へ供給され、第2熱交換部(35)では循環回路(20)の熱媒体が吸熱される。吸熱された熱媒体は、潜熱物質が相変化する。室内空気に放熱した熱量から利用側ヒートポンプ(30)の投入電力を引いた熱量が、潜熱物質の相変化分の潜熱量となる。つまり、この暖房運転の場合も、熱媒体の潜熱が利用される。
室内空気に放熱する必要熱量は、室内の設定温度に応じて定められる。そして、第2熱交換部(35)を流通する熱媒体は、潜熱が利用されるため熱密度が高い。よって、室内空気に必要熱量を放熱するにあたって、第2熱交換部(35)を流通する熱媒体の必要流量が少なくてすむ。
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態では、熱源側ヒートポンプ(10)以外に利用側ヒートポンプ(30)を設けるようにした。そのため、冷房運転および暖房運転の別に関係なく、循環回路(20)の熱媒体の温度を一律の温度(相変化温度)に設定しても、熱媒体から吸熱して室内空気へ放熱できるし、逆に室内空気から吸熱して熱媒体に放熱することもできる。したがって、熱媒体の温度を潜熱物質が相変化する温度に設定することにより、冷房運転および暖房運転の何れの場合にも、確実に熱媒体の潜熱を利用することができる。即ち、熱媒体の熱密度を高めることができる。これにより、熱媒体の顕熱が利用される場合に比べて、循環回路(20)における熱媒体の必要循環量を低減することができる。その結果、循環回路(20)の配管(戻り配管(21)、送り配管(22))の口径を小さくでき、また循環ポンプ(23)の必要動力を低減することができる。よって、空気調和装置(1)の小型化を図ることができる。
また、循環回路(20)の熱媒体の設定温度が冷暖房に関係なく一律であるため、熱源側ヒートポンプ(10)における必要冷却能力および必要加熱能力を低減することができる。その結果、熱源側ヒートポンプ(10)を小型化することが可能となる。
また、従来において、冷房運転では比較的低温の熱媒体が、暖房運転では比較的高温の熱媒体がそれぞれ室外から室内へ供給される。比較的低温の熱媒体が配管を流れると、配管表面に結露が生じるという問題があり、比較的高温の熱媒体が配管を流れる場合、配管から熱漏れが生じて熱ロスとなってしまうという問題がある。そのため、配管に結露対策や断熱対策を施す必要があった。ところが、本発明では、循環回路(20)における熱媒体の温度を従来よりも高くもなく低くもない温度に設定することで、上述した結露対策や断熱対策が不要となる。その結果、コスト削減をも図ることができる。
また、本実施形態では、利用側ヒートポンプ(30)として熱電素子型のヒートポンプを用いるようにしたため、例えば圧縮式のヒートポンプと比べて、利用側ヒートポンプ(30)を小型且つ低騒音とすることができる。その結果、空気調和装置(1)の一層の小型化を図ることができる。
《実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。図2に示すように、本実施形態は、上記実施形態1において利用側ヒートポンプ(30)を直列に複数(本実施形態では、2つ)設けるようにしたものである。
本実施形態では、各利用側ヒートポンプ(30)において別個独立に第1動作と第2動作を切り換えることができる。したがって、各室内において個別に冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うことができる。
また、本実施形態では、例えば、上流側の第1利用側ヒートポンプ(30a)で冷房運転を行い、下流側の第2利用側ヒートポンプ(30b)で暖房運転を行う場合、冷房運転による排熱を暖房運転に利用することができる。具体的に、第1利用側ヒートポンプ(30a)では、室内空気から吸熱して熱媒体に放熱(即ち、排熱)する。第2利用側ヒートポンプ(30b)では、熱媒体から吸熱して室内空気に放熱する。ここで、第2利用側ヒートポンプ(30b)には、第1利用側ヒートポンプ(30a)で放熱された熱媒体が供給される。したがって、その放熱された分だけ、第2利用側ヒートポンプ(30b)において熱媒体からの吸熱量を稼ぐことができる。これにより、熱源側ヒートポンプ(10)の負荷を低減することができる。その結果、省エネ性が向上する。その他の構成、作用および効果は上述した実施形態1と同様である。
《実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。図3に示すように、本実施形態は、上記実施形態1の循環回路(20)において蓄熱タンク(24)を設けるようにしたものである。蓄熱タンク(24)は、循環回路(20)における送り配管(22)に設けられている。
本実施形態では、熱源側ヒートポンプ(10)によって相変化温度となった熱媒体が貯留されて蓄熱される。例えば、夜間に熱源側ヒートポンプ(10)を駆動して蓄熱タンク(24)に蓄熱しておき、昼間には熱源側ヒートポンプ(10)は停止させた状態で利用側ヒートポンプ(30)を駆動して冷房運転または暖房運転を行うことができる。これにより、電力料金が比較的高い昼間において熱源側ヒートポンプ(10)を用いなくてもよいため、装置全体の省エネ性を向上させることができる。その他の構成、作用および効果は上述した実施形態1と同様である。
《その他の実施形態》
本発明は、上記各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記各実施形態では、利用側ヒートポンプ(30)として熱電素子型のヒートポンプを用いるようにしたが、本発明はこれに限らず、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うヒートポンプであってもよいし、その他のヒートポンプ手段であってもよい。
また、熱源側ヒートポンプ(10)として蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うヒートポンプを用いるようにしたが、別のヒートポンプ手段であってもよい。
また、上記実施形態2では、複数の利用側ヒートポンプ(30)を互いに直列に設けるようにしたが、互いに並列に設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、温調装置の一例として空気調和装置(1)を説明したが、本発明は、例えば半導体製造装置を冷却する冷却装置(図示せず)にも適用することができる。この冷却装置では、温調対象である冷却水が利用側ヒートポンプ(30)の第1熱交換部(34)で温調されて半導体製造装置に供給される。そして、冷却水は、半導体製造装置の種々の製造行程に応じて異なる複数の温度帯に温調される。
以上説明したように、本発明は、二次冷媒を供給して利用側を温度調節する温調装置について有用である。
実施形態1に係る空気調和装置の構成を示す配管系統図である。 実施形態2に係る空気調和装置の構成を示す配管系統図である。 実施形態3に係る空気調和装置の構成を示す配管系統図である。
符号の説明
1 空気調和装置(温調装置)
10 熱源側ヒートポンプ
20 循環回路
23 循環ポンプ
24 蓄熱タンク
30 利用側ヒートポンプ
31 熱電素子
32 第1面(一面)
33 第2面(他面)
34 第1熱交換部
35 第2熱交換部

Claims (4)

  1. 循環ポンプ(23)を有し、潜熱が利用される物質を含む熱媒体が循環する循環回路(20)と、
    上記循環回路(20)の熱媒体の温度が上記潜熱が利用される物質の相変化温度となるように、該熱媒体に対して吸熱または放熱を行う熱源側ヒートポンプ手段(10)とを備えると共に、
    上記熱源側ヒートポンプ手段(10)によって吸熱または放熱された上記循環回路(20)の熱媒体に放熱すると共に温調対象から吸熱する第1動作と、上記熱源側ヒートポンプ手段(10)によって吸熱または放熱された上記循環回路(20)の熱媒体から吸熱すると共に温調対象に放熱する第2動作とを切り換えて行う利用側ヒートポンプ手段(30)を備えている
    ことを特徴とする温調装置。
  2. 請求項1において、
    上記利用側ヒートポンプ手段(30)は、冷却面および加熱面の2面を有する熱電素子(31)と、該熱電素子(31)の一面に形成され、上記温調対象と熱交換する第1熱交換部(34)と、上記熱電素子(31)の他面に形成され、上記熱源側ヒートポンプ手段(10)によって吸熱または放熱された上記循環回路(20)の熱媒体と熱交換する第2熱交換部(35)とを備えている
    ことを特徴とする温調装置。
  3. 請求項1または2において、
    上記利用側ヒートポンプ手段(30)は、上記循環回路(20)の熱媒体の流れ方向に対して直列に複数設けられている
    ことを特徴とする温調装置。
  4. 請求項1または2において、
    上記循環回路(20)は、上記熱源側ヒートポンプ手段(10)によって吸熱または放熱された熱媒体の蓄熱タンク(24)が設けられている
    ことを特徴とする温調装置。
JP2008155659A 2008-06-13 2008-06-13 温調装置 Pending JP2009300007A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008155659A JP2009300007A (ja) 2008-06-13 2008-06-13 温調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008155659A JP2009300007A (ja) 2008-06-13 2008-06-13 温調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009300007A true JP2009300007A (ja) 2009-12-24

Family

ID=41547093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008155659A Pending JP2009300007A (ja) 2008-06-13 2008-06-13 温調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009300007A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010210216A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Daikin Ind Ltd 空調システム
KR101158057B1 (ko) 2010-01-18 2012-06-22 한국산업기술대학교산학협력단 온도 조절장치
JP2012180049A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Toyota Industries Corp 車両用空調システム
CN102865639A (zh) * 2012-10-11 2013-01-09 四川大学 单元式可移动相变调温装置
CN103982966A (zh) * 2014-05-12 2014-08-13 王俊杰 半导体汽车空调器
CN108204694A (zh) * 2018-01-26 2018-06-26 浙江理工大学 一种高效空气源热泵装置
CN108224639A (zh) * 2018-01-26 2018-06-29 浙江理工大学 一种基于太阳能光伏发电半导体制冷的新风换热装置
CN111122645A (zh) * 2020-01-08 2020-05-08 中建材创新科技研究院有限公司 一种相变材料冷热循环稳定性测试系统和测试方法
CN114110847A (zh) * 2021-11-25 2022-03-01 珠海格力电器股份有限公司 一种制冷系统及其控制方法、装置和存储介质

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05215369A (ja) * 1991-09-30 1993-08-24 Shinko Kogyo Co Ltd 潜熱利用の冷却または加熱方法
JP2000274789A (ja) * 1999-03-25 2000-10-06 Mitsubishi Electric Corp 冷凍空調装置および冷凍空調装置の制御方法
JP2000304372A (ja) * 1999-04-21 2000-11-02 Toda Constr Co Ltd 輻射型空調装置と埋込みヒートポンプユニット

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05215369A (ja) * 1991-09-30 1993-08-24 Shinko Kogyo Co Ltd 潜熱利用の冷却または加熱方法
JP2000274789A (ja) * 1999-03-25 2000-10-06 Mitsubishi Electric Corp 冷凍空調装置および冷凍空調装置の制御方法
JP2000304372A (ja) * 1999-04-21 2000-11-02 Toda Constr Co Ltd 輻射型空調装置と埋込みヒートポンプユニット

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010210216A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Daikin Ind Ltd 空調システム
KR101158057B1 (ko) 2010-01-18 2012-06-22 한국산업기술대학교산학협력단 온도 조절장치
JP2012180049A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Toyota Industries Corp 車両用空調システム
CN102865639A (zh) * 2012-10-11 2013-01-09 四川大学 单元式可移动相变调温装置
CN103982966A (zh) * 2014-05-12 2014-08-13 王俊杰 半导体汽车空调器
CN108204694A (zh) * 2018-01-26 2018-06-26 浙江理工大学 一种高效空气源热泵装置
CN108224639A (zh) * 2018-01-26 2018-06-29 浙江理工大学 一种基于太阳能光伏发电半导体制冷的新风换热装置
CN111122645A (zh) * 2020-01-08 2020-05-08 中建材创新科技研究院有限公司 一种相变材料冷热循环稳定性测试系统和测试方法
CN111122645B (zh) * 2020-01-08 2022-11-01 中建材创新科技研究院有限公司 一种相变材料冷热循环稳定性测试系统和测试方法
CN114110847A (zh) * 2021-11-25 2022-03-01 珠海格力电器股份有限公司 一种制冷系统及其控制方法、装置和存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009300007A (ja) 温調装置
JP4599910B2 (ja) 給湯装置
EP4043253B1 (en) Thermal management system, method for controlling thermal management system, and electric vehicle
JP6405521B2 (ja) ヒートポンプ温水生成装置
JP2019026110A5 (ja)
JP5969268B2 (ja) 地中熱利用ヒートポンプ装置
JP2008185245A (ja) 圧縮式ヒートポンプ装置、圧縮式ヒートポンプ装置の運転方法、及び、コージェネレーションシステム
JP5537489B2 (ja) ヒートポンプ給湯空調機
JPWO2011033652A1 (ja) 空気調和装置
JP4182494B2 (ja) 大温度差空調システム
JP2004003801A (ja) 二酸化炭素を冷媒として用いた冷凍装置
JP5636871B2 (ja) 冷凍装置
JP5685886B2 (ja) 給湯装置
KR20090102478A (ko) 차량용 히트펌프시스템
JP2005326078A (ja) ヒートポンプ給湯装置
JP2008025885A (ja) ヒートポンプ装置
JP2006336949A (ja) 蓄熱式空気調和機
KR101227080B1 (ko) 항온 항습 장치
KR101649447B1 (ko) 도시가스를 이용한 지열히트펌프 시스템
JP2007303754A (ja) ヒートポンプ式給湯機
KR101170712B1 (ko) 지열을 이용한 가스엔진히트펌프 냉난방 시스템
JP6458400B2 (ja) 空気調和装置
JP2006156781A (ja) 冷却装置
JP2005201618A (ja) 温水暖房システム
JP2004156805A (ja) ヒートポンプシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20110520

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20120511

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120823

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120904

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130416