JPH093440A - 泡状撥水撥油処理剤組成物 - Google Patents

泡状撥水撥油処理剤組成物

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JPH093440A
JPH093440A JP15151795A JP15151795A JPH093440A JP H093440 A JPH093440 A JP H093440A JP 15151795 A JP15151795 A JP 15151795A JP 15151795 A JP15151795 A JP 15151795A JP H093440 A JPH093440 A JP H093440A
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water
oil
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oil repellent
weight
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JP15151795A
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Kazusuke Kirimoto
和輔 桐本
Katsuji Ito
勝治 伊藤
Haruo Mizushima
春男 水島
Minoru Fukuda
稔 福田
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Meisei Chemical Works Ltd
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Meisei Chemical Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】処理時に飛散の恐れや引火の恐れがない水系の
撥水撥油処理剤組成物を得る。 【構成】水系媒体、および、水系媒体中に分散したフッ
素系撥水撥油剤および起泡性界面活性剤を含む水系組成
物、および、噴射剤を含み、泡状にせしめて撥水撥油処
理されるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な泡状撥水撥油処理
剤組成物に関する。さらに詳しくは、繊維織物を撥水撥
油処理するのに適した撥水撥油処理剤組成物であって、
界面活性剤および噴射剤の作用により、処理時に泡状と
せしめて処理されうる撥水撥油処理剤組成物に関し、通
常の場合には、加圧容器から泡状とせしめて取り出し、
処理されうる泡状撥水撥油処理剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維織物に撥水撥油性を付与する目的
で、繊維を加工することは広く行われている。近年、こ
の加工を一般家庭において行うために、エアゾルタイプ
の撥水撥油剤が市販されている。エアゾルタイプの撥水
撥油剤は、撥水撥油処理がなされていない繊維織物を加
工して撥水撥油性を付与するのみでなく、着用中に低下
した撥水撥油性能を回復させる等の目的で用いられ、フ
ッ素系撥水撥油剤を塩基系溶剤、石油系溶剤、またはア
ルコール等に溶解した溶液を繊維織物に噴霧する等の方
法で処理する。
【0003】この方法は、噴霧するだけで処理ができる
ため、使用が簡便であるという利点がある。このような
エアゾルタイプの商品は、撥水撥油剤以外にも、化粧
品、殺虫剤、クリーナー類等を中心に多種のものが市販
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、撥水撥油剤に
おいては、一度に使用される量が他の用途の場合に比し
て多いため、溶剤型のエアゾルタイプの撥水撥油剤は、
有機溶剤中毒をおこす危険性がある。また、溶剤が可燃
性液体の場合には、火災を起こす恐れもある。また、エ
アゾルタイプの撥水撥油剤においては、処理の際に微小
なミストが雰囲気中に漂うため、環境衛生上好ましくな
いという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維織物の撥
水撥油処理に適した泡状の撥水撥油処理剤組成物を提供
する。すなわち、本発明は、下記水系組成物(a)およ
び噴射剤(b)を含み、泡状にせしめて撥水撥油処理さ
れるものであることを特徴とする泡状撥水撥油処理剤組
成物を提供する。 (a):水系媒体、水系媒体中に分散したフッ素系撥水
撥油剤、および起泡性界面活性剤を含む水系組成物。
【0006】本発明の泡状撥水撥油処理剤組成物は、撥
水撥油性に必要な成分を含む特定の水系組成物(a)と
噴射剤(b)とを含む。特定の水系組成物(a)は、水
系媒体、水系媒体中に分散したフッ素系撥水撥油剤、お
よび、起泡性界面活性剤を含むものである。
【0007】水系媒体としては、水のみが好ましいが、
水に水溶性の有機溶剤を含ませたものを用いてもよい。
水溶性の有機溶剤としては、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、およびこれらのアセチル化物、ジプロピレングリ
コール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピ
レングリコール類、低級アルコール類、低級ケトン類等
が挙げられる。水溶性の有機溶剤としては、蒸気圧の低
いものが好ましい。水溶性有機溶剤を含ませる場合に
は、水の100重量部中に1〜20重量部程度含ませる
のが好ましい。
【0008】また、特定の水系組成物(a)は、上記の
水系媒体中に分散したフッ素系撥水撥油剤を含む。フッ
素系撥水撥油剤としては、ポリフルオロアルキル基を含
有する化合物であれば特に限定されない。たとえば、従
来の水分散型フッ素系撥水撥油剤中に、撥水撥油性能を
発揮させる成分として含まれる含フッ素有機化合物等が
挙げられる。含フッ素有機化合物としてはポリフルオロ
アルキル基を構造中に含む有機化合物が好ましい。
【0009】ここで、ポリフルオロアルキル基は、アル
キル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された
基をいう。以下、ポリフルオロアルキル基をRf 基と記
す。Rf 基の炭素数は、1〜20程度が好ましく、さら
に4〜16が好ましい。また、Rf 基は、直鎖の構造ま
たは分岐の構造のいずれかが好ましいが、分岐の構造で
ある場合には、分岐部分がRf 基の末端部分に存在する
のが好ましい。また、Rf 基の炭素原子の一部は、エー
テル性の酸素原子、またはチオエーテル性のイオウ原子
に置換されていてもよい。さらにRf 基は、フッ素原子
以外の他のハロゲン原子、たとえば、塩素原子等を含ん
でいてもよい。
【0010】Rf 基中のフッ素原子の数は、Rf 基に対
応する同一炭素数のアルキル基中の水素原子に対する割
合で表現した場合に、60%以上が好ましく、さらに8
0%以上が好ましい。また、Rf 基は、アルキル基の水
素原子の全てがフッ素原子に置換された基(以下、パー
フルオロアルキル基と記す。)、または、パーフルオロ
アルキル基を末端部分に含む基が好ましい。
【0011】本発明のフッ素系撥水撥油剤としては、R
f 基を含有する重合体またはRf 基を含有するウレタン
化合物が好ましく、Rf 基を含有する重合体が好まし
い。さらに、Rf 基を含有する重合体としては、Rf
を含有するアクリレートおよび/またはメタクリレート
の重合した単位を含む重合体が好ましい。なお、以下に
おいて、アクリレートとメタクリレートとをまとめて
(メタ)アクリレートと記す。Rf 基を含有するアクリ
レートおよび/またはメタクリレートとしては、下式
(1)で表される化合物が好ましい。
【0012】
【化1】CH2 =C(R4 )COO−Q−Rf (1)
【0013】式(1)において、R4 は、水素原子また
はメチル基を示し、Qは、2価の有機基を示し、Rf
は、上記のポリフルオロアルキル基を示す。Qは、アル
キレン基、またはアルキレン基を含む2価の有機基が好
ましく、特に、以下の具体例中に示される2価の有機基
が好ましい。
【0014】また、式(1)のRf は、上記のポリフル
オロアルキル基を示すが、Qと結合する炭素原子には、
1個以上のフッ素原子が結合しているのが好ましい。R
f は、Cn2n+1−(ただし、nは4〜16の整数を示
す)で表わされるパーフルオロアルキル基、特に直鎖の
パーフルオロアルキル基が好ましく、nが6〜12のパ
ーフルオロアルキル基が特に好ましい。
【0015】式(1)で表される化合物の具体例を以下
に挙げるがこれらに限定されない。ここで、R4 は、水
素原子またはメチル基を示し、Rf は、ポリフルオロア
ルキル基を示す。
【0016】
【化2】CH2=C(R4)COOCH2CH2Rf CH2=CR4COOCH2CH2N(C3H7)CORf CH2=C(R4)COOCH(CH3)CH2Rf CH2=C(R4)COOCH2CH2N(CH3)SO2Rf CH2=C(R4)COOCH2CH2N(CH3)CORf CH2=C(R4)COOCH2CH2N(C2H5)SO2Rf CH2=C(R4)COOCH2CH2N(C2H5)CORf CH2=C(R4)COOCH2CH2N(C3H7)SO2Rf CH2=C(R4)COOCH(CH2Cl)CH2OCH2CH2N(CH3)SO2Rf
【0017】上記のRf 基を含有する(メタ)アクリレ
ートは、1種または2種以上を用いてもよい。また、R
f 基の炭素数の異なる化合物を2種以上併用してもよ
い。
【0018】また、フッ素系撥水撥油剤として、上記の
f 基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位
を含む重合体を採用する場合には、重合体中のフッ素含
有量を調節する等の目的で、他の重合性単量体の重合し
た単位を含ませるのが好ましい。他の重合性単量体とし
ては、ラジカル重合性の不飽和結合を有する重合性単量
体の1種以上を用いるのが望ましい。
【0019】他の重合性単量体としては、塩化ビニル、
ステアリル(メタ)アクリレートが好ましく、それ以外
に、エチレン、酢酸ビニル、フッ化ビニル、ハロゲン化
ビニルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、(メタ)アクリル酸とそのアルキルエステル、ポ
リオキシアルキレン(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メ
チロール化(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アク
リルアミドビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキ
ルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)ア
クリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、イソシアナートエチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、無水マ
レイン酸、ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレー
ト、N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0020】Rf 基を含有する(メタ)アクリレートの
重合した単位を含む重合体中のRf基を含有する(メ
タ)アクリレートの重合した単位は、該重合体中に25
重量%以上含ませるのが好ましい。25重量%未満では
充分な撥水撥油性を付与できない恐れがある。
【0021】フッ素系撥水撥油剤として、Rf 基を含有
する(メタ)アクリレートの重合した単位を含む重合体
を採用する場合、該重合体を得る方法としては、公知な
いしは周知の、種々の重合反応の方法や条件が任意に選
択できる。たとえば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重
合法、放射線重合法、光重合法などの各種の重合方法が
挙げられ、乳化重合法が好ましい。
【0022】これらのうち、乳化重合法で重合する場合
には、重合しようとする化合物の混合物を、界面活性剤
などの存在下に水に乳化させ、撹拌下に重合させる方法
が好適である。重合開始源としては、有機酸過酸化物、
アゾ化合物、過硫酸塩等の各種の重合開始剤、さらに、
γ−線等の電離性放射線等が採用されうる。また、界面
活性剤としては、陰イオン性、陽イオン性、両性、ある
いは非イオン性の各種界面活性剤を使用できる。
【0023】また、フッ素系撥水撥油剤としてRf 基を
含有するウレタン化合物を採用する場合には、イソシア
ネート基と反応性の水素原子を含むRf 化合物と、ポリ
イソシアネート化合物との反応生成物が好ましい。
【0024】イソシアネート基と反応性の水素原子を含
むRf 化合物としては、Rf 基と水酸基とを併有する化
合物、Rf 基とアミノ基を併有する化合物、Rf 基とカ
ルボキシル基を併有する化合物が好ましい。また、ポリ
イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2
個以上有するポリイソシアネート化合物が好ましく、ト
リレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添M
DI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタント
リイソシアネート、およびこれらの多量体、ヌレート変
性体、ビュレット変性体等が挙げられる。
【0025】また、Rf 基を含有するウレタン化合物
は、イソシアネート反応性の水素原子を含むRf 化合物
以外に、イソシアネート基と反応性の水素原子を含むR
f 基を含まない化合物をポリイソシアネート化合物と反
応させた化合物であってもよい。このような化合物は、
公知の化合物であり、特に限定されない。好ましいRf
基を含有するウレタン化合物としては特開昭58−18
9284および特開昭59−157166に記載される
化合物が挙げられる。
【0026】本発明のフッ素系撥水撥油剤は、水系媒体
に分散させる。分散させる方法としては、フッ素系撥水
撥油剤を水系媒体中に界面活性剤とともに含ませること
によって分散させる方法が挙げられる。また、合成時の
生成物が、水系媒体中に分散した形態で得られた場合に
は、そのまま用いてもよい。界面活性剤としては、フッ
素系撥水撥油剤の分散安定性を良好に保持するものが好
ましく、特に限定されない。
【0027】フッ素系撥水撥油剤の量は、水系媒体の1
00重量部中に0.5〜15重量部が好ましく、特に
0.5〜10重量部が好ましい。フッ素系撥水撥油剤の
量が少なすぎる場合には、処理量を多くしたり、処理後
の乾燥に手間がかかる問題がある。また、多すぎると、
風合いが粗剛化したり、深色効果による処理ムラが生じ
る恐れがある。
【0028】本発明の特定の水系組成物(a)は、さら
に起泡性界面活性剤を含む。起泡性界面活性剤として
は、従来より知られる起泡性を有する陰イオン性界面活
性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、または
非イオン界面活性剤が好ましい。
【0029】陰イオン界面活性剤としては、アルキルア
リルスルホン酸ナトリウム塩、アルキル硫酸エステルナ
トリウム塩、アルキルスルホン酸ナトリウム塩、ジアル
キルスルホコハク酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリ
ウム塩、パーフルオロアルキルアミド−N−プロピオン
酸ナトリウム塩等が好ましい。
【0030】陽イオン性界面活性剤としては、アルキル
アリルトリメチルアンモニウム塩酸塩、アルキルトリメ
チルアンモニウム塩酸塩、アルキルジメチルアミン酢酸
塩等が好ましい。
【0031】両性界面活性剤としては、アルキルベタイ
ン、アルキルイミダゾリン等が好ましい。
【0032】また、非イオン界面活性剤としては、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキ
シエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビト
ール脂肪酸エステル、ジメチルアルキルアミンオキシ
ド、ビスヒドロキシエチルアルキルアミンオキシド、N
−アルキルモルホリンオキシド、ポリオキシエチレン脂
肪酸アルキロールアミド、ショ糖エステル等が好まし
い。
【0033】これらのうち、本発明における起泡性界面
活性剤としては、起泡性測定法をJIS K−3362
に記される「起泡力と泡の安定度試験法」にしたがって
測定した場合に、起泡性界面活性剤濃度を0.1重量
%、測定温度30℃で、初期泡高が50mm以上である
ものが好ましく、特に、100mm以上であるものが好
ましい。起泡力と泡の安定度試験法の概略は、実施例中
に記載する。
【0034】起泡性界面活性剤の量は、水系媒体の10
0重量部に対して、0.007〜1.5重量部が好まし
い。起泡性界面活性剤の量が少なすぎる場合には、泡が
不安定となり、繊維織物への塗布適用が困難となる。ま
た多すぎる場合には充分な撥水性が得られない恐れがあ
る。さらに、塗布作業を良好にするために、上記の試験
法における泡高が50mm未満の低起泡性界面活性剤を
少量添加してもよい。泡高が50mm未満の低起泡性界
面活性剤を適宜添加することによって起泡の程度、およ
び泡の持続安定性を調節および変化させることができ
る。
【0035】上記水系組成物(a)は。泡状撥水撥油剤
処理剤組成物の100重量部中に、98.5〜87重量
部を含むのが好ましい。
【0036】本発明の泡状撥水撥油処理剤組成物は、前
記の特定の水系組成物(a)および噴射剤(b)を含
む。噴射剤(b)としては常温常圧下で気体であり、か
つ、水に対して難溶性または不溶性の気体が好ましい。
該噴射剤は、上記の水系組成物の種類や加圧等の物理的
条件等によって可溶性または一部可溶性であってもよ
く、不溶性であってもよい。本発明においては噴射剤
(b)が水系組成物(a)に不溶である場合において
も、噴射剤と特定の水系組成物を含む泡状撥水撥油剤を
「組成物」と表現をする。
【0037】水に対して難溶性または不溶性の気体とし
ては、塩素化フッ素化炭化水素、フッ素化炭化水素、ま
たは飽和炭化水素、およびこれらの2種以上の化合物が
好ましい。
【0038】塩素化フッ素化炭化水素としては、クロロ
ジフルオロメタン(HCFC−22)、2,2−ジクロ
ロ−1,1,1−トリフルオロエタン(HCFC−12
3)、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエ
タン(HCFC−124)、1,1−ジクロロフルオロ
エタン(HCFC−141b)、クロロ−1,1−ジフ
ルオロエタン(HCFC−142b)等が好ましい。
【0039】フッ素化炭化水素としては、1,1,1,
2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,
1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−12
5)、ジフルオロメタン(HFC−32) 、1,1,1
−トリフルオロエタン(HFC−152a)等が好まし
い。飽和炭化水素としては、炭素数3〜4であるものが
好ましく、特にプロパン、ノルマルブタン、イソブタン
等が好ましい。
【0040】さらに、本発明においては噴射剤として常
温常圧下で気体であり、かつ、水に易溶性の気体を含ま
せてもよい。水に易溶性の気体としては、二酸化炭素、
ジメチルエーテルおよび亜酸化窒素等が好ましく、特に
二酸化炭素が好ましい。ただし、亜酸化窒素は、麻酔性
があるので、使用環境や目的等を考慮したうえで用いる
のが好ましい。噴射剤は、形成される泡の点の安定性や
触感等の点から、25℃常圧で0.8〜20kg/cm
2 の蒸気圧を有する水不溶性ガスを単独で用いるか、ま
たは、これに二酸化炭素を含ませたものを用いるのが好
ましい。二酸化炭素は泡の触感を改善するとともに、整
泡効果を有するので、使用目的等に応じた適当な量を含
ませるのが好ましい。
【0041】噴射剤(b)の量は、泡状撥水撥油剤処理
剤組成物の100重量部中に、1.5〜13重量部程度
が好ましく、特に3〜10重量部が好ましい。噴射剤が
少なすぎる場合には充分に発泡した泡が得られず、布面
に塗布する際の施工効率が悪い。また多すぎる場合には
起泡と同時に破泡が発生し、連続した滑らかな泡が得ら
れない。また、噴射剤の量は容器に充填する場合に、単
独または混合物の状態で2〜5kg/cm2 となる量に
調整するのが望ましい。
【0042】本発明の撥水撥油処理剤組成物は、泡状に
せしめて処理されるものであるのが最大の特徴である。
泡状の形態とせしめる方法については特に限定されない
が、通常は一定の圧力に加圧して容器に充填し、容器か
ら噴出させると同時に泡にする方法が採用されうる。容
器の噴出口の形状についても特に限定されず、通常はス
パウト、細孔ノズル等が採用される。噴出口の形状、す
なわち噴出口の大きさ、形、角度等については処理の目
的等に応じて適宜変更できる。また、容器の材質、大き
さについても特に限定はなく、その材質は、スチール、
アルミニウム、耐圧ガラス等が好ましい。
【0043】さらに、本発明の泡状撥水撥油処理剤組成
物から形成される泡の比重は、0.02〜0.3が好ま
しく、特に0.05〜0.15が好ましい。
【0044】本発明の撥水撥油処理剤組成物で処理され
る被処理物としては特に限定なく種々の例が挙げられ
る。たとえば、繊維織物、繊維編物の例としては、綿、
麻、羊毛、絹などの動植物性天然繊維、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニト
リル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊
維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊
維、炭素繊維、アスベスト繊維などの無機繊維、あるい
はこれらの混合繊維の織物、編物等が挙げられる。
【0045】処理方法としては、特に限定されず、たと
えばスポンジ等に適当量の泡状物をとり、加工対象基材
に塗布する方法等が適当な方法として挙げられる。ま
た、直接被処理物に泡状物を付着させて、つぎに塗布す
る方法であってもよい。
【0046】本発明の泡状撥水撥油処理剤組成物は、通
常の場合、加圧容器に充填して、処理時に適量を取り出
して用いることから、汎用性に優れるという利点があ
る。また、本発明の撥水撥油剤は効率よく被処理物に付
着し、飛散しないことから、作業環境の点においても有
利である。
【0047】本発明の撥水撥油処理剤組成物を処理した
被処理物は、乾燥させることにより、被処理物表面に撥
水撥油性能を付与できる。乾燥方法としては、自然乾燥
または加熱乾燥のいずれでもよく、必要に応じてキュア
リングを行ってもよい。
【0048】
【実施例】以下に本発明を、実施例を挙げて具体的に説
明するが、これらによって本発明は限定されない。また
実施例中の各種評価、物性測定はつぎのような方法で行
った。
【0049】[撥水撥油性能の評価方法]撥水性はJI
S L−1092のスプレー法による撥水性ナンバー
(下記表1参照)をもって表し、撥油性は下記表2に示
された試験溶液を試験布の上、二か所に数滴(径約4m
m)置き、30秒後の浸透状態により判別した(AAT
CC−TM118−1966)。なお撥水性ナンバー、
撥油性ナンバーに+(−)を付したものは、それぞれの
性質がわずかに良い(悪い)ことを示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】[泡比重の測定方法]内径72.6mmの
半球状硝子カップ(容量100ml)を用意した。エア
ゾール噴口よりカップの約2倍容量の泡を取り出し、空
隙のできないようにカップへ注ぎ込んだ。半球状カップ
の上縁よりはみ出した泡を、ナイフ状のガイドで削ぎ落
とし、カップに残された泡の重量を測定した。式SG=
Wb/100より泡の比重を算出した。測定温度は25
℃とした。なお、SGは泡比重、Wbはカップに残され
た泡の重量(g)である。
【0053】[起泡性の評価方法]起泡性の評価はJI
S K−3362に記載される「起泡力と泡の安定性試
験法」にしたがって行った。すなわち、起泡性界面活性
剤を0.1重量%含む水溶液200mlを30℃で90
0mmの高さから30秒間で落下させたときに生じる泡
の高さを測定した。
【0054】[原液の調整例1]CH2 =CHCOOC
2 CH2 (CF2n CF3 (ただし、nが7、nが
9、nが11の3:2:1(モル比)の混合物である)
の重合した単位を70重量%、塩化ビニルの重合した単
位を21重量%、マレイン酸ジオクチルの重合した単位
7重量%、N−メチロールアクリルアミドの重合した単
位を2重量%含む共重合体(以下、含フッ素共重合体I
と記す。)の100重量部、および界面活性剤C919
−ph−(OCH2 CH225OH(ただし、phは
1,4−フェニレン基を示す。)の5重量部に水を加
え、含フッ素共重合体Iの濃度が4重量%となるように
調整したものを原液とした。
【0055】[原液の調整例2]CH2 =CHCOOC
2 CH2 (CF2n CF3 (ただし、nが7、nが
9、nが11の3:2:1(モル比)の混合物である)
の重合した単位を60重量%、アクリル酸ステアリルの
重合した単位を37.5重量%、メタクリル酸ジメチル
アミノエチルの重合した単位を2.5重量%含む共重合
体(以下、含フッ素共重合体IIと記す)の100重量
部、および界面活性剤としてヤシ油アルキルジメチルア
ミン酢酸塩の1.5重量部に水を加え、含フッ素共重合
体IIの濃度が4重量%となるように調整したものを原液
とした。
【0056】[実施例1]上記で調整した含フッ素共重
合体Iを4重量%含む原液に、起泡性界面活性剤のヤシ
油アルキルトリメチルアンモニウムクロリドが0.04
重量%となるように加えた組成物を、耐圧容器に充填し
た。ここに、噴射剤としてプロパンとn−ブタンとイソ
ブタン(=i−ブタン)の8:57:35(重量比)の
混合ガスを、原液と噴射剤の重量比が95:5となるよ
うに加えていった。耐圧容器の内圧は3.9kg/cm
2 であった。耐圧容器の噴射ノズルはやや下向きのポリ
プロピレン製スパウトを使用した。
【0057】つぎに、噴射ノズルから泡状の撥水撥油処
理剤組成物をとり出した。泡の比重は、20℃で0.1
04であった。これを、ポリエステル加工糸布またはポ
リエステル綿ブロード布に付着させた後、スポンジを用
いて塗り延ばした。泡状の撥水撥油処理剤組成物は塗り
延ばす力を受けることによって、次第に泡が消滅し、液
状の水分散液になった。繊維織物に均一に浸透させて、
自然乾燥後、150℃の熱アイロンにて30秒間加熱し
た。つぎに撥水撥油性を評価した。結果を表3に示す。
【0058】[実施例2〜12]実施例1と同様に、表
3または表4に示される原液、起泡性界面活性剤、噴射
剤をそれぞれ用いて処理した。評価結果を表3または表
4にそれぞれ示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】[比較例1〜3]起泡性界面活性剤を含ま
ないものを用いて、実施例1と同様に処理した。評価結
果を表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】なお、実施例および比較例で用いた起泡性
界面活性剤の初期泡高(単位:mm、30℃)を評価し
た結果を、表6に示す。
【0064】
【表6】
【0065】
【発明の効果】本発明の泡状撥水撥油処理剤組成物は、
水系であり、引火の恐れがない優れた撥水撥油剤であ
る。また、溶剤を含むエアゾール型の従来の撥水撥油剤
と比較して、作業環境の点でも有利であり、また、泡状
の形態で処理することから、飛散の恐れもない利点もあ
る。さらに、処理方法も簡単であることから、実用的で
あり、家庭用の処理剤としても使用されうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水島 春男 大阪府高槻市日吉台2番町13番12号 (72)発明者 福田 稔 大阪府高槻市郡家新町65番18号

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記水系組成物(a)および噴射剤(b)
    を含み、泡状にせしめて撥水撥油処理されるものである
    ことを特徴とする泡状撥水撥油処理剤組成物。 (a):水系媒体、水系媒体中に分散したフッ素系撥水
    撥油剤、および起泡性界面活性剤を含む水系組成物。
  2. 【請求項2】水系組成物(a)が、水系媒体の100重
    量部中にフッ素系撥水撥油剤を0.5〜15重量部を含
    む請求項1の泡状撥水撥油処理剤組成物。
  3. 【請求項3】水系組成物(a)が、水系媒体の100重
    量部中に、起泡性界面活性剤を0.007〜1.5重量
    部を含む請求項1または2の泡状撥水撥油処理剤組成
    物。
  4. 【請求項4】泡状撥水撥油処理剤組成物の100重量部
    中に、水系組成物(a)を98.5〜87重量部を含む
    請求項1〜3のいずれかの泡状撥水撥油処理剤組成物。
  5. 【請求項5】泡状撥水撥油剤処理剤組成物の100重量
    部中に、噴射剤(b)を1.5〜13重量部を含む請求
    項1〜4のいずれかの泡状撥水撥油処理剤組成物。
  6. 【請求項6】フッ素系撥水撥油剤が、ポリフルオロアル
    キル基を含有するアクリレートおよび/またはポリフル
    オロアルキル基を含有するメタクリレートの重合した単
    位を含む重合体である請求項1〜5のいずれかの泡状撥
    水撥油処理剤組成物。
  7. 【請求項7】起泡性界面活性剤が、JIS K−336
    2の「起泡力と泡の安定性試験法」で測定した初期泡高
    が、起泡性界面活性剤濃度0.1重量%、および、測定
    温度30℃で、50mm以上となる起泡性界面活性剤で
    ある請求項1〜6のいずれかの泡状撥水撥油処理剤組成
    物。
  8. 【請求項8】初期泡高が、100mm以上となる起泡性
    界面活性剤である請求項7の泡状撥水撥油処理剤組成
    物。
  9. 【請求項9】起泡性界面活性剤が、アルキルアミンオキ
    シドである請求項1〜8のいずれかの泡状撥水撥油処理
    剤組成物。
  10. 【請求項10】泡状にせしめた泡状撥水撥油処理剤組成
    物の比重が、25℃で0.02〜0.3である請求項1
    〜9のいずれかの泡状撥水撥油処理剤組成物。
  11. 【請求項11】噴射剤(b)が、25℃で0.8〜20
    kg/cm2 の蒸気圧を有する水不溶性の気体または水
    難溶性の気体である請求項1〜10のいずれかの泡状撥
    水撥油処理剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6472019B1 (en) * 2001-03-13 2002-10-29 Daikin Industries, Inc. Water- and oil-repellent treatment of textile
JP2009052757A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Wakasawan Energ Kenkyu Center サイフォン式循環型ヒートパイプ

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