JP6191498B2 - 鋳造方法、及び、鋳造装置 - Google Patents

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本発明は、鋳造方法、及び、鋳造装置に関する。
融点以上の温度となっている金属である金属溶湯を金型が有する内部空間に充填し凝固させることによって所望の形状の金属部材を成形する鋳造方法では、金型の内部に金型の温度より低い温度である熱交換流体、すなわち、冷媒を流通させ、金型及び金属溶湯を効率的に冷却する。例えば、特許文献1には、金型の温度に基づいて冷媒の流通量を制御する鋳造方法が記載されている。
特開2000−015420号公報
金型が有する流路を流れる液体状の冷媒は、比較的温度が低いとき対流によって金型から熱を奪い金型を冷却する。冷媒の温度が金型から奪った熱によって上昇すると、冷媒は核沸騰の状態となり、内部に気泡が発生する。さらに冷媒の温度が上昇すると、冷媒は膜沸騰の状態となり、流路を形成する内壁と冷媒との間に気体の膜が形成される。このため、膜沸騰の状態は、核沸騰の状態に比べ、金型から熱を奪う効率、すなわち、熱伝達率が小さくなり、冷媒が膜沸騰の状態に移ると、効率的に金型を冷却することができない。
本発明の目的は、金型の冷却時間を短縮する鋳造方法を提供することにある。
本発明は、金型の内部に金属溶湯を供給する金属溶湯供給工程と、金型の温度より低い温度の熱交換流体の圧力を金型の温度に基づいて制御する熱交換流体圧力制御工程と、金属溶湯供給工程において金型の内部に金属溶湯が充填された後、熱交換流体圧力制御工程において圧力を制御された熱交換流体を金型が有する流路に供給する冷却工程と、冷却工程において金型の温度が金型の内部に充填された金属溶湯が凝固する温度まで低下した後、金型の内部から金属溶湯が凝固した金属部材を金型から取り出す取り出し工程と、を含む。本発明の鋳造方法では、冷却工程において、熱交換流体は、流路を形成する金型の内壁に対して所定の角度より大きな角度で当該内壁に衝突するよう流れることを特徴とする。
一般に、鋳造方法において、金型の内部が金属溶湯によって充填された後、金型の温度より低い温度の熱交換流体は、金型を冷却するため金型が有する流路に供給される。熱交換流体と金型との温度差が比較的大きいとき、熱交換流体の温度が急激に上昇し比較的熱伝達率が小さい膜沸騰の状態に移るおそれがある。しかしながら、本発明の鋳造方法では、熱交換流体が流路において比較的熱伝達率が大きい核沸騰の状態となるよう金型の温度に応じて熱交換流体の圧力を制御し、流路に供給する。これにより、熱交換流体は核沸騰の状態を維持したまま金型の熱を奪うことができる。したがって、本発明の鋳造方法では、金型を効率的に冷却することができ、金型の冷却時間を短縮することができる。
また、本発明は、金属溶湯を凝固し所望の形状の金属部材を成形する鋳造装置であって、流体が流れる流路を有する金型と、流路に金型の温度より低い温度の熱交換流体を供給する熱交換流体供給部と、流路を形成する金型の内壁に対して所定の角度より大きな角度で熱交換流体が当該内壁に衝突するよう噴射するノズルと、金型の温度を検出し検出した金型の温度に基づく信号を熱交換流体供給部に出力する温度検出部と、を備える。本発明の鋳造装置が備える熱交換流体供給部は、温度検出部が出力する金型の温度に基づいて流路に供給する熱交換流体の圧力を制御することを特徴とする。
本発明の鋳造装置では、熱交換流体供給部は、温度検出部が検出する金型の温度に基づいて、流路に供給される熱交換流体の圧力を制御する。これにより、熱交換流体と金型との温度差が比較的大きいとき、熱交換流体は核沸騰の状態を維持しつつ流路を流れることができる。したがって、本発明の鋳造装置では、金型の冷却時間を短縮することができる。
本発明の第1実施形態による鋳造装置の模式図である。 図1のII部の断面図である。 図2のIII部拡大図である。 水の温度と熱伝達率との関係を示す特性図である。 本発明の第2実施形態による鋳造装置の要部断面図である。 本発明の第3実施形態による鋳造装置の要部断面図である。 本発明の第4実施形態による鋳造装置の模式図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による鋳造方法及び鋳造装置を図1〜4に基づいて説明する。
図1に、第1実施形態による鋳造装置1の模式図を示す。鋳造装置1は、内部に金属溶湯を充填可能な空間を有する。当該空間は、充填される金属溶湯が所望の形状となるよう形成されており、供給された金属溶湯が凝固することによって所望の形状の金属部材を得ることができる。第1実施形態による鋳造方法は、いわゆる、ダイカストであり、鋳造装置1の内部に金属溶湯が圧入され所望の形状の金属部材が成形される。鋳造装置1は、金型10、金属溶湯供給部20、温度検出部40、圧力制御部50、「熱交換流体供給部」としての冷媒供給部30などから構成される。なお、図1において、紙面の上側を「天」側、紙面の下側を「地」側とする。
金型10は、金属溶湯が充填される「金型の内部」としての内部空間100を有する。第1実施形態による鋳造装置1が備える金型10では、内部空間100は略直方体形状に形成されている。内部空間100は、金属溶湯供給部20の内部と連通する「金型の内部」としての連通路101に連通している。これにより、鋳造装置1によって、連通路101に対応する部位に突起が形成される略直方体形状の金属部材が成形される。しかしながら、本発明の鋳造装置において成形される金属部材の形状はこれに限定されない。金型10は、第1金型部11、第2金型部12などから構成されている。
第1金型部11は、内部空間100の一部を形成するよう断面が略コの字状となるよう形成されている金属部材である。第1金型部11では、地側に第1金型部11と第2金型部12とが組み合わされるとき形成される連通路101の内壁の一部となる溝状の部位が設けられている。
第1金型部11の内部には、第1冷媒流路111、第2冷媒流路112などが形成されている。
第1冷媒流路111は、金型10の外部に設けられる第1接続配管31を介して冷媒供給部30と接続している。
第2冷媒流路112は、第1冷媒流路111に比べ、内部空間100に近い側に形成されている。第2冷媒流路112は、圧力制御部50が設けられている第2接続配管32を介して冷媒供給部30と接続している。第1冷媒流路111及び第2冷媒流路112には、沸騰石を含み金型10の温度より低い温度の「熱交換流体」としての水が流れる。以下、第1実施形態においては、沸騰石を含む水を冷媒と呼ぶ。冷媒は、第1接続配管31内を矢印F1の方向に流れ、第1冷媒流路111に導入される。第1冷媒流路111から後述するノズル113を介して第2冷媒流路112に移動した冷媒は、第2接続配管32内を矢印F2の方向に流れる。第1冷媒流路111及び第2冷媒流路112は、特許請求の範囲に記載の「流路」に相当する。
第1冷媒流路111と第2冷媒流路112との間に設けられる「流路」としての複数のノズル113は、第1冷媒流路111と第2冷媒流路112とを連通するよう設けられている。ノズル113は、図2に示すように、第1冷媒流路111を流れる冷媒を第2冷媒流路112の内部空間100側の内壁114に向けて矢印F3のように噴射する。このとき、ノズル113が噴射する水は、内壁114に対して所定の角度より大きい角度で内壁114に衝突するよう噴射される。内壁114には、親水性のコーティングが施されている。
第2金型部12は、内部空間100の一部を形成するよう断面が略コの字状となるよう形成されている金属部材である。第2金型部12では、地側に金属溶湯供給部20が挿入される挿入孔121が形成されている。
金属溶湯供給部20は、金属溶湯を金型10の内部に供給する。金属溶湯供給部20は、スリーブ21、プランジャ22などから形成される。
スリーブ21は、筒状に形成されている。スリーブ21の一方の端部は、第2金型部12の挿入孔121に挿入され、第2金型部12に対して固定されている。スリーブ21の他方の端部は、プランジャ22が挿通される開口211を有する。スリーブ21の側壁には、スリーブ21の内部に給湯される金属溶湯が通る供給口212を有する。
プランジャ22は、スリーブ21の内壁に摺動可能なよう設けられる。プランジャ22は、スリーブ21の内部に給湯される金属溶湯を加圧し、金型10の内部空間100及び連通路101に金属溶湯を圧入する。
温度検出部40は、センサー部41、出力部42などから構成されている。
センサー部41は、図2に示すように、第2冷媒流路112及び内部空間100を形成する壁体115の内部に設けられている。センサー部41は、壁体115の温度に応じた信号を金型10の外部に設けられている出力部42に出力する。
出力部42は、センサー部41が出力する信号に基づいて壁体115の温度を検出し、演算部33に出力する。
圧力制御部50は、後述する冷媒供給部30の圧力調整部34とは別異に第2冷媒流路112を流れる冷媒の圧力を制御する。第2冷媒流路112を流れる冷媒の圧力は、圧力制御部50に接続する圧力計51によって検出される。圧力計51は、第2冷媒流路112を流れる冷媒の圧力に応じた信号を冷媒供給部30に出力する。
冷媒供給部30は、第1接続配管31及び第2接続配管32を介して金型10と接続している。冷媒供給部30は、演算部33、圧力調整部34などから構成されている。
演算部33は、温度検出部40、圧力制御部50、圧力計51、及び、圧力調整部34と電気的に接続している。演算部33は、温度検出部40が出力する壁体115の温度及び圧力計51が出力する第2冷媒流路112を流れる冷媒の圧力に基づいて第1接続配管31に供給する冷媒の圧力を演算し、圧力調整部34に当該演算結果を出力する。また、演算部33は、圧力計51が出力する第2冷媒流路112を流れる冷媒の圧力に基づいて圧力制御部50を制御する。
圧力調整部34は、演算部33が出力する演算結果に基づいて図示しない冷媒タンクに貯留されている冷媒を演算部33に指示された圧力に加圧し、第1接続配管31に供給する。
次に、鋳造装置1を用いた第1実施形態による鋳造方法について説明する。
最初に、第1金型部11と第2金型部12とを組み合わせた後、金属溶湯を金属溶湯供給部20に給湯する。金属溶湯供給部20では、プランジャ22が開口211側に位置しているスリーブ21の内部に供給通路212を介して金属溶湯を給湯する。
次に、「金属溶湯供給工程」として、内部空間100及び連通路101に金属溶湯を供給する。金属溶湯供給部20において、プランジャ22を移動させスリーブ21内の金属溶湯を加圧しつつ内部空間100及び連通路101に充填する。
金属溶湯が内部空間100及び連通路101に充填された後、「熱交換流体圧力制御工程」として、冷媒供給部30によって冷媒を大気圧より大きい圧力に加圧する。さらに、「冷却工程」として、冷媒供給部30によって大気圧より大きい圧力に加圧された冷媒を第1冷媒流路111に供給する。第1冷媒流路111に供給された水は、ノズル113によって第2冷媒流路112の内部空間100側の内壁114に向けて噴射される。
図3に内壁114の近傍における冷媒に含まれる水の挙動を説明する模式図を示す。
第1実施形態による鋳造装置1の鋳造方法では、ノズル113から噴射される水が内壁114を濡らすよう付着している。内壁114に付着している水は、内壁114から伝わる熱によって温度が上昇し、図3(a)に示すように、核沸騰の状態となる。具体的には、内壁114のうち、特定の部位である壁面116、117、118、119のそれぞれに気泡B1が発生する。
図3(a)の状態において、圧力制御部50によって第2冷媒流路112内を大気圧程度まで圧力を下げると水の沸点が低下する。このとき、図3(b)に示すように、水は、内壁114の全域において核沸騰の状態となり、多くの気泡が発生する。さらに、圧力制御部50側は圧力が大気圧程度まで低下しているため、内壁114に付着している水は、図3(c)に示すように、矢印F4の方向、すなわち、第2接続配管32の方向に流れる。これにより、内壁114上の気泡が強制的に除去される。
内壁114上の核沸騰をしている水がある程度流れると、圧力制御部50によって第2冷媒流路112内の圧力を大気圧より高くする。これにより、図3(d)に示すように、ノズル113によって噴射された新たな冷媒が金型から奪った熱によって核沸騰の状態に移る。
鋳造装置1では、図3(a)から(d)に示す現象によって金型10の温度を内部空間100及び連通路101に充填されている金属溶湯が凝固する温度まで低下させる。
金属溶湯が十分に凝固した後、「取り出し工程」として、第1金型部11と第2金型部12とを分離し、成形された金属部材を金型10から取り出す。
図4に、水の温度に対する水の熱伝達率の変化を点線L1、実線L2で示す。大気圧における水は、温度が100℃になるまで水が付着している冷却対象部位の熱を対流によって奪う。対流における熱伝達率は、点線L1に示す1000〜6000W/(m2×K)程度の大きさである。温度が100℃を超えると、冷却対象部位に付着している水は、気泡が発生する核沸騰の状態となって冷却対象部位の熱を奪う。核沸騰の状態における熱伝達率は、点線L1に示す12000〜23000W/(m2×K)程度の大きさである。さらに、水の温度が上昇すると、当該部位に付着している水は、膜沸騰の状態となって冷却対象部位の熱を奪う。膜沸騰の状態における熱伝達率は、核沸騰の状態における熱伝達率に比べて低い点線L1に示す100〜1200W/(m2×K)程度の大きさとなる。
このように、冷媒に含まれる水によって冷却対象部位の温度を効率的に低下させるためには、比較的小さい熱伝達率を示す対流や膜沸騰の状態に比べ比較的大きい熱伝達率を示す核沸騰の状態を維持することが望ましい。
第1実施形態による鋳造装置1の鋳造方法では、内壁114に付着する水の圧力を冷媒供給部30によって制御し、図4に示した大気圧における水の温度に対する熱伝達率の変化を示す点線L1を加圧条件下における水の温度に対する熱伝達率の変化を示す実線L2のようにシフトさせる。これにより、内壁114に付着する水が核沸騰の状態に留まりやすくなる。したがって、内壁114に付着している水は、比較的大きい熱伝達率を示す核沸騰の状態を維持したまま金型10の熱を奪うことができるため、金型10を効率的に冷却することができ、金型10の冷却時間を短縮することができる。
圧力制御部50は、内壁114に付着している水を相対的に高圧の状態と低圧の状態とを繰り返すよう第2冷媒流路112の圧力を制御する。これにより、内壁114に付着している核沸騰の状態の水を強制的に除去し、ノズル113から噴射される比較的低温の水を内壁114に付着させる。したがって、内壁114に付着している水は、比較的大きい熱伝達率を示す核沸騰の状態を維持したまま金型10の熱を奪うことができるため、金型10をさらに効率的に冷却することができる。
また、第1実施形態による鋳造装置1の鋳造方法では、水は、ノズル113によって内壁114に対して所定の角度より大きな角度で内壁114に衝突するよう噴射される。ここで、所定の角度より大きな角度とは、例えば、内壁114に衝突する角度が大きい角度を指す。これにより、冷媒の衝突によって内壁114に形成される気泡が破壊されやすくなるため、内壁114上に気体の膜が形成されにくくなる。したがって、水が膜沸騰の状態に移りにくくなり、金型10をさらに効率的に冷却することができる。
また、第1実施形態による鋳造方法に用いられる冷媒には沸騰石が含まれている。これにより、水の温度上昇によって生成する気泡を小さな気泡にし、気泡が連結することによって膜が生成されにくくなる。したがって、水が膜沸騰の状態に移りにくくなり、金型10をさらに効率的に冷却することができる。
また、内壁114には、親水性のコーティングが施されている。これにより、内壁114に冷媒に含まれる水が付着しやすくなり、内壁114上に膜が形成されにくくなる。したがって、金型10をさらに効率的に冷却することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による鋳造装置を図5に基づいて説明する。第2実施形態は、第2冷媒流路を形成する金型の内部空間側の内壁の形状が第1実施形態と異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態による鋳造装置では、図5に示すように、内壁114に複数の窪み214が形成されている。複数の窪み214の一つは、当該一つの窪みと隣り合う窪みとの間の距離を距離D1とするよう形成されている。すなわち、複数の窪み214は、等間隔に形成されている。
一般に、冷媒が高温になると当該冷媒が付着する表面の形状によっては気泡が発生する箇所が偏る。気泡が偏って発生すると、複数の気泡が連結し気体の膜を冷媒が付着する表面上に形成しやすくなる。このため、冷媒が付着する表面の形状によっては冷媒の熱伝達率が低下するおそれがある。第2実施形態による鋳造装置では、内壁114に付着している水が高温になると、図5に示すように、気泡B2が複数の窪み214が設けられている部位で選択的に形成される。複数の窪み214は等間隔で形成されているため、気泡が偏って発生する場合に比べ、水は膜沸騰の状態に移りにくくなる。したがって、第2実施形態は、第1実施形態と同じ効果を奏する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による鋳造装置を図6に基づいて説明する。第3実施形態は、第2冷媒流路及び金型の内部空間を形成する壁体に超音波素子が設けられている点が第1実施形態と異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態による鋳造装置は、図6に示すように、壁体115の内部に「超音波振動付与部」としての超音波素子315を備える。超音波素子315は、内壁114に向けて超音波を発する。
第3実施形態による鋳造装置では、内壁114上に気泡B3が生成されるとき、超音波素子315が発する超音波によって気泡B3を破壊し、比較的大きな気泡が生成されにくくなる。これにより、冷媒の温度上昇によって内壁114上に膜が形成されにくくなり、水は膜沸騰の状態に移りにくくなる。したがって、第3実施形態は、第1実施形態と同じ効果を奏する。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による鋳造装置を図7に基づいて説明する。第4実施形態は、金型の外部に電源が設けられている点が第1実施形態と異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態による鋳造装置4では、図7に示すように、第1金型部11は、第1接続配管31及び第2接続配管32に接続する「流路」としての第3冷媒流路611を有している。第3冷媒流路611には、大気圧より高い圧力に加圧された冷媒が供給される。また、第3冷媒流路611の圧力は、圧力制御部50によっても高圧の状態と低圧の状態とを繰り返すよう制御される。第3冷媒流路611を形成する内部空間100側の内壁には、親水性のコーティングが施されている。
また、金型10には「電位差付与手段」としての電源615が電気的に接続している。第4実施形態による鋳造装置4では、第1金型部11に電源615のプラス極が接続し、第2金型部12に電源615のマイナス極が接続する。電源615は、金型10の内部に電位差を形成する。
第4実施形態による鋳造装置4では、金型10に電位差を設けることによって内壁114に冷媒に含まれる水を付着しやすくする。これにより、内壁114上に膜が形成されにくくなり、水は膜沸騰の状態に移りにくくなる。したがって、第4実施形態は、第1実施形態と同じ効果を奏する。
(その他の実施形態)
(ア)上述の実施形態では、ダイカストによって金属部材を成形するとした。しかしながら、本発明の鋳造方法はこれに限定されない。融点より高い温度の金属を金型の内部に流し込み、所望の形状の金属部材を得ることができる鋳造方法であればよい
(イ)第1、2、3実施形態では、第2冷媒流路の圧力は、圧力制御部によって相対的に高圧の状態と低圧の状態とを繰り返すよう制御するとした。また、第4実施形態では、第3冷媒流路の圧力は、圧力制御部によって高圧の状態と低圧の状態とを繰り返すよう制御するとした。しかしながら、第2冷媒流路または第3冷媒流路の圧力を高圧の状態と低圧の状態とを繰り返すよう制御しなくてもよい。
(エ)上述の実施形態では、冷媒は沸騰石を含むとした。しかしながら、沸騰石は含まなくてもよい。
(オ)上述の実施形態では、第2冷媒流路または第3冷媒流路を形成する内部空間側の内壁には、親水性のコーティングが施されているとした。しかしながら、親水性のコーティングが施されていなくてもよい。
(カ)上述の実施形態では、金型を冷却する冷媒が流れる第1冷媒流路、第2冷媒流路、第3冷媒流路は、第1金型部が有するとした。しかしながら、第2金型部に設けられてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、4 ・・・鋳造装置、
10 ・・・金型、
100 ・・・内部空間(金型の内部)、
101 ・・・連通路(金型の内部)
111 ・・・第1冷媒流路(流路)、
112 ・・・第2冷媒流路(流路)、
30 ・・・熱交換流体供給部、
40 ・・・温度検出部、
611 ・・・第3冷媒流路(流路)。

Claims (12)

  1. 金型(10)の内部(100、101)に金属溶湯を供給する金属溶湯供給工程と、
    前記金型の温度より低い温度の熱交換流体の圧力を前記金型の温度に基づいて制御する熱交換流体圧力制御工程と、
    前記金属溶湯供給工程において前記金型の内部に金属溶湯が充填された後、前記熱交換流体圧力制御工程において圧力を制御された熱交換流体を前記金型が有する流路(111、112、113、611)に供給する冷却工程と、
    前記冷却工程において前記金型の温度が前記金型の内部に充填された金属溶湯が凝固する温度まで低下した後、前記金型の内部から金属溶湯が凝固した金属部材を前記金型から取り出す取り出し工程と、
    を含み、
    前記冷却工程において、熱交換流体は、前記流路を形成する前記金型の内壁(114)に対して所定の角度より大きな角度で当該内壁に衝突するよう流れることを特徴とする鋳造方法。
  2. 前記冷却工程において、前記流路を流れる熱交換流体は、相対的に高圧の状態と低圧の状態とを繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の鋳造方法。
  3. 前記冷却工程において、前記流路を形成する前記金型の内壁を超音波振動することを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造方法。
  4. 熱交換流体は、水であって
    前記冷却工程において、前記金型の内部に電位差を形成することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の鋳造方法。
  5. 金属溶湯を凝固し所望の形状の金属部材を成形する鋳造装置(1、4)であって、
    流体が流通可能な流路(111、112、611)を有する金型(10)と、
    前記流路に前記金型の温度より低い温度の熱交換流体を供給する熱交換流体供給部(30)と、
    前記流路を形成する前記金型の内壁(114)に対して所定の角度より大きな角度で熱交換流体が当該内壁に衝突するよう熱交換流体を噴射するノズル(113)と、
    前記金型の温度を検出し、検出した前記金型の温度に基づく信号を前記熱交換流体供給部に出力する温度検出部(40)と、
    を備え、
    前記熱交換流体供給部は、前記温度検出部が出力する前記金型の温度に基づいて前記流路に供給する熱交換流体の圧力を制御することを特徴とする鋳造装置。
  6. 前記流路の下流側に位置し前記流路を流れる熱交換流体の圧力を制御する圧力制御部(50)を備え、
    前記圧力制御部は、前記流路を流れる熱交換流体の圧力を相対的に高圧の状態と低圧の状態とを繰り返すよう制御することを特徴とする請求項に記載の鋳造装置。
  7. 前記流路を形成する前記金型の内壁(114)には窪み(214)が形成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の鋳造装置。
  8. 前記窪みは、複数形成され、
    複数の前記窪みは、等間隔に形成されていることを特徴とする請求項に記載の鋳造装置。
  9. 熱交換流体は、沸騰石を含むことを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載の鋳造装置。
  10. 前記流路を形成する前記金型の内壁を超音波振動する超音波振動付与部(315)を備えることを特徴とする請求項5から9のいずれか一項に記載の鋳造装置。
  11. 熱交換流体は、水であって
    前記金型の内部に電位差を形成する電位差付与手段(615)を備えることを特徴とする請求項5から10のいずれか一項に記載の鋳造装置。
  12. 熱交換流体は、水であって
    前記流路を形成する前記金型の内壁は、親水性の表面処理が施されていることを特徴とする請求項5から11のいずれか一項に記載の鋳造装置。
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