JP5244568B2 - ダイキャスト型 - Google Patents

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本発明は、ダイキャスト型に関する。
一つのダイキャスト製品を鋳造してから次のダイキャスト製品を鋳造するまでの間に、ダイキャスト型を冷却する必要がある。鋳造直後のダイキャスト型の温度は、ダイキャスト型の部分によって異なる。キャビティ面は、溶湯に直接触れるために、高温になっている。みきり面は、溶湯に直接触れないために、低温を維持している。ダイキャスト型を冷却するために、ダイキャスト型に冷却水を噴霧する手法が多用される。高温となっているキャビティ面に冷却水を噴霧すると、ライデンフロスト現象が起きるために冷却水が気化せず、キャビティ面を効率よく冷やすことができない。ここでいうライデンフロスト現象とは、熱したフライパンに水滴を落とした時に観察される現象をいい、水滴が高温な固体表面上を横滑りする現象をいう。ライデンフロスト現象が発生すると、水蒸気の膜の上に水滴が浮かぶ状態となり、固体表面と水滴との接触がほとんど起こらなくなるために両者間の熱伝導が非常に遅くなり、水滴の蒸発に時間がかかる。低温にとどまっているみきり面でも、噴霧した冷却水が蒸発するのに時間を要する。
特許文献1等に、ダイキャスト型を表面処理する技術が開示されている。
特開昭63−256251号公報 特開2005−342922号公報
従来の技術では、ダイキャスト型の表面に疎水性コーティング材を施すことによって、ダイキャスト製品の離型性を向上させることを企図している。この場合、ダイキャスト型に冷却水を噴霧してキャビティ面を冷却しようとしても、高温となっているキャビティ面ではライデンフロスト現象がより活発に発生し、キャビティ面を効率よく冷やすことができない。
本発明は、高温なキャビティ面ではライデンフロスト現象の発生を抑えて噴霧した冷却水がキャビティ面に沿って水膜となって広がるダイキャスト型を提供する。噴霧した冷却水がキャビティ面に沿って水膜となって広がると、水膜の随所で核沸騰現象が発生し、水膜が短時間で蒸発する。キャビティ面は効率的に冷却される。
その一方において、低温にとどまっているみきり面では、ライデンフロスト現象の発生を抑えても、みきり面自体が低温であることから噴霧した冷却水の蒸発に時間を要する。逆にいうと、みきり面を冷却する必要性は乏しい。本発明では、みきり面では噴霧した冷却水を撥水することによって短時間で乾燥するダイキャスト型を提供する。
本発明のダイキャスト型は、キャビティ面が親水性表面に仕上げられており、みきり面が疎水性表面に仕上げられている。
本発明のダイキャスト型に冷却水を噴霧すると、キャビティ面が親水性表面であるために、噴霧した冷却水がキャビティ面に沿って水膜状に広がる。このために、水膜の随所で核沸騰現象が発生し、水膜が短時間で蒸発する。キャビティ面が効率的に冷却される。みきり面では、疎水性表面に仕上げられているために、冷却水をよく撥水して乾きがよい。
キャビティ面を親水性表面に仕上げ、みきり面を疎水性表面に仕上げておくと、キャビティ面の冷却に要する時間が短縮され、ダイキャスト型の乾燥に要する時間が短縮される。高品質なダイキャスト製品を短時間で量産できるダイキャスト型が得られる。
キャビティ面を親水性表面と疎水性表面に仕上げる手法が様々に存在するが、カーボンを用いることが好ましい。キャビティ面を繊維状カーボンと粒子状カーボンの混合物を含む表面処理層で被覆すると親水性表面に仕上げることができ、みきり面を繊維状カーボンを含んで粒子状カーボンを含まない表面処理層で被覆すると疎水性表面に仕上げることができる。
特に、ダイキャスト型のキャビティ面に形成されている凹凸のピッチが2μm以下であり、みきり面に形成されている凹凸のピッチが10μm以上であることが好ましい。
キャビティ面に形成されている凹凸のピッチが2μm以下であると、キャビティ面での親水性が高くなる。みきり面に形成されている凹凸のピッチが10μm以上であると、みきり面での疎水性が高くなる。
本発明のダイキャスト型によると、キャビティ面が親水性表面であるために、噴霧した冷却水がキャビティ面に沿って水膜状に広がる。このために、キャビティ面が一様に効率的に冷却される。みきり面では、疎水性表面に仕上げられているために、冷却水をよく撥水して乾きがよい。キャビティ面の冷却に要する時間が短縮され、みきり面の乾燥に要する時間が短縮される。
本発明のダイキャスト型によると、高品質なダイキャスト製品を短時間で量産することができる。
下記に説明する実施例の主要な特徴を最初に列記する。
(特徴1)キャビティ面を親水性の表面処理層で覆う。
(特徴2)キャビティ面の凹凸のピッチを2μm以下にする。
(特徴3)みきり面を疎水性の表面処理層で覆う。
(特徴4)みきり面の凹凸のピッチを10μm以上にする。
(特徴5)ダイキャスト型の冷却は冷却水による。
以下の実施例では、鋳造直後のダイキャスト型が冷却水によって冷却される。次のダイキャスト製品を鋳造するまでの間隔を短縮するためには、高温となっているキャビティ面を短時間で冷却し、冷却のために噴霧した冷却水が短時間で乾く必要がある。
図1は、実施例の概要を示すダイキャスト型の断面図である。ダイキャスト型2は、上型4と下型6により構成される。参照番号8は、ゲートである。参照番号10は、上型4のキャビティ面であり、参照番号12は、下型6のキャビティ面である。上型4のキャビティ面10と下型6のキャビティ面12によって、キャビティ14が画定される。キャビティ面10,12は、溶湯を冷却する機能を持つために、鋳造直後のキャビティ面10,12の温度は極めて高くなる。表面処理層16が、上型4のキャビティ面10と下型6のキャビティ面12を覆っている。表面処理層16は、親水性を示す。表面処理層16が親水性であるために、キャビティ面10,12に噴霧された冷却水は、ライデンフロスト現象を起こさない。キャビティ面10,12に噴霧された冷却水は、キャビティ面10,12に沿って広がる水膜となる。キャビティ面10,12に沿って広がる水膜が得られると、キャビティ面10,12の随所で冷却水が核沸騰する。冷却水の水膜が核沸騰するために、冷却水の水膜が短時間で蒸発し、上型4のキャビティ面10と下型6のキャビティ面12が一様によく冷える。
参照番号18は、みきり面である。みきり面18は溶湯に接触しないために、鋳造直後でもみきり面18の温度は低温に維持される。表面処理層20が、みきり面18を覆っている。表面処理層20は、疎水性を示す。表面処理層20が疎水性であるために、みきり面18では冷却水が撥水される。温度がそれほど高くならないみきり面18でも、冷却水は乾きやすい。
以下の実施例では、ダイキャスト型2の下型6についてのみ説明するが、同じ説明が上型4にも同様に適用される。
(第1実施例)
図2は、第1実施例の下型6の断面図を示す。参照番号8は、ゲートである。参照番号12は、下型6のキャビティ面を示す。繊維状カーボン24と粒子状カーボン26の混合物28がキャビティ面12を覆っている。繊維状カーボン24はカーボンナノチューブやカーボンファイバーなどである。粒子状カーボン26はカーボンフラーレン類である。本実施例では繊維状カーボン24にカーボンナノチューブを用い、粒子状カーボン26にフラーレンを用いている。カーボンナノチューブ24とフラーレン26の混合物28は、CnF28と表記する。CnF28層は、親水性表面層として働く。キャビティ面12に繊維状カーボン24を形成する方法は、特開2008−105082号公報に記載されている。カーボンナノチューブ24とフラーレン26の混合物28を得る方法は、特願2008−198588号の明細書と図面に記載されている。
参照番号18は、みきり面を示す。みきり面18では、繊維状カーボン24が表面を覆っている。繊維状カーボン24は、カーボンナノチューブを用いている。カーボンナノチューブ24はCn24と表記する。Cn24層は、疎水性表面層として働く。Cn24層は、特開2008−105082号公報に記載の方法で製造することができる。
参照番号22はダイキャスト型2に向けて噴霧する冷却水である。
鋳造直後のダイキャスト型2は、部分によって大きな温度差がある。キャビティ面12は溶湯に接触するために、極めて高温になっている。鋳造直後のダイキャスト型2には、冷却水22を噴霧して冷却する。一般に、高温な金属面に冷却水を噴霧すると、ライデンフロスト現象が起こる。しかしながら本実施例では、キャビティ面12が親水性を示すCnF28層で被覆されているために、冷却水22を噴霧してもライデンフロスト現象が起こらない。ライデンフロスト現象が起こらないために、冷却水22がキャビティ面12に沿って広く広がり、キャビティ面12の随所で冷却水22が核沸騰を起こす。冷却水22がキャビティ面12によく接触した状態で核沸騰するために、冷却水22の水膜が短時間で蒸発する。キャビティ面12は、広く広がっている水膜によって冷却されるために、一様に冷却される。キャビティ面12は、短時間で一様に冷却される。
みきり面18は溶湯に接触しないために、高温にならない。みきり面18は高温にならないために、冷却水22を噴霧すると通常のダイキャスト型では乾くのに時間がかかる。しかしながら本実施例では、みきり面18が疎水性を示すCn24層で被覆されているためにみきり面18では冷却水22をよく撥水する。みきり面18は、迅速に乾く。
鋳造直後のダイキャスト型2は各部分で表面温度が異なる。ダイキャスト型2の水に対する親和性を部分に応じて変えると、冷却する必要がある部分を短時間で一様に冷却することができ、乾燥しづらい部分では撥水して乾燥時間を短縮することができる。
CnF28層の表面は、繊維状カーボン24の間隙にフラーレン26が入り込むことにより構成される。繊維状カーボン24の間隙にフラーレン26が入り込むために、緻密な構造でほとんど間隙は観察されなかった。間隙は大きくても2μm程度であった。親水性の表面に形成される凹凸のピッチは、2μm以下であることが好ましい。Cn24層の表面は、繊維状カーボン24により構成される。繊維状カーボン24は団塊を作る。繊維状カーボンの団塊の間隔は、大半の部分で10μm以上であることが観察された。疎水性の表面に形成される凹凸のピッチは、10μm以上であることが好ましい。
ダイキャスト型2の表面に形成される凹凸のピッチを場所によって変えると、水に対する親和性が場所によって変化する。水に対する親和性を場所によって変化させることで、鋳造直後のダイキャスト型2で核沸騰現象を必要とする場所では核沸騰現象を得ることができ、撥水効果を必要とする場所では撥水効果が得られる。これによって、鋳造サイクルが短縮される。
(第2実施例)
図3は、第2実施例の下型6の断面図を示す。図2と同一の部分には、同じ参照番号を与えることで重複説明を省略する。キャビティ面12はCnF28の膜で覆われている。鋳造直後のキャビティ面12は溶湯を冷却するために、非常に高温になっている。ダイキャスト型2を冷却するために、冷却水22を噴霧する。本実施例では、冷却水22を噴霧してもキャビティ面12が親水性のCnF28の膜で覆われているために、ライデンフロスト現象が起こらない。そのために、冷却水22がキャビティ面12に沿って広がって水膜を作る。いたる所でできた水膜が核沸騰を起こすために、キャビティ面12が一様に冷却される。
みきり面18では溶湯を冷却しないために、鋳造直後でも低い温度に保たれている。みきり面18は、ポリテトラフルオロエチレン30の膜で覆われている。ポリテトラフルオロエチレン30はPTFEと表記する。PTFE30の膜は、疎水性膜として働く。みきり面18の温度が高くないために、通常ならみきり面18では冷却水22の乾きが悪い。しかしながら本実施例では、疎水性のPTFE30の膜で覆われているために、みきり面18は撥水性になっている。速やかに乾燥させることができる。
鋳造直後のダイキャスト型2の表面温度は、ダイキャスト型2の部位によってさまざまである。異なる型表面温度によって、水に対する親和性が違う表面処理膜を形成させることで、ダイキャスト型2を速やかに冷却でき速やかに乾燥させることができる。短い時間で品質の高いダイキャスト製品を大量に鋳造できる。
(第3実施例)
図4は、第3実施例の下型6の断面図を示す。図2と同一の部分には、同じ参照番号を与えることで重複説明を省略する。キャビティ面12はDLC32層で被覆されている。DLC32層は水に対する親和性が高い。鋳造直後の極めて高温なキャビティ面12はDLC32層で被覆され親水性表面であるために、冷却水22が玉になって転がらない。ライデンフロスト現象は起きない。そのために、冷却水22は水膜状に広がって核沸騰を起こす。キャビティ面12の広い範囲を水膜状に広がった冷却水22で冷やすことができる。
みきり面18は疎水性のCn24層で被覆されているために、ダイキャスト型2を冷却するための冷却水22を撥水する。みきり面18は鋳造直後でも高い温度にならない。みきり面18で冷却水22を撥水することで、冷却水22の乾燥に要する時間を短縮することができる。
ダイキャスト型2の表面の親水性を部分に応じて変化させることによって、鋳造直後のダイキャスト型2の表面温度に関係なくダイキャスト型2を冷却水22で迅速に冷却することできる。高サイクルでダイキャスト製品を鋳造することができる。
(第4実施例)
図5は、第4実施例の下型6の断面図を示す。図2と同一の部分には、同じ参照番号を与えることで重複説明を省略する。キャビティ面12をDLC32の膜で覆っているために、キャビティ面12は親水性表面である。キャビティ面12が親水性を示すことで、冷却水22はキャビティ面12に沿って広範囲に広がり水膜を形成する。鋳造直後に高温になっているキャビティ面12でライデンフロスト現象を防ぐことができる。広範囲に広がっている水膜で核沸騰が起きるために、キャビティ面12の全体を均一に冷却することができる。
みきり面18をPTFE30の膜で覆っているため、みきり面18は疎水性表面である。みきり面18が疎水性を示すことで、温度が低く保たれているみきり面18で冷却水22の乾燥にかかる時間が短縮化される。
ダイキャスト型2で親水性の大小を空間的に変えることによって、鋳造直後のダイキャスト型2で水冷によって大きな冷却効果を得ることができる。
図6は、接触角θを示すための模式図である。参照番号22は、冷却水の水滴である。参照番号33は、ダイキャスト型2の型材である。接触角θは、型材33の表面と冷却水22の水滴のなす角度θである。接触角θが大きいと冷却水22は、球状へとなる。すなわち疎水性を示す。逆に、接触角θが小さいと冷却水22は、型材表面に沿って広がる。すなわち親水性を示す。
図7は、表面処理層に対する冷却水22の接触角θの測定結果を示している。横軸は測定回数を示し、縦軸は接触角θを示している。丸印は、鋳造直後のみきり面18の温度におけるCn24の表面処理層と冷却水22の接触角θの測定結果を示し、正方形は、鋳造直後のキャビティ面12の温度におけるCnF28の表面処理層と冷却水22の接触角θの測定結果を示している。
Cn24の表面処理層と冷却水22との接触角θは100度程度である。Cn24の表面処理層は疎水性が高いことがわかる。CnF28の表面処理層と冷却水22との接触角θは50度程度である。CnF28の表面処理層は親水性が高いことがわかる。
図8(a)は、鋳造直後のキャビティ面12の温度における各表面処理層と冷却水22の接触角θを示す。CnF28層と冷却水22との接触角θは15度であり、CnF28層は親水性が高いことがわかる。DLC32層と冷却水22との接触角θは15度であり、DLC32層は親水性が高いことがわかる。SKD基材と冷却水22との接触角θは120度であり、SKD基材は、疎水性が高いことがわかる。
図8(b)は、鋳造直後のみきり面18の温度における各表面処理層と冷却水22の接触角θを示す。Cn24層と冷却水22の接触角θは100度であり、Cn24層は疎水性が高いことがわかる。PTFE30層と冷却水22の接触角θは100度であり、PTFE30層は疎水性が高いことがわかる。SKD基材と冷却水22との接触角θは30度であり、相対的に親水性が高いことがわかる。
図9は、コーティング材に覆われた高温度のSKD基材に滴下した1ccの冷却水22の蒸発時間を示している。Cn24層でコーティングされたSKD基材に冷却水22を1cc滴下すると、ライデンフロスト現象が起こることによって、冷却水22の蒸発に1秒以上かかることがわかる。CnF28層でコーティングされたSKD基材に冷却水22を1cc滴下すると、蒸発に0.24秒かかることがわかる。CnF28層が親水性であるために冷却水22がCnF28層に沿って広く広がっていく。冷却水22がCnF28層に沿って広がっていくことで、冷却水22とCnF28層の接触面積が大きくなる。冷却水22とCnF28層の接触面積が大きいために、冷却水22は短時間で蒸発した。PTFE30層でコーティングされたSKD基材に冷却水22を1cc滴下すると、ライデンフロスト現象が起こることによって、冷却水22の蒸発に1秒以上かかることがわかる。SKD型材に冷却水22を1cc滴下すると、ライデンフロスト現象が起こることによって、蒸発に1秒以上かかることがわかる。SKD基材は低温で親水性を示すが、高温ではライデンフロスト現象を起こしている。
図10は、50ショット行った後のダイキャスト型に冷却水22をスプレーした後のダイキャスト型の表面温度を示している。ダイキャスト型の型材にはSKDを用い、表面処理層を設けていない。範囲34は、冷却水22をスプレーした後のダイキャスト型の表面温度が262.5℃以上の領域を示し、範囲36は、218.7℃以上で262.5℃未満の領域を示し、範囲38は、131.2℃以上で218.7℃未満の領域を示している。これらの範囲以外は131.2℃未満の領域を示している。冷却水22をスプレーして冷却しているにもかかわらず、非常に高温なダイキャスト型の部分が存在していることがわかる。ダイキャスト型で非常に高温な部分では、ライデンフロスト現象が起こったために、冷却されなかったと判断できる。
図11は、50ショット行った後のダイキャスト型2に冷却水22をスプレーした後のダイキャスト型2の表面温度を示している。ダイキャスト型2の型材にはSKDを用い、表面処理層を設けた。ショット後に非常に高温になるダイキャスト型2の部分(例えばキャビティ面10,12)にはCnF28層を形成し、冷却水22の乾きの悪い部分(例えばみきり面18)にCn24層を形成した。範囲40は、冷却水22をスプレーした後のダイキャスト型2の表面温度が131.2℃以上で218.7℃未満の領域を示している。範囲40以外は131.2℃未満の領域を示している。従来のダイキャスト型に比べると明らかに、表面処理層を設けたダイキャスト型2によると、冷却後のダイキャスト型2の表面温度が下がることがわかる。ショット後に非常に高温になるダイキャスト型2の部分(キャビティ面10,12)に親水性表面膜16を形成することで、ライデンフロスト現象を抑制するために、スプレーした冷却水22は親水性膜16に沿って広がっていく。親水性膜16に広がっている水膜では核沸騰が起きる。これによって、ダイキャスト型2の高温部を効率的に冷却することが可能である。ショット直後の型表面温度を指標にして、水に対する親和性の異なる表面処理層を形成することで、ショットサイクルを短くすることが可能である。それによって、時間効率よくダイキャスト製品を量産できる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
各実施例のダイキャスト型の断面図である。 第1実施例のダイキャスト型の断面図である。 第2実施例のダイキャスト型の断面図である。 第3実施例のダイキャスト型の断面図である。 第4実施例のダイキャスト型の断面図である。 接触角を示すための模式図である。 各表面処理層と冷却水の接触角を示す。 (a)鋳造直後のキャビティ面の温度における各表面処理層と冷却水の接触角を示す。(b)鋳造直後のみきり面の温度における各表面処理層と冷却水の接触角を示す。 冷却水1ccの蒸発時間を示す。 冷却水スプレー後の従来のダイキャスト型表面温度を示す。 冷却水スプレー後のキャビティ面が親水性表面で、みきり面が疎水性表面のダイキャスト型の表面温度を示す。
符号の説明
2 ダイキャスト型
4 上型
6 下型
8 ゲート
10 上型のキャビティ面
12 下型のキャビティ面
14 キャビティ
16 親水性表面処理層
18 みきり面
20 疎水性表面処理層
22 冷却水
24 繊維状カーボン
26 粒子状カーボン
28 繊維状カーボンと粒子状カーボンとの混合物
30 ポリテトラフルオロエチレン
32 DLC
33 型材

Claims (2)

  1. キャビティ面が繊維状カーボンと粒子状カーボンの混合物を含む表面処理層で被覆されており、みきり面が繊維状カーボンを含んで粒子状カーボンを含まない表面処理層で被覆されていることを特徴とするダイキャスト型。
  2. キャビティ面に形成されている凹凸のピッチが2μm以下であり、みきり面に形成されている凹凸のピッチが10μm以上であることを特徴とする請求項1のダイキャスト型。
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