JP2018031302A - 内燃機関のピストン、および内燃機関のピストンの製造方法 - Google Patents

内燃機関のピストン、および内燃機関のピストンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリンダまたはピストンの摩耗の抑制を図ることができる内燃機関のピストンを提供する。
【解決手段】内燃機関のピストン1は、本体2と低熱伝導部3を有する。本体2は、アルミニウム合金を含み、ピストンヘッド4と、ピストンボス5およびピストンスカート6とを有する。低熱伝導部3は、ピストンヘッド4における燃焼室側にあり、炭素、窒化ホウ素、および二硫化モリブデンのうち少なくとも1つを含む材料からなる。低熱伝導部3は、内部に空隙を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関のピストンに関する。
従来、内燃機関のピストンが知られている(例えば特許文献1)。
特開2009−243355号公報
従来のピストンでは、冠面に設けられた断熱材が脱落し、シリンダまたはピストンの摩耗が促進されるおそれがあった。
本発明の1つの実施形態に係る内燃機関のピストンは、固体潤滑剤として機能する物質を含む材料からなる低熱伝導部を、ピストンヘッドに有する。
よって、シリンダまたはピストンの摩耗の抑制を図ることができる。
第1実施形態の1つのシリンダの軸心を通る平面でエンジンの一部を切った断面を模式的に示す。 第1実施形態のピストンの斜視図である。 第1実施形態のピストンを冠面の側から見た上面図である。 第1実施形態の低熱伝導部およびピストンヘッド(以下、低熱伝導部等)の一部をピストンの軸心に平行な平面で切った断面(以下、軸方向断面)を模式的に示す。 第1実施形態の低熱伝導部等の軸方向断面の一部を拡大して示す写真である。 第1実施形態の塗布工程を模式的に示す。 第1実施形態の乾燥工程後の塗膜の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第2実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第3実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第3実施形態の塗布工程後の塗膜の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第3実施形態の材料加熱工程と噴射工程を模式的に示す。 第3実施形態の噴射工程後の塗膜の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第4実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第5実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第5実施形態の低熱伝導部等の軸方向断面の一部を拡大して示す写真である。 第6実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第7実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第8実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第9実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第9実施形態の材料加熱工程を模式的に示す。 第10実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第10実施形態の第1塗布工程の一部を模式的に示す。 第10実施形態の第1塗布工程の一部を模式的に示す。 第10実施形態の第1塗布工程の直後における第1の塗膜の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第10実施形態の第1塗布工程からある程度時間が経ったときの第1の塗膜の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第11実施形態の第1塗布工程で冠面に塗布された第1混合材料料の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第12実施形態の低熱伝導部等の一部を模式的に示す軸方向断面図である。 第12実施形態の塗布工程を模式的に示す。 第15実施形態のショットブラストによる表面処理工程を模式的に示す。 第18実施形態のピストンを冠面の側から見た上面図である。 第18実施形態の他の例のピストンの斜視図である。 第18実施形態の他の例のピストンを冠面の側から見た上面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
まず、構成を説明する。図1に示す本実施形態の内燃機関(エンジン)100は、4ストローク・ガソリンエンジンである。エンジン100は、ピストン1と、シリンダブロック101と、シリンダヘッド104と、コネクティングロッド(コンロッド)106と、クランクシャフトと、バルブ107と、点火装置108と、燃焼室11とを備える。バルブ107は2つの吸気バルブと2つの排気バルブを有する。シリンダブロック101は、円筒状のシリンダライナ(シリンダスリーブ)102を備える。シリンダライナ102の内周側はシリンダ10の内壁として機能する。シリンダヘッド104は、シリンダ10の開口を塞ぐようにシリンダブロック101に設置される。シリンダヘッド104には、バルブ107と、燃料の噴射ノズルと、点火装置108とが設置される。シリンダブロック101にはクランクシャフトが回転可能に設置される。ピストン1は、シリンダ10の内部に、往復移動可能に収容される。
図2および図3に示すように、ピストン1は、ピストン本体2と低熱伝導部3を有する。ピストン本体2は、アルミニウム合金(例えばAl-Si系のAC8A)を材料(素材)として形成される。ピストン1(ピストン本体2)は、有底筒状であり、ピストンヘッド(冠部)4と、ピストンボス(エプロン部)5と、ピストンスカート(スカート部)6とを有する。以下、ピストン1の軸心が延びる方向を軸方向という。軸方向でピストンボス5やピストンスカート6に対しピストンヘッド4の側を一方側といい、その反対側を他方側という。ピストンヘッド4は、冠面部40とランド部41を有する。冠面部40は、ピストンヘッド4の軸方向一方側にあり、冠面(頂面)400を有する。冠面400は、ピストン1の軸心に直交して広がり、軸方向一方側からみて略円形の輪郭を有する。図1に示すように(ピストン1が上死点にあるとき)、冠面400とシリンダヘッド104との間に、燃焼室11が区画される。燃焼室11はペントルーフ型である。冠面400は燃焼室11内の燃焼ガスに暴露される。冠面部40には、キャビティ401がある。キャビティ401は、冠面部40に形成された凹部であり、燃焼室11を画成する。言い換えると、ピストンヘッド4は、燃焼室11側(燃焼室11に臨む側)にキャビティ401を備える。キャビティ401は、冠面400の略中央にあり、底面が平面である浅皿状である。冠面部40には、キャビティ401の周縁部に、各バルブ107の先端形状に沿った凹部(傾斜したバルブリセス)402が4つある。ランド部41は冠面部40の外周側から軸方向他方側に延びる。ランド部41の外周には、環状の溝(リング溝)410が3つある。リング溝410にはピストンリング7が設置される。
ピストンボス5およびピストンスカート6は、ピストンヘッド4から軸方向他方側に延び、ピストンヘッド4に対し燃焼室11の反対側にある。ピストンスカート6およびピストンボス5の内周側は中空である。ピストンボス5は、ピストン1の径方向両側に一対ある。各ピストンボス5はピンボス50を有する。各ピンボス50はピストンピン穴51を有する。ピストンピン穴51は、ピンボス50を貫通してピストン1の径方向に延びる。ピストンスカート6は、ピストン1の径方向両側に一対ある。ピストンスカート6は、ピストン1の周方向で両ピストンボス5,5に挟まれる。両ピストンスカート6,6はピストンボス5によって連結される。ピストンスカート6はシリンダ10の内壁に対し摺動する。ピストンピン穴51にはピストンピンの端部が嵌合する。ピストン1は、ピストンピンを介してコンロッド106の一端側(小端部)に連結される。コンロッド106の他端側(大端部)はクランクシャフトに連結される。シリンダライナ102の内部の通路103には冷却水が循環する。シリンダブロック101にはオイルジェット105が設置される。燃焼室11からピストンヘッド4に伝わった熱は、ピストンリング7を介してシリンダライナ102およびその内部の冷却水に伝わることで放出される。また、上記熱は、ピストン1の内周側(裏側)にオイルが付着し流出することでも放出される。このオイルの付着は、例えばオイルジェット105からのオイルの噴射により行われる。
低熱伝導部3は、燃焼室11からピストンヘッド4(ピストン本体2)への熱伝導性を低めるための構造体であり、ピストンヘッド4における燃焼室11側にあって、燃焼室11に臨む表面(冠面400)の全部に形成される。低熱伝導部3の一部はキャビティ401に収容される。図4および図5に示すように、低熱伝導部3は、ピストン本体2の(キャビティ401の底面を含む)冠面400に沿って広がる層状である。低熱伝導部3は層30を有する。層30の厚さは任意である。低熱伝導部3を形成するための材料のうち(エンジン100の運転時に)固体であるものを、以下、固体材料という。低熱伝導部3の内部には空隙(中空部)31が複数ある。空隙31には気体(エンジン100の運転時に気体であるもの)が存在する。空隙31は、固体材料同士の間、または固体材料とピストン本体2との間の隙間である。空隙31は、ピストン1の任意の径方向における両側で固体材料に挟まれ閉塞されている。空隙31は、軸方向(低熱伝導部3が層状に広がる方向に対して直交する方向)の一方側(燃焼室11側)で閉塞されたもの(第1の空隙311)と、この一方側で閉塞されていないもの(第2の空隙312)とがある。第1の空隙311は、軸方向の両側で固体材料に挟まれるか、または固体材料とピストン本体2とに挟まれた閉空間である。第2の空隙312は、軸方向一方側で燃焼室11に開放され、軸方向他方側で固体材料またはピストン本体2により閉塞された開空間である。第2の空隙312は、低熱伝導部3の燃焼室11側の表面における微細な凹凸のうちの凹部であり、低熱伝導部3における燃焼室11側で開口する。
固体材料は、炭素およびバインダーを含む。炭素はSP2構造の成分、すなわちグラファイト(黒鉛)を50体積%以上含む。炭素におけるグラファイト以外の成分として、例えばカーボンブラックを含んでよい。炭素の粒子は塊をなしている。この塊の平均粒径は、20μm以上であり、好ましくは100μm以下であって、より好ましくは50μm以下である。バインダーは、合成樹脂であって、炭素の粒子(塊)同士を接着させる機能を有する。バインダーはエンジニアリングプラスチックであり、例えばポリアミドイミド、ポリアミド、およびエポキシ樹脂のうち、少なくとも1つを用いることができる。低熱伝導部3は、炭素の塊(およびバインダー)が堆積した層状である。低熱伝導部3の層30内には炭素の塊(粒子)とバインダーが混ざり合って分散している。空隙31は、複数の炭素の塊(およびバインダー)の間にある。
以下、本実施形態のピストン1の製造方法を説明する。製造方法は、ピストン本体形成工程と低熱伝導部形成工程を含む。ピストン本体形成工程は、鋳造工程、熱処理工程、および機械加工工程を含む。鋳造工程で、ピストン本体2の原型(中間加工材)を鋳造する。具体的には、アルミニウム合金の溶湯を金型に流し込み、凝固させる。このとき、ピストン本体2の内周が形成され、キャビティ401の基本形状が形成される。熱処理工程で、熱処理を行う。これにより、鋳造された原型の性質を改善して適当な強度・硬さに調整する。機械加工工程で、熱処理された原型を旋盤等により機械加工する。例えば、ピストンピン穴51やリング溝410を加工するとともに、ピストンヘッド4やピストンスカート6の外周等、ピストン本体2の外径を仕上げる。また、冠面400(キャビティ401)を加工により形成する。ピストンヘッド4における燃焼室11側の(キャビティ401を含む)表面の全部は、機械加工される。
低熱伝導部形成工程で、ピストンヘッド4(における燃焼室11側)に低熱伝導部3を形成する。低熱伝導部3は、早くとも上記熱処理工程後に形成される(熱処理工程は低熱伝導部形成工程の前に行われる)。本実施形態では、上記機械加工工程後に低熱伝導部3を形成する。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、塗布工程と、乾燥工程とを含む。材料準備工程で、低熱伝導部3を形成するための材料(以下、形成材料)を準備する。形成材料は、固体材料(炭素およびバインダー)と溶剤(溶媒)を含む。平均粒径が例えば20μm〜50μmである炭素の粒子からなる粉体を用意する。粒径の測定には、例えばJIS Z8801の試験用ふるいを用いることができる。平均径としてメジアン径(d50)を用いることができる。この場合、「平均粒径がxμmである粉体」とは、上記試験用ふるいで分級され、メジアン径がxμmである粒子(塊)の粉体をいう。溶剤は、形成材料のうち気化する成分であり、揮発性のものを用いることができる。N-メチル-2-ピロリドン(NMP)やジメチルアセトアミド(DMAc)等の有機溶剤を用いることができる。材料準備工程では、炭素およびバインダーの粉体と溶剤とを混ぜ合わせたもの(以下、混合材料)を用意する。混合材料には溶剤が含まれ、炭素の塊(粒子)およびバインダーの粒子は溶剤中に分散している。なお、混合材料に、炭素とバインダーと溶剤以外の材料(添加剤等)を混ぜてもよい。
塗布工程で、事前(実際に塗布する前)に、ピストンヘッド4がピストンボス5やピストンスカート6に対し鉛直方向上側となるようにピストン本体2を設置する。具体的には、冠面400が鉛直方向上側を向くようにする。図6に示すように、ピストン本体2における燃焼室11側(冠面400)の全部に、形成材料(混合材料)をスプレーガン90により塗布する。これにより形成材料の塗膜が(キャビティ401の表面を含む)冠面400に形成される。乾燥工程で、例えば赤外線の照射により、塗布された形成材料を乾燥させる。塗膜(混合材料)中の溶剤が気化(蒸発)する。これによって固体材料同士の間などに空隙31が複数形成される。
次に、作用効果を説明する。低熱伝導部3は燃焼室11に面し、燃焼室11の壁を構成する。表1は、アルミニウム合金(ピストン本体2の母材金属)と炭素(グラファイトやカーボンブラック)の一般的な特性の一例を示す。
低熱伝導部3中の炭素(グラファイトやカーボンブラック)は、低熱伝導性材料であり、ピストン本体2の素材(母材金属)であるアルミニウム合金よりも、熱伝導率が低い。よって、低熱伝導部3は、燃焼室11とピストン本体2との間にあって、断熱層として機能する。低熱伝導部3は、燃焼室11内のガスからピストンヘッド4(ピストン本体2)への熱伝達を低下させ、燃焼室11に供給された燃料(混合気)の熱がピストン本体2に奪われるのを抑制する。よって、エンジン100の熱効率の向上を図ることができる。炭素は、ピストン本体2の素材であるアルミニウム合金よりも、単位体積当たりの熱容量(比熱と密度の積)言い換えると容積比熱が小さい。一般に固体の温度伝導率は容積比熱に反比例する。よって、低熱伝導部3は、ピストン本体2に比べ、(熱伝導率が低くても)温度伝導率が小さくなりにくい性質を有する。燃焼室11内のガスに接触するピストンヘッド4の表面(低熱伝導部3)の温度伝導率が大きければ、この表面温度が、燃焼室11内のガスの温度に追従しやすい。このように両温度の差を小さくすることで、シリンダ10(燃焼室11)内における熱損失を低減できる。
低熱伝導部3は、内部に空隙31を有する。空隙31は、熱伝導率が極めて低く、容積比熱が極めて小さい。よって、低熱伝導部3の全体として(平均的に)、熱伝導率がより低くなるため、燃焼室11内のガスからピストンヘッド4(ピストン本体2)への熱伝達をより低下させることができる。また、低熱伝導部3の全体として、容積比熱がより小さくなるため、ピストン本体2よりも低熱伝導部3の温度伝導率を大きくすることができ、これによってピストンヘッド4の表面温度と燃焼室11内のガス温度との差をより小さくできる。なお、空隙31の大きさは任意である。空隙31の数は任意であり、例えば1つでもよい。本実施形態では空隙31は複数あるため、上記各効果を向上できる。
低熱伝導部3中の炭素はグラファイトを含む。グラファイトは、SP2混成軌道の炭素同士が結合した層状の結晶構造を有しており、潤滑性に優れる。すなわち、グラファイトは、異方性の、結晶面間の結合力が小さい層状構造を有しており、摩擦により容易にせん断されるため、一般に固体潤滑剤として用いられる。このことから明らかなように、仮に低熱伝導部3の一部がシリンダ10内に脱落した場合であっても、この一部中のグラファイトが潤滑剤として機能し、シリンダ10やピストン1(ピストン本体2)の摩耗の抑制を図ることができる。これは、高硬度の材料(例えばジルコニア等のセラミック)により低熱伝導部3を形成した場合と比べて有利な効果である。なお、低熱伝導部3中の炭素におけるグラファイトの割合は任意であり、例えば50体積%未満でもよい。本実施形態では炭素はグラファイトを50体積%以上含む。よって、上記効果を向上できる。また、炭素は、融点に代表される耐熱性が高く、耐久性にも優れる。よって、低熱伝導部3の耐久性を向上できる。
バインダーにより、炭素の粒子(塊)間の密着性、および炭素の粒子(塊)とピストン本体2との密着性を向上し、これらの粒子(塊)をピストン本体2に保持する力を向上することができる。低熱伝導部3の強度を向上し、その欠けや崩れを抑制することで、低熱伝導部3の機能をより長期にわたり維持できる。エンジニアリングプラスチックは耐熱性が高い。このため、低熱伝導部3の耐久性をより向上できる。なお、低熱伝導部3はバインダーを含まなくてもよい。仮に、低熱伝導部3に欠けや崩れが生じてシリンダ10内に脱落しても、上記のように、シリンダ10やピストン1(ピストン本体2)の摩耗は抑制される。
空隙31は、複数の炭素の塊(およびバインダー)の間にある。炭素の塊の平均粒径が20μm以上であるため、比較的大きな空隙31が形成される。よって、低熱伝導部3の全体として、熱伝導率がより低くなり、容積比熱がより小さくなるため、上記各効果を向上できる。炭素の塊の平均粒径が100μm以下であるため、固体材料同士の接触面積が過度に小さくなることが抑制される。よって、低熱伝導部3の強度を向上し、その欠けや崩れをより容易に抑制できる。塊の平均粒径が50μm以下であるため、上記効果を向上できる。
空隙31は、低熱伝導部3の形成材料に混在していた物質すなわち溶剤(溶媒)が気化することによって形成されたものである。乾燥工程で、溶剤が気化して塗膜から抜け出るとともに、堆積した炭素の塊(およびバインダー)同士の間に空隙31が形成される。乾燥工程は空隙形成工程として機能する。なお、乾燥工程を特に設けなくてもよい(塗膜を自然乾燥してもよい)。このように、気化する成分(物質)を形成材料に混在させることによって、空隙31を容易に形成することができる。
複数ある空隙31のうち一部(第1の空隙311)は、低熱伝導部3における燃焼室11側で閉塞される。第1の空隙311の内部には、空気または溶剤のガスが閉じ込められている。第1の空隙311の内部では対流が起きにくいため、低熱伝導部3の断熱性が向上する。また、燃焼室11から第1の空隙311へ未燃焼の燃料が侵入することは抑制される。これにより排ガス性能の悪化が抑制される。
低熱伝導部3の内部において、軸方向他方側(ピストン本体2側)では、炭素の塊同士が自重によって密に接近した、空隙31が比較的少ない層303が形成される。軸方向一方側(燃焼室11側)では、炭素の塊同士の間に空隙31が比較的多い、粗な層304が形成される。言い換えると、層30は、第1の層303と第2の層304を有する。燃焼室11側で空隙31が多いことにより、低熱伝導部3の断熱効果が高い。
なお、エンジン100の形式は任意である。例えば、エンジン100は2ストロークエンジンでもよいしディーゼルエンジンでもよい。燃料の供給方式は、シリンダ10(燃焼室11)内に直接噴射する筒内直噴式でもよいし、吸気ポートに噴射するポート噴射式でもよい。ピストン1の形状は任意である。例えば、キャビティ401の形状は上記に限らず任意である。冠面400にキャビティ401やバルブリセス402等の凹部を有しなくてもよい。
[第2実施形態]
まず、構成を説明する。以下、第1実施形態と共通する部材や構造については第1実施形態と同じ符号を付して、説明を省略する。図8に示すように、低熱伝導部3は、ピストン本体2側(内側)に第1の層301を有し、燃焼室11側(外側)に第2の層302を有する。一般に、層の違いは、性状、形状、機能等によって判別可能である。第1の層301の構造は第1実施形態の層30と同様である。第2の層302はシアノアクリレートを含む皮膜である。第1の層301には複数の空隙31(第1の空隙311)がある。これらの空隙31は、低熱伝導部3における燃焼室11側(軸方向一方側)において第2の層302で覆われる。第2の層302はこれらの空隙31の燃焼室11側への開口を閉塞(封孔)する。他の構成は第1実施形態と同じである。
以下、ピストン1の製造方法を説明する。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、塗布工程と、乾燥工程と、封孔処理工程とを含む。材料準備工程、塗布工程、および乾燥工程は、第1実施形態と同じである。封孔処理工程では、乾燥工程で形成された空隙31(第2の空隙312)の封孔処理を行う。シアノアクリレートを主成分として含む液体の接着剤(瞬間接着剤)を準備する。この接着剤を、例えばスプレーにより混合材料の塗膜上に噴霧する。その後、好ましくは過度な間をおかずに、ピストンヘッド4が鉛直方向下側となるようにピストン本体2を設置する。具体的には、冠面400が鉛直方向下側を向くようにする。接着剤は、空隙31(第2の空隙312)の開口を介して塗膜内に浸透するとともに、その過程で塗膜内の水分により硬化する。ピストンヘッド4が鉛直方向下側であるため、接着剤が重力により塗膜の軸方向一方側(燃焼室11側)にとどまり、その位置で硬化する。塗膜の軸方向他方側(ピストン本体2側)で空隙31を残しつつ、接着剤のシアノアクリレートが塗膜の燃焼室11側で重合して皮膜(封孔膜)を形成する。上記空隙31の燃焼室11側における開口が、上記封孔膜で閉塞される。なお、ピストンヘッド4が鉛直方向下側となるようにピストン本体2を設置した後、接着剤を塗膜上に噴霧してもよい。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
次に、作用効果を説明する。空隙31は、低熱伝導部3における燃焼室11側においてシアノアクリレートを含む膜(第2の層302)で覆われている。乾燥工程で形成された第2の空隙312の開口は、第2の層302によって閉塞(封孔)される。これにより第2の空隙312が第1の空隙311に変換される。第2の空隙312を減らし第1の空隙311を増加させることで、より効果的に、低熱伝導部3の断熱性を向上し、排ガス性能の悪化を抑制できる。シアノアクリレートを含むいわゆる瞬間接着剤により、空隙31を封孔する膜を容易に形成できる。特に、空隙31(第2の空隙312)が多い場合、これら多数の空隙31を短時間で容易に閉塞できる。
低熱伝導部3は2つの層301,302を有する。これにより、低熱伝導部3の厚みや特性(機能)の調整が容易となる。上記のように、第2の空隙312を減らし第1の空隙311を増加させることができる。空隙31が第1の層301の側にあることで、第2の層302よりも第1の層301の熱伝導率が低い。言い換えると、低熱伝導部3のピストン本体2側(第1の層301)よりも燃焼室11側(第2の層302)の熱伝導率が高い。このため、低熱伝導部3における燃焼室11側(第2の層302)の温度が、燃焼室11内のガスの温度に、より追従しやすい。また、低熱伝導部3における燃焼室11側(第2の層302)の温度分布が、より均一化しやすく、これにより燃料の異常燃焼(ノッキング)を抑制できる。なお、空隙31の有無とは関係なく、第1の層301よりも第2の層302の容積比熱を小さくしてもよく、この場合も上記作用効果が得られる。また、ピストン本体2に接する第1の層301のほうが第2の層302よりも、ピストン本体2との結合強度が高くなるように、各層の特性を調整してもよい。層の数は2つに限らず3つ等でもよい。他の作用効果は第1実施形態と同じである。
[第3実施形態]
図9に示すように、低熱伝導部3は薄膜状であり、層30を有する。層30の厚さは任意である。低熱伝導部3は、炭素とバインダーを含む。炭素は複数の塊(粒子)を含む。塊の平均粒径は任意である。バインダーは第1実施形態と同じである。バインダーの層内に炭素の塊が分散している。低熱伝導部3における複数の空隙31は、主に第1の空隙311である。各空隙31を構成するバインダーの壁に、炭素の塊が埋め込まれ、または塊が支持されている。他の構成は第1実施形態と同じである。
以下、ピストン1の製造方法を説明する。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、塗布工程と、材料加熱工程と、噴射工程と、乾燥工程とを含む。材料準備工程で、バインダーと溶剤とを含む混合材料32を用意する。溶剤は第1実施形態と同じである。混合材料32において、バインダーには溶剤が混在しており、バインダー(の粒子)は溶剤中に分散している。なお、混合材料に添加剤等を混ぜてもよいし、バインダーを省略してもよい。また、炭素の複数の塊33からなる炭素材(粉体)を用意する。塗布工程で、ピストン本体2の冠面400の全部に、混合材料32を例えばスプレーガンにより塗布する。材料加熱工程で、炭素材を加熱する。噴射工程で、加熱された炭素材(粉体)を、冠面400(塗布された混合材料32)に噴射する。図11に示すように、これらの工程ではヒートガン91を用いることができる。これにより材料加熱工程と噴射工程とが1つの工程にまとめられて簡素化される。ヒートガン91で炭素材を加熱しこれを熱風とともにピストンヘッド4(混合材料32)に吹き付ける。乾燥工程で、炭素材が吹き付けられた塗膜を乾燥する。なお、乾燥工程を特に設けなくてもよい(塗膜を自然乾燥してもよい)。ヒートガン91以外の道具や装置を用いて材料加熱工程と噴射工程を(別々に)実施してもよい。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
次に作用効果を説明する。図12に示すように、噴射工程で、加熱された炭素の複数の塊33が、(溶剤が混在した)バインダーの塗膜中に埋め込まれる。埋め込まれた炭素の各塊33の周りで、塗膜中の溶剤が、塊33の熱により気化し膨張する。これによって、塗膜内に複数の空隙31が形成される。噴射工程は、空隙形成工程として機能する。このように空隙31の形状が、溶剤の気化(膨張)により形成される。溶剤の気化・膨張により形成される空隙31は比較的大きい。よって、空隙率(低熱伝導部3に占める空隙31の体積の割合)を向上し、低熱伝導部3の断熱性を向上できる。また、塗膜(バインダーの層)が薄膜であっても、その内部に空隙31を形成しやすい。言い換えると、空隙31を有する低熱伝導部3の層30を薄くできる。なお、噴射工程で、重点的に塗膜の燃焼室11側に、炭素材が埋め込まれるようにしてもよい。この場合、低熱伝導部3における燃焼室11側に空隙31ができやすく、燃焼室11に面する側に、熱伝導率が低い層ができる。このため、断熱効果を向上できる。噴射工程で、重点的に塗膜のピストン本体2側に、炭素材が埋め込まれるようにしてもよい。この場合、空隙31が燃焼室11側に開口しにくいため、第2の空隙312の数を減らすことが容易である。他の作用効果は第1実施形態と同じである。
[第4実施形態]
低熱伝導部3その他の構成は第3実施形態と同じである。低熱伝導部形成工程は、封孔処理工程を含むほか、第3実施形態と同じである。封孔処理工程は、乾燥工程より前に行われても後に行われてもよい。封孔処理工程では、噴射工程で形成された複数の空隙31のうち、燃焼室11側に開口するもの(第2の空隙312)を封孔膜35により閉塞する。これにより第2の空隙312が第1の空隙311へ変換される。閉塞に用いる材料は材料準備工程で用意した混合材料であってもよいし、第2実施形態のような接着剤であってもよい。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。第2実施形態と同様、第2の空隙312を減らし第1の空隙311を増やすことができる。他の作用効果は第3実施形態と同じである。
[第5実施形態]
図14および図15に示すように、低熱伝導部3の層30内には炭素の塊とバインダーが混ざり合って分散している。空隙31は、層30内の軸方向他方側(ピストン本体2側)にある。空隙31は、軸方向一方側(燃焼室11側)で固体材料により閉塞され、軸方向他方側でピストン本体2や固体材料により閉塞されている。他の構成は第3実施形態と同じである。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、ピストン本体加熱工程と、塗布工程とを含む。材料準備工程で、炭素とバインダーと溶剤とを含む混合材料を用意する。溶剤は第1実施形態と同じである。混合材料において、炭素とバインダーには溶剤が混在しており、炭素の塊とバインダー(の粒子)は溶剤中に分散している。なお、混合材料に添加剤等を混ぜてもよいし、バインダーを省略してもよい。ピストン本体加熱工程で、ピストン本体2を加熱する。塗布工程は、第1実施形態と同様であり、加熱されたピストン本体2の冠面400の全部に、混合材料を例えばスプレーガンにより塗布する。なお、塗布工程後に乾燥工程を設けてもよい。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
次に作用効果を説明する。塗布工程で、予め加熱(予熱)されたピストン本体2のピストンヘッド4に混合材料を塗布すると、塗膜の裏面側(冠面400に面する側)で、混合材料中の溶剤が、ピストン本体2の熱により気化(沸騰)して膨張する。これにより、層30内に複数の空隙31が形成される。塗布工程は、空隙形成工程として機能する。なお、ピストン本体加熱工程は、ピストン本体2の燃焼室11側(ピストンヘッド4)のみを加熱する工程であってもよい。この場合、例えばピストンボス5側も加熱する場合に比べ、加熱に要する熱量(エネルギー)を抑制することができる。塗膜の表面側(燃焼室11に面する側)は、裏面側よりもピストン本体2の熱が伝わりにくく低温であるため、空隙31が形成されづらい。よって、空隙31が燃焼室11に開口することは抑制され、第1の空隙311が形成される。低熱伝導部3において、空隙31(第1の空隙311)がピストン本体2側に形成されることで、燃焼室11側の熱伝導率が高くなり、第2実施形態と同様の効果が得られる。空隙31の形状が溶剤の気化(膨張)により形成されることで、第3実施形態と同様の効果が得られる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。
[第6実施形態]
図16に示すように、第2実施形態と同様、低熱伝導部3は層301,302を有する。第1の層301は第5実施形態の層30と同じである。第2の層302はシアノアクリレートを含む膜である。第1の層301には空隙31がある。第2の層302は、空隙31の燃焼室11側への開口を閉塞(封孔)する。他の構成は第5実施形態と同じである。低熱伝導部形成工程は、封孔処理工程を含むほか、第5実施形態と同じである。封孔処理工程は、塗布工程後に行われ、空隙31の封孔処理を行う。第2実施形態と同様の接着剤を準備し、これを塗膜上に噴霧する。なお、封孔すべき空隙31の開口の数(ないし面積)が第2実施形態よりも少なければ、第2実施形態のようにピストンヘッド4を鉛直方向下側としなくてもよい。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
塗布工程で形成される空隙31が燃焼室11側に開口する場合でも、第2の層302によって閉塞(封孔)される。よって、第2実施形態と同様の作用効果が得られる。第2の層302の材料は、材料準備工程で用意した混合材料であってもよい。すなわち、塗布工程で空隙31を含んで形成された第1の層301にさらに混合材料を塗布することで、上記空隙31の燃焼室11側への開口を閉塞(封孔)してもよい。このとき、第2の層302の混合材料の溶剤として、第1の層301の混合材料の溶剤よりも気化しにくいものを用いれば、第1の層301と第2の層302とを余計なタイムラグなく(同じ工程で)塗布することが容易となる。他の作用効果は第5実施形態と同じである。
[第7実施形態]
図17に示すように、低熱伝導部3は、燃焼室11側を頂点としてピストン本体2側に向かって広がる山状の突起(凸部)34を複数有する。第1の空隙311は、各突起34の内部にある空間であり、軸方向一方側(燃焼室11側)で固体材料により閉塞され、軸方向他方側でピストン本体2や固体材料により閉塞されている。第2の空隙312は、隣接する突起34の間の空間(突起間の凹部)である。他の構成は第5実施形態と同じである。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、ピストン本体加熱工程と、塗布工程と、引きはがし工程とを含む。材料準備工程とピストン本体加熱工程は、第5実施形態と同じである。塗布工程で、加熱されたピストン本体2の冠面400の全部に、混合材料をスタンプにより塗布する。スタンプは例えば多孔質の部材(ゴムやスポンジ等)を備えており、この部材に混合剤が含浸される。このスタンプを、冠面400に押し付ける。引きはがし工程で、スタンプをピストンヘッド4から引きはがす。スタンプは、塗装用のローラである。ローラを用いることで、塗布工程と引きはがし工程を1つの作業で行うことができ、工程をまとめて簡素化できる。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
次に作用効果を説明する。塗布工程で、混合材料がスタンプによりピストンヘッド4に塗布される。引きはがし工程で、スタンプがピストンヘッド4(ピストン本体2)から引き剥がされる際、例えば多孔質の部材の表面における複数の凹凸(細孔)に対応して、複数の突起(凸部)34が混合材料により形成される。隣接する突起34の間に第2の空隙312が複数形成される。各突起34は、ピストン本体2からの熱により乾燥し固化する。その際、ピストン本体2の熱により、突起34内におけるピストン本体2側で混合材料中の溶剤の気化(膨張)が促進され、空洞が発生する。これにより突起34内に第1の空隙311が形成される。空隙31(第1の空隙311)が突起34の外側だけでなく内部にも形成されることで、低熱伝導部3において空隙31を効率的に設け(空隙率を増加し)、低熱伝導部3が全体として軸方向に厚くなることを抑制できる。なお、スタンプは、ローラでなくてもよい。第2実施形態と同様の封孔処理工程を適用してもよい。すなわち、第2の空隙312(突起34間の凹部)を封孔して第1の空隙311に変換する第2の層を設けてもよい。他の作用効果は第5実施形態と同じである。
[第8実施形態]
図18に示すように、第2実施形態と同様、低熱伝導部3は層301,302を有する。各層301,302内には炭素の塊とバインダーが混ざり合って分散している。各層301,302の厚さは任意である。第1の層301には複数の空隙31(第1の空隙311)がある。空隙31は、第1の層301内において燃焼室11側(第2の層302側)に偏って在る。第2の層302は燃焼室11側への空隙31の開口を閉塞する。他の構成は第5実施形態と同じである。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、塗布工程と、乾燥工程と、加熱工程とを含む。材料準備工程は、第5実施形態と同じである。塗布工程は、第5実施形態と同様であり、ピストン本体2の冠面400に、混合材料を例えばスプレーガンにより塗布する。乾燥工程では、塗布された形成材料(塗膜)の表面(燃焼室11に面する表層)を、例えば赤外線の照射により乾燥させる。加熱工程では、表面を乾燥させた塗膜の内部(深層)を加熱する。ピストン本体2を加熱することで、塗膜(形成材料)を裏面側(ピストン本体2側)から加熱する。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
次に、作用効果を説明する。乾燥工程で、塗膜の表面を乾燥させる。すなわち、形成材料の溶剤を表面から蒸発させる。これにより塗膜の表面が固化し、皮膜(第2の層302)が形成される。塗膜における第2の層302よりも内側(ピストン本体2側)は、形成材料中に溶剤が残った流動性の第1の層301となる。加熱工程で、塗膜の裏面を加熱する。この部分で溶媒が気化(沸騰)して膨張することで、第1の層301におけるピストン本体2側に空隙31が複数形成される。加熱工程は空隙形成工程として機能する。なお、加熱工程は、第5実施形態のピストン本体加熱工程と同様、ピストン本体2の燃焼室11側(ピストンヘッド4)のみを加熱する工程であってもよい。また、ピストン本体2を加熱するのでなく、(表面を乾燥させた)塗膜を赤外線等により直接加熱してもよい。(表面を乾燥させた)塗膜を裏面側からでなく表面側(燃焼室11側)から加熱してもよい。空隙31の形状が溶剤の気化(膨張)により形成されることで、第3実施形態と同様の効果が得られる。
ピストンヘッド4が鉛直方向上側となるようにピストン本体2が設置されているため、空隙31は第1の層301におけるピストン本体2側から燃焼室11側(第2の層302側)へ移動しようとする。しかし、空隙31は、固化した第2の層302に阻まれて止まり、低熱伝導部3の表面(第2の層302の表面)に開口しない。第2の層302は、いわば空隙31の開口を閉塞する封孔膜として機能する。このように、低熱伝導部3の表面に封孔膜を形成しやすく、封孔された空隙311(第1の空隙311)を容易に形成することができる。一方、複数の空隙31が第1の層301における燃焼室11側に集まることで、断熱効果が向上する。他の作用効果は第2実施形態と同様である。なお、第1の層301と第2の層302の形成材料は同じであり、空隙31の有無のみ異なる。よって、空隙31や封孔機能の有無を考慮しなければ、両層301,302をまとめて1つの層とみることもできる。
[第9実施形態]
図19に示すように、空隙31は、第1の層301内において燃焼室11側(第2の層302側)だけでなくピストン本体2側にもある。他の構成は第8実施形態と同じである。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、塗布工程と、材料加熱工程とを含む。材料準備工程と塗布工程は、第8実施形態と同じである。図20に示すように、材料加熱工程では、塗布された形成材料(塗膜36)を、例えば赤外線92を燃焼室11側からのみ照射することにより、加熱する。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
次に、作用効果を説明する。材料加熱工程で、塗膜36を表面(燃焼室11に面する表層)側から加熱する。これにより塗膜36の表面が乾燥し、固化した皮膜(第2の層302)が表面側に形成されるとともに、塗膜における第2の層302よりも内側(第1の層301)で、溶剤が熱により気化して膨張し、空隙31が複数形成される。材料加熱工程は空隙形成工程として機能する。第8実施形態と同様、空隙31が第1の層301における燃焼室11側へ移動しようとしても、固化した第2の層302に阻まれて止まり、表面に開口しない。このように、塗膜36の表面側が先に乾燥し、固化するため、塗膜36内に形成される空隙31が封孔されやすい。同一の材料加熱工程において、空隙31と、これを封孔する皮膜(第2の層302)とが形成されるため、第8実施形態の乾燥工程と加熱工程が1つの工程にまとめられて簡素化される。材料加熱工程で、塗膜36を、例えば最初は急速に(例えば塗膜36の近くから)加熱し、その後はゆっくり(塗膜36の遠くから)加熱することで、空隙31と、これを封孔する皮膜302とを効果的に形成するようにしてもよい。また、この材料加熱工程は中断を有しても(非連続的であっても)よい。材料加熱工程で、形成材料を燃焼室11側からのみ加熱するのでなく、例えばピストン本体2側からも加熱してもよい。燃焼室11側からのみ形成材料を加熱することで、他の側からも加熱する場合に比べ、加熱に要する熱量を抑制することができる。他の作用効果は第8実施形態と同じである。
[第10実施形態]
図21に示すように、第2実施形態と同様、低熱伝導部3は2つの層301,302を有する。第1の層301は、燃焼室11側を頂点としてピストン本体2側に向かって広がる山状の突起(凸部)37を複数有する。空隙31は、隣接する突起37の間の空間(突起37間の凹部)であり、軸方向一方側(燃焼室11側)で第2の層302により閉塞され、軸方向他方側でピストン本体2や固体材料により閉塞されている。他の構成は第5実施形態と同じである。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、第1塗布工程と、第1乾燥工程と、第2塗布工程と、第2乾燥工程とを含む。材料準備工程は第5実施形態と同じである。第1塗布工程で、ピストン本体2の冠面400の全部に網目状の部材(メッシュ)93を設置する。形成材料(混合材料)370をメッシュ93越しに塗布する。図22は、形成材料370をメッシュ93とともに燃焼室11側からみた模式図である。メッシュ93を通して形成材料370が冠面400に塗布される。図23は、メッシュ93を外した後の形成材料370(第1の塗膜)を燃焼室11側からみた模式図である。第1乾燥工程で、第1の塗膜を、例えば赤外線の照射により乾燥させる。第2塗布工程で、乾燥された第1の塗膜の上に更に形成材料(混合材料)370を塗布する。塗布には、メッシュ93を再度用いてもよいし、スタンプを用いてもよい。第2乾燥工程で、第2塗布工程で塗布された形成材料370(第2の塗膜)を、例えば赤外線の照射により乾燥させる。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
次に、作用効果を説明する。第1塗布工程で、メッシュ93を外すと、形成材料370がメッシュ状(複数の点状ないし粒状)に残る。すなわち、形成材料370が微細な凹凸状に塗布される。形成材料370からなる各凸部は、図24に示すように、塗布直後は形を保つが、ある程度時間がたつと自重によりひしゃげ、図25に示すように、燃焼室11側を頂点としてピストン本体2側に向かって広がる山状の突起37になる。これらの突起37により第1の層301が形成される。すなわち、空隙31は、第1塗布工程時に形成される凹凸に由来する。第1塗布工程は空隙形成工程として機能する。第1乾燥工程で、各突起37は乾燥により固化する。第2塗布工程で、ピストン1の軸心が延びる方向で各突起37の頂点と重なる位置で、形成材料370を重ね塗りする。この第2の塗膜により突起37間の凹部の開口が閉塞され、第1の空隙311が形成される。第2乾燥工程で固化する第2の塗膜(第2の層302)は、上記凹部(空隙31)の封孔膜として機能する。第2塗布工程は、封孔処理工程として機能する。なお、第1、第2乾燥工程を特に設けなくてもよい(塗膜を自然乾燥してもよい)。ピストン本体2を加熱し、ピストン本体2からの熱により塗膜を乾燥させてもよい。第2塗布工程で、混合材料の代わりに、第2実施形態と同様の接着剤を用いてもよい。第2塗布工程を設けなくてもよい(第2の層302を形成しなくてよい)。この場合、突起37間の凹部が空隙31(第2の空隙312)として機能する。本実施形態では第2塗布工程を設けた(第2の層302を形成した)ため、第2の空隙312を第1の空隙311に変換し、第2実施形態と同じ効果が得られる。メッシュ93の目の粗さを変更することにより空隙31の大きさを調整することができる。これにより、空隙率を調整することができる。他の作用効果は第1実施形態と同じである。
[第11実施形態]
構成は第10実施形態と実質的に同じである。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、前処理工程と、第1塗布工程と、第1乾燥工程と、第2塗布工程と、第2乾燥工程とを含む。材料準備工程で、撥水性塗料373と、第1混合材料371と、第2混合材料とを用意する。第1混合材料371は、固体材料(炭素およびバインダー)と水を含む。炭素は複数の塊(粒子)を含む。塊の平均粒径は任意である。バインダーは、炭素の粒子同士を接着させるための水溶性バインダーであり、カルボキシメチルセルロース(CMC)やポリビニルアルコール(PVA)等の化学糊である。水は化学糊の溶剤(溶媒)である。第1混合材料371において、炭素の塊およびバインダーの粒子が水中に分散している。なお、第1混合材料371に添加剤等を混ぜてもよい。第2混合材料は、第5実施形態の混合材料と同じである。前処理工程で、ピストン本体2の冠面400の全部に撥水性塗料373を塗布する。第1塗布工程で、塗布された撥水性塗料373の上に第1混合材料371を塗布する。塗布には、スプレーを用いてもよいし、メッシュやスタンプを用いてもよい。第1乾燥工程で、第1混合材料371の塗膜を、例えば赤外線の照射により乾燥させる。第2塗布工程で、乾燥した第1混合材料371の塗膜に、第10実施形態と同様に第2混合材料を重ね塗りする。第2乾燥工程で、塗布された第2混合材料を、第10実施形態と同様に乾燥させる。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
次に、作用効果を説明する。第1塗布工程では、撥水塗料373が塗布された領域で、第1混合材料371が濡れずに、はじかれる。これにより、図26に示すように、冠面400上に第1混合材料371が複数の点状ないし粒状に残る。すなわち、第1混合材料371が微細な凹凸状に塗布される。第1混合材料371の複数の凸部により第1の層301が形成される。第1乾燥工程で、各凸部(第1混合材料371)は、乾燥により固化する。第1塗布工程が空隙形成工程として機能し、第2塗布工程が封孔処理工程として機能すること、乾燥工程や第2塗布工程を省略してよいこと、および第2混合材料の代わりに接着剤を用いてもよいことは、第10実施形態と同様である。第1混合材料371の配合を変更することで、第1塗布工程で形成される凸部の大きさ(すなわち空隙31の大きさ)を調整することができる。これにより、低熱伝導部3の空隙率を調整することができる。第1混合材料371のバインダーとして化学糊を用いることで、第1混合材料371の塗布が容易である。また、燃焼室11等からの熱によりバインダーは容易に燃焼する。バインダーが焼失することで空隙31をより効率的に形成可能である。他の作用効果は第1,第2実施形態と同じである。
[第12実施形態]
図27に示すように、複数の空隙31(第1の空隙311)は、固体材料からなる薄い膜状の壁38を挟んで互いに隣接する。他の構成は第5実施形態と同じである。低熱伝導部形成工程は、材料準備工程と、発泡工程と、塗布工程と、乾燥工程とを含む。材料準備工程は第5実施形態と同じである。発泡工程で、バブリングや撹拌により、または発泡剤を用いて、形成材料(混合材料)370を泡立てる。図28に示すように、塗布工程で、発泡状態となった形成材料370を、ピストン本体2の冠面400に塗布する。乾燥工程で、例えば赤外線の照射により、塗布された形成材料370(塗膜)を乾燥させる。ピストン1の他の製造工程は第1実施形態と同じである。
次に、作用効果を説明する。低熱伝導部3の空隙31は、形成材料370の発泡により形成されたものである。発泡工程および塗布工程は空隙形成工程として機能する。乾燥工程により塗膜が乾燥・固化すると、固体材料が泡状にそのまま残り、空隙31を区画する膜状の壁38を形成する。なお、乾燥工程を特に設けなくてもよい(塗膜を自然乾燥してもよい)。また、発泡工程と塗布工程を1つの工程としてまとめてもよい。すなわち、形成材料(混合材料)370を泡立てつつ塗布してもよいし、塗布しつつ泡立ててもよい。形成材料370の発泡により空隙31を形成することで、空隙率が比較的高い低熱伝導部3を形成することができる。また、発泡度合を調整することにより、低熱伝導部3の空隙率を調整することができる。他の作用効果は第1,第2実施形態と同じである。
[第13実施形態]
低熱伝導部3の固体材料において、炭素に代えて、下記(1)〜(5)のいずれかを用いる。
(1) 窒化ホウ素
(2) 二硫化モリブデン
(3) 炭素と窒化ホウ素
(4) 窒化ホウ素と二硫化モリブデン
(5) 炭素と窒化ホウ素と二硫化モリブデン
以上において、窒化ホウ素は常圧相のh-BNである。バインダーは、(1)〜(5)の粒子同士を接着させる。他の構成およびピストン1の製造工程は第1-12実施形態のいずれかと同じである。
表2は、母材金属と二硫化モリブデンおよび窒化ホウ素の一般的な特性の一例を示す。
炭素と同じく、窒化ホウ素と二硫化モリブデンは、ピストン本体2の素材であるアルミニウム合金よりも、熱伝導率が低い。炭素(グラファイト)と同じく、窒化ホウ素(h-BN)および二硫化モリブデンは、結晶面間の結合力が小さい層状構造を有しており、一般に固体潤滑剤として用いられる。また、窒化ホウ素および二硫化モリブデンは、耐熱性が高く、耐久性にも優れる。よって、第1-12実施形態と同様の作用効果が得られる。
[第14実施形態]
ピストン本体2における(キャビティ401の表面を含む)冠面400の全部は、ピストン本体2を鋳造する際の鋳肌面である。他の構成およびピストン1の製造工程は第1-13実施形態のいずれかと同じである。よって、ピストンヘッド4における低熱伝導部3が形成される部位は、鋳肌面となる。鋳肌面には微細な凹凸が有るため、この凹凸が固体材料を保持する機能(アンカー効果)を発揮し、ピストン本体2からの低熱伝導部3の脱落を抑制することができる。また、ピストン本体2の鋳造の際にできる鋳肌面をそのまま活用するため、特別な表面処理を必要としない。なお、冠面400において、一部のみが鋳肌面であり、他の部位が鋳肌面でなくてもよい。例えば、キャビティ401のみが鋳肌面であり、他の部位が機械加工されてもよい。その他、第1-13実施形態と同様の作用効果が得られる。
[第15実施形態]
ピストン本体2において、(キャビティ401の表面を含む)冠面400の全部は、低熱伝導部3との結合力を向上させる表面処理が施されている。ピストン本体形成工程は、表面処理工程を含む。表面処理工程は、例えば機械加工工程後に行われる。他の構成およびピストン1の製造工程は第1-13実施形態のいずれかと同じである。図29に示すように、ショット(投射材)94を吹き付けることで冠面400の表面を粗くして微細な凹凸を設ける。この凹凸が、表面への固体材料の密着度(アンカー効果)を高める。よって、低熱伝導部3の脱落を抑制することができる。ここで、投射材94が表面に固着することも考えられる。投射材94として二硫化モリブデンを用いれば(二硫化モリブデンショット)、仮に、上記固着した投射材94がシリンダ10内に脱落した場合であっても、これが潤滑剤として機能し、シリンダ10やピストン1の摩耗を抑制することができる。なお、ショットブラスト以外の方法(例えばフォトエッチング法)により、微細な凹凸を設ける表面処理を行ってもよい。冠面400において、一部のみに表面処理が施され、他の部位に表面処理が施されなくてもよい。例えば、キャビティ401のみに表面処理が施され、他の部位に表面処理が施されなくてもよい。その他、第1-13実施形態と同様の作用効果が得られる。
[第16実施形態]
低熱伝導部形成工程で用いる混合材料において、溶剤は水である。他の構成およびピストン1の製造工程は第1-10,12-15実施形態のいずれかと同じである。第1-10,12-15実施形態と同様の作用効果が得られる。
[第17実施形態]
低熱伝導部形成工程で用いる混合材料において、バインダーは化学糊(CMCやPVA)である。他の構成およびピストン1の製造工程は第1-10,12-16実施形態のいずれかと同じである。第1-10,12-16実施形態と同様の作用効果が得られる。また、バインダーとして化学糊を用いることで、第11実施形態と同様の作用効果が得られる。
[第18実施形態]
低熱伝導部3は、ピストン本体2の冠面400において部分的に形成される。他の構成およびピストン1の製造工程は第1-17実施形態のいずれかと同じである。低熱伝導部3が形成される部位について、第1-17実施形態と同様の作用効果が得られる。この場合、筒内直噴式のエンジン100では、低熱伝導部3は、冠面400において、少なくとも燃料の噴射領域に対応した箇所(燃料が衝突・爆発し、温度や圧力が最も高くなる部位およびその周辺)に形成されることが好ましい。この箇所に低熱伝導部3を形成することで、燃焼室11内のガスからピストンヘッド4(ピストン本体2)への熱伝達をより効果的に低下させることができる。また、低熱伝導層3によりピストン本体2への熱吸収が抑制されることから、冠面400において燃料が付着する箇所が速やかに高温になるとともに、高温状態を維持する。よって、付着した燃料が速やかに気化・燃焼するため、排ガス特性の悪化を抑制できる。
また、低熱伝導部3は、冠面400においてキャビティ401その他の凹部の表面のみに形成されるようにしてもよい。このように低熱伝導部3を形成することで、低熱伝導部3が凹部に収容されるため、冠面400が低熱伝導部3により燃焼室11側へ盛り上がってしまうことを抑制できる。図30は、低熱伝導部3が凹部の一部(バルブリセス402)の表面のみに形成された例を示す。図31および図32は、ピストン本体2の形状が第1-17実施形態と異なるピストン1の例を示す。低熱伝導部3が凹部の一部(バルブリセス403)の表面のみに形成されている。凹部401〜403の表面において低熱伝導部3が形成される部位は、第14実施形態のように鋳肌面であってもよいし、第15実施形態のように表面処理が施されてもよい。
[他の実施形態]
以上、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明したが、本発明の具体的な構成は、実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
[実施形態から把握しうる技術的思想]
以上説明した実施形態から把握しうる技術的思想(または技術的解決策。以下同じ。)について、以下に記載する。
(1) 本技術的思想の内燃機関のピストンは、その1つの態様において、
アルミニウム合金を含み、内燃機関の燃焼室に臨むピストンヘッドと、前記ピストンヘッドに対し前記燃焼室の反対側に配置されるピストンボスおよびピストンスカートとを有する本体と、
前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側にあり、炭素、窒化ホウ素、および二硫化モリブデンのうち少なくとも1つを含む材料からなり、内部に空隙を有する低熱伝導部とを有する。
(2) より好ましい態様では、前記態様において、
前記材料は炭素を含み、前記炭素はSP2構造の成分を50体積%以上含む。
(3) 別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記空隙は、前記材料に混在していた溶剤が気化することによって形成されたものである。
(4) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーを含む。
(5) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記バインダーはエンジニアリングプラスチックである。
(6) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記空隙は、前記低熱伝導部における前記燃焼室側で閉塞されている。
(7) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記空隙は、前記低熱伝導部における前記燃焼室側で、シアノアクリレートを含む膜により覆われている。
(8) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記空隙は、前記材料に混在していた物質が気化することによって形成されたものである。
(9) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記低熱伝導部は複数の層を有する。
(10) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記本体は、前記燃焼室側に、前記低熱伝導部を収容する凹部を備え、
前記凹部の表面に、前記低熱伝導部との結合力を向上させる表面処理が施されている。
(11) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記本体は、前記燃焼室側に、前記低熱伝導部を収容する凹部を備え、
前記凹部の表面は、前記本体を鋳造する際の鋳肌面である。
(12) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料は、平均粒径が20μm以上である複数の炭素の塊を含み、
前記空隙は、前記複数の炭素の塊の間にある。
(13) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記空隙は、前記材料が発泡することによって形成されたものである。
(14) 本技術的思想の内燃機関のピストンの製造方法は、その1つの態様において、
内燃機関の燃焼室に臨むピストンヘッドと、前記ピストンヘッドに対し前記燃焼室の反対側に配置されるピストンボスおよびピストンスカートとを有する本体を、アルミニウム合金で形成する工程と、
前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に、内部に空隙を有する低熱伝導部を、炭素、窒化ホウ素、および二硫化モリブデンのうち少なくとも1つを含む材料で形成する工程とを含む。
(15) より好ましい態様では、前記態様において、
前記材料は気化する成分を含み、
前記低熱伝導部を形成する工程は、前記成分が気化することによって前記空隙を形成する工程を含む。
(16) 別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記成分は溶剤であって、
前記空隙を形成する工程では、前記溶剤が気化して膨張することによって前記空隙を形成する。
(17) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーと、前記気化する成分としての溶剤とを含み、
前記低熱伝導部を形成する工程は、
前記溶剤が混在した前記バインダーを前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に塗布する工程と、
前記炭素、前記窒化ホウ素、および前記二硫化モリブデンのうち少なくとも1つを含む粉体を加熱する工程と、
前記加熱された粉体を前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に噴射する工程とを含む。
(18) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーと、前記気化する成分としての溶剤とを含み、
前記低熱伝導部を形成する工程は、
前記本体を加熱する工程と、
前記加熱された本体の前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に前記材料を塗布する工程とを含む。
(19) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーと、前記気化する成分としての溶剤とを含み、
前記低熱伝導部を形成する工程は、
前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に前記材料を塗布する工程と、
前記塗布された材料の表面を乾燥させる工程と、
前記表面を乾燥させた材料を加熱する工程とを含む。
(20) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料は気化する成分を含み、
前記低熱伝導部を形成する工程は、
前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に前記材料を塗布する工程と、
前記塗布された材料を前記燃焼室側から加熱する工程とを含む。
(21) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料を加熱する工程では、前記燃焼室側からのみ前記材料を加熱する。
(22) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーを含み、
前記低熱伝導部を形成する工程は、
網目状の部材を通して前記材料を前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に塗布する工程と、
前記塗布された材料の上に更に前記材料を塗布する工程とを含む。
(23) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料は、前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させる水溶性バインダーと、水とを含み、
前記低熱伝導部を形成する工程は、
前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側の表面に撥水性塗料を塗布する工程と、
前記塗布された撥水性塗料の上に前記材料を塗布する工程とを含む。
(24) さらに別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーと、溶剤とを含み、
前記低熱伝導部を形成する工程は、
前記材料を含むスタンプを前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に押し付ける工程と、
前記スタンプを前記ピストンヘッドから引きはがす工程とを含む。
100 エンジン(内燃機関)
11 燃焼室
1 ピストン
2 ピストン本体
3 低熱伝導部
31 空隙
4 ピストンヘッド
5 ピストンボス
6 ピストンスカート

Claims (19)

  1. 内燃機関のピストンであって、
    アルミニウム合金を含み、内燃機関の燃焼室に臨むピストンヘッドと、前記ピストンヘッドに対し前記燃焼室の反対側に配置されるピストンボスおよびピストンスカートとを有する本体と、
    前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側にあり、炭素、窒化ホウ素、および二硫化モリブデンのうち少なくとも1つを含む材料からなり、内部に空隙を有する低熱伝導部とを有する、
    内燃機関のピストン。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記材料は炭素を含み、前記炭素はSP2構造の成分を50体積%以上含む、
    内燃機関のピストン。
  3. 請求項2に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記空隙は、前記材料に混在していた溶剤が気化することによって形成されたものである、
    内燃機関のピストン。
  4. 請求項3に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーを含む、
    内燃機関のピストン。
  5. 請求項4に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記バインダーはエンジニアリングプラスチックである、
    内燃機関のピストン。
  6. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記空隙は、前記低熱伝導部における前記燃焼室側で閉塞されている、
    内燃機関のピストン。
  7. 請求項6に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記空隙は、前記低熱伝導部における前記燃焼室側で、シアノアクリレートを含む膜により覆われている、
    内燃機関のピストン。
  8. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記空隙は、前記材料に混在していた物質が気化することによって形成されたものである、
    内燃機関のピストン。
  9. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記低熱伝導部は複数の層を有する、
    内燃機関のピストン。
  10. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記本体は、前記燃焼室側に、前記低熱伝導部を収容する凹部を備え、
    前記凹部の表面に、前記低熱伝導部との結合力を向上させる表面処理が施されている、
    内燃機関のピストン。
  11. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記本体は、前記燃焼室側に、前記低熱伝導部を収容する凹部を備え、
    前記凹部の表面は、前記本体を鋳造する際の鋳肌面である、
    内燃機関のピストン。
  12. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記材料は、平均粒径が20μm以上である複数の炭素の塊を含み、
    前記空隙は、前記複数の炭素の塊の間にある、
    内燃機関のピストン。
  13. 請求項1に記載の内燃機関のピストンにおいて、
    前記空隙は、前記材料が発泡することによって形成されたものである、
    内燃機関のピストン。
  14. 内燃機関のピストンの製造方法であって、
    内燃機関の燃焼室に臨むピストンヘッドと、前記ピストンヘッドに対し前記燃焼室の反対側に配置されるピストンボスおよびピストンスカートとを有する本体を、アルミニウム合金で形成する工程と、
    前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に、内部に空隙を有する低熱伝導部を、炭素、窒化ホウ素、および二硫化モリブデンのうち少なくとも1つを含む材料で形成する工程とを含む、
    内燃機関のピストンの製造方法。
  15. 請求項14に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
    前記材料は、気化する成分を含み、
    前記低熱伝導部を形成する工程は、前記成分が気化することによって前記空隙を形成する工程を含む、
    内燃機関のピストンの製造方法。
  16. 請求項15に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
    前記成分は溶剤であって、
    前記空隙を形成する工程では、前記溶剤が気化して膨張することによって前記空隙を形成する、
    内燃機関のピストンの製造方法。
  17. 請求項15に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
    前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーと、前記気化する成分としての溶剤とを含み、
    前記低熱伝導部を形成する工程は、
    前記溶剤が混在した前記バインダーを前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に塗布する工程と、
    前記炭素、前記窒化ホウ素、および前記二硫化モリブデンのうち少なくとも1つを含む粉体を加熱する工程と、
    前記加熱された粉体を前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に噴射する工程とを含む、
    内燃機関のピストンの製造方法。
  18. 請求項15に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
    前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーと、前記気化する成分としての溶剤とを含み、
    前記低熱伝導部を形成する工程は、
    前記本体を加熱する工程と、
    前記加熱された本体の前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に前記材料を塗布する工程とを含む、
    内燃機関のピストンの製造方法。
  19. 請求項15に記載の内燃機関のピストンの製造方法において、
    前記材料は、合成樹脂であって前記炭素、前記窒化ホウ素、または前記二硫化モリブデンの粒子同士を接着させるバインダーと、前記気化する成分としての溶剤とを含み、
    前記低熱伝導部を形成する工程は、
    前記ピストンヘッドにおける前記燃焼室側に前記材料を塗布する工程と、
    前記塗布された材料の表面を乾燥させる工程と、
    前記表面を乾燥させた材料を加熱する工程とを含む、
    内燃機関のピストンの製造方法。
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