JP6284758B2 - 高分子アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、柔軟性および伸張率に優れ、弾性率などの特性の温度依存性が小さく、低電界であっても駆動が可能であり、かつ高い絶縁破壊強度を有する高分子アクチュエータに関する。
高分子材料で形成された高分子アクチュエータは、セラミックや金属などの材料で形成されたアクチュエータと比較すると、軽量であり、柔軟性に富むという特徴がある。これらの特徴により、高分子アクチュエータは、センサ、光学スイッチ、ダイヤフラム、点字ディスプレイ、波力発電や踵発電などの発電用途、産業用や介護用のロボット、医療機器などの用途に用いられる、人間が直接、肌で触れても安全に動作することができるアクチュエータとして注目されている。これまでに高分子アクチュエータとして提案されてきたものには、イオン交換膜、導電性高分子、誘電性エラストマー、高分子ゲル、ハイドロゲル、カーボンナノチューブを用いたものなど様々なものがあった。
しかしながら、イオン交換膜、導電性高分子、ハイドロゲルからなるアクチュエータは水やイオンなどの移動により駆動するものであり、空気中での駆動が困難であった。そこで、そのような溶媒の必要のない誘電性エラストマーを用いた高分子アクチュエータが提案されている。しかしながら、誘電エラストマーを用いた高分子アクチュエータは、変形のための駆動電圧が数千V程度と高いため、実用化には更なる駆動電圧の低下が求められていた。
このため、空気中で駆動可能となる新たな高分子材料として、ポリウレタンエラストマーなどのエラストマーに、材料としてのポリオールとして誘電性のものや比較的強い双極子モーメントを有する置換基を有するものを使用したり、高誘電性溶媒を添加したりすることによって得られる高分子アクチュエータが提案された(特許文献1〜3)。
特許文献1には、誘電性のポリオール又は比較的強い双極子モーメントを有する置換基を持つポリオールを有するポリウレタン・エラストマーであって、前記ポリウレタン・エラストマーに直流電場を印加することによって、前記ポリオールが電場方向に配向することを特徴とするポリウレタンエラストマー・アクチュエータが記載されている。しかしながら、使用材料の分子量などの最適化により柔軟性は向上し、低電界駆動は達成できるものの、特性の温度依存性については記載されておらず、またポリオールの誘電率が高いために絶縁破壊強度が低いという問題があった。
特許文献2には、誘電性のポリウレタン・エラストマーまたは比較的強い双極子モーメントを有する置換基を持つポリウレタン・エラストマーに、誘電性の溶媒を含ませたポリウレタンゲル状物であって、直流電場を印加することによって誘電性の分子あるいは置換基が電場方向に配向し、ゲルの構造が異方的に変化することを特徴とする高速応答ポリウレタンゲル・アクチュエータが記載されている。しかしながら、高誘電性溶媒の使用によって、柔軟性は向上し、低電界駆動は達成できるものの、上記溶媒のような低分子成分の影響により、絶縁破壊強度が低いという問題があった。
特許文献3には、分子中にヘテロ原子を有するエラストマーと、分子中にヘテロ原子を有し該エラストマーと相溶な高誘電率液状化合物と、を含むエラストマー組成物を架橋してなる、アクチュエータ、センサ等のトランスデューサに好適な誘電膜が記載されている。しかしながら、高誘電性溶媒の使用によって、柔軟性は向上し、低電界駆動は達成できるものの、上記溶媒のような低分子成分の影響により、絶縁破壊強度が低いという問題があった。
従って、弾性率などの特性の温度依存性が小さく、低電界であっても駆動が可能であり、かつ高い絶縁破壊強度を有する、誘電性エラストマーを用いた高分子アクチュエータが求められている。
特開平6‐85339号公報 特開平6‐85338号公報 特開2010‐219380号公報
本発明は、上記のような従来の高分子アクチュエータの有する問題点を解決し、柔軟性および伸張率に優れ、弾性率などの特性の温度依存性が小さく、低電界であっても駆動が可能であり、かつ高い絶縁破壊強度を有する高分子アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、2つの電極の間に高分子誘電体を挟んで成る高分子アクチュエータにおいて、上記高分子誘電体の動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率E’(20℃) ;動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度−20℃で測定した貯蔵弾性率E’(−20℃)のE’(20℃)に対する比[E’(−20℃)/E’(20℃)];および動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度40℃で測定した貯蔵弾性率E’(40℃)のE’(20℃)に対する比[E’(40℃)/E’(20℃)];を特定範囲内に規定することによって、柔軟性および伸張率に優れ、弾性率などの特性の温度依存性が小さく、低電界であっても駆動が可能であり、かつ高い絶縁破壊強度を有する高分子アクチュエータを提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、2つの電極の間に高分子誘電体を挟んで成る高分子アクチュエータであって、
該高分子誘電体の動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率E’(20℃)が0.5MPa以下であり、
動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度−20℃で測定した貯蔵弾性率E’(−20℃)のE’(20℃)に対する比[E’(−20℃)/E’(20℃)]が5.0以下であり、
動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度40℃で測定した貯蔵弾性率E’(40℃)のE’(20℃)に対する比[E’(40℃)/E’(20℃)]が0.5以上である、ことを特徴とする高分子アクチュエータに関する。
更に、本発明を好適に実施するためには、
上記高分子誘電体が、ポリイソシアネート成分、活性水素成分および触媒を含有するポリウレタンエラストマー組成物から形成されるポリウレタンエラストマー成形品から構成され、数平均分子量(Mn)500〜7,000を有する反応性シリコーンを、ポリウレタンエラストマー組成物の質量の10〜70質量%含有し;
上記反応性シリコーンが、側鎖型反応性シリコーンである;
ことが望ましい。
本発明によれば、2つの電極の間に高分子誘電体を挟んで成る高分子アクチュエータにおいて、上記高分子誘電体の動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率「E’(20℃)」 ;温度−20℃での貯蔵弾性率「E’(−20℃)」の「E’(20℃)」に対する比[E’(−20℃)/E’(20℃)];および温度40℃での貯蔵弾性率「E’(40℃)」の「E’(20℃)」に対する比[E’(40℃)/E’(20℃)];を特定範囲内に規定することによって、柔軟性および伸張率に優れ、弾性率などの特性の温度依存性が小さく、低電界であっても駆動が可能であり、かつ高い絶縁破壊強度を有する高分子アクチュエータを提供することを可能としたものである。
高分子アクチュエータに電圧印加する前後の高分子アクチュエータの状態を説明する断面模式図である。
高分子アクチュエータの動作原理を、図1を参照して、以下に説明する。図1の左側に示すのが電圧を印加する前の高分子アクチュエータ1であり、フィルム状に成形されたポリウレタンエラストマー成形品3の両面に電極2が形成されている。図1の右側に示すように、上記電極2に電圧を印加すると、それぞれの電極2における正と負の電荷が引き合い、ポリウレタンエラストマー成形品3が圧縮され厚さが減少し、ポリウレタンエラストマー成形品3が面方向に伸張する。
この際に発生する力Pとして、厚さ方向の発生力Pzと面方向の発生力Pxy、伸張率Sとして、厚さ方向の伸張率Szと面方向の伸張率Sxyは以下の通りである。

Figure 0006284758

ε:真空の誘電率
ε:ポリウレタンエラストマー成形品の比誘電率
E:電界強度
E=V/d(V:電圧、d:厚さ)
ν:ポアソン比
ν=Sxy/S=Pxy/P
Y:ポリウレタンエラストマー成形品の弾性率
従って、上記式から、高い伸張率Sを達成するためには、高い電界強度E(=V/d)、ポリウレタンエラストマー成形品の高い比誘電率および低い弾性率などが必要であることがわかる。本発明の課題である低電界駆動を達成するためには、駆動電圧Vを低減することが必要となる。
本発明の高分子アクチュエータにおいて、上記高分子誘電体は、前述のように、
(1)動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率E’(20℃)が0.5MPa以下であることを要件とするが、好ましくは0.01〜0.45MPa、より好ましくは0.03〜0.40MPaであり、
(2)動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度−20℃で測定した貯蔵弾性率E’(−20℃)のE’(20℃)に対する比[E’(−20℃)/E’(20℃)]が5.0以下であることを要件とするが、好ましくは4.5以下であり、
(3)動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度40℃で測定した貯蔵弾性率E’(40℃)のE’(20℃)に対する比[E’(40℃)/E’(20℃)]が0.5以上であることを要件とするが、好ましくは0.55以上であることが望ましい。
上記E’(20℃)が0.5MPaを超えると、弾性率が高く、低電界での駆動が困難になる。上記比[E’(−20℃)/E’(20℃)]が5.0を超えると、高分子アクチュエータの特性変化が大き過ぎ、例えばこれを人工筋肉として使用することを考えたときには好ましくない。上記比[E’(40℃)/E’(20℃)]が0.5未満では、高分子アクチュエータの特性変化が大き過ぎ、例えばこれを人工筋肉として使用することを考えたときには好ましくない。
上記各温度での貯蔵弾性率(E’)は、直径10mm、厚み1mmの測定用試料片にて、周波数1Hz、せん断モード、昇温速度2.5℃/分の測定条件で、動的粘弾性測定装置(メトラー・トレド社製、DMA861e)を用いて、測定温度範囲:−100〜50℃での貯蔵弾性率(E’)を測定し、−20℃、20℃、40℃における貯蔵弾性率E’(−20℃)、E’(20℃)、E’(40℃)の値から上記比を計算により決定した。
本発明の高分子アクチュエータにおいては、上記E’(20℃)が0.5MPa以下であることによって、前述の式の低い弾性率を確保し、高い伸張率Sを達成することができる。更に、高分子アクチュエータの使用温度領域−20〜40℃において上記弾性率の温度依存性が小さくなるように、上記比[E’(−20℃)/E’(20℃)]が5.0以下、上記比[E’(40℃)/E’(20℃)]が0.5以上と規定したものである。
本発明の高分子アクチュエータの上記高分子誘電体は、前述のように、ポリイソシアネート成分、活性水素成分および触媒を含有するポリウレタンエラストマー組成物(混合液)を反応、硬化させて得られるポリウレタンエラストマー成形品から構成されることが好ましく、顔料、難燃剤、着色防止剤などの添加剤も使用することができる。
更に、本発明の高分子アクチュエータに用いられるポリウレタンエラストマー組成物の上記活性水素成分として、反応性シリコーンを用いることが好ましい。反応性シリコーンとは、反応基Xとしてアミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、シラノール基のようなイソシアネート基と反応し得る官能基を有するものである。上記反応性シリコーンには、以下の式:
Figure 0006284758
で表されるポリジメチルシロキサン構造を主鎖にもつ主鎖型反応性シリコーンや、以下の式:
Figure 0006284758
で表されるポリジメチルシロキサン構造を側鎖にもつ側鎖型反応性シリコーンなどが挙げられる。
上記反応性シリコーンは、数平均分子量(Mn)500〜7,000、好ましくは700〜6,000、より好ましくは900〜5,500を有することが望ましい。上記反応性シリコーンの数平均分子量(Mn)が、500未満ではハードセグメント濃度が高くなるためエラストマーの弾性率が高くなり、7,000を超えると反応性が低下し、エラストマーの作製が困難、もしくはエラストマーの粘着性が高くなりハンドリング性が悪いものとなる。
上記反応性シリコーンは、ポリウレタンエラストマー組成物の質量の10〜70質量%、好ましくは12〜65質量%、より好ましくは15〜40質量%含有することが望ましい。上記反応性シリコーンの配合量が、10質量%未満では温度依存性が悪化するとともに絶縁破壊強度の向上が見られず、70質量%を超えると低電界での駆動が困難になる。また、上記反応性シリコーンとしては、ポリジメチルシロキサン鎖の分子運動性が高い側鎖型反応性シリコーンが好ましい。
本発明のポリウレタンエラストマー成形品に、−110℃〜−120℃と非常に低いガラス転移温度を有するポリジメチルシロキサン構造を含有する反応性シリコーンを使用することによって、上記成形品のガラス転移温度が低下し、想定される高分子アクチュエータの使用温度領域−20〜40℃において、上記弾性率の変化が平坦なゴム状領域となるため、上記弾性率の温度依存性が小さくなるものと考えられる。
本発明の高分子アクチュエータにおいて、上記ポリウレタンエラストマー組成物の活性水素成分として用いることができる上記反応性シリコーンの市販品として、JNC株式会社から市販されている「サイラプレーンFM−DA11」、「サイラプレーンFM−DA21」、「サイラプレーンFM−4411」、「サイラプレーンFM−4421」、信越化学工業株式会社から市販されている「KF−6001」、「KF−6002」、「X−22−176DX」、「X−22−4272」、「X−22−161A」、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されている「BY16−871」、「BY16−201」などが挙げられる。
本発明の上記ポリウレタンエラストマー組成物に用いられるイソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。また、前記イソシアネートは、ウレタン変性、アロファネート変性、ビウレット変性、およびイソシアヌレート変性等の変性化したものであってもよい。前記イソシアネートは、ポリオールとのプレポリマーでもよい。
上記ポリイソシアネート成分の市販品として、三井化学株式会社製の「コスモネート T−80」、「コスモネート T−100」、BASF IONIC ポリウレタン株式会社製の「ルプラネート T−80」などが挙げられる。
本発明に用いることができる上記反応性シリコーン以外の活性水素成分として、特に限定されないが、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール等の高分子ポリオールを好適に用いることができる。また、ポリオールは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。本発明に用いることができる活性水素成分としては、弾性率の低減を達成しやすいなどの観点から、ポリエーテル系ポリオールが好ましい。また、そのようなポリエーテル系ポリオールを例に取ると、3官能性ポリオールは、基本的に、塩基性触媒の存在下、開始剤として3価の多価アルコールであるグリセリン、トリメチロールプロパン等に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合させて製造される。
上記ポリエーテル系ポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの共重合体および、ポリアクリロニトリル系粒子および、ポリスチレン粒子を含有するポリオール(POP)等が挙げられる。
上記ポリエステル系ポリオールとしては、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(プロピレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチレンアジペート)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸からなるポリオール、および、その共重合体または、ε−カプロラクトンを開環重合したカプロラクトンポリオール、カルボン酸成分とグリコール成分からなる共重合体が挙げられる。
上記ポリカーボネート系ポリオールとしては、ポリ(ヘキサンジオールカーボネート)、ポリ(ノナンジオールカーボネート)等が挙げられる。
上記ポリブタジエン系ポリオールとしては、ブタジエンホモポリマー、イソプレンホモポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、ブタジエン−イソプレンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン−2−エチルヘキシルアクリレートコポリマー、ブタジエン−n−オクタデシルアクリレートコポリマー等のブタンジエン系ポリマーの末端をヒドロキシル基に変性したものが挙げられる。
上記ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油および変性ヒマシ油(トリメチロールプロパン等の多価アルコールで変性されたヒマシ油等)が挙げられる。
上記活性水素成分の市販品の例として、旭硝子株式会社製の「エクセノール1020」、「エクセノール1030」、「エクセノール2020」、「エクセノール3020」、「エクセノール3030」、「プレミノール7001」、「プレミノール7012」、「プレミノール4006」、「プレミノール4011」、三井化学株式会社製のアクトコール「EP−901P」、「EP−240」、「SHP−3900」、三洋化成工業株式会社製のサンニックスPP−2000、PP−3000などが挙げられる。
また、上記活性水素成分として、アミン化合物、例えばポリエーテル系アミンを使用することもできる。これらの市販品として、HUNTSMAN社製の「JEFFAMINE D−400」、「JEFFAMINE D−2000」、「JEFFAMINE BA−509」 などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネート成分のイソシアネート基(NCO基)と上記活性水素成分の活性水素基(例えば、OH基)の当量比(NCO基/OH基)は、0.3〜1.5、好ましくは0.6〜1.2であることが望ましい。上記当量比(NCO基/OH基)が0.3未満では成形体を作製することが困難な傾向にあり、1.5を超えると、成形体の弾性率が高くなり、アクチュエータの低電界駆動が達成しにくくなる。
上記ポリウレタン組成物に用いられる触媒としては、公知の触媒を限定なく使用することができるが、トリエチレンジアミン、N,N,N',N'‐テトラメチルヘキサンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等の第3級アミン、オクチル酸錫、ジラウリン酸ジ‐n‐ブチル錫、オクチル酸鉛等の金属触媒を使用することができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記触媒の市販品として、東栄化工株式会社から商品名「ヘキソエート鉛24%」で市販されているオクチル酸鉛、東ソー株式会社製の「TEDA−L33」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「NIAX CATALYST A1」、花王株式会社製の「カオーライザー NO.1」、「エアプロダクツ社製の「DABCO T−9」、東栄化工株式会社製の「BTT−24」などが挙げられる。
本発明のポリウレタンエラストマー成形品の製造方法は、成形型を用いる方法や、厚さの小さいものではスペーサーを有する離型処理したフィルム間にポリウレタンエラストマー組成物を挟んで所望の厚さに間隙を制御したニップロールを通す方法を用いることができる。上記成形品のキュア条件としては、温度70〜150℃、好ましくは80〜130℃で1〜24時間が望ましい。上記成形品のキュア温度が70℃未満ではポリウレタンエラストマー成形品の硬化性が不十分であり、150℃を超えると多量の副生成物が生成してしまう。また、上記成形品のキュア時間が1時間未満ではポリウレタンエラストマー成形品の硬化性が不十分であり、24時間を超えるとポリウレタンエラストマー成形品が劣化する場合がある。
得られるポリウレタンエラストマー成形品は、所望の形状に作製できるが、薄膜、フィルム、シートであってよく、厚さは0.01〜1.2mm、好ましくは0.05〜1.0mmであることが望ましい。上記成形品の厚さが0.01mm未満ではフィルム内の欠陥を通じて絶縁破壊が起こりやすく、1.2mmを超えると印加される電界強度が低くなり、アクチュエータが駆動しにくくなる。
上記成形品の両面に、電極を形成することにより、高分子アクチュエータを作製することができる。上記電極の材質としては、例えば、金、白金、アルミニウム、銀、銅などの金属、カーボン、カーボンナノチューブまたは、それらを樹脂に分散した導電性樹脂や導電性エラストマーも用いることができる。電極を形成する方法としては、例えば、プラズマCVD法、イオンスパッタ被覆法、真空蒸着法、スクリーン印刷などを使用することができる。
本発明の高分子アクチュエータは、前述のような産業用や介護用のロボット、医療機器などアクチュエータとしての用途に用いられるだけでなく、その変形から電圧変化を検知するセンサとしても用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
反応容器に側鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−DA11、数平均分子量1000、官能基数2)41.4質量部、およびポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール7001、数平均分子量6000、官能基数3)41.4質量部を入れ、撹拌しながら減圧脱水を1時間行った。その後、反応容器内を窒素置換した。そして、反応容器にトリレンジイソシアネート(三井化学株式会社製、T−100、2,4−体=100)17.8質量部を添加して、反応容器内の温度を80℃に保持しながら3時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成した。
次に、このプレポリマー100質量部をトルエン65.0質量部に溶解させた。続いて、このプレポリマー溶液に、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール1020、数平均分子量1000、官能基数2)51.4質量部およびオクチル酸鉛(東栄化工株式会社製、ヘキソエート鉛24%)0.19質量部の混合液を添加し、ハイブリッドミキサー(株式会社キーエンス製)にて混合および脱泡した。この反応液を0.4mmのスペーサーを有する離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に滴下し、その上に離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムを被せ、ニップロールにて厚みを0.4mmに調整した。その後、80℃で1時間キュアを行って、ポリウレタンエラストマーフィルムを得た。
作製したフィルムに100%の二軸延伸処理を施し、ポリプロピレン製の直径60mmの枠に固定した。固定されたフィルムに直径15mmとなるようにカーボングリースを塗布し、アクチュエータ素子を製造した。
(実施例2)
イソシアネート末端プレポリマー作製時のポリオール混合液を、側鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−DA11、数平均分子量1000、官能基数2)18.2質量部、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール1020、数平均分子量1000、官能基数2)22.9質量部およびポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール7001、数平均分子量6000、官能基数3)41.1質量部とした以外は実施例1と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(実施例3)
ポリウレタンエラストマーフィルム作製時の硬化剤を、側鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−DA11、数平均分子量1000、官能基数2)51.4質量部とした以外は実施例1と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(実施例4)
ポリウレタンエラストマーフィルム作製時の硬化剤を、側鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−DA11、数平均分子量1000、官能基数2)64.3質量部、オクチル酸鉛0.21質量部およびトルエン70.5質量部とした以外は実施例1と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(実施例5)
イソシアネート末端プレポリマー作製時のポリオール混合液を、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール1020、数平均分子量1000、官能基数2)41.1質量部およびポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール7001、数平均分子量6000、官能基数3)41.1質量部とし、ポリウレタンエラストマーフィルム作製時の硬化剤を、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール1020、数平均分子量1000、官能基数2)41.0質量部、側鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−DA21、数平均分子量5000、官能基数2)52.1質量部、オクチル酸鉛0.27質量部およびトルエン92.9質量部とした以外は実施例1と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(実施例6)
イソシアネート末端プレポリマー作製時のポリオール混合液を、主鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−4411、数平均分子量1000、官能基数2)41.1質量部およびポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、プレミノール7001、数平均分子量6000)41.1質量部とした以外は実施例1と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(実施例7)
ポリウレタンエラストマーフィルム作製時の硬化剤を、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール1020、数平均分子量1000)41.0質量部および主鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−4421、数平均分子量5000、官能基数2)52.1質量部とした以外は実施例5と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(比較例1)
イソシアネート末端プレポリマー作製時のポリオール混合液を、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール1020、数平均分子量1000)41.1質量部およびポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、プレミノール7001)41.1質量部とした以外は実施例1と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(比較例2)
ポリウレタンエラストマーフィルム作製時の硬化剤を、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、プレミノール7001)205.2質量部、オクチル酸鉛0.38質量部、フタル酸ジオクチル(三協化学株式会社製、DOP)712.1質量部とし、トルエンを添加しなかった以外は比較例1と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(比較例3)
イソシアネート末端プレポリマー作製時のポリオール混合液を、側鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−DA11、数平均分子量1000、官能基数2)10.6質量部、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール1020、数平均分子量1000、官能基数2)30.5質量部およびポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、プレミノール7001、数平均分子量6000、官能基数3)41.1質量部とした以外は比較例1と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(比較例4)
イソシアネート末端プレポリマー作製時のポリオール混合液を、側鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−DA11、数平均分子量1000、官能基数2)58.5質量部およびポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、プレミノール7001、数平均分子量6000、官能基数3)19.5質量部とし、ポリウレタンエラストマーフィルム作製時の硬化剤を、側鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−DA11、数平均分子量1000、官能基数2)63.3質量部、オクチル酸鉛0.20質量部およびトルエン70.1質量部とした以外は実施例1と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製した。
(比較例5)
ポリウレタンエラストマーフィルム作製時の硬化剤を、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール1020、数平均分子量1000、官能基数2)48.2質量部、側鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−DA26、数平均分子量15000、官能基数2)48.2質量部、オクチル酸鉛0.25質量部およびトルエン84.1質量部とした以外は実施例5と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製しようとしたが、フィルムを得ることができなかった。
(比較例6)
ポリウレタンエラストマーフィルム作製時の硬化剤を、ポリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製、エクセノール1020)46.7質量部、主鎖型反応性シリコーン(JNC株式会社製、サイラプレーンFM−4425、数平均分子量10000、官能基数2)46.7質量部、オクチル酸鉛0.24質量部およびトルエン82.9質量部とした以外は実施例5と同様にしてポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータを作製しようとしたが、フィルムを得ることができなかった。
表1に実施例1〜7のプレポリマー配合、表2に比較例1〜6のプレポリマー配合、表3に実施例1〜7のエラストマー配合および表4に比較例1〜6のエラストマー配合を質量部単位でまとめて示した。上記のように得られたポリウレタンエラストマーフィルムアクチュエータの20℃での貯蔵弾性率E’(20℃)、−20℃の貯蔵弾性率E’(−20℃)と上記E’(20℃)との比[E’(−20℃)/E’(20℃)]、40℃の貯蔵弾性率E’(40℃)のE’(20℃)との比[E’(40℃)/E’(20℃)]、伸張率および絶縁破壊強度を測定し、その結果を表5〜6に示す。試験方法は以下の通りである。
(試験方法)
(1)動的粘弾性測定
動的粘弾性測定装置(メトラー・トレド社製、DMA861e)を用いて、以下の条件にて貯蔵弾性率(E’)を測定した。
周波数:1Hz
昇温速度:2.5℃/分
測定温度範囲:−100〜50℃
測定モード:せん断モード
サンプル形状:直径10mm、厚み1mm
表5〜6には20℃での貯蔵弾性率E’(20℃)の値、温度−20℃で測定した貯蔵弾性率E’(−20℃)と上記E’(20℃)との比[E’(−20℃)/E’(20℃)]、および温度40℃で測定した貯蔵弾性率E’(40℃)のE’(20℃)との比[E’(40℃)/E’(20℃)]を示す。
(2)伸張率、絶縁破壊強度
製造したアクチュエータ素子を銅箔を介して直流高圧電源(松定プレシジョン株式会社製、HJPM−5R0.6−SP)に繋ぎ、印加電圧に対する伸張率の変化を測定した。表5〜6には、10MV/mの値を示す。また、この試験においてアクチュエータ素子が短絡した時の電界強度を絶縁破壊強度とした。なお、伸張率は以下の式より求めた。
伸張率(%)=[√(S/S−1)]×100
:伸張前のフィルム面積
:電圧印加後のフィルム面積
Figure 0006284758
Figure 0006284758
Figure 0006284758
Figure 0006284758
(注1)三井化学株式会社から商品名「コスモネート T−100」で市販の2,4-トリレンジイソシアネート
(注2)旭硝子株式会社から商品名「エクセノール1020」で市販されている2官能性ポリエーテルポリオール;数平均分子量(Mn)1000
(注3)旭硝子株式会社から商品名「プレミノール7001」で市販されている3官能性ポリエーテルポリオール;数平均分子量(Mn)6000
(注4)JNC株式会社から商品名「FM−DA11」で市販されている側鎖型2官能性反応性シリコーン;数平均分子量(Mn)1000
(注5)JNC株式会社から商品名「FM−4411」で市販されている主鎖型2官能性反応性シリコーン;数平均分子量(Mn)1000
(注6)JNC株式会社から商品名「FM−DA21」で市販されている側鎖型2官能性反応性シリコーン;数平均分子量(Mn)5000
(注7)JNC株式会社から商品名「FM−DA26」で市販されている側鎖型2官能性反応性シリコーン;数平均分子量(Mn)15000
(注8)JNC株式会社から商品名「FM−4421」で市販されている主鎖型2官能性反応性シリコーン;数平均分子量(Mn)5000
(注9)JNC株式会社から商品名「FM−4425」で市販されている主鎖型2官能性反応性シリコーン;数平均分子量(Mn)10000
(注10)東栄化工株式会社から商品名「ヘキソエート鉛24%」で市販されているオクチル酸鉛
(注11)三協化学株式会社から商品名「DOP」で市販されているフタル酸ジオクチル
(注12)NCO index:(NCO基の当量)/(活性水素基の当量)
Figure 0006284758
Figure 0006284758

*: 硬化せず、試料片が作製できず測定不可。
**: 絶縁破壊。
表5〜6に示した結果から明らかなように、実施例1〜7の本発明の高分子アクチュエータは、比較例1〜6の従来の高分子アクチュエータに比べて、弾性率などの特性の温度依存性が小さく、伸張率および絶縁破壊強度が非常に高いものであった。
これに対して、比較例1および2の高分子アクチュエータは、反応性シリコーンを含有しておらず、比[E’(−20℃)/E’(20℃)]が大きく、比[E’(40℃)/E’(20℃)]が小さいため、温度依存性が大きく、絶縁破壊強度が非常に低いものであった。比較例2の高分子アクチュエータでは、10MV/mより小さな電界強度で絶縁破壊を起こし、十分な伸張率を得ることができなかった。
比較例3の高分子アクチュエータは、反応性シリコーンの配合量が少なく、比[E’(−20℃)/E’(20℃)]が大きく、比[E’(40℃)/E’(20℃)]が小さいため、温度依存性が大きく、絶縁破壊強度が非常に低いものであった。
比較例4の高分子アクチュエータは、反応性シリコーンの配合量が多く、温度依存性や絶縁破壊強度の向上には効果的であったものの、10MV/mの電界印加では駆動せず、伸張率は0であった。
比較例5および6の高分子アクチュエータは、硬化時に用いた反応性シリコーンの数平均分子量(Mn)が高かったため、極めて反応性が低く、エラストマー成形品の作製が困難であり、特性の測定や評価ができなかった。
本発明の高分子アクチュエータは、柔軟性および伸張率に優れ、低電界であっても駆動が可能であり、かつ高い絶縁破壊強度を有するため、センサ、光学スイッチ、ダイヤフラム、点字ディスプレイ、波力発電や踵発電などの発電用途、産業用や介護用のロボット、医療機器などの用途に用いることができる。
1 … 高分子アクチュエータ
2 … 電極
3 … ポリウレタンエラストマー成形品

Claims (3)

  1. 2つの電極の間に高分子誘電体を挟んで成る高分子アクチュエータであって、
    該高分子誘電体の動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率E’(20℃)が0.5MPa以下であり、
    動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度−20℃で測定した貯蔵弾性率E’(−20℃)のE’(20℃)に対する比[E’(−20℃)/E’(20℃)]が5.0以下であり、
    動的粘弾性測定により周波数1Hz、温度40℃で測定した貯蔵弾性率E’(40℃)のE’(20℃)に対する比[E’(40℃)/E’(20℃)]が0.5以上である、ことを特徴とする高分子アクチュエータ。
  2. 前記高分子誘電体が、ポリイソシアネート成分、活性水素成分および触媒を含有するポリウレタンエラストマー組成物から形成されるポリウレタンエラストマー成形品から構成され、数平均分子量(Mn)500〜7,000を有する反応性シリコーンを、ポリウレタンエラストマー組成物の質量の10〜70質量%含有する請求項1記載の高分子アクチュエータ。
  3. 前記反応性シリコーンが、側鎖型反応性シリコーンである請求項2記載の高分子アクチュエータ。
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