JP6284510B2 - 金属粒子の分散溶液および接合構造体の製造方法 - Google Patents

金属粒子の分散溶液および接合構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば半導体チップ等の電子部品(第1の基材)を、基板、電極等(第2の基材)に接合するために用いられる金属粒子の分散溶液およびその製造方法、ならびにこの分散溶液を用いて形成した接合層を有する接合構造体およびその製造方法に関する。
近年、半導体チップ等の電子部品の大電力化、モジュール化、高集積化、高信頼性化等が急速に進んでいる。このような電子部品を実装した実装機器は、大電力化、高集積化等を実現するため、使用可能な電流密度の上限値を高く設定する必要があり、電流密度が高くなると、電子部品の発熱量も増加する結果、動作温度が上昇して高温になりやすい。従来は、ダイボンド材料等として、高温での使用に耐えうる高温鉛はんだが使用されてきた。しかしながら、近年では、環境問題から高温鉛はんだの使用が規制される傾向にあることから、高温での使用に耐えうる新規なダイボンド材料として、鉛を使用せずにバルク体の金属よりも低温の条件下で接合が可能になる、金属ナノ粒子が配合された導電性ペーストによる接合が着目されるようになってきた。
金属粒子を配合した加熱接合用のペーストや板状の成形体を用い、この成形体を加圧下で加熱・焼結して、半導体チップ等の電子部品(第1の基材)を、基板、電極等(第2の基材)に接合する方法、具体的には、金属粒子を含む加熱接合材料を、第1の基材と第2の基材との間に配置した後に加熱・加圧して接合部(層)を形成する方法が知られており、また、接合方法としてはフリップチップボンダーやプレスなどの装置を用いて、半導体チップなどの電子部品を加圧・加熱して実装する方法が一般的である。
例えば特許文献1は、半導体素子と、Cu等の材料からなる電極との接合面に、酸化第2銅と有機物からなる還元剤との接合材を塗布又は注入し、接合材を含む接合面を還元雰囲気中で加熱し、純銅で構成された接合層を形成し、接合層のCuと電極とが相互拡散して電極と接合層とを接合した、半導体装置の製造方法を開示する。
また、特許文献2には、第1の電子部品の第1の金属端子の表面に、金属超微粒子を分散した液体を吐出し、前記液体の媒体を蒸発させることで金属超微粒子層を形成するとともに、金属超微粒子層における金属超微粒子の表面の酸化被膜を、還元性ガスにより還元する第1の工程と、前記金属微粒子層を形成した第1の金属端子に対向させて第2の電子部品の第2の金属端子を接触させ加熱し加圧することで、第1の金属端子および第2の金属端子同士を、その間の前記金属超微粒子を焼結させることで金属接合させる第2の工程とを有する、電子部品の集合体の製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1および2に記載された従来の方法は、いずれも接合する際に、水素等の還元性ガスを使用することから安全面に注意を払う必要があり、加えて、装置が複雑になるなどの問題があった。また、装置から排出されるガスがギ酸である場合には、毒性があるので除害処理が必要であり、さらに、還元性ガスが水素である場合には、爆発を防ぐためにその場で燃焼させたり、大量の空気、不活性ガスで希釈した上で排出する必要があった。
特に高い電圧や大きな電流を扱うことができる半導体であるパワー半導体は、その使用環境が厳しいことから、信頼性試験(熱衝撃試験やパワーサイクル試験等)を厳しい条件下で実施したとしても、高い信頼性を有することが必要とされる。そのため、基板と半導体チップとを接合層を介して強固に接合する必要があり、従来法では、通常、半導体チップや基板等の表面を、還元性ガス中で処理して十分活性化させた状態にした上で接合する工程を採用していた。
また、接合層の形成には、従来はペーストはんだを用いるのが一般的であり、このペーストはんだは、主にはんだ粉末とフラックスとで構成され、フラックス中には、通常、基板やチップ等の基材の表面の酸化膜を除去するための成分として活性剤が含まれている。このペーストはんだ中に含有するはんだ粉末の代わりに銅ナノ粒子を用いて作製した銅ナノペーストで接合層を形成する場合、銅ナノ粒子は活性なため、基板や半導体チップ等の基材の接合表面よりも先に、活性剤と銅ナノ粒子が反応する傾向にあることから、前記接合表面が十分に活性化させないという問題がある。
特開2008−244242号公報 特開2007−67058号公報
本発明の目的は、例えば半導体チップ等の電子部品(第1の基材)や、基板、電極等(第2の基材)の各基材と、接合層とが強固に接合できる技術を提供することにあり、具体的には、金属粒子を構成する銅ナノ粒子の表面性状の適正化を図ることにより、加熱・焼結(焼成)時に、還元性ガスなどの危険なガスを使用しなくても、接合される基材表面の活性化を可能にすることができる金属粒子の分散溶液およびその製造方法、ならびにこの分散溶液を用いて形成した接合層を有する接合構造体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らが鋭意研究した結果、銅ナノ粒子(好適には、銅ナノ粒子の表面側部分)に、塩素、臭素およびフッ素から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を吸着させることにより、焼結時にそれらのハロゲン成分が、銅ナノ粒子に悪影響を与えることなく、接合される基材表面を活性化する作用を有し、また、銅ナノ粒子の表面側部分が、銅ナノ粒子の表面の少なくとも一部に形成された酸化膜および有機保護膜の少なくとも一方の膜を有する場合には、銅ナノ粒子の表面、酸化膜および有機保護膜の少なくとも一つの表面に、前記ハロゲン成分を吸着させ、あるいは、酸化膜中や有機保護膜中に取り込んで含有させることによっても、焼結時に前記ハロゲン成分が、同様の作用を有することが判明した。なお、銅ナノ粒子の表面は、一部もしくは全面が酸化していてもよく、また、ハロゲン成分が、銅ナノ粒子の表面および酸化膜の両方に分布(存在)していてもよい。さらに、有機保護膜もまた、銅ナノ粒子の全面を覆っている必要はなく、銅ナノ粒子の表面や酸化膜の一部が露出し、銅ナノ粒子の表面と、酸化膜または有機保護膜の少なくとも1つにハロゲン成分が分布(存在)していてもよい。
さらに、銅ナノ粒子の表面に前記ハロゲン成分を吸着させるには、吸着させるハロゲン成分を含有する処理ガス中に銅ナノ粒子を曝す(放置する)ことにより、ハロゲンガス成分を、銅ナノ粒子の表面や、酸化膜あるいは有機保護膜の表面に吸着させて含有させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(I)平均一次粒径が2〜500nmである銅ナノ粒子(P1)を含む金属粒子(P)を有機溶媒(S)に分散させて形成してなる金属微粒子の分散溶液であって、前記銅ナノ粒子が、100ppm以上2100ppm以下の塩素、200ppm以上4100ppm以下の臭素および100ppm以上2000ppm以下のフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を、下記の(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で含有することを特徴とする金属粒子の分散溶液。

C=(塩素の含有量(ppm)/2100)+(臭素の含有量(ppm)/4100)
+(フッ素の含有量(ppm)/2000)・・・・(1)
(II)前記少なくとも1種以上のハロゲン成分は、銅ナノ粒子を構成する表面側部分に存在していることを特徴とする上記(I)に記載の金属粒子の分散溶液。
(III)前記銅ナノ粒子(P1)を構成する表面側部分は、前記銅ナノ粒子(P1)の表面の少なくとも一部に形成された酸化膜(F1)および有機保護膜(F2)の少なくとも一方の膜を含み、前記少なくとも1種以上のハロゲン成分が、前記銅ナノ粒子(P1)の表面、酸化膜(F1)および有機保護膜(F2)の少なくとも一つに存在していることを特徴とする上記(II)に記載の金属粒子の分散溶液。
(IV)前記有機溶媒(S)は、分子内に2個以上の水酸基をもつ1種または2種以上の多価アルコール(A1)を含有することを特徴とする上記(I)〜(III)のいずれか1項に記載の金属粒子の分散溶液。
(V)上記(I)〜(IV)のいずれか1項に記載の金属微粒子の分散溶液の製造方法であって、銅ナノ粒子(P1)を、塩素ガス、臭素ガスおよびフッ素ガスの群から選択される少なくとも1種以上のハロゲンガスを含有する処理ガス中に曝して、前記銅ナノ粒子に、塩素、臭素およびフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を含有させる工程と、前記ハロゲン成分を含有させた銅ナノ粒子を含む金属粒子(P)を前記有機溶媒(S)に混合する工程とを含むことを特徴とする、金属粒子の分散溶液の製造方法。
(VI)第1の基材と第2の基材との間に配置され、かつ前記第1の基材および前記第2の基材同士を接合する接合層を有する接合構造体であって、前記接合層が、平均一次粒径が2〜500nmであり、100ppm以上2100ppm以下の塩素、200ppm以上4100ppm以下の臭素および100ppm以上2000ppm以下のフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を、下記の(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で含有する銅ナノ粒子(P1)を含む金属粒子(P)を有機溶媒(S)に分散させてなる金属粒子の分散溶液を用いて形成した焼結体からなることを特徴とする接合構造体。

C=(塩素の含有量(ppm)/2100)+(臭素の含有量(ppm)/4100)
+(フッ素の含有量(ppm)/2000)・・・・(1)
(VII)上記(VI)に記載の接合構造体の製造方法であって、前記第1の基材および前記第2の基材の間に、前記分散溶液を用いて形成したシート状またはペースト状の加熱接合材料を配置した後、該加熱接合材料を無加圧下または加圧下で加熱して焼結することによって前記接合層を形成する工程を含むことを特徴とする接合構造体の製造方法。
本発明の金属粒子の分散溶液は、平均一次粒径が2〜500nmである銅ナノ粒子(P1)を含む金属粒子(P)を有機溶媒(S)に分散させて形成し、前記銅ナノ粒子が、100ppm以上2100ppm以下の塩素、200ppm以上4100ppm以下の臭素および100ppm以上2000ppm以下のフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を、下記の(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で含有することによって、例えば半導体チップ等の電子部品(第1の基材)や、基板、電極等(第2の基材)の各基材と、接合層とを加熱・焼結(焼成)して接合する際に、還元性ガスなどの危険なガスを使用しなくても、接合される基材表面の活性化を可能にすることができる。

C=(塩素の含有量(ppm)/2100)+(臭素の含有量(ppm)/4100)
+(フッ素の含有量(ppm)/2000)・・・・(1)
また、本発明の金属粒子の分散溶液の製造方法は、銅ナノ粒子(P1)を、塩素ガス、臭素ガスおよびフッ素ガスの群から選択される少なくとも1種以上のハロゲンガスを含有する処理ガス中に曝して、前記銅ナノ粒子に、塩素、臭素およびフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を含有させる工程と、前記ハロゲン成分を含有させた銅ナノ粒子を含む金属粒子(P)を前記有機溶媒(S)に混合する工程とを含むことによって、上述した本発明の金属粒子の分散溶液を製造することができる。
さらに、本発明の接合構造体は、第1の基材と第2の基材との間に配置され、かつ前記第1の基材および前記第2の基材同士を接合する接合層を有する接合構造体であって、前記接合層が、平均一次粒径が2〜500nmであり、100ppm以上2100ppm以下の塩素、200ppm以上4100ppm以下の臭素および100ppm以上2000ppm以下のフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を、下記の(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で含有する銅ナノ粒子(P1)を含む金属粒子(P)を有機溶媒(S)に分散させてなる金属粒子の分散溶液を用いて形成した焼結体からなることにより、加熱・焼結(焼成)時に、還元性ガスなどの危険なガスを使用することなく、しかも、銅ナノ粒子に悪影響を与えずに、接合される基材の表面がクリーニング(活性化)される結果として、接合層と基材とを強固に接合させることができる。

C=(塩素の含有量(ppm)/2100)+(臭素の含有量(ppm)/4100)
+(フッ素の含有量(ppm)/2000)・・・・(1)
さらにまた、本発明の接合体の製造方法は、前記第1の基材および前記第2の基材の間に、前記分散溶液を用いて形成したシート状またはペースト状の加熱接合材料を配置した後、該加熱接合材料を無加圧下または加圧下で加熱して焼結(焼成)することによって前記接合層を形成する工程を含むことによって、上述した本発明の接合構造体を製造することができる。
次に、本発明の実施形態について以下で説明する。
本発明に従う金属粒子の分散溶液は、平均一次粒径が2〜500nmである銅ナノ粒子(P1)を含む金属粒子(P)を有機溶媒(S)に分散させて形成し、前記銅ナノ粒子が、100ppm以上2100ppm以下の塩素、200ppm以上4100ppm以下の臭素および100ppm以上2000ppm以下のフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を、下記の(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で含有したものである。

C=(塩素の含有量(ppm)/2100)+(臭素の含有量(ppm)/4100)
+(フッ素の含有量(ppm)/2000)・・・・(1)
〔1〕金属粒子の分散溶液
(1)金属粒子(P)
金属粒子(P)は、焼結性を有していることが必要である。また、金属微粒子(P)は、平均一次粒径が2〜500nmの銅ナノ粒子(P1)のみで構成する場合の他、銅ナノ粒子(P1)に加えて、さらに平均一次粒径0.5μm超え50μm以下の金属微粒子(P2)を混合した混合粒子として構成してもよい。
(イ)銅ナノ粒子(P1)
銅ナノ粒子(P1)は、一次粒子の平均粒径(平均一次粒径)が2nm〜500nmのナノレベルの粒子であればよく、特に制限されるものではない。銅ナノ粒子(P1)は、平均一次粒径を2nm未満にすることは、製造上の困難性を伴い、また、平均一次粒径が500nm超えだと、焼結時に融点が所期したほど低下しなくなって、焼結性が悪化するからである。
また、銅ナノ粒子(P1)を構成する表面側部分は、銅ナノ粒子(P1)の表面の少なくとも一部に、銅ナノ粒子(P1)同士の凝集を防止するため、酸化膜(F1)や有機保護膜(F2)が形成されていてもよい。
酸化膜(F1)の厚さは、2〜50nmの範囲であることが好ましい。酸化膜(F1)の厚さが2nm未満では、銅ナノ粒子(P1)同士の凝集防止の効果が認められなくなる傾向があり、また、酸化膜(F1)の厚さが50nm超えでは、加熱・焼結時に酸化膜(F1)を十分に還元しきれずに、焼結性が劣る傾向があるからである。なお、酸化膜(F1)の厚さの測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察から求めた。
有機保護膜(F2)の厚さは、銅ナノ粒子(P1)全体に占める質量比率にして0.1〜5質量%とすることが好ましい。前記質量比率が0.1重量%未満では、有機保護膜(F2)の厚さが薄すぎて、銅ナノ粒子(P1)同士の凝集防止の効果が認められなくなる傾向があり、また、前記質量比率が5重量%超えだと、有機保護膜の厚さが厚くなりすぎて焼結性が劣る傾向があるからである。なお、有機保護膜の厚さは、直接測定することが難しいため、炭素・硫黄濃度分析装置を使用した。炭素、硫黄分析装置は試料を酸素中で高温状態にして、含まれる炭素を二酸化炭素の状態で取り出す。その取り出した二酸化炭素を二酸化炭素検出器により濃度を測定し、その積算濃度から炭素量を求めて、試料に含まれる炭素量を計算する。初期の試料の重さが既知であれば、試料の炭素濃度を求めることができる。なお、有機保護膜(F2)付きの銅ナノ粒子(P1)の作製方法については、特に限定はせず、公知の方法で行なうことができる。有機保護膜(高分子分散剤)付きの銅ナノ粒子(P1)の作製方法の一例としては、特開2011−074476号公報の実施例に記載した方法が挙げられる。
また、本発明では、銅ナノ粒子(P1)が、100ppm以上2100ppm以下の塩素、200ppm以上4100ppm以下の臭素および100ppm以上2000ppm以下のフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を、下記の(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で含有することが必要である。

C=(塩素の含有量(ppm)/2100)+(臭素の含有量(ppm)/4100)
+(フッ素の含有量(ppm)/2000)・・・・(1)
銅ナノ粒子(P1)は、塩素、臭素およびフッ素の各ハロゲン成分の含有量を上記範囲内に規定することによって、銅ナノ粒子(特に表面側部分)に、適量のハロゲン成分を吸着または含有させることができ、焼結時に銅ナノ粒子(特に表面側部分)に吸着または含有させたハロゲン成分が、加熱・接合時に、銅ナノ粒子に悪影響を与えることなく、接合される基材表面が十分に活性化される結果、例えば半導体チップ等の電子部品(第1の基材)や、基板、電極等(第2の基材)の各基材と、接合層とを、還元性ガスなどの危険なガスを使用しなくても、強固に接合することができる。
また、本発明では、銅ナノ粒子(P1)に、塩素、臭素およびフッ素のうちの2種以上のハロゲン成分を含有させてもよいが、この場合には、上記(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で2種以上のハロゲン成分を含有させることが必要である。前記ハロゲン成分は、その元素ごとに同じ含有量であっても、基板クリーニング等に対する活性度等の効果が違うとともに、塩素含有量の上限値が2100ppm、臭素含有量が4100ppm、そして、フッ素含有量の上限値が2000ppmと異なることから、これらハロゲン元素の効果が同じとなるように各ハロゲン含有量比率を算出し、それらの算出したハロゲン含有比率を加算した数値をCとしたとき、このCが1以下に限定することによって、銅ナノ粒子(特に表面側部分)に、適量のハロゲン成分を吸着または含有させることができ、焼結時に銅ナノ粒子(特に表面側部分)に吸着または含有させたハロゲン成分が、加熱・接合時に、銅ナノ粒子に悪影響を与えることなく、接合される基材表面が十分に活性化される結果、例えば半導体チップ等の電子部品(第1の基材)や、基板、電極等(第2の基材)の各基材と、接合層とを、還元性ガスなどの危険なガスを使用しなくても、強固に接合することができる。このCが1超えの数値だと、加熱・焼結後も、接合された基材と接合層との接合部に、余剰のハロゲン成分が残存する結果、腐食により接合信頼性が劣化するからである。
さらに、前記少なくとも1種以上のハロゲン成分は、銅ナノ粒子(P1)を構成する表面側部分に存在していること、加えて、銅ナノ粒子(P1)を構成する表面側部分は、銅ナノ粒子(P1)の表面の少なくとも一部に形成された酸化膜(F1)および有機保護膜(F2)の少なくとも一方の膜を含んでいる場合には、少なくとも1種以上のハロゲン成分が、前記銅ナノ粒子(P1)の表面、酸化膜(F1)および有機保護膜(F2)の少なくとも一つに存在していることが、加熱・焼結時に、接合される基材表面を有効に活性化させる点で好ましい。
(ロ)金属微粒子(P2)
本発明では、金属粒子(P)として、平均一次粒径が2〜500nmの銅ナノ粒子(P1)に加えて、さらに平均一次粒径が0.5μm超え50μm以下の金属微粒子(P2)を混合した混合粒子を使用することもできる。金属微粒子(P2)としては、特に制限はないが、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、タンタル(Ta)、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、及びアルミニウム(Al)から選択される1種もしくは2種以上の微粒子を用いることが好ましく、特に銅微粒子を用いることが好適である。
特に、金属粒子(P)として、平均一次粒径が2nm〜500nmの銅ナノ微粒子(P1)と、平均一次粒子径が0.5μm超え50μm以下の金属微粒子(P2)との混合粒子を用いると、金属微粒子(P2)と金属微粒子(P2)の間に、銅ナノ粒子(P1)が適度な分散状態で介在し、加熱処理する際に銅ナノ粒子(P1)の自由な移動を効果的に抑制することができ、前述の銅ナノ粒子(P1)の分散性と安定性を向上させることができ、その結果、加熱焼成でより均質な粒子径と空孔を有する多孔質体(接合層)を形成することが可能になる。
金属微粒子(P2)の平均一次粒径は、0.5μm超え50μm以下の範囲であることが好ましい。金属微粒子(P2)の平均一次粒径が0.5μm以下では、金属微粒子(P2)の含有による上述した効果が十分には発現しない場合があり、また、前記平均一次粒径が50μmを超えると焼成が困難になるおそれがある。
尚、ここでいう、銅ナノ粒子(P1)や金属微粒子(P2)における「一次粒径」とは、凝集した状態の粒子である二次粒子を構成する個々の(一次)粒子の直径を意味する。この一次粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定することができる。本発明では、SEM(日立ハイテクノロジーズ社製、装置名「SU8020」)を用いて、加速電圧3kV、倍率20万倍で観察しSEM画像を取得した。そして、その画像の中から任意の20個の一次粒子を選んで粒径を測定すると共に、それらの粒径の測定値から算出した平均値を平均一次粒径とした。
(2)有機溶媒(S)
本発明の金属粒子(P)の分散溶液は、金属粒子(P)を有機溶媒(S)に分散させて形成したものである。有機溶媒(S)は、分子中に2個以上の水酸基をもつ1種または2種以上の多価アルコール(A1)を含有することが好ましく、また、他の有機溶媒として、アミド基を有する化合物(A2)、アミン化合物(A3)、低沸点有機化合物(A4)等を含有させてもよい。
(イ)多価アルコール(A1)
多価アルコール(A1)としては、分子中に2以上の水酸基を有する、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、オクタンジオ−ル、グリセロール(グリセリン)、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トレイトール、エリトリト−ル、ペンタエリスリト−ル、ペンチト−ル、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル2−プロパノール、キシリトール、リビトール、アラビトール、ヘキシト−ル、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、グリセリンアルデヒド、ジオキシアセトン、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコ−ス、フルクト−ス、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、アルトロース、ラクト−ス、イソマルト−ス、グルコヘプト−ス、ヘプト−ス、マルトトリオース、ラクツロース、及びトレハロースの中から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
有機溶媒(S)中に前記多価アルコール(A1)を含有させることで、還元性を有するので金属微粒子(P)表面が還元され、更に加熱処理を行うことで多価アルコール(A1)が連続的に蒸発し、その液体および蒸気が存在する雰囲気で還元・焼成されると、金属粒子(P)の焼結を促進することができる。尚、金属粒子(P)の分散溶液を用いて形成され、接合層の加熱・焼結前の状態である加熱接合材料(M)の焼結性を考慮すると、多価アルコール(A1)が有機溶媒(S)中に40質量%以上含有されていることが好ましい。
(ロ)アミド基を有する化合物(A2)
アミド基を有する化合物(A2)としては、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、及びアセトアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、及びN−ビニル−2−ピロリドンの中から選択される1種又は2種以上を例示することができる。アミド基を有する化合物(A2)は金属粒子表面を覆う有機修飾物として用いられる。アミド基を有する化合物(A2)は、有機溶媒(S)中で10〜80質量%となるように配合することが好ましい。
(ハ)アミン化合物(A3)
アミン化合物(A3)としては、脂肪族第一アミン、脂肪族第二アミン、脂肪族第三アミン、脂肪族不飽和アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、及びアルカノールアミンの中から選択される1種又は2種以上のアミン化合物が挙げられ、その具体例としてはメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、t−プロピルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、モノ−n−オクチルアミン、モノ−2エチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−2エチルヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2エチルヘキシルアミン、トリイソブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソノニルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルココナットアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、メタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、及び2−(2−アミノエトキシ)エタノールの中から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。アミン化合物(A3)は有機溶媒(S)中で0.3〜30質量%となるように配合することが好ましい。
(ニ)低沸点有機化合物(A4)
低沸点有機化合物(A4)は、常圧における沸点が60〜120℃(沸点は常圧における沸点をいう。以下同じ)で、比較的沸点の低い有機化合物である。低沸点有機化合物(A4)としては、分子中に1つのヒドロキシル基を有するアルコール、エーテル、及びケトンから選択される1種又は2種以上が好ましい。
前記分子中に1つのヒドロキシル基を有するアルコールとしては、メタノール(64.7℃)、エタノール(78.0℃)、1−プロパノール(97.15℃)、2−プロパノール(82.4℃)、2−ブタノール(100℃)、2−メチル2−プロパノール(83℃)の中から選択される1種又は2種以上を例示することができる。前記エーテルとしては、ジエチルエーテル(35℃)、メチルプロピルエーテル(31℃)、ジプロピルエーテル(89℃)、ジイソプロピルエーテル(68℃)、メチル−t−ブチルエーテル(55.3℃)、t−アミルメチルエーテル(85℃)、ジビニルエーテル(28.5℃)、エチルビニルエーテル(36℃)、アリルエーテル(94℃)の中から選択される1種又は2種以上を例示することができる。また、前記ケトンとしては、アセトン(56.5℃)、メチルエチルケトン(79.5℃)、ジエチルケトン(100℃)の中から選択される1種又は2種以上を例示することができる。
有機溶媒(S)中に低沸点有機化合物(A4)が含まれることで、有機溶媒(S)の粘度を調整してパターン形成の精度を向上することができる。有機溶媒(S)中の低沸点有機化合物(A4)の含有割合は1〜30質量%の範囲で配合することが好ましい。
〔2〕金属粒子の分散溶液の製造方法
本発明の金属粒子(P)の分散溶液の製造方法は、銅ナノ粒子(P1)を、塩素ガス、臭素ガスおよびフッ素ガスの群から選択される少なくとも1種以上のハロゲンガスを含有する処理ガス中に曝して、前記銅ナノ粒子に、塩素、臭素およびフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を含有させる工程と、前記ハロゲン成分を含有させた銅ナノ粒子を含む金属粒子(P)を前記有機溶媒(S)に混合する工程とを少なくとも実施する方法である。
銅ナノ粒子(P1)、特にその表面側部分に前記ハロゲン成分を含有させるための工程としては、特に限定はしないが、例えばハロゲン成分を含んだ処理ガス(気相)中で銅ナノ粒子を処理することが挙げられる。具体的には、吸着槽内に銅ナノ粒子を導入し、窒素置換したのち、1/10大気圧(大気圧の10分の1の圧力)まで真空引き(減圧)を行ったのち、窒素希釈ハロゲンガスを大気圧になるまで充填した。その後、さらに真空引きを行い、窒素希釈ハロゲンガスを大気圧になるまで導入した。この作業を3回繰り返すことにより、吸着槽内の処理ガス濃度は、所望の濃度との差を1%以下に調整することができる。なお、この吸着槽は恒温室内(例えば恒温室内温度:23.5℃)に置かれることが好ましい。吸着槽内の上記調整が完了した後に、銅ナノ粒子(P1)を処理ガス中で所定時間処理すればよい。
処理ガスの調製方法としては、例えばハロゲン成分としてフッ素や塩素を用いる場合には、窒素ガスで2〜3体積%のハロゲンガスに希釈した混合ガスを購入し、さらにマスフローコントローラなど精度の良い流量計を用いて更に窒素で希釈して所望の濃度の処理ガスに調製すればよい。また、ハロゲン成分として臭素を用いる場合には、臭素は液体であるので、窒素ガスでバブリングし、窒素で希釈されて気化することによって窒素希釈臭素ガスを得ることができる。また、臭素は20℃での蒸気圧が23.3kPaであるので、バブラーを20℃とし、バブラー内を100kPaとすると、23.3体積%の窒素希釈臭素ガスが得られる。このガスをさらにマスフローコントローラ等を用いて窒素で更に希釈して、所望の濃度の処理ガスに調製すればよい。
銅ナノ粒子(P1)に含有するハロゲン量の測定は、銅ナノ粒子(P1)を酸素ガス中にて1000℃で燃焼させることでハロゲン成分を気化させ、気化したガスを溶液に通して溶液内にハロゲン成分を移動させて、イオンクロマトグラフで測定する、いわゆる燃焼イオンクロマトグラフ法により行なった。
前記ハロゲン成分を含有させた銅ナノ粒子を含む金属粒子(P)を前記有機溶媒(S)に混合する工程としては、特に限定はせず、公知の方法で行えばよい。例えば、乳鉢内に所定量の有機溶媒(S)を入れ、その後、銅ナノ粒子を含む金属粒子(P)を加えて十分混合する方法が挙げられる。
〔3〕接合構造体
本発明の接合構造体は、第1の基材(B1)と第2の基材(B2)との間に配置され、かつ前記第1の基材(B1)および前記第2の基材(B2)同士を接合する接合層(L)を有し、接合層(L)が、前記金属粒子(P)の分散溶液を用いて形成した焼結体からなっている。
(1)第1の基材(B1)
第1の基材(B1)は、例えば半導体チップ等の電子部品が挙げられる。
(2)第2の基材(B2)
第2の基材(B2)は、例えばリードフレーム、銅貼りセラミック基板等などの実装基板が挙げられる。
(3)接合層(L)
接合層は、金属粒子(P)の分散溶液を用いて形成され、加熱・焼結後に焼結体からなる接合層となるシート状またはペースト状の材料である加熱接合材料(M)を加熱・焼結することによって形成される。
加熱接合材料(M)は、金属粒子(P)が有機溶媒(S)中に分散した状態で存在し、常温でシート状成形体(T1)またはペースト状物(T2)とすることができる。また、加熱接合材料(M)は、被接合面(例えば、銅板の表面)に、加熱接合材料(M)からなるパターン化物を配置することができる。この場合、上記パターン化物上に半導体チップ(K)を配置して、金属微粒子(P)が焼結する温度の範囲で加熱すると、多価アルコール(A1)が銅ナノ粒子(P1)表面を還元して活性化し、金属粒子(P)同士の焼結が促進される。その結果、ナノサイズの銅ナノ粒子(P1)を含むペースト状物を用いた場合と同様に、電極(半導体チップ)と基板(銅板)を電気的かつ機械的に接合することが可能になる。尚、加熱接合材料(M)を構成する有機溶媒(S)は、加熱焼結する際に分解または蒸発等により除去される。
銅ナノ粒子(P1)の表面(、場合によっては酸化膜や有機保護層)には、100ppm以上2100ppm以下の塩素、200ppm以上4100ppm以下の臭素および100ppm以上2000ppm以下のフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を、下記の(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で含有している。

C=(塩素の含有量(ppm)/2100)+(臭素の含有量(ppm)/4100)
+(フッ素の含有量(ppm)/2000)・・・・(1)
加熱接合材料(M)における、有機溶媒(S)/金属粒子(P)の割合(質量比)は、パターニングと焼結性を考慮し、安定した接合力を得るためには10/90〜70/30が望ましいが、シート状成形体(T1)またはペースト状物(T2)のいずれを選択するかによって、その割合が決定される。
加熱接合材料(M)は、公知の混合機や捏和機等を使用して、金属粒子(P)を有機溶媒(S)に分散させることにより得ることができる。
〔4〕接合構造体の製造方法
本発明の接合構造体の製造方法は、第1の基材(B1)および第2の基材(B2)の間に、前記金属粒子(P)の分散溶液を用いて形成したシート状またはペースト状の加熱接合材料(M)を配置した後、この加熱接合材料(M)を無加圧下または加圧下で加熱して焼結することによって接合層(L)を形成する工程を含んだものである。
上記シート状成形体(T1)またはペースト状物(T2)を焼結させることにより、第1の基材(B1)および第2の基材(B2)同士を接合する接合層(L)を有する接合構造体を形成することができる。例えば、加熱接合材料(M)を半導体チップ(B1)と基板(B2)との間に配置して被処理体を作製し、その後、この被処理体を真空中でプレス可能な装置に導入する。加熱接合材料(M)がペースト状物(T2)の場合には、接合される面の一方又は両方に塗布や印刷法を用いることにより、接合層(L)を形成することができる。次いでヒータを内蔵したプレス板で被処理体を挟み、その後、真空引きを行って十分に減圧にする。このとき、絶対圧には大気圧分の圧力が加えられているので、それを考慮したゲージ圧にて油圧や空圧により圧力を加えてプレスする。その後、ヒータを加熱して、加熱焼結温度が190〜400℃程度に達したら、その到達温度で10〜120分間程度保持した後、加圧を終了して試料を取り出す。その後、必要に応じて、190〜400℃の大気中ないしは不活性雰囲気、場合によっては水素等の還元雰囲気下で1〜30時間程度のアニール処理をさらに施してもよい。このアニール処理により、接合層における歪みや残留応力が除去され、信頼性をより一層向上させることができる。
上記の接合構造体の製造方法により、加熱接合材料が焼結されて銅ナノ粒子(P1)を含む金属粒子(P)の焼結体からなる接合層(L)が形成され、第1の基材(B1)である半導体チップと、第2の基材(B2)である基板とが、接合層(L)によって接合された半導体デバイスを製造することができる。このように、基板と加熱接合材料、及び該加熱接合材料と半導体チップをそれぞれ接触させた状態で、これらを加熱及び/又は加圧することにより、加熱接合材料12中の銅微粒子が焼結されて、多孔質状の接合層1’が形成され、基板11及び半導体チップ12が互いに接合される。
本発明の方法により形成される接合層(L)の厚みは、0.005〜0.500mmである。接合層(L)の厚みが0.005mm未満では、第1の基材(B1)である半導体チップ(K)の凹凸寸法よりも加熱接合材料(M)の厚さ寸法の方が小さくなり、半導体チップ(K)の接合される面に、加熱接合材料(M)で覆われない部分が発生する可能性が高く、接合信頼性が十分に得られなくなるおそれがあるからである。また、接合層(L)の厚みが0.500mmを超えると、熱抵抗が大きくなる傾向があるため好ましくないからである。したがって、接合層(L)の厚みは、0.005〜0.500mmの範囲とすることが好ましい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例において使用した材料および評価方法を以下に記載する。
〔実施例1:銅ナノ粒子(P1)として有機保護膜付き銅ナノ粒子を用いた場合〕
(1)使用した材料
(イ)銅ナノ粒子(P1)
銅ナノ粒子(P1)として、有機保護膜付き銅ナノ粒子を使用した。
有機保護膜付き銅ナノ粒子は、特開2011−074476号公報の実施例に記載されている方法に倣い、以下の手順で作製した。
まず、高分子分散剤であり、有機保護膜の原料となるポリビニルピロリドン(PVP、数平均分子量約3500)10gを蒸留水1979.3mlに溶解させた水溶液に、銅ナノ粒子(P1)の原料として粒度範囲が0.1〜100μmである水酸化第二銅(Cu(OH))29.268gを添加した。次に、液温を20℃に調整し、窒素ガス雰囲気中で攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウム150mmolと水酸化ナトリウム480mmolを含む水溶液20.73mlを滴下した後、45分間よく攪拌しながら還元反応を行った。尚、還元反応の終了は、反応系からの水素ガスの発生が終了した時点とした。上記還元反応により、有機保護膜(高分子分散剤)で少なくとも一部が覆われた銅ナノ粒子(P1)が水溶液中に分散している銅ナノ粒子(P1)の水溶液が得られた。その後、この水溶液に、抽出剤としてクロロホルム66mlを加えて、銅ナノ粒子(P1)を沈降させてから、遠心分離により固液分離を行い、メタノールを投入して攪拌後、さらに遠心分離により固液分離を行い粒子の洗浄を行った。そして、洗浄を数回行ったのち、有機保護膜付きの銅ナノ粒子(P1)を得た。
この銅ナノ粒子(P1)の有機保護膜の量を、炭素・硫黄濃度分析装置を使用して測定したところ0.6質量%であった。また平均粒径は50nmであった。なお、SEM(日立ハイテクノロジーズ社製、装置名「SU8020」)を用いて、加速電圧3kV、倍率20万倍で観察しSEM画像を取得した。そして、その画像の中から任意の20個の一次粒子を選んで粒径を測定すると共に、それらの粒径の測定値から算出した平均値を平均一次粒径とした。
乾燥状態の銅ナノ粒子(P1)100gを、塩素ガス濃度0.05〜3体積%の窒素希釈塩素ガス中に大気圧下で1時間放置した。吸着槽(修飾槽)の温度は23.5℃とした。ガス濃度を変えて銅ナノ粒子(P1)に吸着した塩素濃度(ppm)を測定したところ、塩素ガス濃度が、0.05体積%で54〜64ppm、0.1体積%で105〜115ppm、0.5体積%で515〜525ppm、1体積%で1011〜1020ppm、2体積%で1972〜2006ppm、そして、3体積%で3020〜3033ppmの塩素を含有していた。
臭素については、飽和臭素溶液に窒素ガスをバブリングすることにより臭素ガスと窒素ガスの混合ガスを作製した。なおガス吸着(修飾)時間は50分間、飽和臭素溶液の温度は20℃、そして、吸着(修飾)槽の温度は23.5℃とした。ガス濃度を変えて銅ナノ粒子(P1)に吸着した臭素濃度(ppm)を測定したところ、臭素ガス濃度が、0.05体積%で48〜60ppm、0.1体積%で203〜232ppm、0.5体積%で982〜992ppm、1体積%で2001〜2034ppm、2体積%で4032〜4089ppm、そして、3体積%で6225〜6238ppmの臭素を含有していた。
フッ素については、塩素と同様に窒素希釈ガス中で実験を行った。なお吸着(修飾)時間は45分間、吸着槽(修飾槽)の温度は23.5℃とした。ガス濃度を変えて銅ナノ粒子(P1)に吸着したフッ素濃度(ppm)を測定したところ、フッ素ガス濃度が、0.025体積%で59〜67ppm、0.05体積%で108〜118ppm、0.25体積%で495〜507ppm、0.5体積%で1005〜1023ppm、1体積%で1894〜2012ppm、そして、2体積%で4023〜4045ppmのフッ素を含有していた。
なお、銅ナノ粒子(P1)に、塩素、臭素およびフッ素のうち、複数のハロゲン成分を含有させる場合には、銅ナノ粒子(P1)を一種類のガスごとに順次ガスに暴露した。例えば塩素、臭素およびフッ素を含有(修飾)するものであれば、まず塩素で修飾し、次に臭素で修飾し、最後にフッ素で修飾した。
(ロ)加熱接合材料(M)の調製
実施例1において、グリセリン(グリセロール)20gからなる有機溶媒(S)に、平均一次粒径が50nmの銅ナノ粒子(P1)80gを、乳鉢によって十分混合することで加熱接合材料の中間体を得た。得られた中間体をプレスして、厚み0.5mmのシート体を得、このシート体を切断して、加熱接合材料(M)としてのシート状成形体(T1)を作製した。
(ハ)第1の基材
第1の基材として、長さ、幅、厚さのサイズが7mm×7mm×0.23mmであるシリコンチップに、エッチング処理された面にスパッタにより、Ti(下層)/Ni(中間層)/Au(上層)=100/450/200nmを形成した電子部品を用いた。
(ニ)第2の基材
第2の基材として、調質が半硬質の無酸素銅板からなる基板を用いた。厚さは1.2mmのものを使用した。
(2)評価方法
接続信頼性を以下の方法で評価した。作製したシリコンチップ実装サンプルについて、−55℃で30分と、200℃で30分の冷熱衝撃試験(TCT試験)を行った。信頼性の低いものは低サイクルで故障するので、20回、50回、75回、100回、以降は100回ごとに取り出して、割れや剥離が無いか目視にて検査し、その後、超音波顕微鏡(日立建機社製、装置名「Mi-Scope」)とプローブ(型式「PQ2−13」、50MHz)を使用して、半導体素子(シリコンチップ)からプローブを当てて反射法(プローブから超音波を照射し、設定した深さから反射してくる超音波の強度によってその部分の物質の密度を推定し、それによりその部分が銅か空気かを判断することにより剥離しているかどうかを観察する方法)で観察した。なお、そのとき、チップと基板の界面付近の深さが測れるように装置を調整した。上記測定を行い、剥離面積を評価し、5%以下を故障と定義した。故障と判定されるまでのTCT回数が200回以上である場合を良好「○」、200回未満である場合を不良「×」と判定した。
上記の方法により種々の塩素、臭素、フッ素のハロゲン濃度を有するサンプルを作製し、冷熱衝撃試験(TCT)試験を行い、サンプルの寿命を測定した。ハロゲン濃度とTCTの評価結果を表1に示す。
表1に示す評価結果から、実施例1−1〜1−14は、いずれも銅ナノ粒子(P1)に含有するハロゲン成分(塩素、臭素およびフッ素)の各含有量および総含有量が、本発明の適正範囲内であり、故障が生じないTCTの回数が200回以上であり、良好な信頼性が得られているのが分かる。
これに対し、比較例1−1、1−2、1−4および1−6は、いずれも銅ナノ粒子(P1)に含有するハロゲン成分(塩素、臭素およびフッ素)の各含有量が、本発明の適正範囲よりも少なく、故障が生じないTCTの回数が50回以下であり、信頼性が劣っていた。また、比較例1−3、1−5および1−7は、いずれも銅ナノ粒子(P1)に含有するハロゲン成分(塩素、臭素およびフッ素)の各含有量が、本発明の適正範囲よりも多く、故障が生じないTCTの回数が100回以下であり、余剰のハロゲン成分に起因した腐食による不良が生じて信頼性が劣っていた。さらに、比較例1−8〜1−11は、いずれも、銅ナノ粒子(P1)に含有するハロゲン成分(塩素、臭素およびフッ素)の総含有量が、本発明の適正範囲よりも多く、故障が生じないTCTの回数が100回以下であり、余剰のハロゲン成分に起因した腐食による不良が生じて信頼性が劣っていた。
〔実施例2:銅ナノ粒子(P1)として酸化膜付き銅ナノ粒子を用いた場合〕
(1)使用した材料
(イ)銅ナノ粒子(P1)
銅ナノ粒子(P1)として、酸化膜付き銅ナノ粒子(大陽日酸製、TN-Cu100)を使用した。この粒子の粒径は、レーザー回折法で測定し、D50が255nmであり、酸化膜の厚さは、TEMで観察して5nmであった。
乾燥状態の銅ナノ粒子(P1)100gを塩素ガス濃度0.05〜3体積%の窒素希釈塩素ガス中に大気圧下で1時間40分放置した。吸着槽(修飾槽)の温度は23.5℃とした。ガス濃度を変えて銅ナノ粒子(P1)に吸着した塩素濃度(ppm)を測定したところ、塩素ガス濃度が、0.05体積%で39〜48ppm、0.1体積%では103〜112ppm、0.5体積%で593〜604ppm、1体積%で1005〜1032ppm、2体積%で2008〜2036ppm、そして3体積%で3028〜3043ppmの塩素を含有していた。
臭素については、飽和臭素溶液に窒素ガスをバブリングすることにより臭素ガスと窒素ガスの混合ガスを作製した。なおガス吸着(修飾)時間は1時間25分、飽和臭素溶液の温度は20℃、吸着槽(修飾槽)の温度は23.5℃とした。ガス濃度を変えて銅ナノ粒子(P1)に吸着した臭素濃度(ppm)を測定したところ、臭素ガス濃度が、0.05体積%で56〜66ppm、0.1体積%で208〜230ppm、0.5体積%で936〜948ppm、1体積%で2002〜2009ppm、2体積%で3982〜4023ppm、そして、3体積%で6022〜6039ppmの臭素を含有していた。
フッ素については、塩素と同様に窒素希釈ガス中で実験を行った。なお吸着(修飾)時間は1時間5分、吸着槽(修飾槽)の温度は23.5℃とした。ガス濃度を変えて銅ナノ粒子(P1)に吸着したフッ素濃度(ppm)を測定したところ、フッ素ガス濃度が、0.025体積%で51〜59ppm、0.05体積%で102〜116ppm、0.25体積%で524〜533ppm、0.5体積%で1008〜1024ppm、1体積%で1985〜2018ppm、そして、2体積%で3991〜4006ppmのフッ素を含有していた。
なお、銅ナノ粒子(P1)に、塩素、臭素およびフッ素のうち、複数のハロゲン成分を含有させる場合には、銅ナノ粒子(P1)を一種類のガスごとに順次ガスに暴露した。例えば塩素、臭素およびフッ素を含有(修飾)するものであれば、まず塩素で修飾し、次に臭素で修飾し、最後にフッ素で修飾した。
(ロ)加熱接合材料(M)の調製
実施例2において、グリセリン(グリセロール)15gからなる有機溶媒(S)に、平均一次粒径100nmの銅ナノ粒子(P1)85gを、乳鉢によって十分混合することで加熱接合材料の中間体を得た。得られた中間体をプレスして、厚み0.5mmのシート体を得、このシート体を切断して、加熱接合材料(M)としてのシート状成形体(T1)を作製した。
(ハ)第1の基材
第1の基材として、長さ、幅、厚さのサイズが7mm×7mm×0.23mmであるシリコンチップに、エッチング処理された面にスパッタにより、Ti(下層)/Ni(中間層)/Au(上層)=100/450/200nmを形成した電子部品を用いた。
(ニ)第2の基材
第2の基材として、調質が半硬質の無酸素銅板からなる基板を用いた。厚さは1.2mmのものを使用した。
(2)評価方法
接続信頼性を以下の方法で評価した。作製したシリコンチップ実装サンプルについて、−55℃で30分と、200℃で30分の冷熱衝撃試験(TCT試験)を行った。信頼性の低いものは低サイクルで故障するので、20回、50回、75回、100回、以降は100回ごとに取り出して、割れや剥離が無いか目視にて検査し、反射法で半導体素子裏面から金属部材表面まで入るようにゲートを調整し、剥離の測定を行った。剥離面積が10%を超えるまで、以降100回ごとに取り出して同様の方法で検査した。その後、超音波顕微鏡(日立建機社製、装置名「Mi-Scope」)とプローブ(型式「PQ2−13」、50MHz)を使用して、半導体素子(シリコンチップ)からプローブを当てて反射法で観察した。なお、そのとき、チップと基板の界面付近の深さが測れるように装置を調整した。上記測定を行い、剥離面積を評価し、5%以下を故障と定義した。故障と判定されるまでのTCT回数が200回以上である場合を良好「○」、200回未満である場合を不良「×」と判定した。
上記の方法により種々の塩素、臭素、フッ素のハロゲン濃度を有するサンプルを作製し、冷熱衝撃試験(TCT)試験を行い、サンプルの寿命を測定した。ハロゲン濃度とTCTの評価結果を表2に示す。
表2に示す評価結果から、実施例2−1〜2−14は、いずれも銅ナノ粒子(P1)に含有するハロゲン成分(塩素、臭素およびフッ素)の各含有量および総含有量が、本発明の適正範囲内であり、故障が生じないTCTの回数が200回以上であり、良好な信頼性が得られているのが分かる。
これに対し、比較例2−1、2−2、2−4および2−6は、いずれも銅ナノ粒子(P1)に含有するハロゲン成分(塩素、臭素およびフッ素)の各含有量が、本発明の適正範囲よりも少なく、故障が生じないTCTの回数が50回以下であり、信頼性が劣っていた。また、比較例2−3、2−5および2−7は、いずれも銅ナノ粒子(P1)に含有するハロゲン成分(塩素、臭素およびフッ素)の各含有量が、本発明の適正範囲よりも多く、故障が生じないTCTの回数が100回以下であり、余剰のハロゲン成分に起因した腐食による不良が生じて信頼性が劣っていた。さらに、比較例2−8〜2−11は、いずれも、銅ナノ粒子(P1)に含有するハロゲン成分(塩素、臭素およびフッ素)の総含有量が、本発明の適正範囲よりも多く、故障が生じないTCTの回数が100回以下であり、余剰のハロゲン成分に起因した腐食による不良が生じて信頼性が劣っていた。
本発明によれば、例えば半導体チップ等の電子部品(第1の基材)や、基板、電極等(第2の基材)の各基材と、接合層とを加熱・焼結(焼成)して接合する際に、還元性ガスなどの危険なガスを使用しなくても、接合される基材表面を活性化する金属粒子の分散溶液を提供可能とし、特に信頼性試験(熱衝撃試験やパワーサイクル試験)を厳しい条件下で実施したとしても、信頼性の高い接合を実現した接合構造体を製造することができる。

Claims (5)

  1. 平均一次粒径が2〜500nmである銅ナノ粒子(P1)を含む金属粒子(P)を有機溶媒(S)に分散させた金属粒子の分散溶液の製造方法であって、
    前記銅ナノ粒子を、塩素ガス、臭素ガスおよびフッ素ガスの群から選択される少なくとも1種以上のハロゲンガスを含有する処理ガス中に曝して、前記銅ナノ粒子に、100ppm以上2100ppm以下の塩素、200ppm以上4100ppm以下の臭素および100ppm以上2000ppm以下のフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を、下記の(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で含有させる工程と、
    C=(塩素の含有量(ppm)/2100)+(臭素の含有量(ppm)/4100)+(フッ素の含有量(ppm)/2000)・・・・(1)
    前記ハロゲン成分を含有させた銅ナノ粒子を含む金属粒子(P)を前記有機溶媒(S)に混合する工程と
    を含むことを特徴とする、金属粒子の分散溶液の製造方法。
  2. 前記少なくとも1種以上のハロゲン成分は、銅ナノ粒子を構成する表面側部分に存在していることを特徴とする請求項1に記載の金属粒子の分散溶液の製造方法
  3. 前記銅ナノ粒子(P1)を構成する表面側部分は、前記銅ナノ粒子(P1)の表面の少なくとも一部として酸化膜(F1)および有機保護膜(F2)の少なくとも一方の膜を含み、前記少なくとも1種以上のハロゲン成分が、前記銅ナノ粒子(P1)の表面、酸化膜(F1)および有機保護膜(F2)の少なくとも一つに存在していることを特徴とする請求項2に記載の金属粒子の分散溶液の製造方法
  4. 前記有機溶媒(S)は、分子内に2個以上の水酸基をもつ1種または2種以上の多価アルコール(A1)を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属粒子の分散溶液の製造方法
  5. 第1の基材と第2の基材との間に配置され、かつ前記第1の基材および前記第2の基材同士を接合する接合層を有する接合構造体の製造方法であって、
    銅ナノ粒子(P1)を、塩素ガス、臭素ガスおよびフッ素ガスの群から選択される少なくとも1種以上のハロゲンガスを含有する処理ガス中に曝して、前記銅ナノ粒子に、100ppm以上2100ppm以下の塩素、200ppm以上4100ppm以下の臭素および100ppm以上2000ppm以下のフッ素の群から選択される少なくとも1種以上のハロゲン成分を、下記の(1)式に示すCの値が1以下となる総含有量の範囲内で含有させる工程と、
    C=(塩素の含有量(ppm)/2100)+(臭素の含有量(ppm)/4100)+(フッ素の含有量(ppm)/2000)・・・・(1)
    前記ハロゲン成分を含有させた銅ナノ粒子を含む金属粒子(P)を有機溶媒(S)に混合することにより分散溶液を得る工程と
    前記第1の基材および前記第2の基材の間に、前記分散溶液を用いて形成したシート状またはペースト状の加熱接合材料を配置した後、該加熱接合材料を無加圧下または加圧下で加熱して焼結することによって前記接合層を形成する工程
    を含むことを特徴とする接合構造体の製造方法。
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