JP6284202B2 - 静電気分布計測装置および静電気分布計測方法 - Google Patents

静電気分布計測装置および静電気分布計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体製造、電子機器製造、精密機械製造、輸送機械製造、化学品製造および食品製造などの様々な製造現場において、製造工程において用いられる部品や製品における静電気分布を計測して可視化する静電気分布計測装置および静電気分布計測方法に関する。
我が国は、半導体製造、電子機器製造、精密機械製造、輸送機械製造、化学品製造および食品製造など、産業の根幹を支える様々な製造業を有している。このような製造業における実際の製造を受け持つ工場においては、多くの部品が生産ラインを流れながら、自動工程あるいは人為工程で製品が組み立てられている。
ここで、製品を製造する部品に不具合や不良があったり、製造工程に不具合や不良があったりすると、当然ながら製造される製品も不具合や不良品となり、製造の歩留まりが下がる問題がある。あるいは部品に問題がなくとも、製造後の製品に種々の理由で不具合や不良が生じることもある。前者および後者のいずれにも係る問題として、自動化された製造工程において、各工程での動作不良が生じると、製造速度(製造効率)が下がったり、製品の製造歩留まりが下がったりする問題がある。
従来は大企業を中心に、研究、開発、設計、製造、品質管理、販売までの一連の流れが垂直統合的に行われていることが多かった。このような垂直統合型の企業においては、製造現場で生じうる製造品(完成品や半完成品)の品質不足や歩留まり低下と開発や設計での対応は、同一企業内部でフィードバック、フィードフォワードしやすい環境にあった。
一方で、近年においては、同一企業において製造コストの問題から製造部門(すなわち製造工場)が子会社化されたり、受託製造だけを行う製造企業が現れたりしている。同様に、研究・開発だけを行って、製造を行わないファブレス企業なども、電気分野、情報通信分野などを中心に興隆している。
このように、現在の製造業においては、開発や設計を行う領域と実際の製造を行う領域とに、物理的、時間的、技術的、人的な乖離があることが多くなってきている。このような乖離がある場合には、製造現場で生じる品質不足や歩留まり劣化について、製造現場と開発現場との間で、フィードバックやフィードフォワードすることが困難である。この困難によって、我が国の製造業(製造のみを請け負う受託製造会社、製造子会社、ファブレス企業などを含む)における製造力が低下している懸念がある。
製造現場における品質や歩留まりの劣化原因には様々なものがある。設計と製造の容易性、製造現場の熟練度、製造工程のフロー、製造設備、人的スキルなどの不可避の原因もあるが、見落とされがちな原因の一つは、静電気である。すなわち、このような部品、製品あるいは製造工程での不具合や不良の原因には、様々なものがあるが、原因の一つとして静電気が考えられる。
製造工場においては、このような静電気による部品、製品、製造工程などへの悪影響を考慮して、除電や放電、工場の建物、床、壁などの静電気防止、作業者の服装の静電気防止の工夫など、静電気が部品、製品、製造工程へ影響を及ぼさない工夫がなされている。実際の製造工場においては、床面、壁、コンベアラインなどを、作業開始前に除電したり、除電用のアースが設けられたりして、製造工場内部で静電気が発生したり、製造工程で用いられる部品や製品が静電気を帯びないように工夫がなされている。
また、製造工場においては、製造工程で用いられる部品を予め除電するなどの工夫も行われている。同様に、作業者も、除電を行ってから作業を開始する工夫も行っている。
このように、製造工場においては、静電気の悪影響を抑える工夫が様々に施されている。このような工夫にも係らず、製造工程で用いられる部品や製品が、静電気を帯びてしまう問題は完全に解決されていない。例えば、製造工場で製造される電子機器、精密機器などは、低消費電力化が進んでいる。低消費電力化に伴い、これら電子機器や精密機器の製造に用いられる部品は、静電気放電能力を低下させてしまっている。このため、これら電子機器や精密機器の製造に用いられる部品は、静電気を帯びて、簡単に故障してしまうことも多い。
このような電子機器や精密機器の製造に用いられる部品には、様々な種類のものがある。例えば、樹脂やビニールで作られた部品(コネクタ、画面用カバー、筐体など)も、数多く使用される。これらの部品は、一定の大きさを有しており、静電気を帯びると、予測不能な挙動を生じることがある。例えば、複数の部品が、コンベアラインを流れて一定の位置に配置される工程に入ったり、画像処理による外観検査の工程に入ったりする。このような工程においては、コンベアラインに投入された複数の部品が、投入間隔を保ってコンベアラインを流れることが望まれる。
しかしながら、このような部品が静電気を帯びていると、コンベアラインにおいて、部品同士が静電気によって近づいたり反発して遠ざかったりなどの挙動を生じさせる。場合によっては、隣接する部品同士がくっついたりする。このような挙動を生じてしまうと、上述の配置工程や外観検査工程において、適切な実施処理ができなくなってしまう。
配置工程や外観検査工程において、このような部品の予測不能な挙動が生じてしまうと、一旦、コンベアラインを停止させる必要がある。この挙動は、静電気に起因しているとの予測は付くものの、対策としては、コンベアラインや工程状の機器、さらにはコンベアラインに投入される部品の全てに、除電を施すしかない。このような除電作業によって、コンベアラインが停止されると、製造工場においては、大きな損害が生じる。除電作業(場合によっては半日や1日を要する)の間、製造作業が停止するからである。
ここで、このような部品が上述のような挙動を生じさせるのは、静電気が原因であろうことは分かっているが、実際の挙動に至るメカニズムはほとんど解明されていない。特に、部品同士が近づいたり遠ざかったりなどの、異なる挙動を示すこともあれば、全く挙動を示さないこともある。このため、部品に帯電している(と考えられる)静電気が、部品においてどのように分布しているのかが、分からないことには、挙動に至るメカニズムの解明が困難である。メカニズムの解明が困難であれば、当然に上述のような挙動を防止する対策案の検討もできない。
あるいは、携帯電話機やスマートフォンなどの画面上に取り付けられる樹脂やビニールなどで形成されるカバーは、その材質や面積の大きさから、静電気を帯びやすい。このような部品が、電子機器や精密機器の組立工程で用いられる場合に、やはり部品が静電気を帯びていると、静電気によって設置位置が勝手にずれたりしてしまうことがある。こうなると当然に組み立てられる機器は、不良品となってしまう。
この場合も、部品が静電気を帯びていることが原因であることは予想がつくが、挙動と静電気帯電との関連性が分からない。この関連性が分からないと、問題の解決を図ることができない。すなわち、部品等に、どのような静電気の帯電が起きているかを、明確に把握することが、製造工程で生じる問題解決の前提である。言い換えれば部品などにおいて、静電気がどのような分布で帯電しているかを確認できることが、部品の挙動解明の前提条件である。
同様に、プリンタのように静電気を利用する機器においては、静電気帯電を利用する部品の静電気分布が確認されることが必要である。
このように、製造工程における静電気に起因すると思われる様々な問題を解決する前提や、静電気を利用する部品の性能や特性を確認する前提において、部品等の静電気分布を計測し、さらには可視化できることが望まれている。
このような静電気分布を計測する方法として、いくつかの技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特表2001−522045号公報 特開昭63−138374号公報
ここで、従来技術における静電気計測には、主に次の5つの方式が提案されている。しかしながら、それぞれの方式は、静電気計測、特に製造現場での部品や製品での静電気を計測するに際して、下記に記載するように問題を有している。
(方式1)ファラデーケージ
ファラデーケージは、計測対象物を、電荷を計測できるケージの中に収容して、計測対象物をコンデンサと見立ててその電荷量を計測することで、計測対象物の帯電量を計測する。
しかしながら、ファラデーケージの場合には、計測対象物を一つずつケージの中に収容する必要があり、数万個から数百万個もの電子部品や機械部品が次々とライン上を流れる製造現場においては、実用には非現実的である。ファラデーケージは、少数の対象物の帯電量を、丁寧に計測しなければならない場合に適しており、大量生産を前提とする電子機器、輸送機器、化学品、食品などの工場においては、不適である。
(方式2)表面電位計
表面電位計は、計測対象物の表面にプローブを近接させて計測対象物の電界量を計測して、静電気量を計測する。
しかしながら、表面電位計を用いて静電気分布を計測する場合には、センサを走査させる必要があり、多大な時間を要する。また、短時間で静電気分布を計測するためにセンサを並列させても、1個のセンサが小型化できないため、高い空間分解能を得ることができない問題がある。
(方式3)ポッケルス効果を用いた方法
ポッケルス効果は、誘電体の等方性結晶において外部から電界をかけると、その電界に比例して光の屈折率が変わる現象である。これを利用して、計測対象物の表面に所定の媒体(ポッケルス結晶体)を設置し、この媒体に光を照射したときの反射光や透過光の屈折率を検出することで、静電気を計測する。
しかしながら、ポッケルス効果は結晶に強い電界を印加することが必要であり、低感度であることから、実際にはサンプルを接触させることや、高い電位のサンプルのみしか測定することができないため、研究開発現場や生産現場における静電気可視化への適応は非現実的である。
(方式4)カー効果を用いた方法
カー効果は、物質に外部から電界をかけると、その電界に2乗に比例して光の屈折率が変化する現象であり、この電気光学特性を計測することで、静電気を計測することができる。
しかしながら、カー効果は、変化の検出が非常に難しく、微小な電子部品などの静電気量を計測することは非常に難しく、製造現場での適用は困難である。
(方式5)走査型プローブ顕微鏡
走査型プローブ顕微鏡は、計測対象物に対してプローブを走査させながら静電気量を計測する。
しかしながら、走査型プローブ顕微鏡は、作業の手間も大きく、装置も大掛かりになる問題がある。
このような方式を踏まえて、特許文献1は、静電気顕微鏡(プローブ顕微鏡)によって、静電気を計測する技術を開示している。
しかしながら、このような静電気顕微鏡を用いた静電気計測は、装置が大掛かりとなって、計測できる対象物が限られたり、計測できる環境が限られたりする。また、特許文献1の技術を応用して、対象物の静電気分布を計測しようとする場合には、対象物を走査して計測する必要がある。走査して計測しなければならない場合には、当然ながら作業時間が掛かってしまい、製造工程でコンベアラインを流れている実際の部品の静電気分布を計測することは難しい。
また、走査による計測時間が掛かってしまうことは、計測の間に静電気の帯電状況が変わってしまうことに対応できない問題を生じさせる。このため、ある瞬間における静電気分布を正確に計測することができない問題がある。
特許文献2は、電極を用いて対象物に光を照射して、反射光を受けることで、その変化に基づいて対象物の静電気を計測する。特許文献2に開示される技術も、対象物の静電気分布を計測することに応用される場合には、走査を行わなければならず、走査時間を必要とすることに起因する特許文献1と同じ問題を有している。
また、上述した表面電位計は、対象物の静電気を離隔した状態で計測できる。しかしながら、対象物の静電気分布を計測するためには、プローブ顕微鏡と同じく、対象物の表面を走査して計測する必要がある。走査を必要とすることは、特許文献1、2と同じ問題を有することになる。加えて、表面電位計は、対象物における微細領域に絞り込んで計測することが難しい。表面電位計は、対象物の広い範囲を拾い上げるようにして電位を計測してしまうからである。具体的には、表面電位計は、対象物に対して裾野を広げるようにして、電位を計測してしまう。
このため、表面電位計は、計測における分解能が低い問題を有している。分解能が低ければ、当然に正確な静電気分布を計測できない。
以上のように従来技術の静電気計測方法やこれを応用した技術では、高い空間分解能かつ短時間で静電気分布を計測することが困難であった。
本発明は、上記課題に鑑み、簡便な装置でありながら、高い空間分解能を基礎にして短時間で対象物の静電気分布を計測する静電気分布計測装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の静電気分布計測装置は、計測対象物の計測面における静電気分布を計測する静電気分布計測装置であって、振動によって計測面における複数領域のそれぞれで生じる電界を受信するアレイアンテナと、アレイアンテナを振動させる振動手段と、アレイアンテナが受信した複数領域のそれぞれでの電界の強度、周波数および位相の少なくとも一つを計測する計測手段と、計測手段での計測結果に基づいて、複数領域のそれぞれでの静電気量を算出する算出手段と、複数領域のそれぞれでの静電気量に基づいて、計測面における静電気分布を描画する描画手段と、を備え、アレイアンテナは、複数領域のそれぞれに対応する複数のアンテナ素子を有する。
本発明の静電気分布計測装置は、簡便な構成でありながら、一定の面積を有する部品や製品などの静電気分布を計測できる。更に、静電気分布計測装置は、計測した結果を、把握しやすいように可視化することもできる。
また、本発明の静電気分布計測装置は、短時間で計測できるので、静電気分布の特性を正確に測ることができる。静電気は時間経過に伴って大きく変化するが、本発明を用いれば、計測時間中の変動による計測誤差が減少する。この結果、例えば製造現場の製造ラインを流れている部品や製品の静電気分布を、その場所でリアルタイムに計測できる。
問題例を説明する模式図である。 表面電位計による計測対象物200の静電気分布を計測する状態を示す模式図である。 走査型プローブ計測装置による計測対象物200の静電気分布を計測する模式図である。 本発明の実施の形態1における静電気分布計測装置のブロック図である。 算出手段5が算出した計測面210での、複数領域211のそれぞれでの静電気量を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における描画手段によって描画された静電気分布を示す模式図である。 本発明の実施の形態2における静電気分布計測装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2における算出手段の内部ブロック図である。 本発明の実施の形態2における重み付けと算出される静電気量との関係を示すテーブルである。 従来技術の代表例である表面電位計(静電誘導型、振動容量型)での、計測対象物の計測面の電界を測定する場合と、本発明のアンテナ素子(モノポール型アンテナ)で計測対象物の計測面の電界を測定する場合との違いを示す実験結果である。 本発明の実施の形態2における静電気分布の実験状態を示す説明図である。
本発明の第1の発明に係る静電気分布計測装置は、計測対象物の計測面における静電気分布を計測する静電気分布計測装置であって、振動によって計測面における複数領域のそれぞれで生じる電界を受信するアレイアンテナと、計測対象物もしくはアレイアンテナを振動させる振動手段と、アレイアンテナが受信した複数領域のそれぞれでの電界の強度、周波数および位相の少なくとも一つを計測する計測手段と、計測手段での計測結果に基づいて、複数領域のそれぞれでの静電気量を算出する算出手段と、複数領域のそれぞれでの静電気量に基づいて、計測面における静電気分布を描画する描画手段と、を備え、アレイアンテナは、複数領域のそれぞれに対応する複数のアンテナ素子を有する。
この構成により、静電気分布計測装置は、計測対象物の計測面において、細密に分割された領域のそれぞれでの静電気量に基づいて、アナログ的に静電気分布を計測できる。
本発明の第2の発明に係る静電気分布計測装置では、第1の発明に加えて、計測対象物は、製造現場で使用される、電子部品、電子素子、半導体集積素子、電子基板、電子機器、機械部品、輸送用機器、化学品、食品、紙製品、セラミックス材料、プラスチック材料、高分子材料、フィルム製品、ゴム製品、樹脂製品、金属製品、薬品および繊維製品のいずれかの製品要素である。
この構成により、静電気分布計測装置は、製造現場で使用される様々な部品や製品における静電気分布を計測できる。
本発明の第3の発明に係る静電気分布計測装置では、第1又は第2の発明に加えて、製品要素は、製造現場における製造ラインを流れる。
この構成により、製造ラインを流れる部品や製品の静電気による問題解決の上方が得られる。
本発明の第4の発明に係る静電気分布計測装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、複数領域は、計測対象物において、アレイアンテナと対向する面である計測面に仮想的に設けられる。
この構成により、アレイアンテナの備えるアンテナ素子のそれぞれが、対応する領域の電界を受信・検出できる。
本発明の第5の発明に係る静電気分布計測装置では、第4の発明に加えて、複数領域のそれぞれは、アレイアンテナが備える複数のアンテナ素子に対向する領域によって区分される。
この構成により、アレイアンテナの備えるアンテナ素子のそれぞれが、対応する領域の電界を受信・検出できる。
本発明の第6の発明に係る静電気分布計測装置では、第5の発明に加えて、複数領域のそれぞれの面積は、アンテナ素子の受信指向性に基づいて、定められる。
この構成により、アンテナ素子の指向性の集束性が高ければ、非常に細密な複数領域の電界が受信できる。結果として、静電気分布計測装置は、より細密な分割に基づいて精度の高い静電気分布を計測できる。
本発明の第7の発明に係る静電気分布計測装置では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、複数のアンテナ素子は、所定格子状に並んでおり、複数領域のそれぞれは、計測対象物において、所定格子状に対応して区分される。
この構成により、静電気分布計測装置は、所定格子状となる複数領域の静電気量に基づいて、より高い精度での静電気分布を計測できる。
本発明の第8の発明に係る静電気分布計測装置では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、複数のアンテナ素子のそれぞれは、複数領域の面積に集中する指向性を有する。
この構成により、静電気分布計測装置は、より細密な複数領域のそれぞれの静電気量に基づいて、高い精度で静電気分布を計測できる。
本発明の第9の発明に係る静電気分布計測装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、振動手段は、アレイアンテナが固定された状態で計測対象物を振動させる、もしくは計測対象物が固定された状態でアレイアンテナを振動させる、ことで、計測対象物とアレイアンテナとが相対的に振動している状態を形成する。
この構成により、振動手段は、振動によって確実に電界を発生できる。
本発明の第10の発明に係る静電気分布計測装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、算出手段は、計測対象物または前アレイアンテナの振幅に基づいて信頼性値を算出し、電界の強度に基づいて算出される静電気量と電界の位相に基づいて算出される電気的極性に信頼性値を重み付けして、複数領域それぞれの静電気量を算出する。
この構成により、算出手段は、より正確に静電気量を算出できる。
本発明の第11の発明に係る静電気分布計測装置では、第10の発明に加えて、信頼性値は、計測対象物またはアレイアンテナの振幅が小さい場合に小さく、計測対象物の振幅が大きい場合に大きい。
この構成により、算出手段は、信頼性値を効率的に用いて、静電気量を算出できる。
本発明の第12の発明に係る静電気分布計測装置では、第1から第11のいずれかの発明に加えて、算出手段は、複数領域のそれぞれの静電気量を、当該領域の絶対値として算出し、描画手段は、複数領域のそれぞれでの絶対値としての静電気量を、所定の補間を行うことで、計測対象物の計測面での静電気分布を描画する。
この構成により、描画手段は、複数領域ごとに算出された静電気量をアナログ的な静電気分布とすることができる。
本発明の第13の発明に係る静電気分布計測装置では、第12の発明に加えて、所定の補間は、線形補間を含む。
この構成により、描画手段は、容易かつ確実に補間できる。
本発明の第14の発明に係る静電気分布計測装置では、第1から第13のいずれかの発明に加えて、描画手段が描画した、計測面の静電気分布を表示する表示手段を、更に備える。
この構成により、静電気分布計測装置は、描画された静電気分布を、作業者に示すことができる。
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
(参考説明)
まず、様々な部品や製品が静電気を帯びることで生じる問題例を説明する。図1は、問題例を説明する模式図である。図1では、製造ライン100を部品101A〜101Eが流れている様子を示している。部品101A〜101Eは、製造工程で用いられたり、外観検査の対象となったりすることで、製造ライン100を流れる。このとき、製造工程での適正な処理や外観検査での容易性のために、複数の部品101は、所定間隔を保ったままで流れることが好ましい。
図1(A)では、複数の部品101A〜101Eのそれぞれが、所定間隔かこれに近い間隔を保って流れている様子が示されている。
しかしながら、部品101A〜101Eが、何らかの理由で図1(B)に示すようにその間隔を変化させることもある。例えば、図1(B)では、部品101Aと部品101Bとが反発しあって離隔している。一方、部品101Cと部品101Dとが、ひきつけあって近接している。このような離隔や近接が生じれば、当然ながら、複数の部品101同士の間隔が変化してしまう。この間隔の変化は、製造工程や外観検査において好ましくない。
この部品101同士の離隔や近接などの原因には、静電気が予想されている。部品101のそれぞれが静電気に帯電することで、相互の反発や相互の近接などが生じていると考えられる。しかしながら、実際においては、静電気がどのように影響を与えているのかは明確に確認されていない。さらに言えば、部品101のそれぞれがどのような状態で静電気に帯電しているかが分からない。すなわち、部品101が静電気に帯電しているだろうとは考えられるが、どのような分布で静電気に帯電しているかは、確認されていない。
このような製造工程での問題を解決する前提として、部品101の静電気分布が計測される必要がある。
(表面電位計による限界)
図2は、表面電位計による計測対象物200の静電気分布を計測する状態を示す模式図である。表面電位計300は、従来技術で説明したように、計測対象物からの電位を計測することで、計測対象物200の計測面における静電気を計測できる。ここで、計測対象物200の計測面を、複数領域201A〜201Dに仮想的に分割されると仮定して、表面電位計300が、分割された複数領域201A〜201Dのそれぞれの静電気を計測する。この複数領域201A〜201Dのそれぞれの静電気が計測されれば、計側面の静電気分布が把握できる。
しかしながら、図2にあるように、表面電位計300は、計測対象物200の計測面に対して、末広がりに計測面積を広げて計測対象領域202を生じさせる。このため、計測対象領域202が、計測面において非常に広くなってしまい、複数領域201A〜201Dのそれぞれに収束した静電気の計測が行えない問題を生じさせる。
当然に、ある領域201での静電気を測定しているはずであるのに、表面電位計300は、隣接する領域201の静電気も含んで計測してしまう。表面電位計は、スカラー値としての静電気量を計測するので、この計測された静電気量は、特定の領域201だけでなく、隣接する周囲の領域201の静電気量を含んだ値となってしまう。図2では、計測対象領域202は、領域201Bだけでなく(本来は、この201Bが目的)隣接する領域201A,201Cも含んでいる。
このように、表面電位計300は、静電気分布の計測に必要となる複数領域ごとの静電気量を、きちんと領域201ごとに区切って計測できない。すなわち、空間分解能が低い。この結果、当然ながら、計測対象物200の正確な静電気分布を計測することは困難である。
(走査型プローブ計測)
図3は、走査型プローブ計測装置による計測対象物200の静電気分布を計測する模式図である。走査型プローブ310が、計測対象物200の表面を順々にプローブすることで、計測対象物200の計測面全体のそれぞれの位置での静電気量を計測できる。この結果、計測対象物200の計測面の静電気分布を計測できる。
しかしながら、計測面全体を順々にプローブすることは時間が非常に掛かる。また、その手間も非常に掛かる。時間が掛かることによって、ある瞬間の正しい静電気分布を計測することはできない。このため、走査型プローブ計測装置によっても、計測対象物200の正確な静電気分布を計測することは困難である。
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。
(全体概要)
図4は、本発明の実施の形態1における静電気分布計測装置のブロック図である。静電気分布計測装置1は、計測対象物200の静電気分布を計測する。
計測対象物200は、上述のように説明した静電気に帯電しうる可能性のある様々な部品や製品である。例えば、計測対象物200は、製造現場で使用される電子部品、電子素子、半導体集積素子、電子基板、電子機器、機械部品、輸送用機器、化学品、食品、紙製品、セラミックス材料、プラスチック材料、高分子材料、フィルム製品、ゴム製品、樹脂製品、金属製品、薬品および繊維製品のいずれかである。もちろん、これ等は例示であり、これら以外の部品や製品が、計測対象物200であってもよい。
静電気分布計測装置1は、アレイアンテナ2、振動手段3、計測手段4、算出手段5、描画手段6を、備える。
振動手段3は、計測対象物200およびアレイアンテナ2の少なくとも一方を振動させる。このとき、計測対象物200とアレイアンテナ2とが、相対的に振動している状態が形成されれば良いので、振動手段3は、計測対象物200のみを振動させても良いし、アレイアンテナ2のみを振動させても良い。あるいは、振動手段3は、計測対象物200とアレイアンテナ2の両方を振動させて、相互に相対的に振動している状態を形成しても良い。
アレイアンテナ2は、複数のアンテナ素子21を備えている。このアレイアンテナ2は、このアンテナ素子21によって、計測対象物200の計測面210における複数領域211のそれぞれで生じる電界を受信する。計測対象物200は、その形状は種々であるが、アレイアンテナ2と対向する面である計測面210を有する。
アレイアンテナ2は、この計測面210に対向する。更に、複数のアンテナ素子21のそれぞれは、計測対象物200の計側面210を任意であって仮想的に区分した複数領域211のそれぞれに対向する。すなわち、複数領域211のそれぞれは、アンテナ素子21に対応して区分される。
計測対象物200は、アレイアンテナ2との間で相対的に振動する。この振動によって電荷振動が生じ、電界が発生する。アンテナ素子21のそれぞれは、複数領域211のそれぞれであって、自身が対向する領域211の電界を受信する。例えば、複数のアンテナ素子21の内であるアンテナ素子21は、対向している領域211の電界を受信する。
アレイアンテナ2は、複数のアンテナ素子21を備えているので、アレイアンテナ2は、複数のアンテナ素子21を用いて、複数領域211のそれぞれで発生している電界を受信できる。すなわち、アレイアンテナ2は、計測面210において、アンテナ素子21に対応して区分された複数領域211のそれぞれでの電界を、個別に受信できる。
アレイアンテナ2は、アンテナ素子21のそれぞれが受信した複数領域211のそれぞれの電界を、計測手段4に送信する。
計測手段4は、複数領域211のそれぞれでの電界の強度、周波数および位相の少なくとも一つを計測する。電界は、強度、周波数および位相の少なくとも一つの要素を有している。計測手段4は、アレイアンテナ2から受け取った電界が有するこれらの要素の一つを少なくとも計測できる。計測手段4は、計測したこれらの強度、周波数および位相の少なくとも一つを、算出手段5に出力する。
算出手段5は、受け取った電界の強度、周波数および位相の少なくとも一つに基づいて、複数領域211のそれぞれでの静電気量または静電気の電気的極性を算出する。例えば、算出手段5は、電界の強度から、複数領域211におけるある領域211での電位を算出できる。この電位は、当該領域211の静電気量を示している。すなわち、この電位に基づいて、算出手段5は、当該領域211の静電気量を算出できる。
あるいは、電界の周波数や位相も静電気量を示すパラメーターの一つとしてこれらも含めた上で、算出手段5は、領域211の静電気量を算出してもよい。
このように、複数のアンテナ素子21が並んだアレイアンテナ2によって、計測対象物200の計測面210を区分した複数領域211のそれぞれでの静電気量を、個別に算出することができる。
算出手段5は、算出した複数領域211のそれぞれでの静電気量を、描画手段6に出力する。
描画手段6は、複数領域211のそれぞれでの静電気量に基づいて、計測面210における静電気分布を描画する。算出手段5が算出した複数領域211のそれぞれでの静電気量を、個別に算出したに過ぎない。複数領域211のそれぞれでの静電気量をスカラー値で算出しただけであるので、一つの複数領域211を一つの値としてしか把握するしかできない。
描画手段6は、算出された隣接する領域211の静電気量を用いてある領域211の静電気量を補間処理することで、この領域211を単一の値ではなく、変化も含んだ値として把握することができる。
図5は、算出手段5が算出した計測面210での、複数領域211のそれぞれでの静電気量を示す模式図である。図5に示される図は、算出手段5が算出した状態を可視化したものであり、計測対象物200の計測面210の複数領域211のそれぞれの静電気量を示している。色味の違いは、静電気量の値の大小を示している。なお、算出手段5での算出結果であって、これを計測対象物200に置き換えるとこのような静電気を有しているとの図面であって、計測対象物200の図面ではない。
図5からわかる通り、算出手段5で算出された複数領域211のそれぞれの正電気量は、複数領域211のそれぞれでの個別の値である。このため、複数領域211のそれぞれにおいて、単一の値として静電気量が算出されている状態である。
この状態から、描画手段6によって、所定の補間等の処理がなされると、アナログ的な静電気量の分布が把握されるようになる。図6は、本発明の実施の形態1における描画手段によって描画された静電気分布を示す模式図である。図6に示されるように、複数領域211のそれぞれでのデジタル的な静電気量の表示から、全体のアナログ的な分布が分かる表示に変わっている。
静電気分布計測装置1は、描画手段6によって描画された静電気分布図によって、計測対象物200の計測面210におけるアナログ的な静電気分布を計測できる。このアナログ的な静電気分布は、より実際に即した静電気分布を示していると考えられる。すなわち、図6に示される状態が、静電気分布計測装置1によって計測される計測対象物200の静電気分布である。
このようにして、静電気分布計測装置1は、種々の部品や製品などの製造ラインを流れるあるいは流れる可能性のある製品要素の静電気分布を計測できる。
次に各部の詳細について説明する。
(計測対象物)
計測対象物200は、上述のように静電気の影響を受けることが好ましくないと考えられる様々な部品や製品である。
静電気分布計測装置1は、この計測対象物200の静電気分布を計測する。このために、計測対象物200は、振動手段3によってアレイアンテナ2との間で相対的に振動する。この振動によって、計測対象物200は、仮想的な電荷振動に基づく電界を発生させる。
計測対象物200がどのような形状を有しているにしても、アレイアンテナ2と対向する面を有している。この対向する面が計測の対象となる計測面210となる。静電気分布計測装置1は、計測面210の静電気分布をアナログ的な分布図として表示することを目的としている。このため、アレイアンテナ2が、計測面210と対向して振動によって生じる電界を受信する。
このとき、分布図として静電気分布を計測するために、計測面210を、複数の区画である複数領域210に分けて、アレイアンテナ2は電界を受信する。このため、計測対象物200の計測面210は、複数の区画である複数領域210に仮想的に区分される。もちろん、この複数領域210は、静電気分布計測のための便宜的なものであるので、実際に計測面210に区分線が引かれているわけではない。
この複数領域210が細かければ細かいほど、計測面210の静電気分布をより精密に計測できる。しかしながら、この複数領域210のそれぞれの領域210の個別の静電気量が正確に算出される必要がある。実施の形態1の静電気分布計測装置1では、計測対象物200の振動とアレイアンテナ2とによって、これを解決しようとしている。
このため、複数領域211のそれぞれは、アレイアンテナ2が備える複数のアンテナ素子21に対向する範囲によって区分される。すなわち、アンテナ素子21のそれぞれが対向する範囲が、複数領域211の一つの領域211になる。このため、アンテナ素子21の性能(主に空間分解能)によって、計測面210において区切られる複数領域211のそれぞれの範囲は決定される。
このため、複数領域211の数は、アレイアンテナ2のアンテナ素子21の数によって定まる。
また、同じ理由で複数領域211のそれぞれの面積は、アンテナ素子21の受信指向性に基づいて定められる。より詳細には、アンテナ素子21の空間分解能によって、複数領域211のそれぞれの面積が定められる。
以上のように、対向するアレイアンテナ2が備えるアンテナ素子の数、間隔、性能などに基づいて、計測面210において複数領域211が仮想的に形成される。
計測対象物200は、静電気量の計測を受けたい対象物である。工場のラインなどを流れる種々の部品や製品である。特に、静電気に帯電しうる可能性のある様々な部品や製品である。例えば、計測対象物200は、製造現場で使用される電子部品、電子素子、半導体集積素子、電子基板、電子機器、機械部品、輸送用機器、化学品、食品、紙製品、セラミックス材料、プラスチック材料、高分子材料、フィルム製品、ゴム製品、樹脂製品、金属製品、薬品および繊維製品のいずれかである。もちろん、これ等は例示であり、これら以外の部品や製品が、計測対象物200であってもよい。
例えば、半導体や液晶といった分野の製造現場では、計測対象物200は、部品パッケージ、電子部品、半導体集積部品、半導体ウェハー、液晶ガラス材など、製造ラインを流れるものであったり、装置類、梱包材、作業者のような作業主体であったりする。また、電機・電子分野の製造現場では、計測対象物200は、電子部品、電子素子、電子基板、電子機器であったり、装置類や梱包材であったりする。
また、化学品分野の製造現場では、計測対象物200は、化学品、繊維製品、フィルム製品などである。食品や薬品分野の製造現場では、計測対象物200は、食品、薬品、絶縁材料、装置などである。樹脂やフィルム分野の製造現場では、計測対象物200は、樹脂製品、樹脂部材、フィルム製品、フィルム部材などを始めとして、絶縁材料などを含む。同様に、機械や輸送機器の分野では、計測対象物200は、機械部品、輸送用機器、導電材料、パッケージなどを含む。また、紙や繊維製品の分野の製造現場では、計測対象物200は、紙や繊維製品を含む。金属分野の製造現場では、計測対象物200は、金属製品、金属材料などを含む。
(アレイアンテナ)
アレイアンテナ2は、複数のアンテナ素子21の集合体である。複数のアンテナ素子21が、計測対象物200の計測面210に対向している。この対向によって、アンテナ素子21のそれぞれは、仮想的に区分された領域211のそれぞれに対向する。
ここで、アンテナ素子21のそれぞれは、複数領域211のそれぞれの面積に集中する指向性を有する。すなわち、アンテナ素子21は、高い収束性を有する指向性を有しており、対向面となる領域211に集中して、その電界を受信する指向性を有している。この指向性によって、アンテナ素子21は、計測対象物200が振動することによって生じる電界において、対向する複数領域211のそれぞれの領域211の電界に集中して受信できる。
例えば、アンテナ素子21の径が小さく先端の導電体の突出が短ければ、アンテナ21の指向性は、対向する狭い領域に集中しやすくなる。この集中によって、アンテナ21は、ある領域211の電界を集中的に受信できる。対向するある領域211以外の領域211の電界も合わせて受信してしまうことによる、受信精度の低下が防止できる。
このように、複数のアンテナ素子21の集合体であるアレイアンテナ2によって、アレイアンテナ2は、高い空間分解能を有する。この高い空間分解能によって、計測対象物200の計測面210を、より細かな領域211に分割した状態で、領域211のそれぞれでの電界を受信できる。このより細かな領域211に分割された計測面210の電界受信によって、静電気分布計測装置1は、計測面210におけるより詳細な静電気分布を計測できる。
複数のアンテナ素子21は、所定格子状に並んでいることも好適である。すなわち、アレイアンテナ2は、所定格子状に並んだ複数のアンテナ素子21の集合体である。この場合には、所定格子状に並んだ複数のアンテナ素子21に合わせて、計測面210の複数領域211の区分も定められることになる。
もちろん、複数のアンテナ素子21は、格子状以外の形態で並んでいても良い。この場合であっても、複数領域211は、複数のアンテナ素子21の並び方に合わせて区分されればよい。
なお、アレイアンテナ2は、算出手段5などを備える部材と独立した部材として設けられても良いし、同一の部材に含まれて設けられても良い。
(振動手段)
振動手段3は、アレイアンテナ2と計測対象物200とを、相対的に振動させる。このため、振動手段3は、アレイアンテナ2を固定した状態で、計測対象物200を振動させても良い。あるいは、振動手段3は、計測対象物200を固定した状態で、アレイアンテナ2を振動させても良い。あるいは、振動手段3は、計測対象物200とアレイアンテナ2の両方を振動させてもよい。これらのいずれかによって、振動手段3は、アレイアンテナ2と計測対象物200とのそれぞれを相対的に振動させることができる。
(計測手段)
計測手段4は、アレイアンテナ2より出力された電界の強度、周波数および位相の少なくとも一つを計測する。電界は、強度、周波数および位相の要素を有している。これらの要素のそれぞれは、電界の根源である電荷(この電荷は、静電気の帯電によって生じている電荷である)の電位やその符号(正か負)を示す。
計測手段4は、受信した電界をデータ処理することで、その強度を計測する。必要に応じて時間周波数変換することで、周波数や位相も計測できる。計測手段4による強度、周波数および位相の計測は、公知の技術が用いられればよく、詳細の説明はここでは省略する。一般的な信号処理が用いらえればよい。
計測手段4は、強度、周波数および位相の全てを計測しても良いし、必要に応じて、これらの一つを計測しても良い。もちろん、これら要素の複数を計測しても良い。計測手段4は、計測したこれらの結果を、算出手段5に出力する。このため、計測手段4と算出手段5とは、電気的に接続されている。電気的な接続は、有線もしくは無線によるネットワーク接続で実現されれば良い。
(算出手段)
算出手段5は、計測手段4から出力された計測結果である電界の強度、周波数および位相の少なくとも一つに基づいて、領域211の静電気量を算出する。このとき、算出手段5は、強度、周波数および位相のいずれか一つのみに基づいて、静電気量を算出しても良いし、強度、周波数および位相の複数の要素の組み合わせに基づいて、静電気量を算出しても良い。
いずれにしても、電界の強度、周波数および位相は、発生している静電気の状態を示す指標であって、算出手段5は、これらの要素に基づいて、静電気の電位やその符号を推定することができる。
(対応関係式に基づく算出)
算出手段5は、電界の強度と静電気量との対応関係式に基づいて、領域211の静電気量を算出することもできる。例えば、電界強度と静電気量との対応関係を示す対応関係式が予め定められている。
算出手段5は、この対応関係式に、電界の値を投入することで、領域211の静電気量を算出する。このとき、複数の領域211のそれぞれの電界の値から、複数の領域211の静電気量を算出できる。結果として、計測面210において区分されている複数領域211のそれぞれでの静電気量を算出できる。この算出結果は、図5に示されるようにイメージされる。
(関係テーブルを用いた算出)
また、算出手段5は、電界の強度と静電気量との対応関係を示す関係テーブルに基づいて、静電気量を算出しても良い。対応関係式と異なり、離散値に基づく算出となるが、処理負荷が小さいメリットがある。関係テーブルは、経験的に変更やアップデートされることが可能であり、算出手段5は、使用の積み重ねに応じて、より精度の高い静電気量の算出を行える。
関係テーブルは、対応関係式と同様に、算出手段5が備えるメモリに記憶されれば良い。メモリは、算出手段5が備えても良いし、算出手段5や他の要素に共通となるメモリであってもよい。
また、算出手段5は、対応関係式および関係テーブルの少なくとも一方に基づいて静電気量を算出すれば良く、計測対象物200の特性や計測現場の特性に応じて、いずれを用いるかを適宜選択すればよい。また、場合によっては、算出手段5は、対応関係式および関係テーブルの両方を用いて静電気量を算出しても良い。
また、ここでの対応関係式および関係テーブルは、電界の強度と静電気量との関係を示すものであるが、電界の周波数または位相と静電気量との関係を示すものであってもよい。
また、算出手段5は、強度を、周波数による補正を行ってから、対応関係式や関係テーブルに代入することで、周波数に依存する要素を補正した上で、静電気量を算出することも好適である。
また、算出手段5が電界の強度に基づいて、対応関係式および関係テーブルの少なくとも一つに基づいて静電気量を算出することを説明したが、電界の周波数に基づいて、対応関係式および関係テーブルの少なくとも一つに基づいた静電気量を算出することでも良い。
また、算出手段5は、周波数に基づく補正を行って静電気量を算出しても良い。
(描画手段)
描画手段6は、算出手段5が算出した複数の領域211のそれぞれでの静電気量に基づいて、計測面210の静電気分布を描画する。算出手段5が算出した複数領域211のそれぞれでの静電気量は、領域211のそれぞれでの単一の値としての静電気量である。すなわち、図5に示される状態である。
このままでは、領域211の面積に基づく区分け毎での絶対値が表示されるに過ぎない。これでも、静電気分布の一例としての指針とはなるが、領域211の区分ごとにデジタル的な離散値となっているレベルに留まっている。このため、よりアナログ的に計測面210全体での静電気分布を把握するのには、不十分である。図5に示される領域211ごとの静電気量は、領域211での静電気量の単一の絶対値であるからである。
描画手段6は、領域211ごとの静電気量の値(図5の状態)に基づいて、所定の補間を行うことで、図6のような計測面210全体に渡ってのアナログ的かつ連続的な静電気分布を示す静電気分布図を描画する。
所定の補間は、ある領域211の静電気量を、その周囲の領域211の静電気量で補間することで、ある領域211の静電気量の値を補正する。この補正においては、領域211全体を一つとして補正するだけでなく、領域211を更に細かく区分した状態で補正してもよい。このような補正により、計測面210での静電気分布のより連続的な描画が実現される。
補間は、例えば線形補間が用いられればよい。もちろん、線形補間以外の種々の補間の方式が用いられればよい。補間が用いられることで、図6のように連続的な静電気分布図が得られる。
計測対象物200の計測面210におけるこのような静電気分布は、結局は計測対象物200の静電気分布を示している。このように、静電気分布が得られることで、図1を用いて説明したような、部品や製品の静電気帯電に基づくと考えられる不可解な挙動の原因を探ることができると考えられる。
例えば、図6のような静電気分布を計測することができることで、計測対象物200である部品や製品の不可解な挙動原因を探ることができるようになる。この挙動原因が探ることができれば、図1で説明したような問題を始めとした、製造工程や検査工程などでの、様々な問題を解消できることが期待できる。
以上、実施の形態1における静電気分布計測装置1は、計測対象物200の静電気分布を、より精密な精度でかつ正確に測定できる。この測定結果を活用して、静電気帯電が原因と思われる部品や製品の不可解な挙動の原因を、解決できると考えられる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
(表示手段)
図7は、本発明の実施の形態2における静電気分布計測装置のブロック図である。図4と同じ要素に加えて、表示手段7が追加されている。図4と同じ符号の要素については、説明を省略する。
表示手段7は、描画手段6が描画した静電気分布図(例えば、図6)を、表示する。この表示によって、作業者は、計測対象物200の静電気分布の状態を、視覚的に容易に把握できる。例えば、表示手段7は、専用のモニターであってもよい。あるいは、計測手段4〜描画手段6が、汎用のパーソナルコンピューターで実現される場合には、このパーソナルコンピューターが備えるモニターが、この表示手段7の役割を担っても良い。
表示手段7が備わっていることで、作業者は静電気分布を視覚的に容易に把握できるだけでなく、表示された静電気分布図を基に、種々の解析を行う事もできる。あるいは対策を練ることもできる。
実施の形態1で説明した計測手段4〜描画手段6のそれぞれは、専用のハードウェアで実現されても良いし、ソフトウェアで実現されても良い。もちろんハードウェアとソフトウェアの混在によって実現されても良い。また、簡単には、計測手段4〜描画手段6の一部において必要な部分のみが、専用のハードウェアで実現され、残りは、パーソナルコンピューターで実現されてもよい。この場合には、計測手段4〜描画手段6においてソフトウェアで実現できる要素については、パーソナルコンピューター上で動作可能なソフトウェアとして実行される。
例えば、ソフトウェアに対応するコンピュータープログラムが、ROMやRAMに記憶され、パーソナルコンピューターにおけるCPUで実行されればよい。このCPUによる実行によって、計測手段4〜描画手段6の動作が実行される。その後に、描画された静電気分布図が、パーソナルコンピューターのモニターである表示手段7に表示される。
このように表示まで行われることで、静電気分布計測装置1は、計測した静電気分布を、作業者に容易に把握させることができる。
(重み付けによる静電気量の算出)
次に、算出手段5における静電気量の算出の工夫について説明する。
算出手段5は、実施の形態1にて説明したように、電界の強度に基づいて、領域211の静電気量を計測する。このとき、アンテナ素子21と領域211との位置関係や周囲の環境によって、電界の強度が影響を受けることがある。この場合には、計測手段4で計測される電界の強度が、正確でない可能性もある。
算出手段5は、このような電界の受信における環境依存性を更に排除するために、計測対象物200(要は領域211)の振幅に基づく信頼性値を用いて、静電気量の算出精度を更に向上させることもできる。図8は、本発明の実施の形態2における算出手段の内部ブロック図である。図8は、算出手段5が、信頼性値を用いて、静電気量の算出精度を向上させる場合の構成を示している。
算出手段5は、信頼性値算出手段51、重み付け処理部52、静電気量算出手段53を備える。信頼性値算出手段51は、計測対象物200の振幅に基づいて、信頼性値を算出する。振幅が大きい場合には、アンテナ素子21に到達した電界は、周囲の環境の影響を余り受けていないと考えられる。一方、その振幅が小さい場合には、アンテナ素子21に到達した電界は、周囲の環境の影響を受けていると考えられる。周囲の環境の影響を受けている場合には、ノイズやフェージングなどによって、影響が出るからである。
信頼性値算出手段51は、振幅と所定値とを比較して、信頼性値の指標となる数値を算出する。例えば、振幅を4段階に分類できるようにし、一番低い段階から一番高い段階にかけて、値「0」〜値「3」で分類する。
信頼性値算出手段51は、算出した信頼性値を重み付け処理部52に出力する。重み付け処理部52は、信頼性値を電界の強度に乗算して重み付けする。すなわち、信頼性値が大きい場合(値「3」など)には、重み付け後の電界の強度は大きくなる。一方、信頼性値が小さい場合(値「1」など)の場合には、電界の強度は小さくなる。電界の強度は、信頼性値に従って、その大きさが補正されることになる。
静電気量算出手段53は、この重み付け後の強度に基づいて、静電気量を算出する。図9は、本発明の実施の形態2における重み付けと算出される静電気量との関係を示すテーブルである。算出手段5は、このテーブルを用いて、信頼性値に従った重み付けによって、周辺環境に合わせた静電気量を算出できる。
テーブルの縦軸は、信頼性値を示しており、信頼性の高いほうから、値「3」、「2」、「1」、「0」を表示している。算出手段5が、電子回路、半導体集積回路およびソフトウェアで構成される場合には、2ビットの信号で、信頼性値が表される。テーブルの横軸は、計測手段4で計測された重み付け前の電界の強度であり、単位系は特に考慮していない。重み付け処理部52は、この強度に対して、信頼性値による重み付けを行う。この重み付けされた強度に基づいて、静電気量算出手段53が静電気量を算出する。テーブルの内部の各々に記載された値は、静電気量算出手段53によって算出された静電気量である。なお、単位系は考慮されていない。
このテーブルに示されるように、計測対象物の振幅に基づく信頼性値を、静電気量算出の重み付けに用いることで、信頼性値が低い場合には、静電気量が少なく(あるいは多く)算出される。これにより、周辺環境を考慮した静電気量が、算出手段5によって算出されることになる。
なお、信頼性値算出手段51は、計測対象物振幅に基づいて信頼性値を算出するが、その他の要素に基づいて信頼性値を算出しても良い。振幅の平均値や分散などが用いられる。また、図9に示されるテーブルは、信頼性値が低いほうが、静電気量が小さくなる関係を示しているが、逆に信頼性値が低いほうが、静電気量が大きくなる関係に基づいて、算出手段5は、静電気量を算出しても良い。
以上のように、実施の形態2における静電気量計測装置1は、電界の要素に基づく信頼性値によって、周辺環境を考慮した高い精度で、静電気量を計測できる。
(実験結果)
発明者によって行われた実験結果について説明する。
(アンテナ素子の空間分解能の高さ)
図10は、従来技術の代表例である表面電位計(静電誘導型、振動容量型)での、計測対象物の計測面の電界を測定する場合と、本発明のアンテナ素子(モノポール型アンテナ)で計測対象物の計測面の電界を測定する場合との違いを示す実験結果である。図10の実験は、発明者によってなされたものである。
図10の上左側は、表面電位計で測定する様子を示している。図10の上右側は、本発明のアンテナ素子であるモノポール型アンテナで測定する様子を示している。計測面からの距離が2mmの場合でも5mmの場合でも、本発明での場合のグラフの傾きは、急峻に落ち込んでいる。すなわち、計測面の所定領域以外の電界の影響を受けにくいことが分かる。
これに対して、従来技術の表面電位計では、傾きが緩やかになっており、計側面の所定領域(計測したい領域)以外からの電界の影響を受けていることが分かる。図10の右側の表においては、センサーと計測面との距離に対して、横方向からの影響を割合で示している。図10の右側の表に示されるとおり、本発明のアンテナ素子であるモノポール型アンテナ(図10では本研究と表示)は、横方向からの影響が割合としても非常に小さいことがわかる。すなわち、計測面の所定領域以外の電界の影響を受けにくいことが分かる。
このように、本発明のアンテナ素子21は、計測面210を細密に区分した領域211のそれぞれでの正確な電界を受信することができる。
(算出手段および描画手段の正確性)
図11は、本発明の実施の形態2における静電気分布の実験状態を示す説明図である。図11に関する実験は、発明者によって行われたものである。
ここで、発明者は、静電気分布計測装置1の正確性を確認するために、計測対象物200に、図11の左下の写真および図面に示されるように、複数の貫通孔250を設けている。貫通孔250は、当然に部材がない状態であるので、静電気に帯電することはない。
このような貫通孔250を有する計測対象物200について、実施の形態1,2で説明した処理によって、算出手段5は、まず領域211ごとの静電気量を算出する。算出手段5によって算出された結果は、図11の右上の静電気量結果500である。
更に、描画手段6が、この静電気量結果500に線形補正を行うことで、最終的な静電気分布図600を描画する。ここで、静電気分布図600から明らかな通り、貫通孔250の部分は色味が無い(色味が濃いほど静電気量が大きく、薄いほど静電気量が小さい)。すなわち、静電気に帯電していないことを示している。上述の通り、貫通孔250にはそもそも静電気が帯電しないので、静電気分布計測装置1による計測は、この点でも問題なく計測できていることがわかる。
以上のように、実験結果からも、静電気分布計測装置1の精度や確実性が確かめられた。
また、実施の形態1、2で説明された静電気分布計測装置は、静電気分布計測方法として把握されても良い。
以上、実施の形態1〜2で説明された静電気分布計測装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 静電気分布計測装置
2 アレイアンテナ
21 アンテナ素子
3 振動手段
4 計測手段
5 算出手段
6 描画手段
7 表示手段
200 計測対象物
210 計測面
211 領域

Claims (15)

  1. 計測対象物の計測面における静電気分布を計測する静電気分布計測装置であって、
    振動によって前記計測面における複数領域のそれぞれで生じる電界を受信するアレイアンテナと、
    記アレイアンテナを振動させる振動手段と、
    前記アレイアンテナが受信した前記複数領域のそれぞれでの前記電界の強度、周波数および位相の少なくとも一つを計測する計測手段と、
    前記計測手段での計測結果に基づいて、前記複数領域のそれぞれでの静電気量を算出する算出手段と、
    前記複数領域のそれぞれでの静電気量に基づいて、前記計測面における静電気分布を描画する描画手段と、を備え、
    前記アレイアンテナは、前記複数領域のそれぞれに対応する複数のアンテナ素子を有する、静電気分布計測装置。
  2. 前記計測対象物は、製造現場で使用される、電子部品、電子素子、半導体集積素子、電子基板、電子機器、機械部品、輸送用機器、化学品、食品、紙製品、セラミックス材料、プラスチック材料、高分子材料、フィルム製品、ゴム製品、樹脂製品、金属製品、薬品および繊維製品のいずれかの製品要素である、請求の範囲第1項記載の静電気分布計測装置。
  3. 前記製品要素は、製造現場における製造ラインを流れる、請求の範囲第2項記載の静電気分布計測装置。
  4. 前記複数領域は、前記計測対象物において、前記アレイアンテナと対向する面である前記計測面に仮想的に設けられる、請求の範囲第1項から第3項のいずれか記載の静電気分布計測装置。
  5. 前記複数領域のそれぞれは、前記アレイアンテナが備える複数の前記アンテナ素子に対向する領域によって区分される、請求の範囲第4項記載の静電気分布計測装置。
  6. 前記複数領域のそれぞれの面積は、前記アンテナ素子の受信指向性に基づいて、定められる、請求の範囲第5項記載の静電気分布計測装置。
  7. 前記複数のアンテナ素子は、所定格子状に並んでおり、前記複数領域のそれぞれは、前記計測対象物において、前記所定格子状に対応して区分される、請求の範囲第1項から第6項のいずれか記載の静電気分布計測装置。
  8. 前記複数のアンテナ素子のそれぞれは、前記複数領域の面積に集中する指向性を有する、請求の範囲第1項から第7項のいずれか記載の静電気分布計測装置。
  9. 前記振動手段は、前記計測対象物が固定された状態で前記アレイアンテナを振動させることで、前記計測対象物と前記アレイアンテナとが相対的に振動している状態を形成する、請求の範囲第1項から第8項のいずれか記載の静電気分布計測装置。
  10. 前記算出手段は、前記アレイアンテナの振幅に基づいて信頼性値を算出し、前記電界の強度に基づいて算出される静電気量と前記電界の位相に基づいて算出される電気的極性に前記信頼性値を重み付けして、前記複数領域それぞれの静電気量を算出する、請求の範囲第1項から第9項のいずれか記載の静電気分布計測装置。
  11. 前記信頼性値は、前記振幅が小さい場合に小さく、前記振幅が大きい場合に大きい、請求の範囲第10項記載の静電気分布計測装置。
  12. 前記描画手段は、前記複数領域のそれぞれでの静電気量の値に基づいて、所定の補間を行うことで、前記計測対象物の前記計測面での静電気分布を描画する、請求の範囲第1項から第11項のいずれか記載の静電気分布計測装置。
  13. 前記所定の補間は、線形補間を含む、請求の範囲第12項記載の静電気分布計測装置。
  14. 前記描画手段が描画した、前記計測面の静電気分布を表示する表示手段を、更に備える、請求の範囲第1項から第13項のいずれか記載の静電気分布計測装置。
  15. 計測対象物の計測面での静電気分布を計測する静電気分布計測方法であって、
    振動によって前記計測面における複数領域のそれぞれで生じる電界を受信するアレイアンテナを振動させる振動ステップと、
    前記アレイアンテナが受信した前記複数領域のそれぞれでの前記電界の強度、周波数および位相の少なくとも一つを計測する計測ステップと、
    前記計測ステップでの計測結果に基づいて、前記複数領域のそれぞれでの静電気量を算出する算出ステップと、
    前記複数領域のそれぞれでの静電気量に基づいて、前記計測対象物における静電気分布を描画する描画ステップと、を備え、
    前記アレイアンテナは、前記複数領域のそれぞれに対応する複数のアンテナ素子を有する、静電気分布計測方法。
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