JP5914015B2 - 除電装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電気で帯電した対象物を、コロナ放電により生成されたイオン化空気で除電する除電装置および方法に関する。
半導体基板などの電子部品の製造および組立において、電子部品あるいはそれらを扱うための器具などに静電気が帯電していると、ほこりなどの異物が電子部品に付着したり、放電により電子部品内の回路が破壊されたりすることがある。これを防止するため、静電気で帯電した対象物にイオン化空気を吹き付けることで対象物を除電するイオナイザーと呼ばれる除電装置が、従来から用いられている(特許文献1から4参照)。
イオン化空気を生成するには、一般に、直流または交流のコロナ放電が利用される。コロナ放電により生成されたイオン化空気は、一般には、圧縮空気やファンにより対象物に向けて吹き付けられる。
交流のコロナ放電を利用する除電装置としては、特許文献3,4に示されたものもある。これらの文献には、交流のコロナ放電で生じるイオンのバランスのずれ(disparity)を防ぎ、被除電体(対象物)が完全に除電されずに負または正の電位に帯電することを防ぐ技術が開示されている。たとえば、特許文献3の図4には、交流コロナ放電電極と接地されたプレート電極上の被除電体との間に、格子状のグリッド電極が設けられた構成が示されている。グリッド電極は、ダイオードと抵抗を介して接地される。また、特許文献4には、帯電体(対象物)の帯電電位に応じて、放電電極と対向する接地電極と接地電位との間の抵抗値を可変に制御することが開示されている。
特開2007-287368号公報 特開2006-196380号公報 特開昭52−30440号公報 特開平04−206378号公報
直流型のコロナ放電型除電装置において、搬送イオン量の調整は、一般に、放電電極への印加電圧により行われる。すなわち、放電電極への印加電圧が高いほど、搬送イオン量が多くなる。ここでいう「直流型」とは、電源電圧として一定の正または負の電圧を用いる場合だけでなく、交流電圧を正側または負側にシフトさせて、すなわち交流電圧に直流バイアスを与えて、正または負の一方のイオンが優勢となるようにする場合も含むものとする。
ここで、たとえば対象物が正に帯電しているものとする。この場合、放電電極には負の電圧が印加される。除電開始時には、正に帯電している対象物と、負の電圧が印加されている放電電極との電位差が大きく、大量のイオンを対象物に搬送することができる。しかし、対象物がある程度除電されてその電位が低くなると、対象物の周囲の電界が弱まり、イオンが対象物へと移動する力が弱くなってしまう。イオンが移動する力が弱くなると、除電に時間がかかることになる。
本発明は、このような課題を解決し、除電に要する時間を短縮することのできる除電装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点によると、帯電している対象物の静電気を除去する除電装置において、対象物と逆極性のイオン化空気を放電により生成する放電電極と、放電電極により生成されたイオン化空気が通過する孔を有する補助電極と、補助電極と対象物との間の空間にイオン化空気を加速する電界を形成する電界形成手段とを備え、電界形成手段は、前記補助電極の電位を制御し、除電の開始時には、補助電極に対象物と逆極性の電位を発生させて電界を生じさせ、前記対象物の極性が除電開始時と逆になる前であって、対象物の電位の絶対値が所定の値以下となるとき、補助電極の電位を除電開始時よりも小さくして、電界を小さくする制御装置を有することを特徴とする除電装置が提供される。
電界形成手段は、補助電極と接地電位との間の抵抗値を変化させて補助電極の電位を変化させる抵抗値可変手段を有することができる。抵抗値可変手段は、抵抗器と、除電開始時には抵抗器を介して補助電極を接地電極に接続し、除電終了時には抵抗器を介することなく補助電極を接地電位に接続するスイッチとを有することができる。
補助電極として、少なくともその一部が網状に形成された電極を用いることができる。
対象物の電位を測定する電位センサーを備え、この電位センサーにより、対象物の電位が所定の値となるときを検出することができる。また、放電電極により生成されたイオン化空気による対象物の電位の時間変化特性が既知である場合には、対象物の電位が所定の値となるときを、除電が開始されてからの時間により判定することもできる。
本発明の第2の観点によると、帯電している対象物と逆極性のイオン化空気を放電電極からの放電により生成し、生成されたイオン化空気を用いて対象物から静電気を除去する除電方法において、放電電極と対象物との間には、イオン化空気が通過する孔を有する補助電極が配置され、除電の開始時には、補助電極に対象物と逆極性の電位を発生させて補助電極と対象物との間にイオン化空気を加速する電界を生じさせ、対象物の極性が除電開始時と逆になる前であって、対象物の電位の絶対値が所定の値以下となるとき、補助電極の電位を除電開始時よりも小さくして、電界を小さくすることを特徴とする除電方法が提供される。
本発明によると、直流型のコロナ放電型除電装置および方法において、除電に要する時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態に係る除電装置の構成例を説明する図である。 補助電極の構成例を示す図である。 除電装置の除電性能の例を示す図である。 除電装置の除電性能を測定する評価装置の構成例を示す図である。 除電時間を短縮するための原理を説明する図である。 補助電極の極性が対象物と逆極性となる理由を説明する図である。 抵抗器の値に対する除電性能の測定結果を示す図である。 空間電界制御処理を説明するフローチャートを示す。 空間電界制御による除電性能を説明する図である。 放電電極の変形例を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る除電装置10の構成例を説明する図である。この除電装置10は、静電気で帯電した対象物Tと逆極性のイオン化空気を生成し、そのイオン化空気が対象物Tに搬送されることで対象物Tを除電する直流型のコロナ放電型除電装置であり、高圧電源11、放電電極12、補助電極13、電位センサー14、スイッチ15、抵抗器16、接地線17および制御装置18を有して構成されている。
コロナ放電のためには、放電電極12に対向する接地電極が必要となる。そのような接地電極として、補助電極13を兼用してもよく、補助電極13とは別に設けても良い。たとえば、接地電極を、放電電極12から補助電極13への線を取り囲むように設けることができる。また、補助電極13とは別に設けた電極と補助電極13とを、共にコロナ放電のための接地電極として動作させることもできる。
なお除電装置10を構成するこれらの各部は、この除電装置10が用いられる状況に応じた所定の位置に適宜配置されている。
高圧電源11は、対象物Tの電位とは逆極性の直流電圧を放電電極12に供給する。放電電極12は、上述した接地電極との間でコロナ放電を行い、対象物Tと逆極性のイオン化空気を生成する。生成されたイオン化空気は、放電電極12と同じ極性を有しているので放電電極12と反発し、補助電極13の方向に移動する。補助電極13付近に達したイオン化空気は、一部が補助電極13の孔を通過して反対側へ移動し、残りは補助電極13に捕捉されて電流として流れる。後述するようにその電流によって補助電極13には電位が生じ、補助電極13の電位と対象物Tの電位の間で形成される電界の力によってイオン化空気は加速され、対象物Tに到達する。
補助電極13は、放電電極12により生成されたイオン化空気が通過する孔を有し、放電電極12と対象物Tとの間に、対象物Tに対向して配置される。
電位センサー14は、対象物Tの電位と極性を測定する。スイッチ15は、制御装置18の制御に従って、補助電極13を、抵抗器16または接地線17を介して接地する。制御装置18は、放電電極12からの放電の開始または停止の制御や、後述する空間電界制御処理を実行する。
電位センサー14、スイッチ15、抵抗器16、接地線17および制御装置18は、補助電極13と対象物Tとの間の空間の電界を形成する電界形成手段を構成する。除電の開始時には、補助電極13を抵抗器16を介して接地することで、補助電極13に対象物Tと逆極性の電位を発生させて補助電極13と対象物Tとの間に電界を生じさせる。また、電位センサー14により測定される対象物Tの電位の絶対値が所定の値以下となるとき、補助電極13を接地線17を介して接地することで、補助電極13の電位を除電開始時によりも小さくして、補助電極13と対象物Tとの間の電界を小さくする。
[補助電極13の構成例]
図2は、補助電極13の構成例を示す図である。補助電極13としては、少なくともその一部が網状に形成された電極を用いることができる。図2には、そのような電極の例として、線状の導体を編んだ金網(図2(A))、板材を網目(菱型)状に機械加工したエキスパンドメタル(図2(B))、および導体板を打ち抜き加工したパンチングメタル(図2(C))を示す。図2には全体が網状の電極の例を示すが、これは補助電極13のうちの網状の部分を示すものであり、補助電極13の全体が網状であることを意味するものではない。電極材料としては金属が一般的であるが、導電性の樹脂などを用いることもできる。このような網状に形成された電極を補助電極13の少なくとも一部として用いることにより、イオン化空気を通過させると共に、対象物Tとの間に電界を生じさせることができる。
[除電装置の性能評価]
ここで、図1に示す実施の形態に係る除電装置10の動作について説明する前に、除電装置の性能評価について説明する。
一般に除電装置の除電性能は、対象物の帯電電圧が+1000Vから+100Vまたは−1000Vから−100Vになるまでの減衰時間(「除電時間」ともいう)と、イオンのバランスがとれて対象物の帯電電位が一定となる最終的な電位(このときの電圧を「オフセット電圧」という)とにより表される。減衰時間が短いほど、そしてオフセット電圧が0Vに近いほど、除電装置としての性能が優れていることになる。減衰時間を定義する+100Vまたは−100Vという値は、一般的な用途における単なる目安であって、用途によっては、それより小さい値まで速やかに除電されることが要求されることがある。
図3は、除電装置の除電性能の例を示す図である。この場合、減衰時間がt−tで、オフセット電圧がU[V]となっている。
除電性能の測定は、たとえば、図4にその構成例を示すCPM(Charged Plate Monitor)と呼ばれる評価装置で行われる。この評価装置は、平行な金属板21,22、絶縁体23,24、高圧電源25、表面電位計26および表示装置27を備えている。金属板21は、対象物Tを模擬する。金属板21の少なくとも金属板22と反対側の面は外部に露出し、それ以外の部分は、図示せぬ筐体に収められている。金属板21の露出している面には、図示せぬ除電装置からのイオン化空気が当たるようになっている。表面電位計26のセンサー部は、金属板21の表面電位を測定できる位置に配置される。
金属板21,22は、図4では絶縁体23,24として示す1以上の絶縁体で、平行に保たれる。金属板21,22は、150mm×150mm、容量20pF±2pFのものが用いられる。これらの寸法および容量は、8インチウェハを模擬したものである。金属板21は浮いた状態で用いられ、金属板22は接地される。
除電装置の性能を評価する際には、金属板21と22との間に高圧電源25から正または負の1000V以上の電圧を印加し、金属板21を帯電させる。その後、金属板21をフローティング状態とし、除電装置から金属板21に逆極性のイオン化空気を搬送して、金属板21を除電する。このとき、金属板21の電位は、表面電位計26により、非接触で測定される。測定結果は、たとえば、表示装置27に時系列のグラフとして表示される。図3が、表示装置27に表示される測定結果の例に相当する。
[除電時間の短縮]
図5は、除電時間を短縮するための本発明の原理を説明する図である。放電電極31は、コロナ放電によりイオン化空気を生成する。補助電極32は、放電電極31により生成されたイオン化空気が通過する孔を有し、放電電極31と対象物Tとの間に、対象物Tに対向して配置される。孔を通過したイオン化空気は、補助電極32と対象物Tとの間の電界により搬送される。
図5(A)に示すように、対象物Tが1000Vに帯電し、補助電極32が接地されている場合と、図5(B)に示すように、対象物Tが1000Vに帯電し、補助電極32の電位が、対象物Tと逆極性の−300Vとなっている場合を想定する。
対象物Tへのイオンの搬送速度vは、イオン化空気の流速をv、移動度をμ、電界をEとした場合、下記の式で表される。
v=v+μE
一方、対象物Tと補助電極32とが間隔dの平行平板であるとすると、対象物Tと補助電極32との間の電界Eと、対象物Tと補助電極32との間の電圧Vとには、下記の式に示す関係がある。
V=Ed
したがって、対象物Tが1000Vに帯電し、補助電極32が接地されている場合の電界Eは、
E=1000/d
となる。一方、補助電極32の電位が−300Vのときの電界Eは、
E=1300/d
となる。すなわち、放電電極31と対象物Tとの間に補助電極32を設け、補助電極32の極性を対象物Tと逆極性とすることで、補助電極32と対象物Tの空間の電界が大きくなり、対象物Tへのイオンの搬送速度vを速めることができる。搬送速度vが速くなることで、より短時間にイオンが対象物Tに到達するので、除電時間が短縮される。
図6は、補助電極32の極性が対象物Tと逆極性となる理由を説明する図である。
この例では、補助電極32が、抵抗器33を介して接地されている。放電電極31からのイオンの一部が補助電極32に流れ、抵抗器33を経由して接地電位に流れる。その電流をIとする。このとき、補助電極32には、
V=RI
なる電圧が生じる。すなわち、放電電極31から対象物Tと逆極性のイオンを生成して、補助電極32を抵抗器33を介して接地することで、補助電極32の電位を、対象物Tと逆極性(放電電極31と同じ極性)とすることができる。
なお、生成されたイオン化空気は、放電電極31と同じ極性を有しているので、放電電極31と反発する。また、イオン化空気同士も反発する。これらの反発力が大きいので、補助電極32が上述のようにイオン化空気と同じ極性になっても、イオン化空気は補助電極32に向かって流れる。補助電極32に捕捉されずに孔を通過したイオン化空気は、補助電極32と対象物Tとの間の電界から力を受けて、対象物Tに到達する。
補助電極32の電位は、補助電極32に電源を接続して設定することも可能である。しかし、そのための電源が別に必要となり、コストが高くなる。補助電極32を抵抗器33を介して接地することで、補助電極32と対象物Tとの間に、低コストで電界を生じさせることができる。
[補助電極を抵抗を介して接地した場合の評価]
図7は、図6に示す抵抗器33の値を、1GΩまたは100MΩとした場合と、抵器33を介さずに接地した場合の、除電性能の測定結果を示す図である。曲線L1が、抵抗器33の抵抗値が1GΩである場合の除電性能を示し、曲線L2が、抵抗器33の抵抗値が100MΩである場合の除電性能を示し、曲線L3が、抵抗器33を介さずに接地した場合(すなわち補助電極32と接地電位との間の抵抗値が約0Ωとなる場合)の除電性能を示している。
図7に示す測定結果は、図4に示す評価装置で測定して得られたものである。抵抗器33を介して接地する場合については、図4に示す評価装置の金属板21を図6の例に示す対象物Tに相当する位置に設定し、金属板21を−1000V以上の負電圧に帯電させ、放電電極31により正のイオン化空気を発生させる。発生したイオン化空気は、補助電極32と金属板21との間の電界により搬送される。抵抗器33を介さずに直接接地する場合(0Ωの場合)については、基本的には、抵抗器33を介して接地する場合と同様に測定されるが、補助電極32は、図示せぬ接地線を介して直接接地される。図7において、縦軸は金属板21の電位を示し、横軸は時間を示す。
図7に示す測定結果によれば、補助電極32を直接接地した場合の(すなわち補助電極32と接地電位との間の抵抗値が約0Ωの場合の)除電時間に比べ、100MΩまたは1GΩの抵抗器33を介して補助電極32を接地する場合(曲線L1,L2)の除電時間が短い。
なお、抵抗器33の抵抗値を1GΩとした場合には、抵抗器33の抵抗値を100MΩとした場合に比べ、除電開始直後の除電の傾向が緩やかになっている。これは、補助電極32の電圧が高くなり、放電電極31でのイオンの発生量が減少するためと考えられる。
一方、図7に示す測定結果によれば、補助電極32を抵抗器33を介して接地した場合には、抵抗器33を介さずに直接接地した場合に比べ、対象物Tのオフセット電圧が逆極性になっていることがわかる。これは、対象物Tの電位がほぼ0Vに達した後も、電流Iにより補助電極32に電位が発生しており、その電位差による電界によって、イオンが対象物Tに搬送されるためである。これでは、減衰時間により定義される除電時間は短縮されるものの、その後に対象物Tが逆極性に帯電してしまい、実際に除電が完了するまでの時間を短縮することはできない。
これを解決するため、図1に示す除電装置10は、対象物Tの電位が高い間は、補助電極13の電位を高く保ち、搬送されるイオンの量を増やして、減衰時間により定義される除電時間を短縮させ、対象物Tの電位の絶対値がある程度以下になってからは、補助電極13の電位を小さくして搬送されるイオンの量を抑制し、オフセット電圧を小さくする処理(これを「空間電界制御処理」という)を行う。
[除電装置31の動作]
図8は、除電装置10における空間電界制御処理を説明するフローチャートを示す。
除電装置10の電源が投入されると、ステップS1において、制御装置18は、電位センサー14を起動させて対象物Tの電位の測定を開始させ、その測定結果(対象物Tの電位)を取得する。ここでは、対象物Tの電位が、1000V以上(正の値)であるとする。
次に、ステップS2において、制御装置18は、スイッチ15を抵抗器16側に接続させ(初期状態でスイッチ15が抵抗器16側に接続されている場合には、その状態を維持する)、補助電極13を抵抗器16を介して接地させる(補助電極13と接地電位との間に抵抗を接続する)。
次に、ステップS3において、制御装置18は、高圧電源11を起動し、その出力電圧と極性を調整する。これにより高圧電源11は、コロナ放電のための直流電圧を、対象物Tの帯電電位と逆極性で、放電電極12に供給する。放電電極12は、コロナ放電を行い、対象物Tと逆極性(この例の場合、負)のイオン化空気を生成する。
図6を参照して説明したと同様に、補助電極13(図6では、補助電極32)には、補助電極13から抵抗器16(図6では、抵抗器33)を経由して接地電位に流れる電流値と、抵抗器16の抵抗値との積で表される、対象物Tと逆極性の電位が発生する。たとえば、補助電極13に達するイオン電流の90%から98%程度が補助電極13に捕捉されて抵抗器16を介して接地電位に流れ、イオン電流の10%から2%が補助電極13の孔を通過して反対側に移動し対象物Tに流れるものとする。また、放電電極12からの負イオンによる電流が−1μAであるとする。この場合、抵抗器16の抵抗値が100MΩであるとすると、補助電極13には、−90〜−98Vの電圧が発生する。
このように補助電極13に対象物Tと逆極性の所定の電位が発生すると、補助電極13と対象物Tの空間の電界の力によって、生成されたイオン化空気が対象物Tに向けて搬送され、除電が開始される。
このようにして除電が開始されると、ステップS4において、制御装置18は、対象物Tに帯電した静電気が除去されたか否かを判定し、除去されたと判定するまで、この判定処理を繰り返す。この判定処理は、たとえば、電位センサー14による測定結果に基づいて、対象物Tの帯電電位が、0Vまたは0V付近の所定の電圧になったか否かを判定することにより行われる。
対象物Tの静電気が除去されたと判定されると、制御装置18は、ステップS5において、スイッチ15を接地線17側に接続させ、補助電極13を、抵抗器16を介さずに直接接地させる。
その後、処理は終了する。以上のように、空間電界制御処理が行われる。
[実施の形態による効果]
図9は、上述した空間電界制御による除電性能を説明する図である。実線で示した曲線L1、L2、L3は、図7に示したものと同じである。破線で示した曲線L11は、空間電界制御処理による除電された場合の除電性能を示している。この例では、時刻t11において、スイッチ15が、抵抗器16から接地線17側に切り替えられている。
すなわち、除電開始時には、補助電極13に対象物Tと逆極性の電位を発生させて(ステップS2,S3)、補助電極13と対象物Tと間に大きい電界を生じさせる。これにより、より速い搬送速度でイオンが対象物Tに到達するので、減衰時間を短縮することができる。
また、対象物Tの電位が所定の値、たとえば0V付近まで除電されたとき(図9の例では、時刻t11)には、スイッチ15を、接地線17側に接続させ、補助電極13を抵抗器16を介さずに直接接地させて(ステップS5)、補助電極13の電位を0(零)Vにする。これにより、補助電極13と対象物Tとの間の電界を小さくすることができ、対象物Tに搬送されるイオンの量が抑制され、イオンバランスを0V付近で安定させることができる。
また、コロナ放電により生成されたイオン化空気を対象物Tに向けて吹き付けるために、公知の技術では、圧縮空気やファンにより生成された風が用いられる。それに対して、上述した実施の形態では、補助電極13を設けて抵抗器16を介して接地することにより、補助電極13と対象物Tとの間に空間電界が生じるので、圧縮空気やファンなしでもイオンの流れが生じ、対象物Tを除電することができる。
[両極性のイオン発生]
図10は、放電電極の変形例を説明する図である。上述の実施の形態では、放電電極が1個(放電電極12または31)の場合を例に説明したが、図10に示すように、極性の異なる2個の放電電極12−1、12−2を用いることもできる。
すなわち、放電電極12−1は正イオンだけを発生させるための電極とし、放電電極12−2は負イオンだけを発生させる電極とする。放電電極12−1、12−2へ電圧印加は、別々の高圧電源で行ってもよく、共通の高圧電源との接続を切り替えて行ってもよい。また、放電電極12−1、12−2に同時に逆極性の電圧を印加することもできる。放電電極12−1、12−2に同時に印加する電圧を調整することで、発生するイオンのバランスを調整することもできる。
[変形例]
以上においては、放電電極12と対象物Tとの間に配置される補助電極13は、スイッチ15により、抵抗器16を介して接地、あるいは接地線17により直接接地されるものとしたが、補助電極13と接地電位との抵抗値を可変に設定できる構造であれば、どのようなものでもよい。たとえば、スイッチ15、抵抗器16の代わりに、可変抵抗器を用いてもよい。また、補助電極13を抵抗器16と常時接続し、スイッチ15は、抵抗器16に対する迂回路として、補助電極13と接地線17を接続する構成とすることもできる。抵抗器16の抵抗値に比較して小さいものであれば、補助電極13とスイッチ15との間、あるいは接地線17に抵抗があってもよい。
また、以上においては、高圧電源11を直流電源としたが、交流電源を用いることができる。その場合、放電電極12の電圧を調整し、対象物Tの帯電電位と逆極性の電圧にシフトさせて、正または負イオンを発生させることができる。
以上の説明では、補助電極13の電位の切り替えを、電位センサー14による測定結果に基づいて行うものとしたが、放電電極12により生成されたイオン化空気による対象物Tの電位の時間変化特性が既知である場合には、除電が開始されてからの時間により判定することもできる。
T 対象物
10 除電装置
11 高圧電源
12,12−1,12−2,31 放電電極
13,32 補助電極
14 電位センサー
15 スイッチ(電界形成手段の一部)
16、33 抵抗器(電界形成手段の一部)
17 接地線(電界形成手段の一部)
18 制御装置(電界形成手段の一部)
21,22 金属板
23,24 絶縁体
25 高圧電源
26 表面電位計
27 表示装置

Claims (6)

  1. 帯電している対象物の静電気を除去する除電装置において、
    前記対象物と逆極性のイオン化空気を放電により生成する放電電極と、
    前記イオン化空気が通過する孔を有する補助電極と、
    前記補助電極と前記対象物との間の空間に前記イオン化空気を加速する電界を形成する電界形成手段と、
    前記電界形成手段は、前記補助電極の電位を制御し、除電の開始時には、前記補助電極に前記対象物と逆極性の電位を発生させて前記電界を生じさせ、前記対象物の極性が除電開始時と逆になる前であって、前記対象物の電位の絶対値が所定の値以下となるとき、前記補助電極の電位を除電開始時よりも小さくして、前記電界を小さくする制御装置を有する
    ことを特徴とする除電装置。
  2. 請求項1記載の除電装置において、
    前記電界形成手段は、前記補助電極と接地電位との間の抵抗値を変化させて前記補助電極の電位を変化させる抵抗値可変手段を有する
    ことを特徴とする除電装置。
  3. 請求項2記載の除電装置において、
    前記抵抗値可変手段は、抵抗器と、除電開始時には前記抵抗器を介して前記補助電極を接地電極に接続し、除電終了時には前記抵抗器を介することなく前記補助電極を接地電位に接続するスイッチとを有する
    ことを特徴とする除電装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の除電装置において、
    前記補助電極は、少なくともその一部が網状に形成された電極である
    ことを特徴とする除電装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の除電装置において、
    前記対象物の電位を測定する電位センサーを備え、
    この電位センサーにより、前記対象物の電位が所定の値となるときを検出する
    ことを特徴とする除電装置。
  6. 帯電している対象物と逆極性のイオン化空気を放電電極からの放電により生成し、
    前記イオン化空気を用いて前記対象物から静電気を除去する
    除電方法において、
    前記放電電極と前記対象物との間には、前記イオン化空気が通過する孔を有する補助電極が配置され、
    除電の開始時には、前記補助電極に前記対象物と逆極性の電位を発生させて前記補助電極と前記対象物との間に前記イオン化空気を加速する電界を生じさせ、
    前記対象物の極性が除電開始時と逆になる前であって、前記対象物の電位の絶対値が所定の値以下となるとき、前記補助電極の電位を除電開始時よりも小さくして、前記電界を小さくする
    ことを特徴とする除電方法。
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