JP6284083B2 - 光触媒担持シートおよびその製造方法 - Google Patents

光触媒担持シートおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6284083B2
JP6284083B2 JP2014250826A JP2014250826A JP6284083B2 JP 6284083 B2 JP6284083 B2 JP 6284083B2 JP 2014250826 A JP2014250826 A JP 2014250826A JP 2014250826 A JP2014250826 A JP 2014250826A JP 6284083 B2 JP6284083 B2 JP 6284083B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
titanium oxide
copper
mass
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014250826A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016112480A (ja
Inventor
優樹 塩澤
優樹 塩澤
徳良 齋藤
徳良 齋藤
一徳 齋藤
一徳 齋藤
大哉 小林
大哉 小林
靖 黒田
黒田  靖
定 李
定 李
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Soda Co Ltd
Taiyo Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
Taiyo Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soda Co Ltd, Taiyo Kogyo Co Ltd filed Critical Nippon Soda Co Ltd
Priority to JP2014250826A priority Critical patent/JP6284083B2/ja
Publication of JP2016112480A publication Critical patent/JP2016112480A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6284083B2 publication Critical patent/JP6284083B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、優れた抗菌性及び抗ウイルス性を有する光触媒担持シートおよびその製造方法に関する。
特許文献1には、特定の結晶性ルチル型酸化チタンと2価銅化合物とを含有する組成物が開示されており、これが暗所においても抗ウイルス活性を発現すること、またこれを膜等の基材表面に固定化して使用できることが記載されている。
特許第5343176号公報
本発明者らは、上記文献に開示された銅及びチタン含有組成物を基材表面に担持させることにより、抗菌性・抗ウイルス性を有する、シート等の材料を作製することを試みた。しかしながら、基材の種類によっては十分な抗菌性・抗ウイルス性が発現しない場合があることがわかった。
そこで、本発明は、高い抗菌性及び抗ウイルス性を有し、かつその抗菌性・抗ウイルス性が速効性を有し、長期間に渡り持続する光触媒担持シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の光触媒を用いた場合に、シート基材上での光触媒層の抗菌・抗ウィルス効果が優れ、かつ長期に渡って持続することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(10)に記載の発明に関する。
(1)高分子樹脂を含むシート基材の少なくとも一方の表面に酸化チタンと銅化合物を含有する光触媒層が設けられている光触媒担持シートであって、前記酸化チタンが結晶性ルチル型酸化チタンを含有し、
光触媒層において、酸化チタンの含有量100質量部に対して、銅化合物の銅換算含有量をx質量部、光触媒層の厚さをyμmとしたとき、xが0.3〜10、yが0.1〜5、x+yの値が1.4以上である光触媒担持シート。
(2)前記酸化チタン中における結晶性ルチル型酸化チタンの含有量が50モル%以上であり、前記酸化チタン中におけるアナターゼ型酸化チタンの含有量が50モル%未満である(1)に記載の光触媒担持シート。
(3)前記酸化チタンが、気相法で得られた酸化チタンである(1)または(2)に記載の光触媒担持シート。
(4)前記銅化合物が2価銅化合物である(1)〜(3)のいずれかに記載の光触媒担持シート。
(5)前記光触媒層が更にシリカを含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の光触媒担持シート。
(6)高分子樹脂を含むシート基材の少なくとも一方の表面に、接着層塗布液及び/又は、中間層塗布液を塗布して接着層及び/又は中間層を形成し、その接着層又は中間層の表面に、酸化チタンと銅化合物を含有する光触媒塗布液を塗布して光触媒層を形成する光触媒担持シートの製造方法において、前記酸化チタンが、結晶性ルチル型酸化チタンを含有し、
光触媒塗布液において、酸化チタンの含有量100質量部に対して、銅化合物の銅換算含有量をx質量部、光触媒層の厚さをyμmとしたとき、xが0.3〜10、yが0.1〜5、x+yの値が1.4以上である光触媒担持シートの製造方法。
(7)前記酸化チタン中における結晶性ルチル型酸化チタンの含有量が50モル%以上であり、前記酸化チタン中におけるアナターゼ型酸化チタンの含有量が50モル%未満である(6)に記載の光触媒担持シートの製造方法。
(8)前記銅化合物が2価銅化合物である(6)〜(7)のいずれかに記載の光触媒担持シートの製造方法。
(9)前記光触媒塗布液が更にシリカを含有する(6)〜(8)のいずれかに記載の光触媒担持シートの製造方法。
(10)光触媒塗布液のpHが1〜5である請求項(6)〜(9)のいずれかに記載の光触媒担持シートの製造方法。
本発明によれば、高い抗菌性・抗ウイルス性を有し、かつその抗菌性・抗ウイルス性が長期間に渡り持続する光触媒担持シートを得ることが出来る。
〔光触媒〕
本発明で使用する光触媒は、酸化チタンと銅化合物を含有する光触媒であって、前記酸化チタンが結晶性ルチル型酸化チタンを含有することを特徴とする。
(結晶性ルチル型酸化チタン)
本発明において、結晶性ルチル型酸化チタンとは、Cu−Kα線による回折角度2θに対する回折線強度をプロットしたX線回折パターンにおいて、ルチル型酸化チタンに対応する最も強い回折ピークの半値全幅が0.65度以下の酸化チタンのことを意味する。
酸化チタン中における、結晶性ルチル型酸化チタンの含有量は、好ましくは50モル%以上であり、更に好ましくは90モル%以上である。結晶性ルチル型酸化チタンの含有量は、XRDによって測定できる。
酸化チタン中におけるアナターゼ型酸化チタンの含有量は50モル%未満が好ましく、更に好ましくは10モル%未満であり、より更に好ましくは7モル%未満であり、特に好ましくは0モル%(すなわち、アナターゼ型酸化チタンを含まない)である。このアナターゼ型酸化チタンの含有量もXRDによって測定できる。
酸化チタンは気相法で製造されたものが好ましい。これにより、非常に細かく、かつ、結晶性が高い酸化チタン粒子を得ることができる。たとえば、チタンの塩化物やオキシ塩化物の蒸気を500℃以上に、好ましくは800℃以上に加熱して酸素または水蒸気中で酸化させることにより酸化チタンを合成することができる。このような気相法で得られた酸化チタンは、瞬時に高温雰囲気で合成するため、微細ながらも、結晶性が高く、格子欠陥が少ない。このため、気相法で得られた酸化チタンは、本発明にて用いる光触媒として好適な材料であるといえる。
酸化チタンの比表面積は、抗菌性・抗ウイルス性と取扱性の観点から、好ましくは1〜200m/gであり、より好ましくは3〜100m/gであり、更に好ましくは4〜70m/gであり、特に好ましくは8〜50m/gである。ここで比表面積とは、窒素吸着によるBET法にて測定した値である。
(銅化合物)
本発明で使用する銅化合物としては、2価銅化合物が好ましい。この2価銅化合物単独では、明所及び暗所における抗菌性・抗ウイルス性、明所における有機化合物分解性、可視光応答性を有しないが、前述した結晶性ルチル型酸化チタンと組み合わせることにより、明所及び暗所における抗ウイルス性、明所における有機化合物分解性、及び可視光応答性が十分に発現する。また、この2価銅化合物は、1価銅化合物と比べて酸化等による変色が少ないため、この2価銅化合物を用いた本発明に使用される銅及びチタン含有組成物は、変色が抑制される。
2価銅化合物には、特に制限はなく、2価銅無機化合物でも2価銅有機化合物でもよい。
2価銅無機化合物としては、硫酸銅、硝酸銅、沃素酸銅、過塩素酸銅、四ホウ酸銅、硫酸アンモニウム銅、アミド硫酸銅、塩化アンモニウム銅、リン酸銅、ピロリン酸銅、炭酸銅等の2価銅の無機酸塩;塩化銅、フッ化銅、臭化銅等の2価銅のハロゲン化物;酸化銅、硫化銅、アズライト、マラカイト、アジ化銅等の1種又は2種以上が挙げられる。
2価銅有機化合物としては、2価銅のカルボン酸塩が挙げられる。この2価銅のカルボン酸塩としては、蟻酸銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、酪酸銅、吉草酸銅、カプロン酸銅、エナント酸銅、カプリル酸銅、ペラルゴン酸銅、カプリン酸銅、ミスチン酸銅、パルミチン酸銅、マルガリン酸銅、ステアリン酸銅、オレイン酸銅、乳酸銅、リンゴ酸銅、クエン酸銅、安息香酸銅、フタル酸銅、イソフタル酸銅、テレフタル酸銅、サリチル酸銅、メリト酸銅、シュウ酸銅、マロン酸銅、コハク酸銅、グルタル酸銅、アジピン酸銅、フマル酸銅、グリコール酸銅、グリセリン酸銅、グルコン酸銅、酒石酸銅、アセチルアセトン銅、エチルアセト酢酸銅、イソ吉草酸銅、β−レゾルシル酸銅、ジアセト酢酸銅、ホルミルコハク酸銅、サリチルアミン酸銅、ビス(2−エチルヘキサン酸)銅、セバシン酸銅、ナフテン酸銅等の1種又は2種以上が挙げられる。その他の2価銅有機化合物としては、オキシン銅、アセチルアセトン銅、エチルアセト酢酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、フタロシアニン銅、銅エトキシド、銅イソプロポキシド、銅メトキシド、ジメチルジチオカルバミン酸銅等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記2価銅化合物のうち、好ましくは酸化銅、2価銅のハロゲン化物、2価銅の無機酸塩及び2価銅のカルボン酸塩であり、特に2価銅のハロゲン化物、2価銅の無機酸塩及び2価銅のカルボン酸塩が好ましい。
また、2価銅化合物としては、下記一般式(1)で表される2価銅化合物が挙げられる。
Cu(OH)X (1)
一般式(1)において、Xは陰イオンであり、好ましくはCl、Br、I等のハロゲン、CH3COO等のカルボン酸の共役塩基、NO、(SO1/2等の無機酸の共役塩基、又はOHである。
これらの2価銅化合物のうち、より不純物が少なく、経済的な観点から、2価銅無機化合物がより好ましく、酸化銅が更に好ましい。
2価銅化合物は、無水物であっても水和物であってもよい。
銅化合物の銅換算含有量は、前記酸化チタン100質量部に対して、通常0.3〜10質量部である。
0.3質量部以上であると、明所及び暗所における抗ウイルス性、有機化合物分解性及び抗菌性が良好なものとなる。また、10質量部以下であると、酸化チタン表面が被覆されてしまうことが防止されて光触媒としての機能(有機化合物分解性)が良好に発現すると共に、少量で抗菌・抗ウイルス性能を向上することができて経済的である。この観点から、2価銅化合物の銅換算含有量は、酸化チタン100質量部に対して、より好ましくは0.5〜8.0質量部であり、更に好ましくは0.5〜5.0質量部であり、より更に好ましくは2.0〜5.0質量部である。
ここで、この酸化チタン100質量部に対する銅化合物の銅換算含有量は、銅化合物の原料と酸化チタンの原料との仕込み量から算出することができる。また、この銅換算含有量は、後述するICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析により銅及びチタン含有組成物を測定することで特定することもできる。
本発明に使用される銅及びチタン含有組成物は、前述のとおり、必須成分として、結晶性ルチル型酸化チタンを含む酸化チタンと銅化合物とを含有するが、本発明の目的を阻害しない範囲内において、他の任意成分を含有していてもよい。ただし、光触媒としての機能及び抗菌・抗ウイルス性能の向上の観点から、銅及びチタン含有組成物中における当該必須成分の含有量は、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、更に好ましくは99質量%以上であり、特に好ましくは100質量%である。
(酸化チタンと銅化合物を含有する光触媒の製造方法)
酸化チタンと銅化合物を含有する光触媒は、結晶性ルチル型酸化チタンを含む酸化チタンと、2価銅化合物原料とを混合することにより、好適に製造することができる。また、得られた混合物を更に熱処理して、酸化チタンと銅化合物を含有する光触媒を得てもよい。また、銅化合物の水溶液中に酸化チタンを懸濁させて、吸着させることによって、酸化チタンと銅化合物を含有する光触媒を得ることも出来る。
〔光触媒塗布液および光触媒層〕
本発明に使用される光触媒塗布液は前述の光触媒を含有するが、それ以外にも以下の成分を含有させることが出来る。
(シリカ)
密着性向上や塗膜強度向上のためにシリカを含有していることが好ましく、粒径5〜100nmのコロイダルシリカが好ましい。
(その他の添加物)
本発明に使用される光触媒塗布液は、更に、シリコン化合物を含有していてもよい。シリコン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、及びそれらの加水分解生成物の1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
光触媒層形成のための塗布液中へシリコン化合物を添加する方法についての制限は特にないが、光触媒粉末若しくはゾルの液中へ添加する方法や、光触媒とともに添加する金属酸化物及び/又は水酸化物のゾル液中へ添加する方法など種々の方法を使用することが出来る。また、部分加水分解されたシリコン化合物を含有していても良い。
また、本発明に使用される光触媒塗布液はさらに、金属酸化物ゲル若しくは金属水酸化物ゲルを含有していてもよい。
本発明で使用できる金属酸化物ゲル若しくは金属水酸化物ゲルは、その比表面積が、150℃で乾燥後50m/g以上あるのが好ましく、100m/g以上あると更に好ましい。このような比表面積を有することにより接着性はより強固になり、触媒活性も向上する。ここで、金属成分としては、珪素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラム、タングステン、錫等の金属の酸化物ゲル若しくは水酸化物ゲルを好ましく例示することができる。
また、実際の使用に当たっては、ゲルを形成させるためのゾルを混合し乾燥して得られるゲルでも、共沈法などの方法で作られる複合酸化物ゲルを使用しても良い。光触媒との複合化には、ゲルとなる前のゾルの状態で均一混合するか、若しくは、ゾルを調製する前の原料段階で混合するのが望ましい。ゲルを調製する方法には、金属塩を加水分解する方法、中和分解する方法、イオン交換する方法、金属アルコキシドを加水分解する方法等があるが、ゲルの中に光触媒粉末が均一に分散された状態で得られるものであれば、いずれの方法も使用可能である。但し、ゲル中に多量の不純物が存在すると、光触媒の接着性や触媒活性に悪影響を与えるので、不純物の少ないゲルの方が好ましい。
(調製方法)
光触媒塗布液の調製方法としては、特に制限はないが、金属酸化物ゾル若しくは金属水酸化物ゾル溶液中に光触媒を分散して懸濁液を得ることができる。また、金属酸化物ゾル若しくは金属水酸化物ゾルの前駆体溶液の状態で光触媒を分散し、コート時に加水分解や中和分解してゾル化若しくはゲル化させても良い。ゾルを使用する場合には、安定化のために、酸やアルカリの解膠剤等が添加されていても良い。また、ゾル懸濁液中に光触媒に対し、5質量%以下の界面活性剤やシランカップリング剤などを添加して、接着性や操作性を良くすることもできる。
光触媒塗布液中、光触媒は固形分として0.1〜30質量%含有されていることが好ましい。シリカを含有する場合は固形分として0.001%〜5質量%、シリコン化合物を含有する場合は、固形分として0.001%〜5質量%、金属の酸化物及び/又は水酸化物のゾルを含有する場合は、固型分として0.1〜30質量%含有されていることが好ましい。
また、光触媒塗布液のpHは、光触媒および金属酸化物の分散性維持の観点から1.0〜5.0が好ましく、更に好ましくは2.0〜4.0である。
pHを調整するために酸を使用することができ、具体的には塩酸、硝酸、燐酸、硫酸等の無機酸を使用することができる。
(光触媒層)
光触媒層は、光触媒塗布液をシート基材又は接着層上へ塗布し、乾燥することで得ることが出来る。
光触媒層形成時の乾燥温度としては、担体材質及び接着層中の樹脂材質によっても異なるが、30℃以上160℃未満が好ましい。
光触媒層は、厚さを増した方が高活性を得られるが、厚さが5μm以上になると活性がほとんど変わらなくなる。一方、厚さ5μm以下でも実用的に足りる十分に高い触媒活性を得ることが可能であり、しかも光触媒層の厚さを減少させた場合には、透光性に優れ、且つ触媒層が目立たなくなるという利点が生じる。しかし、厚さが、0.1μm未満になると透光性には非常に優れたものになるものの、可視光型光触媒が利用している可視光線をも透過するものとなってしてしまうため、高い触媒活性は望めなくなる。
以上のように、光触媒層の厚さは通常0.1〜5μmであり、この範囲で抗菌性・抗ウイルス性を発揮することができる。さらに良好な抗菌性・抗ウイルス性を発揮するために、光触媒層の厚さは0.4〜4μmであることがより好ましく、0.6〜3.0μmであることが特に好ましい。
さらに、光触媒層における銅含有量と光触媒層の厚さとを共に考慮して適切に調整する必要がある。
具体的には、光触媒層において、酸化チタンの含有量100質量部に対して、銅化合物の銅換算含有量をx質量部、光触媒層の厚さをyμmとしたとき、x+yの値が、1.4以上であることが好ましく、3.0以上であることがより好ましく、3.2以上であることが最も好ましい。x+yの値の上限は15である。これにより、抗菌性および抗ウイルス性を高め、さらに高湿度下における耐久性を高めることができる。
上記の調整による効果は、塩化ビニル樹脂を含有するシート基材に対して特に顕著であり、好ましく適用することができる。
〔接着層塗布液および接着層〕
本発明に使用される光触媒坦持シートでは、光触媒層とシート基材との間に接着層を設けることができる。
(接着層塗布液)
接着層塗布液としては、例えばシリコン含有量2〜60質量%のシリコン変性樹脂、ポリシロキサンを3〜60質量%含有する樹脂やコロイダルシリカを5〜40質量%含有する樹脂を樹脂固形分として1〜50質量%含む溶液を使用することができる。
接着層樹脂がアクリル−シリコン樹脂やエポキシ−シリコン樹脂等のシリコン変性樹脂の場合におけるシリコンの樹脂への導入方法は、エステル交換反応、シリコンマクロマーや反応性シリコンモノマーを用いたグラフト反応、ヒドロシリル化反応、ブロック共重合法等種々あるが、本発明ではどのような方法で作られた物でも使用することができる。シリコンを導入する樹脂としては、成膜性、強靭性、担体との密着性の点で最も優れたアクリル樹脂やエポキシ樹脂を使用するのが好ましいが、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等をこれらに代えて使用することもできる。これらの樹脂は、溶剤に溶けたタイプであってもエマルジョンタイプであってもどちらでも使用することができる。また、架橋剤などの添加物が含まれていても何等問題はない。
接着層樹脂として、ポリシロキサンを含有し、そのポリシロキサンが炭素数1〜5のアルコキシ基を有するシリコンアルコキシドの加水分解物或いは該加水分解物からの生成物を用いた場合には、接着性及び耐久性がより向上した担持構造体を得ることができる。また、シリコンアルコキシドのアルコキシ基の炭素数が6以上であると、高価であり、しかも加水分解速度が非常に遅くなるので樹脂中での硬化が困難になり、接着性や耐久性に劣るものとなる。また、部分的に塩素を含んだシリコンアルコキシドを加水分解したポリシロキサンを使用することもできるが、塩素を多量に含有したポリシロキサンを使用すると、不純物の塩素イオンによって、担体の腐食や接着性の劣化が生じる場合もある。
ポリシロキサンを樹脂へ導入する方法としては、シリコンアルコキシドモノマーの状態でポリシロキサンを樹脂溶液へ混合し、接着層形成時に空気中の水分で加水分解させる方法、前もって、シリコンアルコキシドを部分加水分解したものを樹脂と混合し、更に、保護膜形成時に空気中の水分で加水分解する方法等種々あるが、樹脂と均一に混合できる方法ならどのような方法でも良い。また、シリコンアルコキシドの加水分解速度を変えるために、酸や塩基触媒を少量添加しても構わない。ここで、ポリシロキサンを導入する樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ−シリコン樹脂、シリコン変性樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂等の使用が可能であるが、耐久性の点から見れば、アクリル−シリコン樹脂やエポキシ−シリコン樹脂を含むシリコン変性樹脂を用いるのが最も優れている。
接着層が、コロイダルシリカを含有する樹脂の場合、そのコロイダルシリカの粒子径は10nm以下が好ましい。10nm以上になると、接着層中の樹脂は光触媒により劣化し易くなるばかりか、光触媒層と接着層との接着も悪くなる。このコロイダルシリカを樹脂に導入する方法としては、樹脂溶液とコロイダルシリカ溶液とを混合後、これを塗布、乾燥して接着層を形成する方法が最も簡便であるが、コロイダルシリカを分散した状態で、樹脂を重合し、合成したものを塗布、乾燥して使用しても良い。また、コロイダルシリカと樹脂との接着性及び分散性を良くするために、シランカップリング剤でコロイダルシリカを処理して用いることもできる。
コロイダルシリカを導入する樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ−シリコン樹脂、シリコン変性樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられるが、アクリル−シリコン樹脂やエポキシ−シリコン樹脂を含むシリコン変性樹脂を用いるのが耐久性の点から最も優れている。また、コロイダルシリカは、珪酸ナトリウム溶液を陽イオン交換することにより作られるシリカゾルであっても、シリコンアルコキシドを加水分解して作られるシリカゾルであっても、どのような物でも使用することができる。
また、光触媒作用による劣化を抑える目的で、上記接着層樹脂に、光安定化剤等を混合することにより耐久性を向上させることができる。光安定化剤としては、ヒンダードアミン系のものを用いるのが好ましいが、その他の物を使用することも可能である。添加量は、樹脂に対して0.005wt%以上10wt%以下、好ましくは0.01wt%以上5wt%以下である。尚、接着層の表面をシラン系若しくはチタン系カップリング剤で処理すると光触媒層との接着性が向上することがある。また、接着層の溶液中に界面活性剤を0.00001質量%〜0.1質量%添加することによっても良好な光触媒担持体とすることができる。
(接着層)
接着層はシート基材上に、接着層塗布液を塗布し、乾燥することで得ることが出来る。
接着層の厚さは、0.1μm以上とすれば、光触媒層を強固に接着した耐久性の高い光触媒担持構造体とすることが可能である。尚、光触媒担持構造体の基材を膜材とする場合においてその屈曲性能の確保を考慮するのであれば、接着層の厚さは10μmが上限となる。
〔中間層塗布液および中間層〕
中間層塗布液としては光触媒機能及び光触媒坦持基材全体の密着性等を損なわなければその組成について特に制限はなく、例えば、前記した光触媒塗布液又は接着層塗布液をそのまま又は組成を変更して用いることができる。また、前記した条件を満たす限り、複数の層が含まれていても構わない。中間層を接着層上に形成するには、接着層や光触媒層を形成する方法と同様なコート方法でコートすることができる。中間層の厚みは、特に制限はされないが、接着層及び光触媒層を合わせた全体の厚みがあまり大きくなりすぎると、基材の加工性及び耐久性等に問題が生じるため通常は0.1μm以上10μm以下の範囲が好ましい。
〔シート基材〕
本発明に用いられるシート基材は、高分子樹脂を含むものであればその原料について特に制限されることはないが、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フッ化エチレン−プロピレン共重合樹脂、フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂等により、上記基材を形成することができる。また、基材として、1質量%以上80質量%以下の可塑剤、好ましくは5質量%以上80質量%以下の可塑剤を含むものを用い、これに本発明による光触媒坦持基材の製造方法を適用した場合には、従来の方法により得た光触媒担持基材と比較して顕著に光触媒機能の向上が見られる。また、基材として10質量%の塩化ビニル樹脂を含むものを用い、これに本発明による光触媒坦持基材の製造方法を適用した場合には、従来の方法により得た光触媒担持基材と比較して顕著に光触媒機能の向上が見られるようになる。
本発明に用いられるシート基材の形状は、フィルム状、板状、管状、繊維状、網状等どのような形状でもよい。また、その大きさは10μm以上であれば光触媒を強固に担持することができる。
より具体的には、テント地キャンバス、カーテン、壁紙等の膜材、またポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂等からなる光透過性材料を好ましく挙げることができる。
高分子樹脂基材と光触媒層、接着層、又は中間層との密着性を良くするために、放電処理やプライマ−処理等をその表面に施した高分子樹脂基材を用いることもできる。また、施工済の建築資材、家庭電化製品、めがね等、用途によっては、製品として存在する加工済の高分子樹脂成形体に本発明の光触媒担持構造体の製造方法による処理を行うことによって、本発明による光触媒担持構造体とすることもできるため、その応用範囲は極めて広いと言える。
特に膜材、その中でもテント地キャンバスに本発明の方法を応用した場合、従来の方法で製造した場合に比較して顕著な効果が現れる。テント地キャンバスとしては、既存のどの様な種類のテント地キャンバスでも用いることができる。ポリエステル等の樹脂からなる繊維を織った基布、該基布に塩化ビニル樹脂をコート含浸塗布により加工した塩ビ含浸基布、該塩ビ含浸基布の表面をアクリル、フッ素樹脂等でコートした表面処理塩ビ含浸基布など、テント地キャンバスとして呼称される全てのものに適用可能であるが、広く使用されているB種テント地キャンバス、C種テント地キャンバス、倉庫用膜材料に対しては特に好ましく使用できる。
また、本発明の光触媒担持テント地キャンバスは、広く一般建築用材料として、例えばテント倉庫の屋根、トラックシートなどの輸送体機器の幌、野積みシート、店舗用装飾テント、商店等の軒だし日除け、各種アーケードの屋根、展示会パビリオン等の屋根や側面の覆い、ガソリンスタンドの屋根や側面の覆い、防水保護シート、防雪シート、エアードーム、プールカバー、クイックシェルターの内膜、各種建築物の膜天井、仕切り、窓等、防汚、抗菌、防カビの効果を必要とする多くの場面にその優れた防汚性、抗菌性、防カビ性を生かして長期にわたって表面の美麗な状態を維持するため、特に好ましく使用できるものである。
中でも、優れた抗菌・抗ウイルス効果を利用して、医療用テントを含む医療施設、食品工場、食品倉庫、植物工場等に、特にそれらの内部に使用することが好ましい。
〔光触媒担持シートの製造方法〕
接着層をシート基材に担持する方法としては、接着層塗布液を、印刷法、シート成形法、スプレー吹き付け法、ディップコーティング法又はスピンコーティング法等でコートしてから乾燥する方法を使用できる。この場合の乾燥温度は、溶媒や樹脂の種類によっても異なるが、一般的に150℃以下が好ましい。また、グラビア印刷法などの短時間で接着層を乾燥硬化させることが必要な塗布法の場合は、シリコン系などの硬化剤を接着層固形分に対し、必要な硬化速度に応じて0.1〜10質量%添加することも好ましく採用される。
光触媒層をシート基材又は接着層上へ形成するには、光触媒塗布液を、接着層形成の場合と同様のコート法を用いてコートすることができる。光触媒層形成時の乾燥温度としては、担体材質及び接着層中の樹脂材質によっても異なるが、30℃以上160℃未満が好ましい。
〔抗菌性および抗ウイルス性〕
上記の光触媒担持シートにより、優れた抗菌性および抗ウイルス性が得られる。
抗菌性および抗ウイルス性の評価方法は、特に限定されるものではないが、抗菌性についてはJIS R 1752(可視光応答型光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)に、抗ウイルス性についてはJIS R 1756(可視光応答形光触媒材料の抗ウイルス性試験方法−バクテリオファージQβを用いる方法)に準拠した方法が好ましい。
これらの方法を用いた評価において、可視光の照射時間は、R 1752では、8時間を標準とし、4時間を下限としており、R 1756では、4時間を標準とし、2時間から8時間の間で調整可能である。各々の評価では、可視光を一定時間照射し、明所における活性値が2以上となることが好ましく、明所及び暗所における活性値が2以上となることが更に好ましい。本発明の速効性に関して、該照射時間は、標準照射時間より短い場合、抗菌性評価では8時間以下が好ましく、4時間以下がより好ましく、2時間以下が更に好ましく、抗ウイルス性では、4時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましく、1時間以下が更に好ましい。
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示により限定されるものではない。
<実施例1>
(光触媒塗布液の調製)
蒸留水1000gに60g(100質量部)のルチル型酸化チタンA(昭和電工セラミックス株式会社製)を懸濁させ、0.805g(銅換算で0.5質量部)のCuCl・2HO(関東化学株式会社製)を添加して、10分攪拌した。pHが10になるように、1mol/Lの水酸化ナトリウム(関東化学株式会社製)水溶液を添加し、30分間攪拌混合を行ってスラリーを得た。
このスラリーをろ過し、得られた固形分を純水で洗浄し、80℃で乾燥し、ミキサーで粉砕した。この粉砕物を大気中、450℃で、3時間熱処理し、試料1を得た。
この試料1を、フッ酸溶液中で加熱して全溶解し、抽出液をICP発光分光分析により定量した。その結果、酸化チタン100質量部に対して、銅イオンが0.5質量部であった。すなわち、仕込みの銅イオン(CuCl・2HO由来)の全量がCuOとして酸化チタン表面に担持されていた。また試料1は、BET値が10m/g、ルチル化率が95.9モル%、アナターゼ化率が4.1モル%、ルチル型酸化チタンに対応する最も強い回折ピークの半値全幅が0.18度、平均一次粒子径が150nmであった。
蒸留水181gに、得られた試料1と界面活性剤を添加し攪拌混合して、固形分含量25質量%のスラリー1を調製した。
エチルアルコール150gにスラリー1の50gと界面活性剤0.5gとを添加して懸濁させ、固形分含量25質量%の硝酸酸性シリカゾル50gを添加し攪拌混合して混合液を調製し、この混合液に硝酸を添加してpHを4に調整し、固形分含量10質量%の光触媒塗布液1(銅換算含有量は0.5質量%)を得た。
(シート基材)
平岡織染株式会社製のクリアライトロンV−2000(グラスファイバー基布、ポリ塩化ビニル、可塑剤等を含んでいるテント基材)をA4サイズに切り出し、シート基材1として用いた。
(接着層塗布液)
接着層塗布液として、シリコン含量3質量%のアクリル−シリコン樹脂を10質量%含有するキシレン−イソプロパノール(50/50)溶液に、アクリル−シリコン樹脂に対して30質量%のポリシロキサン(コルコート(株)製メチルシリケート51)と、界面活性剤とを添加して混合し、接着層塗布液1を調製した。
(接着層塗布液の塗布)
接着層塗布液1を、バーコーターでシート基材1上に塗布し、100℃で15分乾燥して接着層とした。尚、接着層の厚さは約1.5μmである。
(光触媒担持シートの作製)
光触媒塗布液1を、バーコーターで上記接着層の表面に塗布し、100℃で15分乾燥して膜厚が約1.5μm(実施例1)となるようにして、光触媒層を作製した。
<比較例1>
光触媒層の厚さを約0.6μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、光触媒担持シートを作製した。
<実施例2〜9>
実施例1の光触媒塗布液の調製において、CuCl・2HO含有量を、酸化チタン100質量部に対して、表1、2及び3に記載した各質量部(銅換算)とした光触媒塗布液を用い、光触媒層の厚さを表1、2及び3に記載した各膜厚とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2〜9の光触媒担持シートを作製した。
<実施例10>
CuCl・2HOの使用量以外は実施例1と同様の方法で、固形分含量25質量%、ルチル型酸化チタン100質量部に対する銅換算含有量3.0質量部のスラリー2を調製した。
エチルアルコール150gにスラリー2の50gと界面活性剤1.5gとを添加して懸濁させ、固形分含量25質量%の硝酸酸性シリカゾル50gを添加し攪拌混合して混合液を調製し、この混合液に硝酸を添加してpHを2に調整し、固形分含量10質量%の光触媒塗布液2(銅換算含有量は3.0質量%)を得た。
光触媒塗布液2を、膜厚が約1.0μmとなるようにする以外は実施例1と同様の方法で接着層の表面に塗布、乾燥して、実施例10の光触媒担持シートを作製した。
<実施例11>
実施例1のシート基材1に代えて、PET基板を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例11のPETを基材とする光触媒担持シートを作製した。
<比較例2>
比較例1のシート基材1に代えて、ガラス基板を用いた以外は、比較例1と同様の方法で、比較例2のガラスを基材とする光触媒担持構造体を作製した。
<比較例3>
光触媒塗布液の調製において、CuCl・2HO含有量を、酸化チタン100質量部に対して3.0質量部(銅換算)とした以外は、比較例2と同様の方法で、比較例3のガラスを基材とする光触媒担持構造体を作製した。
<評価試験1>
(抗菌性試験及び抗ウイルス性試験(1))
JIS R 1752、JIS R 1756にそれぞれ準拠し、黄色ぶどう球菌、大腸菌およびQβバクテリオファージに対する評価を行った。光源は白色蛍光灯を用い、UVカットフィルター(N−169)を用いてλ≧380nmとした可視光を、サンプル表面の照度1000lxに設定し、評価時間4時間で照射した。
試験結果を表1に示した。明所における活性値2以上を合格とする。
Figure 0006284083
比較例1及び2の結果により、使用する基材によっては、必ずしも抗菌性及び抗ウイルス性が発揮されないことが示される。この原因は明確でないが、テント基材中の疎水性の可塑剤が光触媒層表面にブリードしてきて表面を覆うため、親水性の細菌やファージが光触媒層と接触しにくいことが考えられる。しかしそのような場合であっても、銅含有量を1.0質量%以上とする(実施例3)か、光触媒層の膜厚を1.5μm以上とする(実施例1)ことにより、十分な抗菌性及び抗ウイルス性が発揮されることが示された。
<評価試験2>
(抗菌性試験及び抗ウイルス性試験(2)―耐湿度試験)
30℃、90%RHの恒温恒湿槽内にて、白色蛍光灯(全光)を用い、サンプル表面の照度を1000lxに設定し照射し続けた。2週間経過後にサンプルを取り出し、これについて評価試験1と同様の方法で評価した。
試験結果を表2に示した。明所における活性値2以上を合格とする。
Figure 0006284083
上記の結果から、光触媒層における銅含有量と厚さを調整して実施例8と同等以上(すなわち、酸化チタンの含有量100質量部に対して銅化合物の銅換算含有量をx質量部、光触媒層の厚さをyμmとしたとき、x+yの値が3.0以上である)にすれば、耐湿度評価でも優れた抗菌・抗ファージ活性が維持される。
<評価試験3>
(抗菌性試験及び抗ウイルス性試験(3)−速効性)
評価試験1と同様のサンプル(下記「イニシャル」)、及び評価試験2と同様の方法で2週間照射した後のサンプルを用い、これらについて評価試験1と同様の方法(ただし可視光の照射時間を1時間、2時間及び4時間として比較した)で評価した。
結果を表3に示した。
Figure 0006284083
以上のように、テント基材に銅含量3.0質量%、膜厚1.0μmの光触媒層を塗布した光触媒担持シートは、評価時間が1時間でも非常に高い抗菌性と抗ウイルス性を有し、かつ、耐湿度評価の暗所でも高い活性値を維持していることがわかった。

Claims (10)

  1. 高分子樹脂を含むシート基材の少なくとも一方の表面に酸化チタンと銅化合物を含有する光触媒層が設けられている光触媒担持シートであって、前記酸化チタンが結晶性ルチル型酸化チタンを含有し、
    光触媒層において、酸化チタンの含有量100質量部に対して、銅化合物の銅換算含有量をx質量部、光触媒層の厚さをyμmとしたとき、xが0.3〜10、yが0.1〜5、x+yの値が1.4以上である光触媒担持シート。
  2. 前記酸化チタン中における結晶性ルチル型酸化チタンの含有量が50モル%以上であり、前記酸化チタン中におけるアナターゼ型酸化チタンの含有量が50モル%未満である請求項1に記載の光触媒担持シート。
  3. 前記酸化チタンが、気相法で得られた酸化チタンである請求項1または請求項2に記載の光触媒担持シート。
  4. 前記銅化合物が2価銅化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の光触媒担持シート。
  5. 前記光触媒層が更にシリカを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光触媒担持シート。
  6. 高分子樹脂を含むシート基材の少なくとも一方の表面に、接着層塗布液及び/又は、中間層塗布液を塗布して接着層及び/又は中間層を形成し、その接着層又は中間層の表面に、酸化チタンと銅化合物を含有する光触媒塗布液を塗布して光触媒層を形成する光触媒担持シートの製造方法において、前記酸化チタンが、結晶性ルチル型酸化チタンを含有し、
    光触媒塗布液において、酸化チタンの含有量100質量部に対して、銅化合物の銅換算含有量をx質量部、光触媒層の厚さをyμmとしたとき、xが0.3〜10、yが0.1〜5、x+yの値が1.4以上である光触媒担持シートの製造方法。
  7. 前記酸化チタン中における結晶性ルチル型酸化チタンの含有量が50モル%以上であり、前記酸化チタン中におけるアナターゼ型酸化チタンの含有量が50モル%未満である請求項6に記載の光触媒担持シートの製造方法。
  8. 前記銅化合物が2価銅化合物である請求項6〜7のいずれかに記載の光触媒担持シートの製造方法。
  9. 前記光触媒塗布液が更にシリカを含有する請求項6〜8のいずれかに記載の光触媒担持シートの製造方法。
  10. 光触媒塗布液のpHが1〜5である請求項6〜9のいずれかに記載の光触媒担持シートの製造方法。

JP2014250826A 2014-12-11 2014-12-11 光触媒担持シートおよびその製造方法 Active JP6284083B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014250826A JP6284083B2 (ja) 2014-12-11 2014-12-11 光触媒担持シートおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014250826A JP6284083B2 (ja) 2014-12-11 2014-12-11 光触媒担持シートおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016112480A JP2016112480A (ja) 2016-06-23
JP6284083B2 true JP6284083B2 (ja) 2018-02-28

Family

ID=56139525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014250826A Active JP6284083B2 (ja) 2014-12-11 2014-12-11 光触媒担持シートおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6284083B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6630141B2 (ja) * 2014-12-25 2020-01-15 太陽工業株式会社 酸化チタン含有組成物、酸化チタン含有組成物の製造方法、光触媒構造体
CN108347924A (zh) * 2015-11-20 2018-07-31 富士胶片株式会社 抗病毒膜
JP6283922B1 (ja) * 2016-12-16 2018-02-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 光触媒材及び光触媒塗料組成物

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0866635A (ja) * 1993-12-14 1996-03-12 Toto Ltd 光触媒薄膜及びその形成方法
EP1304366B2 (en) * 1995-03-20 2012-10-03 Toto Ltd. Use of a photocatalytically rendered superhydrophilic surface with antifogging properties
JP3867382B2 (ja) * 1996-12-17 2007-01-10 日本曹達株式会社 光触媒担持テント地キャンバスおよび光触媒担持テント地キャンバスを使用した構造体
JP2000095976A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Toto Ltd 抗菌性光触媒性水系塗料及び抗菌性光触媒性部材
JP4646210B2 (ja) * 2005-02-24 2011-03-09 多木化学株式会社 ファージ・ウイルスの不活性化剤
CN103429346B (zh) * 2011-12-22 2016-11-23 昭和电工株式会社 含有铜和钛的组合物及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016112480A (ja) 2016-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3559892B2 (ja) 光触媒皮膜およびその形成方法
KR100696201B1 (ko) 산화티탄졸, 박막 및 그들의 제조법
US6414213B2 (en) Titanium oxide particle-coated interior member or indoor equipment
JP4883912B2 (ja) 可視光応答型光触媒およびその製造方法
US9555399B2 (en) Visible-light-responsive titanium oxide microparticle dispersion, method for manufacturing same, and member having surficial photocatalyst thin film formed using same dispersion
WO2013094573A1 (ja) 銅及びチタン含有組成物並びにその製造方法
RU2647086C2 (ru) Покрытие поверхности
US11059036B2 (en) Mixture of visible light-responsive photocatalytic titanium oxide fine particles, dispersion liquid thereof, method for producing dispersion liquid, photocatalyst thin film, and member having photocatalyst thin film on surface
WO2002040609A1 (fr) Revêtement réagissant à la lumière visible, film de revêtement et article
JP6284083B2 (ja) 光触媒担持シートおよびその製造方法
WO2015133316A1 (ja) 光触媒塗工液及びそれを用いた光触媒フィルム
WO2018110173A1 (ja) 光触媒材及び光触媒塗料組成物
WO2001023483A1 (en) Photocatalytic coating composition and product having thin photocatalytic film
KR20080104369A (ko) 가시광 응답형 광촉매, 이의 제조 방법, 이것을 이용한 광촉매 코팅제, 및 광촉매 분산체
JP6635329B2 (ja) 光触媒層を有する有機系基材
WO2016148108A4 (ja) アナターゼ型酸化チタンを含有する塗装用複合膜及びその製造方法
CN109477337B (zh) 具备具有可见光响应型光催化活性的表面层的内装材料及其制造方法
JP4110279B2 (ja) 光触媒皮膜を塗布した基材および光触媒皮膜を基材上に形成する方法
WO2009123135A1 (ja) 光触媒コーティング組成物
JP6652834B2 (ja) 酸化チタン含有組成物、酸化チタン含有組成物の製造方法、光触媒構造体
JP6112975B2 (ja) 耐汚染性に優れるプレコート金属板
WO2011059105A1 (ja) 遮熱剤組成物
JP5081543B2 (ja) 光触媒担持構造体の製造方法及びその方法により得られた光触媒担持構造体
JP2022155211A (ja) 金属担持チタニアナノ粒子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6284083

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350