JP6283265B2 - 窓フレーム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係る窓フレーム10および車両20の外観を示す斜視図である。図1に示す窓フレーム10は、概ね上下方向(図中Z軸方向)に長い長方形状を有する薄板状の部品であり、車両20の後部ドア30のドアフレーム(後部ドア30の窓32の周囲のフレーム部分であって前部ドアの窓との間の部分)に取り付けられる部品である。
次に、図2〜4を参照して、窓フレーム10の構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る窓フレーム10の構成を示す三面図である。図2(a)は、本発明の一実施形態に係る窓フレーム10の側面図である。図2(b)は、本発明の一実施形態に係る窓フレーム10の平面図である。図2(c)は、図2(b)に示す窓フレーム10のA−A断面図である。
主要部110は、樹脂パネル100の表面(車外側の面)を構成する、上下方向(図中Z軸方向)に長い薄板状の部分である。図2に示すように、主要部110には、内部空間112が形成されており、この内部空間112には、フィルムアンテナ200を収容することが可能となっている。例えば、主要部110は、その厚さ方向(Y軸方向)において、内部空間112を境界として2分割可能に構成されている。この場合、主要部110を2分割し、内部空間112を露出させることにより、当該内部空間112内にフィルムアンテナを配置することができる。このとき、フィルムアンテナ200は、何らかの固定手段(例えば、接着剤、粘着テープ等)によって、内部空間112内に固定されることが好ましい。そして、2分割された主要部110を組み立てることにより、樹脂パネル100は、内部空間112が再び閉塞され、内部空間112内にフィルムアンテナ200が収容された状態となる。このように、フィルムアンテナ200を内部空間112内に配置することにより、当該フィルムアンテナ200は、車外に露出することなく、窓フレーム10と一体となって、車両20への設置が可能となる。
ドアフレーム支持部120は、ドアフレーム34の縁部を支持するために、主要部110の裏側(図中Y軸負側)において、主要部110の前側(図中X軸正側)の縁部に沿って上下方向(図中Z軸方向)に延在している部分である。ドアフレーム支持部120は、図2(c)に示すように、主要部110の裏面に対して垂直な第1の壁部120Aと、主要部110の裏面に対して平行な第2の壁部120Bとが、互いにL字状に組み合わされて構成されている。これにより、ドアフレーム支持部120は、主要部110の裏側において、後方に開口した差し込み口を形成する。当該差し込み口には、ドアフレーム34の縁部を差し込むことが可能となっている。
保持部130は、後部窓32の縁部を保持するために、主要部110の裏側(図中Y軸負側)において、主要部110の後ろ側(図中X軸負側)の縁部に沿って上下方向(図中Z軸方向)に延在している部分である。保持部130は、図2(c)に示すように、主要部110の裏面に対して垂直な第1の壁部130Aと、主要部110の裏面に対して平行な第2の壁部130Bとが、互いにL字状に組み合わされて構成されている。これにより、保持部130は、主要部110の裏側において、後方に開口した差し込み口を形成する。当該差し込み口には、後部窓32の縁部を把持するウインドガイド(グラスランチャンネルとも呼ばれる場合もある)36が嵌めこまれる。
延在部140は、保持部130が、主要部110の下端部(図中Z軸負側の端部)よりも下方(図中Z軸負方向)に向かって延伸する部分である。例えば、延在部140は、窓フレーム10をドアフレーム34に取り付ける際、その取り付け位置の下側に位置する隙間に差し込まれる。これによって、例えば後部窓32が全開状態の場合も、後部窓32の縁部は、延在部140によって保持される。
次に、図3および図4を参照して、図2に示す窓フレーム10を含む後部ドア30の構成について説明する。図3は、図2に示す窓フレーム10が取り付けられた状態の後部ドア30の外観を示す。図4(a)は、図3に示す後部ドア30のうち、B−B切断線と、C−C切断線とで切断した部分の拡大図である。
図4(b)に示すように、ドアフレーム34(Bピラー部分)は、前側(図中X軸正側)に位置する第1の平面部分34Aと、後ろ側(図中X軸負側)に位置する第2の平面部分34Bとを有する。第2の平面部分34Bは、第1の平面部分34Aよりも車室側(図中Y軸負側)に位置する。すなわち、上記第1の平面部分34Aと上記第2の平面部分34Bとの間には、高低差が生じている。その理由は、後部窓32をドアフレーム34内に収容するために、後部窓32の縁部と重なる部分である上記第2の平面部分34Bが、上記第1の平面部分34Aに対して、車内側(図中Y軸負側)に凹まされているからである。ドアフレーム34において、第1の平面部分34Aと第2の平面部分34Bとは、これらの間に設けられた傾斜面34Cによって、互いに繋がりあっている。
図4(b)に示すように、窓フレーム10が備えるドアフレーム支持部120の差し込み口には、ドアフレーム34の第1の平面部分34Aの縁部が差し込まれる。また、窓フレーム10が備える保持部130の差し込み口には、後部窓32の縁部を把持する樹脂製のウインドガイド36が嵌め込まれる。これにより、窓フレーム10は、ドアフレーム34のBピラー部に取り付けられ、後部窓32を上下方向にスライド可能に保持した状態となる。窓フレーム10は、さらなる他の固定手段(例えば、接着テープ、接着剤、ネジ、リベット、ピン等)によって、ドアフレーム34に対してより強固に固定されてもよい。
図4に示すように、窓フレーム10の樹脂パネル100に形成された内部空間112内には、フィルムアンテナ200が配置される。フィルムアンテナ200は、フレキシブル基板202と、上記フレキシブル基板202の表面に形成されたアンテナパターン(導電パターン)とを備えて構成されている。フレキシブル基板202は、柔軟性を有する薄板状の部材であり、例えば、フレキシブル基板202の素材には、誘電体フィルム(例えば、ポリイミドフィルム)が用いられる。アンテナパターンは、目的の周波数帯域の電波を受信するための形状を有しており、例えば、地板、放射素子、給電部、短絡部等を含んで構成されている。フィルムアンテナ200は、アンテナパターンにより、ループアンテナ、モノポールアンテナ、逆F型アンテナ等に分類される。アンテナパターンの素材には、薄板状の導体箔(例えば、銅箔)が用いられる。
図4(a)に示す例では、第1の導体膜210および第2の導体膜220は、給電部230を間に挟んで互いに対向するように、上下方向(図中Z軸方向)に並んで配置されている。具体的に説明すると、第1の導体膜210は、上下方向に長い長方形状を有する。また、第2の導体膜220は、上下方向に長い長方形状を有する主部と、当該主部の左上角部から上方向(Z軸正側の方向)に向かって突出した突出部と、を有して構成されている。そして、第1の導体膜210の下側(Z軸負側)の辺と、第2の導体膜220の主部の上側(Z軸正側)の辺とは、給電部230を間に挟んで互いに対向している。
給電部230は、互いに対向する第1の導体膜210と第2の導体膜220の主部との間に設けられている。給電部230においては、図示を省略する同軸ケーブルの先端部が接続される。具体的に説明すると、例えば、給電部230は、第1の導体膜210上に設けられた第1の給電部と、第2の導体膜220の主部上に設けられた第2の給電部とを備えている。そして、上記第1の給電部には、同軸ケーブルの先端部の内側導体が接続され、上記第2の給電部には、同軸ケーブルの先端部の外側導体が接続される。同軸ケーブルの当該先端部とは逆側の末端部は、フィルムアンテナ200が電波を受信することによって生成した電気信号の供給先(例えば、増幅回路、各種通信機器等)に接続される。
ここで、樹脂パネル100の主要部110において、当該主要部110を車外側(図中Y軸正側)から平面視したときに、ウインドガイド36が設けられている領域、換言すればウインドガイド36との重畳領域を、「重畳領域110A」と定義する(図4(a)および(b)参照)。本実施形態の窓フレーム10において、注目すべきは、フィルムアンテナ200の給電部230が、図4(a)に示すように、この重畳領域110A内に配置されている点である。言い換えれば、フィルムアンテナ200の給電部230は、樹脂パネル100を車外側から平面視したときにウインドガイド36と重なるように配置されている点である。本実施形態においては、ウインドガイド36の材料として誘電正接が0.67以下の樹脂を用いているので、このような配置を採用してもフィルムアンテナ200の大幅な利得低下が生じることはない。
以下、フィルムアンテナ200の給電部230をウインドガイド36と重なるように配置した場合でも、十分な利得を得ることが可能なウインドガイド36の材料について検討する。具体的には、フィルムアンテナ200の給電部230をウインドガイド36と重なるように配置した場合でも、最大利得が−2.7dBi以上となるウインドガイド36の材料について検討する。なお、ここで設定した閾値−2.7dBiは、車両のルーフ部に配置された高さ6cmのシャークフィン型のアンテナ装置に内蔵された3Gアンテナの800MHz帯における典型的な受信利得であり、車載用アンテナの標準的な利得の目安となる値である。
以下、図8〜図11を参照して、本実施形態の窓フレーム10の第1変形例〜第3変形例について説明する。本発明に係る窓フレームの特徴的な構成は、ウインドガイドの材料であり、樹脂パネル100の構造や、アンテナの種類およびパターン形状を問わず、アンテナとして一定の効果が得られる。したがって、本実施形態の窓フレーム10において、樹脂パネル100の構造や、フィルムアンテナ200の種類またはパターン形状等を図4(a)に示した態様とは異ならせたとしても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。なお、図8〜図11に示す窓フレーム10は、あくまでも例示的なものであり、本発明の窓フレームを限定するものではない。なお、図8〜図11の各図において、(a)は、窓フレーム10の平面図であり、(b)は、(a)に示す窓フレーム10のA−A断面図である。
図11を参照して、本実施形態に係る窓フレーム10の第4変形例について説明する。図11において、(a)は、第4変形例の窓フレーム10の平面図であり、(b)は、(a)に示す窓フレーム10のA−A断面図である。
図12を参照して、本実施形態に係る窓フレーム10の第5変形例について説明する。
図12において、(a)は、窓フレーム10の平面図であり、(b)は、(a)に示す窓フレーム10のA−A断面図である。
本発明は上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
20 車両
30 後部ドア
31 ドアボディ
32 後部窓(窓)
34 ドアフレーム(金属フレーム)
34A 第1の平面部分
34B 第2の平面部分
34C 傾斜面
36 ウインドガイド
100 樹脂パネル
110 主要部
110A、110C 重畳領域
110B 非重畳領域
112 内部空間
120 ドアフレーム支持部
130 保持部
140 延在部
200 フィルムアンテナ(アンテナ)
210 第1の導体膜(導体パターン)
220 第2の導体膜(導体パターン)
230 給電部
260 平面伝送線路
Claims (10)
- 窓を配置するための開口を有する金属フレームの車外側に取り付けられる樹脂パネルと、上記樹脂パネルに内蔵されたアンテナと、上記樹脂パネルの縁部に嵌め込まれたウインドガイドであって、上記窓の縁部を把持するウインドガイドと、を備え、
誘電正接が0.67以下である樹脂を上記ウインドガイドの材料とし、
上記アンテナの給電部は、上記樹脂パネルを車外側から平面視したときに、上記ウインドガイドと重なるように配置されている、ことを特徴とする窓フレーム。 - 窓を配置するための開口を有する金属フレームの車外側に取り付けられる樹脂パネルと、上記樹脂パネルに内蔵されたアンテナと、上記樹脂パネルの縁部に嵌め込まれたウインドガイドであって、上記窓の縁部を把持するウインドガイドと、を備え、
誘電正接が0.67以下である樹脂を上記ウインドガイドの材料とし、
上記アンテナの給電部から、上記樹脂パネルの外周縁部まで、上記アンテナの基材上を延伸する平面伝送線路をさらに備える、ことを特徴とする窓フレーム。 - 窓を配置するための開口を有する金属フレームの車外側に取り付けられる樹脂パネルと、上記樹脂パネルに内蔵されたアンテナと、上記樹脂パネルの縁部に嵌め込まれたウインドガイドであって、上記窓の縁部を把持するウインドガイドと、を備え、
誘電正接が0.67以下である樹脂を上記ウインドガイドの材料とし、
上記アンテナの給電部は、上記樹脂パネルを車外側から平面視したときに、上記ウインドガイドと重なるように配置され、
上記アンテナの給電部から、上記樹脂パネルの外周縁部まで、上記アンテナの基材上を延伸する平面伝送線路をさらに備える、ことを特徴とする窓フレーム。 - 上記アンテナと上記平面伝送線路は、一体成型され、上記樹脂パネルに埋設されていることを特徴とする請求項2または3に記載の窓フレーム。
- 上記平面伝送線路の上記給電部側と反対側の端部は、上記樹脂パネルを車外側から平面視したときに、上記金属フレームと共にドアを構成するドアボディと重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の窓フレーム。
- 上記金属フレームは、外周側に位置する第1の平面部分と、内周側に位置して上記第1の平面部分よりも車室側に位置する第2の平面部分とを有し、
上記平面伝送線路の上記給電部側と反対側の端部は、上記樹脂パネルを車外側から平面視したときに、上記ウインドガイドおよび上記第1の平面部分のいずれとも重ならない位置に配置されていることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の窓フレーム。 - 誘電正接が0.67以下である樹脂に代えて、直流電流に対する導電率が6.2×10−6S/cm以下である樹脂を上記ウインドガイドの材料とする、ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の窓フレーム。
- 誘電正接が0.67以下である樹脂に代えて、カーボンブラックの含有率が35wt%以下であるEPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)を上記ウインドガイドの材料とする、ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の窓フレーム。
- 上記樹脂パネルの材料は、上記ウインドガイドの材料よりも誘電正接が小さい樹脂である、ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の窓フレーム。
- 上記樹脂パネルの材料は、アクリル樹脂又はABS樹脂である、ことを特徴とする請求項9に記載の窓フレーム。
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