JP2007110694A - 車両室内用アンテナ装置 - Google Patents

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佳弘 佐藤
Shinji Iino
慎治 飯野
Noriyuki Mukai
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Abstract

【課題】デジタルテレビを良好な感度で受信することができ、且つ車両内への水漏れの心配もない車両室内用アンテナ装置を提供する。
【解決手段】天井部とガラス面とを有する車両の室内に設けられるアンテナ装置は、アンテナエレメント5と、アンテナエレメントに給電するための給電部と、アンテナエレメントを天井部に接地するための接地部と、給電部及び接地部に接続されるピックアップ部4とを具備するものである。アンテナエレメント5は、車両の天井部の縁部に対して垂線方向にガラス面に沿って配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は車両室内用アンテナ装置に関し、特に、ガラス面に沿って配置されるアンテナエレメントを有する車両室内用アンテナ装置に関する。
従来から、車両のフロントガラス或いはリアガラスに取り付けられるテレビ受信用のフィルムアンテナが開発されている。このようなフィルムアンテナは、デジタルテレビの電波が水平偏波であるため、重力方向に対して直交する方向(水平方向)であって、かつ車両のガラス面に対して平行な方向の信号成分を受信するものが主流である。
このような従来のフィルムアンテナとしては、例えば、車両のピラー部に接地されピラーから延在するフィルムアンテナ(特許文献1参照)や、車両のガラスに取り付けられる矩形状又は縦長T字形状のループアンテナ(特許文献2参照)等が広く知られている。
特開2002−353714号公報 特開2004−96773号公報
しかしながら、従来の車両に取り付けられるアナログテレビ用のアンテナ構造では、特に、弱電界において、デジタルテレビの電波を良好な特性で受信することができないという問題があった。
一方、デジタルテレビ専用に設計されたフィルムアンテナでも、外付けアンテナと同等の受信性能を得ることはできていなかった。さらに、受信性能が良い外付けロッドアンテナでは、当該アンテナへ車両内から同軸ケーブルを引き回さなくてはならないため、この部分から車両内への水漏れの問題が生ずる場合があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、デジタルテレビを良好な感度で受信することができ、且つ車両内への水漏れの心配もない車両室内用アンテナ装置を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による車両室内用アンテナ装置は、車両の天井部の縁部に対して垂線方向にガラス面に沿って配置されるアンテナエレメントと、アンテナエレメントに給電するための給電部と、アンテナエレメントを天井部に接地するための接地部と、給電部及び接地部に接続されるピックアップ部とを具備するものである。
ここで、アンテナエレメントは、ガラス面に対して所定の間隔をあけて配置されても良い。
また、アンテナエレメントは、モノポール素子からなるものであっても良い。
さらに、アンテナエレメントをガラス面上に固定するための固定部材を具備するものであっても良い。
また、ピックアップ部は、固定部材の端部を拘持するものであっても良い。
また、ピックアップ部は、アンテナエレメントの端部を拘持するものであっても良い。
またさらに、接地部は、天井部に直接結合又は容量結合するものであれば良い。
さらに、アンテナ装置は、該アンテナ装置を複数用いるダイバシティアンテナからなるものであっても良い。
また、アンテナ装置は、接地部近傍の天井部がアンテナ装置の指向性の向きに影響を及ぼす位置に配置されれば良い。
またさらに、アンテナエレメントは、該アンテナエレメントの共振周波数をλとすると、天井部の縁部端からλ/4の位置の縁部に対して垂線方向に配置されても良い。
本発明の車両室内用アンテナ装置には、デジタルテレビを良好な感度で受信することができ、かつ車内への水漏れの心配もないという利点がある。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の車両室内用アンテナ装置の車両室内への取り付け例を示す図である。図示の通り、車両1内部の天井部2に同軸ケーブル3が配設されており、この同軸ケーブル3に接続されるピックアップ4及びピックアップ4から延在するアンテナエレメント5が、リアガラス6及びフランジ面7に設けられている。同軸ケーブル3は、一端がピックアップ4に接続され他端は外部機器(図示せず)に接続される。ピックアップ4は、後述のアンテナエレメント5の給電部及び接地部に接続されるものであり、外部機器とアンテナエレメントを接続するためのものである。すなわち、ピックアップ4により、同軸ケーブル3の外芯がアンテナエレメント5の接地部に接地され中芯がアンテナエレメント5の供給部に接続される。図示例では、ピックアップ4はフランジ面7に設置されているが、アンテナエレメント5を後述のように所定の位置・方向に取り付け可能な位置であれば、如何なる場所に設置されていても良い。また、ピックアップ4には、必要によりアンテナエレメント5からの信号を増幅するための増幅器を設けても良い。
アンテナエレメント5は、車両1の天井部2の縁部(図示例では天井部2とフランジ面7の境界部)に対して垂線方向にガラス面に沿って配置されている。このようにアンテナエレメント5を配置すると、例えば天井部2の縁部が水平であり且つ車両1の進行方向に対して直交するものであれば、車両1の進行方向の正面からみると、アンテナエレメント5は垂直方向を向いているが、車両1の進行方向の側方からみると、アンテナエレメント5はガラス面に沿って斜め方向を向いている。また、例えば天井部2の縁部が湾曲している場合には、アンテナエレメントはこの湾曲縁部に対して垂線方向に配置されるため、車両1の進行方向の正面からみると斜め方向を向くこともあるが、車両1の進行方向の側方からみると上記と同様にガラス面に沿って斜め方向を向いていることになる。したがって、いずれの場合においても、水平偏波であるデジタルテレビ放送の電波であっても良好に受信することが可能となる。なお、本明細書中で「垂線方向」とは、必ずしも厳密に縁部に対して垂直な角度の方向あることを意味するものではなく、概ね垂直な方向という程度のものであることは理解されるべきである。
また、アンテナエレメント5は、図示のように棒状のモノポール素子からなるもので、例えば銅等からなるものであれば良いが、フィルム状のアンテナエレメント、すなわち、樹脂製フィルム等の上に金属パターンでアンテナエレメントのパターンを形成したもので構成しても良い。また、アンテナエレメントは必ずしも直線状である必要はなく、適宜折り曲げられても構わない。そして、本発明のアンテナ装置には、アンテナエレメント5に給電するための給電部とアンテナエレメント5を天井部2に接地するための接地部が含まれる。接地部は、天井部2に対して直接結合されるものであっても容量結合されるものであっても良い。すなわち、接地部が天井部2に対して電気的導通が取れる状態で接続されていても良いし、天井部2の近傍に接地部が配置されることにより、高周波的に容量結合するように構成されても良い。なお、接地部は、天井部以外にもフランジ面に容量結合するものであっても良い。
なお、図示例ではアンテナエレメント5をリアガラス6のガラス面に沿って配置する例を示したが、本発明はこれに限定されず、フロントガラス等のガラス面に沿って配置しても構わない。
次に、図2及び図3を用いて、本発明のアンテナ装置を車両へ取り付ける場合の構造をより具体的に説明する。図2はピックアップを車両の天井部に設ける場合の構造を説明するための側断面図であり、図3はピックアップをガラス面に設ける場合の構造を説明するための側断面図である。図2に示すように、ピックアップ4はアンテナエレメント5の端部を拘持しており、アンテナエレメント5は天井部2の縁部に対して垂線方向に配置され、リアガラス6のガラス面から離間している。ピックアップ4は、接地部を構成するグラウンドテープ11を介して車両1の天井部2、より具体的にはその端部のフランジ面7に取り付けられている。また、リアガラス6は、車両1のフランジ面7にモール12及び弾性部材13によって取り付けられている。
図2において、図示は省略しているが、同軸ケーブル3の外芯とグラウンドテープ11とがピックアップ4を介して電気的に接続されており、同軸ケーブル3の中芯と給電部がピックアップ4を介して電気的に接続されている。そして、アンテナエレメント5は、グラウンドテープ11を介してフランジ面7に接地されている。グラウンドテープ11とフランジ面7とは、溶接やネジ止め等によって直接結合により接続されても良いし、粘着材によって固定されても良い。なお、フランジ面が塗装されている場合等では、フランジ面とグラウンドテープは直接結合しないが、容量結合することになる。
次に、図3を用いてピックアップをガラス面に設ける場合の構造を説明する。この例でも、ピックアップ4がアンテナエレメント5の端部を拘持しており、アンテナエレメント5は天井部2の縁部に対して垂線方向に配置され、リアガラス6のガラス面から離間している。ピックアップ4は、接地部を構成するグラウンドテープ11を介してリアガラス6に取り付けられている。また、リアガラス6は、車両1のフランジ面7にモール12及び弾性部材13によって取り付けられている。
図3においても、図示は省略しているが、同軸ケーブル3の外芯とグラウンドテープ11とがピックアップ4を介して電気的に接続されており、同軸ケーブル3の中芯と給電部がピックアップ4を介して電気的に接続されている。そして、アンテナエレメント5は、グラウンドテープ11を介してフランジ面7と容量結合することにより接地されている。
図2及び図3に示した例では、アンテナエレメント5は、ガラス面に対して所定の間隔をあけて配置されている。アンテナエレメントがガラス面に近い場合、ガラスの誘電率の影響を受け、この誘電率の違いにより同じアンテナエレメントであっても共振周波数がずれてしまう場合があり、ガラスの誘電率に応じてアンテナエレメントを変えなければならないこともあった。しかしながら、上述のように、本発明のアンテナ装置では、アンテナエレメントとガラス面とを離間させることで、ガラスの誘電率の影響を受け難いように構成することが可能である。
なお、離間方法としては、アンテナエレメントのピックアップに拘持される側の端部をガラス面から離れる方向に屈曲させてアンテナエレメントをガラス面から離間させても良いし、ピックアップによる拘持位置をガラス面から離れた側にすることでアンテナエレメントを離間させても良い。
上述の例では、アンテナエレメントが棒状のモノポール素子からなるものについて説明したが、次に、フィルム状のアンテナエレメントをリアガラスに貼付する例について説明する。図4は、アンテナエレメントをフィルム状に構成してガラス面に貼付した場合の構造を説明するための側断面図であり、図5(a)は、アンテナエレメントの上平面図、図5(b)はそのb−b断面図である。アンテナエレメント5はフィルム状に構成されており、天井部2の縁部に対して垂線方向に配置されるように、リアガラス6のガラス面に貼付される。図5(a)に示すように、アンテナエレメント5は絶縁用フィルム20上に銅等の導電性部材をパターンニングして形成され、また、接地部を構成する接地板21も同様に絶縁用フィルム20上に形成されている。接地板21は、アンテナエレメント5に対して直交する方向、すなわち、車両の左右方向に長い形状を有し、その長辺はリアガラス6上においてフランジ面7に近接して設けられ、車両1の天井部2と容量結合するよう構成される。
図5(a)に示すように、ピックアップ4は、接地部及び給電部に、接地端子31及び給電端子32を介して接続される。すなわち、同軸ケーブル3の外芯が接地端子31を介して接地部を構成する接地板21に接続され、同軸ケーブル3の中芯が給電端子32を介して給電部22に接続される。
また、図5(b)に示すように、アンテナエレメント5は絶縁用フィルム20を介してリアガラス6に貼付されており、ガラス面との離間幅は、絶縁用フィルム20の厚さで調整することが可能となる。
次に、図6を用いて、本発明の車両室内用アンテナ装置のアンテナエレメントをガラス面上へ固定するための他の構造について説明する。図示のように、アンテナエレメント71は、例えば透明のアクリル板等からなる固定部材70に設けられ、これによりガラス面上に固定される。アンテナエレメント71は、導体を固定部材70に貼り付けることで構成されても良いし、導体を蒸着等により堆積することで構成されても勿論良い。そして、ピックアップ4は、固定部材70の端部を拘持している。また、図示のように、必要により複数のアンテナエレメントを固定部材70に設けても良い。すなわち、固定部材70に、アンテナエレメント71以外の他のアンテナエレメント72を設けることも可能である。図示例では、アンテナエレメント72は、アンテナエレメント71と容量結合するようにアンテナエレメント71に近接して配置されている。これにより、複数のアンテナエレメントにより電波を受信することが可能となるので、アンテナ装置の性能を向上させることが可能となる。
なお、図6に示した例は、2本のアンテナエレメントを設けたものであったが、本発明はこれに限定されず、より多くのアンテナエレメントを設けても良い。また、図示例のアンテナエレメント72の形状は、その先端部分が直角に折り曲げられているものを示したが、全体としてみてアンテナエレメントが車両の天井部の縁部に対して垂線方向にガラス面に沿って配置されていれば、その形状は如何なるものであっても構わない。さらに、アンテナエレメントは、ガラス面から離間させないものと離間させたものを組み合わせて用いても勿論構わない。
さらに、図6に示した例では、アンテナエレメントはその全体が固定部材によりガラス面に固定されていたが、本発明はこれに限定されず、例えばアンテナエレメントの先端部のみが固定部材により固定され、アンテナエレメントの他端はピックアップ部により拘持されるものであっても構わない。
以下、本発明の車両室内用アンテナ装置と従来のアンテナ装置のアンテナ特性の比較を行ったシミュレーション結果について説明する。図7及び図8は、シミュレーションに用いたアンテナ取り付け方法のモデルを説明するための図であり、図7が本発明のアンテナ装置のモデルであり、車両の天井部(ルーフ)にアンテナエレメントを取り付けたものである。図8が比較する従来のアンテナ装置のモデルであり、車両の柱部(ピラー)に水平方向にアンテナエレメントを取り付けたものである。以下、図7のモデルをルーフモデルと、図8のモデルをピラーモデルと呼ぶ。
なお、図7において、符号37は車両の天井部を擬制したモデルを示しており、符号38はアンテナエレメントを擬制したモデルを示している。そして、図7(a)は天井部の上面図であり、図7(b)はその側面図である。
また、図8において、符号35は車両のピラーを擬制したモデルを示しており、符号36はアンテナエレメントを擬制したモデルを示している。そして、図8(a)はピラーの上面図であり、図8(b)はその正面図である。
図9は、図7及び図8に示したモデルの周波数特性を示す図である。同図に示すように、図8に示したピラーモデルよりも図7に示したルーフモデルのほうが、試験を行った470[MHz]〜710[MHz]の全帯域において周波数特性が改善されていることが分かる。すなわち、デジタルテレビにおけるUHF帯において同じ長さのアンテナエレメントを用いた場合、本発明に係るアンテナ装置の方が、受信感度が高いことが分かる。
図10は、図7に示したルーフモデルの指向特性を示す図であり、図10(a)は500[MHz]、図10(b)は600[MHz]及び図10(c)は700[MHz]のときの指向特性を示している。また、図11は、図8に示したピラーモデルの指向特性を示す図であり、図11(a)は500[MHz]、図11(b)は600[MHz]及び図11(c)は700[MHz]の特性を示している。図10に示すように、ピラーモデルの指向特性は、図11に示したルーフモデルに比しても全体域において遜色のない指向特性を示している。
また、図12は、図7に示したルーフモデルのVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)の特性を示す図である。さらに、図13は、図8に示したピラーモデルのVSWRの周波数特性を示す図である。図12及び図13に示すように、ルーフモデルのVSWRの特性がピラーモデルのVSWR特性よりも優れており、使用可能周波数帯域(例えば、VSWRが2.0以下)が広く採れることが分かる。
次に、図14に示すようなモデルを用いてアンテナ装置の各特性を測定した結果を説明する。図14は、アンテナエレメントを本発明の実施の形態に係る方向に設置した場合のモデルを示している。同図に示すように、車両の天井部を擬制したアルミ板41に対して160°の方向で車両のリアガラスを擬制したガラス42が取り付けられている。このガラス42の一方の側辺部のガラス面上には車両のピラーを擬制した銅箔テープ43が貼り付けられている。この銅箔テープ43から90[mm]間隔を存して、アンテナエレメント44が本発明の実施の形態における取り付け方向、すなわち、天井部の縁部に対して垂線方向にガラス面に沿って配置されている。なお、図示例ではアンテナエレメント44は、天井部を模擬したアルミ板41の中心線から左側、すなわちピラーを擬制した銅箔テープ43側にオフセットされて配置されている。
図15は、図14に示したモデルにおいて、アンテナエレメントをガラスから離間させて距離を変化させた場合の周波数特性(平均利得)を示す図である。また、図16乃至図19は、アンテナエレメントとガラスの間隔の各距離に対して周波数を変化させた場合の指向特性を示す図である。なお、各指向性図では、図14のアンテナエレメント44の先端側を0°として上からみた指向特性を表わしている。
図14に示したモデルの周波数特性(図15)は図7に示したモデルの周波数特性(図9)と略一致する。したがって、図14の測定条件においても、図15に示されるように、ガラスからアンテナエレメントの距離が離れるほど低周波帯において利得が悪化するものの、全体的にみてガラスからの距離が0[mm]〜30[mm]の間では、従来の例えば車両のピラーに水平方向に取り付けられたアンテナエレメントと比較しても遜色ない性能を有しているといえる。
また、図16〜図19に示されるように、500[MHz]〜700[MHz]のいずれの帯域においても、アンテナエレメントをガラスから離間させても指向性の低下がみられないことが分かる。ここで、各特性図から分かる通り、図中左側、すなわち270°側に指向性が高くなっている。指向性が偏る理由としては、アンテナエレメントが接地されるアルミ板41の縁部の影響を受け、アルミ板41の中心線から左側に広がったものと考えられる。すなわち、接地部近傍の天井部(縁部)がアンテナ装置の指向性の向きに影響を及ぼす位置にアンテナ装置を配置すれば、指向性を積極的に偏らせることが可能となる。したがって、本発明のアンテナ装置は単体でも勿論使用可能であるが、上記のようなアンテナの指向性を考慮して、本発明のアンテナ装置を複数用いることでダイバシティアンテナを構成し、各アンテナの指向性を合成することも可能である。例えば、本発明のアンテナ装置を2つ用い、リアガラスの左右上部に所定の間隔をあけて配置することで、幅広い指向性を持つアンテナ装置とすることが可能である。
次に、アンテナエレメントとガラス面を離間させた場合のVSWR特性を測定した結果を説明する。図20は、VSWR特性の測定に用いた本発明のアンテナ装置の測定モデルを説明するための図であり、図20(a)は同測定モデルの上平面図、図20(b)は同モデルの側面図である。同図において、符号51はガラスを擬制しており、符号52はアンテナエレメントを擬制しており、ガラス51上に銅箔を配置して擬似ボディとし、接地部を擬制しているアルミテープと擬似ボディとの間にPET素材を配置することで塗装面を擬制し、容量結合により接地される構造としている。
図21(a)〜図21(f)は、図20に示した測定モデルのアンテナエレメントとガラスの間隔を変えて測定したVSWR特性を示す図であって、アンテナエレメントをガラスから5[mm]、10[mm]、15[mm]、20[mm]、25[mm]、30[mm]離間させた場合のVSWRの周波数特性をそれぞれ示している。図21(a)〜図21(f)に示すように、ガラスからのアンテナエレメントの距離に従って、VSWRの特性が変化することが分かる。一般的に、デジタルテレビの受信に必要とされる性能は、VSWRが2.0以下であることを考慮すると、図20に示したモデルでは、アンテナエレメントとガラスとの距離は、5.0[mm]〜20.0[mm]が望ましいことが分かる。
なお、VSWRについては、上述の実験では1本のアンテナエレメントを用いて行っており、今回の実験では離間距離が大きくなるほど性能の低下がみられたが、実際の使用時にはアンテナエレメントの構成、本数、材質等で性能は多少変動する。本発明のアンテナ装置を2本用いてダイバシティアンテナを構成して行った実車試験では、離間距離10[mm]で最も性能が高く、その前後5[mm]内で特に良好な結果が得られることが確認できた。
次に、本発明のアンテナ装置の天井部への配置位置について説明する、アンテナ装置の配置位置を、車両の天井部の縁部端から車両横方向に移動させた場合の特性を実車実験により測定した。図22は、実車実験の条件を説明するための図である。アンテナエレメント5を、天井部2の縁部端、すなわちフランジ面7の端部からλ/8,λ/4,λ/2の位置に変化させて、天井部2に対して垂線方向にフロントガラス面に沿って配置したときの特性をそれぞれ測定した。ここで、λは、アンテナエレメントの共振周波数である。この結果、周波数特性においては、平均的にみてアンテナエレメント5がλ/4の位置付近に配置されたときに、最も良い結果が得られた。したがって、平均利得特性を考慮すると、アンテナエレメント5は、好ましくは天井部の縁部端からλ/4の位置の縁部に対して垂線方向に配置される。
また、本発明のアンテナ装置を2本用いてダイバシティアンテナを構成し、各アンテナ装置の配置位置を上記のように天井部2(フランジ面7)の端部からλ/8,λ/4,λ/2の位置に変化させた場合の実車実験による指向特性を図23に示す。図23(a)が500[MHz]、図23(b)が600[MHz]及び図23(c)が700[MHz]のときの指向特性を示している。なお、同図に示される指向特性は、2つのアンテナ装置(図22中、それぞれ1−1’,2−2’,3−3’)の合成された指向特性である。図14に示した測定モデルから得られた指向特性では、図16〜図19に示されるように270°側に指向性が高くなっているが、実車実験では、図23に示すように、車両の左右方向から約30°それぞれ前方に、すなわち、約300°と約60°の方向に、指向性の向きが偏っている。実車では天井部の大きさが測定モデルのアルミ板よりも大きいことや車両室内側の環境等が影響したと思われるが、指向特性としては車両に対して外側方向に大きく広がるような好ましい特性が得られていることが分かる。また、図23から、天井部の縁部端からの配置位置の変化に対する指向特性の変化については、全体的にみて略λ/4の位置に配置されたときに最も良い結果が得られていることが分かる。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置によれば、デジタルテレビを良好な感度で受信することができる。また、感度を損なわずに車内にアンテナエレメントを取り付けることができることから、同軸ケーブルの引き回し等による車内への水漏れの心配がない。
さらに、本発明の実施の形態に係るアンテナ装置は、リアガラス上部に取り付けることが可能であるため、リアガラス中央部に設けられている熱線の影響を比較的受けにくく、アンテナ特性が劣化するのを防止することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、アンテナエレメントを車両と天井部の縁部に対して垂直方向にガラス面に沿って配置することにより、ピラーに対して水平方向にアンテナエレメントを取り付けた場合に比して、利得、指向性及びVSWRを良好に保つことができた。
従来のフィルムアンテナではガラス上に貼り付けたエレメントの端部に給電部を設け、ここにピックアップを貼り付けていたが、本発明の実施の形態のように、ピックアップがアンテナエレメントの端部或いはアンテナエレメントを固定する固定部材を拘持するように構成することで、車両への貼り付けを一度で行うことができ、その結果、作業性が向上すると共に、貼り付けが失敗する可能性を減少させることもできる。また、1つのアンテナに無給電素子等を含む複数の素子を用いる場合等では、何らかの固定部材が必要となるが、ピックアップで当該固定部材を保持することにより、取り付けの安定性を向上させることも可能となる。
さらに、本発明の実施の形態によれば、図5に示すように、横長の接地板及び縦長の線状アンテナエレメントを組み合わせることにより、本発明の実施の形態にかかるアンテナ装置を車両に取り付けた場合に、接地板及びアンテナエレメントの何れも運転者の視界を妨げ難くなるように構成することが可能となる。また、接地板の長辺が車両本体近傍に設けられるため、内装を剥がすことなく、簡単な取り付け作業で十分な接地効果を得ることができる。
なお、本発明の車両室内用アンテナ装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
図1は、本発明のアンテナ装置を車両内部に取り付けた状態を説明するための図である。 図2は、本発明のアンテナ装置のピックアップを車両に設置する場合の取り付け構造を説明するための図である。 図3は、本発明のアンテナ装置のピックアップをガラスに設置する場合の取り付け構造を説明するための図である。 図4は、本発明のアンテナ装置のアンテナエレメントをフィルム状に構成してガラス面に貼付した場合の構造を説明するための図である。 図5は、図4のアンテナ装置を説明するための図であり、図5(a)は、アンテナエレメントの上平面図、図5(b)はそのb−b断面図である。 図6は、本発明のアンテナ装置のアンテナエレメントをガラス面上へ固定するための他の構造を説明するための図である。 図7は、本発明のアンテナ装置の、アンテナエレメントを車両の天井部から垂線方向に取り付けた場合のルーフモデルを示す図である。 図8は、従来のアンテナ装置の、アンテナエレメントを車両の柱部に水平方向に取り付けた場合のピラーモデルを示す図である。 図9は、図7及び図8に示したモデルの周波数特性を示す図である。 図10は、図7に示したルーフモデルの指向特性を示す図である。 図11は、図8に示したピラーモデルの指向特性を示す図である。 図12は、図7に示したルーフモデルのVSWR特性を示す図である。 図13は、図8に示したピラーモデルのVSWR特性を示す図である。 図14は、アンテナエレメントを本発明の実施の形態に係る方向に設置した場合のモデルを示す図である。 図15は、図14に示したモデルにおいて、アンテナエレメントのガラスからの距離を変化させた場合の周波数特性を示す図である。 図16は、図14に示したモデルにおいて、アンテナエレメントのガラスからの距離(0[mm])に対して周波数を変化させた場合の指向特性を示す図である。 図17は、図14に示したモデルにおいて、アンテナエレメントのガラスからの距離(10[mm])に対して周波数を変化させた場合の指向特性を示す図である。 図18は、図14に示したモデルにおいて、アンテナエレメントのガラスからの距離(20[mm])に対して周波数を変化させた場合の指向特性を示す図である。 図19は、図14に示したモデルにおいて、アンテナエレメントのガラスからの距離(30[mm])に対して周波数を変化させた場合の指向特性を示す図である。 図20は、VSWR特性の測定に用いた本発明のアンテナ装置の測定モデルを説明するための図である。 図21は、図20に示したモデルにおいて、アンテナエレメントをガラスからそれぞれ5[mm]、10[mm]、15[mm]、20[mm]、25[mm]、30[mm]離間させた場合のVSWRの周波数特性を示す図である。 図22は、本発明のアンテナ装置の実車実験の条件を説明するための図である。 図23は、本発明のアンテナ装置の配置位置を天井部の縁部端からλ/8,λ/4,λ/2の位置に変化させた場合の実車実験による指向特性を示す図である。
符号の説明
1 車両
2 天井部
3 同軸ケーブル
4 ピックアップ
5 アンテナエレメント
6 リアガラス
7 フランジ面
11 グラウンドテープ
12 モール
13 弾性部材
20 絶縁用フィルム
21 接地板
22 給電部
31 接地端子
32 給電端子
41 アルミ板
42 ガラス
43 銅箔テープ
44 アンテナエレメント
51 ガラス
52 アンテナエレメント
70 固定部材
71 アンテナエレメント
72 アンテナエレメント

Claims (10)

  1. 天井部とガラス面とを有する車両の室内に設けられるアンテナ装置であって、該装置は、
    車両の天井部の縁部に対して垂線方向にガラス面に沿って配置されるアンテナエレメントと、
    前記アンテナエレメントに給電するための給電部と、
    前記アンテナエレメントを天井部に接地するための接地部と、
    前記給電部及び接地部に接続されるピックアップ部と、
    を具備することを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
  2. 請求項1に記載のアンテナ装置において、前記アンテナエレメントは、前記ガラス面に対して所定の間隔をあけて配置されることを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置において、前記アンテナエレメントは、モノポール素子からなることを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両室内用アンテナ装置であって、さらに、前記アンテナエレメントをガラス面上に固定するための固定部材を具備することを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
  5. 請求項4に記載の車両室内用アンテナ装置において、前記ピックアップ部は、前記固定部材の端部を拘持することを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
  6. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両室内用アンテナ装置において、前記ピックアップ部は、前記アンテナエレメントの端部を拘持することを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のアンテナ装置において、前記接地部は、前記天井部に直接結合又は容量結合することを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載のアンテナ装置において、前記アンテナ装置は、該アンテナ装置を複数用いるダイバシティアンテナからなることを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れかに記載のアンテナ装置において、前記アンテナ装置は、前記接地部近傍の天井部がアンテナ装置の指向性の向きに影響を及ぼす位置に配置されることを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載のアンテナ装置において、前記アンテナエレメントは、該アンテナエレメントの共振周波数をλとすると、前記天井部の縁部端からλ/4の位置の縁部に対して垂線方向に配置されることを特徴とする車両室内用アンテナ装置。
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JP2013126086A (ja) * 2011-12-14 2013-06-24 Kojima Press Industry Co Ltd 車両搭載用アンテナ支持ユニット
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