JP5391176B2 - 車両ウィンドウ用アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両ウィンドウ用アンテナ装置に関し、特に、非接地型の車両ウィンドウ用アンテナ装置に関する。
車両ウィンドウに設けられるアンテナには、大きく分けてガラスアンテナとフィルムアンテナが存在する。ガラスアンテナは、アンテナ線をガラスに予め印刷したものである。フィルムアンテナは、アンテナ素子を粘着フィルム上に設け、ガラスにこのフィルムを粘着させるものである。また、フィルムアンテナには、フィルム上に設けられたアンテナ素子に粘着層を設け、ガラス等の車両ウィンドウに貼付した後にフィルムを剥がしてアンテナ素子のみがガラス等に残るようにしたものも存在する。以下、本明細書中では、車両ウィンドウ用アンテナ装置という用語には、ガラスアンテナやフィルムアンテナ、アンテナ素子のみを残す構造のアンテナ等も含むものとして記載する。このような車両ウィンドウ用アンテナ装置には、フロントウィンドウ用、リアウィンドウ用、サイドウィンドウ用等、配置されるウィンドウ毎に種々のものが存在する。
また、ルーフやピラー等の車両ボディに接地が必要な接地型の車両ウィンドウ用アンテナ装置や、車両ボディとの電気的な接続が不要な非接地型の車両ウィンドウ用アンテナ装置も存在する。車両ウィンドウ用アンテナ装置においては、車両ボディに接地が必要な接地型アンテナ装置よりも、非接地型アンテナ装置のほうが、車両への設置作業性の点で優れている。
このような非接地型のアンテナ装置として、例えば特許文献1に開示のアンテナ装置がある。特許文献1には、モノポールアンテナ素子と、その両側にL字状に配置されるグラウンド素子からなる非接地型のモノポールアンテナ装置が開示されている。
特開2003−110342号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載のアンテナ装置では、ケーブルとのインピーダンス整合を取ることが難しかった。また、グラウンドパターンの形状に自由度がないため、調整の余地も少なかった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、小型でシンプルなパターンのアンテナ素子でありながら、周波特性を改善可能な車両ウィンドウ用アンテナ装置を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による車両ウィンドウ用アンテナ装置は、グラウンド端子と、車両ボディ縁部に対して略平行にグラウンド端子から延在するグラウンドループ状部であって、グラウンドループ状部のベタ部分の一部にスリットが設けられる、グラウンドループ状部と、グラウンド端子近傍に配置される給電端子と、グラウンドループ状部に対して略垂直方向に給電端子から延在するアンテナ素子と、を具備するものである。
ここで、グラウンドループ状部は、車両ボディのピラー縁部に対して略平行にグラウンド端子から延在するように、車両ボディのピラー縁部近傍に配置されれば良い。
また、グラウンドループ状部は、車両ボディ縁部に近い側のベタ部分にスリットが設けられれば良い。
また、グラウンドループ状部とアンテナ素子は、L字形又はT字形となるように構成されれば良い。
本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置には、小型でシンプルなパターンのアンテナ素子でありながら、周波特性を改善可能であるという利点がある。
図1は、本発明の第1実施例の車両ウィンドウ用アンテナ装置を説明するための概略平面図である。 図2は、本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置を車両ウィンドウに設置した場合を説明するための概略図である。 図3は、本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置の周波数対受信感度特性のグラフである。 図4は、本発明の第2実施例の車両ウィンドウ用アンテナ装置を説明するための概略平面図である。 図5は、本発明の第3実施例の車両ウィンドウ用アンテナ装置を説明するための概略平面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例の車両ウィンドウ用アンテナ装置を説明するための概略平面図である。また、図2は、本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置を車両ウィンドウに設置した場合を説明するための概略図である。図示の通り、本発明の車両ウィンドウに設けられる車両ウィンドウ用アンテナ装置は、グラウンド端子10と、グラウンドループ状部20と、給電端子30と、アンテナ素子40とから主に構成されている。
グラウンド端子10は、図示例では概ね4角形状で構成されるランドからなるものであり、グラウンド端子10には、ケーブルを介して外部機器(図示せず)と接続するための、コネクタ1のグラウンド側が接続される。
グラウンドループ状部20は、車両ボディBの縁部に対して略平行にグラウンド端子10から延在するものである。即ち、グラウンドループ状部20は、グラウンド端子10と同電位となるものであり、所定の幅を有するベタ部分からなるラインでループ状に構成されるものである。図2に示されるように、グラウンドループ状部20は、例えば車両ウィンドウに貼付するときに、車両ボディBの縁部に沿って、略平行となるように配置されれば良い。図示例では、車両ボディBのピラーPの縁部に対して略平行にグラウンド端子10から延在するように、車両ボディBのピラーPの縁部近傍にグラウンドループ状部20が配置された例を示している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、グラウンドループ状部は、ピラー以外にも車両ボディBのルーフ側やボンネット側等のフランジに沿って配置されても良い。また、グラウンドループ状部20は、貼付される車両ウィンドウの湾曲に応じて、貼付されたときに直線状になるように若干湾曲された状態で構成されても良い。
給電端子30は、グラウンド端子10の近傍に配置されている。より具体的には、グラウンドループ状部20がグラウンド端子10から延在する方向とは反対側の近傍に配置されている。給電端子30も、グラウンド端子10と同様、概ね4角形状で構成されるランドからなるものであり、ケーブルを介して外部機器(図示せず)と接続するための、コネクタ1の給電側が接続される。また、図示例では、給電端子30の周辺が、グラウンド端子10から延在する配線で囲まれているものを示した。
アンテナ素子40は、グラウンドループ状部20に対して略垂直方向に給電端子30から延在するものである。図示例では、ループ状のアンテナ素子40を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、先端が開いている2本のアンテナ素子でも良く、さらに1本のアンテナ素子であっても良い。図示例では、グラウンドループ状部20とアンテナ素子40とで、L字形となるように構成されている。なお、図示例では直線状のアンテナ素子を示したが、本発明はこれに限定されず、アンテナ素子は、屈折しているものや湾曲しているもの、分岐しているもの等、種々の形状のものであっても、全体として概ねL字形となるように構成されていれば良い。
そして、本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置は、最も特徴的な部分であるスリット25が、グラウンドループ状部20のベタ部分の一部に設けられている。スリット25は、図示例では、車両ボディBの縁部に近い側のベタ部分に設けられている。より具体的には、車両ボディBのピラーPの縁部に近い側のベタ部分に設けられている。さらに具体的には、スリット25は、グラウンドループ状部20の車両ボディB側に近いベタ部分の端から端まで設けられているのではなく、給電端子30側よりも遠い、グラウンドループ状部20の先端側にずらして配置されている例を示している。
このように構成された本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置は、例えばフィルムアンテナとする場合には、導電性薄膜がフィルム上に所望のパターンで配置されれば良い。即ち、グラウンド端子10やグラウンドループ状部20、給電端子30、アンテナ素子40となるように、導電性薄膜を図示のようなパターンでフィルム2上に配置する。そして、グラウンド端子10と給電端子30は、コネクタ1に電気的に接続されるように、その部分の導電性薄膜が露出するように形成され、他の部分についてはフィルム等でコーティングされれば良い。
本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置では、このようにスリット25を設けることで、周波数特性を改善させることが可能となる。図3は、本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置の周波数対受信感度特性のグラフである。図中、黒線が本発明のスリットを設けたアンテナ装置の特性であり、グレー線が比較例のスリットを設けないアンテナ装置の特性である。図示の通り、スリットを設けることにより、特に610MHz以上の高周波特性が大きく改善していることが分かる。また、540MHz以下の低周波側でも感度が向上していることが分かる。即ち、周波数特性がよりフラットになっていることが分かる。
このように、本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置によれば、グラウンドループ状部にスリットを設けることで周波数特性を向上させることが可能である。さらに、ベタ部分のスリットの長さや幅、配置位置を適宜調整することで、周波数特性を微調整することも可能であり、特定の周波数帯の感度を調整することも可能である。
また、図1や図2に示されるように、本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置では、コネクタ1のケーブルがグラウンドループ状部上にクロスした状態となる。一般的にはグラウンドパターンの上部にケーブル等がクロスした場合には、アンテナ特性に変化をもたらし得るが、本発明の場合には、ケーブル等の影響をあまり受けないことも確認できた。
次に、本発明の第2実施例の車両ウィンドウ用アンテナ装置を、図4を用いて説明する。図4は、本発明の第2実施例の車両ウィンドウ用アンテナ装置を説明するための概略平面図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしているため、詳説は省略する。図1では、グラウンドループ状部とアンテナ素子がL字形となるように構成された例を示したが、図4に示される第2実施例の車両ウィンドウ用アンテナ装置は、グラウンドループ状部とアンテナ素子がT字形となるように構成されたものである。
図示の通り、T字形の例では、スリット26は、グラウンド端子10から左右に張り出したグラウンドループ状部21のベタ部分の一部に設けられている。より具体的には、グラウンドループ状部21の両側の車両ボディ縁部に近い側のベタ部分にそれぞれスリット26が設けられている。即ち、この例では、車両ボディのルーフ側の縁部が図面上の上側に位置するように、車両ウィンドウ用アンテナ装置が配置されれば良い。
本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置では、このようなT字形の構成であっても、グラウンドループ状部にスリットを設けることで、周波数特性に変化をもたらすことが可能であり、所望の改善効果が得られる。
さらに、本発明の第3実施例の車両ウィンドウ用アンテナ装置を説明するための概略平面図を図5に示す。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表しているため、詳説は省略する。図5に示される例は、グラウンドループ状部22が、グラウンド端子10から1本のグラウンドパターンを介して、給電端子30から遠い先端近傍に配置されたものである。このような先端近傍にのみ設けられたグラウンドループ状部22であっても、このベタ部分の一部にスリット27を設けることで、これまでの例と同様に、周波数特性に変化をもたらすことが可能である。図示例では、グラウンドループ状部22からグラウンド端子10に向かって1本のグラウンドパターンのベタ部分にまで達するようにスリット27が設けられている。
なお、本発明の車両ウィンドウ用アンテナ装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 コネクタ
10 グラウンド端子
20,21,22 グラウンドループ状部
25,26,27 スリット
30 給電端子
40 アンテナ素子
B 車両ボディ
P ピラー

Claims (3)

  1. 車両ウィンドウに設けられる車両ウィンドウ用アンテナ装置であって、該車両ウィンドウ用アンテナ装置は、
    グラウンド端子と、
    車両ボディ縁部に対して略平行にグラウンド端子から延在するグラウンドループ状部であって、グラウンドループ状部の車両ボディ縁部に近い側のベタ部分の一部に周波数特性調整用のスリットが設けられる、グラウンドループ状部と、
    前記グラウンド端子近傍に配置される給電端子と、
    前記グラウンドループ状部に対して略垂直方向に給電端子から延在するアンテナ素子と、
    を具備することを特徴とする車両ウィンドウ用アンテナ装置。
  2. 請求項1に記載の車両ウィンドウ用アンテナ装置において、前記グラウンドループ状部は、車両ボディのピラー縁部に対して略平行にグラウンド端子から延在するように、車両ボディのピラー縁部近傍に配置されることを特徴とする車両ウィンドウ用アンテナ装置。
  3. 請求項1又は請求項に記載の車両ウィンドウ用アンテナ装置において、前記グラウンドループ状部とアンテナ素子は、L字形又はT字形となるように構成されることを特徴とする車両ウィンドウ用アンテナ装置。
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