JP6282480B2 - 非衣料用途の丸編構造体 - Google Patents

非衣料用途の丸編構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP6282480B2
JP6282480B2 JP2014026572A JP2014026572A JP6282480B2 JP 6282480 B2 JP6282480 B2 JP 6282480B2 JP 2014026572 A JP2014026572 A JP 2014026572A JP 2014026572 A JP2014026572 A JP 2014026572A JP 6282480 B2 JP6282480 B2 JP 6282480B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
yarn
circular knitted
knitted structure
constituting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014026572A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015151645A (ja
Inventor
博之 大川
博之 大川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OKAWA KNIT CO., LTD.
Original Assignee
OKAWA KNIT CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OKAWA KNIT CO., LTD. filed Critical OKAWA KNIT CO., LTD.
Priority to JP2014026572A priority Critical patent/JP6282480B2/ja
Publication of JP2015151645A publication Critical patent/JP2015151645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6282480B2 publication Critical patent/JP6282480B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)

Description

本発明は、衣料以外の非衣料用途に適した繊維製の丸編構造体で、特に表面に凸形膨らみ形状を多数保有した丸編構造体であって、その中でも特に椅子材用途に適した丸編構造体に関する。ここに言う椅子材用途とは単にオフィスや学童用等の椅子材のみを限定せず、インテリア用や車両用や航空機用シート材の他、クッションマットレス等をも含まれるものとする。
従来より椅子材用途の繊維製の構造体としては、クッション部材にポリウレタン発泡体を内封し、表面若しくは表裏面に多少の伸縮性及び嵩高性を有する織編物や天然または合皮シートや塩化ビニルレザーシートで包み込み、凹凸構造を得る方法としては、表裏シートをボタンダウン方式で所々を連結することで作り出している。しかし近年ポリウレタン発泡体の廃棄焼却時の発生ガスが問題視されるに至っている。また天然または合皮シートや塩化ビニルレザーシートで凹凸構造を作れるが、ボタンダウン個数もせいぜい30個/m程度までであり、クッション性、温感性はあるものの通気性、冷感性、弾発伸縮性は全く無い。
更に一般的なキルティング布団のごとくクッション性を持つ中綿等を織物製側地によって内封した構造品もクッション性や温感性及び通気性は得られるものの側地に伸縮性がないので凹凸構造はあっても弾発性は全く無く、冷感性も無い。また側地を編地にしたところで、キルティング縫製糸に伸縮性がなければ伸縮性能は大幅に削がれるし、キルティング縫製糸が当該構造品の使用による荷重で切れるだけである。
また下記特許文献1に於いては、ポリエーテル・エステル系弾性糸を使用したインテリア用伸縮性編地としての記載があるが、後筬や前筬の記載及び図面からも経編限定は明白である。また何よりも本発明の中層が発揮するクッション性及び凸形膨らみ形状に関する記載が無く、記載があるのは構成原糸及び経編地起因の伸縮性能と着色及び通気性だけであり、これでは着席時に直ちに底付き感を感じ、座布団に座ったような柔らかなクッション性は無論、接触温冷感性すらも得られない。
また下記特許文献2に於いては、表層、中層、裏層を有する多層構造物編物とあるが、表裏層のいずれかが単繊維径10〜1000nm且つフィラメント数が2000〜10000本の極細フィラメントであり、これがポリエステルから成り、また海島型複合繊維の海を溶解除去して得られた糸条との記載がある。また表裏のどちらか1方をメッシュ組織とすることや、中層の繊維の単糸繊度が10dtex以上との記載もある。また中層素材の働きも単糸繊度が10dtex以上との記載よりスプリング構造的なクッションである。したがって、本発明の膨らみ状構造の持つクッション性能とは全く異なる。
またポリエステル加工糸や繊度が太いポリエーテル・エステル系モノフィラメント糸やウレタン系弾性糸のみ若しくはこれら双方を組み合わせて製編織したメッシュ状椅子材用途繊維構造体がある。これらは1枚若しくは袋状構造メッシュ構造体であり、通気性と軽量に重点を置いたシンプル構造であり、弾発性も保有している。しかし、中層クッション材が無いため着席時にソフト感が無く、直ちに底付き感を感じてしまうのである。もちろん接触温冷感性も全く得られず、長時間の着席では臀部に与える底付き感でしびれ感が本発明品よりも早く訪れるのである。
またポリエチレンやポリエーテル・エステルで造られた網状体を織物やニット製側地に封入したクッションが市販されており、これらは通気性、クッション性、弾発性はある。しかし、接触温冷感性は無いし、網状体表面の粗面性起因のゴツゴツとした感覚は本発明の中層素材が発するソフトな接触感とは全く異なっている。
特開2000−248450号公報 特開2010−95813号公報
以上のような理由で、軽量で通気性もあり、膨らみ状構造を持つクッション性と弾発伸縮性を有する繊維製の非衣料用途用丸編構造体はなかった。
本発明は、軽量で通気性、クッション性、弾発伸縮性を有する非衣料用途用丸編構造体を提供せんとするものである。
本発明者は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。即ち本発明は、次に記載する内容である。
本発明の請求項1に係る非衣料用途の丸編構造体は、表層、中層、裏層の3層から成る繊維製の丸編構造体であって、表層外面に複数の凸形膨らみ形状を有し、目付け≦1500g/m2、加圧しない状態での最大部厚み≦40mmであり、各層の断面の最大部厚みは、表層≦1.5mm、中層≦39.5mm、裏層≦1.5mm(いずれもノギス測定値)であり、総凸部面積値×100/表層外面全面積値≧35%であり、裏層を構成する繊維糸は、その繊維が150℃熱収縮率(SHD)15〜25%である熱収縮性能及び伸縮性能を有するモノフィラメントを使用してなることを特徴とする。
上記のように構成したことにより、通気性、膨らみ形状によるクッション性と弾発伸縮性を有する丸編構造体が得られることとなる。
本発明の請求項2に係る非衣料用途の丸編構造体は、上記請求項1記載の構成において、表層を構成する編組織は、その外面の編目から中層を構成する繊維が抜け出ないことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る非衣料用途の丸編構造体は、上記請求項1又は2記載の構成において、表裏層の編組織を構成する繊維糸は、その一部が中層を経て連結されて成ることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る非衣料用途の丸編構造体は、上記請求項1〜3のいずれか1項記載の構成において、表層を構成する編組織は、繊度70〜660dtexの繊維糸から構成され、当該繊維糸は熱可塑性繊維よりなり、中層を構成する繊維糸は、繊度150〜3000dtexの嵩高加工糸であり、表層、中層、裏層の3層を構成する繊維の少なくとも1つは、仕上げ加工による熱収縮にて編成時の厚みよりも厚みが増す方向へ働きかけることで凸形の膨らみ形状が得られることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る非衣料用途の丸編構造体は、上記請求項1〜4のいずれか1項記載の構成において、裏層を構成する繊維糸は、鞘部融点が160〜185℃で芯部融点が200〜260℃の芯鞘構造であることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る非衣料用途の丸編構造体は、上記請求項4記載の構成において、中層を構成する嵩高加工糸は、単糸繊度1〜5dtex、捲縮率(CR率)7〜65%、沸水収縮率(SHW)1.5〜10%の熱可塑性繊維からなり、編組織及び仕上げ加工による熱収縮することにより膨化する150〜3000dtexの仮撚り加工糸であり、裏層を構成する繊維糸は、繊度≦2200dtex、破断伸度が50〜200%のモノフィラメントで構成されてなることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る非衣料用途の丸編構造体は、上記請求項1〜6のいずれか1項記載の構成において、表層、中層、裏層の3層の少なくとも1層が1〜複数色に着色されてなることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る非衣料用途の丸編構造体は、上記請求項1〜7のいずれか1項記載の構成において、表層及び中層を構成する繊維糸は、ポリエステルフィラメント仮撚り加工糸からなり、裏層を構成する繊維糸は、ポリエーテル・エステル系芯鞘構造のモノフィラメントからなることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る非衣料用途の丸編構造体は、上記請求項1〜8のいずれか1項記載の構成において、非衣料用途が椅子用のファブリックであることを特徴とする。
である。
本発明によると表層、中層、裏層の3層とも大きな通気性を持つ丸編ニット構造であるため蒸れることが無く、着席と同時に表層で覆われた中層部分の膨らみがクッション効果をもたらすことにより臀部や後背部にいきなりの底付き感を与えず、且つ裏層の弾発伸縮性能で後背部から臀部にかけてのボディラインに逆らわずにフィットする。
また織編製メッシュ布のみから成る椅子用の布地と異なり、表層布外面の見掛けの編み孔が裏層布外面の見掛けの編み孔より小さくした場合には、表層繊維を機能性繊維(例えば超強力ポリエチレン繊維使用で接触冷感を、ポリフェニレンサルファイド繊維で接触温感を得る等)を採用することでその効果が得られる。また中層を構成する繊維を吸湿発熱繊維にすると着座中の臀部から後背部にかけて発散される水分によって温感も得られる。
また裏層の弾発伸縮層は、メッシュ布のみの椅子よりも軽量さでは若干劣るが中層のクッション効果で後背部から臀部にかけて優しい感触を与えつつ弾発伸縮性能が得られるのである。
もちろん表層は先染糸やインクジェット等のプリント着色も可能であり、意匠的に満足させることが出来る。表層の繊維糸を綿糸などに変更すれば、合成繊維と異なった天然繊維独特のタッチや感性を得ることもできる。もちろん抗菌性能や防かび性能付与等の色々な機能付与繊維や薬剤処理も本発明の範疇に含まれる。
本発明の実施例に係る丸編構造体を示す概略断面斜視図である。
本発明の丸編構造体を得るにはダブル丸編機の使用が最適である。横編機でも可能だが、形状や物性等のバラツキが大きくなる問題がある。当然であるがダブル丸編機は口径の大きいものが椅子としての用尺が多く取れるので好ましい。具体的には口径26インチ以上が望ましい。
次に丸編構造体を構成する各種繊維について記載する。
まず繊維素材として表層を構成する繊維としては、特に限定しないが、編成しやすさから風綿が発生する天然繊維や合成繊維の短繊維よりもフィラメントが好ましい。また、接触温冷感機能性を求めるのであれば、超強力ポリエチレン繊維やポリフェニレンサルファイド繊維の使用が適している。しかし温冷感などの機能性を求めないならば、素材として汎用性に富んだポリエステル繊維の仮撚り加工糸が、適性繊度、品番、染色性、原着糸の種類、価格適正、糸質特性対応性、丸編機の編成性等から最適である。特に表層を構成する繊維糸としては熱収縮率の少ないものが好ましい。これは膨らみのベースになる中層を構成する繊維糸を、表層を構成する繊維糸の収縮により抑え込まないためである。そのため仮撚り加工糸の繊度としてはポリエステル繊維の70〜660dtexの繊維糸(例えば、仮撚り加工糸や引き揃え糸等)が好ましい。70dtex未満では、椅子材表生地としての使用による摩擦に耐えることが難しい。また660dtexを超えると丸編機による編み立てが困難となる。なお、400dtexを超える単糸仮撚り加工糸は加工糸製造時の熱履歴が不十分になる場合があり、バラツキが発生するために現状では安定的なものは入手し難い問題がある。さらに好ましくは130〜330dtexの24〜144フィラメントの仮撚り加工糸が良い。したがって、400dtex以下のフィラメント単糸又は400dtex以下の複数本のフィラメントからなる糸であって、繊度70〜660dtexを満たす繊維糸が好ましい。
次に中層を形成する繊維糸としては着座時の暖かさを求めるのであれば、吸湿発熱繊維を用いるのが適している。しかし特に機能性を追求するのではなく、クッション性と保温性を得るのであれば汎用性素材としてポリエステルの繊度が150〜3000dtex、捲縮率(CR率)が7〜65%、沸水収縮率(SHW)1.5〜10%の仮撚り加工糸が好ましい。
繊度150dtex未満では、大きな問題はでないが、製編時での引き揃え本数が増加して原糸を掛けるクリール占有本数が増加する。また3000dtexを超える仮撚り加工糸は、これをダイヤル針とシリンダー針とが交差する箇所へ挿入するためのパイプ内において、糸が太すぎてスムーズに通過しないことにより給糸にバラツキが発生するため、均一な膨らみを形成できず、丸編構造体として好ましい品質が得られ難い。より好ましくは330dtex−144フィラメント辺りが適している。
また捲縮率(CR率)も7〜65%の範囲が好ましい。7%未満では膨れ効果が乏しくなり、66%以上の捲縮率(CR率)加工糸は入手が困難である。より好ましくは40〜50%付近である。
さらに沸水収縮率(SHW)も1.5〜10%が好ましい。1.5未満の沸水収縮率(SHW)を得ることは、より確かな熱履歴を与える仮撚り条件が必要となり大幅な生産低下とコストアップになり、11%を超える沸水収縮率(SHW)は膨れが抑制される方向になり、また収縮値のバラツキが大きくなってコントロールが困難になる。
裏層を構成する繊維糸は、繊度≦2200dtex、破断伸度が50〜200%からなる150℃乾熱収縮率(SHD)が15〜25%の伸縮性能を保有するポリエーテル・エステル系のモノフィラメントの鞘部が芯部よりも低融点である芯鞘構造糸が好ましい。これは低融点の接着性能を利用するためである。繊度が2200dtexを超えると着席時の体重負荷でも伸張が小さく、伸び難いために硬いと感じてしまう。また繊度が小さすぎれば今の逆現象となって伸びすぎてしまうだけでなく、多用の使用で伸張回復率が低下し、所謂伸びきった状態に近くなって弾発伸縮性が失われてしまい、椅子としての形状が崩れてしまうことにつながる。単独使用するなら200dtexが下限である。
次に本発明の丸編構造体における通気性、膨らみ形状によるクッション性と弾発伸縮性を有する椅子材用途の布地の特徴について記載する。
先ず膨らみ形状の特徴であるが、膨らみ部分の占める凸部の面積(総凸部面積)であるが、全面積の35%以上が適切である。35%未満になるとフラットな感触に近づくからである。好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。
この椅子用丸編構造体の目付けは、最大でも1500g/m以下が好ましい。1500g/mを超えても性能面では大きな問題は無いが、通気性が低下し、特に事務用軽量椅子として布帛が重くなることは好ましくない。より好ましくは1000g/m近辺であるが、小児用などの椅子材としては500g/mを割っても問題無い。
また膨らみ部の厚みは加圧をかけない状態の総厚で40mm以下、表層で1.5mm以下、中層で39.5mm以下、裏層で1.5mm以下が好ましい。丸編機によって表層、中層及び裏層を同時に編み上げて、総厚40mmを超える丸編構造体を得ることは製造上かなりの困難性を伴い、コスト高となる。また、20mmを超えてもクッション性について問題は無いが、嵩高く重量感があって、その用途は多くない。総厚で20mm以下で表、中、裏の各層の厚みは、表層で1.5mm以下、中層で19.5mm以下、裏層で1.5mm以下が製造上好ましく、総厚として5〜10mm辺りが非衣料用途としては汎用性が高く、また、厚みのあるものが必要な場合には積み重ねればよいので、最も好ましい。なお、総厚2mm程度になるとクッション性としては少し物足りなくなる。
なお凸部(膨らみ部)の形状は特に限定されず、円形や楕円形、四角形、三角形、直線や曲線の棒状、抽象図形形状若しくはこれらの組み合わせのほか、コンピューター柄出しで得られる全ての形状が可能であり、ダブル丸編機で編み出せる範囲とする。凸部が積み上げた積木の如く数段になることや、凸部頂上が陥没状になっても良い。
また表層繊維は上述の機能性繊維のほかに、汎用繊維として先染め糸や原着糸としたものが丸編機で編成されても良い。また編成後に顔料や染料等使用のインクジェットプリンターにて1〜複数色に色付けされてもよく、条件が合えば編成後の生地を無地染めとしても良い。
また中層繊維に機能を求めるのであれば上述の吸湿発熱繊維等を使用すれば良いが、汎用性繊維については色の限定はしない。
裏層の繊維糸については上述の物性範囲のほかに、表層の繊維糸が中層を通過して裏層の繊維糸と係合する構造上、両者がしっかり連結固定されるためにも芯鞘構造糸で鞘部が芯部より融点が低い構造のポリエーテル・エステルモノフィラメントが好ましく、その融点温度近辺での熱加工にて収縮膨化させるとともに上述の係合部を接着固定される糸であることが特に好ましい。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明の用途はこの1例に限定される物ではない。
図1に示すAは、本実施例に係る丸編構造体を示し、図中のaは表層、図中のbは中層、図中のcは裏層を示す。図中のdは表層外面における凸型膨らみ形状を示す。以下は、本実施例の丸編構造体Aの素材を含めた構成及び製造の詳細である。
本実施例に係る丸編構造体Aを編成するに当たり、丸編機として口径30インチ、20ゲージのダブル丸編み機を選定した。
表層の繊維糸としてポリエステル167dtex−48fの仮撚り加工糸の先染糸を使用した。中層の繊維糸として330dtex−144fの捲縮率(CR率)45%、沸水収縮率(SHW)が3.5%である仮撚り加工糸の白色を6本使用した。裏層の繊維糸としてポリエーテルエステル系モノフィラメントの500dtexで、150℃乾熱収縮率が20%、強度が2.3cN/dtex、破断伸度が150%の芯鞘構造糸(鞘部融点が177℃。芯部融点が220℃)である黒原着糸を使用した。
表層の繊維糸は設計した膨らみ形状をだすために適宜裏層の繊維糸と係合させ、係合しない場所は単純に一重編みとした。バルキーな中層の繊維糸は基本的にループを作らずにインレイ給糸し、膨らみデザインに沿って表層の繊維糸と裏層の繊維糸が適宜係合されるところで締め付けられる作用によって窪みを作り、これが締め付けられない箇所と締め付けられる箇所とで丸編機上で初期の膨らみ構造を作り出した。裏層の繊維糸は表層の繊維糸との係合以外は単純に一重編みとした。したがって、表裏の一重編みの丸編地の間に中層の繊維糸が介在する構成とした。
得られた丸編地(生地特性は表1の実施例参照)は、表層面が先染め色を帯びた初期の膨らみ状態となり、裏面は黒色のループのメッシュで表層の繊維糸と係合した部分のみ先染め糸が垣間見え、細かいループのメッシュの間隙から中層の繊維糸の白が見える状況であった。また断面は、初期の膨らみ分が中層の繊維糸で占められ、表層と裏層で中層の繊維糸の膨らみを上下より取り囲んだ状態になった。
この生地を開反し、熱処理用テンター加工機で加工温度が180℃にて先染め糸と黒原着糸との係合部を黒原着糸の鞘部成分で融着固定しつつ、裏層の繊維糸の収縮率と目標仕上げ幅及び長さ(目付け)になるようにオーバーフィード給布とその生地幅が入り口から進むにつれてテンターピン幅が狭くなるような条件で通し、編み上げた生地よりも膨らみの厚みが大きくなる本実施例に係る丸編構造体を得た。
クッション性能の評価方法としては、ASKER「高分子計器株式会社製硬度CS型」にて測定部を押圧した値で判定した。得られた本実施例に係る丸編構造体(3層構造を保有する椅子材構造体)の評価及び特性値を表1にまとめた。
比較例
丸編み機としてシングル丸編機を選定した。
編糸としてポリエステル330dtex−96f×2本の仮撚り加工糸の先染糸と、ポリエーテルエステル系モノフィラメントの2080dtexで、150℃乾熱収縮率(SHD)が20%、強度が2.3cN/dtex、破断伸度が150%の芯鞘構造糸(鞘部融点が177℃。芯部融点が220℃)である黒原着糸とを使用し、メッシュ構造の伸縮性を有する丸編地を編成した。
次にこの生地を開反し、熱処理用テンター加工機で加工温度が180℃にて先染め糸と黒原着糸との係合部を黒原着糸の鞘部成分で融着固定して先染め色と黒色の交編メッシュ加工反を得た。得られた加工生地(メッシュ構造の椅子材用構造体)についての評価は実施例に準じた。
上記の実施例及び比較例の編地特性を次の表1にまとめた。
Figure 0006282480
本発明の実施例を説明したが、この実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
A・・・丸編構造体
a・・・表層
b・・・中層
c・・・裏層
d・・・凸型膨らみ形状

Claims (9)

  1. 表層、中層、裏層の3層から成る繊維製の丸編構造体であって、
    表層外面に複数の凸形膨らみ形状を有し、目付け≦1500g/m、加圧しない状態での最大部厚み≦40mmであり、
    各層の断面の最大部厚みは、表層≦1.5mm、中層≦39.5mm、裏層≦1.5mmであり、
    総凸部面積値×100/表層外面全面積値≧35%であり、
    裏層を構成する繊維糸は、その繊維が150℃熱収縮率(SHD)15〜25%である熱収縮性能及び伸縮性能を有するモノフィラメントを使用してな
    ことを特徴とする非衣料用途の丸編構造体。
  2. 表層を構成する編組織は、その外面の編目から中層を構成する繊維が抜け出ない
    ことを特徴とする請求項1に記載の非衣料用途の丸編構造体。
  3. 表裏層の編組織を構成する繊維糸は、その一部が中層を経て連結されて成る
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の非衣料用途の丸編構造体。
  4. 表層を構成する編組織は、繊度70〜660dtexの繊維糸から構成され、当該繊維糸は熱可塑性繊維よりなり、
    中層を構成する繊維糸は、繊度150〜3000dtexの嵩高加工糸であり、
    表層、中層、裏層の3層を構成する繊維の少なくとも1つは、仕上げ加工による熱収縮にて編成時の厚みよりも厚みが増す方向へ働きかけることで凸形の膨らみ形状が得られる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非衣料用途の丸編構造体。
  5. 裏層を構成する繊維糸は、鞘部融点が160〜185℃で芯部融点が200〜260℃の芯鞘構造である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の非衣料用途の丸編構造体。
  6. 中層を構成する嵩高加工糸は、単糸繊度1〜5dtex、捲縮率(CR率)7〜65%、沸水収縮率(SHW)1.5〜10%の熱可塑性繊維からなり、編組織及び仕上げ加工による熱収縮することにより膨化する150〜3000dtexの仮撚り加工糸であり、
    裏層を構成する繊維糸は、繊度≦2200dtex、破断伸度が50〜200%のモノフィラメントで構成されてなる
    ことを特徴とする請求項4に記載の非衣料用途の丸編構造体。
  7. 表層、中層、裏層の3層の少なくとも1層が1〜複数色に着色されてなる
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の非衣料用途の丸編構造体。
  8. 表層及び中層を構成する繊維糸は、ポリエステルフィラメント仮撚り加工糸からなり、
    裏層を構成する繊維糸は、ポリエーテル・エステル系芯鞘構造のモノフィラメントからなる
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の非衣料用途の丸編構造体。
  9. 非衣料用途が椅子用の布地である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の非衣料用途の丸編構造体。
JP2014026572A 2014-02-14 2014-02-14 非衣料用途の丸編構造体 Active JP6282480B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014026572A JP6282480B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 非衣料用途の丸編構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014026572A JP6282480B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 非衣料用途の丸編構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015151645A JP2015151645A (ja) 2015-08-24
JP6282480B2 true JP6282480B2 (ja) 2018-02-21

Family

ID=53894215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014026572A Active JP6282480B2 (ja) 2014-02-14 2014-02-14 非衣料用途の丸編構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6282480B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107974755A (zh) * 2017-11-30 2018-05-01 江苏丹毛纺织股份有限公司 一种毛纺针织超级空气层服装面料的生产方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6874991B2 (ja) * 2017-09-02 2021-05-19 ナック商会株式会社 キルティング様の多角形の柄間に表裏の編地の非連結部を設けた編物及び該編物を用いたサポーター用布帛
EP4022115A4 (en) * 2019-08-28 2023-06-21 NIKE Innovate C.V. DOUBLE KNIT TEXTILE WITH TEXTURED INLAID Yarns
CN111101271A (zh) * 2019-11-07 2020-05-05 上海题桥江苏纺织科技有限公司 一种高弹柔肤抗菌生物质纤维混纺针织面料及其制备方法
CN113249857A (zh) * 2021-06-09 2021-08-13 福建华峰新材料有限公司 一种三层透气纬编织物及其生产方法和应用
CN113265753B (zh) * 2021-06-24 2023-09-05 福建华峰新材料有限公司 一种具有浮点设计的纬编织物
CN114032634B (zh) * 2021-10-21 2023-02-28 上海群德纺织科技有限公司 一种具有鳞片效果的双面功能性针织面料及其织造工艺

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52108376U (ja) * 1976-02-07 1977-08-17
JPS5745273Y2 (ja) * 1976-12-24 1982-10-05
JPH09273050A (ja) * 1996-04-03 1997-10-21 Kanebo Ltd クッション性編み地
JP2002371449A (ja) * 2001-06-12 2002-12-26 Precision Fukuhara Works Ltd キルト編地の編成方法、キルト編地およびこれを用いた製品
JP2013142210A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Honda Motor Co Ltd 弾性織編布帛及び自動車用座席

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107974755A (zh) * 2017-11-30 2018-05-01 江苏丹毛纺织股份有限公司 一种毛纺针织超级空气层服装面料的生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015151645A (ja) 2015-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6282480B2 (ja) 非衣料用途の丸編構造体
JP3928179B2 (ja) 弾性経編布帛
US6644070B2 (en) Three-dimensional fabric for seat
US20150104604A1 (en) Insulated composite fabrics
JP4398426B2 (ja) 立体構造経編地
JP4219364B2 (ja) 座席用シート材
US11535961B2 (en) Multi-ply woven gauze fabric
JP2010004965A (ja) 階層構造体
JP4402241B2 (ja) 三次元立体シート
JP3995631B2 (ja) 立体編物積層体
JP2004107800A (ja) 立体横編物
JP2004190191A (ja) 放熱性立体編物
JP4544520B2 (ja) 体圧分散型クッション布帛とクッション体
US11851788B2 (en) Cover fabric and a method of manufacturing a vehicle seat cover fabric
JP4251926B2 (ja) 立体編物
JP2013011034A (ja) 形状追従性経編地
JP2001314287A (ja) 車輌の座席シート用クッション体
JP4381797B2 (ja) クッション材用立体編物
JP2007195777A (ja) クッション材
JP2010115869A (ja) 肢体支持面材
JP2006000207A (ja) 立体編物を有する座席
JP2007230086A (ja) 積層体およびクッション材
JP4842065B2 (ja) 立体構造丸編地
JP6841463B1 (ja) 両面編地及びそれを用いた布製品
JP2005126884A (ja) 浮遊糸を有する立体構造経編地

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6282480

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250