JP6279828B2 - サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法 - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6279828B2
JP6279828B2 JP2012153792A JP2012153792A JP6279828B2 JP 6279828 B2 JP6279828 B2 JP 6279828B2 JP 2012153792 A JP2012153792 A JP 2012153792A JP 2012153792 A JP2012153792 A JP 2012153792A JP 6279828 B2 JP6279828 B2 JP 6279828B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor layer
layer
hole
suspension
insulating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012153792A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014017035A (ja
Inventor
一範 大内
一範 大内
剛 山嵜
剛 山嵜
陽一 三浦
陽一 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012153792A priority Critical patent/JP6279828B2/ja
Publication of JP2014017035A publication Critical patent/JP2014017035A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6279828B2 publication Critical patent/JP6279828B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)

Description

本発明は、歩留まりおよび設計の自由度が高く、低コスト化を図ることができ、さらに、位置合わせを精度良く行うことができるサスペンション用基板に関する。
例えば、HDD(ハードディスクドライブ)に用いられる回路基板として、磁気ヘッドスライダ等の素子を実装するサスペンション用基板が知られている。サスペンション用基板の一例として、金属支持基板と、金属支持基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された導体層と、導体層上に形成されたカバー層とを有するものが知られている。
このようなサスペンション用基板と他の部品との接続を精度良く行う方法として、アラインメントマークを用いて位置合わせ行う方法が用いられる。
ここで、特許文献1では、アラインメントマークとして、導体層に設けられた貫通孔を用いる方法が開示されている。このようなアラインメントマークでは、ピンを挿入した際に導体層に設けられた貫通孔の内周面にのみ当接させ、貫通孔の開口端を正確に検出可能なものとするため、絶縁層および金属支持基板に上記貫通孔より開口径が大きく上記貫通孔が露出する開口部が形成されている。すなわち、金属支持基板側からみると、金属支持基板および絶縁層の開口部から導体層が露出したものとなる。このため、金属支持基板および絶縁層の開口部から露出した導体層は、それを支持する層がなく、貫通孔が変形し易く、その結果、歩留まりが低下するといった問題があった。また、導体層の露出面積が大きく、露出した導体層の表面を金等の高価な材料からなる保護めっき層にて被覆した場合に高コストになるといった問題があった。
また、絶縁層上にめっき法により導体層材料を積層して導体層を形成する場合、通常、上記絶縁層上にスパッタ層が形成される。そして、上述のように導体層が露出している場合には、露出した導体層の絶縁層側表面には、スパッタ層が残存することになる。しかしながら、スパッタ層は、通常、高抵抗な材料が用いられることから、その表面に保護めっき層を形成することが困難であり、スパッタ層上への保護めっき層のめっき未着や、めっき欠け等のめっき不良が生じたり、上記スパッタ層に対して保護めっき層の形成を容易とするための前処理プロセスの追加が必要となることによる歩留まりの低下を生じるといった問題があった。
また、保護めっき層を貫通孔周囲の露出した導体層の表面に形成する際には、通常、金属支持基板からの給電によってめっき処理を施す方法が用いられる。そして、その際には、金属支持基板表面に保護めっき層が形成されることを避けるため、金属支持基板の表面にレジストを形成した上で、めっき処理が行われる。ところが、特許文献1に示されるように、金属支持基板および絶縁層に開口部が設けられている場合には、金属支持基板の表面にレジストを形成し、かつ、上記露出した導体層表面がレジストにより被覆されないようにするためには、上記金属支持基板を覆うレジストの端面が絶縁層上に配置される必要がある。このため、上記金属支持基板の開口部の開口径を、上記絶縁層の開口部の開口径よりも大きくする必要がある。したがって、アラインメントマークを形成するために必要となる面積は、上記貫通孔よりも広い面積が必要となり、回路設計の自由度の低いものとなるといった問題があった。
特開2010−40116号公報
本発明は、歩留まりおよび設計の自由度が高く、低コスト化を図ることができ、さらに、位置合わせを精度良く行うことができるサスペンション用基板を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層と、を有し、上記導体層は、導体層貫通孔を有し、上記金属支持基板は、上記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成された金属支持基板貫通孔を有し、上記絶縁層は、上記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成され、かつ、光透過性を有するものであることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
また、本発明は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層と、上記導体層上に形成されたカバー層と、を有し、上記導体層は、導体層貫通孔を有し、上記カバー層は、上記導体層貫通孔の外周を覆うように形成され、かつ、光透過性を有することを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
本発明によれば上記導体層貫通孔から平面視上露出する絶縁層または上記導体層貫通孔の外周を覆うカバー層が光透過性を有するものであることにより、上記導体層貫通孔の外周形状を用いて精度よく位置合わせを行うことができる。また、上記導体層貫通孔が上記絶縁層等により覆われていることにより、歩留まりが高く、低コストなものとすることができる。
本発明は、上述したサスペンション用基板を含むことを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、歩留まりおよび設計の自由度が高く、低コストであり、位置合わせ精度の高いサスペンションとすることができる。
本発明は、上述したサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、歩留まりおよび設計の自由度が高く、低コストであり、位置合わせ精度の高い素子付サスペンションとすることができる。
本発明は、上述した素子付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、歩留まりおよび設計の自由度が高く、低コストであり、位置合わせ精度の高いハードディスクドライブとすることができる。
本発明は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層と、を有し、上記導体層は、導体層貫通孔を有し、上記金属支持基板は、上記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成された金属支持基板貫通孔を有し、上記絶縁層が、上記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成され、かつ、光透過性を有し、さらに、上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域の上記金属支持基板側に凹部を有するサスペンション用基板の製造方法であって、絶縁層形成用層の上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域をハーフエッチングし、上記凹部を有する上記絶縁層を形成する絶縁層形成工程を有することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記絶縁層形成工程を有することにより、上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域の絶縁層の厚みを薄いものとすることができる。このため、透過光による位置合わせが容易なサスペンション用基板を得ることができる。
本発明においては、歩留まりおよび設計の自由度が高く、低コスト化を図ることができ、さらに、位置合わせを精度良く行うことができるサスペンション用基板を提供できるという効果を奏する。
本発明の第1態様のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。 本発明の第1態様のサスペンション用基板における導体層貫通孔周辺の拡大図の一例を示す概略平面図である。 図2のA−A断面図である。 本発明の第1態様のサスペンション用基板における導体層貫通孔を説明する説明図である。 本発明の第1態様のサスペンション用基板における導体層貫通孔を説明する説明図である。 本発明の第1態様のサスペンション用基板における絶縁層を説明する説明図である。 本発明の第1態様のサスペンション用基板における絶縁層を説明する説明図である。 本発明の第1態様のサスペンション用基板のサスペンション用基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の第2態様のサスペンション用基板の一例を示す概略断面図である。 図9のB−B線断面図である。 本発明の第2態様のサスペンション用基板におけるカバー層を説明する説明図である。 本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。
本発明は、サスペンション用基板、それを用いたサスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブ、ならびにその製造方法に関するものである。
以下、本発明のサスペンション用基板、サスペンション用基板の製造方法、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブについて詳細に説明する。
A.サスペンション用基板
まず、本発明のサスペンション用基板について説明する。
本発明のサスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層と、を有し、上記導体層は、導体層貫通孔を有し、上記金属支持基板は、上記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成された金属支持基板貫通孔を有し、上記絶縁層は、上記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成され、かつ、光透過性を有するものである態様(第1態様)と、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層と、上記導体層上に形成されたカバー層と、を有し、上記導体層は、導体層貫通孔を有し、上記カバー層は、上記導体層貫通孔の外周を覆うように形成され、かつ、光透過性を有するものである態様(第2態様)と、の2つの実施態様に分けることができる。
以下、本発明のサスペンション用基板の第1態様および第2態様について、各態様に分けて説明する。
I.第1態様のサスペンション用基板
まず、本発明のサスペンション用基板の第1態様について説明する。本態様のサスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層と、を有し、上記導体層は、導体層貫通孔を有し、上記金属支持基板は、上記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成された金属支持基板貫通孔を有し、上記絶縁層は、上記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成され、かつ、光透過性を有することを特徴とする態様である。
このような本態様のサスペンション用基板について図を参照して説明する。図1は、本発明の第1態様のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。また、図2は、図1の導体層貫通孔周辺の拡大図を示すものであり、図3は、図2のA−A線断面図である。図1〜3に例示するように、本態様のサスペンション用基板10は、ヘッド部側に形成され、磁気ヘッドスライダ等の素子が実装される素子実装領域11と、テール部側に形成され、外部回路基板との接続を行う接続端子領域12と、素子実装領域11および接続端子領域12の間を電気的に接続する配線層3a(3)とを有するものである。
また、本態様のサスペンション用基板10は、金属支持基板1と、上記金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、上記絶縁層2上に形成された導体層3と、を有し、上記導体層3が、導体層貫通孔4を有し、上記金属支持基板1は、上記導体層貫通孔4と平面視上重なる位置に形成された金属支持基板貫通孔5を有し、上記絶縁層2は、上記導体層貫通孔4から平面視上露出するように形成され、かつ、光透過性を有するものである。
なお、この例では、導体層3の一部を覆い、かつ、上記導体層貫通孔4に開口を有するカバー層6が形成され、さらに導体層貫通孔4の周囲で露出する導体層3の表面に、保護めっき層7が形成されるものである。また、保護めっき層を形成する際に、金属支持基板から給電するためのビア8が形成されるものである。さらに、金属支持基板貫通孔5が上記導体層貫通孔4の全てを露出するように形成されているものである。
また、図1および図2においては、説明の容易のため、保護めっき層およびカバー層の記載を省略するものである。
本態様によれば上記絶縁層が、上記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成され、かつ、光透過性を有するものであることにより、上記金属支持基板側から照射し上記導体層貫通孔を通過した透過光を上記導体層側で検出することにより、上記導体層貫通孔の外周形状を検出し、精度良く位置合わせを行うことができる。
また、導体層貫通孔の周囲の導体層が絶縁層により支持されるものとすることができる結果、上記導体層貫通孔を変形に強いものとすることができ、歩留まりの高いものとすることができる。また、導体層貫通孔の変形が少ないことにより位置合わせを精度良く行うことが可能となる。
さらに、導体層の絶縁層側に保護めっき層を形成することを不要とすることができ、保護めっき層が金等の高価な材料からなる場合であっても、その保護めっき層の形成面積を少ないものとすることができることから、低コストなものとすることができる。
また、上記導体層の絶縁層側表面にスパッタ層を有している場合でも、スパッタ層の露出のないものとすることができる。このため、通常、高抵抗な材料からなり、保護めっき層の形成が困難なスパッタ層表面に保護めっき層の形成を不要なものとすることができる。したがって、スパッタ層上への保護めっき層のめっき未着や、めっき欠け等のめっき不良の発生や、上記スパッタ層に対して保護めっき層の形成を容易とするための前処理プロセスの追加が不要となり、歩留まりの高いものとすることができる。
さらに、金属支持基板貫通孔内面を覆うレジストの形成のために、上記金属支持基板貫通孔の開口径を広くすることを不要とすることができる。このため、導体層貫通孔を形成するために必要となる面積を小さいものとすることができ、設計の自由度の高いものとすることができる。
本態様のサスペンション用基板は、上記金属支持基板、絶縁層および導体層を少なくとも有するものである。
以下、本態様のサスペンション用基板の各構成について説明する。
1.導体層
本態様における導体層は、上記絶縁層上に形成されるものであり、上記導体層貫通孔を有するものである。
上記導体層貫通孔の平面視形状としては、上記導体層貫通孔の外周形状を用いて精度良く位置合わせを行うことができるものであれば特に限定されるものではなく、既に説明した図2に示す円形状や楕円形状、三角形状、四角形状等の多角形状等とすることができる。
本態様においては、なかでも、図4や図5に例示するような1または2以上のリング状からなるものであることが好ましく、なかでも、同心円状のリング状からなるものあることが好ましい。リング状であることにより、その導体層貫通孔の外周のうち内側の外周または外側の外周のいずれによっても位置合わせを行うことができ、例えば、一方の外周が認識できないような場合であっても、他方の外周により、位置合わせを行うことができるからである。また、本発明のサスペンション用基板に2以上の導体層貫通孔が形成される場合には、各導体層貫通孔の平面視形状は同一形状であっても良いが、異なる形状であっても良い。
なお、図4〜図5中の符号については、図3と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。また、内側の外周および外側の外周とは、具体的には、それぞれ図4中のAおよびBで示されるものである。
上記導体層貫通孔の最大径としては、金属支持基板側からの透過光により位置合わせできるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.08mm〜1.00mmの範囲内であることが好ましく、なかでも、0.10mm〜0.60mmの範囲内であることが好ましく、特に0.20mm〜0.50mmの範囲内であることが好ましい。上記最大径が上述の範囲内であることにより、周囲の配線の引き回し等の阻害の少ない、設計の自由度の高いものとすることができるからである。
なお、上記最大径とは、上記導体層貫通孔を平面視した際の、上記導体層貫通孔の外周の2点を結ぶ距離のうち最大の距離をいうものである。したがって、既に説明した図2に示すように、上記導体層貫通孔の平面視形状が円形状である場合には、上記最大径は直径(h1)となる。
上記導体層貫通孔の形成箇所としては、上記導体層貫通孔等を安定的に形成できる箇所であれば特に限定されるものではなく、既に説明した図1に示すように、素子実装領域と接続端子領域との間等に形成できる。
本発明においては、なかでも、素子実装領域近辺に形成されることが好ましい。上記導体層貫通孔を素子を実装する際のアラインメントマークとして用いる場合、素子の位置合わせ誤差を低減することができるからである。
ここで、素子実装領域近傍近辺としては、具体的には、平面視上素子が配置される領域の外端から3.0mm以内の領域であることが好ましい。
上記導体層貫通孔の形成数としては、少なくとも1以上であり、位置合わせを精度良く形成できるものであれば特に限定されるものではないが、2以上であっても良い。
本態様における導体層は、上記導体層貫通孔を有するものであるが、通常、配線層を含むものである。
このような配線層としては、ライト用配線層、リード用配線層、熱アシスト用配線層、アクチュエータ素子用配線層、グランド用配線層、ノイズシールド用配線層、クロストーク防止用配線層、電源用配線層、フライトハイトコントロール用配線層、センサー用配線層等を挙げることができる。
上記導体層を構成する材料としては、一般的なサスペンション用基板における導体層と同様とすることができる。具体的には、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属を挙げることができ、中でも銅(Cu)が好ましい。また、導体層の材料は、圧延銅であっても良く、電解銅であっても良い。導体層の厚さは、例えば5μm〜18μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜12μmの範囲内であることがより好ましい。
上記導体層の形成方法としては、上記導体層を精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、サスペンション用基板に一般的に用いられる方法を使用することができる。例えば、上記導体層の材料からなる導体層形成用層を電界めっき法等により形成した後、レジストを用いたエッチングによりパターニングするフォトリソ法により、上記導体層を形成する方法を挙げることができる。
2.絶縁層
本態様における絶縁層は、上記金属支持基板上形成されるものである。また、上記絶縁層が、上記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成され、光透過性を有するものである。
なお、上記絶縁層が上記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成されるとは、導体層貫通孔と平面視上重なる領域(導体層貫通孔内領域)に絶縁層が形成されることをいうものである。
また、上記導体層貫通孔は、上記金属支持基板貫通孔から平面視上露出するように形成されるものである。
このため、本態様における絶縁層は、導体層貫通孔内領域、および、上記導体層貫通孔および金属支持基板貫通孔の外周間(導体層露出領域)と平面視上重なる領域の両領域に形成され、さらに、導体層貫通孔内領域に形成された絶縁層が、上記導体層露出領域に形成された絶縁層と接続されるものである。すなわち、上記絶縁層は、上記導体層貫通孔内領域から導体層露出領域まで、上記導体層貫通孔の外周を跨ぐように、つまり、金属支持基板側から平面視すると、上記導体層貫通孔の外周を覆うように形成されるものである。
このような絶縁層の平面視上の形成箇所としては、金属支持基板側から平面視した際に、上記導体層貫通孔の全外周を覆うように形成されることが好ましい。上記金属支持基板側から照射し上記導体層貫通孔を通過した透過光を、上記導体層側で検出し位置合わせを行うことができるとの本態様の効果をより効果的に発揮できるからである。また、上記導体層貫通孔を変形に強いものとすることができるからである。
このような絶縁層の上記導体層貫通孔内の平面視上の形成個所としては、上記導体層を変形に強いものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、既に説明した図3に示すように、導体層貫通孔の全てと平面視上重なるように形成されるものであっても良く、図6に例示するように、導体層貫通孔内に開口部を有するように形成されるものであっても良い。本態様においては、なかでも、変形への強さの観点から、上記導体層貫通孔の全てと平面視上重なるように形成されるものであることが好ましい。
一方、例えば、ピン差し込みによる位置合わせの容易さの観点からは、導体層貫通孔内に開口部を有するように形成されるものであることが好ましい。
なお、上記絶縁層が上記導体層貫通孔内に開口部を有する場合、上記絶縁層の上記導体層貫通孔と平面視上重なる面積の上記導体層貫通孔の面積に対する割合(上記導体層貫通孔と平面視上重なる絶縁層の面積/上記導体層貫通孔の面積)としては、位置合わせに用いるピンや上記導体層貫通孔のサイズに応じて適宜設定されるものであるが、0.5以上であることが好ましく、なかでも、0.8以上であることが好ましく、特に、0.9以上であることが好ましい。
なお、図6中の符号については、図3と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、上記導体層露出領域、より具体的には、既に説明した図3において幅h2で示されるような、上記導体層貫通孔および上記金属支持基板貫通孔の外周間の領域の平面視上の形成個所としては、上記導体層を変形に強いものとすることができるものであれば特に限定されるものではない。このような絶縁層の上記導体層露出領域と平面視上重なる面積の上記導体層露出領域の面積に対する割合(上記導体層露出領域と平面視上重なる絶縁層の面積/上記導体層露出領域の面積)としては、上記導体層貫通孔のサイズ等に応じて適宜設定されるものであるが、0.8以上であることが好ましく、なかでも、0.9以上であることが好ましく、特に、1.0であること、すなわち、上記導体層露出領域の全てと平面視上重なるように上記絶縁層が形成されていることが好ましい。上記導体層露出領域の導体層を変形に強いものとすることができ、その結果上記導体層貫通孔を変形に強いものとすることができるからである。また、導体層の露出面積を小さいものとすることができ、保護めっき層形成によるコストを削減することができるからである。また、導体層がめっき法により形成されたものである場合に導体層と絶縁層との間に形成されるスパッタ層の露出を抑制し、工程数の増加やめっき不良の発生を抑制できるからである。さらに、金属支持基板貫通孔の開口面積を小さくすることが容易であり、設計の自由度の高いものとすることができるからである。
本態様における絶縁層は、光透過性を有するものである。
ここで、絶縁層が光透過性を有するとは、上記絶縁層を通過した透過光により精度良く位置合わせを行うことができるもの、より具体的には、上記金属支持基板側から照射し上記導体層貫通孔を通過した透過光を上記導体層側で検出することにより、上記導体層貫通孔の外周形状を検出できるものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、絶縁層の470nm〜525nmの範囲内の波長の光の透過率が70%以上であることが好ましく、なかでも85%以上であることが好ましく、特に、95%以上であることが好ましい。位置合わせが容易なものとすることができるからである。
なお、470nm〜525nmの範囲内の波長の光の透過率が25%以上であるとは、470nm〜525nmの範囲内の波長のいずれの波長においても、透過率が25%以上であることをいうものである。また、絶縁層の470nm〜525nmの範囲内の波長の光の透過率は、上記導体層貫通孔と平面視上重なる領域に形成された絶縁層の厚みの絶縁層についての透過率をいうものであり、絶縁層が導体層貫通孔と平面視上重なる領域に開口部を有する場合であっても、開口部での透過率は含まないものである。
また、このような透過率の制御は、例えば、上記絶縁層を構成する絶縁層形成材料や厚みを制御することにより行うことができる。
(1)構成材料
上記絶縁層を構成する絶縁層形成材料としては、絶縁層を形成した際に上述の光透過性を示すことができる光透過性材料であれば特に限定されるものではない。
上記光透過性材料の透過率としては、上述の透過率を達成することができるものであれば特に限定されるものではなく、上記絶縁層の厚み等により異なるものであるが、例えば、厚みが1μmの場合において、上記470nmから525nmの範囲内の光の透過率が80%以上であることが好ましく、なかでも、80%〜99%の範囲内であることが好ましく、特に85%〜95%の範囲内であることが好ましい。上記透過率が上述の範囲内であることにより、位置合わせを精度良く行うことができるからである。
このような光透過性材料としては、具体的には、主成分としてポリイミド樹脂を含む透明性ポリイミド樹脂を挙げることができる。
ここで、主成分として含むとは、上記ポリイミド樹脂の含有量が、上記透明性ポリイミド樹脂中に50質量%以上であることをいうものであり、なかでも本発明においては、65質量%以上であることが好ましく、特に、70質量%以上であることが好ましく、中でも特に80質量%以上であることが好ましい。上記ポリイミド樹脂の含有量が上述の範囲内であることにより、絶縁性に優れたものとすることができるからである。
なお、上記透明性ポリイミド樹脂に含まれるポリイミド樹脂の含有量は高ければ高いほど良いため、上限については特に限定されるものではない。
本発明に用いられる透明性ポリイミド樹脂は、主成分として上記ポリイミド樹脂を含み、上述の光学的特性を発揮することができるものであれば特に限定されるものではなく、サスペンション用基板に一般的に用いられるものを使用することができる。具体的には、ポリイミド成分および感光剤を含む感光性ポリイミド樹脂からなるものや、上記ポリイミド成分を含み上記感光剤を実施的に含まない非感光性ポリイミド樹脂からなるものを用いることができる。
上記透明性ポリイミド樹脂が感光性ポリイミド樹脂からなるものであることにより、上記絶縁層の形成を容易なものとすることができるからである。また、上記非感光性ポリイミド樹脂からなるものであることにより、反り等の少ないものとすることができるからである。
本発明においては、上記透明性ポリイミド樹脂が、上記ポリイミド成分および感光剤を含む感光性ポリイミド樹脂からなるものである場合には、上記透明性ポリイミド樹脂に含まれる感光剤の残渣の含有量が、10質量%以下であることが好ましく、なかでも5質量%以下であることが好ましく、特に、3質量%以下であることが好ましく、なかでも特に、実質的に感光剤の残渣を含まないことが好ましい。上記感光剤の残渣の含有量が上述の範囲であることにより、上記波長の光の透過率の高いものとすることができるからである。
なお、上記感光剤の残渣の含有量の測定方法としては、上記感光剤の残渣の含有量を精度良く測定できる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、感光剤を含まない非感光性ポリイミド樹脂を用いて形成された透明性ポリイミド樹脂の熱重量減少温度を比較することで判断することができる。より具体的には、上記非感光性ポリイミド樹脂を上記感光性ポリイミド樹脂と同条件の熱処理でイミド化してなるものの熱重量減少温度を比較することで、判断することができる。
また、熱処理条件としては、上記絶縁層の形成時の条件と同様とすることができる。
(a)感光性ポリイミド樹脂
本発明に用いられる感光性ポリイミド樹脂は、上記ポリイミド成分および感光剤を含むものである。
(i)ポリイミド成分
本発明に用いられるポリイミド成分としては、ポリイミドの状態で溶媒に可溶であるものを用いても良いし、加熱処理等のイミド化により上記ポリイミド樹脂となるポリイミド前駆体を用いたものでもよい。保存安定性の観点からは前者が好ましく、線膨張係数との諸特性との両立という観点からは、後者が好ましい。本発明においては、後者の前駆体を用いたものが、各種特性、特に線膨張係数の制御の観点から好ましく用いられる。また上記ポリイミド成分は、上記感光剤を含むことで感光性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、下記式(1)で表される構造を有するポリイミド、および下記式(2)、(3)で表される構造を有するポリイミド前駆体を用いることができる。
Figure 0006279828
Figure 0006279828
Figure 0006279828
(式(1)から(3)中、R1は4価の有機基、Rは2価の有機基であり、Rは水素原子もしくは1価の有機基繰り返されるR1同士およびR同士、R同士はそれぞれ同じであってもよく異なっていてもよい。nは1以上の自然数である。)
本発明におけるポリイミド成分としては、上記式(1)、式(2)および式(3)のそれぞれの構造のみを有するポリマーのみ用いても、上記式(1)、式(2)および式(3)のそれぞれの構造のみを有するポリマーを混ぜて使っても、1つのポリマー分子鎖中に上記式(1)、式(2)および式(3)の構造が混ざったものを用いることもできる。
本発明においては、上記ポリイミド成分が上記式(2)または(3)の構造のポリイミド前駆体を少なくとも含むものであることが好ましい。溶媒への溶解性に優れるからである。
本発明においては、なかでも、酸無水物由来のカルボキシル基(もしくはそのエステル化物などの誘導体)が全体の50%以上あることが望ましく、75%以上であることがさらに好ましく、全て、下記式(2)で示されるポリアミック酸およびその誘導体であることが好ましい。
ポリアミック酸は、酸二無水物とジアミンを溶液中で混合するのみで得られるので、1段階の反応で合成することができ、合成が容易で低コストで入手できるからである。
また、副次的な効果として、用いるポリイミド成分が、上記式(2)で示されるようなポリアミック酸である場合、感光剤として用いられる塩基性物質の触媒効果によりイミド化に要する温度が低くても十分な為、最終キュア温度を300℃未満、更に好ましくは250℃以下まで下げることが可能である。従来のポリアミック酸はイミド化するために最終キュア温度を300℃以上とする必要があった為、用途が制限されていたが、最終キュア温度を下げることが可能になったことによって、より広範囲の用途に適用が可能である。
また、式(2)からなるポリアミック酸(およびその誘導体)については、合成の容易さおよびアルカリ現像液に対する溶解性の高さから、Rが全て水素原子であるポリアミック酸であることが特に好ましい。しかし、現像速度が速すぎて、パターン残存部の溶解性が高すぎる場合には、イミド化が進行したものを用いるもしくは、上記(2)および(3)におけるRに1価の有機基を導入して溶解速度を下げることができる。
なお、酸無水物由来のカルボキシル基(もしくはそのエステル)の含有率は、100%−イミド化率(%)で求めることができる。したがって、酸無水物由来のカルボキシル基(もしくはそのエステル)が全体の50%である場合には、イミド化率が50%であることを示す。
また、イミド化率は、例えば、赤外線吸収スペクトルを用いて確認することができる。具体的には、上記ポリイミド樹脂に含まれるイミド結合由来のC=O二重結合のピーク面積から定量することにより求めることができる。
また、式(3)については、左右非対称であるが、1つのポリマー分子鎖中に左右の向きが異なるものが含まれていてもよい。
なお、R1の4価は酸と結合するための価数のみを示しているが、他に更なる置換基を有していても良い。同様に、Rの2価はアミンと結合するための価数のみを示しているが、他に更なる置換基を有していても良い。
上記式(1)から(3)において、一般に、Rは酸二無水物由来の構造であり、Rはジアミン由来の構造である。
本発明に用いられるポリイミド成分を製造する方法としては、従来公知の手法を適用することができる。例えば、上記(2)で表される構造を有するポリイミド前駆体の形成方法としては、(i)酸二無水物とジアミンからポリアミック酸を合成する手法や、(ii)酸二無水物に1価のアルコールやアミノ化合物、エポキシ化合物等を反応させ合成したエステル酸やアミド酸モノマーのカルボン酸に、ジアミノ化合物やその誘導体を反応させて形成する手法などが挙げられるがこれに限定されない。
また、上記(3)で表される構造を有するポリイミド前駆体または上記(1)で表されるポリイミドの形成方法としては、上記(2)で表されるポリイミド前駆体を加熱によりイミド化する方法が挙げられる。
また、上記式(1)〜(3)で表される構造を有するポリイミド成分は、酸二無水物とジアミンの反応により得られるが、最終的に得られるポリイミド樹脂に優れた耐熱性及び寸法安定性を付与する点から、前記化学式(1)〜(3)において、R1又はRが芳香族化合物であることが好ましく、R1及びRが芳香族化合物であることがより好ましい。
本発明においては、最終的に得られるポリイミド樹脂に耐熱性及び寸法安定性を求める場合には、芳香族酸成分及び/又は芳香族アミン成分の共重合割合ができるだけ大きいことが好ましい。具体的には、イミド構造の繰り返し単位を構成する酸成分に占める芳香族酸成分の割合が50モル%以上、特に70モル%以上であることが好ましく、イミド構造の繰り返し単位を構成するアミン成分に占める芳香族アミン成分の割合が40モル%以上、特に60モル%以上であることが好ましく、全芳香族ポリイミドであることが特に好ましい。
またこのとき、前記化学式(1)〜(3)のR1において、当該R1に結合している4つの基((−CO−))は同一の芳香環に結合していても良く、異なる芳香環に結合していても良い。同様に、前記化学式(1)〜(3)のRにおいて、当該Rに結合している2つの基((−NH−))は同一の芳香環に結合していても良く、異なる芳香環に結合していても良い。
また、前記化学式(1)〜(3)で表されるポリイミド成分は、単一の繰り返し単位からなるものでも、2種以上の繰り返し単位から成るものでもよい。
本発明において、上記ポリイミド成分を得るための反応に適用可能な酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、
2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、4,4’−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4’−ビス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ぺリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、ピリジンテトラカルボン酸二無水物、スルホニルジフタル酸無水物、m−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。そして、特に好ましく用いられるテトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物が挙げられる。
併用する酸二無水物としてフッ素が導入された酸二無水物や、脂環骨格を有する酸二無水物を用いると、透明性をそれほど損なわずに溶解性や熱膨張率等の物性を調整することが可能である。また、ピロメリット酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの剛直な酸二無水物を用いると、最終的に得られるポリイミド樹脂の線熱膨張係数が小さくなるが、透明性の向上を阻害する傾向があるので、共重合割合に注意しながら併用してもよい。
一方、ジアミン成分も、1種類のジアミン単独で、または2種類以上のジアミンを併用して用いることができる。用いられるジアミン成分は限定されず、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン等の芳香族アミン;
1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等の脂肪族アミン;
1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の脂環式ジアミンが挙げられる。グアナミン類としては、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどを挙げることができ、また、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンも使用することができる。
さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、及びイソプロペニル基のいずれか1種又は2種以上を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
ジアミンは、目的の物性によって選択することができ、p−フェニレンジアミンなどの剛直なジアミンを用いれば、最終的に得られるポリイミド樹脂は低膨張率となる。剛直なジアミンとしては、同一の芳香環に2つアミノ基が結合しているジアミンとして、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2、6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、1,4―ジアミノアントラセンなどが挙げられる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接又は置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(4)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
Figure 0006279828
(化学式(4)中、aは1以上の自然数、アミノ基はベンゼン環同士の結合に対して、メタ位または、パラ位に結合する。)
さらに、上記式(4)において、他のベンゼン環との結合に関与せず、ベンゼン環上のアミノ基が置換していない位置に置換基を有するジアミンも用いることができる。これら置換基は、1価の有機基であるがそれらは互いに結合していてもよい。
具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
一方、ジアミンとして、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどのシロキサン骨格を有するジアミンを用いると、最終的に得られるポリイミド樹脂の弾性率が低下し、ガラス転移温度を低下させることができる。
ここで、選択されるジアミンは耐熱性の観点より芳香族ジアミンが好ましいが、目的の物性に応じてジアミンの全体の60モル%、好ましくは40モル%を超えない範囲で、脂肪族ジアミンやシロキサン系ジアミン等の芳香族以外のジアミンを用いても良い。
本発明に用いられる式(2)で表されるポリイミド成分を合成するには、例えば、アミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルをN−メチルピロリドンなどの有機極性溶媒に溶解させた溶液を冷却しながら、そこへ等モルの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を徐々に加え撹拌することにより得ることができる。
本発明に用いられるポリイミド成分は、感光性ポリイミド樹脂とした際の感度を高め、マスクパターンを正確に再現するパターン形状を得るために、1μmの膜厚のときに、露光波長に対して少なくとも5%以上の透過率を示すことが好ましく、15%以上の透過率を示すことが更に好ましい。
露光波長に対してポリイミド成分の透過率が高いということは、それだけ、電磁波のロスが少ないということであり、高感度の感光性ポリイミド樹脂を得ることができる。
また、一般的な露光光源である高圧水銀灯を用いて露光を行う場合には、少なくとも436nm、405nm、365nmの波長の電磁波のうち1つの波長の電磁波に対する透過率が、厚み1μmのフィルムに成膜した時で好ましくは5%以上、更に好ましくは15%、特に好ましくは50%以上である。
本発明に用いられるポリイミド成分の重量平均分子量は、その用途にもよるが、3,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、5,000〜500,000の範囲であることがさらに好ましく、10,000〜500,000の範囲であることがさらに好ましい。重量平均分子量が3,000未満であると、塗膜又はフィルムとした場合に十分な強度が得られにくい。また、加熱処理等を施しポリイミド樹脂などの高分子とした際の膜の強度も低くなる。一方、重量平均分子量が1,000,000を超えると粘度が上昇し、溶解性も落ちてくるため、表面が平滑で膜厚が均一な塗膜又はフィルムが得られにくい。
ここで用いている分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値のことをいい、ポリイミド前駆体そのものの分子量でも良いし、無水酢酸等で化学的イミド化処理を行った後のものでも良い。
本発明に用いられるポリイミド成分の含有量としては、得られるパターンの膜物性、特に膜強度や耐熱性の点から、上記感光性ポリイミド樹脂の固形分全体に対し、50質量%以上であることが好ましく、なかでも、70質量%以上であることが好ましい。
なお、感光性ポリイミド樹脂の固形分とは溶媒以外の全成分であり、液状のモノマー成分も固形分に含まれる。
(ii)感光剤
本発明に用いられる感光剤としては、上記ポリイミド成分に感光性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、感光性ポリイミド樹脂に一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、電磁波の照射と加熱により、塩基を発生する塩基発生剤等を用いることができる。より具体的には、下記一般式(a)で表されるようなクマル酸アミド系塩基発生剤、カーバメート型塩基発生剤およびニフェジピン等の塩基発生剤、またはこれらの混合物を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、上記クマル酸アミド系塩基発生剤を好ましく用いることができる。上記クマル酸アミド系塩基発生剤は、上記ポリイミド成分をイミド化する加熱処理等により、分解または揮発し易いものである。このため、上記透明性ポリイミドを上記感光剤の残渣の少ないものとすることができ、透過率に優れた絶縁層とすることができるからである。したがって、上記絶縁層の厚みが厚い場合であっても、十分な透過率を示すものとすることができ、上記導体層貫通孔を容易に検出可能なものとすることができるからである。
Figure 0006279828
(式(a)中、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素又は1価の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。R21及びR22は、それらが結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。但し、R21及びR22の少なくとも1つは1価の有機基である。R23、R24、R25及びR26は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基又は1価の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。R23、R24、R25及びR26、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。)
上記クマル酸アミド系塩基発生剤は、上記のような特定の構造を有するため、紫外線などの光線が照射されることにより、上記式(a)中の(−CH=CH−C(=O)−)部分がシス体へと異性化し、さらに加熱によって環化し、塩基(NHR2122)を生成する。すなわち、上記クマル酸アミド系塩基発生剤は、その構造に応じて、塩基として、第1級アミン、第2級アミン、アミジン系化合物を生成しうる。
また、アミンの触媒作用によって、上記ポリイミド成分が最終生成物となる際の反応が開始される温度を下げたり、上記ポリイミド成分が最終生成物となる硬化反応を開始することができる。
上記クマル酸アミド系塩基発生剤は、電磁波が照射されるだけでも塩基を発生するが、適宜加熱をすることにより、塩基の発生が促進される。
Figure 0006279828
上記クマル酸アミド系塩基発生剤は、環化することで、フェノール性水酸基を消失し、溶解性が変化し、塩基性水溶液等の場合には溶解性が低下する。これにより、上記ポリイミド成分の最終生成物への反応による溶解性の低下を更に補助する機能を有し、露光部と未露光部の溶解性コントラストを大きくすることが可能となる。
21及びR22は、それぞれ、独立に水素原子又は1価の有機基であるが、R21及びR22のうち少なくとも1つは1価の有機基である。また、NHR2122は、塩基(塩基性物質)であるが、R21及びR22は、それぞれ、アミノ基を含まない有機基であることが好ましい。R21及びR22に、アミノ基が含まれてしまうと、塩基発生剤自体が塩基性物質となり、上記ポリイミド成分の反応を促進してしまい、露光部と未露光部での溶解性コントラストの差が小さくなってしまう恐れがある。但し、例えば、R21及びR22の有機基中に存在する芳香環にアミノ基が結合している場合のように、電磁波の照射と加熱後に発生する塩基との塩基性と差が生じる場合には、R21及びR22の有機基にアミノ基を含まれていても用いることができる場合もある。
1価の有機基としては、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。これらの有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでよく、これらは、直鎖状でも分岐状でも良い。
また、R21及びR22は、それらが結合して環状構造になっていても良い。
環状構造は、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であっても良い。
上記R21及びR22の有機基中の炭化水素基以外の結合としては、特に限定されず、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:ここでRは水素原子又は1価の有機基)、カーボネート結合、スルホニル結合等が挙げられる。
前記R21及びR22の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、特に限定されず、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、カルボキシル基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基、アミノ基(−NH2, −NHR, −NRR':ここで、R及びR’はそれぞれ独立に炭化水素基)等が挙げられる。これらの基は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでも良い。
上記R21及びR22の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基が好ましい。
生成する塩基性物質はNHR2122であるため、1級アミン、2級アミン、又は複素環式化合物が挙げられる。またアミンには、それぞれ、脂肪族アミン及び芳香族アミンがある。なお、ここでの複素環式化合物は、NHR2122が環状構造を有し且つ芳香族性を有しているものをいう。芳香族複素環式化合物ではない、非芳香族複素環式化合物は、ここでは脂環式アミンとして脂肪族アミンに含まれる。
更に、生成するNHR2122は、アミド結合を形成可能なNH基を1つだけ有するモノアミン等の塩基性物質だけでなく、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等のアミド結合を形成可能なNH基を2つ以上有する塩基性物質であってもよい。生成するNHR2122がNH基を2つ以上有する塩基性物質の場合、上記式(a)のR21及び/又はR22の1つ以上の末端に、アミド結合を形成可能なNH基を有する塩基を電磁波の照射と加熱により発生するような光潜在性部位が更に結合している構造が挙げられる。上記光潜在性部位としては、上記式(a)のR21及び/又はR22の1つ以上の末端に、式(a)のR21及び/又はR22を除いた残基が更に結合している構造が挙げられる。
生成するNHR2122のうち、脂肪族1級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、イソアミルアミン、tert−ペンチルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、シクロヘプタンアミン、オクチルアミン、2−オクタンアミン、2,4,4−トリメチルペンタン−2−アミン、シクロオクチルアミン等が挙げられる。
芳香族1級アミンとしては、アニリン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、及び4−アミノフェノール等が挙げられる。
脂肪族2級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、エチルメチルアミン、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、メチルアジリジン、ジメチルアジリジン、メチルアゼチジン、ジメチルアゼチジン、トリメチルアゼチジン、メチルピロリジン、ジメチルピロリジン、トリメチルピロリジン、テトラメチルピロリジン、メチルピペリジン、ジメチルピペリジン、トリメチルピペリジン、テトラメチルピペリジン、ペンタメチルピペリジン等が挙げられ、中でも脂環式アミンが好ましい。
芳香族2級アミンとしては、メチルアニリン、ジフェニルアミン、及びN−フェニル−1−ナフチルアミンが挙げられる。また、アミド結合を形成可能なNH基を有する芳香族複素環式化合物としては、塩基性の点から分子内にイミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:ここでRは水素原子又は1価の有機基)を有することが好ましく、イミダゾール、プリン、トリアゾール、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
アミド結合を形成可能なNH基を2つ以上有する塩基としてはエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の直鎖状脂肪族アルキレンジアミン;1−ブチル−1,2−エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン等の分岐状脂肪族アルキレンジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン、メンセンジアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;ベンゼントリアミン、メラミン、2,4,6−トリアミノピリミジン等のトリアミン;2,4,5,6−テトラアミノピリミジン等のテトラアミンを挙げることができる。
21及びR22の位置に導入される置換基によって、生成する塩基性物質の熱物性や塩基性度が異なる。
上記ポリイミド成分から最終生成物への反応に対する反応開始温度を低下させる等の触媒作用は、塩基性の大きい塩基性物質の方が触媒としての効果が大きく、より少量の添加で、より低い温度での最終生成物への反応が可能となる。一般に1級アミンよりは2級アミンの方が塩基性は高く、その触媒効果が大きい。
また、芳香族アミンよりも脂肪族アミンの方が塩基性が強いため好ましい。
また、本発明で発生する塩基が、2級アミン及び/又は複素環式化合物である場合には、塩基発生剤としての感度が高くなる点から好ましい。これは、2級アミンや複素環式化合物を用いることで、アミド結合部位の活性水素がなくなり、このことにより、電子密度が変化し、異性化の感度が向上するからではないかと推定される。
また、脱離する塩基の熱物性、及び塩基性度の点から、R21及びR22の有機基は、それぞれ独立に炭素数1〜20が好ましく、更に炭素数1〜12が好ましく、特に炭素数1〜8であることが好ましい。
また、上記クマル酸アミド系塩基発生剤から生ずる塩基は、アミド結合を形成可能なNH基を1つ有するものであることが好ましい。発生する塩基がアミド結合を形成可能なNH基を2つ以上有する場合には、塩基発生剤において、電磁波の照射と加熱により切断されるアミド結合を2つ以上有することになり、例えば桂皮酸誘導体残基のような吸光団が1分子に2つ以上存在することになる。このような場合には、通常分子量が大きくなるため、溶媒溶解性が悪くなるという問題がある。また、吸光団を1分子内に2つ以上有する場合、吸光団と塩基が結合しているアミド結合が1つ切断されれば塩基になるが、吸光団を未だ含むような塩基は分子量が大きいため、拡散性が悪くなり、塩基発生剤として用いる場合の感度が悪くなってしまう。更に、塩基発生剤を合成する際、吸光団が1つの場合には、相対的に安価な塩基を過剰量加えて合成するが、吸光団が2つ以上の場合には、相対的に高価な吸光団部分の原料を過剰量加える必要がある。また、アミド結合を形成可能なNH基を2つ以上有するような塩基の場合、合成後の精製が困難であるという問題もある。中でも特に、ポリイミド前駆体と組み合わせる場合には、アミド結合を形成可能なNH基を1つ有するものであることが好ましい。
発生する2級アミン及び/又は複素環式化合物の構造としては、中でも、下記式(b)で表されることが好ましい。
Figure 0006279828
(式(b)中、R21及びR22は、それぞれ独立に、1価の有機基であり、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数4〜22のシクロアルキル基である。R21及びR22は、同一であっても異なっていても良い。R21及びR22は、それらが結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。)
式(b)のR21及びR22において、アルキル基は直鎖でも分岐でも良い。アルキル基としては更に炭素数1〜8であることが好ましく、シクロアルキル基としては更に炭素数4〜10であることが好ましい。また、R21及びR22が結合して置換基を有しても良い炭素数4〜12の環状構造となっている脂環式アミンも好ましい。また、R21及びR22が結合して置換基を有しても良い炭素数2〜12の環状構造となっている複素環式化合物も好ましい。
23、R24、R25及びR26、は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、ニトロソ基、メルカプト基、シリル基、シラノール基又は1価の有機基であり、同一であっても異なっていても良い。R23、R24、R25及びR26、は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していても良く、ヘテロ原子の結合を含んでいても良い。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素などが挙げられる。
1価の有機基としては、特に制限がなく、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、シアノ基等が挙げられる。これらの有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでよく、これらは、直鎖状でも分岐状でも良い。
上記R23〜R26の有機基中の炭化水素基以外の結合としては、特に限定されず、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、スルホニル結合等が挙げられる。
上記R23〜R26の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、特に限定されず、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基、アミノ基(−NH2, −NHR, −NRR':ここで、R及びR’はそれぞれ独立に炭化水素基)等が挙げられる。これらの基は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでも良い。
中でも、R23〜R26の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基が好ましい。
また、R23〜R26は、それらのうち2つ以上が結合して環状構造になっていても良い。
環状構造は、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であっても良い。例えば、R23〜R26は、それらの2つ以上が結合して、R23〜R26が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成していても良い。
本発明においては本発明の置換基R23〜R26に、置換基を1つ以上導入することが好ましい。すなわち、R23、R24、R25及びR26の少なくとも1つが、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、ニトロソ基、メルカプト基、シリル基、シラノール基又は1価の有機基であることが好ましい。置換基R23〜R26に、上記のような置換基を少なくとも1つ導入することにより、吸収する光の波長を調整することが可能であり、置換基を導入することで所望の波長を吸収させるようにすることもできる。芳香族環の共役鎖を伸ばすような置換基を導入することにより、吸収波長を長波長にシフトすることができる。また、溶解性や組み合わせる高分子前駆体との相溶性が向上するようにすることもできる。これにより、組み合わせる高分子前駆体の吸収波長も考慮しながら、感光性ポリイミド樹脂の感度を向上させることが可能である。
所望の波長に対して吸収波長をシフトさせる為に、どのような置換基を導入したら良いかという指針として、Interpretation of the Ultraviolet Spectra of Natural Products(A.I.Scott 1964)や、有機化合物のスペクトルによる同定法第5版(R.M.Silverstein 1993)に記載の表を参考にすることができる。
23〜R26としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルケニル基、炭素数7〜16のアリールオキシアルキル基(−ROAr基)、炭素数7〜20のアラルキル基、シアノ基をもつ炭素数2〜11のアルキル基、水酸基をもつ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜11のアミド基、炭素数1〜10のアルキルチオ基(−SR基)、炭素数1〜10のアシル基、炭素数2〜11のエステル基、炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、及びメチルチオ基(−SCH)等が好ましい。また、上記のアルキル部分は直鎖でも分岐状でも環状でも良い。
また、R23〜R26としては、それらの2つ以上が結合して、R23〜R26が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成している場合も、吸収波長が長波長化する点から好ましい。
また、本発明において、R23、R24、R25及びR26の少なくとも1つが水酸基である場合、R23、R24、R25及びR26に水酸基を含まない化合物と比べ、塩基性水溶液等に対する溶解性の向上、および吸収波長の長波長化が可能な点から好ましい。また、特にR26がフェノール性水酸基である場合、シス体に異性化した化合物が環化する際の反応サイトが増えるため、環化しやすくなる点から好ましい。
化学式(a)で表される構造は、トランス体及び/又はシス体であり、トランス体のみを用いても良いし、トランス体とシス体の混合物を用いても良いが、溶解性コントラストを高められる点から、トランス体の割合が90〜100%であることが好ましく、トランス体のみを用いることがより好ましい。
上記クマル酸アミド系塩基発生剤は、加熱して初期の重量から5%重量が減少したときの温度(5%重量減少温度)が100℃以上であることが好ましい。感光性ポリイミド樹脂の場合、塗膜を形成する際にN−メチル−2−ピロリドンなどの高沸点溶媒を用いる必要があるが、このように5%重量減少温度が高い場合には残留溶媒の影響が少なくなるような乾燥条件で塗膜を形成することができる。これにより、残留溶媒の影響による露光部と未露光部での溶解性コントラストの減少を抑制することができる。
また、本発明に用いられる透明性ポリイミド樹脂中に上記感光剤に由来する不純物が残存しないことが好ましいため、本発明に用いられるクマル酸アミド系塩基発生剤は、現像後に行う加熱のプロセス(例えば、イミド化のプロセス)で分解、又は揮発してしまうことが好ましい。具体的には、初期の重量から50%重量が減少したときの温度(50%重量減少温度)が400℃以下であることが好ましく、更に350℃以下であることが好ましい。また、発生する塩基の沸点が25℃以上であることが、室温での取り扱い性が良好になることから好ましい。発生する塩基の沸点が25℃以上でない場合には、塗膜とした際に、特に乾燥時に生成したアミンが蒸発しやすくなってしまうため作業が困難となる恐れがある。
上記クマル酸アミド系塩基発生剤を用いる際の、塩基を発生させるための加熱温度としては、組み合わせる高分子前駆体や目的により適宜選択され、特に限定されない。塩基発生剤が置かれた環境の温度(例えば、室温)による加熱であっても良く、その場合、徐々に塩基が発生する。また、電磁波の照射時に副生される熱によっても塩基が発生するため、電磁波の照射時に副生される熱により実質的に加熱も同時に行われても良い。反応速度を高くし、効率よく塩基を発生させる点から、塩基を発生させるための加熱温度としては、30℃以上であることが好ましく、更に好ましくは60℃以上、より更に好ましくは100℃以上、特に好ましくは120℃以上である。しかしながら、組み合わせて用いられる高分子前駆体によっては、例えば60℃以上の加熱で未露光部についても硬化するものもあるので、好適な加熱温度は、上記に限定されない。
また、上記クマル酸アミド系塩基発生剤の塩基発生以外の分解を防ぐために、300℃以下で加熱することが好ましい。
上記クマル酸アミド系塩基発生剤は電磁波の照射のみでも塩基を発生するが、適宜加熱することにより塩基の発生が促進される。従って、効率的に塩基を発生させるために、上記クマル酸アミド系塩基発生剤を用いる際には、露光後又は露光と同時に加熱を行うことにより塩基を発生する。露光と加熱を交互に行ってもよい。最も効率が良い方法は、露光と同時に加熱する方法である。
本発明におけるクマル酸アミド系塩基発生剤の合成方法を、2−ヒドロキシ桂皮酸アミドを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明における塩基発生剤は、複数の従来公知の合成ルートで合成することができる。
2−ヒドロキシ桂皮酸アミドは、例えば、2−ヒドロキシ桂皮酸とシクロヘキシルアミンを反応させることにより合成できる。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の縮合剤存在下、2−ヒドロキシ桂皮酸とシクロヘキシルアミンをテトラヒドロフランに溶解し、撹拌することで目的物を得ることができる。
各置換基を導入した桂皮酸の合成は、対応する置換基を有するヒドロキシベンズアルデヒドにwittig反応または、Knoevenagel反応、又はPerkin反応を行うことで合成できる。中でも、wittig反応はトランス体が選択的に得られやすい点から好ましい。尚、例えば、上記対応する置換基を有するアルデヒドの合成は、対応する置換基を有するフェノール等にDuff反応やVilsmeier−Haack反応を行うことで合成できる。
本発明における塩基発生剤は、ポリイミド成分が最終生成物となるための塩基発生の機能を十分に発揮させるために、露光波長の少なくとも一部に対して吸収を有する必要がある。一般的な露光光源である高圧水銀灯の波長としては、365nm、405nm、436nmがある。このため、本発明におけるクマル酸アミド系塩基発生剤は、少なくとも365nm、405nm、436nmの波長の電磁波のうち少なくとも1つの波長の電磁波に対して吸収を有することが好ましい。このような場合、適用可能なポリイミド成分の種類がさらに増える点から好ましい。
上記感光剤は、そのモル吸光係数が、電磁波の波長365nmにおいて100以上、又は405nmにおいて1以上であることが、適用可能なポリイミド成分の種類がさらに増える点から好ましい。
なお、本発明における感光剤が上記波長領域に吸収を有することは、当該波長領域に吸収をもたない溶媒(例えば、アセトニトリル)に、上記感光剤を1×10−4mol/L以下の濃度(通常、1×10−4mol/L〜1×10−5mol/L程度。適度な吸収強度となるように、適宜、調節してもよい。)で溶解し、紫外可視分光光度計(例えば、UV−2550(株)島津製作所製))により吸光度を測定することにより明らかにすることができる。
本発明に用いられる感光剤の含有量としては、所望のパターンの絶縁層を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な含有量とすることができる。
一般的にポリイミド樹脂は高耐熱性の樹脂として知られており、高い耐熱性を有することから、ポリイミド成分よりも、感光剤の方が耐熱性が低い傾向にあるので、ポリイミド成分に対する感光剤の割合を減らした方が、低アウトガス性となる。
このようなことから上記感光剤の含有量は少ない方が好ましく、本発明においては、上記感光剤が、上記ポリイミド成分100重量部に対して、0.1重量部以上30重量部未満の範囲内であることが好ましく、なかでも、0.5重量部〜20重量部の範囲内であることが好ましく、特に、0.5重量部〜15重量部の範囲内であることが好ましい。
なお、本発明における感光剤が、上記クマル酸アミド系塩基発生剤である場合には、
その含有量としては、上述の範囲より多いものとすることができる。上記クマル酸アミド系塩基発生剤は加熱等により分解または揮発により残存しにくいため、含有量が多い場合であっても、上記透明性ポリイミド樹脂中への残存量が少ないものとすることができるからである。具体的には、上記ポリイミド成分100重量部に対して、0.5重量部〜30重量部の範囲内であることが好ましく、なかでも、1重量部〜25重量部の範囲内であることが好ましく、特に、3重量部〜20重量部の範囲内であることが好ましい。十分な感光性を付与することができ、かつ、その場合であっても上記透明性ポリイミド樹脂への残存が少ないからである。したがって、露光・現像によるパターニングが容易で、かつ、透明性に優れた絶縁層を形成することができるからである。
(iii)溶媒
本発明における感光性ポリイミド樹脂としては、必要に応じて溶媒を含むものであっても良い。
このような溶媒としては、上記ポリイミド成分を均一に分散または溶解することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールモノエーテル類(いわゆるセロソルブ類);メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、前記グリコールモノエーテル類の酢酸エステル(例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート)、メトキシプロピルアセテート、エトキシプロピルアセテート、蓚酸ジメチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−クロロペンタン、クロロベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドンなどのピロリドン類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、その他の有機極性溶媒類等が挙げられ、更には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び、その他の有機非極性溶媒類等も挙げられる。これらの溶媒は単独若しくは組み合わせて用いられる。
中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスホアミド、N−アセチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等の極性溶媒が好適なものとして挙げられる。
また、ポリイミド成分としてポリイミド前駆体であるポリアミック酸を用いる場合には、ポリアミック酸の合成反応により得られた溶液をそのまま溶媒として用い、そこに必要に応じて他の成分を混合しても良い。
(iv)増感剤
本発明においては、上記光塩基発生剤の吸収波長がポリイミド成分の吸収波長と重なる部分があり、十分な感度が得られない場合において、感度向上の手段として、増感剤の添加が効果を発揮する場合がある。また、ポリイミド成分を透過する電磁波の波長帯に上記光塩基発生剤が吸収波長を有する場合においても、感度向上の手段として、増感剤を添加することができる。ただし、増感剤の添加によるポリイミド成分の含有率の減少に伴う、得られるパターンの膜物性、特に膜強度や耐熱性の低下に関して考慮に入れる必要がある。
増感剤と呼ばれる化合物の具体例としては、チオキサントン及び、ジエチルチオキサントンなどのその誘導体、シアニン及び、その誘導体、メロシアニン及び、その誘導体、クマリン系及び、その誘導体、ケトクマリン及び、その誘導体、ケトビスクマリン、及びその誘導体、シクロペンタノン及び、その誘導体、シクロヘキサノン及び、その誘導体、チオピリリウム塩及び、その誘導体、キノリン系及び、その誘導体、スチリルキノリン系及び、その誘導体、チオキサンテン系、キサンテン系及び、その誘導体、オキソノール系及び、その誘導体、ローダミン系及び、その誘導体、ピリリウム塩及び、その誘導体等が挙げられる。
シアニン、メロシアニン及び、その誘導体の具体例としては、3,3’−ジカルボキシエチル−2,2’チオシアニンブロミド、1−カルボキシメチル−1’−カルボキシエチル−2,2’−キノシアニンブロミド、1,3’−ジエチル−2,2’−キノチアシアニンヨ−ジド、3−エチル−5−[(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキサゾリジン等が挙げられる。
クマリン、ケトクマリン及び、その誘導体の具体例としては、3−(2’−ベンゾイミダゾール)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)等が挙げられる。
チオキサントン及び、その誘導体の具体例としては、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
さらに他にはベンゾフェノン、アセトフェノン、アントロン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、1,2−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、p,p’−テトラエチルジアミノベンゾフェノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、2,5−ビス−(4’−ジエチルアミノベンザル)−シクロペンタン、2,6−ビス−(4’−ジエチルアミノベンザル)−シクロヘキサノン、2,6−ビス−(4’−ジメチルアミノベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、2,6−ビス−(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)−カルコン、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)−カルコン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、1,3−ビス−(4’−ジメチルアミノベンザル)−アセトン、1,3−ビス−(4’−ジエチルアミノベンザル)−アセトン、N−フェニル−ジエタノールアミン、N−p−トリル−ジエチルアミン、などが挙げられる。
本発明ではこれらの増感剤を1種または2種以上使用することができる。
(v)その他
本発明における感光性ポリイミド樹脂は、少なくとも上記ポリイミド成分、感光剤、および溶媒を含むものであるが、必要に応じて他の成分を含むものであっても良い。
このような他の成分としては、熱硬化性成分、ポリイミド前駆体以外のバインダー樹脂、その他の添加剤を配合して、感光性ポリイミド樹脂を調製してもよい。
本発明においては、上記感光性ポリイミド樹脂に加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、染料、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子等が含まれ、それらは多孔質や中空構造であってもよい。また、その機能又は形態としては顔料、フィラー、繊維等がある。
また、本発明における他の任意成分の配合割合は、上記感光性ポリイミド樹脂の固形分全体に対し、0.1質量%〜20質量%の範囲が好ましい。0.1質量%未満だと、添加物を添加した効果が発揮されにくく、20質量%を超えると、最終的に得られる樹脂硬化物の特性が最終生成物に反映されにくいからである。
(b)非感光性ポリイミド樹脂
本発明に用いられる非感光性ポリイミド樹脂としては、実質的に感光性を有さないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記ポリイミド成分を含み、上記感光剤を実質的に含まないものを挙げることができる。
なお、実質的に含まないとは、一般的な感光性ポリイミド樹脂での露光・現像条件でパターニングできない程度の含有量以下の含有量であることをいうものであり、通常、全く含まれないものである。
本発明に用いられる非感光性ポリイミド樹脂は、必要に応じて溶媒やその他の成分を含むことができる。このような溶媒およびその他の成分としては、上記「(a)感光性ポリイミド樹脂」の項に記載のものと同様のものを用いることができる。
(2)絶縁層
本態様における絶縁層の断面視形状としては、厚さが均一なものであっても良いが、図7に例示するように、上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域に形成され、金属支持基板側に厚みの薄い凹部13を有することが好ましい。上記導体層貫通孔から平面視上露出する絶縁層の厚みを薄いものとすることができ、絶縁層としての絶縁性を低下させることなく、上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域での絶縁層を光透過性に優れたものとすることが容易だからである。
なお、図7中の符号については、図3と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
このような凹部の形成箇所としては、上記導体層貫通孔から平面視上露出する、すなわち、上記導体層貫通孔と平面視上重なるように形成され、上記導体層貫通孔を精度良く検出できるものであれば特に限定されるものではないが、上記導体層貫通孔から平面視上露出する絶縁層の全ての領域を含むように形成されることが好ましく、なかでも、上記導体層貫通孔から平面視上露出する絶縁層の全ての領域にのみ形成されることが好ましい。
また、本態様においては、上記凹部の全てが、上記金属支持基板貫通孔から平面視上露出するように形成されることが好ましい。上記凹部の形成が容易だからである。
上記絶縁層の上記導体層貫通孔と平面視上重なる領域の厚みとしては、上記導体層貫通孔の検出が可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、2.0μm以上であることが好ましく、なかでも、2.0μm〜8.0μmの範囲内であることが好ましく、特に3.0μm〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記凹部が形成される場合における凹部以外の絶縁層の厚みとしては、サスペンション用基板に一般的に用いられる絶縁層の厚みとすることができる。例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜18μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜12μmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明における絶縁層の形成方法としては、所望のパターンの絶縁層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、上記絶縁層を形成可能な絶縁層形成材料を含む液状の絶縁層形成用塗工液を塗布またはドライフィルム状の材料を貼り合わせて絶縁層形成用層を形成し、その後、上記絶縁層形成用層を露光・現像またはレジストを用いてエッチングを行うフォトリソ法によりパターニングする方法を用いることができる。
また、上記絶縁層が凹部を有するものである場合には、エッチング時のエッチング液やエッチング時間等のエッチング条件を調整して、絶縁層を部分的にエッチングして凹部を形成するハーフエッチングを用いることができる。なお、ハーフエッチングのエッチング条件については、絶縁層形成用層、すなわち、絶縁層を構成する材料の種類や、厚み等に応じて適宜設定されるものである。
また、塗布方法としては、均一な厚みの絶縁層形成用層を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な塗布方法を用いることができる。
具体的には、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法等を挙げることができる。また、必要に応じて、上記絶縁層形成用塗工液を塗布後に、乾燥処理を施しても良い。
3.金属支持基板
本態様における金属支持基板は、上記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成された金属支持基板貫通孔を有するものである。
ここで、上記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成されるとは、上記金属支持基板貫通孔と平面視上重なる領域内に、上記導体層貫通孔の全てを含むように形成され、上記金属支持基板側から平面視した場合に上記導体層貫通孔の全てが露出するものであることをいうものであり、金属支持基板側からの平面視上、上記金属支持基板貫通孔が、上記導体層貫通孔の全てを覆うように形成されていることをいうものである。したがって、金属支持基板貫通孔および導体層貫通孔の両者が円形状かつ同一中心に形成された場合には、金属支持基板貫通孔の直径は、導体層貫通孔の直径と同じまたはこれより大きいものとなる。
上記金属支持基板貫通孔の平面視形状としては、上記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成されるものであれば特に限定されるものではないが、円形状や楕円形状、三角形状、四角形状等の多角形状等とすることができる。
上記金属支持基板貫通孔が最大径としては、少なくとも上記導体層貫通孔と同じまたはこれよりも大きく、上記導体層貫通孔の全てを露出するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.1mm〜1.1mmの範囲内であることが好ましく、なかでも、0.2mm〜0.7mmの範囲内であることが好ましく、特に0.3mm〜0.6mmの範囲内であることが好ましい。上記最大径が上述の範囲内であることにより、周囲の配線の引き回し等の阻害の少ない、設計の自由度の高いものとすることができるからである。
なお、上記最大径としては、具体的には、既に説明した図3中のh3で示される距離をいうものである。
また、上記導体層露出領域の幅、すなわち、上記導体層貫通孔および上記金属支持基板貫通孔の外周間の領域の平面視上の幅としては、上記導体層貫通孔を変形に強いものとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、0.00mm〜0.50mmの範囲内であることが好ましく、なかでも、0.00mm〜0.10mmの範囲内であることが好ましく、特に0.00mm〜0.05mmの範囲内であることが好ましい。上記幅が上述の範囲内であることにより、周囲の配線の引き回し等の阻害の少ない、設計の自由度の高いものとすることができるからである。
なお、上記導体層露出領域の幅とは、上記金属支持基板貫通孔の外周上の任意の点と平面視上最短距離で結ぶ上記導体層貫通孔の外周の点とを結ぶ距離をいうものである。したがって、上記距離が、所定の範囲内であるとは、上記金属支持基板貫通孔の外周上のいずれの点と平面視上最短距離で結ぶ上記導体層貫通孔の外周の点とを結ぶ距離が、上記所定の範囲内であることをいうものである。
また、上記導体層露出領域の幅としては、具体的には、既に説明した図3中のh2で示される距離をいうものである。
上記金属支持基板の材料は、ばね性を有する金属であることが好ましく、具体的にはステンレス鋼等を挙げることができる。また、金属支持基板の厚さは、その材料の種類により異なるものであるが、例えば10μm〜20μmの範囲内である。
本態様に用いられる金属支持基板の形成方法としては、所望のパターンの金属支持基板を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、サスペンション用基板に一般的に用いられる方法を使用することができる。具体的には、レジストを用いたエッチングによりパターニングするフォトリソ法を用いる方法等を使用することができる。
4.サスペンション用基板
本態様のサスペンション用基板は、上記金属支持基板、絶縁層および導体層を少なくとも有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。
このような他の構成としては、上記導体層の露出する表面を覆うように形成される保護めっき層やカバー層等を挙げることができる。また、上記導体層がめっき法により形成される場合には、上記絶縁層上に形成されるスパッタ層を有することが好ましい。
(1)保護めっき層
本態様における保護めっき層は、表面が露出する導体層表面に形成されるものである。特に、上記導体層貫通孔の側面や、上記導体層貫通孔の周囲等の表面が露出する導体層表面に形成されることが好ましい。このような保護めっき層により被覆されることにより、表面が露出する導体層の劣化(腐食等)を防止できることから、上記導体層貫通孔の形状の変化のないものとすることができるからである。なお、導体層の絶縁層側表面に形成されたスパッタ層等が露出する場合も、上記表面が露出する導体層に含まれるものである。
保護めっき層の一例としては、金めっき層を挙げることができる。また、金めっき層の下地としてニッケルめっき層が形成されていても良い。めっき層の厚さは、例えば0.1μm〜4.0μmの範囲内とすることができる。
本発明において、上記保護めっき層を形成する方法としては、例えば、電解めっき法を挙げることができる。
(2)カバー層
本態様におけるカバー層は、上記導体層上に形成されるものである。カバー層を有することにより、導体層の劣化(腐食等)を防止できるからである。
なお、上記カバー層としては、形成箇所により、図8に例示するような上記導体層貫通孔を覆うように形成される態様(A態様)と、既に説明した図3に示すような上記導体層貫通孔の全てを覆う開口部を有するように形成される態様(B態様)と、を挙げることができる。
なお、図8中の符号については、図3と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
(a)A態様
上記カバー層のA態様は、上記導体層貫通孔を覆うように形成されるものであり、上記絶縁層およびカバー層の両者共に光透過性を有するものである。
ここで、上記両者が光透過性を有するとは、両者が上記金属支持基板側から照射した光を透過することができ、上記導体層貫通孔を通過した後、上記導体層側から検出できることをいうものである。具体的には、両者合計での470nm〜525nmの範囲内の波長の光の透過率が、上記「2.絶縁層」の項に記載したものと同様の透過率を示すものであることが好ましい。
このようなカバー層の材料としては、上記光透過性を示すことができるものであれば特に限定されるものではないが、上記光透過性材料と同様の材料を用いることができる。また、上記絶縁層を構成する絶縁層形成材料と同一の材料であっても良く、異なる材料であっても良い。
上記カバー層の導体層上の厚さとしては、例えば2μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、2μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
また、上記導体層貫通孔を覆う領域の厚みとしては、上記導体層貫通孔の検出が可能なものであれば特に限定されるものではなく、カバー層が上記絶縁層と同一材料により形成される場合には、カバー層および絶縁層の合計の厚みが、上記「2.絶縁層」の項に記載した上記絶縁層の上記導体層貫通孔と平面視上重なる領域の厚みと同様の厚みとなることが好ましい。
上記カバー層の形成箇所としては、上記導体層貫通孔を覆うものであれば特に限定されるものではないが、上記同地層貫通孔の全てを覆うように形成されることが好ましい。上記導体層貫通孔を変形に強いものとすることができるからである。
また、上記カバー層の形成方法としては、サスペンション用基板に一般的に用いられる方法を使用することができ、上記絶縁層と同様の形成方法を用いることができる。
(b)B態様
上記カバー層のB態様は、上記カバー層が上記導体層貫通孔の全てを覆う開口部を有するように形成される態様である。
本態様のカバー層としては、光透過性を有するものであっても、光透過性を有しないものであっても良い。
このようなカバー層を構成するカバー層形成材料としては、サスペンション用基板のカバー層に一般的に用いられるものを使用することができ、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば樹脂を挙げることができる。上記樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。絶縁性、耐熱性および耐薬品性に優れているからである。また、絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。
また、上記カバー層の導体層上の厚さ、形成方法等については、上記「(a)A態様」に記載の内容と同様とすることができる。
(3)スパッタ層
本態様におけるスパッタ層は、上記導体層がめっき法により形成される場合に、上記絶縁層上に形成されるものであり、上記スパッタ層上に上記導体層が形成されるものである。
このようなスパッタ層を構成する材料としては、上記導体層をめっき法により安定的に形成できるものであれば特に限定されるものではないが、Fe、Ni、Cr、Cu、Ag、Ti、Co、Ta、W等を挙げることができる。
上記スパッタ層の厚みとしては、上記導体層をめっき法により安定的に形成できるものであれば特に限定されるものではないが、5.0nm〜100.0nmの範囲内とすることができる。
II.第2態様
次に、本発明のサスペンション用基板の第2態様について説明する。本態様のサスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層と、上記導体層上に形成されたカバー層と、を有し、上記導体層は、導体層貫通孔を有し、上記カバー層は、上記導体層貫通孔の外周を覆うように形成され、かつ、光透過性を有することを特徴とする態様である。
このような本態様のサスペンション用基板について図を参照して説明する。図9は、本態様のサスペンション用基板における導体層貫通孔の周囲の拡大図を示すものであり、図10は、図9のB−B線断面図である。図9〜図10に例示するように、本態様のサスペンション用基板10は、金属支持基板1と、上記金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、上記絶縁層2上に形成された導体層3と、上記導体層3上に形成されたカバー層6と、を有し、上記導体層3が導体層貫通孔4を有し、上記カバー層6は、上記導体層貫通孔4の外周を覆うように形成され、かつ、光透過性を有することを特徴とするものである。
なお、この例においては、上記金属支持基板1および絶縁層2が上記導体層貫通孔の全てと平面視上重なるように形成されるものである。また、図9においては、説明の容易のためカバー層の記載を省略するものである。
本態様によれば、上記導体層貫通孔の外周を覆うカバー層が光透過性を有するものであることにより、上記カバー層側から照射し上記導体層貫通孔の周囲を囲む導体層で反射された反射光を上記カバー層側で検出することにより、上記導体層貫通孔の外周形状を検出し、位置合わせを行うことができる。
また、上記導体層貫通孔の外周をカバー層により覆われているものとすることができ、さらに上記金属支持基板および絶縁層を上記導体層貫通孔周辺に開口部を有しないものとすることができるため、上記導体層貫通孔周囲の導体層を変形に強いものとすることができ、歩留まりの高いものとすることができる。また、保護めっき層を形成することを不要とすることができ、低コストなものとすることができる。さらに、スパッタ層を有する場合であってもスパッタ層の露出のないものとすることができ、歩留まりの高いものとすることができる。さらに、導体層貫通孔を形成するための面積を小さいものとすることができ、設計の自由度の高いものとすることができる。
本態様のサスペンション用基板は、上記金属支持基板、絶縁層、導体層およびカバー層を少なくとも有するものである。
以下、本態様のサスペンション用基板の各構成について説明する。
なお、上記導体層については、上記「I.第1態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.カバー層
本態様におけるカバー層は、上記導体層貫通孔の外周を覆うように形成され、かつ、光透過性を有するものである。
上記導体層貫通孔の外周を覆うように形成されるとは、上記カバー層が平面視上、上記導体層貫通孔の外周を跨ぐように形成されることをいうものである。
このようなカバー層の平面視上の形成箇所としては、上記導体層貫通孔の全外周を覆うように形成されることが好ましい。本態様の効果をより効果的に発揮できるからである。
また、上記カバー層の上記導体層貫通孔内の平面視上の形成個所としては、上記導体層貫通孔を精度良く検出できるものであれば特に限定されるものではなく、既に説明した図10に示すように、導体層貫通孔の全てを覆うように形成されるものであっても良く、導体層貫通孔内に開口部を有するように形成されるものであっても良い。
本態様においては、なかでも、上記カバー層の上記導体層貫通孔を覆う面積の上記導体層貫通孔の面積に対する割合(上記導体層貫通孔を覆うカバー層の面積/上記導体層貫通孔の面積)が、0.8以上であることが好ましく、なかでも、0.9以上であることが好ましく、特に、1.0であること、すなわち、上記導体層貫通孔の全てを覆うように上記カバー層が形成されていることが好ましい。
また、上記カバー層の上記導体層貫通孔の周囲を囲む導体層上の形成箇所としては、上記導体層貫通孔の外周形状を精度良く検出できるものであれば特に限定されるものではないが、より具体的には、導体層貫通孔の外周から20μm以内の領域を少なくとも含むものであることが好ましく、なかでも、30μm以内の領域を少なくとも含むものであることが好ましく、特に、平面視上導体層の全てを覆うように形成されることが好ましい。上記導体層貫通孔を精度良く検出できると共に、保護めっき層により被覆される面積を小さいものとすることができるからである。
なお、導体層貫通孔の外周から10μm以内の領域とは、上記導体層貫通孔の外周上の点から、その外周に対して垂直方向に10μmの距離までの領域をいうものである。より具体的には、導体層貫通孔が直径50μmの円形状の場合には、導体層貫通孔の外周と、導体層貫通孔と同一の中心から直径70μmの円の外周とで囲まれる領域をいうものである。
本態様におけるカバー層は光透過性を有するものである。
ここで、上記カバー層が光透過性を有するとは、上記カバー層が、上記カバー層側から照射し上記導体層貫通孔の周囲を囲む導体層で反射された反射光を、上記カバー層側で検出することにより、上記導体層貫通孔の外周形状を検出し、位置合わせを行うことができるものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、カバー層の470nmから525nmの範囲内の波長の入射光に対する反射光の強度の割合(反射光強度/入射光強度×100(単位%))が、5%以上であることが好ましく、なかでも15%以上であることが好ましく、特に、25%以上であることが好ましい。位置合わせが容易なものとすることができるからである。
なお、470nmから525nmの範囲内の波長の入射光に対する反射光の強度が25%以上であるとは、470nmから525nmの範囲内の波長のいずれの波長においても上記入射光強度に対する反射光強度の割合が25%以上となることをいうものである。
また、本発明において、入射光に対する反射光の強度とは、図11に示すように、カバー層の表面側から照射した入射光の強度(入射光強度)に対する、カバー層の裏面、すなわち、導体層表面で反射した光をカバー層の表面側で検出した反射光の強度(反射光強度)の割合、すなわち、カバー層の厚みをHとすると、2Hの厚みのカバー層を透過した場合の透過率を示すものである。したがって、上記カバー層の入射光に対する反射光の強度とは、上記カバー層の厚みの2倍の厚みとした場合のカバー層の透過率をいうものである。
また、このような透過率の制御は、例えば、上記カバー層を構成するカバー層形成材料や厚みを制御することにより行うことができる。
なお、図11中の符号については、図3と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
このようなカバー層を構成するカバー層形成材料としては、カバー層を形成した際に上述の光透過性を示すことができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、上記「I.第1態様」の「2.絶縁層」の項に記載の光透過性材料を用いることができる。
また、上記導体層貫通孔を覆うように形成されたカバー層の厚み、すなわち、上記導体層貫通孔の周囲を囲むように形成された導体層上のカバー層の厚みとしては、上記導体層貫通孔の検出が可能なものであれば特に限定されるものではないが、上記「I.第1態様」における絶縁層と同一の光透過性材料を用いて形成されている場合には、上記「I.第1態様」の「2.絶縁層」の項に記載した導体層貫通孔と平面視上重なる領域における好ましい厚みの2分の1の厚みであることが好ましい。
上記カバー層の形成方法としては、上記「I.第1態様」の「4.サスペンション用基板」の「(2)カバー層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.絶縁層
本発明における絶縁層は、上記金属支持基板上に形成されるものである。
本態様における絶縁層の形成箇所としては、上記導体層貫通孔を精度良く検出できるものであれば特に限定されるものではないが、上記導体層貫通孔から平面視上露出するように、すなわち、上記導体層貫通孔と平面視上重なるように形成されることが好ましく、なかでも、上記導体層貫通孔の全てと平面視上重なるように形成されることが好ましい。上記導体層貫通孔を変形に強いものとすることができるからである。
上記絶縁層の上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域は、光透過性が低いことが好ましい。絶縁層を透過した光が金属支持基板により反射されることを防ぐことができ、上記導体層貫通孔の周囲を囲む導体層の反射光の検出感度、すなわち、上記導体層貫通孔の検出感度に優れたものとするこができるからである。
ここで、光透過性が低いとは、上記導体層貫通孔の検出感度を所望の範囲内とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、絶縁層の470nmから525nmの範囲内の波長の光の透過率が30%以下の範囲内であることが好ましく、なかでも、15%以下の範囲内であることが好ましく、特に5%以下の範囲内であることが好ましい。上記透過率が上述の範囲内であることにより、上記導体層貫通孔の検出感度に優れたものとすることができるからである。
上記絶縁層の上記導体層貫通孔から平面視上露出する表面での全光線反射率としては、上記導体層貫通孔を検出感度良く検出できるものであれば特に限定されるものではないが、30%以下であることが好ましく、なかでも、15%以下であることが好ましく、特に5%以下であることが好ましい。上記反射率であることにより、上記導体層貫通孔の検出感度に優れたものとすることができるからである。
なお、全光線反射率としては、光学測定器にてJIS K7105に従って測定したものをいう。光学測定器は市販品を用いることができ、例えば、村上色彩技術研究所製HR−100が用いることができる。
このような絶縁層形成材料としては、上記「I.第1態様」の「2.絶縁層」の項に記載の光透過性材料や、上記「I.第1態様」の「4.サスペンション用基板」の「(2)カバー層」に記載の樹脂を用いることができる。
また、絶縁層を上述の光透過性の低いものおよび全光線反射率を満たすものとするため、必要に応じて、顔料等を含むものであっても良い。
本態様における絶縁層の厚みとしては、上記導体層を安定的に形成できるものであれば特に限定されるものではないが、上記「I.第1態様」の「2.絶縁層」の項に記載のサスペンション用基板に一般的に用いられる絶縁層の厚みとすることができる。
3.金属支持基板
本発明における金属支持基板は、上記絶縁層、導体層およびカバー層を支持するものである。
このような金属支持基板の材料や厚さ、および形成方法としては、上記「I.第1態様」の「3.金属支持基板」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記金属支持基板の形成箇所としては、上記反射光により導体層貫通孔を検出できるものであれば特に限定されるものではなく、上記「2.絶縁層」と同様とすることができる。
4.サスペンション用基板
本態様のサスペンション用基板は、上記金属支持基板、絶縁層、導体層およびカバー層を少なくとも有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものとすることができる。
このような他の構成としては、上記「I.第1態様」の「4.サスペンション用基板」の項に記載の内容と同様とすることができる。
B.サスペンション用基板の製造方法
次に、本発明のサスペンション用基板の製造方法について説明する。
本発明のサスペンション用基板の製造方法は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された導体層と、を有し、上記導体層は、導体層貫通孔を有し、上記金属支持基板は、上記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成された金属支持基板貫通孔を有し、上記絶縁層が、上記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成され、かつ、光透過性を有し、さらに、上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域の上記金属支持基板側に凹部を有するサスペンション用基板の製造方法であって、絶縁層形成用層の上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域をハーフエッチングし、上記凹部を有する上記絶縁層を形成する絶縁層形成工程を有することを特徴とするものである。
このような本発明のサスペンション用基板の製造方法について図を参照して説明する。 図12は、本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す工程図である。
図12に例示するように、まず、金属支持基板形成用層1X、絶縁層形成用層2Xおよび導体層形成用層3Xがこの順に積層した積層部材を準備し、積層部材の両面にドライフィルムレジスト(DFR)15を配置し、露光現像を行うことにより、所定のレジストパターンを形成する(図12(a))。次に、レジストパターンから露出する部分をウェットエッチングし、金属支持基板貫通孔5を有する金属支持基板1および導体層貫通孔4を有する導体層3を形成し、次いで、金属支持基板1および導体層3を接続するビアを形成する領域や絶縁層が形成されない領域に開口を有するレジストパターン15を形成する(図12(b))。次に、レジストパターン15から露出する部分をウェットエッチングし、絶縁層形成用層2Xにビア用の貫通孔等を形成する(図12(c))。その後、絶縁層形成用層2Xの上記導体層貫通孔4から露出する領域をハーフエッチングし、上記導体層貫通孔4から露出する領域の上記金属支持基板側1に凹部13を有する上記絶縁層2を形成する(図12(d))。次いで、電解ニッケルめっきにより金属支持基板1および導体層3を接続するビア8を形成し(図12(e))、その後、導体層3の一部を覆い、導体層貫通孔4が露出するような開口部を有するカバー層6を形成する(図12(f))。カバー層4の材料が感光性材料である場合は、露光現像により所定のパターンを形成することができる。一方、カバー層4の材料が非感光性材料である場合は、DFRを用いて所定のレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する部分をウェットエッチングすることにより、所定のパターンを形成することができる。
その後、図12(g)に例示するように、導体層貫通孔を形成する導体層3のうち表面が露出する表面上に、保護めっき層7を形成することにより、サスペンション用基板を得ることができる。
なお、図12中の(a)が積層体準備工程、(a)〜(b)が導体層および金属支持基板形成工程、(b)〜(d)が絶縁層形成工程、(f)がカバー層形成工程であり、(g)が保護めっき層形成工程である。
本発明によれば、上記絶縁層形成工程を有することにより、上記導体層貫通孔を覆う絶縁層の厚みを薄いものとすることができる。このため、透過光による位置合わせが容易なサスペンション用基板を得ることができる。
本発明のサスペンション用基板の製造方法は、上記絶縁層形成工程を少なくとも有するものである。
以下、本発明のサスペンション用基板の製造方法の各工程について詳細に説明する。
なお、本発明により製造されるサスペンション用基板については、上記「A.サスペンション用基板」の項に記載の内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
1.絶縁層形成工程
本発明における絶縁層形成工程は、絶縁層形成用層の上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域をハーフエッチングし、上記凹部を有する上記絶縁層を形成する工程である。
ここで、ハーフエッチングする方法としては、上記導体層貫通孔から平面視上露出する領域の上記金属支持基板側に凹部を有するものとすることができるものであれば特に限定されるものではなく、上記「A.サスペンション用基板」の「I.第1態様」の「2.絶縁層」の項に記載の方法を用いることができる。
また、上記絶縁層形成用層や、本工程により形成される絶縁層については、上記「A.サスペンション用基板」の「I.第1態様」の「2.絶縁層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.サスペンション用基板の製造方法
本発明のサスペンション用基板の製造方法は、絶縁層形成工程を少なくとも有するものであるが、通常、金属支持基板をパターニングにより形成する金属支持基板形成工程や、導体層を形成する導体層形成工程を含むものである。また、必要に応じてカバー層形成工程や、保護めっき層形成工程等を有するものであっても良い。
このような金属支持基板形成工程や、導体層形成工程、カバー層形成工程および保護めっき層形成工程における各部材の形成方法としては、サスペンション用基板に一般的に用いられる方法を用いることができ、具体的には、上記「A.サスペンション用基板」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記金属支持基板、絶縁層および導体層については、上記金属支持基板上に、上記絶縁層および導体層をこの順で形成するものであっても良く、上記金属支持基板を構成する材料からなる金属基板形成用層と、上記金属基板形成用層上に形成された絶縁層形成用層と、上記絶縁層形成用層上に形成された導体層形成用層とを有する積層体を形成した後に、上記導体層および金属支持基板、絶縁層の順で形成するものであっても良い。
本発明においては、なかでも、上記積層体を用いる方法であること、すなわち、上記積層体を形成する積層体形成工程を行い、その後、金属支持基板形成工程および導体層形成工程、次いで、絶縁層形成工程の順で行われることが好ましい。上記各構成を精度良く形成することができるからである。
C.サスペンション
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用基板を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、歩留まりおよび設計の自由度が高く、低コストであり、位置合わせ精度の高いサスペンションとすることができる。
図13は、本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。図13に示されるサスペンション20は、上述したサスペンション用基板10と、素子実装領域11が形成されている表面とは反対側のサスペンション用基板10の表面に備え付けられたロードビーム21とを有するものである。
本発明のサスペンションは、少なくともサスペンション用基板を有し、通常は、さらにロードビームを有する。サスペンション用基板については、上記「A.サスペンション用基板」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、ロードビームは、一般的なサスペンションに用いられるロードビームと同様のものを用いることができる。
D.素子付サスペンション
次に、本発明の素子付サスペンションについて説明する。本発明の素子付サスペンションは、上述したサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、歩留まりおよび設計の自由度が高く、低コストであり、位置合わせ精度の高い素子付サスペンションとすることができる。
図14は、本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。図14に示される素子付サスペンション30は、上述したサスペンション20と、サスペンション20の素子実装領域に実装された素子31とを有するものである。
本発明の素子付サスペンションは、少なくともサスペンションおよび素子を有するものである。サスペンションについては、上記「C.サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、素子実装領域に実装される素子としては、例えば、記録再生用素子を挙げることができる。記録再生用素子としては、特に限定されるものではないが、磁気発生素子を有するものが好ましい。具体的には、磁気ヘッドスライダを挙げることができるさらに、本発明の素子付サスペンションは、熱アシスト用素子およびアクチュエータ素子の少なくとも一方をさらに有することが好ましい。
熱アシスト用素子は、記録再生用素子の記録を熱によりアシストできるものであれば特に限定されるものではない。中でも、本発明における熱アシスト用素子は、光を利用した素子であることが好ましい。光ドミナント記録方式による熱アシスト記録を行うことができるからである。光を利用した熱アシスト用素子としては、例えば半導体レーザーダイオード素子を挙げることができる。半導体レーザーダイオード素子は、pn型の素子であっても良く、pnp型またはnpn型の素子であっても良い。
アクチュエータ素子は、通常、マイクロアクチュエータ、ミリアクチュエータが該当する。アクチュエータ素子としては、例えばピエゾ素子を挙げることができる。ピエゾ素子としては、例えばPZTからなるものを挙げることができる。ピエゾ素子の伸縮応答を利用することで、サブミクロン単位での位置決めを行うことができる。また、ピエゾ素子には、エネルギー効率が高い、耐荷重が大きい、応答性が速い、摩耗劣化がない、磁場が発生しないという利点がある。また、本発明においては、2極のピエゾ素子を1個用いても良い。1極のピエゾ素子を2個用いても良い。
E.ハードディスクドライブ
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述した素子付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、歩留まりおよび設計の自由度が高く、低コストであり、位置合わせ精度の高いハードディスクドライブとすることができる。
図15は、本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。図15に示されるハードディスクドライブ40は、上述した素子付サスペンション30と、素子付サスペンション30がデータの書き込みおよび読み込みを行うディスク41と、ディスク41を回転させるスピンドルモータ42と、素子付サスペンション30の素子を移動させるアーム43およびボイスコイルモータ44と、上記の部材を密閉するケース45とを有するものである。
本発明のハードディスクドライブは、少なくとも素子付サスペンションを有し、通常は、さらにディスク、スピンドルモータ、アームおよびボイスコイルモータを有する。素子付サスペンションについては、上記「D.素子付サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、その他の部材についても、一般的なハードディスクドライブに用いられる部材と同様のものを用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
厚さ20μmのSUS304である金属支持部材の上に、非感光性ポリイミド系の絶縁層形成材料を用い、厚さ10μmの絶縁部材を塗工法にて形成した。さらに、その絶縁部材上にシード層となるNi−Cr−Cuをスパッタリング法で約10nmコーティングし、それを導通媒体としCuめっきにて厚さ9μmのCuめっき層である導体部材を形成し、積層部材を得た。
次に、SUS側で位置精度が重要な治具孔と位置合わせ用の貫通孔、Cuめっき層側で目的とする配線層と位置合わせ用の貫通孔を形成できるように、ドライフィルムを用いて同時にパターニングし、パターン状のレジストを得た。その後、塩化第二鉄液を用いてエッチングし、レジスト剥膜を行なった。位置合わせ用マークとしてCu側直径0.6mm、SUS側直径0.7mmの貫通孔を形成した。
次に、配線層および絶縁部材上に、光透過性を有する非感光性ポリイミド系の液状カバー層形成材料をダイコーターでコーティングした。乾燥後、レジスト製版し、現像と同時にカバー層形成材料をエッチングした。その後、エッチング後のカバー層形成用材料を硬化させ、カバー層を得た。位置合わせ用マークとして利用する貫通孔の全てを覆うように約4μmの上記カバー層を形成した。
次に、絶縁部材に対して、レジスト製版し、有機アルカリエッチング液を用いてエッチングし、エッチング後にレジスト剥膜を行い、絶縁層を得た。位置合わせ用マークのSUS側の絶縁部材にはハーフエッチング加工を施し、厚みを約3μmとした。
次に、治具めっき法による電解Auめっきを行い、配線めっき部を形成した。このとき、位置合わせ用の貫通孔はカバーまたは絶縁部材によって覆われているため、Cuおよびシード層にはAuめっきはつかない。
次に、金属支持基板と配線層との導通を取る目的として、レジスト製版を行い、電解Niめっきを行い、レジスト剥膜を行い、ビアを形成した。なお、電解Niめっき浴には標準的なスルファミン酸Niめっき浴を用い、電解浸漬めっき(0.2A、14分)で電解Niめっきを行った。
最後に、SUSの外形加工を行うため、レジスト製版を行い、SUS側のみエッチングし、エッチング後にレジスト剥膜を行い、サスペンション用基板を得た。
[評価]
実施例1で得られたサスペンション用基板は貫通孔部における耐変形性の向上とシード層へのめっき層形成を回避できたことから歩留まり向上に寄与した。さらにスパッタ層へめっきをするときに不可欠であった前処理工程を排除することができた。
また、ロードビームおよびスライダとの位置合わせ評価を行った。画像認識装置で位置決め用アライメントマークをCCDカメラで撮像し、得られた画像にグレイスケール処理を行い、実施例で形成した貫通孔がアライメントマークとして利用できたか否かを確認した。その結果、導体層貫通孔の外周形状を十分に認識することができ、精度良くロードビームおよびスライダとの位置合わせをすることが可能であった。
1…金属支持基板
2…絶縁層
3…導体層
4…導体層貫通孔
5…金属支持基板貫通孔
6…カバー層
7…保護めっき層
8…ビア
10…サスペンション用基板
11…素子実装領域
12…外部回路基板接続領域
15…レジスト
30…サスペンション
40…素子付サスペンション
50…ハードディスクドライブ

Claims (9)

  1. 金属支持基板と、
    前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成された導体層と、を有し、
    前記導体層は、導体層貫通孔を有し、
    前記金属支持基板は、前記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成された金属支持基板貫通孔を有し、
    前記絶縁層は、前記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成され、かつ、光透過性を有し、
    前記絶縁層の470nmから525nmの範囲内の波長の光の透過率が70%以上であることを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記絶縁層が、前記導体層貫通孔から平面視上露出する領域の前記金属支持基板側に凹部を有することを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 前記絶縁層が、前記導体層貫通孔から平面視上露出する領域内に開口部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサスペンション用基板。
  4. 金属支持基板と、
    前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成された導体層と、
    前記導体層上に形成されたカバー層と、を有し、
    前記導体層は、導体層貫通孔を有し、
    前記カバー層は、前記導体層貫通孔の外周を覆うように形成され、かつ、光透過性を有し、
    前記カバー層の厚みを2倍にした場合の、470nmから525nmの範囲内の波長の光の透過率が5%以上であることを特徴とするサスペンション用基板。
  5. 前記導体層上に形成されたカバー層と、
    前記絶縁層および前記導体層を貫通し、前記金属支持基板および前記導体層を接続するビアと、を有し、
    前記ビアの全体が前記カバー層により覆われていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板を含むことを特徴とするサスペンション。
  7. 請求項6に記載のサスペンションと、前記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンション。
  8. 請求項7に記載の素子付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
  9. 金属支持基板と、
    前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成された導体層と、を有し、
    前記導体層は、導体層貫通孔を有し、
    前記金属支持基板は、前記導体層貫通孔と平面視上重なる位置に形成された金属支持基板貫通孔を有し、
    前記絶縁層が、前記導体層貫通孔から平面視上露出するように形成され、かつ、光透過性を有し、470nmから525nmの範囲内の波長の光の透過率が70%以上であり、さらに、前記導体層貫通孔から平面視上露出する領域の前記金属支持基板側に凹部を有するサスペンション用基板の製造方法であって、
    絶縁層形成用層の前記導体層貫通孔から平面視上露出する領域をハーフエッチングし、前記凹部を有する前記絶縁層を形成する絶縁層形成工程を有することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
JP2012153792A 2012-07-09 2012-07-09 サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法 Expired - Fee Related JP6279828B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012153792A JP6279828B2 (ja) 2012-07-09 2012-07-09 サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012153792A JP6279828B2 (ja) 2012-07-09 2012-07-09 サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014017035A JP2014017035A (ja) 2014-01-30
JP6279828B2 true JP6279828B2 (ja) 2018-02-14

Family

ID=50111580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012153792A Expired - Fee Related JP6279828B2 (ja) 2012-07-09 2012-07-09 サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6279828B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6382605B2 (ja) * 2014-07-08 2018-08-29 日東電工株式会社 回路付サスペンション基板およびその製造方法
JP6536695B2 (ja) * 2015-12-14 2019-07-03 株式会社村田製作所 積層型コイル
JP6384647B1 (ja) * 2017-02-23 2018-09-05 株式会社村田製作所 電子部品、電子機器および電子部品の実装方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0317785A (ja) * 1989-06-14 1991-01-25 Fujitsu Ltd パターン読取装置
JPH07123179B2 (ja) * 1990-10-05 1995-12-25 信越ポリマー株式会社 異方導電接着剤による回路基板の接続構造
JP2001007460A (ja) * 1999-06-17 2001-01-12 Iwaki Denshi Kk フレキシブル基板の認識マーク構造
JP4812481B2 (ja) * 2006-03-22 2011-11-09 日東電工株式会社 配線回路基板
JP4510066B2 (ja) * 2007-11-06 2010-07-21 日東電工株式会社 配線回路基板の製造方法および検査方法
JP5147591B2 (ja) * 2008-08-06 2013-02-20 日東電工株式会社 回路付サスペンション基板、その製造方法および回路付サスペンション基板の位置決め方法
JP2011049316A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Nitto Denko Corp 配線回路基板およびその製造方法
JP4962878B2 (ja) * 2010-07-05 2012-06-27 大日本印刷株式会社 サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、およびハードディスクドライブ、並びに、サスペンションの製造方法
JP5528273B2 (ja) * 2010-09-16 2014-06-25 日東電工株式会社 配線回路基板、配線回路基板集合体シートおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014017035A (ja) 2014-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4756350B2 (ja) 感光性樹脂組成物、物品、及びネガ型パターン形成方法
US8778596B2 (en) Photosensitive resin composition, pattern forming material comprising the photosensitive resin composition, and pattern forming method and article using the photosensitive resin composition
JP5386789B2 (ja) 光塩基発生剤、感光性樹脂組成物、及びネガ型パターン形成方法
WO2011126076A1 (ja) 薄膜トランジスタ基板
JP5747431B2 (ja) 感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物からなるパターン形成用材料、パターン形成方法、及び当該感光性樹脂組成物を用いた物品、並びに塩基発生剤
JP4830435B2 (ja) 感光性樹脂組成物及び物品
JP4978137B2 (ja) 感光性樹脂組成物及び物品
JP5120029B2 (ja) 感光性樹脂組成物、およびこれを用いた物品、及びネガ型パターン形成方法
US20120122033A1 (en) Polymer precursor, high transparency polyimide precursor, polymer compound, resin composition and article using thereof
JP2007262276A (ja) 感光性樹脂組成物、物品、及びネガ型パターン形成方法
KR20190083329A (ko) 디아민 화합물, 그것을 사용한 내열성 수지 및 수지 조성물
JP5446793B2 (ja) 感光性樹脂組成物、およびこれを用いた物品、及びネガ型パターン形成方法
JP2011052214A (ja) 塩基発生剤、感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物からなるパターン形成用材料、当該感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法並びに物品
JP6279828B2 (ja) サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法
JP5223633B2 (ja) 感光性樹脂組成物、およびこれを用いた物品、及びネガ型パターン形成方法
JP2011222788A (ja) 薄膜トランジスタ基板
JP5251211B2 (ja) 感光性樹脂組成物、及びパターン形成方法
JP4816176B2 (ja) 感光性樹脂組成物、物品、及びネガ型パターン形成方法
JP5609224B2 (ja) 薄膜トランジスタ基板
JP6721689B2 (ja) チップの製造方法および積層体
JP5614258B2 (ja) サスペンション用基板、サスペンション用基板の製造方法、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブ
JP2010254946A (ja) 感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物からなるパターン形成用材料、パターン形成方法、及び当該感光性樹脂組成物を用いた物品、並びに光潜在性樹脂硬化促進剤
JP5772003B2 (ja) サスペンション用基板、サスペンション用基板の製造方法、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブ
JP5413425B2 (ja) 高透明性ポリイミド前駆体、及びポリイミド前駆体樹脂組成物
JPWO2010038837A1 (ja) 感光性樹脂組成物、およびこれを用いた物品、及びネガ型パターン形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160502

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6279828

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees