JP6277884B2 - 十字軸式自在継手 - Google Patents
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Description
但し、上述の構造の場合、前記両結合腕部15c、15cのうちで肉厚が薄い先端寄り部分に前記各凹部24、24を形成している。この為、当該部分の剛性が低下してしまう可能性がある。又、当該部分の剛性の低下を補う為に、他の部分に補強部等を設ける事も考えられるが、この場合にはレイアウト性が低下してしまう可能性がある。更に、上述の構造の場合、前記ヨーク12cに対して、前記十字軸13を組み付ける方法が、上述の方法に限定されてしまう為、組み付け作業の自由度が高くない。
このうちの両ヨークはそれぞれ、回転軸の端部を結合固定する為の基部と、この基部の軸方向一端縁のうちで、この回転軸に関する直径方向反対側2箇所位置から軸方向に延出した1対の結合腕部と、これら両結合腕部の先端部に互いに同心に形成された1対の円孔とを備えている。
又、前記十字軸は、隣り合う軸部同士が互いに直交する状態で設けられた4本の軸部がそれぞれ、前記各円孔の内側に軸受を介して回転自在に支持されている。
本発明を実施する場合には、好ましくは請求項2に記載した発明の様に、前記両結合腕部のうちの他方の結合腕部にも、前記凹部を形成する。
又、本発明を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記凹部の、前記両ヨークの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状を円弧形とする。
又、本発明を実施する場合に、例えば、前記両結合腕部のうちの少なくとも一方の結合腕部の内側面のうち、前記円孔よりも先端寄り部分に、前記ヨークの軸方向に関する一端部が、前記結合腕部の先端面に開口すると共に、同じく他端部が、前記円孔の内周面に開口した、前記十字軸を構成する軸部の一部を挿入可能な先端側凹部を形成する事もできる。
又、請求項2に記載した発明によれば、前記結合腕部に前記十字軸を組み付ける際の方向性をなくして、組み付け作業の容易化を図れる。
又、請求項3に記載した発明の場合、前記凹部の形状を、前記十字軸の各軸部の外周面に沿う形状(断面円弧形)にしている。この為、前記両結合腕部のうちの前記凹部を形成した部分の剛性の低下を最小限に抑える事ができる。
更に、請求項4に記載した発明によれば、前記両結合腕部に前記十字軸を組み付ける作業の自由度を向上できる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜3により説明する。尚、本例の特徴は、ヨーク12eを構成する両結合腕部15d、15dの構造を工夫した点にある。その他の部分の構成に就いては、前記図7〜11に示した従来構造の場合と基本的には同じである。この為、重複する部分の説明及び図示は省略又は簡略にし、以下、本例の特徴部分及び先に説明しなかった部分を中心に説明する。尚、以下の説明では、十字軸に組み付けられる1対のヨークのうちの、一方のヨーク12eの構造に本発明を適用した例に就いて説明する。但し、本発明は、前記両ヨークのうちの、他方のヨークに適用する事もできる。
図示の例の場合、前記ヨーク12eは、鋼板等の十分な強度及び剛性を有する金属板に、プレスによる打ち抜き加工及び曲げ加工を施す事により、或いは、鋼製丸棒等の金属素材に鍛造加工、打ち抜き加工等を施す事により造られており、基部14dと、1対の結合腕部15d、15dとを備えている。
又、前記両結合腕部15d、15dは、前記基部14dの一端部のうちで、この基部14dに結合固定される回転軸20a、20b(図8参照)に関する直径方向反対側2箇所位置から、軸方向に延出した状態で設けられている。又、前記各結合腕部15d、15dの先端部にそれぞれ円孔21d、21dを、これら両結合腕部15d、15d同士の間で、互いに同心に形成している。
この様な十字軸13は、前記各軸部22a〜22dを、前記各円孔21d、21dの内側に、それぞれがシェル型ニードル軸受である、ラジアル軸受23a(図8参照)を介して回転自在に支持されている。
尚、本例の場合、前記両結合腕部15d、15dの内側面の先端寄り部分に、前述した従来構造の様な凹部24、24(図10、11参照)を形成していない。
先ず、図3(a)に示す様に、前記両結合腕部15d、15dに組み付ける1対の軸部22a、22cを、軸部22aが前記基部14d側となる状態で、これら両結合腕部15d、15dの内側面同士の間に配置(挿入)する。即ち、本例の場合、これら両結合腕部15d、15dの内側面同士の間に、前記両軸部22a、22cを配置するだけの、前記ヨーク12eの軸方向に関する空間が存在する。
又、本例の場合、両方の結合腕部15d、15dに、前記凹部26、26を形成している為、これら両結合腕部15d、15dに前記十字軸13を組み付ける際の方向性をなくして、組み付け作業の容易化を図れる。即ち、この十字軸13を、図3に示した場合と、逆方向に回転させつつ、前記両結合腕部15d、15dに組み込む事もできる。
又、本例の場合、前記両結合腕部15d、15dに形成した各凹部26、26の形状を、前記十字軸13の各軸部22a〜22dの外周面に沿う円弧形としている。この為、前記両結合腕部15d、15dのうちの前記各凹部26、26を形成した部分の剛性の低下及び応力の集中を最小限に抑える事ができる。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図5により説明する。本例の十字軸式自在継手の場合、ヨーク12fを構成する両結合腕部15e、15eの内側面のうちの、両円孔21e、21eよりも先端寄り部分に、前述した従来構造と同様の凹部24a、24a(特許請求の範囲の先端側凹部に相当)を形成している。これら各凹部24a、24aは、前記ヨーク12fの軸方向(図5の左右方向)に関する一端(図5の左端)が前記両結合腕部15e、15eの先端面に開口すると共に、同じく他端(図5の右端)が前記両円孔21e、21eの内周面に開口している。
この様な本例の場合、ヨーク12fの両結合腕部15e、15eに十字軸13(図3参照)を組み付ける作業を、前記図9及び図11で説明した手順、或いは、前記図3で説明した手順で行う事ができる為、組み付け作業の自由度を向上できる。又、前記ヨーク12fの内側に十字軸13を組み込む際の、この十字軸13のヨーク12fの中心軸に対する傾斜角度を大きくできる為、組み立て作業時間を短くできる。
又、本例の場合、前述した図3(a)に示す様に、前記十字軸13を、前記両結合腕部15e、15eの内側面同士の間に配置して、この十字軸13を一方(図5の時計方向)に回転させる際、一方の軸部22aの先端部を、一方(図5の下方)の結合腕部15eの凹部26の内側を、前記ヨーク12eの軸方向に関して他方から一方に向かって(図5の右から左へ)通過させると共に、他方の軸部22cの先端部を、他方(図5の上方)の結合腕部15dの凹部24aの内側を、前記ヨーク12eの軸方向に関して一方から他方に向かって(図5の左から右へ)通過させる様にして組み付ける事もできる。尚、前記十字軸13を回転させる方向を反対にして組み付ける事もできる。その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図6により説明する。本例の十字軸式自在継手の場合、ヨーク12gを構成する両結合腕部15f、15fの内側面のうち、両円孔21f、21fよりも基部14d側部分に形成された凹部26d、26dに関して、前記ヨーク12gの軸方向に関する他端部(図6の右端部)の位置を、前述した実施の形態の第1例及び第2例の凹部26よりも前記基部14d側に位置させている。具体的には、前記各凹部26d、26dの前記ヨーク12gの軸方向に関する他端部を、前記両結合腕部15f、15fの基端部に位置させている。その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第2例の場合と同様である。
又、凹部の形状は、前述した実施の形態の各例の構造に限定されるものではない。両結合腕部に十字軸を組み付ける際、これら両部材同士の干渉を防止しつつ、組み付けられる各種形状を採用する事ができる。
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5 ステアリングシャフト
6 ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 電動モータ
11 自在継手
12a、12b、12c、12d、12e、12f、12g ヨーク
13 十字軸
14a、14b、14c、14d 基部
15a、15b、15c、15d、15e、15f 結合腕部
16a、16b 第一フランジ部
17a、17b 第二フランジ部
18a、18b 不連続部
19a、19b 座面部
20a、20b 回転軸
21a、21b、21c、21d、21e、21f 円孔
22a、22b、22c、22d 軸部
23a、23b ラジアル軸受
24、24a 凹部
25 フランジ部
26、26a、26b、26c、26d 凹部
27 結合基部
Claims (4)
- 1対のヨークと、これら両ヨーク同士を揺動変位自在に結合する1個の十字軸とを備え、これら両ヨークはそれぞれ、回転軸の端部を結合固定する為の基部と、この基部の軸方向一端縁のうちで、この回転軸に関する直径方向反対側2箇所位置から軸方向に延出した1対の結合腕部と、これら両結合腕部の先端部に互いに同心に形成された1対の円孔とを備え、前記十字軸は、隣り合う軸部同士が互いに直交する状態で設けられた4本の軸部がそれぞれ、前記各円孔の内側に軸受を介して回転自在に支持されている十字軸式自在継手であって、
前記両結合腕部のうちの少なくとも一方の結合腕部の内側面のうち、前記円孔よりも前記基部側部分に、前記ヨークの軸方向に関する一端部が、この円孔の内周面に開口した、前記十字軸を構成する軸部の一部を挿入可能な凹部が形成されている事を特徴とした十字軸式自在継手。 - 前記両結合腕部のうちの他方の結合腕部にも、前記凹部が形成されている、請求項1に記載した十字軸式自在継手。
- 前記凹部の、前記両ヨークの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が円弧形である、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した十字軸式自在継手。
- 前記両結合腕部のうちの少なくとも一方の結合腕部の内側面のうち、前記円孔よりも先端寄り部分に、前記ヨークの軸方向に関する一端部が、前記結合腕部の先端面に開口すると共に、同じく他端部が、前記円孔の内周面に開口した、前記十字軸を構成する軸部の一部を挿入可能な先端側凹部が形成されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した十字軸式自在継手。
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